JP2009051137A - 光拡散性ポリカーボネート樹脂板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート樹脂の透明性を損なうことなく、優れた初期着色性、耐光性、機械的強度、光拡散性および輝度を有しており、高度な光学的性能を必要とする用途、とりわけ液晶表示装置用バックライトなどに使用される光拡散板に好適に用いられ、実用上の利用価値の極めて高い光拡散性ポリカーボネート樹脂板を提供する。
【解決手段】特定のシリコンゴム粒子から成る光拡散剤を必須成分として、さらに所望によってはポリカプロラクトンを含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる基材の少なくとも片面に、特定の紫外線吸収剤を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる表層を共押出成形してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂板を提供するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の光拡散剤および所望によってはポリカプロラクトンを含有するポリカーボネート樹脂からなる基材に、特定構造の紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート樹脂層を表層として共押出成形することにより、光拡散性、輝度、機械的強度、初期着色性および耐光性を向上させた光拡散性ポリカーボネート樹脂板に関する。
ポリカーボネート樹脂は、高い光線透過率を有する樹脂として幅広い用途に使用されている。例えばスカイドーム、トップライト、アーケード、マンションの腰板、道路側壁板の建築分野にも多量に使用されている。これらの用途の多くは乳白色の光拡散板であり、ポリカーボネート樹脂に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化チタン等の光拡散剤を混合する方法(特許文献1)、微粒子を分散させる方法(特許文献2)等が提案されている。
この様な光拡散性ポリカーボネート樹脂板は、液晶ディスプレイ用のエッジライト方式もしくは直下型バックライト方式の面光源体やスキャナーの面光源体に用いられており、高度な光拡散性と輝度が求められている。
本願発明の出願人は、より高度な光拡散性と輝度を得るために、透明な熱可塑性樹脂に光拡散剤およびポリカプロラクトンを配合してなる組成物(特許文献3)を提案した。
一方、ポリカーボネート樹脂は耐光性に優れるものの、光拡散性ポリカーボネート樹脂板の場合、前述のとおり面光源体に使用されることから光源である冷陰極管等の光線の暴露に起因する変色の問題があり、更なる耐光性の向上が求められていた。
ポリカーボネート樹脂に耐光性を付与することを目的として、従来から種々の紫外線吸収剤を用いて耐光性を付与する方法(特許文献4、5)が検討されてきた。しかしながら、ポリカーボネート樹脂の成形温度は240〜380℃と比較的高く、従来の紫外線吸収剤では熱分解温度が低いことなどから、成形加工の際に紫外線吸収剤の一部が蒸散し、ポリカーボネート樹脂の色相の黄変や外観不良をもたらすといった問題点があった。
さらに、光拡散板においては光拡散性と輝度に優れるのみならず、特に大型の液晶テレビの直下型バックライトユニット用光拡散板においては、当該ユニット自体の薄型化やコストダウンなどの要求から光拡散板の厚み低減が必要とされており、それに耐えうる機械的強度をも有する光拡散板が求められていた。
特公昭57−24186号公報 特開平05−257002号公報 特公昭57−24186号公報 特開2002−105271号公報 特開2005−3959号公報
本発明は、面光源体に組み込まれた際に高度な光拡散性、輝度が得られるのみならず、優れた初期着色性、耐光性および機械的強度を有する光拡散性ポリカーボネート樹脂板を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の光拡散剤および所望によってはポリカプロラクトンを含有するポリカーボネート樹脂からなる基材の少なくとも片面に、特定構造の紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート樹脂層を表層として共押出成形することで、優れた初期着色性、耐光性および機械的強度を有する光拡散性ポリカーボネート樹脂板を得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、光拡散剤および所望によってはポリカプロラクトンを必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる基材の少なくとも片面に、紫外線吸収剤を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる表層を共押出成形してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂板において、
・前記光拡散剤が、二官能シロキサン単位および三官能シロキサン単位からなる骨格と表面にアルキル基とを有し、その平均粒子径が0.5〜10μmであるシリコーンゴム粒子であり、かつ
・前記光拡散剤の含有量が、基材に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜1.5重量部であり、かつ
・前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)に表される化合物であり、かつ
・前記紫外線吸収剤の含有量が、表層に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.01〜0.8重量部である、
ことを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂板を提供するものである。
一般式(1)
Figure 2009051137
(一般式(1)において、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂板は、ポリカーボネート樹脂の透明性を損なうことなく、優れた初期着色性、耐光性、機械的強度、光拡散性および輝度を有している。そのため、高度な光学的性能を必要とする用途、とりわけ液晶表示装置用バックライトなどに使用される光拡散板に好適に用いられ、実用上の利用価値は極めて高い。
本発明の基材および表層に使用されるポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
表層または基材に使用されるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される光拡散剤とは、下記一般式(3)で示される二官能シロキサン単位および下記一般式(4)で示される三官能シロキサン単位の骨格からなり、さらにアルキル基が粒子の表面に存在しているシリコーンゴム粒子である。
一般式(3)
Figure 2009051137
一般式(4)
Figure 2009051137
上記一般式(3)および一般式(4)において、R、RおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよいアルキル基を示す。
本発明のシリコーンゴム粒子を構成する骨格の内、二官能シロキサン単位の比率は30〜95重量%が好ましく、より好ましくは40〜70重量%の範囲である。二官能シロキサン単位の比率が大きくなる程、シリコーンゴムのガラス転移温度(Tg)が低くなり、屈折率が低くなる。
また、三官能シロキサン単位は、シリコーンゴム粒子を構成するシロキサン単位の5〜70重量%が好ましく、より好ましくは30〜60重量%の範囲である。三官能シロキサン単位は、シリコーンゴムを架橋構造にするために用いられ、これにより屈折率を高めることが可能である。
本発明のシリコーンゴム粒子は、公知の方法で作ることができる。まずその骨格は、例えば、「有機ケイ素ポリマーの合成と応用」(1989年11月30日株式会社シーエムシー発行)に記載のごとく、二官能性と三官能性のクロロシランまたはアルコキシシランの共加水分解、共縮合による方法がある。この際用いるクロロシランまたはアルコキシシランのSiに直接結合しているアルキル基を選択することにより、R、R、Rを決めることができる。なかでも、炭素数1〜6のアルキル基、とりわけメチル基が好適である。
二官能シロキサン単位と三官能シロキサン単位の量比は、所望のシリコーンゴム粒子のTg、屈折率で選択すればよい。なお、シリコーンゴム粒子のTgは、−50〜−200℃が適している。屈折率は、1.39〜1.46のものが適している。
本発明のシリコーンゴム粒子の平均粒子径は、0.5〜10μmである。平均粒子径が0.5μm未満の場合は十分な光拡散性を示すことができず好ましくない。また、10μmを超えると透過光が減少するので好ましくない。好ましくは、2〜4μmの範囲である。
かかるシリコーンゴム粒子は市販品として、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の「トレフィルE−600」や「トレフィルE−606」が挙げられる。
本発明のシリコーンゴム粒子の配合量は、基材のポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜1.5重量部が好適である。配合量が0.1重量部未満であると十分な光拡散効果が得られず好ましくない。一方、1.5重量部を超えると光の透過性が損なわれ、十分な光拡散性能と輝度が得られなくなる場合がある。より好ましくは、0.5〜1.2重量部の範囲である。
本発明にて使用される紫外線吸収剤は、下記一般式(1)に示される化合物である。
一般式(1)
Figure 2009051137
(一般式(1)において、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
上記一般式(1)に示される化合物の具体例としては、オキサニリド骨格中の2つの窒素原子に対して、アルキル基で置換されたアリール基及びアルコキシ基で置換されたアリール基を対称的に置換した構造を有する化合物が挙げられ、とりわけ下記一般式(2)で示される化合物が好適に用いられる。
一般式(2)
Figure 2009051137
該紫外線吸収剤は市販品として容易に入手可能で、クラリアントジャパン社製Sanduvor VSUなどが挙げられる。
本発明にて使用される紫外線吸収剤の配合量は、表層のポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.01〜0.8重量部である。配合量が0.01重量部未満であると充分な耐光性が得られないため好ましくない。一方、0.8重量部を超えると初期着色性が劣るため好ましくない。より好ましくは0.1〜0.6重量部の範囲である。
本発明にて使用されるポリカプロラクトンは、ε−カプロラクトンを触媒存在下で開環重合して製造されるポリマーであり、とりわけ2−オキセパノンのホモポリマーが好適に用いられる。該ポリマーは市販品として容易に入手可能で、ダウ・ケミカル社製トーンポリマー、ソルベイ社製CAPAなどが用いられる。ポリカプロラクトンの粘度平均分子量としては、10000〜100000のものが好適で、さらに好ましくは40000〜90000である。
さらに、ポリカプロラクトンには、ε−カプロラクトンを開環重合させる際に、1,4−ブタンジオールなどと共存させて変性したものや分子末端をエーテルあるいはエステル基などで置換した変性ポリカプロラクトンも含まれる。
ポリカプロラクトンの配合量は、基材のポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜7重量部である。配合量が0.1重量部未満であると、光拡散効果が得られず、十分な輝度が得られないため好ましくない。一方、7重量部を越えると、十分な機械的強度が得られず好ましくない。より好ましい組成比率としては、0.3〜5重量部である。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂板において、実用上、光拡散性以外に要求される性能により、公知の各種添加剤、ポリマーなどを必要に応じて基材および/または表層に、添加することができる。例えば、長期間、光に暴露された際の樹脂成形品の変色を抑制するために、ヒンダードアミン系の耐光安定剤を、さらに、鮮やかな色調を得るために、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤およびこれらを併用して添加してもよい。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂板には、上記以外の公知の添加剤、例えばフェノール系またはリン系熱安定剤[2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4′−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)等]、滑剤[パラフィンワックス、n−ブチルステアレート、合成蜜蝋、天然蜜蝋、グリセリンモノエステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、ペンタエリスリトールテトラステアレート等]、着色剤[例えば染料]、充填剤[炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、ガラスフレーク、カーボン繊維、タルク、マイカ、各種ウィスカー類等]、流動性改良剤、展着剤[エポキシ化大豆油、流動パラフィン等]、さらには他の熱可塑性樹脂や各種耐衝撃改良剤(ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、エチレン・プロピレン系ゴム等のゴムに、メタアクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の化合物をグラフト重合してなるゴム強化樹脂等が例示される。)を必要に応じて添加することができる。
本発明における実施の形態および順序を以下に示す。
光拡散剤、所望によってはポリカプロラクトン、および基材に使用するポリカーボネート樹脂を、任意の配合量で計量し、タンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等により一括混合した後、混合物を通常の一軸または二軸押出機を用いて溶融混練しペレット化させる方法、あるいは、各々の成分を別々に計量し、複数の供給装置から押出機内へ投入し溶融混合する方法、さらには、ポリカーボネート樹脂に対して、光拡散剤を高濃度に配合し、一旦溶融混合してペレット化しマスターバッチとした後、当該マスターバッチとポリカーボネート樹脂を、所望の比率により混合することもできる。
そして、これらの成分を溶融混合する際の、押出機に投入する位置、押出温度、スクリュー回転数、供給量など、状況に応じて任意の条件が選択され、ペレット化することができる。これにより、基材用のペレットが得られる。
また、紫外線吸収剤と、表層に使用するポリカーボネート樹脂とを、任意の配合量で計量し、上記と同様の方法を用いて表層用のペレットを得ることができる。
これにより得られた基材用、表層用のペレットをそれぞれ、2から3基の一軸又は二軸押出機で溶融混錬した後、共押出用ダイの基材フィードブロック及び表層フィードブロックにそれぞれ供給し積層シートを得る。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
使用した原材料は以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製 カリバー200−13
(粘度平均分子量:21500、以下PCと略記)
ポリカプロラクトン
ソルベイ社製 CAPA6500C
(粘度平均分子量:50000、以下PCLと略記)
シリコーンゴム粒子:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルE−606
(ジメチルポリシロキサン、平均粒子径3μm、以下LD−1と略記)
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルE−601
(エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、平均粒子径3μm、以下LD−2と略記)
紫外線吸収剤:
クラリアントジャパン社製 Sanduvor VSU
N−(2−エチルフェニル)−N´−(2−エトキシフェニル)シュウ酸ジアミド
(オキサニリド系紫外線吸収剤、以下UVA−1と略記)
チバスペシャリティケミカルズ社製 Tinuvin 329
(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、以下UVA−2と略記)
前述の各種原料を表1〜2に示す基材又は表層材用の配合比率にて、それぞれタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α)を用いて、溶融温度260℃にて混錬し、基材又は表層材用のペレットを得た。
得られた基材及び表層材用のペレットをそれぞれ125℃×2時間の乾燥条件にて事前に乾燥を行った。次に、基材用押出機(田辺プラスチック社製VS40単軸押出機(L/D=32、40Φ))に事前乾燥を行なった基材用ペレットを投入し260℃の条件下で共押出用ダイの基材フィードブロックから供給した。また、同時に表層用押出機(プラ技研社PEX-25-24型単軸押出機(L/D=24、25Φ))に事前乾燥した表層用ペレットを投入し260℃の条件下で表層材フィードから溶融押出を行ない、共押出シートを得た。
以下、本発明における各種評価項目及び測定方法について説明する。
1.輝度
2本の冷陰極管を裁断した共押出シート(90×50×2mm厚み)の裏側に配置し、ランプ間の垂直方向にある試験片表面上の輝度を測定した。尚、輝度とは、ある方向に向かう光度の、その方向に垂直な面における単位面積当たりの割合のことをいい、一般に、発光面の明るさの程度を表す[単位:(cd/m)]。また、評価の基準としては、ランプ間輝度の測定値が3200cd/m以上であるものを合格(○)、3200cd/m未満であるものを不合格(×)とした。また、測定方法の概略を図1に示す。
2.機械的強度
得られた共押出シートを長さ6.3mm、幅1.3mm、厚み2mmに裁断してノッチ付アイゾット試験片を作成後、東洋精機社製アイゾット試験機により、機械的強度(衝撃強度)を測定した。評価の基準として、衝撃強度が30kg・cm/cm以上であるものを合格(○)、30kg・cm/cm未満であるものを不合格(×)とした。
3.初期着色性及び耐光性
得られた共押出シートを90×50×2mm厚みに裁断し、超促進耐候試験機アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製SUV−W13)の中に設置し、6時間照射を行なった。その後、照射前後の試料をスペクトロフォトメーター(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により、イエローネスインデックス(YI)をASTM D−1925に準拠して測定した。YIとは、照射前の黄味の程度を表し、YIが小さい程、黄味は小さく、初期着色が少ない。YIの評価基準としては、YIの値が3未満であるものを合格(○)、3以上であるものを不合格(×)とした。
また、△YIとは、照射前後の黄味の程度を表し、△YIが小さい程、変色は小さく耐光性に優れている。△YIの評価基準としては、△YIの値が5未満であるものを合格(○)、5以上であるものを不合格(×)とした。
4.総合判定
以下の表1〜表3について、ランプ間輝度、機械的強度、初期着色性および耐光性の評価において、全てを満たすものを合格(○)そうでないものを不合格(×)とした。
Figure 2009051137
Figure 2009051137
表1に示すとおり、本発明の構成を満足する場合(実施例1〜7)には、全ての評価項目において十分な性能を有していた。
一方、表2に示すとおり、本発明の構成を満足しない場合(比較例1〜7)には、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、メチル基を有したシリコーンゴム粒子の配合量が規定量よりも少ない場合で、機械的強度、初期着色性および耐光性は合格するものの、ランプ間輝度が劣っていた。
比較例2は、メチル基を有したシリコーンゴム粒子の配合量が規定量よりも多い場合で、機械的強度、初期着色性および耐光性は合格するものの、ランプ間輝度が劣っていた。
比較例3は、エポキシ基を有したシリコーンゴム粒子を用いた場合で、ランプ間輝度、機械的強度および耐光性は合格するものの、初期着色性が劣っていた。
比較例4は、オキサニリド系紫外線吸収剤の配合量が規定量よりも少ない場合で、ランプ間輝度、機械的強度および初期着色性は合格するものの、耐光性が劣っていた。
比較例5は、オキサニリド系紫外線吸収剤の配合量が規定量よりも多い場合で、ランプ間輝度、機械的強度および耐光性は合格するものの、初期着色性が劣っていた。
比較例6は、ポリカプロラクトンの配合量が規定量よりも多い場合で、ランプ間輝度、初期着色性および耐光性は合格するものの、機械的強度が劣っていた。
比較例7は、異なる種類の紫外線吸収剤を用いた場合で、ランプ間輝度、機械的強度および耐光性は合格するものの、初期着色性が劣っていた。
本発明におけるランプ間輝度の測定方法を示す図である。
符号の説明
A:輝度計
B:ランプの光線
C:光拡散板
D:ランプ(冷陰極管)

Claims (6)

  1. 光拡散剤を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる基材の少なくとも片面に紫外線吸収剤を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる表層を共押出成形してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂板において、
    ・前記光拡散剤が、二官能シロキサン単位および三官能シロキサン単位からなる骨格と表面にアルキル基とを有し、その平均粒子径が0.5〜10μmであるシリコーンゴム粒子であり、かつ
    ・前記光拡散剤の含有量が、基材に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜1.5重量部であり、かつ
    ・前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)に表される化合物であり、かつ
    ・前記紫外線吸収剤の含有量が、表層に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.01〜0.8重量部である、
    ことを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
    一般式(1)
    Figure 2009051137
    (一般式(1)において、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
  2. 光拡散剤およびポリカプロラクトンを必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる基材の少なくとも片面に、紫外線吸収剤を必須成分として含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる表層を共押出成形してなる光拡散性ポリカーボネート樹脂板において、
    ・前記光拡散剤が、二官能シロキサン単位および三官能シロキサン単位からなる骨格と表面にアルキル基とを有し、その平均粒子径が0.5〜10μmであるシリコーンゴム粒子であり、かつ
    ・前記光拡散剤の含有量が、基材に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜1.5重量部であり、かつ
    ・前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)に表される化合物であり、かつ
    ・前記紫外線吸収剤の含有量が、表層に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.01〜0.8重量部であり、かつ
    ・前記ポリカプロラクトンの含有量が、基材に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.1〜7重量部である、
    ことを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
    一般式(1)
    Figure 2009051137
    (一般式(1)において、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。)
  3. 紫外線吸収剤が、下記一般式(2)に示される化合物を有効成分として含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
    一般式(2)
    Figure 2009051137
  4. 紫外線吸収剤の配合量が、表層のポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.1〜0.6重量部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
  5. ポリカプロラクトンの配合量が、基材に使用されるポリカーボネート樹脂100重量部あたり、0.3〜5重量部であることを特徴とする請求項2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
  6. シリコーンゴム粒子の平均粒子径が、2〜4μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂板。
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