JP2011027157A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でより広い振動周波数帯域において、防振効果を維持することの可能な防振装置を提供する
【解決手段】入力振動の周波数が流体室切換部材60の共振周波数よりも高くなることによって、流体室切換部材60の動ばね定数が自律的に切り換えられる。したがって、入力振動の周波数が高くなることにより、防振装置10の動的ばね定数を低く維持できる振動周波数帯域を高周波側へシフトすることができる。その結果、ロックアップこもり音振動よりも高い周波数帯域の振動(加速時こもり音振動)の入力時においても、動的ばね定数を低く維持して効果的に防振効果を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般産業機械、自動車におけるエンジンマウント等として用いられ、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収及び減衰させる防振装置に関する。
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間にはエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置はエンジンが発生する振動を吸収し、車体側への振動伝達を抑制する。このような防振装置としては、装置内部に弾性体及び一対の液室が設けられると共に、制限通路を通して一対の液室が互いに連通された液体封入式のものが知られている。この液体封入式の防振装置によれば、弾性体の弾性変形、及び、一対の液室間を連通するオリフィス内の液体の液柱共振等で、制振効果、防振効果を得ることができる。
上記のような従来の液体封入式の防振装置として、複数のオリフィスを有する防振装置が開発されている。通常、複数のオリフィスは、各々異なる周波数に対応するようにチューニングされている。したがって、オリフィス内での液柱共振が、異なるオリフィスで異なる周波数帯域において発生する(例えば、シェイクオリフィスではシェイク振動の周波数帯域、アイドルオリフィスではアイドル振動の周波数帯域)。このため、単数のオリフィスのみをもつ防振装置と比較して、広い周波数帯域で減衰を得ることができると共に、動的ばね定数についても、広い周波数帯域において下げることができる(特許文献1参照)。
ところで、車両の走行時においても、一定速度で走行している場合と、加速走行の場合では、振動周波数が異なり、これらの異なる振動周波数帯域における低ばね化も要求される。すなわち、一定速度での走行時には、比較的エンジン回転数は抑えられているが、特に燃費重視の設定の場合、低いエンジン回転数でハイギヤード走行が行われるため、エンジン振動が大きくなり、いわゆるロックアップこもり音振動が発生する。一方、加速走行時には、エンジンの回転数が上がり、さらに高い周波数の加速時こもり音振動が発生する。
特開平9−100866号
本発明の目的は、上記事実を考慮して成されたものであり、定速時及び加速時においても、防振効果を維持することの可能な防振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、車両のエンジン用の防振装置であって、エンジン及び車体の一方に連結される第1取付部材と、エンジン及び車体の他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と第2取付部材との間に配設され、両者を連結する弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として構成され、液体が封入された主液室と、液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより構成され、液圧変化に応じて拡縮可能とされた副液室と、液圧変化によって変位可能な可動壁部材を隔壁の一部とし、前記主液室と副液室との間を仕切る仕切部材と、前記仕切部材に構成され、前記主液室と前記副液室とを連通させる第1制限通路と、前記可動壁部材と離間して配置され、前記可動壁部材との間に中間液室を構成する中間室部材と、前記中間液室と前記主液室、または、前記中間液室と前記副液室を連通させる第2制限通路と、前記中間液室と隣接して構成され、流体が封入された流体室と、前記中間液室と前記流体室との間を仕切る中間可動膜と、前記流体室の隔壁の一部を構成し前記流体室の内圧変化に応じて移動可能に設置された流体室隔壁と、前記流体室隔壁を弾性的に支持する支持弾性部材とを有し、前記流体室隔壁が前記流体室の内圧に応じて移動される状態における前記第2制限通路の共振周波数よりも高い周波数に共振周波数が設定された流体室切換部材と、を備えている。
上記構成の防振装置は、中間液室に隣接して流体室が構成されている。中間液室と流体室との間には、両者を仕切る中間可動膜が配置されている。また、流体室は、流体室の内圧変化に応じて移動可能な流体室隔壁を隔壁の一部として構成され、流体室隔壁は支持弾性部材により弾性的に支持されている。
ここで、支持弾性部材は支持している流体室隔壁の質量などに応じて固有の共振周波数を有する。そして、入力される振動が当該共振周波数よりも低い周波数の場合には、流体室への振動の入力に応じて支持弾性部材が弾性変形する。したがって、中間可動膜は、流体室側から拘束されることなく振動することができる。
一方、入力される振動が当該共振周波数よりも高い周波数になると、***振により支持弾性部材の動的ばね定数が高くなり、弾性変形しにくくなる。そして、流体室へ振動が入力されても、支持弾性部材が弾性変形しにくくなる。したがって、流体室隔壁は移動しにくくなり、中間可動膜は、流体室側から拘束されることとなる。
本発明では、流体室切換部材の共振周波数を、流体室隔壁が流体室の内圧に応じて移動される状態における第2制限通路の共振周波数よりも高い周波数に設定している。前述のように、入力振動の周波数が流体室切換部材の共振周波数よりも高くなると、自律的に流体室隔壁は移動しにくくなり、中間可動壁が拘束されるので、第2制限通路の周波数特性が高周波側へシフトする。これにより、流体室切換部材を設けない場合と比較して、より高周波の振動入力に対しても防振装置の動ばね定数を低く維持することができる。
本発明の請求項2に係る防振装置は、前記支持弾性部材は、ばね部材を含んで構成されていること、を特徴とする。
このように、ばね部材を用いて、ばね部材の一端で流体室隔壁を支持すると共に、他端を第2取付部材側に固定して、支持弾性部材を構成することができる。
本発明の請求項3に係る防振装置は、前記流体室には空気が封入されていること、を特徴とする。
このように、流体室に封入する流体を空気とすることにより、簡単に流体室を構成することができる。
本発明の請求項4に係る防振装置は、前記流体室隔壁の前記流体室と逆側は大気圧に開放されていること、を特徴とする。
このように、流体室隔壁の流体室と逆側を大気圧に開放することにより、流体室切換部材を、その特性に応じて動作させることができる。
本発明の請求項5に係る防振装置は、前記第1制限通路は、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動に対応し、前記第2制限通路は、前記流体室が流体圧に応じて拡縮される状態の場合に周波数帯域40Hz〜60Hzの振動に対応するように構成されていること、を特徴とする。
上記のように、第1制限通路、第2制限通路を設定することにより、第2制限通路を用いて、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動及び、周波数帯域40Hz〜60Hzの高周波の振動を減衰させることができる。
以上説明したように本発明によれば、より広い振動周波数帯域において、防振効果を維持することができる。
本発明の実施形態に係る防振装置の図3におけるI−Iの側断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の図3におけるII−IIの側断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の図1におけるIII−IIIの断面図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の仕切部材、中間室部材、流体室切換部材、及び、流体室部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の動的ばね特性を示すグラフである。 本発明の実施形態の変形例に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る防振装置の模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には本発明の実施形態に係る防振装置10が示されている。この防振装置10は、自動車のエンジンを車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図中の符号Sは装置の軸心を示し、この軸心に沿った方向を装置の軸方向Sとし、図の上下方向を防振装置10の上下方向として以下の説明を行う。防振を目的とする主たる振動(主振動)は、軸方向Sに入力される。
図1に示されるように、防振装置10は、第1取付部材14、及び、第2取付部材12を備えている。
第2取付部材12は、略円筒状とされ、一端部に凹段部12Aが構成されている。第2取付部材12の他端部には、径方向内側に加締められた加締め部12Cが形成されている。凹段部12Aと加締め部12Cとの間には、仕切挟持部12Bが構成されている。第2取付部材12は、不図示のブラケットを介して、車体に連結される。
第1取付部材14は、軸方向Sからみて第2取付部材12の径方向内側で、第2取付部材12の軸方向Sの上側に配置されており、弾性体連結部14A、フランジ部14B、及び、ブラケット挿入部14C、を備えている。弾性体連結部14Aは、下方へ向かって小径となる円錐台形状とされている。フランジ部14Bは、弾性体連結部14Aの上部から径方向外側に張り出した円板形状とされている。ブラケット挿入部14Cは、フランジ部14Bよりも小径の円筒状とされ、フランジ部14Bから上側に延出され、上面中央部分から軸方向下側に向かって雌ねじが形成されたねじ穴14Dが構成されている。ねじ穴14Dには、エンジン側のブラケットに連結するための不図示のボルトが螺合される。エンジン側のブラケットを介して、第1取付部材14はエンジンと連結される。
第1取付部材14と第2取付部材12とは、互いに同軸となるように配置されている。これらの軸心が、防振装置10の軸方向Sとなる。
第1取付部材14と第2取付部材12との間には、吸振主体となるゴム製の弾性体16が配置されている。弾性体16は、第1取付部材14の弾性体連結部14A外面からフランジ部14Bの下面にかけて加硫接着されると共に、第2取付部材12の凹段部12Aの径方向内側面に加硫接着されている。弾性体16により、第1取付部材14と第2取付部材12とが弾性的に連結されている。
弾性体16には、その下端部から下方へ延出する薄膜状の被覆部18が一体的に形成されている。この被覆部18は、第2取付部材12の仕切挟持部12B、加締め部12Cの内周面に加硫接着されて第2取付部材12の内壁を覆っている。被覆部18の凹段部12Aと仕切挟持部12Bとの間に対応する部分には、段部12Eが構成されている。この段部12Eには、後述する仕切部材20が当接されて位置決めが行われる。
また、弾性体16には、その上端部から上方へ延出して、フランジ部14Bの外周面及び上面を覆うストッパゴム部16Aが一体的に形成されている。このストッパゴム部16Aは、弾性体16及び第1取付部材14の外側に配置された不図示のストッパ金具に当たることにより、大振動入力時における、第1取付部材14と第2取付部材12との相対移動量を規制する。
被覆部18の内周側には、仕切部材20が配置されている。図3、4にも示すように、仕切部材20は環状とされ、外周に螺旋状の溝Mが形成されている。この溝Mと被覆部18との間に、後述する主液室50と副液室52とを連通する第1制限通路40が構成される。第1制限通路40は、連通部20Aで主液室50と連通され、連通部20Bで副液室52と連通されている。
仕切部材20の内周側には、中空が構成されており、中空の上側に円形の開口22が構成されている。開口22は、メンブラン24で閉鎖されている。メンブラン24は、円板状とされ、後述する主液室50及び中間液室58との間を仕切っている。メンブラン24は、ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)などの弾性を有する材料で構成することができる。
仕切部材20の溝Mが構成されていない部分には、図4に示すように、中空から径方向外側へ延びる気体孔21が穿孔されている。
仕切部材20の内周壁の中間部には、下側が大径とされた段差部26が構成されている。仕切部材20の内周側の中空下側には、中間室部材30が嵌め込まれている。中間室部材30の詳細については後述する。
仕切部材20の下側で被覆部18の内周側には、リング54が配置されている。リング54の内周面には、リング54の内側を閉鎖するように、薄膜ゴム製のダイヤフラム56の外周部が全周に亘って加硫接着されている。仕切部材20は、段差部26に当接されるように第2取付部材12の内部に挿入され、リング54は仕切部材20に当接されるように第2取付部材12の内部に挿入されている。第2取付部材12は、加締め部12Cが内周側へ加締められている。これにより、仕切部材20、及び、リング54が、第2取付部材12内に固定される。この状態で、リング54は、被覆部18を介して第2取付部材12の内周壁へ圧接されており、ダイヤフラム56により、第2取付部材12及び弾性体16の内側の空間は、外部から密閉されている。この密閉空間内には水、オイル等の液体Lが封入されている。この密閉空間は、仕切部材20によって、弾性体16側の主液室50、ダイヤフラム56側の副液室52に区画されている。
主液室50は、第2取付部材12の内側で、弾性体16及び仕切部材20を隔壁として構成されている。主液室50内は、液体Lで満たされている。副液室52は、第2取付部材12の内側で、ダイヤフラム56及び仕切部材20を隔壁として構成されている。副液室52内は、液体Lで満たされている。ダイヤフラム56は、副液室52内の液圧変化によって変形し、副液室52は拡縮可能となっている。
中間室部材30は、図4に示すように、環状とされ、外縁部に沿って下側が開放された周溝33が構成されている。周溝33は、一端部の上側に連通穴33Aが構成されている。中間室部材30の中央部には中空31が構成され、上端側がメンブラン32で閉鎖されている。図3にも示すように、周溝33の端部同士の間には、壁部35が構成されている。壁部35の下側には、中空31から径方向外側へ延びる気体連通溝35Aが構成されている。気体連通溝35Aは、仕切部材20の気体孔21に対応する位置に構成されている。
中間室部材30とメンブラン24との間には、中間液室58が構成されている(図1参照)。中間液室58は、メンブラン24、仕切部材20の内側壁、中間室部材30に囲まれて構成されており、主液室50及び副液室52と同様に液体Lで満たされている。中間液室58は、後述する第2制限通路42を介して副液室52と連通されている。中間室部材30の周溝33と中空31との間には、中間室部材30の上面から下側へ向かって凸条とされた周隔壁34が構成されている。周隔壁34の軸方向Sの長さは周溝33の外周壁の軸方向Sの長さよりも低くなっている。
流体室部材36は、平板円板状の底部37と、底部37の上部に形成された円筒状の筒部38を有している。底部37の外径は、周溝33の外径とほぼ同径とされ、筒部38の外径は、中空31の径とほぼ同径とされている。また、筒部38の高さは、周隔壁34よりも短くなっている。筒部38の内側には、支持弾性部材62が配置されている。支持弾性部材62は、コイルスプリングで構成されており、一端が底部37上に固定されている。
筒部38の先端側には、筒部38の開口を覆うように、流体室隔壁64が配置されている。流体室隔壁64は、リング部材64C、移動板64A、及び周端連結部64Bで構成されている。リング部材64Cは円環状とされ、外径が中空31の径とほぼ同径とされている。移動板64Aは、円板状とされ、外径がリング部材64Cの内径よりも小径とされ、リング部材64Cの径方向内側に配置されている。移動板64Aとリング部材64Cとは、ゴム製の周端連結部64Bにより連結されている。移動板64Aは、周端連結部64Bの弾性変形により軸方向Sに移動可動となっている。
支持弾性部材62は、他端が流体室隔壁64の移動板64Aに固定されている。流体室隔壁64は、支持弾性部材62によって、弾性支持されている。支持弾性部材62と流体室隔壁64で流体室切換部材60が構成されている。
流体室隔壁64は、リング部材64Cの外周が周隔壁34の内壁に密着するように中空31に嵌め込まれている。流体室部材36は、流体室隔壁64の下側から筒部38が中空31に嵌め込まれ、底部37が周溝33の内側に嵌め込まれて、中間室部材30と係合されている。これにより、周溝33及び中空31の下側が閉止されて、周溝33に対応する位置に第2制限通路42が構成される。第2制限通路42は、連通穴33Aで中間液室58と連通され、連通穴37Bで副液室52と連通されている。
中空31に対応する位置で、メンブラン32と流体室隔壁64との間には、流体室39が構成される。流体室39は、メンブラン32によって、中間液室58と区画されており、空気が封入されている。また、中空31に対応する位置で、流体室隔壁64と底部37との間には、大気圧室66が構成されている。
流体室部材36の筒部38には、大気圧室66に連通する大気連通部38Aが構成されている。大気連通部38Aは、中間室部材30の気体連通溝35Aに対応する位置に構成されている。流体室部材36の底部37に閉鎖されて、気体連通溝35Aとの間に気体連通孔35Hが構成されている。
図1に示されるように、大気連通部38A、気体連通孔35H、及び、気体孔21は、連通され、第2取付部材12に穿孔された孔12Hを介して、大気圧室66は大気圧に開放されている。
図5には、上記構成の防振装置10を模式的に表した図が記載されている。本実施形態の防振装置10は、図5のように示すことができる。
図5について、簡単に説明すると、第2取付部材12、弾性体16、及び、ダイヤフラム56に囲まれた液室は、仕切部材20によって、主液室50と副液室52に区画されている。主液室50と副液室52とは、第1制限通路40により連通されている。主液室50と副液室52との間には、第1制限通路40と並列的に中間液室58が設けられている。中間液室58は、主液室50側がメンブラン24で閉止されている。主液室50と副液室52との間には、メンブラン24と直列的にメンブラン24よりも副液室52側に、第2制限通路42が構成されている。また、中間液室58を構成する壁の一部は、メンブラン32で構成されており、メンブラン32の中間液室58と逆側は、流体室39とされている。流体室39を構成する壁の一部は、流体室隔壁64で構成されており、流体室隔壁64の流体室39と逆側は、大気圧室66とされている。大気圧室66には、支持弾性部材62が配置されている。
次に、第1制限通路40、第2制限通路42、メンブラン32、及び、流体室切換部材60のチューニングについて説明する。
エンジンに連結された第1取付部材14側から軸方向Sの振動が入力されると、弾性体16が弾性変形し、この弾性変形に伴って主液室50の内容積が拡縮する。第1制限通路40は、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうち比較的低い周波数域で大振幅のシェイク振動に対応するようにチューニングされている。すなわち、シェイク振動の入力時に、主液室50と副液室52との圧力差により主液室50内に封入された液体Lと副液室52内に封入された液体Lが第1制限通路40を通して相互に流通し、第1制限通路40内での液柱共振作用などにより、制振効果を得ることができるよう設定されている。例えば、第1制限通路40は、その路長や断面積を、振幅±0.5mm以上、周波数帯域5Hz〜15Hzのシェイク振動入力に適合するように、設定することができる。
第2制限通路42は、流体室隔壁64が流体室39の内圧に応じて移動される状態において、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうちシェイク振動よりも高周波の周波数域のロックアップこもり音振動に対応するようにチューニングされており、主液室50内の液圧変化により、主液室50内に封入された液体Lがメンブラン24を弾性変形させ、中間液室58を拡縮させる。そして、中間液室58と副液室52との間を、第2制限通路42を通して液体Lが相互に流通し、第2制限通路42内での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができるよう設定されている。例えば、第2制限通路42は、流体室隔壁64が流体室39の内圧に応じて移動される状態において、その路長や断面積が、振幅±0.05mm程度、周波数帯域40Hz〜60Hzのロックアップこもり音振動の入力に適合するように、設定することができる。
流体室切換部材60は、第1取付部材14側からの軸方向Sの入力振動のうちロックアップこもり音振動よりもわずかに高い周波数に共振周波数が設定されている。これにより、流体室隔壁64は、共振周波数以下の振動の入力時には、流体室39の内圧に応じて移動されて、メンブラン32は流体室39が大気開放状態と同様の挙動を示す。
一方、流体室切換部材60は、共振周波数よりも高い周波数帯域の振動、例えば、加速時における加速時こもり音振動(周波数帯域60Hz〜150Hz)の振動入力に対しては、***振により動ばね定数が高くなる。したがって、共振周波数よりも高い周波数帯域の振動入力時には、流体室隔壁64の動きが拘束され(流体室隔壁64の拡張弾性が高くなる)、流体室39が密閉状態と同様になる。これにより、メンブラン32についても、動きが拘束され、第2制限通路42の特性が高周波側にシフトし、加速時こもり音振動の入力時に、中間液室58と副液室52との間を、第2制限通路42を通して液体Lが相互に流通し、第2制限通路42内での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができるよう設定されている。
次に、本実施の形態に係る防振装置10の動作及び作用について説明する。
本実施形態の防振装置10では、自動車エンジンからの振動は、第1取付部材14、弾性体16、及び第2取付部材12を介して車体へと支持される。
比較的周波数が低く大振幅のシェイク振動(周波数5〜15Hz、振幅±0.5mm以上)の入力時には、弾性体16が弾性変形して主液室50が拡縮し、液体Lが第1制限通路40を介して主液室50と副液室52との間を行き来し、第1制限通路40内部での液柱共振作用などにより、制振効果を得ることができる。
通常走行時(非加速時)において、ロックアップこもり音振動(周波数40〜60Hz、振幅±0.05mm程度))の入力時には、第1制限通路40が目詰まり状態となる。一方、メンブラン24は、主液室50の液圧変化に応じて弾性変形し、開口22を液体Lが流通する。これにより、中間液室58の液圧も変化し、流体室隔壁64が流体室39の内圧に応じて移動される状態において、ロックアップこもり音振動に適合するようにチューニングされた第2制限通路42を介して、液体Lが中間液室58と副液室52との間を行き来し、第2制限通路42内部での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができる。
高周波数、小振幅の加速時こもり音振動(周波数60Hz〜150Hz、振幅±0.05mm以下)の入力時には、流体室切換部材60の動ばね定数が高くなり、流体室39が密閉状態と同様になる。これにより、メンブラン32についても、動きが拘束され、第2制限通路42の特性が、加速時こもり音振動(周波数60Hz〜150Hz、振幅±0.05mm以下)に適合するようにシフトする。これにより、加速時こもり音振動の入力時にも、第2制限通路42を介して、液体Lが中間液室58と副液室52との間を行き来し、第2制限通路42内部での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができる。
図6には、防振装置10へ入力される振動周波数と、防振装置10の動的ばね定数との関係を示すグラフが示されている。実線Aは流体室隔壁64が流体室39の内圧に応じて移動される状態における防振装置10の特性を示し、一点鎖線Bは流体室隔壁64の動きが拘束された状態における防振装置10の特性を示している。
本実施形態の防振装置10では、入力振動の周波数が流体室切換部材60の共振周波数よりも高くなることによって、流体室切換部材60の動ばね定数が自律的に切り換えられる。したがって、入力振動の周波数が高くなることにより、図6のAからBへ動的ばね定数が切り換わる。これにより、防振装置10の動的ばね定数を低く維持できる振動周波数帯域を高周波側へシフトすることができる。その結果、ロックアップこもり音振動よりも高い周波数帯域の振動(加速時こもり音振動)の入力時においても、動的ばね定数を低く維持して効果的に防振効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、流体室切換部材60を用いて第2制限通路42の特性を切り換えて、より広い周波数帯域で動ばね定数を低く維持し、防振効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、主液室50と中間液室58との間にメンブラン24を配置したが、図7及び図8に示すように、メンブラン24に代えて、可動板23を配置してもよい。
また、本実施形態では、流体室39内に空気を封入したが、空気に限定されず、他の気体を封入してもよいし、主液室50などと同様の液体を封入してもよい。
10 防振装置
12 第2取付部材
14 第1取付部材
16 弾性体
20 仕切部材
23 可動板
24 メンブラン
30 中間室部材
32 メンブラン
36 流体室部材
37 底部
39 流体室
40 第1制限通路
42 第2制限通路
50 主液室
52 副液室
56 ダイヤフラム
58 中間液室
60 流体室切換部材
62 支持弾性部材
64 流体室隔壁
66 大気圧室
S 軸方向

Claims (5)

  1. 車両のエンジン用の防振装置であって、
    エンジン及び車体の一方に連結される第1取付部材と、
    エンジン及び車体の他方に連結される第2取付部材と、
    前記第1取付部材と第2取付部材との間に配設され、両者を連結する弾性体と、
    前記弾性体を隔壁の一部として構成され、液体が封入された主液室と、
    液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより構成され、液圧変化に応じて拡縮可能とされた副液室と、
    液圧変化によって変位可能な可動壁部材を隔壁の一部とし、前記主液室と副液室との間を仕切る仕切部材と、
    前記仕切部材に構成され、前記主液室と前記副液室とを連通させる第1制限通路と、
    前記可動壁部材と離間して配置され、前記可動壁部材との間に中間液室を構成する中間室部材と、
    前記中間液室と前記主液室、または、前記中間液室と前記副液室を連通させる第2制限通路と、
    前記中間液室と隣接して構成され、流体が封入された流体室と、
    前記中間液室と前記流体室との間を仕切る中間可動膜と、
    前記流体室の隔壁の一部を構成し前記流体室の内圧変化に応じて移動可能に設置された流体室隔壁と、前記流体室隔壁を弾性的に支持する支持弾性部材とを有し、前記流体室隔壁が前記流体室の内圧に応じて移動される状態における前記第2制限通路の共振周波数よりも高い周波数に共振周波数が設定された流体室切換部材と、
    を備えた防振装置。
  2. 前記支持弾性部材は、ばね部材を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記流体室には空気が封入されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記流体室隔壁の前記流体室と逆側は大気圧に開放されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振装置。
  5. 前記第1制限通路は、周波数帯域5Hz〜15Hzの振動に対応し、前記第2制限通路は、前記流体室が流体圧に応じて拡縮される状態の場合に周波数帯域40Hz〜60Hzの振動に対応するように構成されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013213529A (ja) * 2012-03-31 2013-10-17 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2014178016A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Bridgestone Corp 防振装置

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