JP2011187445A - 誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置を提供する。
【解決手段】導電性母材(中空のステンレスパイプ)36b,36Bを誘電体36a,36Aで被覆した角柱型の誘電体被覆電極36c,36Cであって、誘電体36a,36Aの空隙率が10体積%以下である。具体的には、セラミックスの溶射を空隙率10体積%以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行う。ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化が良く、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
【選択図】図8

Description

本発明は、誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置に関する。
近年、視認性向上のために反射防止層または防眩層を付与したディスプレイが多く使用されている。反射防止層や防眩層は用途に応じてさまざまな種類や性能の改良がなされ、これらの機能を有する種々の前面版を液晶ディスプレイの偏光子等に貼り合わせることで、ディスプレイに視認性向上のために反射防止機能または防眩機能等を付与する方法が用いられている。これら、前面版として用いる光学用フィルムには、塗布または、スパッタリング等で形成した反射防止層または防眩層が設けられている。
しかし、これらの光学用フィルムは、例えば偏光板等に張り合わせる工程が必要であり、その為に、接着性の改善を目的としたアルカリ液による表面のケン化処理や糊の塗布などの前処理工程が必須で、皺の発生やムラを生じ易かったり、反射防止層や防眩層もそれによりダメージを受け易い欠点を有していた。又、張り合わせ工程において、多数の面タッチローラーに触れたりすることで反射防止層または防眩層に傷が発生しやすいという欠点も有していた。
また、光学用フィルムの貼り合わせ工程やパネル作製時に、静電気等によるゴミの付着も起きやすく、欠陥の発生原因となっており改良が望まれていた。
また、視認性を改善するため、従来でも、表示装置の表面には防眩層あるいは反射防止層が設けられているが、表示装置のカラー化、高精細化に伴って、より視認性の優れた表示装置が求められている。
本発明の目的は、誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置を提供することである。
本発明の上記目的は下記の項目1〜13によって達成された。
1.導電性母材を誘電体で被覆した角柱型の誘電体被覆電極であって、前記誘電体の空隙率が10体積%以下であることを特徴とする誘電体被覆電極。
2.前記誘電体が、比誘電率6〜45の無機材料であることを特徴とする前記1に記載の誘電体被覆電極。
3.前記誘電体は、セラミックスを溶射した後、無機材料で封孔処理されていることを特徴とする前記1または2に記載の誘電体被覆電極。
4.前記セラミックスがアルミナを含むことを特徴とする前記3に記載の誘電体被覆電極。
5.前記封孔処理の無機材料はゾルゲル反応により硬化されることを特徴とする前記3または4に記載の誘電体被覆電極。
6.前記ゾルゲル反応が熱もしくはUVにより促進されたことを特徴とする前記5に記載の誘電体被覆電極。
7.前記誘電体の表面が研磨仕上げされていることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極。
8.前記誘電体の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする前記7に記載の誘電体被覆電極。
9.前記誘電体被覆電極が冷却水による冷却手段を有することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極。
10.対向する2種の電極間に基材を位置させ、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、前記電極間に電圧を印加して放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、前記基材上に薄膜を形成するプラズマ放電処理装置において、前記対向する2種の電極の少なくとも一方が、前記1〜9のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極であることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
11.前記基材が長尺フィルムであって、少なくとも前記対向する2種の電極の一方が、前記長尺フィルムを巻回し、長尺フィルムの搬送方向に回転する一つのロール電極であり、前記一つのロール電極と対向する電極は、前記誘電体被覆電極を複数配置した電極群であることを特徴とする前記10に記載のプラズマ放電処理装置。
12.前記ロール電極が導電性母材を誘電体で被覆した誘電体被覆電極であることを特徴とする前記11に記載のプラズマ放電処理装置。
13.前記ロール電極の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする前記11にまたは12に記載のプラズマ放電処理装置。
誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置を提供する。
本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図である。 本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。 本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる円筒型のロール電極の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる固定型の円筒型電極の一例を示す概略図である。 (a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ放電処理に用いられる固定型の角柱型電極の一例を示す概略図である。 本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図である。 本発明のセルロースエステルフィルムの製造装置の一例を示す工程図である。 本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法で用いられるスリットダイの一例の断面図を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記の問題点について、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも一方の面が、微粒子含有層を表層として有し、且つ、ヘイズが3%〜30%未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルムを用いることにより、良好な耐擦傷性を有し、且つ、優れた視認性を示すセルロースエステルフィルムを得ることが出来ることを見いだした。
本発明に記載の効果である視認性を更に高めるためには、前記のセルロースエステルフィルムの表層上に、直接または、他の層を介して活性線硬化樹脂層を設けた防眩フィルムを用いることが好ましく、更に好ましくは、前記の活性線硬化樹脂層に、粒子径の細かい微粒子を含ませ、より微細な凹凸を形成することであり、特に好ましくは、前記活性線硬化樹脂層上に、反射防止層を形成することにより、更に良好な視認性を得ることが出来ることを見いだした。
また、更に優れた耐擦傷性を得る観点から、前記反射防止層は、金属酸化物層を有することが好ましく、更に好ましくは、前記金属酸化物層が大気圧プラズマ処理によって形成されたものが好ましい。
ここで、本発明のセルロースエステルフィルム、それを用いた防眩フィルムの層構成を図1〜図3を用いて説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムは、少なくとも一方の面の表層に微粒子を含有する層を設けたセルロースエステルフィルムであり、前記微粒子を含有する表層を設けることにより、表面に凹凸を有するセルロースエステルフィルムが得られる。ここで、表面に凹凸を有するセルロースエステルフィルムは、共流延製膜法により形成されたものが好ましい。
上記のセルロースエステルフィルムの表面に凹凸を有する面上に活性線硬化樹脂層(防眩層ともいう)を塗設することにより防眩性を示す防眩フィルムが作製される。前記活性線硬化樹脂層の中心線平均粗さRaは、0.1μm〜0.5μmであることが好ましい。
本発明の防眩フィルムには、更に反射防止層や活性線硬化樹脂層を設けることが出来る。
図1は、本発明の防眩フィルムの一例を示す概略断面図である。
一方の面に、微粒子含有層を表層として有するセルロースエステルフィルムの表層上に、活性線硬化樹脂層、反射防止層、更に防汚層が設けられ、他方の面には、ブロッキング防止を目的とした微粒子含有層を設けることが好ましい。他方の面上に設けられる、微粒子含有層は、共流延法により形成してもよく、塗布により形成しても良い。
図2は、本発明の防眩フィルムの他の一例を示す概略断面図である。
図2においては、セルロースエステルフィルムの一方の面に設けられた微粒子含有層において、図1の構成とは異なり、粒径の異なる粒子(ここで、粒径が異なる粒子とは、1次粒径が異なる場合、2次粒径が異なる場合のどちらでもよい)を用いることで、より微細な凹凸を有する表層を形成した例を示す。
図3(a)、(b)は、本発明の防眩フィルムの他の一例を示す概略断面図である。
図3(a)は、セルロースエステルフィルムに、凹凸の周期の大きな表層を形成し、更に、表層の上に形成する活性線硬化樹脂層にも微粒子を含有させて、前記セルロースエステルフィルム表層より周期の小さな凹凸を形成したものである。
このような構成をとることにより、より防眩性能に優れた防眩フィルムを得ることが出来る。更に反射防止層を設ける場合、金属酸化物微粒子を含む層を反射防止層として設けることが出来るが、後述する大気圧プラズマ法は、微細な凹凸を有する面の上にも膜厚が均一な反射防止層を形成することが出来るため、特に好ましく用いられる。
図3(b)は、セルロースエステルフィルムに、凹凸の周期の大きな表層を形成し、更に、該表層の上に、活性線硬化樹脂層を2層設けた例であり、上側の活性線硬化樹脂層中に微粒子を加え、微細で、周期が小さい凹凸を形成したものである。
本発明に係る微粒子について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムは、少なくとも一方の面の表層に微粒子を含有することが必須要件である。前記表層と微粒子との好ましい構成は以下に示される様なものである。
本発明に係る微粒子の粒径としては、一次粒子の平均粒径が5nm〜10μmの範囲のものが好ましく、更に好ましくは、10nm〜5μmである。
前記微粒子を含有する表層の膜厚としては、1μm〜20μmが好ましく、更に好ましくは、3μm〜15μmであり、特に好ましくは5μm〜10μmである。
ここで、表層の平均膜厚に対して0.5〜1.5倍の一次粒子径もしくは、二次粒子(凝集物)が含まれていることが好ましく、表層の平均膜厚よりも大きな粒子径を有する粒子が含まれていることが好ましい。
本発明において、表層とは、フィルム表面から中心方向に深さ20μmまでの領域をさし、フィルムの内部(もしくは内部領域)とは前記表層を除く領域をさす。
また、本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚は30μm〜1000μmが好ましく、更に好ましくは、35μm〜500μmであり、特に好ましくは40μm〜300μmである。
本発明に係る表層は、高低差0.1μm以上の凹凸を有することが好ましく、この凹凸を設けるために、上記微粒子が用いられる。本発明に係る高低差としては、0.1μm〜10μmの高低差が好ましく、更に好ましくは、0.2μm〜5μmであり、更に好ましくは、0.5μm〜2μmである。また、表層の平均膜厚に対して、0.1μm〜10μmの凸部を有することが好ましい。
また、上記の高低差は、JIS B 0601で規定される最大高さ(Rmax)で表され、測定は、光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社製)を使用して行うことが出来る。
本発明にかかわる微粒子としては、例えば、無機粒子及び有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)、或いは、250、250N、256、256N、310、320、350、358、430、431、440、450、470、435、445、436、446、456、530、540、550、730、740、770(以上、富士シリシア(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
本発明に係る酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
有機粒子としては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、シリコン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、更にポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ弗化エチレン系樹脂等が使用できる。
これらのうちでも、本発明の目的の一つである視認性を達成するには、シリカなどの酸化珪素が特に好ましく用いられる。ここで好ましく用いられる酸化珪素粒子は、合成非晶質シリカのなかでも湿式法によって作られる超微粉含水珪酸が光沢度を下げる効果が大きく好ましい。湿式法とは珪酸ソーダと鉱酸及び塩類を水溶液中で反応させる方法で、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
本発明に係る微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
(調製方法A)
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
(調製方法B)
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量の樹脂を加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
(調製方法C)
溶剤に少量の樹脂を加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
調製方法Aは微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは微粒子が再凝集しにくい点に優れている。調製方法Bは微粒子の分散性と、微粒子が再凝集しにくい等、両方に優れているため好ましい調製方法である。
(分散方法)
微粒子を溶剤などと混合して分散するときの微粒子の濃度は5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がさらに好ましく、15質量%〜20質量%が最も好ましい。
使用される溶剤は、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、或いは酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アルコール類が用いられ、特に低級アルコール類が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
分散機は通常の分散機が使用できる。分散機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられる。
メディア分散機としてはボールミル、サンドミル、ダイノミルなどがあげられる。
メディアレス分散機としては超音波型、遠心型、高圧型などがある。高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が10MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは20MPa以上である。またその際、最高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度が418kJ/時間以上に達するものが好ましい。
上記のような高圧分散装置にはMicrofluidics Corporation社製超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいはナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)社製UHN〜01等が挙げられる。
本発明に係るヘイズについて説明する。
本発明に記載の効果(視認性向上)を得る為に、本発明のセルロースエステルフィルムのヘイズは、3%〜30%未満であることが必須要件である。
ここで、ヘイズの測定は、詳細は実施例に記載するが、ASTM−D1003−52に準じて測定することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムを上記記載のヘイズ値の範囲に調整する為の手段としては、上記記載の有機微粒子及び/または、無機微粒子をセルロースエステルフィルムの表面層に含有させることが好ましいが、中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さく出来るので好ましい。
また、二酸化ケイ素のような微粒子を有機物により表面処理したものは、フィルムのヘイズを上記の範囲に調整するために好ましく用いられる。
本発明に係る活性線硬化樹脂層について説明する。
本発明に係る活性線硬化樹脂層は、バインダーとして活性線硬化性樹脂を含有し、更に好ましくは、塗布後活性線照射により前記酸化珪素粒子や酸化珪素微粒子含有活性線硬化樹脂層を形成させることが好ましい。
本発明で用いられる活性線硬化性樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂として定義される。
活性線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的具体例として挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂であってもよい。
紫外線硬化性樹脂の例としては、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性アクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂及び紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられる。
紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等の光重合モノマーオリゴマーである。これらのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で硬化性が大きい、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、又低臭気性で低毒性であり安全性も比較的高いので好ましく用いられる。
上記の紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂には、その効果を損なわない範囲で他の紫外線硬化性樹脂、例えば紫外線硬化性エポキシ系樹脂を含有して使用してもよい。アクリレート系樹脂は厚膜塗布した硬化塗膜は、硬化収縮によりカーリングが強くなり、取り扱い作業上支障をきたす場合がある。エポキシ系樹脂はアクリレート系樹脂と比べて一般に硬化収縮が小さく硬化塗膜のカーリングも小さい。ここで言う紫外線硬化性エポキシ系樹脂とはエポキシ基を分子内に2個以上含む化合物で、カチオン重合開始剤を含有し、紫外線を照射することにより架橋反応するエポキシ樹脂である。
電子線硬化性樹脂の例としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
本発明の効果を顕著に、また簡易に発揮するためには、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
アクリル基またはメタクリル基を有する上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等を挙げることが出来る。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号公報)。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号公報)。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等を挙げることが出来る。
本発明に使用される上記活性エネルギー線反応性化合物を光重合あるいは光架橋反応を開始させるには、上記活性エネルギー線反応性化合物のみでも開始するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かったりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ましく、それにより重合を早めることが出来る。これらの光増感剤や光開始剤は公知のものを使用し得る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。
また、エポキシアクリレート基を有する活性エネルギー線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。この活性エネルギー線反応性化合物に用いられる光反応開始剤または光増感剤は紫外線反応性化合物の100質量部に対して0.1〜15質量部で光反応を開始するには十分であり、好ましくは1〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
本発明には活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂も好ましく用いられる。活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)、例えば、水素添加ビスフェノールAまたはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物のグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどがあり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、脂環式エポキシ化合物、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3′,4′−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3′,4′−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ポリ−2−グリシジルオキシエチルアクリレート、ポリ−2−グリシジルオキシエチルメタクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレート、2−グリシジルオキシエチルアクリレートまたは2−グリシジルオキシエチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合物、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等を挙げることが出来、または単独または2種以上組み合わせた付加重合物を挙げることが出来る。本発明は、これらの化合物に限定せず、これらから類推される化合物も含むものである。
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有するもの以外に、モノエポキサイドも所望の性能に応じて配合して使用することが出来る。
活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
エチルスルホン酸銀、ポリ硼素酸銀等も好ましく用いることが出来る。
有用な活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する化合物を、光重合開始剤または光増感剤により重合する。照射によりカチオン重合させるルイス酸を放出するオニウム塩での複塩の一群が特に好ましい。
例えば、下記一般式(III)で表される化合物が一例として挙げられる。
一般式(III)
〔(R(R(R(RZ〕+w〔MeX−w
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R、R、R、Rは同一であっても異なっていてもよい有機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであり、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、vはハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。vから中心原子Meの価数を減じたものがwである。
上記一般式の陰イオン〔MeX−wの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等を挙げることが出来る。
更に一般式MeX(OH)の陰イオンも用いることが出来る。また、その他の陰イオンとしては過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO )、フルオロスルホン酸イオン(FSO )、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン酸陰イオン等を挙げることが出来る。
このようなオニウム塩の中でも特に芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが、特に有効であり、中でも特開昭50−151996号、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号、同52−30899号、同59−55420号、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号、同56−149402号、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることが出来る。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの光増感剤を併用することが出来る。
本発明に有用な活性エネルギー線硬化樹脂組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性エネルギー線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部の範囲で添加される。またエポキシ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテルアクリレート型樹脂等とも併用することも出来、この場合、活性エネルギー線ラジカル重合開始剤と活性エネルギー線カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。
本発明に用いる活性エネルギー線硬化樹脂含有層には、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいはゼラチンなどの親水性樹脂等のバインダーを上記活性エネルギー線硬化樹脂に混合して使用することが出来る。これら樹脂にはその分子中に極性基を持っていることが好ましく、極性基としては、−COOM、−OH、−NR、−NRX、−SOM、−OSOM、−PO、−OPOM(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げることが出来る。
本発明に係る活性線硬化性樹脂の硬化は、電子線または紫外線のような活性線照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
また、活性線照射時に付与されるエネルギー量としては、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm〜500mJ/cmである。
活性線硬化樹脂層の膜厚としては、0.3μm以上10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは、0.5μm以上5μm以下である。
また、活性線硬化樹脂層の、JIS B 0601で規定される、中心線平均粗さ(Ra)が、0.1μm〜0.5μmであることが好ましく、更に好ましくは、0.2μm〜0.4μmである。
本発明に係る反射防止層について説明する。
本発明においては、活性線硬化樹脂層を有する防眩フィルムの活性線硬化樹脂層上に反射防止層が設けられることが好ましい。反射防止層としては、通常SiOやTiO、ZrO、Y等の屈折率の異なる金属酸化物の薄膜や有機高分子薄膜等を3〜4層積層した構成が好ましいが、単層で屈折率が1.25以下の低屈折率皮膜も好ましく用いられる。反射防止層は、複数層で構成されていても良く、その場合、各層の屈折率や膜厚が最適な値に調整される。
反射防止層の膜厚は、通常1nm〜200nmの範囲であり、各層の屈折率に応じて、適切な膜厚が選択される。
反射防止層の構成としては、単層、多層の各種知られているが、多層のものとしては高屈折率層、低屈折率層を交互に積層した構造のものを用いても良い。
構成の例としては、高屈折率層/低屈折率層の2層の順のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材あるいはハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層してもよい。
上記の活性線硬化樹脂層上に、反射防止層として高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層(基材フィルムよりも屈折率が低い層)の順に塗布することも出来る。
屈折率はそこに含まれる金属あるいは化合物によってほぼ決まり、例えばTiやZrは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。
反射防止層は、Ti、Zr、Si、Sn等の金属酸化物微粒子、または、これらの金属アルコキシドまたは、その加水分解物、Fを含む有機物微粒子、重合性含フッ素化合物等を有する塗布膜を用いて各屈折率層を塗設して設けることが出来る。
本発明の防眩フィルムの活性線硬化樹脂層上に設けられる反射防止層は、450nm〜650nmにおける平均反射率が1%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5%以下である。
本発明に係る反射防止層は、プラズマ処理により形成することが好ましく、特に好ましいのは、大気圧プラズマ法による金属酸化物層或いは含フッ素化合物層を有する反射防止層を形成することである。
大気圧プラズマ法による金属酸化物層の形成においては、対向する電極間に、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm以上の電力を供給し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させることが好ましい。
このようなハイパワーの電界を印加することによって、緻密で、膜厚均一性の高い金属酸化物層を生産効率高く得ることが可能である。
本発明において、電極間に印加する高周波電圧の周波数は、好ましくは150MHz以下である。
また、高周波電圧の周波数としては、好ましくは200kHz以上、さらに好ましくは800kHz以上である。
また、電極間に供給する電力は、好ましくは1.2W/cm以上であり、好ましくは50W/cm以下、さらに好ましくは20W/cm以下である。尚、電極における電圧の印加面積(/cm)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
本発明では、このようなハイパワーの電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる電極をプラズマ放電処理装置に用いることが好ましい。
このような電極としては、金属母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアース電極の片側に誘電体を被覆すること、更に好ましくは、対向する印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。誘電体としては、比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。
また、基材を電極間に載置あるいは電極間を搬送してプラズマに晒す場合には、基材を片方の電極に接して搬送出来るロール電極仕様にすることが好ましく、更に、電極の誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601により規定される)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつポーラスで無い高精度の無機誘電体を被覆することで大きく耐久性を向上させることができる。
また、高温下での金属母材に対する誘電体被覆による電極製作において、少なくとも基材と接する側の誘電体を研磨仕上げすること、更に電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必要であり、そのため、母材表面に、応力を吸収出来る層として泡混入量をコントロールして無機質の材料をライニングすることが好ましく、特に材質としては琺瑯等で知られる溶融法により得られるガラスであることが良く、更に導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を20〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等が発生しない良好な電極が出来る。
また、電極の母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミックスの溶射を空隙率10体積%以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行うことであり、ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化が良く、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来る。
このような電極を用いたプラズマ放電処理装置について、図4〜9を参照しながら説明する。図4、5及び9で示されるプラズマ放電処理装置は、アースされたロール電極25と、対向する位置に配置された印加電極である固定電極26または36との間で放電させ、当該電極間に反応性ガスを給気口52より導入してプラズマ状態とし、前記ロール電極に巻回された長尺フィルム状の基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、基材の表面に薄膜を形成するものであるが、本発明の薄膜形成方法を実施する装置としてはこれに限定されるものではなく、グロー放電を安定に維持し、薄膜を形成するために反応性ガスを励起してプラズマ状態とするものであればよい。
他の方式としては、基材を電極間ではない電極近傍に載置あるいは搬送させ、発生したプラズマを当該基材上に吹き付けて薄膜形成を行うジェット方式等がある。
図4は、本発明の薄膜形成方法に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
図4において、長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極25に巻回されながら搬送される。固定されている電極26は複数の円筒から構成され、ロール電極25に対向させて設置される。ロール電極25に巻回された基材Fは、ニップローラ65、66で押圧され、ガイドローラ64で規制されてプラズマ放電処理容器31によって確保された放電処理空間に搬送され、放電プラズマ処理され、次いで、ガイドローラ67を介して次工程に搬送される。
また、仕切板54は前記ニップローラ65、66に近接して配置され、基材Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器31内に進入するのを抑制する。
この同伴される空気は、プラズマ放電処理容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑えることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがより好ましい。前記ニップローラ65および66により、それを達成することが可能である。
尚、放電プラズマ処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと、反応性ガスである有機フッ素化合物、チタン化合物または珪素化合物等を含有する有機ガス等)は、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
図5は、図4と同様に、本発明の製造方法に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズマ放電処理容器の一例を示す概略図であるが、図4においては、ロール電極25に対向する固定されている電極26は円柱型の電極が用いられているのに対し、角柱型電極36に変更した例を示している。
図4に示した円柱型の電極26に比べて、図5に示した角柱型の電極36は、放電範囲を広げる効果があり、金属酸化物層形成に好ましく用いられる。
図6(a)、(b)は各々、上述の円筒型のロール電極の一例を示す概略図、図7(a)、(b)は各々、円筒型で固定されている電極の一例を示す概略図、図8(a)、(b)は各々、角柱型で固定されている電極の一例を示す概略図である。
図6(a)及び図6(b)において、アース電極であるロール電極25cは、金属等の導電性母材25aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミック被覆処理誘電体を片肉で1mm被覆し、ロール径を被覆後750mmとなるように製作し、アースに接地してある。または、金属等の導電性母材25Aへライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体25Bを被覆した組み合わせ、ロール電極25Cで構成してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いられる。金属等の導電性母材25a、25Aとしては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。尚、本実施の形態においては、ロール電極の母材は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用している(不図示)。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)は、印加電極である固定の電極26c、電極26C、電極36c、電極36Cであり、上記記載のロール電極25c、ロール電極25Cと同様な組み合わせで構成されている。すなわち、中空のステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による冷却が行えるようになっている。尚、セラミック被覆処理誘電体の被覆後12φまたは15φとなるように製作され、当該電極の数は、上記ロール電極の円周上に沿って14本設置している。
印加電極に電圧を印加する電源としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用できる。
図9は、本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一例を示す概念図である。図9において、プラズマ放電処理容器31の部分は図5の記載と同様であるが、更に、ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユニット60等が装置構成として示されている。電極冷却ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
図9に記載の電極25、36は、図6、7、8等に示したものと同様であり、対向する電極間のギャップは、例えば、1mm〜2mm程度に設定される。
上記電極間の距離は、電極の母材に設置した固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
前記プラズマ放電処理容器31内にロール電極25、固定されている電極36を所定位置に配置し、ガス発生装置51で発生させた混合ガスを流量制御して、給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に入れ、前記プラズマ放電処理容器31内をプラズマ処理に用いる混合ガスで充填し排気口53より排気する。
特に、基材Fの幅手方向で混合ガスの濃度、流量、流速にムラが発生しないように均一に供給することが好ましい。次に、電源41により電極36に電圧を印加し、ロール電極25はアースに接地し、放電プラズマを発生させる。ここでロール状の元巻き基材61より基材Fを供給し、ガイドローラ64を介して、プラズマ放電処理容器31内の電極間を片面接触(ロール電極25に接触している)の状態で搬送され、基材Fは搬送中に放電プラズマにより表面が放電処理され、その後にガイドローラ67を介して、次工程に搬送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触していない面のみ放電処理がなされる。
電源41より固定されている電極36に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても良い。
また、放電プラズマ処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満の温度に調整することが好ましく、更に好ましくは常温〜120℃に調整することである。上記の温度範囲に調整する為、必要に応じて電極、基材は冷却手段で冷却しながら放電プラズマ処理される。
本発明に係る大気圧プラズマ処理においては、放電プラズマ処理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜200kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、90kPa〜110kPaが好ましく、特に好ましくは、93kPa〜107kPaである。
また、金属酸化物層の形成に係る放電用電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整されることが好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することが好ましい。
本発明に係る金属酸化物層の形成に係る混合ガスについて説明する。
金属酸化物層を形成するにあたり、使用するガスは、不活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの混合ガスであることが好ましく、反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。金属酸化物層の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が好ましく得られる。
上記不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
反応性ガスとして有機金属化合物を添加する場合、例えば、有機金属化合物としてLi、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される金属を含むことができる。より好ましくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
上記または上記以外の反応性ガスを適宜選択して、反射防止層に用いる金属酸化物層の形成に使用することにより様々な高機能性の金属酸化物層を得ることができる。その一例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
電極膜 Au、Al、Ag、Ti、Ti、Pt、Mo、Mo−Si
誘電体保護膜 SiO、SiO、Si、Al、Al、Y
透明導電膜 In、SnO
エレクトロクロミック膜 WO、IrO、MoO、V
蛍光膜 ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS
磁気記録膜 Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe、Co、Fe、Cr、SiO、AlO
超導電膜 Nb、Nb−Ge、NbN
太陽電池膜 a−Si、Si
反射膜 Ag、Al、Au、Cu
選択性吸収膜 ZrC−Zr
選択性透過膜 In、SnO
反射防止膜 SiO、TiO、SnO
シャドーマスク Cr
耐摩耗性膜 Cr、Ta、Pt、TiC、TiN
耐食性膜 Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr
耐熱膜 W、Ta、Ti
潤滑膜 MoS
装飾膜 Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu
例えば、反応性ガスとしてジンクアセチルアセトナート、トリエチルインジウム、トリメチルインジウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、エトラエチル錫、エトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫などから選択された少なくとも1つの有機金属化合物を含む反応性ガスを用いて、導電性膜あるいは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中屈折率層として有用な金属酸化物層を形成することができる。
また、有機フッ素化合物、珪素化合物またはチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることにより、反射防止膜の低屈折率層または高屈折率層を設けることが出来る。本発明では、反射防止層の上に防汚層を設けることが好ましい。
また、フッ素含有化合物ガスを用いることによって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥水性表面を得る撥水膜を得ることが出来る。
有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン(CFCF=CF)、8フッ化シクロブタン、C等が挙げられる。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピレン等が挙げられる。
更に、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合物は単独でも混合して用いても良い。
混合ガス中に上記記載の有機フッ素化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の有機フッ素化合物の含有率は、0.1体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1体積%〜5体積%である。
また、本発明に係る有機フッ素化合物が常温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用すればよく、また、又、適切な溶剤に溶解して用いてもよい。
また、分子内に親水性基と重合性不飽和結合を有するモノマーの雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより、親水性の重合膜を堆積させることもできる。上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親水性基等が挙げられる。又、ポリエチレングリコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜を堆積が可能である。
上記モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用できる。
混合ガス中に上記記載のチタン化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有率は、0.1体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1体積%〜5体積%である。
また、上記記載の混合ガス中に水素ガスを0.1体積%〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を著しく向上させることが出来る。
上記記載の珪素化合物、チタン化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
また、上記記載の珪素化合物、チタン化合物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
上記記載の珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノシランなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出来る。
混合ガス中に上記記載の珪素化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
上記記載のチタン化合物としては、テトラジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用いることが好ましいがこれらに限定されない。
また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01体積%〜5体積%含有させることにより、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
本発明において、反射防止層(金属酸化物層そのものでもよい)の高屈折率層及び低屈折率層の炭素含有率は、ともに0.2質量%〜5質量%であることが下層との密着性と膜の柔軟性のために好ましく、更に好ましくは、0.3質量%〜3質量%である。すなわち、プラズマ処理によって形成された層は有機物(炭素原子)を含んでいるため、その範囲が膜に柔軟性を与えるため、膜の密着性を向上するため好ましい。大気圧プラズマ処理は、特に微細な凹凸を有する本発明の防眩フィルム上に均一な膜厚を有する薄膜を形成することが出来るため好ましく用いることが出来る。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造に用いられるセルロースエステルについて説明する。
本発明に係るセルロースエステルとしては、セルロースエステルが低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースエステルの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好ましい例として挙げられる。
また、上記以外にも、特開平10−45804号、同08−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載のセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。
上記記載の中で、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテートである。
更に、ベース強度の観点から、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%が好ましく用いられ、更に好ましいのは、結合酢酸量が58〜62.5%のセルローストリアセテートである。
本発明に係るセルローストリアセテートは、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。ベルトやドラムからの剥離性がもし問題になれば、ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートを多く使用すれば生産性が高く好ましい。
木材パルプから合成されたセルローストリアセテートを混合し用いた場合、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートの比率が40質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、単独で使用することが最も好ましい。
樹脂の性質によって、溶液流延法によって製膜する方法とエクストルーダ等による溶融押出し成型にて溶融状態で樹脂を押し出し製膜する方法が可能であるが、光学異方性が少ないフィルムを得るためや、高い膜厚精度、面品質を得るには溶液流延法によって製膜することがより好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムは、可塑剤を含有するのが好ましい。
可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合体を用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して用いても良い。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%であることが好ましい。
また、本発明のセルロースエステルフィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
又、本発明の支持体に用いることのできる紫外線吸収剤は特願平11−295209号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を含むことが、プラズマ処理工程の汚染が少なく、また、各種塗布層の塗布性にも優れる為好ましく、特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
可塑剤や紫外線吸収剤吸収剤を含むセルロースエステルフィルムを基材として用いた場合、これらがブリードアウトするなどによって、プラズマ処理部に付着するなどして工程を汚染し、これがフィルムに付着する可能性が考えられる。この問題を解決するためには、支持体がセルロースエステルと可塑剤を有し、80℃、90%RHで48時間処理した前後の質量変化が±2質量%未満である支持体を用いることが好ましい(保留性)。このようなセルロースエステルフィルムは特願2000−338883号記載のセルロースエステルフィルム等が好ましく用いられる。又、この目的のために特開平6−148430号、特願2000−156039号記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)が好ましく用いることができる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)などが市販されている。特開平6−148430号の一般式(1)あるいは一般式(2)あるいは特願2000−156039の一般式(3)(6)(7)記載の高分子紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
本発明のセルロースエステルフィルムの光学特性としては、面内リターデーションRは0〜1000nmのものが好ましく用いられ、厚味方向のリターデーションRは0〜300nmのものが用途に応じて好ましく用いられる。又、波長分散特性としてはR(600)/R(450)は0.7〜1.3であることが好ましく、特に1.0〜1.3であること好ましい。
ここで、R(450)は波長450nmの光による3次元屈折率測定に基づいた面内リターデーション、R(600)は波長600nmの光による3次元屈折率測定に基づいた面内リターデーションを表す。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
少なくとも2種以上のドープを使用し、該ドープを支持体上に同時または、逐次流延した後、剥離後乾燥させて、ヘイズが3%〜30%未満のフィルムを作製するには、流延する支持体側(B面側)に用いられるドープBと空気側(A面側)に用いられるドープAの少なくとも一方に微粒子を添加することが必要であり、ドープAまたはドープB中の前記微粒子の含有量が固形分当たり、0.5質量%を超え70質量%以下になるように調整することが好ましく、更に好ましくは1質量%を超え、50質量以下である。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法を図10及び図11で示される工程図を参照しながら、説明する。
図10は、本発明のセルロースエステルフィルムの製造装置の一例を示す工程図であり、図11は、図10のスリットダイ6の断面図を示す。
セルロースエステルドープ液を調液するドープ液タンク1には、ドープ液1aが投入されており、微粒子添加液タンク2、2’には、微粒子添加液2a、2a’が各々、投入されている。(ここで、微粒子添加液2a、2a’は同一組成でもよく、異なる組成でもよい)。
ドープ液1aは送液ポンプ4b、4c、4eにより、インラインミキサー5a、5b5cまで送られ、微粒子添加液2aはポンプ4aによってインラインミキサー5aに、微粒子添加液2a’は、ポンプ4fによってインラインミキサー5cに各々、送られる。インラインミキサー5aでドープ液1aと微粒子添加液2aは充分混合され、スリットダイ6のスリットaに送られる。また、インラインミキサー5cでドープ液1aと微粒子添加液2a’は充分に混合され、スリットダイ6のスリットcに送られる。
同様に、インラインミキサー5bで、ドープ液1aと紫外線吸収剤添加液3aは充分混合され、スリットダイ6のスリットbに送られる。
スリットダイ6により、真ん中の層は、ドープ液1aと微粒子添加液2aの混合液で構成され、上下表面の層は、ドープ液1aと微粒子添加液2aの混合液、ドープ液1aと微粒子添加液2a’の混合液と混合された状態で流延口11から共流延され、ドラム7より連続的に移動する流延ベルト8上に流延される。流延された3層からなるセルロースエステルドープ層は、乾燥後、セルロースエステルフィルム10として、ローラ9により流延ベルトから、剥離される。
本発明において、樹脂が溶解しているドープ液とは、セルロースエステル等の樹脂が溶剤(溶媒)に溶解している状態であり、前記ドープ液には、可塑剤等の添加剤を加えることが望ましく、勿論、必要によりこの他の添加剤を加えることも出来る。ドープ液中の樹脂の濃度としては、10質量%〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、15質量%〜25質量%である。
本発明で用いられる溶剤は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤と貧溶剤の混合比率は良溶剤が70質量%〜95質量%であり、貧溶剤が30〜5質量%である。
本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用する樹脂を単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。そのため、セルロースエステルの置換度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤として用いるときには、セルロースアセテートの場合の酢化度55%では良溶剤になり、酢化度60%では貧溶剤となってしまう。
本発明に用いられる良溶剤としては、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物や、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン類が挙げられる。
また、本発明に用いられる貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン等が好ましく用いられる。
上記記載のドープ液を調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、好ましい方法としては、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、さらに良溶剤と混合する方法が好ましく用いられる。このとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。
キャスト工程における支持体はベルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、流延することができるが、0℃〜30℃の支持体上に流延するほうが、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるため好ましく、5℃〜15℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良好なフィルムを連続的に得られる流延速度の限界において、流延されたドープが支持体上にある時間をいう。剥離限界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
流延(キャスト)される側の支持体の表面温度は、10〜55℃、溶液の温度は、25〜60℃、更に溶液の温度を支持体の温度より0℃以上高くするのが好ましく、5℃以上に設定するのが更に好ましい。溶液温度、支持体温度は、高いほど溶媒の乾燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると発泡する、または、平面性が劣化する場合がある。
支持体の温度の更に好ましい範囲は、20℃〜40℃、溶液温度の更に好ましい範囲は、35℃〜45℃である。
また、剥離する際の支持体温度を10℃〜40℃、更に好ましくは、15℃〜30℃にすることでフィルムと支持体との密着力を低減できるので、好ましい。
製造時のセルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は、10%〜150%が好ましく、更に好ましくは、20%〜120%であり、特に好ましくは、30%〜110%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=(加熱処理前質量−加熱処理後の質量)/(加熱処理後質量)×100%
尚、残留溶媒量を測定する最の、加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間、加熱処理を行うことを表す。
支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常200N/m〜250N/m(Newton)/m)で剥離が行われるが、セルロースエステルの単位質量あたりの紫外線吸収剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化されている本発明のセルロースエステルフィルムは、剥離の際にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜170N/mで剥離することが好ましく、更に好ましくは、最低張力〜140N/mで剥離することである。
また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶媒量を3質量%以下にすることが好ましい、更に好ましくは、0.5質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用としては、ピンテンター方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため特に好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40℃〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80℃〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
流延する支持体側(B面側)に用いられるドープまたは、空気側(A面側)に用いられるドープにも少量の微粒子を添加することができ、フィルム表面のすべり性を高める効果も期待される。すべり性は動摩擦係数によって表現されるが、動摩擦係数としてはフィルム表面と裏面間の動摩擦係数で、JIS−K−7125(1987)に準じて測定した場合に、1.5以下であることがさらに好ましく、1.0以下であることがさらに好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。マット剤添加量を増やすことによって動摩擦係数は低くすることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造では流延後剥離した後にテンター等の手段によって横方向に延伸されることが好ましく、これにより高い平面性を維持させることができ、好ましい。これによって、長期に渡って反りが発生しない防眩フィルムを得ることができる。テンターは残留溶媒量が3質量%〜40質量%の範囲でかけることが望ましい。更に好ましくは、10質量%〜35質量%である。残留溶媒量は前述した式により溶媒を含むフィルムを115℃で1時間処理した際の前後の質量変化と加熱処理後のフィルムの質量から求められる。
又、本発明の方法で製造されたセルロースエステルフィルムは光学的等方性にも優れ、膜厚方向のリターデーション(Rt)値で100nm以下の光拡散フィルムが得られ、50nm以下の光拡散フィルムも得ることができ、更に、0nm〜30nmの光拡散フィルムも得ることができる点で優れている。更に、本発明の方法は均一なリターデーションが得られる点でも優れている。
リターデーション(Rt)値は、以下の式で表される。
=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向におけるフィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけるフィルムの屈折率、Nzは厚み方向におけるフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を各々表す。
例えば、リターデーションの測定は自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で590nmの波長において、3次元屈折率測定を行い、Nx、Ny、Nzを測定し、これによりR値を算出することができる。
本発明の偏光板及び偏光板の作製について説明する。
本発明の偏光板は、請求項1のセルロースエステルフィルム或いは、請求項2〜5のいずれか1項または請求項13に記載の防眩フィルムを用いて作製される。まず、防眩フィルムを、水酸化ナトリウム水溶液を用いて表面鹸化処理を行う、ここで、防眩フィルムの反射防止層や防汚層が設けられている面は、再剥離出来る保護フィルム等を貼合する等の方法を用いてアルカリから保護することが好ましい。
別に用意した偏光膜を用意し、鹸化処理した防眩フィルム面(反射防止層や防汚層の反対側の面)に接着剤を用いて貼合し、偏光膜のもう一方の面にも、適宜、セルロースエステルフィルムを貼合し、本発明の偏光板を作製する。
尚、偏光板作製の詳細は、実施例に記載する。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《ドープFの調製》
まず、4kgの酸化珪素微粒子(1次平均粒径1.0μm)、6kgの酸化珪素微粒子(1次平均粒径2.5μm)をエタノール10kgに添加して分散し、微粒子分散液を調製した。次いで、微粒子分散液の調製に用いた残りのエタノールと酸化珪素微粒子以外の材料を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹拌しながら完全に溶解した後、濾過し、ここに上記で調製した。微粒子分散液を添加して十分に混合した後、再度濾過を行ない、ドープFを調製した。
《ドープA〜E、ドープG〜Iの調製》
ドープ調製に用いる材料を表1に記載のように変更した以外は、ドープFの調製と同様にして、ドープA〜E、ドープG〜Iを各々、調製した。
得られたドープA〜Iの組成物を表1に示す。
Figure 2011187445
《セルロースエステルフィルム1〜9の作製》
次に、各ドープA〜Iを各々、冷却して33℃に保ち、表2に記載のように、3つのドープを組み合わせて、図11に記載のダイを用いて、3層構成となるようにステンレスバンド上に均一に流延して形成したウェブを33℃で5分間乾燥した。乾燥後の各層の膜厚(μm)は表2に示した。
ステンレスバンド上からウェブを剥離後、80℃のロール搬送乾燥ゾーンで乾燥させた後、100℃に維持されたテンターを用いて残留溶媒量が5質量%になるように調整し、且つ、幅方向に1.06倍となるように延伸処理を施した。
更に、120℃で多数のロールで搬送させながら乾燥させ、表2に示すようにセルロースエステルフィルム1〜8を得た。また、ドープIのみを用いて、単層構成となるようにした以外は同様にしてセルロースエステルフィルム9を得た。又、ヘイズはASTM−D1003−52に従って測定した。
Figure 2011187445
《防眩フィルム1〜12の作製》
上記で得られたセルロースエステルフィルム1〜9の各々のB面(流延の際にステンレスバンド側だった面をフィルムのB面とし、その反対側をA面とする)に、下記の塗布組成物(1)をウェット膜厚が13μmとなるように押し出しコートして乾燥温度80℃で乾燥させてバックコート層を設け、次いで、表3に記載のように、A面に、活性線硬化樹脂層を各々設け、更に、下記に記載の活性線硬化樹脂層の上に各々、下記に記載にように反射防止層を設けて、防眩フィルム1〜12を得た。
塗布組成物(1)(バックコート層用塗布組成物)
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
ジアセチルセルロース 0.5質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V:
日本アエロジル(株)製) 0.11質量部
《活性線硬化樹脂層の塗設》
表3に記載の各々のセルロースエステルフィルム上への活性線硬化樹脂層の塗設は下記の記載のように行った。
(活性線硬化樹脂層1の作製)
セルロースエステルフィルムのA面側に下記の塗布組成物(2)を押し出しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cmで紫外線照射し、膜厚3μmの活性線硬化樹脂層1を設けた。
塗布組成物(2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分
20質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
メチルエチルケトン 75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
(活性線硬化樹脂層2の塗設)
セルロースエステルフィルムのA面側に下記の塗布組成物(3)を押し出しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cmで紫外線照射し、膜厚2.5μmの活性線硬化樹脂層2を設けた。
塗布組成物(3)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分
20質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
メチルエチルケトン 75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
酸化珪素微粒子(アエロジルR972V:
日本アエロジル(株)製、1次平均粒径0.016μm) 3質量部
《反射防止層の形成:大気圧プラズマ放電処理により形成》
図9に記載のようなプラズマ放電処理装置(但し、図9ではプラズマ放電処理容器の設置は一つだが、本実施例では3つ使用する)を用い、下記に記載の反応性ガスを使用して大気圧プラズマ放電処理を行い、活性線硬化樹脂層上に反射防止層を形成した。
以下にプラズマ放電処理装置の具体的な設置条件を示す。
ロール電極25として、冷却水による冷却機能を有するステンレス製ジャケットロール母材(冷却機能は図9には図示していない)に、セラミック溶射によりアルミナを1mm被覆し、その後テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させて封孔処理を行った誘電体を有するロール電極を製作しアース(接地)した。
一方、印加電極として用いる固定電極36としては、中空角形のステンレスに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、対向する電極群とし、低屈折率層、高屈折率層共に必要な膜厚が各々得られるように調整した。
また、放電プラズマ発生に用いる使用電源は、パール工業製高周波電源(800kHz)とし、12W/cmの電力を供給した。但し、ロール電極は、ドライブを用いて基材の搬送に同期して回転させた。
《反応性ガス》
下記にプラズマ処理に用いた混合ガス(反応性ガス)の組成を以下に記す。
(酸化錫層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3体積%)
(酸化チタン層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3体積%)
(酸化珪素層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3体積%)
反射防止層としては、活性線硬化樹脂層の上に連続的に大気圧プラズマ処理して、順に、酸化錫層(屈折率1.7、膜厚67nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化チタン層(屈折率2.14、膜厚110nm、炭素含有量0.4質量%)、酸化珪素層(屈折率1.44、膜厚87nm、炭素含有量0.2質量%)の3層を設けた。上記の炭素含有量は、下記のように測定した。
《炭素含有率の測定》
上記の反射防止層の構成層である、酸化錫層、酸化チタン層、酸化珪素層の各々の炭素含有率は、XPS(X線光電子分光)表面分析装置を用いてその値を測定した。XPS(X線光電子分光)表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、本発明では、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。
測定において、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5eV〜1.7eVとなるように設定した。
また、測定前に、汚染による影響を除くために、各防眩フィルム試料の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチング除去した。
表面層の除去には、希ガスイオンを利用したイオン銃を用いることが好ましく、イオン種としては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどを適宜利用できるが、本測定では、Arイオンエッチングを用いて表面層を除去した。
先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求めた。
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンをおこない、各元素のスペクトルを測定した。
得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3)上に転送した後、同ソフトで処理をおこない、炭素含有率の値を原子数濃度(atomic concentration)として求めた。
定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションをおこない、5ポイントのスムージング処理をおこなった。
定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いた。Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
《防眩フィルム13〜15の作製》
防汚層の作製に下記の反応性ガスを用い、全ての層で11W/cmの電力を印加してプラズマ放電処理した以外は、上記の防眩フィルム1〜12と同様にして、反射防止層上に防汚層を有する防眩フィルム13〜15を作製した。
ここで、大気圧プラズマ処理によって活性線硬化樹脂層の上に形成された、各層の屈折率、膜厚(μm)、炭素含有量は下記のように、順に、酸化錫層(屈折率1.7、膜厚68nm、炭素含有量0.4質量%)、酸化チタン層(屈折率2.14、膜厚106nm、炭素含有量0.5質量%)、酸化珪素層(屈折率1.46、膜厚75nm、炭素含有量0.4質量%)、防汚層(屈折率1.33、膜厚10nm)である。
《反応性ガス》
下記にプラズマ処理に用いた混合ガス(反応性ガス)の組成を以下に記す。
(酸化錫層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3体積%)
(酸化チタン層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3体積%)
(酸化珪素層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3体積%)
(防汚層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7体積%)
反応ガス1:水素ガス(1体積%)
反応ガス2:6フッ化プロピレン(0.3体積%)
防汚層の形成は、セルロースエステルフィルム3または5のA面側(凹凸面を有する側)に設けた酸化珪素層の上に行った。使用電源として、日本電子製高周波電源を使用し、連続周波数を13.56MHz、15W/cmの電力を供給し、プラズマ処理に用いた混合ガス(反応ガス)の組成を上記のようにした以外は同様にして、防汚層を形成した。
《防眩フィルム16の作製》
下記の酸化錫層形成用の反応性ガスを用い、大気圧プラズマ処理により、膜厚100nmの酸化錫層を帯電防止層として形成した。その上に活性線硬化樹脂層1を膜厚が2μmになるように塗設した。更にその上に、順に酸化チタン層(屈折率2.2、膜厚13nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化珪素層(屈折率1.46、膜厚35nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化チタン層(屈折率2.2、膜厚122nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化珪素層(屈折率1.46、膜厚88nm、炭素含有量0.3質量%)の4層を設け、反射防止層とした。更にその上に膜厚10nmの防汚層を設け、防眩フィルム16とした。このフィルムの表面の比抵抗は1010Ω/cmであった。
(酸化錫層形成用)
不活性ガス:アルゴン(97.7質量%)
反応ガス1:酸素ガス(2質量%)
反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3質量%)
(酸化チタン層形成用)
不活性ガス:アルゴン(97.7質量%)
反応ガス1:酸素ガス(2質量%)
反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3質量%)
(酸化珪素層形成用)
不活性ガス:アルゴン(97.7質量%)
反応ガス1:酸素ガス(2質量%)
反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3質量%)
(防汚層形成用)
不活性ガス:アルゴン(98.7質量%)
反応ガス1:水素ガス(1質量%)
反応ガス2:6フッ化プロピレン(0.3質量%)
《表面比抵抗》
防眩フィルム16を23℃、55%RHの条件のもとで、6時間調湿した後、同条件で塗膜の表面の表面比抵抗値を絶縁抵抗測定器(川口電気社製VE−30型)を用いて測定した。
測定に用いた電極は、2本の電極(試料と接触する部分が1cm×5cm)を間隔を1cmで平行に配置し、該電極に試料を接触させて測定し、測定値を5倍にした値を表面比抵抗値Ω/cmとした。
上記の防眩フィルム1〜16について、下記のような評価を行った。
《ヘイズ(濁度)の測定》
フィルム試料1枚で、ASTM−D1003−52に従って測定した。
《反射率の測定》
分光反射率は分光光度計U−4000型(日立製作所製)を用いて、5度正反射の条件にて反射率の測定を行った。測定は、観察側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理を行い、フィルム裏面での光の反射を防止して、反射率(400nm〜700nmの波長について)の測定を行った。また、450nm〜650nmの平均反射率を求めた。
《耐擦傷性の測定》
スチールウール#000を、250g/cmの荷重をかけて押し付け10回往復運動後、擦り傷の入る本数を測定し、下記のようにランク評価した。
A:0〜3本
B:4〜10本(実用可)
C:11〜20本
D:21本以上
《中心線平均粗さ(Ra)》:JIS B 0601に規定の数値
光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社製)を使用して、1.2mm×0.9mmの面積に対して、活性線硬化樹脂層面の中心線平均粗さRaを求めた。
《視認性評価》
防眩フィルムの視認性については、防眩フィルム1〜16を用いて下記のようにして偏光板1〜16を各々作製し、それらの偏光板を液晶表示パネルに組み込み、視認性を評価した。
(偏光板1の作製)
(a)厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1kg、ヨウ化カリウム2kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を作製した。
(b)長手方向30cm、巾手方向18cmに切り取った防眩フィルム1及びセルロースエステルフィルム9の試料を2mol/lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で1分間浸漬し、さらに水洗、乾燥させた。防眩フィルムの反射防止層または、防汚層面はポリエステル製の保護フィルム(膜厚30μm)を張り付けてアルカリから保護した。
(c)防眩フィルムと同サイズの上記偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬させた。
(d)上記の偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、上記の防眩フィルム試料の反射防止層の反対面にのせて、さらに、セルロースエステルフィルム9と接着剤とが接する様に積層し配置した。
(e)ハンドローラで上記で積層された偏光膜と防眩フィルム、セルロースエステルフィルムとの積層物の端部から過剰の接着剤及び気泡を取り除きはり合わせる。ハンドローラの圧力は約0.2MPa〜0.3MPa、ローラスピードは約2m/分とした。
(f)80℃の乾燥器中に(e)で得た試料を2分間放置し、偏光板1を作製した。
防眩フィルム1を防眩フィルム2〜16に変更した以外は同様にして、防眩フィルム2〜16を用いた偏光板2〜16を作製した。ここで、比較の偏光板は、防眩フィルム8、9(比較)を用いて作製した、偏光板8、9である。
得られた偏光板1〜16を下記のように評価した。
MultiSync LCD1525J 型名 LA−1529HMの最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた本発明の偏光板1〜16を張り付けた。
それぞれの液晶表示パネルについて、目視にて観察した結果、本発明の偏光板を用いた液晶表示パネルは、比較例の偏光板8、9を用いた液晶表示パネルに対し反射光のむらもなく、下記のように細かい文字まで読みとりやすく、表示性能に優れていることが確認された。特に比較の偏光板8、9はぎらつきの為に文字の読み取りが困難であった。
(視認性評価方法)
画面上にワープロソフト(MS Word(マイクロソフト社製))で文字フォントの大きさを変更して表示させて、画面の放線方向に対して横に50°の角度から50cm離れて文字の読みとりを行ない、下記のようにランク評価した。
A:フォントのサイズ8まで鮮明に読みとれた
B:フォントのサイズ8でなんとか読みとれた
C:フォントのサイズ10でなんとか読みとれた
D:フォントのサイズ10で読みとれない文字があった
得られた結果を表3に示す。
Figure 2011187445
表3から、本発明の試料は、耐擦傷性が良好であり、且つ、優れた視認性を示すことが明らかである。
1 ドープ液タンク
1a ドープ液
2、2’ 微粒子添加液タンク
2a、2a’ 微粒子添加液
3 タンク
3a 紫外線吸収剤添加液
4a、4b、4c、4d、4e、4f ポンプ
5a、5b、5c インラインミキサー
6 スリットダイ
7 ドラム
8 流延ベルト
9 ローラ
10 セルロースエステルフィルム
11 流延口
12 スリット
13 スリット
25、25c、25C ロール電極
26、26c、26C、36、36c、36C 電極
25a、25A、26a、26A、36a、36A 金属等の導電性母材
25b、26b、36b セラミック被覆処理誘電体
25B、26B、36B ライニング処理誘電体
31 プラズマ放電処理容器
41 電源
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極冷却ユニット
61 元巻き基材
65、66 ニップローラ
64、67 ガイドローラ

Claims (13)

  1. 導電性母材を誘電体で被覆した角柱型の誘電体被覆電極であって、前記誘電体の空隙率が10体積%以下であることを特徴とする誘電体被覆電極。
  2. 前記誘電体が、比誘電率6〜45の無機材料であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体被覆電極。
  3. 前記誘電体は、セラミックスを溶射した後、無機材料で封孔処理されていることを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体被覆電極。
  4. 前記セラミックスがアルミナを含むことを特徴とする請求項3に記載の誘電体被覆電極。
  5. 前記封孔処理の無機材料はゾルゲル反応により硬化されることを特徴とする請求項3または4に記載の誘電体被覆電極。
  6. 前記ゾルゲル反応が熱もしくはUVにより促進されたことを特徴とする請求項5に記載の誘電体被覆電極。
  7. 前記誘電体の表面が研磨仕上げされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極。
  8. 前記誘電体の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の誘電体被覆電極。
  9. 前記誘電体被覆電極が冷却水による冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極。
  10. 対向する2種の電極間に基材を位置させ、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、前記電極間に電圧を印加して放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、前記基材上に薄膜を形成するプラズマ放電処理装置において、前記対向する2種の電極の少なくとも一方が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘電体被覆電極であることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  11. 前記基材が長尺フィルムであって、少なくとも前記対向する2種の電極の一方が、前記長尺フィルムを巻回し、長尺フィルムの搬送方向に回転する一つのロール電極であり、前記一つのロール電極と対向する電極は、前記誘電体被覆電極を複数配置した電極群であることを特徴とする請求項10に記載のプラズマ放電処理装置。
  12. 前記ロール電極が導電性母材を誘電体で被覆した誘電体被覆電極であることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ放電処理装置。
  13. 前記ロール電極の表面粗さRmaxが10μm以下であることを特徴とする請求項11にまたは12に記載のプラズマ放電処理装置。
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