JP2011084155A - 脱線検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱線を確実に、いち早く検知できるだけでなく、比較的簡単な構成でコストを抑えることができ、レールの上を走行する方式の車両であれば、どのような車両にも適用することが可能な、脱線検知装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両の脱線検知装置は、前記車両の台車に支持された車輪の近傍に設けられ、検出面を前記レールに向けて取付けられたセンサと、センサが検出した信号から前記車輪の下に前記レールが存在するかを判定する判定部と、を備えている。即ち前記判定部は、前記車輪の下に前記レールが存在しないと判定した場合に、脱線したと判定する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の車両の脱線検知装置は、前記車両の台車に支持された車輪の近傍に設けられ、検出面を前記レールに向けて取付けられたセンサと、センサが検出した信号から前記車輪の下に前記レールが存在するかを判定する判定部と、を備えている。即ち前記判定部は、前記車輪の下に前記レールが存在しないと判定した場合に、脱線したと判定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、レール上を走行する車両、主に鉄道車両が脱線した事をいち早く検知して、迅速且つ適切な対応をできる様にする事で、脱線がより重大な事故に繋がらない様にする、脱線検知装置の改良に関する。
鉄道車両が脱線した場合、そのまま走行を続けると、転覆等の、より重大な事故に繋がる。一方、脱線は、運転席のある1両目で発生するとは限らず、多両連結の列車で、中間乃至後方の車両のみが脱線する場合もある。この様な場合に、運転手が気付かずに走行し続けると、初めに脱線した車両以外の車両迄もが脱線したり、更には転覆したりする、より重大な事故に繋がる。この様な、より重大な事故を未然に防止する為に従来から、例えば特許文献1〜6に記載された構造が知られている。
図14は、このうちの特許文献1に記載された鉄道車両の脱線検知装置を示している。車体1、1は、それぞれ1対ずつの台車2、2上に載っており、これら各台車2、2には、それぞれ1対ずつの車軸が、転がり軸受により回転自在に支持されている。また、これら各車軸の両端部には、それぞれ車輪3、3が固定されており、これら各車輪3、3が、それぞれレール4上を、転動しつつ走行する様になっている。この特許文献1に記載された鉄道車両の脱線検知装置の場合には、前記各台車2、2に、脱線検知装置50、50を設置している。これら各脱線検知装置50、50は、振動センサを備えたもので、この振動センサが測定する、前記各台車2、2の振動が閾値を越えた場合に、当該台車2に支持された車輪3、3がレール4から外れた(脱線した)と判定する。
この様な特許文献1に記載された鉄道車両の脱線検知装置は、運転者の感覚に頼るよりも、遥かに迅速且つ確実に脱線を検知できるが、より迅速且つ確実な脱線検知を行う面からは、改良の余地がある。この理由の第一は、前記各脱線検知装置50、50を前記各台車2、2に設置している事により、これら各脱線検知装置50、50を構成する振動センサにより前記脱線に基づく振動を、必ずしも感度良く検知できない為である。即ち、台車は車輪に比べて質量が大きく、この台車を振動させる為に要するエネルギが大きくなる。しかも、両端部に車輪を固定した車軸と台車との間には(台車と車体との間のばねとは別に)ばねを設ける場合がある為、この車軸の振動がこの台車に伝わる迄に或る程度の緩衝作用が働く事がある。この結果、脱線の初期に発生する振動が比較的小さい場合に、この振動を検出できない可能性がある。
また、特許文献2、3には台車よりも上側に作用する上下方向加速度により、特許文献4には軸箱支持部と台車枠との間に作用する上下方向荷重により、それぞれ脱線を検知する装置が記載されている。これら特許文献2〜4に記載された従来構造の場合も、運転者の感覚に頼るよりも、遥かに迅速且つ確実に脱線を検知できるにしても、構造が複雑になったり、脱線の態様によってはこれを初期段階で検知しにくい等の問題がある。
更に特許文献5には、各台車の軸受部に取り付けたギャップセンサで車輪とレールとの間の距離を計測し、得られたギャップ値を車輪間で比較することにより脱線を検知する装置が記載されている。しかし、この構造では1つのセンサからの信号だけでは脱線を検知ができないという問題がある。
更に特許文献6には、鉄道車両にリニア誘導モータまたは渦電流ブレーキの構成要素として装備されている電機子を脱線の検知に兼用することにより、新たにセンサを追加することなく脱線を検知できる構成が記載されている。しかし、リニア誘導モータまたは渦電流ブレーキを装備していない車両に対しては有効ではなく、全ての鉄道車両に適用できないという難点があった。
本発明は、レール上を走行する車両の脱線を確実に、いち早く検知できるだけでなく、比較的簡単な構成でコストを抑えることができ、レールの上を走行する方式の車両であれば、どのような車両にも適用することが可能な脱線検知装置を提供することを目的としている。
本発明の脱線検知装置は、前記車両の台車が有する車輪に近接し、検出面を前記レールに向けて取付けられたセンサと、前記センサが検出した信号から前記車輪の下に前記レールが存在するかを判定する判定部と、を備えている。即ち前記判定部は、前記車輪の下に前記レールが存在しないと判定した場合に、脱線したと判定する。
このような発明を実施する場合、前記センサとしては、画像撮影装置や、光源と受光センサとを備えるものとする。このような構成の場合、前記判定部は、前記レールの位置と前記車輪の位置とを比較することにより、前記車輪の下に前記レールが存在するかを判定した上で脱線を検知する。
上述のように構成する本発明の脱線検知装置によれば、レールを直接的に検出して脱線したか否かを判定している上に、センサごとに脱線を検知することが可能であるので、脱線を確実に検知でき、しかも脱線をいち早く検知できる。そして、比較的簡単な構成となっているため、コストの増加を抑えることができる。更には、レールを直接的に検出できるので、レールの上を走行する方式の車両であれば、どのような車両にも適用することが可能である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
図1は本実施形態による脱線検知装置を適用した鉄道車両の、車輪付近の概略図を示すものである。図1において、車体1には複数の台車2、2が備えられ、これらの台車2、2の進行方向前方及び後方にそれぞれレール4上を走行する車輪3が支持されている。車輪3は大径部3aと小径部3bを有しており、大径部3aの車両外側端面3cとレール4の車両中心側端面4aとを接触または近接させた状態(図2参照)で、レール4上を車輪3の小径部3bが転動しつつ走行する。
このような構成の鉄道車両において、台車2の車輪3付近に脱線検知装置5を取付ける。この脱線検知装置5の進行方向前方または後方の先端には、レンズがレール4に対向するようにカメラ5aが設けられている。本実施形態の脱線検知装置5では、このカメラ5aにより撮影された画像から脱線したか否かを判定する。即ち、図2に示すカメラ5aの撮影範囲6で撮影されたレール4が、車輪3の予想走行経路Aの範囲内にあるか否かで、レール4が車輪3の下にあるか否かを判定し、脱線を検知する。なお、図2は進行方向前方に脱線検知装置5が取付けられている場合を示している。
鉄道車両が脱線したか否かを検知するために、前記カメラ5aにより撮影された画像は、前記脱線検知装置5と一体、または別体に備えられた、図示しない判定部に送られる。この判定部は、図3のフローチャートに示したステップにより、前記鉄道車両が脱線したか否かを判定する。この図3に基づき、本実施形態の鉄道車両の脱線検知装置5の作用に就いて説明する。
先ず、ステップ101で、カメラ5aで撮影した、図2の撮影範囲6の画像を判定部に入力する。次にステップ102において、判定部に入力された画像から、画像処理によりレール4の幅方向両端面4a、4bを検出し、ステップ103へ進む。
ステップ103では、レール4が、閾値の範囲内にあるかどうかを判定する。この閾値は、予め設定された車輪3の予想走行経路Aであり、レール4の幅方向両端面4a、4bのいづれか一方が前記予想走行経路Aから外れた場合、閾値の範囲内にレール4がないこととする。レール4が閾値の範囲内にある場合には、脱線していないと判定した上で、前記ステップ101に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
これに対し、レール4が閾値の範囲内にない場合には、ステップ104に進み、脱線していると判定した上で、ステップ105で運転者に注意を喚起するための警報(ブザーやベルによる警報音の発音や警告灯の点灯等)を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。
上述のような構成によれば、レールを直接的に検出して脱線したか否かを判定している上に、センサごとに脱線を検知することが可能であるので、脱線を確実に検知でき、しかも脱線をいち早く検知できる。そして、比較的簡単な構成となっているため、コストの増加を抑えることができる。更には、レールを直接的に検出できるので、レールの上を走行する方式の車両であれば、どのような車両にも適用することが可能である。また、脱線検知装置5のカメラ5aとレール4との距離を数百mm程度としているので、車両の振動や、レールの形状等の影響を受けることなく、またカメラ5aが障害物と衝突することなく使用できる。
好ましくは、脱線検知装置5のカメラ5aに近接した位置に、光源を追加する。これにより、日照が少ない場合や夜間走行時、またはトンネル走行時でも、脱線の検知に適した照度を確保することができる。また、運転者の見える位置にモニターを置き、カメラ5aで撮影した画像を運転者が確認可能なようにしても良く、このモニターの表示から運転者の判断で光源の明るさを適宜調整しても良い。これにより、鉄道車両の走行環境に因らない正確な脱線検知が可能となる。
更に、脱線したか否かを判定するための閾値を、車輪3の小径部3bの予想走行経路Bとしても良い。即ち、脱線を検知するとともに、車輪3の大径部3aのレール4への乗り上がりも検知することが可能となるため、脱線を防止することも可能となる。また、前記判定部を脱線検知装置5と一体に備えてユニット化しても良い。これにより、脱線検知装置5を装着するだけで脱線の検知が可能となり、設計変更等の手間及びコストが省略される。
図4は、本実施形態の脱線検知装置5の変形例を示している。本例では、レール4が前記閾値の範囲内にない回数が所定回数以上続いた場合に、脱線していると判定する。
先ず、ステップ201で判定部に備えられたカウンタのカウンタ値をn=0に初期化して脱線検知を開始する。次にステップ202で、カメラ5aで撮影した、前記撮影範囲6の画像を判定部に入力し、ステップ203へ進む。
ステップ203において、判定部に入力された画像から、画像処理によりレール4の幅方向両端面4a、4bを検出する。検出されたレール4が、閾値の範囲内にあるかどうかをステップ204で判定し、検出されたレール4が閾値の範囲内である場合には、脱線していないと判定した上で、前記ステップ201に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
これに対し、検出されたレール4が閾値の範囲内でない場合には、ステップ205に進み、前記カウンタ値nが所定回数より大きいか否かを判定する。カウンタ値nが所定回数以下の場合、ステップ206でカウンタ値nをn+1としてステップ202に戻り、ステップ202、203、204の処理を繰り返す。一方、カウンタ値nが所定回数を超えた場合、ステップ207に進み、脱線していると判定した上で、ステップ208で運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。
このような構成により、脱線検知装置5の誤診断を防止し、更に確実な脱線検知を行うことができる。また、本例ではレール4が閾値の範囲内にない回数で脱線しているか否かを判定するとしているが、レール4が閾値の範囲内にない回数ではなく時間で、脱線しているか否かを判定する構成としても良い。
以上、本実施形態ではカメラ5aで撮影した画像から検出するのは、レール4の幅方向両端面4a、4bとしたが、これに限るものではなく、レールの中心線を検出し、予想走行経路AまたはBの中心線とのずれと比較し判定をする等の構成としても良い。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態による脱線検知装置を適用した鉄道車両の、車輪付近の概略図を示すものである。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態に係る脱線検知装置15では、図5に示すように、レール4と車輪3との接触部にレンズが対向するように、進行方向前方の先端にカメラ15aが設けられている。本実施形態の脱線検知装置15では、このカメラ15aにより撮影された画像から脱線したか否かを判定する。即ち、図6〜図8に示すカメラ15aの撮影範囲16で撮影されたレール4が、所定の範囲で車輪3と接しているか否かで、脱線を検知する。なお、図6〜図8は進行方向前方に脱線検知装置5が取付けられている場合を示している。
通常走行時、車輪3とレール4は、図6に示すように、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cと、レール4の車両中心側端面4aとが、接触または近接している。一方、図7に示した前記車両3の大径部3aの車両外側端面3cから前記レール4の車両中心側端面4aまでの距離hが、車輪3の小径部3bの幅Hを超えた場合、脱線したこととなる。また図8に示すように、前記レール4の車両中心側端面4aが前記車両3の大径部3aの車両外側端面3cよりも車両中心側にある場合、車輪3の大径部3aがレール4上に乗り上がっていることとなる。これは、図7(b)及び図8(b)のように、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cとレール4の車両中心側端面4aと平行でない場合も、撮影範囲16中における、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cの進行方向端部の点C、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cの垂線とレール4の車両中心側端面4aとの交点Dを基準とすれば同様である。本実施形態では、以上のことを利用して、図9に示すフローチャートのステップで脱線を検知する。
先ず、ステップ301で、カメラ15aで撮影した画像を判定部に入力する。次にステップ302において、判定部に入力された画像からレール4の幅方向両端面4a、4b、及び車輪3の大径部3aの車両外側端面3cを検出し、ステップ303に進む。
ステップ303では、車輪3の大径部3aがレール4に乗り上がっているか否かを判定する。図8(a)(b)のように、レール4の車両中心側端面4aが車輪3の大径部3aの車両外側端面3cよりも車両中心側にある場合、前記点Cと点Dとの間の距離hが負であるとする。即ち、点Cをゼロ点とし、車両外側を距離hが正、車両中心側を負とする。この距離hが負である場合、ステップ306に進み、車輪3の大径部がレールに乗り上がっていると判定し、ステップ309で、運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。一方、距離hが負でない場合、ステップ304に進む。
ステップ304では、前記距離hが、車輪3の小径部3bの幅Hよりも大きいか否かを判定する。前記距離hが前記幅Hよりも大きい場合、ステップ307に進み、脱線していると判定した上でステップ309で運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。これに対し、前記距離hが前記幅Hよりも大きくない場合、ステップ305に進む。
ステップ305では、前記距離hが、予め決定された閾値を超えているか否かを判定する。この閾値は、前記幅Hよりも小さい正の値である。前記距離hが前記閾値よりも大きい場合、ステップ308に進み、脱線の危険が有ると判定し、ステップ309で、運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。一方、前記距離hが前記閾値よりも大きくない場合、乗り上がり、脱線もなく、脱線の危険もないと判定した上で、前記ステップ301に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
なお、以上の説明では、前記距離hを撮影範囲16中における、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cの進行方向端部Cから、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cの垂線とレール4の車両中心側端面4aとの交点Dまでの距離としたが、これに限られるものではなく、適宜距離hを定義し、前記閾値を距離hに応じて設定して判定するものであれば良い。
上述のような構成によれば、レール4と車輪3を直接的に検出して、車輪3の乗り上がりの有無や、脱線したか否かを判定できる上に、脱線をする前にその危険をいち早く察知することが可能となる。また、レール4が車輪3に対して、図7(b)や図8(b)とは逆方向に傾いた場合、つまり車輪3に対して、カメラ15aが設置された位置とは進行方向逆方向から、車輪3の大径部3aの車両外側端面3cとレール4の車両中心側端面4aとが離れ始めたり、乗り上がりが生じたりした場合でも、車輪3と対になる車輪にも脱線検知装置15を装着することにより、より迅速に脱線を検知することが可能となる。その他の構成及び作用効果については、前記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
(第3実施形態)
図10は本発明の第3実施形態による脱線検知装置を適用した鉄道車両の、車輪付近の概略図を示すものである。なお、第1及び第2実施形態と同一または同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態に係る脱線検知装置25では、図10に示すように、レール4と対向するように、進行方向前方の先端に光源25bと受光センサ25cが設けられている。この光源25bからレール4に向かい光を照射し、レール4に反射した光を受光センサ25cで検出し、この反射光の強度により脱線したか否かを判定する。つまり、脱線検知装置25の下、即ち車輪3の下にレール4がある場合のみ、照射した光は反射されるので、反射光がある場合は正常に走行していることとなり、反射光がない場合には、脱線していることとなる。
本実施形態では、以上のことを利用して、図11に示すフローチャートのように脱線を検知する。ここで、前記光源25bから照射される光は、レーザーや可視光線、赤外線、紫外線等、受光センサ25cで検出可能なものであれば良い。また照射するものに関しても、光に限らず同様の性質を持つものであれば超音波等でも良く、例えば前記光源25bおよび前記受光センサ25cの代わりに超音波の発信機および受信機を設け、前記発信機からレール4に向かい超音波を発し、レール4から反射した信号を受信機で検出する方式としても良い。この図11に基づき、本実施形態の鉄道車両の脱線検知装置25の作用に就いて説明する。
先ず、ステップ401で、受光センサ25cで検出した反射光を、前記脱線検知装置25と一体、または別体に備えられた、図示しない判定部に送る。次にステップ402において、判定部では、検出した反射光の強度が閾値以上であるかを判定する。この閾値は、受光センサ周辺の明るさの影響を受けない程度に大きい値とする。この値は予め設定された値でも良いし、天候や時間、走行場所等、鉄道車両の走行環境に合わせ、適宜変更しても良い。反射光の強度がこの閾値よりも大きい場合には、脱線していないと判定した上で、前記ステップ401に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
これに対し、反射光の強度が閾値よりも大きくない場合には、ステップ403に進み、脱線していると判定した上で、ステップ404で運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。
上述のような構成によれば、第1及び第2実施形態よりも簡単な手順で脱線を検知できるので、より迅速な脱線検知が可能となる上に、判定部の構成が簡単になるので、小型かつ安価なものとすることができる。
図12は、本実施形態の脱線検知装置25の第1変形例を示すフローチャートである。本例では、天候や時間、走行場所等、鉄道車両の走行環境の影響による誤診断を防止するために、検出した反射光にフィルタ処理を施し、特定の波長を有する光のみを抽出し、脱線の有無を判定するものである。
先ず、ステップ501で、受光センサ25cで検出した反射光を判定部に送る。次にステップ502において、判定部に送られた反射光にフィルタ処理を施し、特定の波長域を有する光のみを抽出する。この波長域は予め設定された値でも良いし、天候や時間、走行場所等、鉄道車両の走行環境の変化に合わせ、適宜変更しても良い。
その後ステップ503において、フィルタ処理を施された反射光の強度が閾値以上であるかを判定する。前記反射光の強度が閾値よりも大きい場合には、脱線していないと判定した上で、前記ステップ501に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
これに対し、反射光の強度が閾値よりも大きくない場合には、ステップ503に進み、脱線していると判定した上で、ステップ505で運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。このような構成によれば、より正確な脱線検知が可能となり、誤診断が防止される。
図13は、本実施形態の脱線検知装置25の第2変形例を示すフローチャートである。
本例では、天候や時間、走行場所等、鉄道車両の走行環境の影響による誤診断を防止するために、環境に合わせた照射光の種類や照射量を、予め選択するものである。
本例では、天候や時間、走行場所等、鉄道車両の走行環境の影響による誤診断を防止するために、環境に合わせた照射光の種類や照射量を、予め選択するものである。
先ず、ステップ601で、受光センサ25cによりセンサ周辺の光の量や波長の種類を調べるため、光源からの照射光が無い状態での光(環境光)を検出する。ステップ602ではこの環境光を分析し、最も強度の低い波長の光の種類、どの程度の照射光が必要かを確認する。その後ステップ603に進み、照射光の種類や照射量を選択する。これは、分析結果により運転者が適宜行っても良いし、自動的に選択されるようにしても良い。ステップ604では、選択された種類及び量の光が、光源25bから照射され、脱線検知が開始される。
次にステップ605では、受光センサ25cで検出した反射光を判定部に送る。ステップ606において、反射光の強度が閾値以上であるかを判定する。前記反射光の強度が閾値よりも大きい場合には、脱線していないと判定した上で、前記ステップ605に戻り、以下、鉄道車両が走行している限り、以上の動作を繰り返す。
これに対し、反射光の強度が閾値よりも大きくない場合には、ステップ607に進み、脱線していると判定した上で、ステップ608で運転者に注意を喚起するための警報を発する。また、必要に応じて、自動的に駆動を停止したり、更には制動を行う。このような構成によれば、より正確な脱線検知が可能となり、誤診断が防止される。
また、ステップ603における照射光の種類及び量の選択は、一定時間毎に適宜行ってもよい。またステップ601、602を経ずに、照射光の種類及び量を運転者が適宜選択しても良い。更に、第1変形例のように適宜フィルタ処理を施しても良く、これにより、更に正確な脱線検知が可能となる。
その他の構成及び作用効果については、前記第1及び第2実施形態と同様である。なお、本発明の脱線検知装置の形状、及び取り付け位置は、以上の実施形態に限定されるものではなく、鉄道車両走行時に、レールまたはレールと車輪との接触部と対向する位置に、脱線検知装置の検出面が取り付けられているものであれば良い。
本発明は、レール上を走行する車両であれば、鉄道車両だけでなく、リニアモーターカーやモノレール、産業用運搬車両にも適用が可能である。
1 車体
2 台車
3 車輪
3a 車輪大径部
3b 車輪小径部
3c 車輪大径部の車両外側端面
4 レール
4a レールの車両中心側端面
4b レールの車両外側端面
5、15、25 脱線検知装置
5a、15a カメラ
25b 光源
25c 受光センサ
6、16 撮影範囲
2 台車
3 車輪
3a 車輪大径部
3b 車輪小径部
3c 車輪大径部の車両外側端面
4 レール
4a レールの車両中心側端面
4b レールの車両外側端面
5、15、25 脱線検知装置
5a、15a カメラ
25b 光源
25c 受光センサ
6、16 撮影範囲
Claims (6)
- レール上を走行する車両の脱線検知装置であって、
前記車両の台車に支持された車輪の近傍に設けられ、検出面を前記レールに向けて取付けられたセンサと、
前記センサが検出した信号から前記車輪の下に前記レールが存在するか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする脱線検知装置。 - 前記判定部は、前記車輪の下に前記レールが存在しないと判定した場合に、脱線したと判定することを特徴とする請求項1に記載の脱線検知装置。
- 前記センサは、少なくとも前記レールを撮影する画像撮影装置であること
を特徴とする請求項1または2に記載の脱線検知装置。 - 前記センサは、前記レールを撮影する画像撮影装置であり、
前記判定部は、前記画像撮影装置が撮影した画像から、前記レールを検出し、
検出された前記レールの位置と、予め設定した前記車輪の位置とを比較し、
前記車輪の下に前記レールが存在するか否かを判定すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の脱線検知装置。 - 前記センサは、前記レールと前記車輪とを撮影する画像撮影装置であり、
前記判定部は、前記画像撮影装置が撮影した画像から、前記レールと前記車輪を検出し、
前記レールと前記車輪との位置を比較し、
前記車輪の下に前記レールが存在するか否かを判定すること
を特徴とする請求項1または2に記載の脱線検知装置。 - 前記センサは、前記レールに向けて光を照射する光源と、
前記レールからの反射光を受光する受光センサを備え、
前記判定部は、反射光の強度から前記車輪の下に前記レールが存在するか否かを判定すること
を特徴とする請求項1または2に記載の脱線検知装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2009237912A JP2011084155A (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | 脱線検知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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EP3508394A1 (en) * | 2017-12-20 | 2019-07-10 | Laird Technologies, Inc. | System and method for monitoring locomotive wheel size |
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2009
- 2009-10-15 JP JP2009237912A patent/JP2011084155A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108698623A (zh) * | 2016-03-11 | 2018-10-23 | 新日铁住金株式会社 | 铁道车辆的脱轨检测方法和装置 |
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