JP2008273761A - アラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体の製造方法 - Google Patents
アラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】石灰乳から針状炭酸カルシウムの球状形態をした凝集あるいは結合体を製造するのに、バインダー等の添加薬品を添加せず、炭酸カルシウムのみで製造することを目的とし、工業品から食品、医薬品まで用途制限のないものを提供する。
【解決手段】アラゴナイト系針状あるいは柱状形態の炭酸カルシウムを添加薬品を使用せずに、球状に凝集あるいは結束させたイガグリ状あるいはウニ状の炭酸カルシウム。
【選択図】 図1
【解決手段】アラゴナイト系針状あるいは柱状形態の炭酸カルシウムを添加薬品を使用せずに、球状に凝集あるいは結束させたイガグリ状あるいはウニ状の炭酸カルシウム。
【選択図】 図1
Description
本発明は化粧品、食品や医薬品等の有用な針状あるいは柱状の炭酸カルシウムをイガグリ状あるいはウニ状に凝集あるいは結束させたアラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集体を炭酸カルシウムの純度を下げずに効率よく製造する方法に関するものである。
分散性の良い針状や柱状形態をしたアラゴナイト系炭酸カルシウムの製造方法は、数多く報告され製品化されているが、一定の大きさに針状あるいは柱状形態のアラゴナイト系炭酸カルシウムをイガグリ状やウニ状に凝集あるいは結束させる方法については、報告例は少ない。これらの方法は、添加薬品を使用したものが多く、炭酸カルシウムの純度を下げ利用分野を狭くし、化粧品、食品や医薬品等に使用できない薬品を添加しているものもあり、更に、水溶性の原料を使用すると、副産物の塩類が生成するため、副産物の除去のための設備や水洗のための水を多量に必要となり、装置の複雑化や製造コストの上昇を招き、利用範囲を狭くしている。
一方、アラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体を炭酸カルシウムのみで製造する方法は、今まで報告されていない。アラゴナイト型炭酸カルシウムの凝集体を炭酸カルシウムのみで製造すると、炭酸カルシウム純度を添加薬品で低下させることはなく、また、添加薬品の中には食品等で使用禁止の薬品が含まれることもなく、炭酸カルシウムのみの安全で安心なアラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体を製造することが出来、更に、特殊な装置を使用することなく製造できるため、製造装置の簡素化ができ、製造コストの低減化が図れることから、利用用途が拡大される。
一方、アラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体を炭酸カルシウムのみで製造する方法は、今まで報告されていない。アラゴナイト型炭酸カルシウムの凝集体を炭酸カルシウムのみで製造すると、炭酸カルシウム純度を添加薬品で低下させることはなく、また、添加薬品の中には食品等で使用禁止の薬品が含まれることもなく、炭酸カルシウムのみの安全で安心なアラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体を製造することが出来、更に、特殊な装置を使用することなく製造できるため、製造装置の簡素化ができ、製造コストの低減化が図れることから、利用用途が拡大される。
アラゴナイト系の針状あるいは柱状形態をした炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体の製造方法としては、特許第1462536号(以下、特許文献1という)に、「粒子径の小さなアラゴナイト系炭酸カルシウム粒子を結晶核とし、石灰乳とアミノカルボン酸化合物及びオキシカルボン酸化合物を添加し、10〜50℃で炭酸化を完結させて製造する方法」の記載がある。
特許第278620号(以下、特許文献2という)に、「石灰乳に分散処理したアラゴナイト結晶を添加混合スラリーに可溶性リン酸化合物を添加し炭酸化を行なう方法」の記載がある。
特公平7−14813号(以下、特許文献3という)に、「塩化カルシウムー水酸化マグネシウムからからなる水懸濁液と炭酸ガスを反応させる製造方法」の記載がある。
特開2001−270713号(以下、特許文献4という)に、「石灰乳にある濃度の水酸化ナトリウムを添加し、20〜80℃で炭酸ガスで炭酸化して製造する方法」の記載がある。
特開2002−234725号(以下、特許文献5という)に、「石灰乳に製紙製造工程の苛性化工程で生成する緑液をある条件下で連続導入して製造する方法」の記載がある。
特許第278620号(以下、特許文献2という)に、「石灰乳に分散処理したアラゴナイト結晶を添加混合スラリーに可溶性リン酸化合物を添加し炭酸化を行なう方法」の記載がある。
特公平7−14813号(以下、特許文献3という)に、「塩化カルシウムー水酸化マグネシウムからからなる水懸濁液と炭酸ガスを反応させる製造方法」の記載がある。
特開2001−270713号(以下、特許文献4という)に、「石灰乳にある濃度の水酸化ナトリウムを添加し、20〜80℃で炭酸ガスで炭酸化して製造する方法」の記載がある。
特開2002−234725号(以下、特許文献5という)に、「石灰乳に製紙製造工程の苛性化工程で生成する緑液をある条件下で連続導入して製造する方法」の記載がある。
しかしながら、特許文献1と2は、石灰乳に小さなアラゴナイト結晶を添加し、アミノカルボン酸系化合物や可溶性リン酸化合物を添加し炭酸化を行うもので、アラゴナイト結晶を成長させ、凝集あるいは結合剤に添加薬品が使われるため、生成アラゴナイト系凝集炭酸カルシウムの純度を下げあるため、用途が限られている。
特許文献3は、石灰乳を原料としておらず、塩化カルシウムとMg2+イオンを混合し炭酸化するため、生成アラゴナイト結晶の炭酸カルシウム中にMg2+イオンが混入するため、生成炭酸カルシウムの純度を下げるため、用途が限られている。
特許文献4は、石灰乳に水酸化ナトリウムをある濃度添加し炭酸ガスで炭酸化するため、生成炭酸カルシウムには、炭酸ナトリウムが吸着するため、炭酸カルシウムの純度が低下するか、あるいは水洗等で取り除く必要があり工程及びコスト増加となるため、用途が限られる。
特許文献5は、石灰乳に製紙製造工程の苛性化工程で生成する緑液をある条件下で連続導入して製造する方法のため、緑液には製紙製造工程の苛性化工程で混入する不純物を含むため、生成炭酸カルシウムの純度を下げるため、用途が限られている。
特許文献3は、石灰乳を原料としておらず、塩化カルシウムとMg2+イオンを混合し炭酸化するため、生成アラゴナイト結晶の炭酸カルシウム中にMg2+イオンが混入するため、生成炭酸カルシウムの純度を下げるため、用途が限られている。
特許文献4は、石灰乳に水酸化ナトリウムをある濃度添加し炭酸ガスで炭酸化するため、生成炭酸カルシウムには、炭酸ナトリウムが吸着するため、炭酸カルシウムの純度が低下するか、あるいは水洗等で取り除く必要があり工程及びコスト増加となるため、用途が限られる。
特許文献5は、石灰乳に製紙製造工程の苛性化工程で生成する緑液をある条件下で連続導入して製造する方法のため、緑液には製紙製造工程の苛性化工程で混入する不純物を含むため、生成炭酸カルシウムの純度を下げるため、用途が限られている。
本発明は、石灰乳に炭酸ガスを導入する炭酸化方法で、アラゴナイト系の針状あるいは柱状結晶を凝集あるいは結束させるために添加薬品を使用せず、炭酸化反応条件のみを変化させて製造するため、生成炭酸カルシウムの純度が高く、石灰乳の添加回数により粒子径制御ができるため、工業用品から化粧品、食品、医薬部外品、医薬品と利用範囲が飛躍的に拡大させることを目的としている。
本願発明者は、鋭意研究の結果、前記課題を達成するため、石灰乳の一部に炭酸ガスを導入して炭酸化したものに、更に新たな石灰乳を添加し一部を炭酸化することを繰り返し行い、最後の炭酸化時に乳液温度を40℃以上で炭酸化を完結させてアラゴナイト系の針状あるいは柱状形態をした炭酸カルシウムの凝集体あるいは結束体を得る方法を見出した。
又、新たな石灰乳を添加する回数や石灰乳の添加量により、粒子径が3〜25μmまで任意に粒子制御が出来ることを見出した。更に、石灰乳のみに炭酸ガスを導入して炭酸化して製造するので、添加物の影響や炭酸カルシウムの純度の低下がなく、工業品から化粧品、医薬部外品、食品、医薬品と利用範囲が広い利点がある。
又、新たな石灰乳を添加する回数や石灰乳の添加量により、粒子径が3〜25μmまで任意に粒子制御が出来ることを見出した。更に、石灰乳のみに炭酸ガスを導入して炭酸化して製造するので、添加物の影響や炭酸カルシウムの純度の低下がなく、工業品から化粧品、医薬部外品、食品、医薬品と利用範囲が広い利点がある。
以上説明したように、本発明のアラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体あるいは結束体の製造方法は、石灰乳に炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムを製造する時に、最初の石灰乳の炭酸化率を10〜90%で炭酸ガスの導入を中断し、更に新たな石灰乳を0.1〜10倍添加し炭酸化を継続し、炭酸化率10〜90%で炭酸ガスを中断することを2〜15回繰り返し、最後の炭酸化は、石灰乳の反応温度を40℃以上とし炭酸化を完結させて、アラゴナイト系針状あるいは柱状の形態をした炭酸カルシウム凝集体あるいは結束体を製造する方法である。
しかも、製造装置は現状の炭酸化製造装置が利用でき、添加薬品等を使用せず、炭酸カルシウム100%であるので、工業製品から化粧品、食品、医薬品部外品、医薬品と広範に利用できる。特に、針状あるいは柱状形態がイガグリ状に凝集あるいは結束しているため光の乱反射やサブミクロンの細孔及び細孔体積が生成するために、触媒、顔料や香料等の担示や徐放あるいは油脂類等の吸着または研磨剤等の利用が考えられる。
しかも、製造装置は現状の炭酸化製造装置が利用でき、添加薬品等を使用せず、炭酸カルシウム100%であるので、工業製品から化粧品、食品、医薬品部外品、医薬品と広範に利用できる。特に、針状あるいは柱状形態がイガグリ状に凝集あるいは結束しているため光の乱反射やサブミクロンの細孔及び細孔体積が生成するために、触媒、顔料や香料等の担示や徐放あるいは油脂類等の吸着または研磨剤等の利用が考えられる。
最初に石灰乳に炭酸ガスを導入して炭酸化する時に、一部炭酸化とは、炭酸化率10〜90%好ましくは30〜70%の時点で炭酸化を中断し、新しい石灰乳を0.1〜10倍好ましくは0.5〜2倍添加し炭酸化を2〜15回好ましくは2〜10回繰り返します。このとき最後の反応は炭酸化を完結しますが、その時は、乳液温度を40℃以上好ましくは50〜60℃で炭酸化を行う。
石灰乳の炭酸化率が、10%未満ではあまりにも炭酸化が進んでいないため、経済的でなく、90%を超えると、針状あるいは柱状アラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集しにくくなり、好ましくない。
新しい石灰乳の添加量を0.1倍未満だと反応回数に対して製造量が少なく手間ばかり掛かり経済的でない。又10倍を超えると、針状あるいは柱状アラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集あるいは結束しにくくなり、好ましくない。
新しい石灰乳の添加回数が、2回未満ではアラゴナイト系の針状あるいは柱状形態が生成するが、凝集あるいは結束しなくて分散性の良いものになり、本研究の目的と異なる。また、新しい石灰乳の添加回数が、10回を越えるとアラゴナイト系の針状あるいは柱状形態が凝集するが、粒度分布幅の広いものとなるか、あるいは凝集あるいは結束しにくくなるので、好ましくない。
最後の炭酸化反応の温度は、30℃未満ではアラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が認められにくくなり本発明の目的と異なり、更に、炭酸化反応温度が70℃を超えると、アラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が凝集しにくくなり、分散性の良いアラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が生成するので、本発明の目的と異なる。
以下、本発明の実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
新しい石灰乳の添加量を0.1倍未満だと反応回数に対して製造量が少なく手間ばかり掛かり経済的でない。又10倍を超えると、針状あるいは柱状アラゴナイト系炭酸カルシウムの凝集あるいは結束しにくくなり、好ましくない。
新しい石灰乳の添加回数が、2回未満ではアラゴナイト系の針状あるいは柱状形態が生成するが、凝集あるいは結束しなくて分散性の良いものになり、本研究の目的と異なる。また、新しい石灰乳の添加回数が、10回を越えるとアラゴナイト系の針状あるいは柱状形態が凝集するが、粒度分布幅の広いものとなるか、あるいは凝集あるいは結束しにくくなるので、好ましくない。
最後の炭酸化反応の温度は、30℃未満ではアラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が認められにくくなり本発明の目的と異なり、更に、炭酸化反応温度が70℃を超えると、アラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が凝集しにくくなり、分散性の良いアラゴナイト結晶の針状あるいは柱状形態が生成するので、本発明の目的と異なる。
以下、本発明の実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
乳液温度15℃の6%(重量%)石灰乳1600mlに25%(容量%)の炭酸ガスを攪拌しながら2400ml/分で導入し、塩基性炭酸カルシウム生成時(炭酸化率66.6%)で炭酸ガスの導入を中断し、この乳液800mlに新たな乳液温15℃の6%石灰乳800mlを添加し、25%炭酸ガスを1200ml/分で導入を再開し、塩基性炭酸カルシウム生成時(炭酸化率66.6%)で炭酸ガス導入を中断する。このような方法を5回繰り返し、6回目では、乳液温度を50℃保ちながら、今までと同じ条件で炭酸ガスを導入し、炭酸化を完結させた。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。(図1)又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果、アラゴナイト含有量が85%であった。(図2)更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)が11.9μmであった。(図3)
乳液温度30℃の6%(重量%)石灰乳1600mlに25%(容量%)の炭酸ガスを攪拌しながら1200ml/分で導入し、炭酸化率52%で炭酸ガスの導入を中断し、この乳液800mlに新たな乳液温30℃の6%石灰乳800mlを添加し、25%炭酸ガスを640ml/分で導入を再開し、炭酸化率50%前後で炭酸ガス導入を中断する。このような方法を9回繰り返し、10回目では、乳液温度を50℃保ちながら、今までと同じ条件で炭酸ガスを導入し、炭酸化を完結させた。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果、アラゴナイト含有量が78%であった。更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)が14.4μmであった。
炭酸化率80%で炭酸化反応を中断し、新しい石灰乳を添加して繰り返し反応する回数は2回にした以外は、実施例2と同様に行った。この生成物のSEM観察結果は、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が72%であった。(図4)更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)径が7.4μmであった。
炭酸化率80%で炭酸化反応を中断し、新しい石灰乳を添加して繰り返し反応する回数は5回にした以外は、実施例2と同様に行った。この生成物のSEM観察結果は、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が77%であった。(図5)更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)径が10.1μmであった。
炭酸化率80%で炭酸化反応を中断し、新しい石灰乳を添加して繰り返し反応する回数は8回にした以外は、実施例2と同様に行った。この生成物のSEM観察結果は、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が80%であった。(図6)更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)径が15.9μmであった。
炭酸化率約23%で炭酸ガス導入を中断し、新しい石灰乳を添加して繰り返し反応する回数は9回にした以外は、実施例1と同様にした。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果、アラゴナイト含有量が84%であった。更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)が14.6μmであった。
炭酸化率約78%で炭酸ガス導入を中断した以外は、実施例1と同様にした。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果、アラゴナイト含有量が70%であった。更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)が12.1μmであった。
乳液温度50℃にした以外は、実施例1と同様にした。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶がイガグリ状に凝集あるいは結束していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果、アラゴナイト含有量が87%であった。更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、平均粒子径(メジアン径)が13.1μmであった。
比較例1
比較例1
乳液温度20℃の6%(重量%)石灰乳800mlに25%(容量%)の炭酸ガスを攪拌しながら3200ml/分で導入し、炭酸化を完結させた。この乳液800mlに新たな乳液温50℃の6%石灰乳800mlを添加し、25%炭酸ガスを640ml/分で導入炭酸化を完結させた。このような方法で5回繰り返し反応を行った。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶はほとんど認められず、大部分が紡錘状の凝集体でであった。(図4)又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が22%であった。(図5)更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、2つ分布図が認められ、粒子径の小さい方は0.26μm、大きい方は11.6μmであった。(図6)
比較例2
比較例2
乳液温度を50℃にした以外は、参考例1と同様に行った。この生成物のSEM観察結果は、針状結晶が規則正しく凝集あるいは結束しておらず、平均粒子径10.2μmのものがアトランダムに存在していた。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が94%であった。
比較例3
比較例3
乳液温度30℃の6%(重量%)石灰乳1600mlに25%(容量%)の炭酸ガスを攪拌しながら1200ml/分で導入し、炭酸化を完結させた。この乳液800mlに新たな乳液温50℃の6%石灰乳800mlを添加し、25%炭酸ガスを640ml/分で導入炭酸化を完結させた。このような方法で5回繰り返し反応を行った。炭酸化反応終了後、この生成物のSEMの結果、針状結晶と紡錘状結晶の混合物であり、針状形の粒子径は10〜15μmで、紡錘形の粒子径は1〜3μmであった。又、生成物の結晶構造は、X線回折の結果アラゴナイト含有量が67%であった。更に、レーザー式粒度分布測定機で測定した結果、2つ分布図が認められ、粒子径の小さい方は0.22μm、大きい方は13.4μmであった。
Claims (2)
- 石灰乳と二酸化炭素と反応させて水酸化カルシウムの炭酸化を行うにあたり、炭酸化率10〜90%で二酸化炭素の導入を中断し、この乳液に新たな石灰乳を添加し炭酸化を行い、炭酸化率10〜90%で炭酸化反応を止めることを1回以上繰り返した後、この乳液に新たな石灰乳を添加し、乳液温度を40℃以上として炭酸化反応を完結させることを特徴とするアラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体の製造方法。
- 石灰乳と二酸化炭素と反応させて水酸化カルシウムの炭酸化を行うにあたり、炭酸化率10〜90%で二酸化炭素の導入を中断し、この乳液に新たな石灰乳を0.1〜10倍量添加し炭酸化を行い、炭酸化率10〜90%で炭酸化反応を止めることを2回以上繰り返した後、この乳液に新たな石灰乳を0.1〜10倍量添加し、乳液温度を40℃以上として炭酸化反応を完結させることを特徴とする請求項1記載のアラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体の製造方法。
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