JP2009112817A - 新規外科手術用ファスナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、外科手術手順において使用するための外科手術用ファスナーを提供する。
【解決手段】外科手術用ファスナーであって、該外科手術用ファスナーは、形状記憶ポリマー材料から形成された、尖った遠位端および近位端を有する細長シャフトを備え、該外科手術用ファスナーは、該外科手術用ファスナーを組織に挿入することを可能にする一時的形状、および該外科手術用ファスナーを組織および任意の医療デバイスに固定し得る永続的形状を有する、外科手術用ファスナー。前記形状記憶ポリマーは、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル、エーテル−エステルジオール、カーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【選択図】図1

Description

(関連出願の引用)
本願は、2007年11月5日に出願された米国仮特許出願番号60/985,358号の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
(技術分野)
本開示は、一般に、身体組織を修復するための外科手術用デバイス(身体組織に物体を固定し得るファスナーが挙げられる)に関する。ある実施形態において、本開示は、インビボで形状を変化させて、組織またはデバイス(例えば、外科手術用メッシュ)を組織に固定し得る、外科手術用ファスナーを提供する。このようなファスナーを使用する方法もまた提供される。
(背景)
多数の外科手術手順は、組織の接続を形成する目的、または物体を組織に固定する目的で、外科手術用ファスナーを組織に適用し得る器具を必要とする。例えば、ヘルニア修復の間、外科手術用メッシュを下にある身体組織に固定することがしばしば望ましい。特定のヘルニア(例えば、直接鼡径ヘルニアまたは間接鼡径ヘルニア)において、腸の一部分は、支持する腹壁の欠損部または開口部を通って突出し、ヘルニア嚢を形成する。この開口部は、開腹外科手術手順を使用して修復され得る。この手順において、比較的大きい切開部が患者に作製され、そしてヘルニアが、縫合によって腹壁の外側で閉じられる。あるいは、メッシュが縫合糸を用いてこの開口部を覆って取り付けられ、補強を提供し得る。
侵襲性が低い外科手術手順が、現在、ヘルニア修復のために利用可能である。腹腔鏡手順において、外科手術は、小さい切開部を通して腹腔において実施され、一方で、内視鏡手順において、外科手術は、身体の小さい切開部を通して挿入された狭い内視鏡管を通して実施される。腹腔鏡手順および内視鏡手順は、一般に、身体内の深部に到達し得る長くて狭い器具であって、これらの器具が挿入される切開部または管とシールを形成するように構成されている、長くて狭い器具を必要とする。
現在、ヘルニア修復のための内視鏡技術は、この修復部に補強を提供する目的、および組織の内方成長を促進するための構造体を提供する目的で、ファスナー(例えば、外科手術用ステープルまたはクリップ)を利用して、メッシュを組織に固定する。これらのステープルまたはクリップは、組織とメッシュとを一緒に固定する目的で、組織およびメッシュに対して圧縮されることを必要とする。従って、ステープルまたはクリップを変形させる目的で、メッシュおよび組織の各側に配置される道具を必要とする。ヘルニア修復などの手順の間に、メッシュを組織に固定する際に使用するために適した別の型のファスナーは、組織貫入先端で終わる螺旋コイル状本体部分を有するコイルファスナーであり、この螺旋状ファスナーは、メッシュおよび身体組織にねじ込まれる。この型のファスナーの例は、特許文献1に開示されている。細長いワイヤファスナーを導入し、そしてこのワイヤが患者の身体に導入される際にこのワイヤに形状(例えば、環状形状)を付与し得るデバイスもまた公知である。このようなデバイスの例は、特許文献2に開示されており、その全開示は、本明細書中に参考として援用される。
米国特許第5,258,000号明細書 米国特許出願公開第2003/0236534号明細書
組織およびデバイス(ヘルニア修復のために利用される外科手術用メッシュが挙げられる)を固定するための手段、ならびに侵襲性が低い手順でのこのような手段の使用が依然として望ましい。
(要旨)
本開示は、外科手術手順において使用するためのファスナーを提供する。ある実施形態において、本開示の外科手術用ファスナーは、形状記憶ポリマーから形成された細長シャフトを備え得、この細長シャフトは、尖った遠位端および近位端を有し、この外科手術用ファスナーは、この外科手術用ファスナーの組織への挿入を可能にする一時的形状、およびこの外科手術用ファスナーを組織に固定し得る永続的形状を有する。ある実施形態において、本開示のファスナーはまた、任意の医療デバイスを組織に固定するために利用され得る。
ある実施形態において、本開示のファスナーは、真っ直ぐな一時的形状および湾曲したかまたは螺旋状の永続的形状を有し得る。
医療デバイス(ある実施形態においては、外科手術用メッシュ)を本開示のファスナーで固定するための方法もまた提供される。ある実施形態において、適切な方法は、一時的形状(組織への外科手術用ファスナーの挿入を容易にする)にある本開示の外科手術用ファスナーを提供する工程、この外科手術用ファスナーを医療デバイスおよび組織に通して進める工程、このファスナーを加熱する工程、ならびにこのファスナーを永続的形状に戻し、これによってこの医療デバイスを組織に固定する工程を包含する。
従って、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術用ファスナーであって、該外科手術用ファスナーは、形状記憶ポリマー材料から形成された、尖った遠位端および近位端を有する細長シャフトを備え、該外科手術用ファスナーは、該外科手術用ファスナーを組織に挿入することを可能にする一時的形状、および該外科手術用ファスナーを組織および任意の医療デバイスに固定し得る永続的形状を有する、外科手術用ファスナー。
(項目2)
上記形状記憶ポリマーが、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル、エーテル−エステルジオール、カーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目3)
上記形状記憶ポリマーが、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、オリゴ(p−ジオキサノン)ジオール、トリメチレンカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目4)
上記形状記憶ポリマーが、ポリ(スチレン−ブタジエン)コポリマー、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、およびポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)コポリマーからなる群より選択される、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目5)
上記形状記憶ポリマーが、ウレタン、乳酸、グリコール酸、アクリレート、カプロラクトン、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料のブレンドを含有する、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目6)
上記形状記憶ポリマーが、約30℃〜約50℃の温度で形状変化を起こす、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目7)
上記形状記憶ポリマーが、電気の印加の際に形状変化を起こす、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目8)
上記形状記憶ポリマーが、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目7に記載の外科手術用ファスナー。
(項目9)
上記近位端が尖っており、そして上記外科手術用ファスナーの上記一時的形状が真っ直ぐである、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目10)
上記形状記憶ポリマーが生体吸収性である、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目11)
上記形状記憶ポリマーが、移植後約5日間〜約2年間の期間にわたって吸収される、項目10に記載の外科手術用ファスナー。
(項目12)
上記形状記憶ポリマーが、移植後約1週間〜約3ヶ月の期間にわたって吸収される、項目10に記載の外科手術用ファスナー。
(項目13)
上記形状記憶ポリマーが、湾曲した形状を含む永続的形状を有する、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目14)
上記形状記憶ポリマーが、螺旋形状を含む永続的形状を有する、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目15)
上記任意の医療デバイスが、外科手術用メッシュを備える、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目16)
上記外科手術用ファスナーが、医療薬剤をさらに含有する、項目1に記載の外科手術用ファスナー。
(項目17)
外科手術用メッシュを組織に固定するためのシステムであって、
外科手術用メッシュおよび組織を通して進められるように構成された、項目1に記載のファスナー;ならびに
該外科手術用ファスナーを加熱するための手段、
を備え、該外科手術用ファスナーがその永続的形状に戻り、これによって該外科手術用メッシュを組織に固定する、システム。
(項目18)
上記加熱するための手段が、上記外科手術用ファスナーを約30℃〜約50℃の温度まで加熱する、項目17に記載のシステム。
(項目19)
上記加熱するための手段が、上記外科手術用ファスナーを約39℃〜約43℃の温度まで加熱する、項目17に記載のシステム。
(項目20)
上記外科手術用ファスナーが、螺旋状の永続的形状に戻る、項目17に記載のシステム。
(項目21)
外科手術用メッシュを組織に固定するための方法であって、
項目1に記載の外科手術用ファスナーを外科手術用メッシュおよび組織に通して進める工程;
該外科手術用ファスナーを加熱する工程;ならびに
該外科手術用ファスナーをその永続的形状に戻し、これによって、該外科手術用メッシュを組織に固定する、工程、
を包含する、方法。
(項目22)
前記外科手術用ファスナーが、約30℃〜約50℃の温度まで加熱される、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記外科手術用ファスナーが、約39℃〜約43℃の温度まで加熱される、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記外科手術用ファスナーが螺旋状の永続的形状に戻る、項目21に記載の方法。
(要約)
本開示は、外科手術において使用するための外科手術用ファスナーを提供する。この外科手術用ファスナーは、形状記憶ポリマーから作製され得、この外科手術用ファスナーは、インビボでその形状を変化させて、組織またはデバイス(例えば、ヘルニア修復において使用されるメッシュ)を組織に固定することを補助する。
(詳細な説明)
本開示は、形状記憶ポリマー材料から形成された外科手術用ファスナーを提供し、この外科手術用ファスナーは、インビボで、組織を接着するため、または外科手術用デバイス(ヘルニアメッシュが挙げられる)を組織に固定するために適切な形状を呈し得る。本開示のファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマー材料は、永続的形状および一時的形状を有する。ある実施形態において、この一時的形状は、外科医が外科手術用ファスナーを患者の身体に導入する能力を増強する構成のものである。この永続的形状(これは、熱(例えば、体温)の適用の際にインビボで呈される)は、組織内での外科手術用ファスナーの保持、および/またはメッシュなどのデバイスの組織への接着を増強する構成のものである。ある実施形態において、この外科手術用ファスナーは、組織への挿入を容易にする真っ直ぐな一時的形状、および組織を固定するため、またはデバイスを組織に固定するための永続的形状(これは、ある実施形態において、湾曲しているかまたは螺旋状であり得る)を有する。
ある実施形態において、この外科手術用ファスナーは、湾曲した一時的形状、およびこの一時的形状より大きい曲率を有する湾曲した永続的形状を有し得る。他の実施形態において、この外科手術用ファスナーは、湾曲した一時的形状および螺旋状の永続的形状を有し得る。いくつかの実施形態において、本開示の外科手術用ファスナーは、その表面上で、組織への挿入を可能にするが組織からの取り出しを可能にしない配向の棘を有し得る。本開示の外科手術用ファスナーは、組織への挿入を可能にするが組織からの取り出しに抵抗する、他の任意の形状または構成を有し得る。ある実施形態において、挿入を可能にする形状または構成は、一時的形状であり得、一方で、取り出しに抵抗する形状または構成は、永続的形状であり得る。
本開示の外科手術用ファスナーにおいて利用され得る適切な形状記憶ポリマー材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル(オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオールが挙げられる)、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、エーテル−エステルジオール(オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールが挙げられる)、カーボネート(トリメチレンカーボネートが挙げられる)、これらの組み合わせなどが挙げられる。ある実施形態において、この形状記憶ポリマーは、異なる熱特性を有する2つの成分のコポリマー(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレートとアクリル酸ブチルとのコポリマー(ポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)が挙げられる)、またはジオールエステルとエーテル−エステルジオールとのコポリマー(例えば、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー))であり得る。これらのマルチブロックオリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマーは、一緒に線状鎖に連結した2つのブロックセグメント(「ハード」セグメントおよび「スイッチング(switching)」セグメント)を有する。このような材料は、例えば、Lendlein,「Shape Memory Polymers−Biodegradable Sutures」,Materials World、第10巻、第7号、29−30頁(2002年7月)に開示されており、その全開示は、本明細書中に参考として援用される。
他の実施形態において、生体吸収性材料のブレンドが利用され得、これらのブレンドとしては、乳酸および/またはグリコール酸、そのホモポリマーもしくはコポリマーとブレンドされたウレタン、ならびにカプロラクトンとブレンドされたアクリレート(例えば、ポリカプロラクトンジメタクリレートポリ(アクリル酸ブチル)ブレンド)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
適切な形状記憶ポリマーの他の例、ならびにこのポリマーから永続的形状および一時的形状を形成するための手段は、Lendleinら、「Shape memory polymers as stimuli−sensitive implant materials」、Clinical Hemorheology and Microcirculation,32(2005)105−116、およびLendleinら、「Biodegradable,Elastic Shape memory Polymers for Potential Biomedical Applications」、Schience,第269巻(2002)1673−1676に記載されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
ある実施形態において、成形プロセスが、本開示の外科手術用ファスナーを製造するために利用され得る。プラスチック成形方法は、当業者の知識の範囲内であり、そして溶融成形、溶液成形などが挙げられるが、これらに限定されない。射出成形、押し出し成形、圧縮成形および他の方法もまた、溶融成形技術として使用され得る。一旦、適切な寸法および構成の鋳型内に配置されると、外科手術用ファスナーを形成するために使用されるポリマー材料は、適切な温度に加熱され得る。この温度は、永続温度(Tperm)と称され、これは、ある実施形態において、この外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマー材料の融点であり得る。外科手術用ファスナーの加熱は、永続的形状および寸法(その所望の曲率を含む)を得るために適切な温度(例えば、約40℃〜約180℃、ある実施形態において、約80℃〜約150℃が挙げられる)において、約10分間〜約60分間、ある実施形態において、約15分間〜約20分間の期間にわたり得る。
ある実施形態において、本開示のファスナーは、その一時的形状としてか、その永続的形状としてか、またはその両方として、螺旋構成を有し得る。他の実施形態において、このファスナーの各端部は、その永続的形状として螺旋状または湾曲した構成を呈し得、一方で、このファスナーの中間部分は、真っ直ぐな構成を保持し得る。
他の実施形態において、本開示の外科手術用ファスナーの各端部は、その永続的形状として、拡大された断面プロフィールを呈し得、一方で、このファスナーの中間部分は、真っ直ぐな構成、およびある実施形態においては、狭い構成を保持し得る。
所望の曲率を有する外科手術用ファスナーが形成された後に、この外科手術用ファスナーは、ある実施形態において真っ直ぐな一時的形状を得るために、変形温度で変形させられ得る。変形のための適切な温度は、利用される形状記憶ポリマーに依存して変動するが、一般に、このポリマーの転移温度(Ttrans)より高温であり得るが、Tpermより低温であり得る。ある実施形態において、この形状記憶ポリマーは、そのTpermから、より低いがTtransより高温である温度まで冷却され得、そして真っ直ぐな一時的形状に(ある実施形態においては手で)変形させられ得る。他の実施形態において、この外科手術用ファスナーは、真っ直ぐにされ得、そして室温(約20℃〜約25℃)まで冷却されて、その真っ直ぐな一時的形状を得ることができるが、この温度は、使用される特定のポリマーに依存して異なり得る。次いで、この外科手術用ファスナーは、このファスナーを形成するために利用される材料のTtransより低い温度まで冷却され得、この時点で、本開示の外科手術用ファスナーは、使用の準備ができている。Ttransは、通常、室温より高いので、ある実施形態において、室温までの冷却が、この一時的形状を形成するために充分であり得る。
この変形が達成され得る様式に対して特定の制限は存在しない。変形は、手で達成されても、所望の一時的な真っ直ぐな形状をこの外科手術用ファスナーに提供するために選択された適切なデバイスによって達成されても、いずれでもよい。
この外科手術用ファスナーの形状をその一時的形状に維持する目的で、本開示の形状記憶外科手術用ファスナーは、これらのポリマーの可塑的変形を引き起こさない温度で保存されるべきである。ある実施形態において、この形状記憶外科手術用ファスナーは、冷蔵庫で保存され得る。
このように調製された外科手術用ファスナーは、そのもとの記憶された湾曲した形状または螺旋状の形状を、加熱の際に回復する。この加熱は、患者の身体内への配置によるか、または所定の温度での外部熱の適用による。この所定の温度は、ある実施形態において、利用される形状記憶ポリマーのTtransより高い。本開示の外科手術用ファスナーは、生存身体内で利用されるので、体温(約37℃)での加熱が可能である。このような場合、形状記憶のための温度は、可能な限り低いべきである。ある実施形態において、永続的形状の回復は、組織への挿入の約1秒後〜約5秒後に起こり得る。
しかし、いくつかの実施形態において、この形状の回復を体温よりわずかに高い温度で起こす目的で、より高い形状記憶温度が望ましくあり得る。従って、いくつかの場合において、外科手術用ファスナーを変形状態から解放してもとの記憶された湾曲形状または螺旋状形状に回復させることは、加熱によって達成され得る。約30℃〜約50℃、ある実施形態において、約39℃〜約43℃の温度まで加熱すると、一時的な薄い形状が解放され得、そして記憶された永続的な湾曲形状または螺旋状形状が回復され得る。加熱のための温度がより高いほど、もとの記憶された形状の回復のための時間が短くなる。この加熱するための手段は、限定されない。加熱は、気体または液体の加熱媒体、加熱デバイス、超音波、電気的誘導などを使用することによって達成され得る。もちろん、生存身体が関与する用途においては、火傷を引き起こさない加熱温度を利用するように注意が払われなければならない。液体加熱媒体の例としては、生理食塩水溶液、アルコール、これらの組み合わせなどが挙げられる。
同様に、他の実施形態において、電気的に活性なポリマー(電気活性ポリマーとしてもまた公知であり、電気の印加の際にその構成を変化させ得る)が、身体内にカニューレを固定するための繋留手段を形作るために利用され得る。電気活性ポリマーの適切な例としては、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)など、または上記電気活性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。上記電気活性ポリマーのブレンド、コポリマーまたは複合材料もまた使用され得る。
形状記憶材料がエネルギー(例えば、熱)の付与の際に起こし得る形状変化と同様に、ある実施形態において、電気活性ポリマーは、低電圧電源(例えば、バッテリ)からの電気の印加の際に形状変化を起こし得る。このような変化を引き起こすために印加され得る電気の適切な量は、利用される電気活性ポリマーと共に変動するが、約5ボルト〜約30ボルト、ある実施形態において、約10ボルト〜約20ボルトであり得る。電気の印加は、電気活性ポリマーから構築されたファスナーの、固定用構成への形状変化を生じる。
電気活性ポリマーは、形状記憶ポリマーに関して上に記載された永続的形状および一時的形状と同じ永続的形状および一時的形状を有さないが、本明細書中で使用される場合、用語「永続的形状」とは、電気活性ポリマーに適用される場合、ある実施形態において、電気の印加の際にこの電気活性ポリマーが呈する形状を意味し、そして用語「一時的形状」とは、電気活性ポリマーに適用される場合、ある実施形態において、電気の非存在下でこの電気活性ポリマーが呈する形状を意味する。
ある実施形態において、形状記憶ポリマー材料から作製される本開示の外科手術用ファスナーは、生体吸収性であり得る。吸収に要する時間は、この外科手術用ファスナーの組成、その形状などに依存して、移植後約5日間〜約2年間、ある実施形態において、移植後約1週間〜約3ヶ月で変動し得る。
外科手術手順の間に本開示のファスナーを組織に導入するための機構は、公知のファスナー導入器と類似である。本開示のファスナーは、組織および/または医療デバイス(メッシュが挙げられる)に、当業者の知識の範囲内である任意の手段(手による手段、または従来の機械的デバイスによる手段が挙げられる)によって導入され得る。ある実施形態において、米国特許出願公開第2003/0236534(その全開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示される装置と類似の装置が、本開示のファスナーを生体内に導入するために利用され得る。
組織、またはメッシュなどのデバイスを組織に固定する方法もまた開示される。この方法は、本開示のファスナーを提供する工程を包含する。このファスナーは、当業者の知識の範囲内である任意の方法または手段を利用して、組織に挿入され得る。ある実施形態において、ファスナーは、内視鏡または腹腔鏡によって、メッシュを通して組織に挿入され得、そしてある実施形態においては体温により加熱され、他の実施形態においては外部熱によって加熱されて、この際に、このファスナーはその永続的な螺旋状形状に回復し、そして組織を一緒に接着させ得るか、またはメッシュなどのデバイスを組織に接着させ得る。他の実施形態において、このファスナーが電気活性ポリマーから作製される場合、このファスナーの固定用構成は、電気の印加の際に呈され得る。組織を接着するため、またはメッシュなどのデバイスを組織に固定するために必要な外科手術用器具の数は、修復されるべき創傷または欠損部(例えば、ヘルニア)の構成および長さに依存して変動する。
例えば、図1に図示されるように、外科手術用ファスナー10は、一般に、細長シャフト20を備える。図1は、本開示の外科手術用ファスナーの、使用前の真っ直ぐな一時的形状での図示である。外科手術用ファスナー10は、上記のように、形状記憶ポリマー材料から形成され得る。シャフト20は、尖端を有する遠位端30、および平滑端であり得る近位端40を有する。他の実施形態において、近位端40もまた尖り得る(図示せず)。
図2に図示されるように、一旦、体温によってかまたは外部熱の適用によってかのいずれかで加熱されると、外科手術用ファスナー10は、その永続的形状(ある実施形態において、遠位端30が丸まって螺旋状突出部50を形成し、そして近位端40が同様に丸まって螺旋状突出部60を形成している、線状シャフト20)を呈する。螺旋状突出部50および60の形成は、外科手術用ファスナー10を組織に繋留することを補助する。
本開示のファスナーの使用が、ここで図3および図4を参照しながら記載される。使用前に、外科手術用ファスナー10は、図1に図示されるような一時的な真っ直ぐな構成である。図3に図示されるように、外科手術用ファスナー10の尖った遠位端30は、ヘルニアを修復するために利用され得るメッシュ70の細孔または類似の開口部を通して進められ得るか、またはある実施形態においては、メッシュ70を穿刺し得る。次いで、外科手術用ファスナー10の遠位端30は、組織80を通して進められ得、その結果、外科手術用ファスナー10の遠位端30および近位端40は、メッシュ70と組織80との組み合わせの反対側にくる。
次いで、患者の熱、または外部供給源からの熱の適用が使用されて、外科手術用ファスナー10を加熱し得、これによって、この外科手術用ファスナーは、その湾曲しているかまたは螺旋状の、永続的形状を回復する。ある実施形態において、体温(約37℃)は、この外科手術用ファスナーがその湾曲しているかまたは螺旋状の永続的形状に戻るために充分であり得る。他の実施形態において、ある実施形態においては約39℃〜約43℃(ヒトの体温よりわずかに高温)の熱が、この外科手術用ファスナーに適用されて、形状記憶ポリマーがその永続的形状に戻ることを増強し得る。他の実施形態において、このファスナーが電気活性ポリマーから作製される場合、電気の印加が、このファスナーにその永続的な固定用形状を回復させ得る。
図4に図示されるように、熱の適用の際に、遠位端30が丸まって螺旋状突出部50を形成し、そして近位端40が同様に丸まって、螺旋状突出部60を形成する。螺旋状突出部50は、メッシュ/組織の組み合わせの組織側に残り、一方で、螺旋状突出部60は、メッシュ/組織の組み合わせのメッシュ側に残り、これによって、螺旋状突出部50および螺旋状突出部60は、メッシュ70を組織80に取り付ける。上記のように、メッシュを組織に固定するために必要な外科手術用ファスナーの数は、修復されるべき創傷または欠損部(例えば、ヘルニア)の構成および長さに依存して変動する。
これらの図は、メッシュを組織に取り付けるための螺旋状構成を呈する外科手術用ファスナーを図示するが、外科手術用ファスナーは、代替の構成を呈し得、これによって、メッシュまたは類似のデバイスを組織に固定し、そして組織を組織に固定することが、当業者に容易に明らかになる。このような構成としては、例えば、環状または円形の構成、渦巻きまたはコルク栓抜きの構成、屈曲した構成などが挙げられる。ある実施形態において、この構成は、組織またはメッシュもしくは類似のデバイスを組織に固定する任意の永続的形状を含み得る。いくつかの実施形態において、端部において大きい断面を有する永続的形状で充分であり得る。
さらに、これらの図は、組織およびこの組織に隣接するデバイスを1回通過する外科手術用ファスナーを図示するが、ある実施形態において、外科手術用ファスナーは、この外科手術用ファスナーがその一時的形状からその永続的形状に回復する際に、メッシュおよび組織を複数回通過し得る。この実施形態において、外科手術用ファスナー10の近位端40が、遠位端30について図示されるものと類似の尖端を有することが有利であり得る。この実施形態において、図3および図4に関して上に記載された用途と同様に、このファスナーの遠位端は、メッシュおよび組織を通過する。熱がこの外科手術用ファスナーにインビボで適用され、そして遠位端30が丸まってその螺旋状形状を呈する際に、この遠位端は、この組織およびメッシュを、2回目として異なる位置で通過し得、次いで、このメッシュおよび組織を3回目として(ある実施形態においては、さらに多くの回数)再度通過し得、その結果、形成されて得られる螺旋は、メッシュ/組織の組み合わせのメッシュ側に一部を有し、そしてこのメッシュ/組織の組み合わせの組織側に一部を有する。同様に、必要ではないが、近位端40が同様に尖っている場合、加熱の際に、近位端40が丸まってその螺旋状形状を呈する際に、この近位端は、このメッシュおよび組織を、遠位端30がメッシュおよび組織を通過する位置とは異なる位置で通過し得、次いで、近位端40は、この組織およびメッシュを2回目として再度通過し得、その結果、形成される螺旋は、メッシュ/組織の組み合わせのメッシュ側に一部を有し、そしてこのメッシュ/組織の組み合わせの組織側に一部を有する。
ある実施形態において、任意の成分(医療薬剤が挙げられる)を、本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに追加することが望ましくあり得る。用語「医療薬剤」とは、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして臨床用途を有する任意の物質または物質の混合物が挙げられる。逆に、医療薬剤は、それ自体で薬理学的活性を有しても有さなくてもよい(例えば、色素)。あるいは、医療薬剤は、治療効果または予防効果を提供する任意の薬剤(組織の成長、細胞の成長、細胞分化に影響を与えるかまたは関与する化合物、生物学的作用(例えば、免疫応答)を引き起こし得る化合物、あるいは1つ以上の生物学的プロセスにおいて他の任意の役割を果たし得る化合物)であり得る。
本開示に従って利用され得る医療薬剤のクラスの例としては、抗菌剤;鎮痛薬;解熱薬;麻酔薬;鎮痙薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);心臓血管薬剤(例えば、冠状血管拡張薬およびニトログリセリン);診断剤;交感神経様作用剤;コリン様作用剤;抗ムスカリン剤;抗痙攣薬;出血を止めるかまたは防止するための止血剤;筋弛緩薬;アドレナリン作用性ニューロン遮断薬;抗腫瘍剤;免疫原性剤;免疫抑制薬;胃腸薬;利尿薬;ステロイド;脂質;リポ多糖類;多糖類;および酵素が挙げられる。医療薬剤の組み合わせが使用され得ることもまた意図される。
本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに含まれ得る他の医療薬剤としては、局所麻酔薬;非ステロイド性抗受精剤;副交感神経様作用剤;精神療法剤;トランキライザ;鎮静催眠薬;スルホンアミド;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;抗パーキンソン剤(例えば、L−ドパ);鎮痙薬;抗コリン作用性剤(例えば、オキシブチニン);気管支拡張薬;アルカロイド;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルヒネなど);非麻酔薬(例えば、サリチレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなど);オピオイドレセプターアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗凝固薬;鎮痙薬;抗うつ薬;制吐薬;プロスタグランジンおよび細胞傷害性薬剤;エストロゲン;抗生物質;抗真菌剤;抗ウイルス剤;および免疫学的薬剤が挙げられる。
本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに医療薬剤として含まれ得る適切な抗菌剤としては、トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしてもまた公知)、クロルヘキシジンおよびその塩(酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、および硫酸クロルヘキシジンが挙げられる)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、およびスルファジアジン銀が挙げられる)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシンおよびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル(pipracil))、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、抗菌タンパク質および抗菌ペプチド(例えば、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリンB)もまた、本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに、医療薬剤として含まれ得る。
使用され得る止血物質の例としては、フィブリンベースの局所止血物質、コラーゲンベースの局所止血物質、酸化再生セルロースベースの局所止血物質、およびゼラチンベースの局所止血物質が挙げられる。市販の止血物質の例としては、商標COSTASISTMのもとでTyco Healthcare Group,LPによって販売されているフィブリノーゲン−トロンビン組み合わせ物質、およびBaxter International,Inc.によって販売されているTISSEELTMが挙げられる。本明細書中の止血物質はまた、収斂剤(例えば、硫酸アルミニウム)および凝固剤を含む。
本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに含まれ得る適切な医療薬剤の他の例としては、ウイルスおよび細胞、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、アナログ、ムテイン、ならびにその活性フラグメント(例えば、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン))、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN)、エリスロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗癌剤、抗腫瘍剤、および癌抑制因子、血液タンパク質、性腺刺激ホルモン(例えば、FSH、LH、CGなど)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原およびウイルス抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;増殖因子または成長因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト;核酸(例えば、アンチセンス分子、DNAおよびRNA);オリゴヌクレオチド;ならびにリボザイムが挙げられる。
単一の医療薬剤が、本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーと共に利用され得るか、または代替の実施形態において、医療薬剤の任意の組み合わせが、本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーと共に利用され得る。
医療薬剤は、本開示の外科手術用ファスナーの表面に配置され得るか、または本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに含浸され得るかもしくは組み合わせられ得る。
さらに、本開示のファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーが生体吸収性である場合、酵素が、本開示の外科手術用ファスナーを形成するために利用される形状記憶ポリマーに添加されて、これらの外科手術用ファスナーの分解速度を増加させ得る。適切な酵素としては、例えば、ペプチドヒドロラーゼ(例えば、エラスターゼ、カテプシンG、カテプシンE、カテプシンB、カテプシンH、カテプシンL、トリプシン、ペプシン、キモトリプシン、γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP)など);糖鎖ヒドロラーゼ(例えば、ホスホリラーゼ、ノイラミニダーゼ、デキストラナーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、オリゴサッカラーゼなど);オリゴヌクレオチドヒドロラーゼ(例えば、アルカリホスファターゼ、エンドリボヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼなど)が挙げられる。いくつかの実施形態において、酵素が添加される場合、この酵素は、その放出速度を制御するために、リポソームまたは微小球に含まれ得、これによって、本開示の外科手術用ファスナーの分解速度を制御する。酵素をリポソームおよび/または微小球に組み込むための方法は、当業者の知識の範囲内である。
上記説明は、多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、単に、本開示の実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲により規定される本開示の範囲および趣旨内で、他の多くの可能性を予測する。
図1は、形状記憶ポリマーから作製された本開示の外科手術用ファスナーの、その一時的形状での図示である。 図2は、形状記憶ポリマーから作製された本開示の外科手術用ファスナーの、その永続的形状での図示である。 図3は、本開示の外科手術用ファスナーの、メッシュおよび組織を通過した後の、その一時的形状での図示である。 図4は、本開示の外科手術用ファスナーの、メッシュを組織に固定するその永続的形状での図示である。

Claims (20)

  1. 外科手術用ファスナーであって、該外科手術用ファスナーは、形状記憶ポリマー材料から形成された、尖った遠位端および近位端を有する細長シャフトを備え、該外科手術用ファスナーは、該外科手術用ファスナーを組織に挿入することを可能にする一時的形状、および該外科手術用ファスナーを組織および任意の医療デバイスに固定し得る永続的形状を有する、外科手術用ファスナー。
  2. 前記形状記憶ポリマーが、ポリウレタン、ポリ(スチレン−ブタジエン)ブロックコポリマー、ポリノルボルネン、カプロラクトン、ジオキサノン、ジオールエステル、エーテル−エステルジオール、カーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  3. 前記形状記憶ポリマーが、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、オリゴ(p−ジオキサノン)ジオール、トリメチレンカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  4. 前記形状記憶ポリマーが、ポリ(スチレン−ブタジエン)コポリマー、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジオール/オリゴ(p−ジオキサノン)ジオールコポリマー、およびポリ(ε−カプロラクトン)ジメタクリレート−ポリ(アクリル酸n−ブチル)コポリマーからなる群より選択される、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  5. 前記形状記憶ポリマーが、ウレタン、乳酸、グリコール酸、アクリレート、カプロラクトン、これらのホモポリマー、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料のブレンドを含有する、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  6. 前記形状記憶ポリマーが、約30℃〜約50℃の温度で形状変化を起こす、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  7. 前記形状記憶ポリマーが、電気の印加の際に形状変化を起こす、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  8. 前記形状記憶ポリマーが、ポリ(アニリン)、置換ポリ(アニリン)、ポリカルバゾール、置換ポリカルバゾール、ポリインドール、ポリ(ピロール)、置換ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、置換ポリ(チオフェン)、ポリ(アセチレン)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(エチレンジオキシピロール)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の外科手術用ファスナー。
  9. 前記近位端が尖っており、そして前記外科手術用ファスナーの前記一時的形状が真っ直ぐである、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  10. 前記形状記憶ポリマーが生体吸収性である、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  11. 前記形状記憶ポリマーが、移植後約5日間〜約2年間の期間にわたって吸収される、請求項10に記載の外科手術用ファスナー。
  12. 前記形状記憶ポリマーが、移植後約1週間〜約3ヶ月の期間にわたって吸収される、請求項10に記載の外科手術用ファスナー。
  13. 前記形状記憶ポリマーが、湾曲した形状を含む永続的形状を有する、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  14. 前記形状記憶ポリマーが、螺旋形状を含む永続的形状を有する、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  15. 前記任意の医療デバイスが、外科手術用メッシュを備える、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  16. 前記外科手術用ファスナーが、医療薬剤をさらに含有する、請求項1に記載の外科手術用ファスナー。
  17. 外科手術用メッシュを組織に固定するためのシステムであって、
    外科手術用メッシュおよび組織を通して進められるように構成された、請求項1に記載のファスナー;ならびに
    該外科手術用ファスナーを加熱するための手段、
    を備え、該外科手術用ファスナーがその永続的形状に戻り、これによって該外科手術用メッシュを組織に固定する、システム。
  18. 前記加熱するための手段が、前記外科手術用ファスナーを約30℃〜約50℃の温度まで加熱する、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記加熱するための手段が、前記外科手術用ファスナーを約39℃〜約43℃の温度まで加熱する、請求項17に記載のシステム。
  20. 前記外科手術用ファスナーが、螺旋状の永続的形状に戻る、請求項17に記載のシステム。
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