JP2011238862A - 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】添加する架橋剤及び紫外線吸収剤の最適な組み合わせ及び最適な添加量を見出し、黄変が抑制され接着力が良好である太陽電池用封止膜を提供すること。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤及び紫外線吸収剤を含む太陽電池用封止膜であって、前記架橋剤は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンであり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.1〜1.2質量部含み、前記紫外線吸収剤は2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンであり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.02〜0.28質量部含むことを特徴とする太陽電池用封止膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする太陽電池用封止膜に関し、特に、黄変が防止され、接着性が良好な太陽電池用封止膜に関する。また、この封止膜を用いた太陽電池に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接、変換する太陽電池が広く使用され、更に生産性や耐久性の点から開発が進められている。
太陽電池は、例えば、図1に示すように、ガラス基板などからなる表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、シリコン発電素子などの太陽電池用セル14、裏面側封止膜13B、及び裏面側保護部材12をこの順で積層し、減圧で脱気した後、加熱加圧して表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bを架橋硬化させて接着一体化することにより製造される。従来の太陽電池では、高い電気出力を得るために、複数の太陽電池用セル14を接続して用いられている。従って、太陽電池用セル14間の絶縁性を確保するために、絶縁性のある封止膜13A、13Bを用いて太陽電池用セルを封止している。
封止膜13A、13Bには、安価であり高い透明性及び接着性を有することからエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムなどが従来から用いられている(例えば、特許文献1)。封止膜用のEVAフィルムには、太陽電池セルの機械的な耐久性の確保や、湿気又は水の透過による内部の導線や電極の発錆の防止のため、高度な密着性及び接着強度で各部材を接着一体化させる機能が必要である。
EVAフィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体および架橋剤などを含む組成物を成膜することで作製される。架橋剤を用いてEVAを架橋させることにより、EVAフィルムの接着性、耐久性を向上させることができる。
架橋剤としては、例えば特許文献1では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンやn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)パレエートが用いられ、特許文献2では、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが用いられている。
また、太陽電池においては、太陽電池に入射した光をできるだけ効率よく太陽電池用セル内に取り込めるようにすることが発電効率の向上の点から望まれている。従って、太陽電池用封止膜は、できるだけ高い透明性を有し、入射した太陽光を吸収したり、反射したりすることが無く、太陽光のほとんどを透過させるものが望ましい。
しかしながら、太陽電池を長期間使用した場合、太陽光、特に紫外線の影響により、封止膜が黄変して、太陽光の透過率が低下する現象がみられること、及びその黄変による外観不良が問題となっている。この問題のため、従来から封止膜には紫外線吸収剤が添加されている。
紫外線吸収剤としては、例えば特許文献1では、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンが用いられ、また特許文献2では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンが用いられている。
特開2002−170971 特開2008−159856
架橋剤は架橋反応した場合、反応残渣と未反応物が残留し、このような残留物は不安定なため、光や熱によりラジカルが発生し、一度ラジカルが発生すると新たなラジカルの生成が連鎖的に生じ、ポリマーの酸化劣化及び共役二重結合の生成による封止膜の黄変を招く場合がある。また、紫外線吸収剤も経時的な劣化により、封止膜に黄変を発生させる場合がある。したがって、架橋剤と紫外線吸収剤を併用すると封止膜が黄変する可能性が高くなるとの問題があった。また、架橋剤及び紫外線吸収剤を適切な量で添加しなければ、封止膜と表面側保護部材及び裏面側保護部材との接着力が低下して、リーク電流が生じ、発電効率が低下する場合がある。
従って、本発明の目的は、添加する架橋剤及び紫外線吸収剤の最適な組み合わせ及び最適な添加量を見出し、黄変が抑制され接着力が良好である太陽電池用封止膜を提供することにある。また、この太陽電池用封止膜を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明者は、数多くの架橋剤と紫外線吸収剤の組み合わせ及び添加量を検討し実験を重ねた結果、上記目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤及び紫外線吸収剤を含む太陽電池用封止膜であって、前記架橋剤は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(以下、「架橋剤A」とも称する。)であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.1〜1.2質量部含み、前記紫外線吸収剤は2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(以下、「紫外線吸収剤Aとも称する。」)であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.02〜0.28質量部含むことを特徴とする太陽電池用封止膜により達成されることを見出した。
本発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの含有量が0.3〜0.9質量部である。
(2)前記2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンの含有量が0.02〜0.2質量部である。
(3)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、20〜35質量%である。
また、本目的は、上記太陽電池用封止膜を用いたことを特徴とする太陽電池によって達成される。
本発明の太陽電池用封止膜では、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンと2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンを組み合わせて使用し、さらにこれらの添加量を最適化することにより、良好な接着性が得られ、長期間使用した場合であっても黄変を顕著に抑制することができる。従って、本太陽電池用封止膜によれば、設置初期から長期間に亘り高い発電性能を発揮することができる太陽電池を提供することができる。
一般的な太陽電池の概略断面図である。 接着力の評価である180°ピール試験法を説明するための概略図である。
上述したように、本発明の太陽電池用封止膜は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1〜1.2質量部の架橋剤A及び0.02〜0.28質量部の紫外線吸収剤Aを含んでいる。この組み合わせと添加量によれば、太陽電池用封止膜の良好な接着性を確保しつつ黄変を抑制することができる。
以下、本発明の太陽電池用封止膜をより詳細に説明する。
[2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(架橋剤A)]
本発明に使用する架橋剤Aは、下記式(I)
Figure 2011238862
で表されるパーオキサイド系有機過酸化物である。加熱することによりラジカルを発生し、エチレン−酢酸ビニル共重合体を架橋させる。常温で液体であるためにエチレン−酢酸ビニルとの相溶性が良く、また外観は無色透明であるので、添加することによって封止膜の透明性を低下させることがない。
架橋剤Aは、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.1〜1.2質量部、好ましくは0.3〜0.9質量部の範囲で配合する。この範囲より少ないと十分な接着性が得られない場合があり、この量より多いと黄変が生じる場合がある。
[2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(紫外線吸収剤A)]
本発明に使用する紫外線吸収剤Aは、下記式(II)
Figure 2011238862
で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
紫外線吸収剤Aは、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.02〜0.28質量部、好ましくは0.02〜0.2質量部の範囲で配合する。この範囲より少ないと紫外線を吸収する効果が得られない場合があり、この範囲より多いと黄変が生じる場合がある。
[エチレン−酢酸ビニル共重合体]
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAとも言う)を主成分とすることで、安価であり、透明性及び柔軟性に優れる太陽電池用封止膜を形成することができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有量は、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体に対して20〜35質量%、さらに22〜30質量%、特に24〜28質量%とするのが好ましい。酢酸ビニルの含有量が、20質量%未満であると、高温で架橋硬化させる場合に得られるフィルムの透明性が充分でない恐れがあり、35質量%を超えると、カルボン酸、アルコール、アミン等が発生し太陽電池用封止膜と保護部材との界面で発泡が生じ易くなる恐れがある。
本発明の太陽電池用封止膜は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に加えて、さらにポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)、塩化ビニル樹脂を副次的に使用しても良い。その場合、特にPVBが好ましい。
[架橋助剤]
さらに、架橋硬化前の太陽電池用封止膜は、架橋助剤を含んでいることが好ましい。前記架橋助剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋密度を向上させ、封止膜の接着性及び耐久性を向上させることができる。
前記架橋助剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜3.0質量部、より好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。このような架橋助剤の含有量であれば、架橋助剤の添加によるガスの発生もなく、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋密度を向上させることができる。
前記架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
[接着性向上剤]
本発明の太陽電池用封止膜には、更に接着力を高める目的で、シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。特に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また、シランカップリング剤の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、特に0.1〜2質量部が好ましい。
[その他]
本発明の太陽電池用封止膜は、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
前記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。可塑剤の含有量はエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
前記アクリロキシ基含有化合物及び前記メタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基を挙げることができる。アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
前記エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
前記アクリロキシ基含有化合物、前記メタクリロキシ基含有化合物、または前記エポキシ基含有化合物は、それぞれエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してそれぞれ一般に0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
更に、本発明の太陽電池用封止膜は、老化防止剤を含んでいてもよい。老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
上述した本発明の太陽電池用封止膜を形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上述した各成分を含む組成物を、通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。また、前記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。尚、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。本発明の太陽電池用封止膜の厚さは特に制限されないが、0.05〜2mmである。
本発明の太陽電池の構造は、本発明の太陽電池用封止膜を用いていれば、特に制限されない。例えば、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明の太陽電池用封止膜を介在させて架橋一体化させることにより太陽電池用セルを封止させた構造などが挙げられる。なお、本発明において、太陽電池セルの光が照射される側(受光面側)を「表面側」と称し、太陽電池セルの受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
前記太陽電池において、太陽電池用セルを十分に封止するには、例えば、図1に示すように表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、太陽電池用セル14、裏面側封止膜13B及び裏面側保護部材12を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜を架橋硬化させればよい。
前記加熱加圧するには、例えば、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、特に155〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bに含まれるエチレン−酢酸ビニル共重合体を架橋させることにより、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bを介して、表面側透明保護部材11、裏面側透明部材12、および太陽電池用セル14を一体化させて、太陽電池用セル14を封止することができる。
なお、本発明の太陽電池用封止膜は、図1に示したような単結晶又は多結晶のシリコン結晶系の太陽電池セルを用いた太陽電池だけでなく、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池の封止膜にも使用することもできる。この場合は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂系透明基板等の表面側透明保護部材の表面上に化学気相蒸着法等により形成された薄膜太陽電池素子層上に、本発明の太陽電池用封止膜、裏面側保護部材を積層し、接着一体化させた構造、裏面側保護部材の表面上に形成された太陽電池素子上に、本発明の太陽電池用封止膜、表面側透明保護部材を積層し、接着一体化させた構造、又は表面側透明保護部材、表面側封止膜、薄膜太陽電池素子、裏面側封止膜、及び裏面側保護部材をこの順で積層し、接着一体化させた構造等が挙げられる。
本発明の太陽電池に使用される表面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される裏面側保護部材12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムが好ましく用いられる。また、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムでも良い。
なお、本発明の太陽電池(薄膜太陽電池を含む)は、上述した通り、表面側及び/又は裏面側に用いられる封止膜に特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および太陽電池用セルなどの前記封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1〜10、比較例1〜7)
表1及び2に示す配合で各材料をロールミルに供給し、70℃において混練して太陽電池用封止膜組成物を調製した。前記太陽電池用封止膜組成物を、70℃においてカレンダ成形し、放冷後、太陽電池用封止膜(厚さ0.6mm)を作製した。
(評価方法)
(1)黄色度
白色ガラス(厚さ3mm)/上記太陽電池用封止膜(厚さ0.6mm)/白色ガラス(厚さ3mm)の順で積層し、得られた積層体を真空ラミネーターにて、100℃の温度で10分間仮圧着した後、オーブンに入れ、温度155℃の条件で45分架橋させた。この積層体について、紫外線照射200時間後の黄色度(YI)を、カラーメーター(HZ−2、スガ試験機株式会社製)を用いて、JIS−K−7105(1981)に準拠して測定した。
(2)ガラス接着力
接着力は180°ピール試験(JIS K 6854、1994年)により評価した。フロートガラス(3mm厚)/上記太陽電池用封止膜(0.6mm厚)/離形PETフィルム(75μm厚)の順で積層し、得られた積層体を真空ラミネーターにて、100℃の温度で10分間仮圧着した後、オーブンに入れ、温度155℃の条件で45分架橋させた。これを、図2に示すように、ガラス板21と太陽電池用封止膜23との間の一部を剥離して、太陽電池用封止膜23を180°折り返して引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて引張速度100mm/分時の引き剥がし力をガラス接着力(N/cm)として測定した。
Figure 2011238862
Figure 2011238862
(評価結果)
実施例1〜10において架橋剤Aと紫外線吸収剤Aを表1に示すように、種々の添加量で配合した太陽電池用封止膜は、黄色度、ガラス接着力共に良好であった。特に、架橋剤Aを0.3〜0.9質量部、紫外線吸収剤Aを0.02〜0.2質量部配合した実施例3〜5及び7,8は黄色度が低く且つ接着性も良好であることが認められた。
比較例1〜4において、各種架橋剤及び紫外線吸収剤を組み合わせて作製した封止膜を評価したところ、黄色度が高いことが認められた。比較例5〜7において、架橋剤A及び紫外線吸収剤Aの配合量を変更して作製した封止膜は、黄色度が高いか又はガラス接着力が低下していた。
以上により、架橋剤Aを0.1〜1.2質量部含み、紫外線吸収剤Aを0.02〜0.28質量部含む太陽電池用封止膜は、黄色度が低く、接着性が良好であることが示された。
黄変が防止され、良好な接着力を有する太陽電池用封止膜を太陽電池に用いることで、設置初期から長期間に亘り、発電効率の高い太陽電池を提供することができる。
11 表面側透明保護部材
12 裏面側保護部材
13A 表面側封止膜
13B 裏面側封止膜
14 太陽電池用セル
21 ガラス板
23 太陽電池用封止膜

Claims (5)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤及び紫外線吸収剤を含む太陽電池用封止膜であって、
    前記架橋剤は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンであり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.1〜1.2質量部含み、
    前記紫外線吸収剤は2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンであり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.02〜0.28質量部含むことを特徴とする太陽電池用封止膜。
  2. 前記2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの含有量が0.3〜0.9質量部である請求項1に記載の太陽電池用封止膜。
  3. 前記2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンの含有量が0.02〜0.2質量部である請求項1又は2に記載の太陽電池用封止膜。
  4. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、20〜35質量%である請求項1〜3の何れか1項に記載の太陽電池用封止膜。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の太陽電池用封止膜を用いたことを特徴とする太陽電池。
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