JP2010246333A - モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

モータ駆動装置およびこれを用いた冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷状態による最適な駆動を行えるモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】低速ではブラシレスDCモータ4の位置信号を位置検出部5で取得しての第1波形発生部7によるPWMフィードバック制御で高効率化を図り、高速では第2波形発生部9からの波形で周波数固定の同期駆動を行い、第2波形発生部9での駆動においてブラシレスDCモータ4の誘起電圧位相と、第2波形発生部9により発生する印加電圧位相との位相関係から負荷状態を検出して、負荷状態により第1波形発生部6での駆動か第2波形発生部9での駆動かを選択したうえで、ブラシレスDCモータ4を駆動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータを、三相巻線に電力を供給するインバータにより駆動するための装置に関するものであり、特に冷蔵庫やエアコンなどの圧縮機を駆動するのに最適なブラシレスDCモータの駆動装置に関するものである。
従来この種のモータ駆動装置は駆動負荷の状態によって、波形発生方法を切り替えることで、負荷に応じた最適な駆動を実現している(例えば特許文献1参照)。
図8において交流電源1は一般的な商用電源で日本国内の場合はAC100V、50または60Hzである。整流平滑回路2は4個のダイオードをブリッジ接続した整流回路と2個の平滑電解コンデンサによって構成され、交流100V電圧を入力し直流280Vを出力する倍電圧整流回路としている。
インバータ3は6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続しており、整流平滑回路2の出力を入力として3相交流電力に変換してブラシレスDCモータ4に供給する。
ブラシレスDCモータ4は永久磁石を有する回転子4aと、3相巻線を有した固定子4bとで構成され、インバータ3により作られた3相交流電流が固定子の3相巻線に流れることにより、回転子を回転することができる。
位置検出部205はブラシレスDCモータ4の回転子が回転することにより、固定子に促された3相巻線に発生する誘起電圧を検出することで回転子の相対的な回転位置を検出するものである。
第1波形発生部206は、位置検出部5の位置検出信号をもとにインバータ3のスイッチ素子を駆動する信号を作り出す。この駆動する信号は矩形波通電を基本としており、通電角が120度以上150度以下の矩形波を作り出している。また、ここでは矩形波以外でもそれに準じる波形として立ち上がり/立ち下がりに若干の傾斜を持たせた台形波であってもよい。第1波形発生部206ではさらに回転数を一定に保つためにPWM 制御のデューティの制御も行い、回転位置に従って最適なデューティで運転させるので最も効率的な運転が可能となる。
回転数検出部207は、位置検出部205の出力信号からブラシレスDCモータ4の回転数を検出する。この回転数の検出は位置検出部205の出力信号を一定時間カウントすることや周期を測定することなどによって実現可能である。
周波数設定部208は、出力のデューティを一定にしたまま出力周波数のみを変化させる。
第2波形発生部209は、周波数設定部208の出力信号をもとにインバータ3のスイッチ素子を駆動する信号を作り出す。この駆動する信号は通電角が130度以上180度未満の矩形波を作り出している。またここでは矩形波以外でも正弦波や歪波などのそれに準じる波形であってもよい。またここでは最大デューティで運転しており、90〜100%の一定のデューティで運転している。
切替判定部210は、回転数検出部207で検出された回転数により低速/高速を判断し、インバータ3を動作させる波形を第1波形発生部206か第2波形発生部209かを切り替えるものである。具体的には回転数が低速の場合、第1波形発生部206からの信号を選択し、回転数が高速の場合、第2波形発生部9からの信号を選択してインバータ3を動作させる。
ここで回転数が低速か高速かの判定は回転数検出部207からの実際の回転数としたが、設定回転数やデューティを判断してもよい。デューティは最大デューティ(一般的には10 0%)で位置検出でのPWMデューティ制御による回転数が最大となるため、この条件で信号を切り替えることも可能である。
ドライブ部211は、切替回路210からの出力信号により、インバータ3のスイッチ素子を駆動する。この駆動によりインバータ3から最適な交流出力がブラシレスDCモータ4に印加されるので回転子を回転させることができる。
以上の様に構成されたモータ駆動装置について以下その動作を説明する。
まず比較的低負荷低速時においては位置検出部205の出力タイミングをもとに動作する第1波形発生部206によってインバータ3の各スイッチ素子は駆動される。このとき位置検出部205の出力信号からブラシレスDCモータ4の回転速度を検出し、駆動速度が目標速度に近づくように第1波形発生部206はPWMデューティ制御を行う、誘起電圧検出による一般的なセンサレスPWM制御で、ブラシレスDCモータ4を効率よく駆動している。
また第1波形発生部206での駆動においてPWMデューティが最大(例えば100%)となったにもかかわらず、ブラシレスDCモータ4の駆動速度が目標速度に到達しない負荷状態では、切り替え判定部210は周波数設定部208によって動作する第2波形発生部209を選択しインバータ3を駆動する。インバータ3の各相の駆動信号は周波数設定部208の出力にしたがって、所定周波数を出力するように転流を行う。このときデューティを一定として回転子位置と関係なく同期駆動で転流周波数を段階的に上げていくことで、ブラシレスDCモータ4の誘起電圧位相に対し電流位相が進んだ状態、いわゆる「弱め磁束制御」と同様の状態となり、第1波形発生部206での駆動より大幅な高速駆動が可能となる。
以上の様な構成とすることで従来のモータ駆動装置は、第1波形発生部206での誘起電圧検出による一般的なPWMフィードバック制御よりもブラシレスDCモータ4の高負荷高速性能を向上できる。また固定子巻線を大きく巻き込んでトルク(回転数)を落としたモータを使用する場合は、低速では第1波形発生部206で高効率駆動を行うとともに、高速駆動性能は第2波形発生部209での駆動によって確保することができる。
特開2004−282911号公報
しかしながら上記従来の構成は、ブラシレスDCモータの高効率化が可能かつ、駆動可能な速度および負荷領域を拡張できるが、第2波形発生手段で高速高負荷駆動状態から負荷が減少した場合でも、第2波形発生手段ではデューティ一定での同期駆動を行うため、負荷に対して印加電圧が高い状態となり、誘起電圧に対してモータ電流位相が遅れ位相となることで、著しくモータ効率が悪化する場合があるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、第2波形発生部での駆動においてブラ
シレスDCモータの負荷状態を検出できるようにすることで、負荷に応じて波形発生部の選択を可能とし、ブラシレスDCモータを最適に駆動出来る様にすることで、従来のモータ駆動装置の実用性をより向上することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、ブラシレスDCモータが第2波形発生部による駆動を行っている際、波形補正部は所定のタイミングで第2波形発生部により発生した波形の一部あるいは全部を間欠させた波形でドライブ部を介しインバータを駆動することで、同期駆動中の誘起電圧位相の検出を可能とし、検出した誘起電圧位相と第2波形発生部との位相関係から、負荷状態監視部は第1波形発生部での駆動が可能な負荷状態か否かを判断できるようにしたものである。
これによって第2波形発生部で駆動している状態で、負荷が低下し第1波形発生部で駆動可能な低負荷状態となったことが検出可能となり、第1波形発生部での駆動へ移行するタイミングを的確に得ることが出来る。
本発明のモータ駆動装置は、ブラシレスモータを高効率に駆動できるとともに、駆動可能な負荷及び速度領域を拡張できるので、実用性を高めることができる。
また本発明のモータ駆動装置を用いた冷蔵庫は、庫内負荷状態に合わせて圧縮機を最適な状態で駆動することが出来るため、庫内が冷却安定状態にある低負荷時は高効率駆動による消費電力の低減が可能であり、庫内温度が高い場合は高速高負荷駆動による速やかな庫内の冷却運転が可能となり、食品の保鮮性能を向上することが出来る。
請求項1に記載の発明は、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に電力を供給するインバータと、前記インバータを駆動するドライブ部と、前記ブラシレスDCモータの前記固定子の三相巻線に発生する誘起電圧を基に前記回転子の相対的な回転位置を検出し位置信号を出力する位置検出部と、前記位置検出部からの出力信号を基にデューティ制御を行いながら矩形波または正弦波、或いはそれらに準じる波形を出力する第1波形発生部と、デューティを一定として所定周波数のみを変化させる周波数設定部と、矩形波または正弦波あるいはそれらに準じる波形を前記周波数設定部で決められた所定周波数で出力する第2波形発生部と、前記位置検出部により検出した前記ブラシレスDCモータの回転子相対位置と前記第2波形発生部で発生した波形の位相との位相差を検出する位相差検出部と、前記位相差検出部で得た位相差からブラシレスDCモータの負荷状態を監視する負荷状態監視部と、前記ブラシレスDCモータの駆動回転数を負荷状態から第1波形発生部によってインバータを駆動するか、あるいは第2波形発生部によってインバータを駆動するかを選択して波形発生部を切り替える切替判定部と、所定のタイミングで第2波形発生部において発生した波形の一部あるいは全部を間欠するように波形を補正する波形補正部とを有し、負荷状態監視部は第2波形発生部での駆動時にブラシレスDCモータの負荷状態を監視し、第1波形発生部での駆動が可能な低負荷状態であることを検出するので、第1波形発生部での駆動へ移行するタイミングを的確に得ることが出来、最適なタイミングで波形発生部を切り替えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明のモータの駆動装置において、第2波形発生部による駆動時に、前記負荷状態監視部が前記ブラシレスDCモータの負荷状態が第1波形発生部での駆動が可能であると検出した場合、前記切り替え判定部は前記ブラシレスDCモータを第1波形発生部での駆動に切り替えるようにしたものである。これによ
り第1波形発生部でブラシレスDCモータが駆動できる負荷状態のとき、前記第2波形発生部での駆動から前記第1波形発生部での駆動に移行するので、前記第1波形発生部での駆動が不可能な負荷状態での移行による脱調等を防止でき安定した駆動を実現できるとともに第1波形発生部により位置検出を基にしたPWMフィードバック制御で高効率駆動が可能となり、モータ駆動装置の信頼性および実用性を上げることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1および請求項2に記載の発明に、前記ブラシレスDCモータの駆動を前記第2波形発生部での駆動から第1波形発生部への駆動に移行する前後での通電角は150度以下としたものである。これにより第1波形発生部での駆動に移行した直後からブラシレスDCモータの誘起電圧検出による位置検出が確実に出来る様になり、波形発生部の切り替え時に過電流等の発生がなくスムーズな移行が可能となると共に、移行直後から安定した駆動が可能で、モータ駆動装置の信頼性及び実用性を向上することが出来る。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の発明に、前記ブラシレスDCモータを第2波形発生部での駆動から第1波形発生部での駆動に移行する際、第2波形発生部での駆動で150度をこえる通電角で駆動している場合、通電角を150度以下まで低下したのち第1波形発生部での駆動に移行するようにしたものである。これにより第2波形発生部で生成する波形の通電角を最大180度まで広げることが可能となり、ブラシレスDCモータをより高速、高トルクで駆動することが出来るとともに第1波形発生部への移行直前から確実な位置検出が可能なため、第1波形発生部への駆動へ安定且つスムーズな移行が実現でき、モータ駆動装置の信頼性および実用性を向上することができる。
請求項5に記載の発明は請求項1から請求項4に記載のモータ駆動装置は圧縮機を駆動するものである。圧縮機はその構成上イナーシャが比較的大きい負荷であるため、第2波形発生部による同期駆動でも非常に安定した駆動性能を確保できると共に、誘起電圧を検出するためにモータ印加電圧の一部あるいは全部を間欠したパターンでブラシレスDCモータを駆動した場合でも、駆動速度変動に対する影響は殆どないので、本発明のモータ駆動装置にとって非常に適した用途のひとつである。
請求項6に記載の発明は請求項5に記載の圧縮機をレシプロ型としたものである。レシプロ圧縮機はその構成上圧縮機内部で前記ブラシレスDCモータ4をバネ等で懸架されていることから、前記ブラシレスDCモータ4の駆動による振動や騒音が外部に漏れにくい構成となっている。従って本発明のモータ駆動装置ではモータ印加電圧の一部あるいは全部を間欠することで前記ブラシレスDCモータ4の駆動速度に若干の速度変動が発生しても、それに伴う振動や騒音を前記圧縮機4の内部で吸収できるため、振動および騒音が大きく増加することなく、従来同等の騒音および振動性能とすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のモータ駆動装置を、冷蔵庫の圧縮機の駆動に用いたものである。冷蔵庫の庫内温度が比較的高く急速に庫内を冷却する必要があるなどの高負荷状態では高負荷高効率駆動を行い、その後庫内が安定した冷却状態となり負荷が低くなったときは低速での高効率駆動へ、負荷状態により運転を切り替えることができるので、最適な駆動による冷蔵庫の消費電力の削減と、庫内温度変動の抑制による食品保鮮性能の向上が図れる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図である。
図1において、交流電源1からの入力電圧を整流平滑回路2で直流に変換しインバータ3に入力する。インバータ3は直流入力を3相交流電力に変換したうえでブラシレスDCモータ4に供給する。
位置検出部5はブラシレスDCモータ4の回転子が回転することにより、固定子に促された3相巻線に発生する誘起電圧を検出することで回転子の相対的な回転位置を検出するものである。
第1波形発生部6は、位置検出部5の位置検出信号をもとにインバータ3のスイッチ素子を駆動する信号を作り出す。この駆動する信号は矩形波通電を基本としており、通電角が120度以上150度以下の矩形波を作り出している。また、ここでは矩形波以外でもそれに準じる波形として立ち上がり/立ち下がりに若干の傾斜を持たせた台形波であってもよい。第1波形発生部6ではさらに回転数を一定に保つためにPWMデューティ制御も行い、回転位置に従って最適なデューティで運転させるので最も効率的な運転が可能となる。
回転数検出部7は、位置検出部5の出力信号からブラシレスDCモータ4の回転数を検出する。この回転数の検出は位置検出部5の出力信号を一定時間カウントすることや周期を測定することなどによって実現可能である。
周波数設定部8は、出力のデューティを一定にしたまま出力周波数のみを変化させる。
第2波形発生部9は、周波数設定部8の出力信号をもとにインバータ3のスイッチ素子を駆動する信号を作り出す。この駆動信号は通電角が130度以上180度未満の矩形波を作り出している。またここでは矩形波以外でも正弦波や歪波などのそれに準じる波形であってもよい。さらにPWMデューティは最大で運転しており、90〜100%の一定としている。
切替判定部10は、回転数検出部7で検出された回転数により低速/高速を判断するとともに、負荷状態監視部15からのブラシレスDCモータの負荷状態から、インバータ3を動作させる波形を第1波形発生部6か第2波形発生部9かを選択し切り替えるものである。具体的には回転数が低速の場合、第1波形発生部6からの信号を選択し、回転数が高速の場合、第2波形発生部9からの信号を選択してインバータ3を動作させ、さらに第2波形発生部9での駆動時は、負荷が第1波形発生部で駆動可能な状態に低下したときは、第1波形発生部を選択してインバータ3を駆動するようにしている。
ここで回転数が低速か高速かの判定は回転数検出部7からの実際の回転数としたが、設定回転数やデューティを判断してもよい。デューティは最大デューティ(一般的には100%)で位置検出でのPWMデューティ制御による回転数が最大となるため、この条件で信号を切り替えることも可能である。
ドライブ部11は、切替回路10からの出力信号により、インバータ3のスイッチ素子を駆動する。この駆動によりインバータ3から最適な交流出力がブラシレスDCモータ4に印加されるので回転子を回転させることができる。
波形補正部12は第2波形発生部9によって発生した波形を切替判定部10に出力するが、所定のタイミングでは波形の一部ないし全部を一定の期間だけ間欠した波形を出力する。位置信号判定部13は、第2波形発生部9による駆動時において位置検出部5から入力される信号が位置検出信号として信憑性あるものか否かを判断し、正確なブラシレスD
Cモータ4の位置情報が含まれる信号のみを取り出すものである。
位相差検出部14は、第2波形発生部9によって生成した波形の位相とブラシレスDCモータ4の誘起電圧位相との位相差を検出するものである。具体的には位置信号判定部13の出力である位置信号と、第2波形発生部9で生成した波形の出力タイミングの時間差から検出することができる。
負荷状態監視部15は、第2波形発生部での駆動において位相差検出部14で検出したモータ4の誘起電圧位相と第2波形発生部で生成した印加電圧との位相差から、負荷が所定の状態より小さいか大きいかを監視するものである。
圧縮要素16は、ブラシレスDCモータ4の回転子4aの軸に接続され、冷媒ガスを吸入し、圧縮して吐出する。このブラシレスDCモータ4と圧縮要素16とを同一の密閉容器に収納し、圧縮機17を構成する。圧縮機17で圧縮された吐出ガスは、凝縮器18、減圧器19、蒸発器20を通って圧縮機17の吸い込みに戻るような冷凍空調システムを構成し、凝縮器18では放熱、蒸発器20では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。尚、必要に応じて凝縮器18や蒸発器20に送風機などを使い、熱交換をさらに促進することもある。また本実施の形態では、冷凍システムは冷蔵庫21の庫内22を蒸発器20により冷却する構成としている。
図2は、本実施の形態1の圧縮機17の断面図を示している。図2において圧縮機17の密封容器23内にはオイル24を貯溜すると共にR600aの冷媒25が封入され、固定子4bと回転子4aからなるブラシレスDCモータ4およびこれによって駆動される圧縮要素16がスプリング等により弾性的に支持されており、ブラシレスDCモータ4の回転による振動が圧縮機外部に漏れにくい構成となっている。
圧縮要素16は回転子4aが固定された主軸部26および偏芯軸部27から構成されたクランクシャフト28の主軸部26を軸支するとともに圧縮室29を有するシリンダ30と、圧縮室29内で往復運動するピストン31と、偏芯軸部27とピストン31を連結する連結手段32を備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。従って、本実施の形態において第2波形発生部9での駆動の際、一定の期間波形の一部または全部を間欠した波形でブラシレスDCモータ4を駆動した場合でも、イナーシャが大きい圧縮機17では回転速度に及ぼす影響(例えば速度変化)は殆ど無いことに加え、レシプロ型圧縮機の特徴と密封構造から、速度変動による振動や騒音が発生しにくく、かつ騒音が圧縮機17の外部に漏れにくい構成となっている。
図3は本実施の形態1における低速時の駆動状態を示すタイミングチャートであり、ドライブ部11の信号とインバータ3の出力端子電圧状態を示している。尚、本タイミングチャートは通電角150度の矩形波とし、15度の進角状態での駆動を示している。
図3に示すようにこの状態においてはUVW各相の上下両方のスイッチがオフ状態のとき出力端子電圧に誘電電圧が現れる。たとえば同図に示すように、U相に関しては出力パターンが11および5のときU相の上下スイッチは共にオフとなり端子電圧に誘起電圧が現れている。位置検出部5はこの端子電圧から誘起電圧のゼロクロスポイントを位置信号として検出するために、端子電圧とインバータ入力電圧の1/2との大小関係が反転するポイント(即ち誘起電圧のゼロクロスポイント)をモニタする。そして検出したゼロクロスポイントをブラシレスDCモータ回転子の相対回転位置として基準に置き、この基準位置から次回の転流タイミングを決定する。本実施の形態1においては150度通電進角15度としているため、次回の転流は位置検出からゼロ秒後(即ち同時)であり、位置検出と同時に転流(出力パターンを11から0あるいは、5から6に切換え)を行っている。
尚、図3図ではU相端子電圧とU相による位置検出タイミングを示しているが、電気角1周期当たり各相2回の位置検出が行われるため、結局電気角1周期中に6回の位置検出信号が発生し、この位置信号検出の度に出力パターンを順次切り替えることで任意の周波数の交流電圧を生成してブラシレスDCモータ4に印加して駆動している。
また位置検出の信号を基に回転数検出部7は、ブラシレスDCモータ4の速度を検出するが、検出速度が目標速度より遅い場合、第1波形発生部6はブラシレスDCモータ4への印加電圧を上げるようにし、目標速度より速い場合はブラシレスDCモータ4への印加電圧を下げるようにPWMデューティ幅を制御して目標速度での安定駆動を実現している。
ここでブラシレスDCモータ4の負荷が大きく、PWMデューティが100%となっても、駆動速度が目標速度に到達しない状態では、これ以上電圧を印加することは出来ないため、さらなる高速駆動は不可能である。したがってこの時、切替判定部10は第2波形発生部9によりブラシレスDCモータ4を駆動するように切り替える。
第2波形発生部9での駆動は、最大デューティ(即ち100%)で通電角130度以上180度未満とした波形を、周波数設定部8により設定した周波数で同期駆動を行うため、駆動方法の切り替え時は、切り替え直前直後の転流周期(即ち駆動速度)と通電角を同じにして、位置信号と関係なく所定タイミングで転流を繰り返すことで、過電流等の電流の乱れや速度変動といった不具合を発生することなく容易に実現できる。
図4は本発明の実施の形態1における高速時の駆動状態を示すタイミングチャートである。図4では、第2波形発生部による駆動状態であり、ドライブ部11の信号とW相端子電圧の状態を示している。尚、本タイミングチャートは通電角150度の矩形波での駆動を示している。
第2波形発生部9による駆動では、ブラシレスDCモータ4の回転子位置とは関係なく周波数設定部8によって設定した任意の周波数で同期駆動しており、モータ誘起電圧と端子電圧との位相は、駆動速度と負荷状態に応じた適切な関係で平衡・安定している。このとき通常は転流に対して回転子が遅れてついて行く状態、即ち誘起電圧に対して端子電圧が進む状態となることから、ブラシレスDCモータ4の電流位相が進み、いわゆる弱め磁束での駆動状態になることで高速・高負荷駆動が可能となり、第1波形発生部によるセンサレス運転より高速高負荷性能を引き伸ばすことができる。一方でデューティ一定の同期駆動では、負荷および駆動速度に対して印加電圧が大きすぎる場合、回転子の回転に対しブレーキをかけながらの駆動状態となり、最終的にモータ誘起電圧位相より印加電圧および相電流が遅れ位相となり、モータ電流の増大によるモータ駆動装置の大幅な効率低下や、駆動不安定による脱調停止等が発生する可能性がある。
従って本発明では、同期駆動中は速度と負荷の状態によりモータ誘起電圧と端子電圧との位相関係が変化(負荷が大きいほど進角が増加し、印加電圧に対して負荷が小さいときは遅れ位相となる)することから、誘起電圧と印加電圧との位相差から負荷状態を検出し、負荷状態により波形発生部を切り替えることで、最適な駆動を行えるようにしている。
図4では通電角は150度であるため、誘起電圧のゼロクロス検出と転流のタイミングが一致する(即ちゼロクロス検出直後に転流を行う)ときの進角が15度となるが、図4では誘起電圧のゼロクロス検出より先に転流しており、15度以上の進角であることが判る。尚、図4において、W相の上下両スイッチ素子がオフのとき、端子電圧にブラシレスDCモータ4の誘起電圧が発生するが、誘起電圧のゼロクロスタイミングより前に転流するため、ゼロクロス付近のインバータ端子電圧は入力電位に張り付いた状態(上側スイッ
チング素子がオンのとき)となる。従ってこの様な駆動状態では、誘起電圧のゼロクロス等、誘起電圧位相の基準点を正確に検出することは難しく、誘起電圧と印加電圧との位相関係から負荷状態の検出も当然困難となる。
図5は本発明の実施の形態1における同期駆動時の位置検出を示すタイミングチャートであり、ドライブ部11の信号とインバータ3の出力端子電圧状態を示している。図5は150度通電での同期駆動を行っている状態でありV相およびW相の端子電圧状態を見ると誘起電圧のゼロクロスポイントより前に転流が行われていることから15度以上の進角状態であることが分かる。また誘起電圧ゼロクロスポイントは当該のスイッチ素子の通電によりインバータ3の入力電圧あるいはGNDレベルに埋もれてしまい検出不可能な状態となっている。
そこで本実施の形態1では、波形補正手段12によってU相上側の通電区間において誘起電圧のゼロクロスポイントの発生が期待される一定期間中は、当該のスイッチ素子を強制的にオフするよう第2波形発生部9の波形を補正する。これにより補正時の通電角は150度以下として誘起電圧のゼロクロスを確実に検出できるようにしている(本実施の形態1では出力パターン0ではU相上側のスイッチ素子をオンさせるタイミングであるが、強制的にオフ状態として、150度通電を120度としている)。これにより図5のU相端子電圧波形に示す様に、U相上側が転流する前(即ち出力パターン1に切り替わる前)に、誘起電圧ゼロクロスが現れ検出が可能となる。従ってこの期間において、第2波形発生部による同期駆動でも正確にブラシレスDCモータ4の回転子相対位置検出が可能となり、モータ誘起電圧位相と第2波形発生部で発生する印加電圧位相との位相差を正確に検出可能である。
ここで位置信号判定部13の動作について説明する。本実施の形態1においてブラシレスDCモータ4の回転子相対位置はインバータ入力電圧の1/2とインバータ出力端子電圧との大小比較により、その大小関係が反転するタイミングを位置情報として検出するが、図5のV相およびW相端子電圧において、インバータ端子電圧とインバータ入力電圧の1/2との大小関係の反転するポイントは明らかに誘起電圧ゼロクロスポイントからズレている(U相端子電圧においてインバータ端子電圧がインバータ入力電圧1/2より小さくなるポイントも同様)。従ってブラシレスDCモータ4の回転子相対位置を確実に検出するためには、位置検出部の出力信号を回転子の位置情報を含む信号のみを取り出す必要がある。
そこで本実施の形態1において位置信号判定部13は、位置検出部5の出力信号を取捨選択しブラシレスDCモータ4の位置情報を含む信号のみを取り出すようにしている。具体的には誘起電圧を取得するために強制的にスイッチング素子を停止する期間とその前の出力パタン時(本実施の形態では出力パターン11および0のとき)に得た信号のみを取り出し、位置信号として認識することで実現している。
次に前述のよう得た誘起電圧のゼロクロスポイントと第2波形発生部9で発生する印加電圧波形との位相関係について説明する。
図6は本発明の実施の形態1における負荷状態による位置検出タイミングの変化を示すタイミングチャートである。
図6において(A)と(B)は同一速度で駆動している場合の高負荷時(A)と、低負荷時(B)を示している。尚、本タイミングチャートは図5と同様に通電角は150度としており、出力パターン0において波形補正部12によって、第2波形発生部9での波形のU相上側スイッチ素子を強制的にOFFするように補正している。
図6(A)における高負荷状態では大きな進角状態で駆動が安定するため、位置検出タイミングは出力パターン11から0に切り替わるタイミング(即ち転流タイミング)より遅れて発生している。150度通電で進角15度のときは位置検出(即ち誘起電圧ゼロクロスタイミング)と同時に転流が行われるため、15度以上の進角で駆動していることが判る。また誘起電圧ゼロクロスポイントを位置信号とする場合で150度通電での最大進角は15度であるため、図6(A)に示す状態では第1波形発生部6での駆動は不可能である。従ってこの様な負荷状態では切替判定部10は第2波形発生部9による駆動を選択し高負荷・高速駆動を続ける。尚、前述のように第2波形発生部9による同期駆動では駆動速度と負荷状態により適切な進角状態で平衡するため負荷の増大にともない進角(転流から位置検出までのタイミング遅れ)が増加することになる。
一方図6(B)の低負荷状態では位置検出は出力パターンが11から0に切り替わる(即ち転流タイミング)と同時に位置検出タイミングが発生している。即ちこの状態は150度通電の進角15度の状態であるため、第1波形発生部6での駆動が可能な負荷状態である。図示していないが図6(B)の負荷状態から更に負荷が小さくなった場合は、位置検出信号の発生は出力パターンが11から0に切り替わるタイミングより早くなり、進角は15度より小さくなる。
このように、第2波形発生部9による同期駆動中では速度と負荷の状態によって進角が変化(負荷が大きいほど進角が増加)することから、印加電圧と誘起電圧の位相関係も負荷状態によって変化(負荷が大きいほど誘起電圧に対し印加電圧の位相が進む)するため、印加電圧位相と誘起電圧位相との位相関係を検出することで、負荷状態を知ることが出来る。
位相差検出部14は第2波形発生部9での駆動時に、転流タイミングと位置検出信号取得タイミングとの差から、印加電圧(相電流)位相とモータ誘起電圧位相との相対差を検出するものであり、このタイミング差が所定の差より大きい時は負荷が大きく、第1波形発生部での駆動は不可能として、切替判定部10に出力し、切替判定部10は第2波形発生部9を選択して駆動を続ける。また所定のタイミング差より小さい場合は、第1波形発生部6での駆動が可能として切り替え判定部10は第1波形発生部6での駆動を選択し、波形発生部を切り替えて、位置信号を基にしたPWMフィードバック制御による高効率駆動を行う。
尚、第2波形発生部9での駆動から第1波形発生部6での駆動への移行については、第2波形発生部9での駆動において検出した位置信号を基にして、第1波形発生部移行直後の転流タイミングを検出することで、転流タイミングズレ等による過電流停止や脱調停止等も発生することなくスムーズな移行が実現できる。
図7は本発明の実施の形態1での同期駆動時における波形発生部の選択を示すフローチャートである。図7においてまず、STEP101で位置検出部5から入力される信号を取得しSTEP102に進む。STEP102では、位置信号判定部13で、位置信号を正確に検出可能なタイミングであるか否か(即ち本発明の実施の形態では、図5における出力パターンが11または0か)を監視し、位置信号の検出が不可能なタイミングではSTEP111に進み、STEP101で取得した信号が正確な位置情報を含む信号でないとしてデータを破棄し、切替判定部10は第2波形発生部9を選択しての駆動を継続する。STEP102で位置信号を正確に検出可能なタイミングの場合STEP103に進み、位相差検出部14によって第2波形発生部9で生成した印加電圧とSTEP101で取得した位置信号とのタイミング差を検出し、STEP104に進む。尚、本実施の形態ではモータ誘起電圧と第2波形発生部9で生成した印加電圧との位相関係を簡単に検出する
ために、位置検出信号と転流(出力パターン11から0への転流)タイミングの差を検出するようにしている。
STEP104では負荷状態を判断するために、負荷状態監視部15はSTEP103で得たタイミング差と所定の値との大小関係を判断(本実施の形態では出力パターン11から0への転流タイミングに対し位置検出信号の発生が先か後かを判断するようにしているため、タイミング差が0より大きいか否かを判断)する。STEP104において所定値より大きい場合は、負荷が大きい状態と判断しSTEP121に進み、切替判定部10は第2波形発生部9を選択し高速高負荷駆動を続け、所定の値より小さい場合はSTEP105に進む。
STEP105では現在の通電角が150度より大きいか否かを判断し、150度以下の通電角の場合はSTEP106に進み第1波形発生部6を選択し、位置検出を基にしたPWMフィードバック制御を行うようにする。
STEP105において通電角が150度より大きい場合、STEP131に進み、切替判定部10は第2波形発生部9を選択しSTEP132で通電角を所定の角度(例えば1度)だけ減少させる。
このように負荷が軽い状態でも、通電角が150度より大きいときは第1波形発生部6を選択せずに第2波形発生部9を選択した上で、通電角を減らしていくことで、第1波形発生部6での駆動に移行した直後から位置検出が確実に行えるので、第1波形発生部6での駆動への移行をスムーズに行えるとともに、駆動安定性を確保できる。
さらに第1波形発生部6での駆動へ移行する際は通電角を150度以下まで減らすようにすることで、第2波形発生部9での駆動における通電角を最大180度まで広げることが可能となり、更なる高速高負荷駆動性能を伸長出来ることになり、さらに通電角の拡張により高負荷時の相電流ピークを抑制できるため、インバータ3のスイッチ素子の電流定格を下げることができ、装置の低コスト化と小型化にも貢献する。
以上の様に本発明の実施の形態においては、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータ4と、前記三相巻線に電力を供給するインバータ3と、インバータ3を駆動するドライブ部11と、ブラシレスDCモータ4の固定子の三相巻線に発生する誘起電圧を基に回転子の相対的な回転位置を検出し位置信号を出力する位置検出部5と、位置検出部からの出力信号を基にデューティ制御を行いながら矩形波または正弦波、或いはそれらに準じる波形を出力する第1波形発生部6と、デューティを一定として所定周波数のみを変化させる周波数設定部8と、矩形波または正弦波あるいはそれらに準じる波形を周波数設定部8で決められた所定周波数で出力する第2波形発生部9と、位置検出部5により検出したブラシレスDCモータ4の回転子相対位置と第2波形発生部9で発生した波形の位相との位相差を検出する位相差検出部14と、位相差検出部14で得た位相差からブラシレスDCモータ4の負荷状態を監視する負荷状態監視部15と、ブラシレスDCモータ4の駆動回転数を負荷状態によって第1波形発生部6でインバータ3を駆動するか、あるいは第2波形発生部9でインバータを駆動するかを選択して波形発生部を切り替える切替判定部10と、所定のタイミングで第2波形発生部において発生した波形の一部あるいは全部を間欠するように波形を補正する波形補正部とを有し、負荷状態監視部は第2波形発生部での駆動時にブラシレスDCモータの負荷状態を監視し、第1波形発生部での駆動が可能な低負荷状態であることを検出するので、第1波形発生部での駆動へ移行するタイミングを的確に得ることが出来、最適なタイミングで波形発生部を切り替えることができる。
また、第2波形発生部9による駆動時に、負荷状態監視部15が、ブラシレスDCモータ4の負荷状態が第1波形発生部6での駆動が可能であると検出した時、切替判定部10はブラシレスDCモータ4を第1波形発生部6での駆動に切り替えるようにしたものである。これにより第1波形発生部6でブラシレスDCモータ4が駆動できる負荷状態のとき、第2波形発生部9での駆動から第1波形発生部6での駆動に移行するので、第1波形発生部6での駆動が不可能な負荷状態での移行による脱調等を防止でき、安定した駆動が実現可能であるとともに、第1波形発生部6により位置検出を基にしたPWMフィードバック制御で高効率駆動ができ、モータ駆動装置の信頼性および実用性を上げることができる。
また、ブラシレスDCモータの駆動を第2波形発生部での駆動から第1波形発生部への駆動に移行する前後での通電角は150度以下とすることで、第1波形発生部での駆動に移行した直後からブラシレスDCモータの誘起電圧検出による位置検出が確実に出来る様になり、波形発生部の切り替え時に過電流等の発生がなくスムーズな移行が可能となると共に、移行直後から安定した駆動が可能で、モータ駆動装置の信頼性および実用性を向上することが出来る。
また、ブラシレスDCモータを第2波形発生部での駆動から第1波形発生部での駆動に移行する際、第2波形発生部での駆動で150度をこえる通電角で駆動している場合、通電角を150度以下まで低下したのち第1波形発生部での駆動に移行するようにしたので、第2波形発生部で生成する波形の通電角を最大180度まで広げることが可能となり、ブラシレスDCモータをより高速、高トルクで駆動することが出来るとともに、第1波形発生部6への移行直前から確実な位置検出が可能なため、第1波形発生部への駆動に安定且つスムーズな移行が実現できモータ駆動装置の信頼性及び実用性を向上できる。
また本実施の形態のモータ駆動装置で圧縮機を駆動した場合、圧縮機はその構成上イナーシャが比較的大きい負荷であるため、第2波形発生部による同期駆動でも非常に安定した駆動性能を確保できる。また、誘起電圧を検出するためにモータ印加電圧の一部あるいは全部を間欠したパターンでブラシレスDCモータを駆動した場合でも、駆動速度変動に対する影響は殆どないので、本発明のモータ駆動装置にとって圧縮機の駆動は非常に適した用途のひとつである。
また本実施の形態では圧縮機をレシプロ型とすることは、その構成上から圧縮機内部でブラシレスDCモータ4をバネ等で懸架されているので、ブラシレスDCモータ4の駆動による振動や騒音が外部に漏れにくい。従って、モータ印加電圧の一部あるいは全部を間欠することでブラシレスDCモータ4の駆動速度に若干の速度変動が発生しても、それに伴う振動や騒音を圧縮機4の内部で吸収できるため、振動および騒音が大きく増加することなく、従来の圧縮機と遜色のない騒音および振動性能を確保することができる。
また本実施の形態では本発明のモータ駆動装置を冷蔵庫の圧縮機の駆動に用いたことで、急速に庫内を冷却する必要があるなどの高負荷状態では高負荷高効率駆動を行い、その後庫内が安定した冷却状態となり負荷が低くなったときは低速での高効率駆動へ、負荷状態により的確に運転を切り替えることができるので、最適な圧縮機駆動による冷蔵庫の消費電力の削減が可能となると共に、庫内温度変動の抑制による食品保鮮性能の向上が図れる。
本発明のブラシレスDCモータの駆動装置は、低速においては高効率・低騒音な運転を実現するとともに、高速においては負荷に応じた電流進角による弱め磁束で高負荷高速駆動も可能となるので、特に冷蔵庫やエアコンなどの圧縮機を駆動する用途や、速度範囲や
負荷範囲が広い扇風機等のファンや掃除機に適している。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 本実施の形態1の圧縮機の断面図 本実施の形態1における低速時の駆動状態を示すタイミングチャート 本実施の形態1における高速時の駆動状態を示すタイミングチャート 本実施の形態1における同期駆動時の位置検出を示すタイミングチャート 本実施の形態1における負荷状態による位置検出タイミングの変化を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態1における同期駆動時の波形発生部選択を示すフローチャート 従来のモータ駆動装置のブロック図
3 インバータ
4 ブラシレスDCモータ
5 位置検出部
7 第1波形発生部
8 周波数設定部
9 第2波形発生部
10 切替判定部
11 ドライブ部
12 波形補正部
14 位相差検出部
15 負荷状態監視部
16 圧縮機
21 冷蔵庫

Claims (7)

  1. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に電力を供給するインバータと、前記インバータを駆動するドライブ部と、前記ブラシレスDCモータの前記固定子の三相巻線に発生する誘起電圧を基に前記回転子の相対的な回転位置を検出し位置信号を出力する位置検出部と、前記位置検出部からの出力信号を基にデューティ制御を行いながら矩形波または正弦波、或いはそれらに準じる波形を出力する第1波形発生部と、デューティを一定として所定周波数のみを変化させる周波数設定部と、矩形波または正弦波あるいはそれらに準じる波形を前記周波数設定部で決められた所定周波数で出力する第2波形発生部と、前記位置検出部により検出した前記ブラシレスDCモータの回転子相対位置と前記第2波形発生部で発生した波形の位相との位相差を検出する位相差検出部と、前記位相差検出部で得た位相差からブラシレスDCモータの負荷状態を監視する負荷状態監視部と、前記ブラシレスDCモータの駆動回転数と負荷状態から前記第1波形発生部によって前記インバータを駆動するか、前記第2波形発生部によって前記インバータを駆動するか選択して波形発生部を切り替える切替判定部と、所定のタイミングで第2波形発生部において発生した波形の一部あるいは全部を間欠するように波形を補正する波形補正部とを有し、負荷状態監視部は第2波形発生部での駆動時にブラシレスDCモータの負荷状態を監視し、第1波形発生部での駆動が可能な負荷状態であることを検出するモータ駆動装置。
  2. 前記負荷状態監視部で前記ブラシレスDCモータの負荷状態が第1波形発生部での駆動が可能であると検出した場合、前記切り替え判定部は前記ブラシレスDCモータを第1波形発生部での駆動に切り替える請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記ブラシレスDCモータの駆動を前記第2波形発生部での駆動から第1波形発生部への駆動に移行する前後での通電角は150度以下とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記ブラシレスDCモータを第2波形発生部での駆動から第1波形発生部での駆動に移行する際、第2波形発生部での駆動において150度をこえる通電角で駆動している場合、通電角を150度以下まで低下したのち第1波形発生部での駆動に移行する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータモータ駆動装置。
  5. 前記ブラシレスモータは圧縮機を駆動する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記圧縮機はレシプロ構成である請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載のモータ駆動装置を圧縮機の駆動に用いた冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2565271A (en) * 2017-07-25 2019-02-13 Quepal Ltd A motor controller

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