JP2011025563A - 床板用複合基材の製造方法とそれを用いた表面化粧床材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】市販品であり容易に入手できる比較的厚手の木質繊維板1をそのまま使用して、任意の厚みの半裁木質繊維板1aを台板2の一方の面に積層した、表面化粧床材用の複合基材5を得る。
【解決手段】市販品の木質繊維板1の両面に台板2,2を貼り合わせる。貼り合わせた後に、台板2,2の間に貼り合わせられた木質繊維板2を厚さ方向で2分割する。この製造方法によれば、あらかじめ半裁した薄手の木質繊維板を用いる従来法と比較して、製造は容易でありかつ製造コストも低減することができる。さらに、半裁に伴う木質繊維板の損傷も軽減されることから、製品歩留まりも向上する。
【選択図】図1
【解決手段】市販品の木質繊維板1の両面に台板2,2を貼り合わせる。貼り合わせた後に、台板2,2の間に貼り合わせられた木質繊維板2を厚さ方向で2分割する。この製造方法によれば、あらかじめ半裁した薄手の木質繊維板を用いる従来法と比較して、製造は容易でありかつ製造コストも低減することができる。さらに、半裁に伴う木質繊維板の損傷も軽減されることから、製品歩留まりも向上する。
【選択図】図1
Description
本発明は床板用複合基材の製造方法と、その方法で製造された床板用複合基材を用いる表面化粧床材の製造方法に関する。
台板の表面に突板や化粧紙等からなる化粧層を積層してなる表面化粧床材は知られており、通常のフローリング材あるいは床暖房用のフローリング材として広く用いられている。台板としては、合板、OSB、パーティクルボード等、多くのものが用いられる。
近年、上記のようなフローリング材には、生活様式に対応して、例えばキャスター付き椅子による繰り返し荷重が負荷されたり、あるいは重量物が落下したような場合でも、凹みにくくまた傷が付きにくい性能を持った製品が求められている。台板の表面に、直接、化粧用突板を貼り合わせた表面化粧床材の場合、表面硬度が十分でなく、目標とする性能値が得られないことから、台板の表面に、MDFのような木質繊維板を貼り合わせて複合基材を形成し、該複合基材における木質繊維板の表面に化粧用突板を貼り付けることで、表面化粧床材の耐衝撃性や耐凹み性を担保することが行われている。
一般的に、MDFのような木質繊維板は温度変化に対する寸法変化率が大きい。前記した複合基材を用いて製造した表面化粧床材を、特に床暖房用の床材として用いるような場合に、木質繊維板の厚みが大きいと、無視できない寸法変化が生じることがある。そのために、使用目的が床暖房用である場合、厚みが1.0mm程度のMDFを用いるのが一般的である。しかし、1.0mm程度の厚みの薄いMDFを製造することは困難であるため、製造が容易である2.5〜5.0mm程度の厚みのMDFを厚み方向に2分割し、例えば1.0mm程度の所定厚み研削したものを、台板に貼り合わせるMDFとして用いることが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
そのために、MDFのような木質繊維板を厚み方向に2分割するための方法や装置が、特許文献2あるいは3等に提案されており、実用化されている。MDFのような木質繊維板の場合、その表裏面には、岩盤層といわれる密度0.9〜1.0の高密度層が存在するが、厚み方向の中央部分の平均密度は0.7〜0.8とやや低くなっているのが一般的である。そのために、厚み方向に分割する場合、密度の低い層をねらって分割刃により半裁(2分割)されるが、半裁された木質繊維板においては表裏面で密度の差が生じるため、内部応力のバランスが崩れカール現象が発生するのを避けられない。
そのために、前記した特許文献2あるいは3に記載される装置では、分割する木質繊維板が分割により変形あるいは破壊するのを防ぐために、あらかじめ加熱処理や吸水処理により材料を軟化した状態にして分割処理を行ったり、送りロールに設けた「突刺体」により材料に細かな穴を多数あけ、分割後の材料の内部応力バランスの崩れによるカール現象を矯正しながら分割する、というような、特殊な装置による高度な切削方法が採用されている。
上記のように、現在、前記複合基材を製造するのに用いられている、厚手の木質繊維板を厚み方向に2分割した、いわゆる半裁木質繊維板は、分割時に「突刺体」によって形成された多数の穴(以下、ガンギ穴という)を有している。そのために、台板に前記半裁木質繊維板を接着剤を用いて貼り合わせるときに、ガンギ穴から接着剤が噴出し、製造後の複合基材同士が接着してしまう、共付きの原因となる場合があった。また、半裁して薄くなった木質繊維板は、欠け易いものであり、取り回し時に損傷を生じさせないために慎重な取り扱いが求められるとともに、台板に貼り合わせる作業も、十分な注意を必要としていた。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、台板の一方の面に木質繊維板が積層されている床板用複合基材を容易に製造することができ、製造後の床板用複合基材が共付きするのも回避することができるようにした床板用複合基材の製造方法を開示することを第1の課題とする。また、その製造方法で製造された床板用複合基材を用いる表面化粧床材の製造方法を開示することを第2の課題とする。
本発明による、台板の一方の面に木質繊維板が積層されている床板用複合基材の製造方法は、木質繊維板の両面に台板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記台板の間に貼り合わせられた木質繊維板を厚さ方向で2分割する分割工程と、を少なくとも含む床板用複合基材の製造方法である。
本発明による床板用複合基材の製造方法では、あらかじめ厚み方向に2分割された半裁木質繊維板を台板に貼り合わせるのではなく、厚みの厚い木質繊維板をそのまま用い、その両面に台板に貼り合わせ、その後で、木質繊維板の部分を厚み方向に2分割することで、台板の一方の面に厚みの薄い木質繊維板が積層された2つの床板用複合基材を同時に得るようにする。
この製造方法によれば、木質繊維板の分割時に木質繊維板は台板にすでに接着されているため、従来のように分割によるカール現象が起こることはない。また、ガンギ穴をあけることなく半裁が可能となる。さらに、半裁後の木質繊維板は台板と一体化した状態にあるため、取り回し時での木質繊維板の損傷も極力低減することができる。半裁して薄くなった木質繊維板を台板に貼り合わせる作業を必要としないので、製造全体もきわめて容易となる。
本発明による床板用複合基材の製造方法において、好ましくは、分割工程後に木質繊維板の分割面を研削して分割された木質繊維板の厚みを調整する研削工程をさらに含む。この研削工程を行うことにより、厚みの調整と同時に、分割面の平滑化が可能となり、化粧突板のような表面化粧材の貼り合わせが良好になる。研削方法は任意であり、制限はないが、一例として、ワイドベルトサンダー等による表面研削処理が例示される。
本発明による床板用複合基材の製造方法において、台板を貼り合わせる木質繊維板には、任意の厚みのものを用いることができるが、入手が容易でありかつ2分割作業も容易となることから、厚みが2〜3mm程度の木質繊維板を用いることは好ましい。
本発明による床板用複合基材の製造方法において、用いる木質繊維板はMDF,HDFなどを例示できるが、床板用複合基材を用いて製造される表面化粧床材の耐衝撃性や耐凹み性を担保するという観点からは、MDFが最も好適である。また、用いる台板に特に制限はなく、合板、OSB、ブロックボード、集成材、パーティクルボード等を適宜用いることができる。その厚みも任意である。なかでも、合板およびパーティクルボードは、入手の容易性や加工のしやすさ観点から特に好ましい。
本発明による床板用複合基材の製造方法において、木質繊維板と台板との貼り合わせに用いる接着剤に特に制限なく、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、尿素樹脂系接着剤等、従来の複合基材の積層に用いられる接着剤を適宜そのまま用いればよい。
本発明による表面化粧床材の製造方法は、上記したいずれかの製造方法により製造された床板用複合基材における半裁後の木質繊維板の分割面側に化粧層を形成する工程を少なくとも含む。化粧層を形成する材料も任意であってよく、化粧用突板、化粧用印刷シートなどが、例示できる。塗工による表面化粧層であってもよい。表面化粧床材の品位の観点からは、化粧用突板を貼着することが最も好ましい。
本発明によれば、市販品であり容易に入手できる比較的厚手の木質繊維板をそのまま使用して、任意の厚みの木質繊維板を台板の一方の面に積層した、表面化粧床材用の複合基材を得ることができる。そのために、あらかじめ半裁した薄手の木質繊維板を用いる従来法と比較して、製造は容易でありかつ製造コストも低減することができる。さらに、半裁に伴う木質繊維板の損傷も軽減されることから、製品歩留まりの向上も期待することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は、本発明による床板用複合基材の製造方法の一実施の形態を工程順に説明する模式図である。
図1において、1は、例えば2〜3mm程度の厚みの市販のMDFであり、本発明でいう「木質繊維板」の一例である。最初に、図1(a)に示すように、MDF1の両面に台板2,2を配置し、次に、図1(b)に示すように、適宜の接着剤を用いて、該MDF1の両面に台板2,2を貼り合わせて一体化し、積層体3とする。用いる台板2は、例えばラワン合板のような合板でもよく、パーティクルボードなどであってもよい。台板2の厚みは、製造しようとする表面化粧床材10(図2参照)における複合基材の厚さと同じ厚さでもよく、より薄手のものであってもよい。後者の場合には、床板用複合基材とした後で、必要厚さの合板あるいはパーティクルボードなどを、台板2に接着積層して、所要厚さのものとする。2枚の台板2,2は、同じ厚みであってもよく、異なる厚みのものであってもよい。
接着剤が硬化した後、図1(c)に示すように、分割刃4を用いて、積層体3におけるMDF1の領域を、その厚み方向の適宜の位置で2分割する。それにより、図1(d)に示すように、1つの積層体3から、2つの床板用複合基材5,5が製造される。各床板用複合基材5は、台板2と、その一方の面に、MDF1が2分割された厚さの薄い半裁MDF1aが貼り合わされた構成を備える。分割刃4によって分割するMDF1の厚み方向の位置は、厚み方向の中央位置であってもよく、一方に偏位した位置であってもよい。
必要に応じて、半裁MDF1aの分割面を例えばワイドベルトサンダーのような手段で研削し、表面を平滑化する。また、必要に応じて、半裁MDF1aの厚みが規定厚みとなるまで、研削を継続する。それにより、所要厚み(例えば、0.5mm厚)の半裁MDF1aの岩盤層側を台板2に向けた姿勢で貼り合わされた、床板用複合基材5が完成する。
図2(a)に示すように、上記のようにして製造した床板用複合基材5の半裁MDF1a側に、化粧層としての例えば化粧用突板6を配置し、必要な場合には、台板2の裏面側に防湿シートあるいはバランスシート7を配置し、それらを接着剤を用いて、一体に貼り合わせることにより、図2(b)に示すように、本発明による表面化粧床材10が製造される。製造した表面化粧床材10を直張り用遮音表面化粧床材として用いる場合には、台板2の裏面側に、図示しないが、不織布のような緩衝シートや、合成樹脂発泡体のような断熱シートが積層される。あるいは、緩衝シートおよび断熱シートの2層積層のシートが積層される。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1]
台板(11.5mm×945mm×1840mmラワン合板)上に、酢酸ビニル系接着剤を両面塗布したMDF(2.7mm×945mm×1840mm)を載せ、さらにその上に、同様の台板を積層させ、コールドプレスにて冷圧締した。冷圧締時の圧力は、10kgf/cm2,圧締時間は50分とした。合板−MDF−合板の複合体の短尺側(945mm側)の厚さ方向中央部分に分割刃をあてがい、複合体を長尺方向(1840mm方向)に進行させることによって、複合体を二分割した。
[実施例1]
台板(11.5mm×945mm×1840mmラワン合板)上に、酢酸ビニル系接着剤を両面塗布したMDF(2.7mm×945mm×1840mm)を載せ、さらにその上に、同様の台板を積層させ、コールドプレスにて冷圧締した。冷圧締時の圧力は、10kgf/cm2,圧締時間は50分とした。合板−MDF−合板の複合体の短尺側(945mm側)の厚さ方向中央部分に分割刃をあてがい、複合体を長尺方向(1840mm方向)に進行させることによって、複合体を二分割した。
分割された合板−半裁MDF複合体のMDF面を上面にした状態にて、ワイドベルトサンダーにてMDF面の研削を行った。研削は、2ヘッドの鉄ロールに#80サンドペーパーを使用し、研削量は0.75〜0.80mmであった。以上の工程にて、12.0mm×945mm×1840mmサイズ(MDF層厚み0.5mm)の床板用MDF複合基材が得られた。
[実施例2]
台板(15mm×945mm×1840mmパーティクルボード)上に、酢酸ビニル系接着剤を両面塗布したMDF(2.7mm×945mm×1840mm)を載せ、さらにその上に、同様の台板を積層させ、コールドプレスにて冷圧締した。冷圧締時の圧力は、10kgf/cm2,圧締時間は50分とした。パーティクルボード−MDF−パーティクルボードの複合体の短尺側(945mm側)の厚さ方向中央部分に分割刃をあてがい、複合体を長尺方向(1840mm方向)に進行させることによって、複合体を二分割した。
台板(15mm×945mm×1840mmパーティクルボード)上に、酢酸ビニル系接着剤を両面塗布したMDF(2.7mm×945mm×1840mm)を載せ、さらにその上に、同様の台板を積層させ、コールドプレスにて冷圧締した。冷圧締時の圧力は、10kgf/cm2,圧締時間は50分とした。パーティクルボード−MDF−パーティクルボードの複合体の短尺側(945mm側)の厚さ方向中央部分に分割刃をあてがい、複合体を長尺方向(1840mm方向)に進行させることによって、複合体を二分割した。
分割されたパーティクルボード−半裁MDF複合体のMDF面を上面にした状態にて、ワイドベルトサンダーにてMDF面の研削を行った。研削は、2ヘッドの鉄ロールに#80サンドペーパーを使用し、研削量は0.75〜0.80mmであった。以上の工程にて、15.5mm×945mm×1840mmサイズ(MDF層厚み0.5mm)の床板用MDF複合基材が得られた。
1…MDF(本発明でいう「木質繊維板」の一例)、
1a…半裁MDF、
2…台板、
3…台板−MDF−台板の積層体、
4…分割刃、
5…床板用複合基材(台板−半裁MDF)、
6…化粧用突板、
7…防湿シートあるいはバランスシート、
10…表面化粧床材。
1a…半裁MDF、
2…台板、
3…台板−MDF−台板の積層体、
4…分割刃、
5…床板用複合基材(台板−半裁MDF)、
6…化粧用突板、
7…防湿シートあるいはバランスシート、
10…表面化粧床材。
Claims (6)
- 台板の一方の面に木質繊維板が積層されている床板用複合基材の製造方法であって、木質繊維板の両面に台板を貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記台板の間に貼り合わせられた木質繊維板を厚さ方向で2分割する分割工程と、を少なくとも含む床板用複合基材の製造方法。
- 分割工程後に木質繊維板の分割面を研削して分割された木質繊維板の厚みを調整する研削工程をさらに含む請求項1に記載の床板用複合基材の製造方法。
- 木質繊維板がMDFである請求項1または2に記載の床板用複合基材の製造方法。
- 台板が合板またはパーティクルボードである請求項1ないし3のいずれか一項に記載の床板用複合基材の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の製造方法により製造した床板用複合基材における木質繊維板の分割面側に化粧層を形成する工程を少なくとも含む表面化粧床材の製造方法。
- 化粧層が化粧用突板である請求項5に記載の表面化粧床材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009174535A JP2011025563A (ja) | 2009-07-27 | 2009-07-27 | 床板用複合基材の製造方法とそれを用いた表面化粧床材の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103507124A (zh) * | 2013-10-14 | 2014-01-15 | 内蒙古农业大学 | 一种基于沙柳和乔木的组坯复合板材及其制备方法 |
JP2014177808A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Pluswood Co Ltd | 床材 |
-
2009
- 2009-07-27 JP JP2009174535A patent/JP2011025563A/ja not_active Withdrawn
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CN103507124A (zh) * | 2013-10-14 | 2014-01-15 | 内蒙古农业大学 | 一种基于沙柳和乔木的组坯复合板材及其制备方法 |
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