JP2009506869A - 修飾ポリイミン由来一酸化窒素放出ポリマー - Google Patents

修飾ポリイミン由来一酸化窒素放出ポリマー Download PDF

Info

Publication number
JP2009506869A
JP2009506869A JP2008530056A JP2008530056A JP2009506869A JP 2009506869 A JP2009506869 A JP 2009506869A JP 2008530056 A JP2008530056 A JP 2008530056A JP 2008530056 A JP2008530056 A JP 2008530056A JP 2009506869 A JP2009506869 A JP 2009506869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
biocompatible
medical device
stent
nitric oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2008530056A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009506869A5 (ja
Inventor
ミンフェイ チェン
ペイウェン チェン
キショア ウディピ
Original Assignee
メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド filed Critical メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド
Publication of JP2009506869A publication Critical patent/JP2009506869A/ja
Publication of JP2009506869A5 publication Critical patent/JP2009506869A5/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/14Materials characterised by their function or physical properties, e.g. injectable or lubricating compositions, shape-memory materials, surface modified materials
    • A61L31/16Biologically active materials, e.g. therapeutic substances
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/74Synthetic polymeric materials
    • A61K31/785Polymers containing nitrogen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/50Materials characterised by their function or physical properties, e.g. injectable or lubricating compositions, shape-memory materials, surface modified materials
    • A61L27/54Biologically active materials, e.g. therapeutic substances

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

移植可能な医療機器及びコーティングとして適している修飾ポリイミン及びその誘導体を提供する。具体的には、移植可能な医療機器及び/又は修飾ポリイミン由来の両親媒性ポリマーを含むコーティングである。本発明の医療機器及びコーティングはin situにおける一酸化窒素の放出/放出制御薬物送達にも使用することが出来、及び再狭窄、動脈瘤、不安定プラークのような症状の治療又は予防に有益である。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は医療機器及びコーティングに適したポリマーに関する。前記ポリマーは修飾ポリイミンを基礎とする両親媒性、生体適合性ポリマーを含む。さらに特定すると、本発明は一酸化窒素‐放出、生体適合性、有機溶媒可溶性ポリマーを含むコーティングを有する医療機器に関する。
(背景技術)
一酸化窒素(NO)は細胞の生理機能において多様で、複雑な役割を担う、単一の2原子分子である。25年ほど前までは、NOは本来化石燃料を空気と混合して燃焼する間に形成されるスモッグの成分と認識されていた。しかしながら、Ferid Murad らの先駆的な仕事によりNOは強力なシグナル化合物であり、血管内皮細胞、神経細胞、及びマクロファージを含む、ほぼ全組織に見られる細胞毒性/細胞***停止剤であることが見出された。哺乳類の細胞はL-アルギニンを酸化してN-ω-ヒドロキシ-L-アルギニンを得、続いて産生物をL-シトルリン及び無電荷のNOフリーラジカルに変換するという2段階の酵素プロセスを用いてNOを合成する。3つの異なる一酸化窒素合成酵素がNOの産生を制御する。神経型一酸化窒素合成酵素(NOSl又はnNOS)は神経組織中に形成し、神経伝達に重要な役割を果たす。内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS3又はeNOS)は内皮細胞により分泌され、血管拡張を誘導する。誘導型一酸化窒素合成酵素は主にマクロファージ、肝実質細胞、軟骨細胞に見出され、免疫性の細胞傷害性と関連する。
nNOS及びeNOSは構成型酵素であり、少量のNOを急速に、短期間で放出する。これらの微少量のNOはグアニルシクラーゼを活性化し、環状グアノシン一リン酸(cGMP)の濃度を上昇させ、次々と細胞内のCa+2レベルを上昇させる。細胞内Ca+2の濃度の上昇の結果、平滑筋の弛緩がおこり、それがNOの血管拡張効果の理由となる。誘導型NOSは持続的な大量のNO放出の要因であり、及び細胞外因子により活性化されエンドトキシン類及びサイトカイン類を誘導する。これらのより高いNOレベルは細胞性免疫において重要な役割を果たす。
医学研究により、血管外科及びインターベンショナル・カーディオロジー(interventional cardiology)等の分野においてNOの治療への応用方法が急速に見出されている。経皮的冠動脈形成術(PTCA)(バルーン血管形成術としても知られている)及び粥腫切除及び/又はステント配置のような遮断された動脈を開通する為の処置の結果、バルーンの拡張又はステントの配置部位において血管壁が傷害を受ける。この障害に反応して、再狭窄として知られる複雑な多因子性の工程により、以前は広がっていた血管内腔が狭まり、再閉塞する。再狭窄は血小板が障害部位へ遊走し、***促進分子を障害を受けた内皮中に放出することにより始まる。血小板は凝集を始め、障害部位に接着し、血栓形成又は血餅の形成を惹起する。その結果、以前は開いていた内皮が血小板及びフィブリンが血管壁に集まることにより狭くなる。より頻繁に起こる再狭窄のメカニズムにおいて、血管壁に接着する活性化された血小板より分泌された***促進因子が、治癒過程において血管平滑筋細胞の過剰増殖を誘導し、障害を受けた血管内皮を拘束し又は閉塞させる。その結果として起こる新生内膜肥厚がステント再狭窄の主な原因である。
最近、NOが血小板の凝集及び接着を有意に減少させることが示され、このこととNOの直接的な細胞毒性/細胞***停止特性とが協同して、有意に血管平滑筋細胞の増殖を減少させ、再狭窄を防ぐ助けとなりうる。血小板の凝集は最初の血管障害後数分以内に始まり、一度再狭窄へのカスケードが始まると、回復不能な障害が起こりうる。さらに、血栓形成及び再狭窄の危険性は、血管内腔の内皮ライニング(lining)が治癒するまで続く。従って、NO又は任意の抗再狭窄剤が、障害部位に速やかに到達することが重要である。
治療域濃度のNOを障害部位に供給するひとつのアプローチは全身のNO濃度を予防的に増加させることである。これは内因性NO生産を刺激し、又は外因性のNO源を用いることにより実現できる。内因性NOの放出の制御方法は主に、L-アルギニンのような過剰量のNO前駆体を用いて又は遺伝子治療により一酸化窒素合成酵素(NOS)の発現を増加させることで合成経路を活性化することに焦点が置かれて来た。米国特許番号(USPN)第5,945,452、5,891,459及び5,428,070にはL-アルギニン及び/又はL-リジンの経口投与により持続的なNO濃度の上昇が認められることが記載されている。しかしながら、これらの方法は再狭窄の予防に効果的であるとは証明されていない。遺伝子治療技術により内因性NOの発現制御はまだ実験段階であり、安全及び有用性は証明されていない。米国特許第5,268,465、5,468,630及び5,658,565には多様な遺伝子治療によるアプローチが記載されている。
NOガスのような外因性NO源は毒性が高く、体液中において短命で体液に比較的溶けにくい。従って、全身性の外因性NO供給は一般的にニトログリセリンの錠剤、静脈内投与用懸濁液、スプレー剤及び経皮吸収型パッチ剤のような剤形の有機硝酸塩プロドラッグを用いて行う。人の体内でニトログリセリンは速やかにNOに変換されるが、プロドラッグを活性化するのに必要な酵素濃度及び補助因子はすぐに枯渇し、結果として薬剤耐性が起きる。さらに全身性NO投与は高血圧及びフリーラジカルによる細胞障害など、重篤な副作用をもたらす。従って、有機硝酸塩プロドラッグを用いて全身性の抗再狭窄効果を有する治療域の血中濃度を維持するのは現段階では不可能である。
従って、全身性の予防的投与に伴う不利益を改善するための、局所的又は部位特異的なNO送達が少なからず注目されてきた。移植可能な医療機器及び/又はNO放出化合物でコーティングした医療機器又はNOS遺伝子を標的細胞に運ぶ為のベクターを含む局所的な遺伝子治療技術が評価されてきた。全身性の技術と同様、局所NO送達の為の遺伝子治療技術の安全性と有効性は証明されていない。部位特異的NOS遺伝子送達が現実のものとなる以前に乗り越えなければならない重要な技術的障壁及び安全性の懸念が今なお存在する。
しかしながら、局所的な外因性NO適用の分野において目覚しい進歩が遂げられた。再狭窄の予防に効果を示すためには、NOのような阻害治療薬を治療域の濃度で持続的に投与しなければならない。その結果、再狭窄の治療に使用するいかなるNO-放出医療機器も、移植に適していなければならない。理想的な候補となる装置は血管ステントである。従って、治療有効量のNOを正確な位置に安全に供給するステントは再狭窄治療及び予防において非常に優位であろう。
in vivoの適用に適している一酸化窒素-放出化合物は多くの研究者によって開発されてきた。1960年代の初期、一酸化窒素ガスがアミンと反応し、以下の一般式で表されるNO-放出アニオンを形成することが示された:R--R'N--N(O)NO(式中R及びR'はエチルである)。これらの化合物の塩は自発的に分解し、NOを溶液中に放出することができる。(R. S. Drago et al., J. Am. Chem. Soc. 1960, 82:96-98)
Keeferらはついに、米国特許番号第4,954,526, 5,039,705, 5,155,137, 5,212,204, 5,250,550, 5,366,997, 5,405,919, 5,525,357及び5,650,447及びJ. A. Hrabie et al., J. Org. Chem. 1993, 58:1472-1476(文献中のすべての記載を本明細書の参考文献として組み込む)に記載されているような、体温で十分な安定性を有するため治療薬として有用である一酸化窒素放出化合物を開発した。
簡単に言えば、Hrabieらは一般式RN[N(O)NO-(CH2)xNH2 +R'で表されるNO-放出分子内塩類(双性イオン)について記載している。
従って、記載された[N(O)NO]--(以降NONOと略す)を含む化合物は、予測可能で、容易に定量でき、及び制御可能な一次反応を介してNOを放出する(図2参照)。これは米国特許番号第5,380,758、5,574,068及び5,583,101に記載されているS-ニトロソチオール系化合物のような他のNO放出化合物と著しく異なる。安定なNO放出化合物は、アミン含有ポリマーに結合している。米国特許第5,405,919("いわゆる'919特許")にはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びポリビニリデンのようなポリオレフィン及びポリエチレンイミン、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリウレタン類のようなNO放出基と結合する生物学的に許容可能なポリマーが記載されている。これらのポリマーで構成された血管ステントなどの医療機器はNOの部位特異的な送達のための潜在的手段を表す。
しかしながら、'919特許に開示されている高い生体適合性及び親水性のポリエチレンイミンは水溶性で、従って医療機器のコーティングとしての使用に適しておらず、ポリエチレンイミンはその高い生体適合性にもかかわらず、移植可能な医療機器に使用することもできない。
従って、生体環境下の使用に適した修飾ポリイミンを基礎とするNO放出ポリマーの必要性が存続している。
(発明の概要)
いくつかの最も多用途な生体適合性ポリマーはポリイミンから誘導される。本発明の一つの実施態様において、ポリイミンはポリ(アルキルイミン)であり、特に式Iに示す基礎となるモノマー、繰り返し単位を有するポリエチレンイミンである。
Figure 2009506869
式I
ポリエチレンイミンは親水性で水溶性であり、従ってポリエチレンイミン類(他のポリ(アルキルイミン類)と同様)は水環境下で安定ではなく、全般的に高い生体適合性にかかわらず移植可能な医療機器への利用には適していない。しかしながら、ポリイミンにはジアゼニウムジオレート化(NONOate基を伴うような求核試薬(例えばアミン)を提供する工程)の優れた求核中心を提供する第二級アミンが豊富である。従って、本発明の目的はポリ(アルキルイミン類)を、求核中心が残っているが両親媒性を示し、それによって生体環境下で安定であるように修飾することである。さらに、本発明の両親媒性修飾ポリ(アルキルイミン類)は生体適合性であり、血行力学的環境での使用に適している。さらに本発明の両親媒性修飾ポリ(アルキルイミン類)はジアゼニウムジオレート化することができ、in situにおける一酸化窒素供与体として役立つ。
本発明の一つの実施態様において、ポリ(アルキルアミン)はアルキル無水物と反応し両親媒性だが水に溶けないポリマーを形成する。得られた修飾ポリ(アルキルアミン)は次に、例えば血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置(ocular devices)、心臓弁、シャント(shunts)、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー(bone screws and anchors)、保護板、および人工関節であって機能的、美容的なものの両方からなるような(しかしこれらに制限されるものではない)一群から選択される医療機器をコーティングするのに使用される。コーティングされた医療機器はジアゼニウムジオレート化され、in situの一酸化窒素(NO)送達に使用される。
本発明の一つの実施態様において、医療機器は血管ステントである。血管ステントは冠動脈の狭窄などの血管閉塞の治療に使用される。血管ステントはNOが直接的に治療部位において治療に又は狭窄を阻害するのに十分な量放出されるように、NO放出修飾ポリエチレンイミンと共に提供される。
(用語の定義)
発明について記載する前に、以下に本明細書で使用される特定の用語の理解を提供するのは有益であるだろう。
両親媒性: 本明細書において、“両親媒性”は、極性で水溶性の基が、非水溶性炭化水素鎖に結合している分子を有する化合物を含む。
生理活性物質: 本明細書において、“生理活性物質”とは、抗増殖性化合物、細胞***停止化合物、毒性化合物、抗炎症化合物、麻酔薬、プロテアーゼ阻害剤、スタチン類、核酸類、抗生物質類、ポリペプチド、及び組換え微生物、リポソーム、を含む運搬ベクター、等(以下の薬物参照)を含む。生理活性物質という用語は1より多い生理活性物質も含む。
生体適合性:本明細書において、“生体適合性”は動物の組織に密接に接触するように配置したときに、動物において傷害又は死を起こさない又は動物において拒絶反応を起こさない任意の材料を意味する。副作用には、炎症、感染症、繊維組織の形成、細胞死、血栓症が含まれる。
調節性放出:本明細書において、“調節性放出”は医療機器の表面から予定される速さで生理活性化合物が放出されることをいう。調節性放出は医療機器の表面から生理活性物質が予定しない様式で散発的に放出されることなく、特に意図せずに、生体環境下において機器から、“バースト(burst)”して来ないことを意味する(ここでは1次反応速度式にも言及する。図2参照)。しかしながら、本明細書で使用される“調節性放出”という語は配置に伴う“バースト現象”を排除するものではない。本発明のいくつかの実施態様において、薬剤が最初にバーストし、その後よりゆるやかに放出することは望ましい。放出速度は定常状態(一般的に“徐放性”または0次反応(図3参照)という)にあり、薬剤は(最初のバーストが有っても無くても)予定された時間を超えて放出されても良く、又はグラジエント放出(gradient release)であっても良い。グラジエント放出は装置の表面から放出される薬物濃度が時間により変化することを意味する。
遅延性放出:本明細書において“遅延性放出”とは、ある期間後、又は事象又は一連の事象の後の生理活性物質(類)の放出をいう。
薬物(類): 本明細書において、“薬物”は動物において治療効果を有するいずれかの生理活性物質を含む。典型的で、非制限的な例には増殖抑制剤が含まれ、前記増殖抑制剤には、ゾタロリムスのようなFKBP12結合化合物を含むマクロライド抗生物、エストロゲンなどのシャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白質チロシンキナーゼ抑制剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ配位子(PPARと#61543)、ハイポセマイシン(hypothemycin)、一酸化窒素、ビスホスホネート、上皮増殖因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド及び形質転換核酸を含むが、これらに限定されない。
有機溶媒: 本明細書において、“有機溶媒”は、固体、液体、又はガス状の溶質を溶解する液体であって、結果として溶液となるものをいう。有機溶媒という用語は、有機化合物であり、炭素原子を含む多くの溶媒をいう。溶媒は通常低い沸点を有し、容易に蒸発し、または蒸留により除去することができ、それによって溶解した物質をあとに残す。
可溶性:本明細書において、“可溶性”は液体に溶解できる又はあたかも溶解できたようであることをいう。液体は、水又はクロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)等のような有機溶媒を含む任意の液体であっても良いが、これらに限定されるものではない。
水溶性:本明細書において、“水溶性”とは水に溶解することができることをいう。
(発明の詳細な説明)
本発明の実施態様はコーティングを施した医療機器に関し、前記コーティングは修飾ポリイミンを基礎とする両親媒性、生体適合性ポリマーである。さらに特定すると、本発明はコーティングを施した医療機器に関し、前記コーティングは、NO放出、生体適合性、有機溶媒可溶性の、水性(生理的)環境下で安定なポリマーを含む。本発明の他の態様はコーティングを施した医療機器の製造方法に関し、前記コーティングは両親媒性で、生体適合性の、修飾ポリイミンを基礎としたポリマーである。
従来のポリイミンは水溶性であり、生体環境下で使用する医療機器のコーティングとして直接使用することはできなかった。従って、本発明のポリイミンはアルキル無水物と反応させることにより修飾した。その結果両親媒性となり、水には溶けず、ジアゼニウムジオレート化に適した第二級アミン(求核試薬)を有するポリマーが得られた。このポリマーは本発明のコーティングされた医療機器を生産する為に、医療機器(類)の少なくとも一部に適用される。
本明細書で開示されている医療機器及びコーティングは、好ましくは少なくとも重量で約30%より多く、より好ましくは重量で少なくとも約50%より多く、及び最も好ましくは重量で少なくとも約80%が、修飾、NO-放出ポリイミンの誘導体を基礎とする両親媒性、生体適合性ポリマーのコーティングで構成されており、、そのため血小板凝集、凝固、血管平滑筋細胞の増殖の阻害に有用であると考えられる。さらに、NOはまた効果的な抗炎症化合物であり、プロヒーリング(治療促進)特性について実証されている。もちろん、本発明のポリマーは独立して又は従来のポリマーと組み合わせて医療機器及び/又は医療機器のコーティングに組み込まれても良い。
従って本発明は医療機器の生体適合性を高め、及び/又は治療部位へのin situ薬物送達を供給する少なくとも2つの方法を提供する。本発明の一つの実施態様において、本発明に従って製造した生体適合性、両親媒性ポリイミンを基礎とするポリマーは移植可能な医療機器のコーティングを提供する為に使用され、前記コーティングは生理活性物質を含んでもよいし、又は含まなくてもよい。他の実施態様において、本発明に従って製造した生体適合性、両親媒性、ポリイミンを基礎としたポリマーを使用して医療機器全体を製造する。
本発明に従って製造した移植可能な医療機器には、血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置(ocular devices)、心臓弁、シャント(shunts)、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー(bone screws and anchors)、保護板、および人工関節であって機能的、美容的なものの両方からなるような機器を含むがこれらに限定されるものではない。移植可能な医療機器は本発明の生体適合性ポリマーで構成され、又は本発明のポリマーでコーティングされてもよい。さらに、本発明のある実施態様においては、移植可能な医療機器の全体を本発明の生体適合性ポリマーで製造しても良く、及び本発明に従って製造した少なくとも1種のポリマーで付加的にコーティングしても良い。
本発明のコーティングで構成される又は組み込まれる医療機器を用いて無数の症状を治療及び予防することができるが、本発明者は血管ステント及びステントグラフトを本発明を限定しない実施可能な例として選択した。従って、ステント類、ステントコーティング類及びコーティングされた又はコーティングされていないステント類を使用する方法、を以下詳細に記載する。
血管ステントは医療機器コーティング分野の科学者にとりわけ独特な難題をもたらした。血管ステント類(以降、「ステント類」という)は屈曲性で、拡張可能で、生体適合性及び生理学的に安定でなければならない。ステントは一以上の冠状動脈が閉塞することにより起こる冠状動脈疾患に関する症状を軽減するために使用される。冠状動脈が閉塞した結果、心筋への血流が消滅し、虚血誘導性狭心症を引き起こし、重症の場合は、心筋の梗塞及び死が起こる。ステントは一般的にカテーテルの遠位末端の、膨らませることができるバルーンに結合したステントを有するカテーテルを使用して配置される。カテーテルを動脈内に挿入し、配置部位に誘導する。多くの場合、カテーテルを足の大腿動脈又は頚動脈に挿入し、ステントは冠状動脈の脈管構造内深く、閉塞部位に配置される。
コーティングされた薬剤溶出血管ステントの別の適用例として、脆弱性プラークの安定化がある。脆弱性プラークはアテローム性粥状物(gruel)からなる液体状の核で覆われた薄い繊維状のキャップからなる。成熟アテローム性プラークの正確な構成は相当変化し、アテローム性プラークの構成に影響を与える因子についてはあまり良く理解されていない。しかしながら、多くのアテローム硬化性プラークに伴う繊維性のキャップは平滑筋細胞の結合組織マトリックス、I又はIII型コラーゲン及び上皮細胞の単層から形成される。アテローム性粥状物は、内皮下層の細胞外スペースに捕捉された血液由来のリポプロテイン及び循環血液から除去した低密度リポプロテイン(LDL)で満たされた組織マクロファージが崩壊したものから成る(G. Pasterkamp and E. Falk. 2000. Atherosclerotic Plaque Rupture: An Overview. J. Clin. Basic Cardiol. 3:81-86)。繊維状キャップ物質の、アテローム性粥状物に対する比率により、プラークの安定性及び型が決定される。アテローム性プラークが不安定さから、破裂しやすい場合、”脆弱性”プラークと呼ぶ。アテローム性粥が血流に放出され、広範囲の血栓形成反応が起こり、冠動脈疾患による突然死を引き起こす。最近、脆弱性プラークはプラークにステントを配置することにより安定化することができると想定されている。さらに、メタロプロテイナーゼ阻害剤が中に分散しているマトリックスから成る、又は(及び)ポリマーでコーティングした薬物放出コーティングを備えた血管ステントはプラークをより安定化することができ、最終的に完治に導くことができる。
動脈瘤の治療はコーティングされた薬剤溶出ステントの他の適用例である。動脈瘤は通常、アテローム性動脈硬化が原因となる血管の膨張又は拡張である。動脈瘤は腹部大動脈において最も頻繁に発生する。毎年少なくとも15,000人のアメリカ人が腹部大動脈瘤の破裂により死亡する。背中と腹部の痛みは共に腹部動脈瘤の症候であり、動脈瘤の破裂直前まで現れないことがしばしばあり、この症状は通常致命的である。ステント移植は、近年一般的な侵襲的外科手術の代替法として登場した。血管グラフトは動脈瘤の部位の動脈内に配置され、血液と弱った動脈壁の間の障壁として働き、従って動脈への圧力を減少させるステント(ステントグラフト)を含む。動脈瘤へのステント移植という低侵襲的方法は従来の動脈瘤治療に見られた罹病率を減少させる。さらに多数の合併症を有する為に従来の動脈瘤治療に高いリスクがある患者はステント移植の候補となる。ステント移植はまた外相が原因となって動脈に障害を引き起こす、急性鈍的胸部大動脈損傷に関する症状の新しい治療法として登場した。
治療部位の位置が定まったら、ステント又はグラフトを配置する。一般に、ステントは、バルーン・カテーテルを用いて配置する。バルーンは、動脈内管に対してゆっくり圧をかけながらステントを拡張させ、血管閉塞をクリアし、動脈瘤を安定化させる。その後カテーテルを取り除き、ステントはその場所に永久に残す。大多数の患者は適切な回復期間の後平常の生活に戻り、ステント術を施した閉塞に伴う冠動脈の再狭窄を起こさない。しかしながら、病気の過程それ自体により又はステントの配置により動脈壁の内膜が傷害を受ける場合も有る。この傷害は複雑な生体反応を開始させ、その結果血管平滑筋細胞過剰増殖及び閉塞又はステント部位の再狭窄を起こす。
近年、再狭窄の予防に多大な努力が向けられてきた。近接照射療法、エキシマーレーザー及び薬品作用学的技術を含むいくつかの技術が開発された。最小限の侵襲及び最も確実な治療様式は薬品作用学的アプローチである。好ましい薬品作用学的アプローチには細胞***停止又は細胞毒性剤を直接ステント配置領域に送達する、部位特異的送達が含まれる。第一に、多くの細胞***停止及び細胞毒性剤は非常に毒性が高く、再狭窄を防止するのに必要な濃度で全身投与することができない。さらに薬物の全身投与は治療部位と離れた部位における意図しない副作用を有しうる。そのうえ、多くの薬物は十分に可溶性ではなく、又はあまりにも早く血流から消失してしまい、効果的に再狭窄を防止できない。従って、抗再狭窄化合物は直接治療領域に投与することが好ましい。
ウィーピング・バルーン・カテーテル(weeping balloon catheters)及びインジェクションカテーテルのような抗再狭窄化合物を配置する為のいくつかの技術及び対応する装置が開発されてきた。ウィーピング・バルーン・カテーテルはカテーテルの遠位末端に近い膨らませることができる部分にある微細孔を通じて抗再狭窄化合物を加圧下ゆっくり投与する為に使用される。膨らませることができる部分はステント又は分離部分を配置するために使用していたのと同じで有りうる。インジェクションカテーテルは加圧液体ジェットを噴出することにより又は1又はそれ以上の針様の付属肢を用いて直接動脈壁に穴を開け、抗再狭窄化合物を投与する。近年、動脈の外膜に薬物を注射するために、ニードルカテーテルが開発された。しかしながら、再狭窄を防ぐ為のウィーピングカテーテル及びインジェクションカテーテルを用いた抗再狭窄組成物の投与はまだ実験的であり、多くは失敗している。抗再狭窄組成物の直接投与はいくつか不利益を有する。抗再狭窄組成物が動脈内管にウィーピングカテーテルを用いて直接投与される場合、血流が急速に抗再狭窄組成物を下流及び治療部位から離れた場所に洗い流してしまう。内管壁又外膜に投与された抗再狭窄組成物は速やかに周囲の組織に拡散する。従って、抗再狭窄組成物は再狭窄を予防するのに十分な濃度で治療領域に存在しない。カテーテルを用いた局所薬物送達に伴うこれら及び他の不利益の結果、研究者たちは抗再狭窄化合物の送達の改良方法を求め続けている。
今日までに開発されてきた、局在化抗再狭窄組成物送達の最も成功した方法は薬物溶出ステントである。多くの薬物溶出ステントの態様が開発され、試験されてきた。しかしながら、安全で高度に効果的な薬物送達を提供する為には目覚しい進歩が今なお必要である。ステントを基礎とした抗再狭窄組成物送達の主な難問の一つは薬物送達の速度の調節である。一般的に、薬物送達速度は2つの1次反応的(primary kinetic)特性を有する。投与の直後に血流又は組織に達した薬物は1次反応に従う。1次薬物放出動態により、血液又は局所組織の薬物濃度が即時に上昇し(ピーク濃度)、続いて徐々に減少する(トラフ濃度trough levels)。ほとんどの場合において、治療濃度はほんの数時間しか維持しない。血液又は組織濃度が安定して残存している、持続的にゆっくり放出された薬物は0次反応に従う。薬物送達の方法及び組織/血液消失速度により、結果として長時間治療濃度が持続する。薬物放出特性は特定の適用に合わせて改変することができる。一般的に、多くの調節性放出組成物はほぼ0次反応に従うように(図3参照)設計されている。しかしながら、薬物の初期バースト又は初期負荷投与量(loading dose)(1次反応速度、図2参照)が望まれ、その後より穏やかな持続性の薬物放出が続く(擬0次反応速度)という適用でも良い。
上で簡単に述べたように、本発明の生体適合性両親媒性ポリマーは式Iの一般式を有するポリイミンの誘導体及びコポリマーを基礎とする。式IIのポリマーを製造する為に単独で使用できるように、又は他の既知のポリマーと混合して本発明の生体適合性ポリマー混合物を形成する為の両親媒性ポリマーを形成するように、ポリエチレンイミンをアルキル無水物を使用して修飾した。以下の非制限な実施例は本発明の代表的な生体適合性ポリマーの製造方法を提供する。
(実施例)
本発明の生体適合性のポリマーを製作する為のすべての試薬は市販されており、例えば、これに制限されるものではないが、シグマ-アルドリッチケミカルズ(セントルイス、ミズーリ州、米国)から容易に入手可能である。共通の出発物資、ポリエチレンイミン及びアルキル無水物は市販されているか、又は当該分野において既知の方法により必要に応じて合成することができる。本発明の1つの実施態様において、医療器具コーティングはNOを放出する修飾ポリイミンを基礎とした両親媒性、生体適合性ポリマーを含む。さらに、本発明の修飾ポリ(アルキルイミン)の構成は、その中に組み込まれた1以上の付加的生理活性剤(すなわち、薬物(類))も含んでも良く、前記構成中、薬物は上記「用語の定義」の項に記載した類型のうち1つの放出特性を有する。また、医療機器及び医療機器のコーティングが、「用語の定義」の項に記載した類型の放出特性を有する生理活性剤を含むということも考えうる。
実施例1
親水性、非水溶性ポリ(エチレンイミン)-アルキル無水ポリマーバックボーンの調製
Figure 2009506869
nは1〜107の整数であり、x及びyはそれぞれ独立して1〜20,000の範囲の繰り返し単位であり、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。
実施例2
式IIの化合物の求核残基が予め付与された医療機器のジアゼニウムジオレート化
実施例1(式II)のポリマーはクロロホルム又はテトラヒドロフラン(THF)のような適切な有機溶媒に溶解する。本工程においては1種以上のゾタロリムス、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、プロテインチロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン(hypothemycin)、ビスホスホネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド類及び形質転換核酸のような、生理活性物質がポリマー溶液中に含まれるが、これらに限定されるものではない。次に、可溶性のポリマー(生理活性物質の付加有り又は無し)は、移植可能な医療機器の表面に当業者に知られた方法(例えば圧延、浸漬、スプレー、塗布、しかしこれらに限定されない)を用いて適用する。余分なポリマーは暖かい不活性気体(例えばアルゴン又は絶乾窒素、しかしこれらに限定されない)の気流下で取り除く。コーティングされた医療機器は次に、以下の反応に従ってジアゼニウムジオレート化し、式IIIに図示するNO放出官能基を有する表面を得る。
Figure 2009506869
x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位であり、及びRは水素又はC1〜C20分岐又は直鎖アルキル基である。ある実施態様において、Rは水素であり、他の実施態様においてRはメチル、エチル又はプロピル基である。
実施例1のポリマーでコーティングされた血管ステントは13 mm×100 mmのガラス試験管に配置する。10ミリリットルの3%メチル化ナトリウムメタノール溶液又はアセトニトリルを試験管に加え、250 mLのステンレス製のParr(登録商標)水素化容器内に置く。反応容器は10気圧の窒素ガスで加圧/減圧サイクルを繰り返す(10回)ことで脱気する。次に、反応容器に対し30気圧NOで加圧/減圧サイクルを2回おこなう。最後に、反応容器を30気圧でNOを満たし、24時間室温で放置する。24時間後、容器のNOをパージ(purge)し、10気圧、窒素ガスで加圧/減圧サイクルを繰り返す(10回)。試験管を反応容器から取り除き、3%メチル化ナトリウム溶液をデカントする。ステントをその後10 mLのメタノールで1回及び10 mLのジメチルエーテルで3回洗浄する。ステントを試験管から取り出し、窒素ガスをあてて乾燥させる。この工程の結果、ジアゼニウムジオレート化ポリマーコート血管ステントが得られる。
NO放出機能を有する式IIのポリマーを得るために他の方法を使用しても良いことは明らかであり、例えば、米国特許番号第5,405,919(すべての内容を参考文献として本明細書に組み入れるものとする。)を他の例として参照されたい。
本発明は、血行力学的環境下での使用に適した、最適化された薬物放出医療機器コーティング及びそれ自体が全体的に構成され、又はほとんど全部が本発明のポリマーで有る医療機器を対象とする。本発明のコーティング及び装置は、NOに加えて、少なくとも一つの、分散された生理活性物質又は薬物を有していても良い。
前述の構造的及び薬物放出特性を考慮することに加え、ステントコーティングとして使用されるポリマーはまた、生体適合性でなければならない。生体適合性は前述の“用語の定義”の項で手短に定義した多くの要素を内含する。ポリマーが生体適合性である必要性は、材料分野の科学者が利用可能なオプションの数をかなり制限する。さらに、これらのオプションはポリマーのコーティングが血行動態的な力に持続的にさらされる装置上で使用される場合にさらに制限される。例えば、ステントコーティングは非血栓形成性で、非炎症性で、長期間構造的に安定でなければならない。
従って、本発明に従って製造されたステントコーティングポリマーが有すべき、4つの特異的な特性が存在する。本発明のポリマー構成は生体適合性で、決められた期間中、構造的に安定であるべきであり、弾力性/延性であり、及び予測可能な薬物放出特性を有すべきである。他の必要条件はエチレンオキサイド滅菌法を含む(これに限定されない)滅菌法に不活性であるというような適合性を有することである。本発明は、本発明に従って製造した新規なポリマー組成物を提供する。
[N(O)NO]--(以降NONOと略する)は予測可能で、容易に定量化でき、制御可能な一次反応によってNO放出をする化合物を含む(図2参照)。このことは米国特許出願番号第5,380,758、 5,574,068及び5,583,101に記載されている他の既知のS-ニトロソチオール系のようなNO放出化合物とはっきりとした対照をなす。しかしながら、他の要素に基づいて他の生理活性物質はポリマーコーティングから放出されてもよい。コーティング組成物、薬物-ポリマー適合性、ポリマー膨張性及びコーティングの厚さもまた役割を担う。
本発明の医療機器が脈管構造において使用される場合、コーティングの寸法は一般的にマイクロメートル(μm)で測定される。本発明のコーティングは1μm〜1000μmの厚さである。本発明の一つに実施態様において、薬物含有コーティング(もし本発明のNO放出ポリマーと組み合わせて使用するのであれば)は直接装置の表面に又はポリマープライマーの上に適用される。溶解速度や所望する特性に依存して、薬物は完全にポリマーマトリックス内に可溶であるか、又はくまなく均一に分散している。ポリマーマトリックス内に存在する薬物濃度の範囲は0.1重量%〜80重量%である。どちらにしても、コーティング組成物が均一であることが最も望ましい。この特定の構成は一般的にドラッグポリマーマトリクスと呼ばれる。
最後に、コーティングの厚さに戻ると、厚さは一般に総合的な薬物放出速度及び特性とする決定する上で重要ではない要素であるが、依然として、コーティングを調整するために使用可能な追加的要素である。基本的に、他のすべての物理学的及び化学的の要素が変わらないままであるなら、与えられた薬物が与えられたコーティングを通って拡散する速度はコーティングの厚さに正比例する。つまり、コーティングの厚さを増加させると、放出速度は逆に増加する。
我々はここで本発明のNO放出/制御コーティング相溶化に貢献する他の要素について述べる。先に述べたように、血行力学的環境に配置する医療機器を意図したコーティングは優れた付着特性を有していなければならない。つまり、コーティングは安定して医療機器表面に結合していなくてはならない。移植可能な医療機器を作成するためにステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、金、コバルト、セラミック及び広い範囲の合成ポリマー及びコラーゲン、フィブリン及び植物繊維を含む天然材料、を含む(しかしこれらに限定されない)多くの異なる材料を使用することができる。これらすべての材料又は他の材料はこの発明に従ってNO放出/調節性放出・コーティングと共に使用することができる。さらに、生理活性物質がポリマー中に分散し、機器の分解時に放出されるように本発明のポリマーは医療機器全体を作成する為に使用することができる。本発明のこの特性は特に装置が、その後の取り外しが、必要である場合に、可能でないか又は複雑で、リスクの高い外科手術が必要な体の離れた領域に移植される際役に立つ。
本発明の一つの実施態様は図4に図示される。図4において構造402を有する血管ステント400は、ステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、セラミック及び広い範囲の合成ポリマー及びコラーゲン、フィブリン及び植物繊維を含む(これらに限られない)天然材料を含む(これらに限られない)非制限の材料群から製作される。構造402は本発明に従って製造されたコーティング組成物が施されている。
図5a-dはさまざまなコーティングを施したステント400の断面図である。図5aにおいてステント400はパリレンなどのような(これに限定されない)任意の医療用プライマーを含む第1のポリマーコーティング502、第2の調節性放出コーティング504、及び3番目のバリア、又はキャップ、コートである506を有する。図5bにおいて、ステント400はパリレンのような(これに限定されない)任意の医療用のプライマーを含む第1のポリマーコーティング502及び調節性放出コーティング502を有する。図5cにおいて、ステント400は第1の調節性放出コーティング504及び第2のバリアー又はキャップ、コート506を有する。図5dにおいて、ステント400は調節性放出コーティング504のみを有する。図6はバルーンカテーテル601の上に、本発明に従って作製したコーティング604を有する血管ステント400を図示する。
どのようにポリマーが表面に付着するかについて、説明を試み、又は我々の理解に寄与する多くの理論が有る。最も重要な力には静電及び水素結合が含まれる。しかしながら、水和性、吸収及び弾性を含む他の要素もまた、どれほど良くポリマーが異なる表面に付着するかを決定する。従って、ポリマーベースコート又はプライマーは、より単一なコーティング表面を作成する為に度々使用される。
本発明のNO放出/調節性放出コーティングは医療機器の表面に、下塗りし又は裸のままで、当業者に知られた方法で適用することができる。本発明に適合した適用方法には例えば圧延、スプレー、浸漬、ブラッシング(はけ塗り)、真空蒸着、その他の方法が含まれるが、これらに制限されない。さらに、本発明のNO-放出/調節性放出コーティングはキャップのコートにも使用しても良い。本明細書で使用されるキャップコートは最外側のコーティング層を意味する。薬物放出コポリマーはプライマーコートに使用される。ポリマーキャップコートは薬物放出するコポリマーコーティングの上に適用されます。キャップコートは任意にさらに薬物放出を制御するため又は別々の薬物を提供する為の拡散障壁として役立つかもしれない。キャップコートは、単にステントを保護するために表面に付けられた生体適合ポリマーであり、溶出速度には影響がなくても良い。本発明の一つの側面は移植するまで装置及び生理活性物質を環境から保護する生体分解性のキャップコートを提供することである。移植が完了した後、生体分解性キャップは予定した速さで分解し(本発明に従ってポリマーバックボーンに官能基を付加及び修飾することにより可能にする。)医療機器表面及び生理活性物質を生態環境に露出する。
上で議論されたように、医療機器は本発明のポリマー化合物からさまざまな方法を使用して製作することができる。例証の目的で、制限されるものではないが、血管ステントについて記載する。一つの実施態様において、ステントは第1及び第2末端を有し、第1及び第2末端の間に壁状表面を備える管状の部材である。壁は押し出し成形したポリマーモノフィラメントを組みひも様に織って製作する実施態様で構成される。第2の実施態様において、ステントは射出成形又は押し出し成形である。チューブの壁の開窓は、成形、レーザー切断、打ち抜き、機械加工による。
組みひも状のステント実施態様ではモノフィラメントはペレットにして乾燥させたポリマー材料から製作される。その後乾燥ポリマーペレットを押し出して、粗モノフィラメントを成形し急冷する。押し出され、急冷された粗モノフィラメントはその後引っ張って平均半径が約0.01 mm〜0.6 mm、好ましくは約0.05 mm〜0.15 mmである最終製品であるモノフィラメントにする。約10〜約50の最終製品であるモノフィラメントを組角度が90〜170度になるように、ブレードマンドレル(braid mandrel)のサイズは適用に適したものでバスケット織り状になるように編む。編んだステントは次に、ステントの内径と等しいかそれより小さい外径を有するアニーリングマンドレルに配置し、ポリマーガラス転移温度とポリマー混合物の融点の間の温度で、5分から18時間の間、空気中、不活性雰囲気下又は真空の下で徐冷される。ステントは冷却し、切断する。
本発明の押し出し管状ステントは最初にペレット化したポリマーを押し出し形成装置の注射外筒にいれ、圧をかけて型に射出し、冷却し、固まるまで放置する。ステントは型からはずす。本発明に従って製造したステントは、ステントチューブに開窓を有するように型に入れて作っても良いし、作らなくても良い。開窓ステントの好ましい実施態様は空のチューブを開窓無しで射出成形又は押し出し成形し、好ましくは射出成形する。冷却後、打ち抜き装置又はレーザー切断により管に開窓し、好ましくはレーザー切断する。得られた開窓又は窓は最終産物であるステントの圧縮と自己拡張の特性に悪影響を与えないどんな形も想定しても良い。
ステントは、次に、ステントの内径と等しいかそれより小さい外径を有するアニーリングマンドレルに配置し、ポリマーガラス転移温度とポリマー混合物の融点の間の温度で、5分から18時間の間、空気中、不活性雰囲気下又は真空の下で徐冷される。ステントは冷却し、必要であれば切断する。
本発明に従って製造されたステントは一般に、使用されているポリマーの分子量に比例して増加する機械的特性及び力を有している。必要とする機械的性質とin vivo 分解率を有するステントの処理効果及び収量に適応して最適な分子量が選択される。
ステントを作るのに使用されるポリマー又はポリマー混合物の2つの物理的特性、すなわち抗張力及び引張り係数がステントの総合的な機械的特性の定義における重要な役割を果たす。抗張力は破壊点における単位面積当たりの力と定義される。切断、または破砕する前に基体が耐えることができる通常、平方インチ(psi)あたりのポンドで表される力の量である。psiで表された引張り係数は、基体の堅さ、または引張りへの抵抗の表現であり、ステントの自己拡張特性に直接関連する1単位の緊張を達成するのに必要な力である。
抗張力及び引張り係数は自己拡張ステントの動作特性を定義する物理学的特性であり、これらの特性には加圧耐性及び自己拡張又は半径方向拡張(radial expansion)力がある。加圧耐性は周りの組織の周囲からの圧力に対するステントの抵抗する能力に関する。加圧耐性が低いステントは開通性を維持することができない。自己拡張力は一度挿入した狭窄した内管に開通性を回復するステントの許容性を決定する。自己拡張と加圧耐性の組み合わせは、競合する特性であり、ステントを設計する際に注意深く考慮しなければならない。
他に示さない限り、明細書及び請求項内で使用される、成分の量、分子量、反応条件等々を表現するすべての数字はすべての場合、“約”という用語で修正して理解すべきである。従って、反対に指定しない限り、以下の明細書及び添付する請求項に記載する数値パラメーターは本発明により得ることが求められる所望する特性により変化する近似である。少なくとも、それぞれの数字のパラメーターは均等論の請求の範囲内への適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメーターは少なくとも報告された有効数字の数の観点から、通常の丸め技術を適用して解釈すべきである。発明の広い範囲について記載されている数字の範囲とパラメーターは近似であるが、特定の例に記載された数値はできるだけ正確に報告される。しかしながら、どんな数値も本来必ずそれらのそれぞれの試験測定値で見つけられた標準偏差から生じる特定の誤りを含む。
発明を記載する為に本内容(とりわけ以下の請求項の内容)で使用される“a”及び“an”及び“the”及び同様の指示対象の用語は、明細書中で他に示す又は明らかに内容と矛盾しない限り単数及び複数を包含するものと解釈される。本明細書中の数値の範囲の列挙は、範囲内のそれぞれの値を簡略化した方法として提供することを意図する。明細書中で他に示さない限り、各値は独立して列挙されたように明細書に組み込まれる。本明細書に記載されたすべての方法は本明細書で他に示さない限り又は明らかに内容と矛盾しない限り適切な順番で行われる。本明細書における任意の及びすべての実施例又は例示的な言語(例えば“のような”)は単に発明をより明らかにすることを意図し、他に規定しない限り発明の範囲を限定するものではない。明細書中のどの言語も発明の実施に必須な規定されていない要素を示していないと解釈されるべきである。
本明細書で開示した発明の代替要素又は実施態様のグループ化は制限と解釈すべきでない。それぞれの群の構成要素は、独立して又は群の他の構成要素又は本明細書に見られる他の要素と任意に組み合わせて言及され、請求され得る。利便性及び/又は特許性の理由で群の一以上の構成要素が群に含まれる又は群から削除されることが予測される。そのような含有又は削除が起こった際には、本願明細書は添付される請求項において使用されるすべてのマーカッシュ群の記載を満たすように修正する群を含むと見なす。
本明細書に記載された本発明の好ましい実施態様は、本発明を実施するうえで最良の形態として発明者に知られているものを含む。もちろん、これらの好ましい実施態様の変形は以上の記載を読んだ当業者にとって明らかになるだろう。発明者は当業者がそのような適切な変形を行うことを期待し、及び発明者は発明が本明細書に明確に記載されているものと異なる実施をされることを意図している。従って、本発明は主題に準拠法で許容されるように付加されたクレームで列挙された内容のすべての変形と同等物を含んでいる。さらに、本明細書で特に示さない限り、又は明らかに内容に矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における、上述の要素のいかなる組み合わせも発明に含まれる。
さらに、この明細書中で特許と、印刷された刊行物を多く参照した。上記、引用した参考文献及び印刷された刊行物は全体として本明細書に個別に参考文献として組み込むこととする。
最後に、本明細書中に開示された発明の実施例は本発明の原理の例証であると理解されるべきである。他の使用されるであろう改変も発明の範囲内にある。このように、一例として、しかしこれに限定されるものではなく、本発明の代替の構成は本発明に従って利用されてもよい。従って、本発明はまさに示され及び記載された通りのものに制限されない。
最も一般的な生体分解性ポリマーの化学式を示す。 ポリマーコーティングからの薬物放出に関する理想的な1次反応速度式をグラフに示す。 ポリマーコーティングからの薬物放出に関する理想的な0次反応速度式をグラフに示す。 本発明における抗再狭窄化合物を送達する血管ステントの図を示す。 本発明に従い製造した多様な薬物溶出コーティングを有する医療機器(ステント)の断面図を示す。 血管形成術及び再狭窄の危険性のある管腔へのステントの部位特異的送達の為に使用するバルーンカテーテルアッセンブリ(balloon catheter assembly)の図を示す。

Claims (13)

  1. 両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーを含む医療機器であって、少なくとも一つのポリマーが式IIIの構造を有する医療機器。
    Figure 2009506869
    (式中x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位を表し、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。)
  2. Rが水素である請求項1記載の医療機器。
  3. Rがメチル、エチル又はプロピル基である請求項1記載の医療機器。
  4. 前記医療機器が、血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置、心臓弁、シャント、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー、保護板、または人工関節を含む、請求項1記載の医療機器。
  5. 前記生体適合性ポリマーがさらにゾタロリムス(zotarolimus)、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白-チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン(hypothemycin)、ビスホスホネート類、上皮成長因子阻害剤類、抗体類、プロテオソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド類、及び、形質転換核酸類からなる一群から選択される生理活性剤を含む、請求項1記載の医療機器。
  6. 式IIIの構造を有する、両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーを含む血管ステントであって、当該両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーがさらに生理活性物質を含む、血管ステント。
    Figure 2009506869
    (式中x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位を表し、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。)
  7. 前記生理活性物質が、ゾタロリムス(zotarolimus)である請求項6記載の医療機器。
  8. 式IIIの構造を有する、両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーを含むコーティングを有する移植可能な医療機器であって、当該両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーがさらにゾタロリムス(zotarolimus)を含む移植可能な医療機器。
    Figure 2009506869
    (式中x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位を表し、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。)
  9. 医療機器がステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、金、コバルト、コバルト合金、チタン合金、セラミック及び合成ポリマーからなる一群から選択される生体適合性材料で作られた血管ステントである、請求項8記載の医療機器。
  10. 式IIIの構造を有する、両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーを含む生分解性血管ステントであって、当該両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素-放出ポリマーがさらにゾタロリムス(zotarolimus)を含む生分解性血管ステント。
    Figure 2009506869
    (式中x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位を表し、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。)
  11. 少なくとも1つのポリマーが式IIIの構造を有する、両親媒性で、生体適合性である、一酸化窒素‐放出ポリマー。
    Figure 2009506869
    (式中x及びyはそれぞれ1〜20,000の繰り返し単位を表し、Rは水素又はC1〜C20の分岐又は直鎖アルキル基である。)
  12. Rが水素である、請求項11記載の生体適合性一酸化窒素‐放出ポリマー。
  13. Rがメチル、エチル又はプロピル基である、請求項11記載の生体適合性一酸化窒素‐放出ポリマー。
JP2008530056A 2005-09-07 2006-08-14 修飾ポリイミン由来一酸化窒素放出ポリマー Abandoned JP2009506869A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/222,142 US20070053952A1 (en) 2005-09-07 2005-09-07 Nitric oxide-releasing polymers derived from modified polymers
PCT/US2006/031425 WO2007030266A2 (en) 2005-09-07 2006-08-14 Nitric oxide-releasing polymers derived from modified polyimines

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009506869A true JP2009506869A (ja) 2009-02-19
JP2009506869A5 JP2009506869A5 (ja) 2009-10-01

Family

ID=37830268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008530056A Abandoned JP2009506869A (ja) 2005-09-07 2006-08-14 修飾ポリイミン由来一酸化窒素放出ポリマー

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20070053952A1 (ja)
EP (1) EP1928515A2 (ja)
JP (1) JP2009506869A (ja)
WO (1) WO2007030266A2 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7611533B2 (en) * 1995-06-07 2009-11-03 Cook Incorporated Coated implantable medical device
US9198786B2 (en) 2003-09-03 2015-12-01 Bolton Medical, Inc. Lumen repair device with capture structure
US11259945B2 (en) 2003-09-03 2022-03-01 Bolton Medical, Inc. Dual capture device for stent graft delivery system and method for capturing a stent graft
US7763063B2 (en) * 2003-09-03 2010-07-27 Bolton Medical, Inc. Self-aligning stent graft delivery system, kit, and method
US8500792B2 (en) 2003-09-03 2013-08-06 Bolton Medical, Inc. Dual capture device for stent graft delivery system and method for capturing a stent graft
US11596537B2 (en) 2003-09-03 2023-03-07 Bolton Medical, Inc. Delivery system and method for self-centering a proximal end of a stent graft
US20080264102A1 (en) 2004-02-23 2008-10-30 Bolton Medical, Inc. Sheath Capture Device for Stent Graft Delivery System and Method for Operating Same
US20070198078A1 (en) * 2003-09-03 2007-08-23 Bolton Medical, Inc. Delivery system and method for self-centering a Proximal end of a stent graft
US8292943B2 (en) 2003-09-03 2012-10-23 Bolton Medical, Inc. Stent graft with longitudinal support member
CA2575988C (en) 2004-08-04 2014-02-18 Brookwood Pharmaceuticals, Inc. Methods for manufacturing delivery devices and devices thereof
US20090214618A1 (en) 2005-05-27 2009-08-27 Schoenfisch Mark H Nitric oxide-releasing particles for nitric oxide therapeutics and biomedical applications
EP1933845A2 (en) 2005-08-25 2008-06-25 Medtronic Vascular, Inc. Nitric oxide-releasing biodegradable polymers useful as medical devices and coatings therefore
US8241619B2 (en) 2006-05-15 2012-08-14 Medtronic Vascular, Inc. Hindered amine nitric oxide donating polymers for coating medical devices
US7811600B2 (en) * 2007-03-08 2010-10-12 Medtronic Vascular, Inc. Nitric oxide donating medical devices and methods of making same
US8273828B2 (en) * 2007-07-24 2012-09-25 Medtronic Vascular, Inc. Methods for introducing reactive secondary amines pendant to polymers backbones that are useful for diazeniumdiolation
US8124601B2 (en) * 2007-11-21 2012-02-28 Bristol-Myers Squibb Company Compounds for the treatment of Hepatitis C
EP2222281B1 (en) 2007-12-20 2018-12-05 Evonik Corporation Process for preparing microparticles having a low residual solvent volume
US20090196900A1 (en) * 2008-02-01 2009-08-06 Medtronic Vascular, Inc. Use of Phosphodiesterase Inhibitor as a Component of Implantable Medical Devices
US20090222088A1 (en) * 2008-02-29 2009-09-03 Medtronic Vascular, Inc. Secondary Amine Containing Nitric Oxide Releasing Polymer Composition
US20090232863A1 (en) * 2008-03-17 2009-09-17 Medtronic Vascular, Inc. Biodegradable Carbon Diazeniumdiolate Based Nitric Oxide Donating Polymers
US20090232868A1 (en) * 2008-03-17 2009-09-17 Medtronic Vascular, Inc. Nitric Oxide Releasing Polymer Composition
BRPI0913877A2 (pt) 2008-06-30 2015-10-27 Bolton Medical Inc aneurismas da aorta abdominal: sistemas e métodos de uso
US8852640B2 (en) * 2008-07-03 2014-10-07 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Micelles for delivery of nitric oxide
JP5495337B2 (ja) 2008-09-19 2014-05-21 ノースウエスタン ユニバーシティ 生分解性一酸化窒素発生ポリマー及び関連医用デバイス
WO2010044875A2 (en) * 2008-10-16 2010-04-22 Novan, Inc. Nitric oxide releasing particles for oral care applications
US8158187B2 (en) * 2008-12-19 2012-04-17 Medtronic Vascular, Inc. Dry diazeniumdiolation methods for producing nitric oxide releasing medical devices
EP2405868B1 (en) 2009-03-13 2017-06-28 Bolton Medical Inc. System for deploying an endoluminal prosthesis at a surgical site
US8709465B2 (en) * 2009-04-13 2014-04-29 Medtronic Vascular, Inc. Diazeniumdiolated phosphorylcholine polymers for nitric oxide release
CA2771389C (en) 2009-08-21 2019-04-09 Novan, Inc. Wound dressings, methods of using the same and methods of forming the same
CA2771308C (en) 2009-08-21 2020-01-21 Novan, Inc. Topical gels comprising nitric oxide releasing polysiloxane macromolecules
US8591876B2 (en) 2010-12-15 2013-11-26 Novan, Inc. Methods of decreasing sebum production in the skin
WO2012118829A2 (en) 2011-02-28 2012-09-07 Novan, Inc. Tertiary s-nitrosothiol-modified nitricoxide-releasing xerogels and methods of using the same
WO2013154749A1 (en) 2012-04-12 2013-10-17 Bolton Medical, Inc. Vascular prosthetic delivery device and method of use
US9439751B2 (en) 2013-03-15 2016-09-13 Bolton Medical, Inc. Hemostasis valve and delivery systems
EP3551140A4 (en) 2016-12-09 2020-07-08 Zenflow, Inc. SYSTEMS, DEVICES AND METHODS FOR THE PRECISE RELEASE OF AN IMPLANT IN THE PROSTATIC urethra
WO2021101951A1 (en) 2019-11-19 2021-05-27 Zenflow, Inc. Systems, devices, and methods for the accurate deployment and imaging of an implant in the prostatic urethra

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4954526A (en) * 1989-02-28 1990-09-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Stabilized nitric oxide - primary amine complexes useful as cardiovascular agents
US5039705A (en) * 1989-09-15 1991-08-13 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Anti-hypertensive compositions of secondary amine-nitric oxide adducts and use thereof
US5212204A (en) * 1989-10-18 1993-05-18 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Antihypertensive compositions and use thereof
US5155137A (en) * 1990-09-20 1992-10-13 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Complexes of nitric oxide with polyamines
US5268465A (en) * 1991-01-18 1993-12-07 The Johns Hopkins University Purification and molecular cloning of nitric oxide synthase
US5380758A (en) * 1991-03-29 1995-01-10 Brigham And Women's Hospital S-nitrosothiols as smooth muscle relaxants and therapeutic uses thereof
JP3190340B2 (ja) * 1991-09-24 2001-07-23 アメリカ合衆国 酸化窒素供与体プロドラッグとしての求核試薬−酸化窒素付加物の酸素置換誘導体
US5405919A (en) * 1992-08-24 1995-04-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Health And Human Services Polymer-bound nitric oxide/nucleophile adduct compositions, pharmaceutical compositions and methods of treating biological disorders
US5650447A (en) * 1992-08-24 1997-07-22 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Nitric oxide-releasing polymers to treat restenosis and related disorders
US5525357A (en) * 1992-08-24 1996-06-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Polymer-bound nitric oxide/nucleophile adduct compositions, pharmaceutical compositions incorporating same and methods of treating biological disorders using same
US5658565A (en) * 1994-06-24 1997-08-19 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Inducible nitric oxide synthase gene for treatment of disease
JPH08503852A (ja) * 1992-11-25 1996-04-30 ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブハイヤー エデュケーション ヒト誘導性一酸化窒素シンターゼのcDNAクローンおよびその作製方法
US5945452A (en) * 1993-06-11 1999-08-31 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Treatment of vascular degenerative diseases by modulation of endogenous nitric oxide production or activity
US5428070A (en) * 1993-06-11 1995-06-27 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Treatment of vascular degenerative diseases by modulation of endogenous nitric oxide production of activity
US5891459A (en) * 1993-06-11 1999-04-06 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Enhancement of vascular function by modulation of endogenous nitric oxide production or activity
US5583101A (en) * 1994-07-15 1996-12-10 Harvard College Use of nitrogen oxide species and adducts to inhibit skeletal muscle contraction
WO1997020423A1 (en) * 1995-11-29 1997-06-05 Bell Communications Research, Inc. A system and method for automatically screening and directing incoming calls
US7378105B2 (en) * 1997-09-26 2008-05-27 Abbott Laboratories Drug delivery systems, kits, and methods for administering zotarolimus and paclitaxel to blood vessel lumens
US6580784B2 (en) * 2000-12-04 2003-06-17 International Business Machines Corporation System and method for urgent phone message delivery
US20030041048A1 (en) * 2001-08-15 2003-02-27 Senaka Balasuriya System and method for providing dymanic selection of communication actions using stored rule set
WO2005039664A2 (en) * 2003-10-14 2005-05-06 Cube Medical A/S Medical device with electrospun nanofibers
US20050171596A1 (en) * 2004-02-03 2005-08-04 Furst Joseph G. Stents with amphiphilic copolymer coatings
EP1718603A4 (en) * 2004-02-09 2009-09-23 Noxilizer Inc MOLECULES RELEASING NITROGEN MONOXIDE
AU2005289414B2 (en) * 2004-09-27 2010-12-09 Government Of The United States Of America, Represented By The Secretary Department Of Health And Human Services Nitric oxide-releasing diazeniumdiolated acrylonitrile-based polymers, and compositions, medical devices, and uses thereof
EP1933845A2 (en) * 2005-08-25 2008-06-25 Medtronic Vascular, Inc. Nitric oxide-releasing biodegradable polymers useful as medical devices and coatings therefore

Also Published As

Publication number Publication date
EP1928515A2 (en) 2008-06-11
WO2007030266A3 (en) 2008-01-24
US20070053952A1 (en) 2007-03-08
WO2007030266A2 (en) 2007-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009506869A (ja) 修飾ポリイミン由来一酸化窒素放出ポリマー
US8021679B2 (en) Nitric oxide-releasing biodegradable polymers useful as medical devices and coatings therefore
US8158187B2 (en) Dry diazeniumdiolation methods for producing nitric oxide releasing medical devices
JP5188971B2 (ja) 生分解性医療機器の製造及び医療機器コーティングとして有益な4−アザ−カプロラクトンを基材としたポリマー組成物
JP5701497B2 (ja) ステントの分解を調節し、pHを中性に維持するためのコーティングを有する吸収性ステント
KR101456429B1 (ko) 페록시솜 증식자-활성화 수용체 자극제와 조합한 mTOR 억제제의 국소 혈관 전달
ES2451653T3 (es) Dispositivo médico implantable con revestimiento de suministro de fármacos de poliéster de erosión superficial
US8871238B2 (en) Medical devices and coatings therefore comprising biodegradable polymers with enhanced functionality
US8709465B2 (en) Diazeniumdiolated phosphorylcholine polymers for nitric oxide release
KR101303106B1 (ko) 수술실에서 의료 기구에 약물 코팅을 하기 위한 키트
JP2011514231A (ja) 生分解性炭素ジアゼニウムジオレート系酸化窒素供与重合体
JP2005343897A (ja) Cad治療のためのタキサンの注入可能な配合物
JP2006006938A (ja) 調整された薬物放出のためのヘパリン・バリア被膜
JP2008517662A (ja) 生体適合性及び血液適合性ポリマー組成物
WO2005077347A1 (en) Use of endothelin antagonists to prevent restenosis
US20120109284A1 (en) Bare metal stent with drug eluting reservoirs having improved drug retention

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090813

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090813

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20100304