JP2009262039A - 濾し装置付きトロンメル - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、濾し装置付きトロンメルに関する。篩い分けする対象物に、粘土質が多いと小石等を十分に網目で選別できないことが課題であり、本発明はこれを解決することを目的とする。
【解決手段】作業機のアームに取り付けられ対象物を掬ってそれを篩い落とす篩い装置であって、前記篩い装置を構成する円筒状の網籠４の内側に、前記網籠の中心部における回転自在なアーム用基部６から半径方向に伸びる複数本の支持アーム７が設けられると共に、その支持アームの先端部に当該網籠に摺接して前記対象物を網目の粗さに応じて濾し出すスクレーパ８が備えられ、前記アーム用基部を回転させる駆動部９が網籠４の背面側に設けられている濾し装置付きトロンメル１とするものである。
【選択図】図１

Description

本発明は、例えば、産業廃棄物、土木、解体工事残土や砕石・砂利等の選別・分級・採取において、移動自在な作業機のアームに取り付けられ、その場で掬い上げられて選別されるトロンメルに関するものである。

従来、砕石や砂利などを篩（ふる）い選別する円筒状の回転式篩い（トロンメル：trommel）は、特許文献１に記載されているように、異なるサイズの原料を処理することが出来るように複数のセグメンントが原料の搬送方向に分割して形成され、また、篩網を交換することなく原料の分離割合を変更できるように隣接する篩網セグメントを仕切る仕切り部材が設けられ、周囲の湿度の変化に応じて分離する原料の粒径又は粒度を調整できる篩い網及び篩い機が知られている。

そして、図６に示すように、産業廃棄物や砕石などを篩い選別する篩網２１を、移動可能な作業機のアーム２２の先端に取り付けて、土砂や砕石を掬い上げて、その作業現場においてそのまま篩いに掛けるトロンメル２３が知られている。
特開２００４−４１９８６号公報

しかし、従来の土砂や砕石を篩い分けるトロンメルでは、コンクリート塊、砂利または木材などに対しては十分に対応できるが、その一方、粘土質や水分を多く含んだ土の中から、石や木片等の異物を篩い分けることが、前記粘土質部分に付着して前記異物が容易に自然落下せず、困難である。本発明に係る濾し装置付きトロンメルは、このような課題を解決するために提案されたものである。

本発明に係る濾し装置付きトロンメルの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、作業機のアームに取り付けられ対象物を掬ってそれを篩い落とす篩い装置であって、前記篩い装置を構成する円筒状の網籠の内側に、前記網籠の中心部における回転自在なアーム用基部から半径方向に伸びる複数本の支持アームが設けられると共に、その支持アームの先端部に当該網籠に摺接して前記対象物を網目の粗さに応じて濾し出すスクレーパが備えられ、前記アーム用基部を回転させる駆動部が網籠の背面側に設けられていることである。

また、本発明に係る濾し装置付きトロンメルの要旨は、作業機のアームに取り付けられ対象物を掬ってそれを篩い落とす篩い装置であって、前記篩い装置を構成する円筒状で回転自在な網籠の内側に、当該網籠の内壁面に沿って一端側縁部が摺接して対象物を濾し出すスクレーパが前記網籠の回転中心軸と平行にして設けられ、前記スクレーパを前記網籠の内側に位置固定して支持する支持部材が前記網籠の両開口部から内部に前記内壁面と間隙を有して配設されていることである。

前記スクレーパが網籠の半径方向に移動調節できるように、支持部材のスクレーパ取付部とスクレーパの取付面とにおいて、位置調節手段を備えていること、；
前記スクレーパの網籠内壁面に摺接する両端縁部には、丸棒が設けられており、当該スクレーパを反転させて支持部材のスクレーパ取付部に取り付けて前記両端縁部を網籠内壁面にそれぞれ摺接させることができること、；
を含むものである。

本発明の濾し装置付きトロンメルによれば、選別の対象物として、例えば、粘土質の多い産業廃棄物等を現場において、バケットの爪で掬い上げ、そのまま網籠に入れてアームで振動させることで前記産業廃棄物等を選別し、更に、駆動部によりスクレーパを回転させることで、小さな石や木片を網籠の網目に押しつけてその網目から強制的に押し出すことができる。

また、網籠とスクレーパとにおいて、相対的に回転移動させる場合、網籠を回転させて、位置固定して支持されるスクレーパによって小石等を網目から濾し出す用にしても同様な効果が得られる。

更に、前記スクレーパが網籠の半径方向に移動調節できるようにしておくことで、磨り減った分だけ移動させて網籠内壁面に摺接させれば使用可能となり、スクレーパの寿命が長くなる。また、前記スクレーパの網籠内壁面に摺接する両端部に丸棒を設けて、当該スクレーパを反転させて使用できるようにすることで、スクレーパの寿命が２倍になり、ランニングコストの低減となる。

本発明に係る濾し装置付きトロンメル１は、図１乃至図２に示すように、作業機のアーム２２に取り付けられ、産業廃棄物、土砂、採石、砂利等の対象物２をバケット３で掬って、それを網籠４で篩い落とす篩い装置５である。前記篩い装置５を構成する円筒状の網籠４の内側に、前記網籠４の中心部における回転自在なアーム用基部６から半径方向に伸びる複数本の支持アーム７が設けられると共に、その支持アーム７の先端部に当該網籠４に摺接して前記対象物２を網目の粗さに応じて濾し出すスクレーパ８が備えられている。

前記アーム用基部６を回転させる駆動部（例えば、電動モータ、油圧モータ）９が網籠４の背面側に設けられている。なお、網籠４は、上半分が鉄板で形成され、下半分が金網で所望の目粗さで形成されている。

前記スクレーパ８は、図３に示すように、板状体であり、半径方向に常に突出するように、コイルバネなどの弾性部材１０で付勢されている。これは、スクレーパ８の端部が、網籠４の金網に摺接して次第に磨り減った場合に、自動的にスクレーパ８の端部を押し出して、機能低下を防止するためである。

前記スクレーパ８は、網籠４の軸心方向に複数個で併設されている支持アーム７の先端部における溝７ａの間に架設されている。このスクレーパ８を付勢する弾性部材１０は、支持アーム７の間に横架されている横架板７ｂにバネ座が設けられ、これを反力部としている。

このような、作業機における濾し装置付きトロンメル１によれば、対象物２が、粘土質を多く含む粘りけのある産業廃棄物等であっても、アーム２２を動かしてバケット３の爪１１で対象物を削り取り、これらを網籠４の中に取り入れ、前記駆動部９で支持アーム７を介してスクレーパ８を回転させれば、網籠４の網目から小石なども強制的に濾されて排出され、効率的に選別することができる。

本発明の他の実施例として、図４に示すように、網籠の変形例であり、前記篩い装置を構成する円筒状で回転自在な網籠１２の内側に、当該網籠１２の内壁面１２ａに沿って一端側の縁部１３ａが摺接して対象物２を濾し出すスクレーパ１３が前記網籠１２の回転中心軸と平行にして設けられ、前記スクレーパ１３を前記網籠１２の内側に支持フレーム１４ａを介して位置固定し支持する支持部材１４が、前記網籠１２の両開口部から内部に前記内壁面１２ａと間隙を有して、略コ字型に配設されている。

そして、前記スクレーパ１３が網籠１２の半径方向に移動調節できるように、支持部材１４のスクレーパ取付部１４ｂとスクレーパ１３の取付面１３ｄとにおいて、図５（Ａ），（Ｂ）に示すように、位置調節手段１３ｃを備えている。この位置調節手段１３ｃは、例えば、長孔とするものであり、スクレーパ取付部１４ｂには前記長孔に挿通させるボルトとナットが用意されている。

このほか、従来公知の移動調節手段が採用できるものである。この位置調節手段１３ｃがあることで、スクレーパ１３の一端側縁部１３ａが摺接作用により磨り減ってしまった場合に、半径方向の外側に押し出して、スクレーパ１３の機能を回復させることができる。

また、スクレーパ１３の網籠内壁面に摺接する両端縁部１３ａ，１３ｂには、丸棒が設けられており、当該スクレーパ１３を反転させて支持部材１４のスクレーパ取付部１４ｂに取り付けて前記両端縁部１３ａ，１３ｂを網籠１２の内壁面１２ａにそれぞれ摺接させることができる。
これにより、片方の縁部１３ａが磨り減って機能的に使用できなくなると、今度は、他端側の縁部１３ｂを前記内壁面１２ａに摺接させるように、取り替えることができる。よって、スクレーパ１３の寿命が２倍に伸びるものである。

本発明に係る濾し装置付きトロンメル１の側面図である。 同本発明の濾し装置付きトロンメル１の正面図である。 同濾し装置付きトロンメル１のスクレーパ８の支持構造を示す拡大分解斜視図である。 第２実施例に係る濾し装置付きトロンメルにおける、回転する網籠１２とスクレーパ１３との関係を示す概略斜視図である。 同網籠１２とスクレーパ１３との関係を示す一部拡大側面図（Ａ）と、そのスクレーパ１３の拡大斜視図（Ｂ）である。 従来例に係るトロンメル２３の斜視図である。

符号の説明

１ 濾し装置付きトロンメル、
２ 対象物、
３ バケット、
４ 網籠、
５ 篩い装置、
６ アーム用基部、
７ 支持アーム、 ７ａ 溝、
７ｂ 横架板、
８ スクレーパ、
９ 駆動部、
１０ 弾性部材、
１１ 爪、
１２ 網籠、 １２ａ 内壁面、
１３ スクレーパ、 １３ａ 縁部、
１３ｂ 縁部、 １３ｃ 位置調節手段、
１３ｄ 取付面、
１４ 支持部材、 １４ａ 支持フレーム、
１４ｂ スクレーパ取付部、
２１ 網籠、
２２ アーム、
２３ 従来のトロンメル。

Claims (4)

1. 作業機のアームに取り付けられ対象物を掬ってそれを篩い落とす篩い装置であって、
   前記篩い装置を構成する円筒状の網籠の内側に、前記網籠の中心部における回転自在なアーム用基部から半径方向に伸びる複数本の支持アームが設けられると共に、
   その支持アームの先端部に当該網籠に摺接して前記対象物を網目の粗さに応じて濾し出すスクレーパが備えられ、
   前記アーム用基部を回転させる駆動部が網籠の背面側に設けられていること、
   を特徴とする濾し装置付きトロンメル。
2. 作業機のアームに取り付けられ対象物を掬ってそれを篩い落とす篩い装置であって、
   前記篩い装置を構成する円筒状で回転自在な網籠の内側に、当該網籠の内壁面に沿って一端側縁部が摺接して対象物を濾し出すスクレーパが前記網籠の回転中心軸と平行にして設けられ、
   前記スクレーパを前記網籠の内側に位置固定して支持する支持部材が前記網籠の両開口部から内部に前記内壁面と間隙を有して配設されていること、
   を特徴とする濾し装置付きトロンメル。
3. スクレーパが網籠の半径方向に移動調節できるように、支持部材のスクレーパ取付部とスクレーパの取付面とにおいて、位置調節手段を備えていること、
   を特徴とする請求項２に記載の濾し装置付きトロンメル。
4. スクレーパの網籠内壁面に摺接する両端縁部には、丸棒が設けられており、当該スクレーパを反転させて支持部材のスクレーパ取付部に取り付けて前記両端縁部を網籠内壁面にそれぞれ摺接させることができること、
   を特徴とする請求項２または３に記載の濾し装置付きトロンメル。

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