JP2009062570A - 高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液から分散媒の一部を遠心分離により除去して金属ナノ粒子の濃度を増加させる。金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンより選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなり、遠心分離する以前に金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加する。遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に純水を添加し、その後再び遠心分離を行って純水とともに分散媒の一部を更に除去することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明の別の目的は、分散媒の一部を除去する遠心力を低減させるにも係わらず金属ナノ粒子の濃度が高い分散液を比較的高い収率で回収し得る高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法を提供することにある。
その特徴ある点は、金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンからなる群より選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなり、遠心分離する以前に金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加することを特徴とする。
この請求項2に記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、遠心分離後の金属ナノ粒子濃縮液に純水を加えて、沈降物を再度溶媒中に分散させることで、その分散液中に存在する保護剤、還元剤、雑イオン等の濃度を低減させることができる。これを再び遠心分離することにより、低い遠心力で、金属ナノ粒子の合成時に溶媒中に含まれる保護剤、還元剤、雑イオンを取り除き、分散媒の一部を除去する遠心力を低減させるにも係わらず金属ナノ粒子の濃度が高い分散液を比較的高い収率で回収することが可能になる。
請求項4に係る発明は、分散性低下剤が、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩であることを特徴とする。
この請求項3及び4に記載された高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法では、塩濃度が増加するか或いはpHが調整されるため、金属ナノ粒子分散液における金属ナノ粒子の分散安定性を確実に低下させることができる。
また、この請求項3及び4に記載された分散性低下剤は、焼成の際に揮発もしくは分解し易いものであり、長期安定性や導電材料として使用した際の焼結性などに影響を与えることはない。
なお、この明細書において「純水」とは、不純物及びイオン成分を除去した水を意味するものとする。このため、この「純水」には、濾過や蒸留により不純物を除去した「精製水」、イオン交換樹脂等で脱イオンした「脱イオン水」、蒸留により不純物を除去した「蒸留水」の何れも含まれるものとする。
一方、分散性低下剤は高濃度金属ナノ粒子分散液中に残存することもあり得るけれども、その分散性低下剤が、塩酸、硝酸、アンモニア、アミン類及びこれらを用いた塩のいずれかである、或いは分散性低下剤が、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩であれば、焼成の際に揮発もしくは分解し易いものであるため、長期安定性や導電材料として使用した際の焼結性などに与える影響を減少させることができる。
図1に示すように、本発明の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液からその分散媒の一部を遠心分離により除去して金属ナノ粒子の濃度を増加させるものである。金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液は、金属塩溶液における金属を還元することにより得られる。金属塩溶液は、金属化合物を溶媒に溶解させたものであって、金属化合物を溶媒に溶解することにより金属イオンを生じ、上記金属イオンが還元されて金属ナノ粒子が供給されるものである。上記金属ナノ粒子となる金属は、銀であることが好ましい。又は金属ナノ粒子となる金属は、75重量%以上の銀と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンより選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなるものである。
<比較例1>
Ag100wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。また、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が26重量%のクエン酸ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸ナトリウム水溶液に、35℃に保持された窒素ガス気流中で粒状の硫酸第1鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第1鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。
Agが95wt%であってCuが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Cu5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。この分散液を1000Gで10分間の遠心分離を行って分散媒の一部を除去し、金属ナノ粒子の濃度を増加させた高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を比較例2とした。
硫酸銀と塩化金酸の混合水溶媒をAg:Au=75:25になるよう調製して沸騰させ、これにクエン酸三ナトリウム水溶媒を加えて激しく撹拌しながら10分間還流させて金属ナノ粒子を合成した。その後これを室温にまで冷却てpH3を示す金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。この分散液を1000Gで10分間の遠心分離を行って分散媒の一部を除去し、金属ナノ粒子の濃度を増加させた高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を比較例3とした。
比較例1と同一の条件及び手順により比較例1と同一の金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である10モル濃度硝酸水溶媒を滴下して分散液をpH4に調製した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例1とした。
比較例2と同一の条件及び手順により比較例2と同一の金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銅水溶液を10mL滴下した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例2とした。
Agが75wt%であってPdが25wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Pd25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である10モル濃度硝酸水溶媒を滴下して分散液をpH4に調製した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例3とした。
Agが99.5wt%であってRuが0.5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99.5wt%、Ru0.5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のクエン酸3アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例4とした。
Agが99wt%であってNiが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を溶媒に溶解して金属塩水溶液を調製した。溶媒は50重量%の脱イオン水と50重量%のエタノールの混合液を用いた。これらのことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Ni1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に上記溶媒を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例5とした。
Agが99wt%であってCuが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Cu1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銅水溶液を5mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例6とした。
Agが99wt%であってSnが1wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99wt%、Sn1wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸銀水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例7とした。
Agが99.5wt%であってInが0.5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag99.5wt%、In0.5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の硝酸インジウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例8とした。
Agが95wt%であってZnが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Zn5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.02重量%の硝酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例9とした。
Agが95wt%であってFeが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Fe5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%の酢酸クロム水溶液を10mL滴下した。その後、800Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例10とした。
Agが95wt%であってCrが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Cr5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のギ酸アンモニウム水溶液を10mL滴下した。その後、500Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例11とした。
Agが95wt%であってMnが5wt%の金属ナノ粒子を形成する金属塩を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。このことを除き、比較例1と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag95wt%、Mn5wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離した後上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である0.1重量%のジメチルアミン塩酸塩水溶液を10mL滴下した。その後、1000Gで1分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例12とした。
比較例3と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤であるアンモニア水を滴下して分散液をpH8調製した。その後、800Gで10分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例13とした。
比較例3と同一の条件及び手順により金属ナノ粒子が分散した金属ナノ粒子分散液を得た。
得られた金属ナノ粒子分散液(Ag75wt%、Au25wt%)1000mLに対し、遠心分離機を用いて、500Gで1分間遠心分離した。これによって濃縮液と上澄みに分離したその上澄みを分離し、濃縮液に脱イオン水を100mL加え、スパチュラで撹拌して均一な金属ナノ粒子分散液を得た。
この分散液に対し、分散性低下剤である水酸化ナトリウム水を滴下して分散液をpH8調製した。その後、800Gで10分間遠心分離し、上澄みを分離した。この操作を二回繰り返して高濃度金属ナノ粒子分散液を得た。このようにして得られた高濃度金属ナノ粒子分散液を実施例14とした。
比較例1及び2並びに実施例1〜12におけるそれぞれの高濃度金属ナノ粒子分散液における金属ナノ粒子の回収率を分取した液について、含有する金属ナノ粒子を酸等で溶解し、更に誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES法)で、金属濃度を測定することにより評価した。この試験条件及び結果を表1に示す。
一方、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加する実施例1〜13においては、遠心分離における遠心力が1000G以下であるにも拘わらず、金属の回収率が高い値を示していることが判る。これは、遠心分離する以前に分散性低下剤を金属ナノ粒子分散液に添加するので、金属ナノ粒子の分散安定性が低下して低い遠心力で金属ナノ粒子を遠心沈降させることが可能となったことによるものと考えられる。
Claims (5)
- 金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液から前記分散媒の一部を遠心分離により除去して前記金属ナノ粒子の濃度を増加させる高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法において、
金属ナノ粒子が、100重量%の銀ナノ粒子、或いは75重量%以上の銀ナノ粒子と残部が、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム及びマンガンからなる群より選ばれた1種の粒子又は2種以上の混合組成若しくは合金組成からなり、
遠心分離する以前に前記金属ナノ粒子の分散性を低下させる分散性低下剤を前記金属ナノ粒子分散液に添加する
ことを特徴とする高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。 - 遠心分離により分散媒の一部が除去された後の金属ナノ粒子分散液に純水を添加し、その後再び遠心分離を行って前記純水とともに前記分散媒の一部を更に除去する請求項1記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。
- 分散性低下剤が、塩酸、硝酸、アンモニア、アミン類及びこれらを用いた塩のいずれかである請求項1又は2記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。
- 分散性低下剤が、金属ナノ粒子を構成する元素と同一の金属元素を含む塩である請求項1又は2記載の高濃度金属ナノ粒子分散液の製造方法。
- 請求項1ないし4いずれか1項に記載の製造方法によって得られた高濃度金属ナノ粒子分散液。
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