JP2008254614A - ワイパー制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出するとともに抑制してワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供する。
【解決手段】払拭モードハンチング判定部53は、同一払拭モードを終点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したときに、払拭モードハンチングが発生したと判定するものである。そして、払拭モードハンチングが発生すると、払拭モード判定部51は、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの降雨量範囲を拡大する。これにより、払拭モードハンチングが抑制されワイパーブレードの払拭動作が安定するので、運転者が、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる等の不具合を防止することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、雨滴を検出する雨滴センサの検出結果に基づいてワイパーブレードの往復払拭動作を制御するワイパー制御装置に関するものであり、自動車等に用いて好適である。
従来のワイパー制御装置として、たとえば、ワイパー操作スイッチが自動制御モード(Autoモード)に切替えられると、ワイパー制御装置は、雨滴を検出する雨滴センサの検出結果に基づいて払拭モードを設定してそれによりワイパーブレードを駆動制御するものがある(特許文献1参照)。
従来のワイパー制御装置においては、ワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が異なる複数の払拭モードと各払拭モードが実施される降雨量範囲との関係が予め設定されている。従来のワイパー制御装置がAutoモードで作動中であるときは、雨滴センサからの検出結果に基づいて判定された降雨量に基づいて該当する払拭モードを判定し、当該払拭モードにおける往復払拭動作間隔時間でワイパーブレードが駆動される。それに応じてワイパー制御装置によりワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が切替えられる。すなわち、降雨量が増加するに連れて、ワイパー制御装置は、ワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間がより短い払拭モードに切替えてワイパーブレードを駆動制御する。
特開平2−57455号公報
従来のワイパー制御装置においては、ワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が異なる複数の払拭モードと各払拭モードが実施される降雨量範囲との関係が、往復払拭動作間隔時間がより短い払拭モードほど、それに対応する降雨量範囲は多降雨量側になるように設定されている。また、往復払拭動作間隔時間が互いに隣接する2つの払拭モードの降雨量範囲は部分的に重なっている。このような、従来のワイパー制御装置がAutoモードで作動中であるときの、ワイパーブレード駆動制御動作の具体例について図12に基づいて簡単に説明する。図12は、従来のワイパー制御装置において設定されている、各払拭モードと、それらが維持される降雨量範囲との関係を示すグラフである。図12には2つの払拭モードが示されているが、実際の払拭モード個数はもっと多い。図12において、縦軸には払拭モードを示し、上側の払拭モードほど往復払拭動作間隔時間が短くなっている。また、図12において、横軸は、降雨量、すなわち単位時間当たりの降雨量を示し、左側に行くほど降雨量が多くなる。
従来のワイパー制御装置においては、払拭モード判定手段によりある払拭モード、すなわち図12中の払拭モードBが選定され、当該払拭モードでワイパーブレードが駆動されている。このときの降雨量は、図12中において×印で示す降雨量Rである。払拭モードBが維持される降雨量範囲は、図12に示すように、モードダウン閾値LBおよびモードアップ閾値UBとの範囲内である。ここで、モードダウン閾値LBおよびモードアップ閾値UBの意味について説明する。払拭モードBが選択されているとき、すなわち降雨量がモードダウン閾値LBおよびモードアップ閾値UB間の範囲内にあるときに、降雨量がモードダウン閾値LB未満となると、払拭モード判定手段は、払拭モードBよりも下位の払拭モード、つまりワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が一段長い払拭モードである払拭モードCを選択する。一方、降雨量がモードアップ閾値UB以上となると、払拭モード判定手段は、払拭モードBよりも上位の払拭モード、つまりワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が一段短い払拭モードである払拭モードAを選択する。したがって、図12中に示される他の2つの払拭モードA、Cにも、それぞれモードダウン閾値LA、LCとモードアップ閾値UA、UCが存在する。
上述したように、降雨量Rであり払拭モードBが選択され、払拭モードBでワイパーブレードが駆動されているときに、降雨量が増加してモードアップ閾値UB以上となると、払拭モード判定手段は、払拭モードBよりも上位の払拭モードAを選択し、今度は払拭モードAでワイパーブレードが駆動される。この切替え動作をモードアップという。払拭モードAでワイパーブレードが駆動されている最中に降雨量が減少してモードダウン閾値LA未満となると、払拭モード判定手段は、払拭モードAよりも下位の払拭モードBを選択し、今度は払拭モードBでワイパーブレードが駆動される。払拭モードBでワイパーブレードが駆動されているときに、再び降雨量が増加してモードアップ閾値UB以上となると、払拭モード判定手段は、払拭モードBよりも上位の払拭モードAを選択し、今度は払拭モードBでワイパーブレードが駆動される。このように、降雨量が、払拭モードBのモードアップ閾値UBと払拭モードBの上位モードである払拭モードAのモードダウン閾値LAとの間で変化すると、それに対応して、払拭モード判定手段により選択される払拭モードが、払拭モードBから払拭モードAへ、払拭モードAから払拭モードBと交互に繰り返されることになる。このような、隣接する2つの払拭モード動作の繰り返し、すなわち払拭モードハンチングが発生すると、運転者は、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる恐れがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、ワイパー制御装置がAutoモードで作動中において払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出して払拭モードハンチングを抑制しワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
本発明の請求項1に記載のワイパー制御装置は、ウィンドシールド上におけるワイパーブレードの払拭範囲内における所定領域を検出領域として、当該検出領域に付着した雨滴量に応じた検出信号を出力する雨滴センサからの検出信号に基づいてワイパーブレードを駆動するワイパー制御装置であって、検出信号に基づいてウィンドシールドに付着した降雨量を判定する降雨量判定手段と、降雨量判定手段により判定された降雨量に基づいてワイパーブレードの払拭モードを判定する払拭モード判定手段とを備え、払拭モード判定手段によりワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が異なる複数の払拭モードの中から降雨量に応じた一つの払拭モードが判定され、当該払拭モードによりワイパーブレードが駆動され、各払拭モードの往復払拭動作間隔時間は対応する降雨量が多いほどより短くなるように設定され、各払拭モードが維持される降雨量範囲は、各払拭モードより往復払拭動作間隔時間がより長い払拭モードへ遷移する動作であるモードダウン動作が行われる閾値であるモードダウン閾値としての降雨量と各払拭モードより往復払拭動作間隔時間がより短い払拭モードへ遷移する動作であるモードアップ動作が行われる閾値であるモードアップ閾値としての降雨量との間の範囲であり、モードアップ閾値の降雨量はモードダウン閾値の降雨量よりも多いワイパー制御装置において、払拭モード判定手段により判定された払拭モードとして互いに隣接する2つの払拭モードが交互に現れる現象である払拭モードハンチングの発生を判定する払拭モードハンチング判定手段と、払拭モードハンチング判定手段により払拭モードハンチングが発生したと判定されたときに、払拭モードハンチングを抑制する払拭モードハンチング抑制手段とを備えることを特徴としている。
これにより、ワイパー制御装置がAutoモードで作動中において払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出して払拭モードハンチングを抑制しワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供することができる。
本発明の請求項2に記載のワイパー制御装置は、払拭モードハンチング判定手段は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたとき、または同一払拭モードを終点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたときに払拭モードハンチング発生と判定することを特徴としている。
上述ように構成されたワイパー制御装置における、払拭モードハンチング判定手段の払拭モード判定動作について、図12に基づいて説明する。
図12中における払拭モードBが、本発明の請求項2に記載のワイパー制御装置における始点払拭モードに相当し、図12中における払拭モードAが、本発明の請求項2に記載のワイパー制御装置におけるモードアップ動作により遷移する上位側払拭モードに相当する。
ここで、ワイパー制御装置が払拭モードBで払拭動作中において、降雨量が、払拭モードBのモードアップ閾値UBと、払拭モードBと隣接し且つ払拭モードBの上位側(往復払拭動作間隔時間がより短い側)の払拭モードである払拭モードAのモードダウン閾値LAとを変動範囲の両端として変動する場合を考える。降雨量が上述のように変動すると、払拭モード判定手段により判定される払拭モードは、払拭モードB→払拭モードA→払拭モードB→払拭モードA・・・のように、互いに隣接する2つの払拭モードである払拭モードBおよび払拭モードAが交互に現れ、いわゆる払拭モードハンチングが発生する。この場合、払拭モードBおよび払拭モードAが、それぞれ払拭モードハンチングの始点払拭モードおよび終点払拭モードとなる。払拭モードハンチング判定手段は、払拭モードBから払拭モードAへの遷移、すなわちモードアップ動作が連続して2回行われると、始点払拭モードが払拭モードBであるモードアップ動作が連続して2回行われたと判断して払拭モードハンチング発生と判定する。または、終点払拭モードが払拭モードAであるモードアップ動作が連続して2回行われたと判断して払拭モードハンチング発生と判定する。これにより、払拭モードハンチング判定手段は、払拭モードハンチングが発生したときに確実に払拭モードハンチングを検出することができる。
本発明の請求項3に記載のワイパー制御装置は、払拭モードハンチング判定手段は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたとき、または同一払拭モードを終点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたときに前記払拭モードハンチング発生と判定することを特徴としている。
上述ように構成されたワイパー制御装置における、払拭モードハンチング判定手段の払拭モード判定動作について、図12に基づいて説明する。
図12中における払拭モードAが、本発明の請求項3に記載のワイパー制御装置における始点払拭モードに相当し、図12中における払拭モードBが、本発明の請求項3に記載のワイパー制御装置におけるモードダウン動作により遷移する下位側払拭モードに相当する。
ここで、ワイパー制御装置が払拭モードAで払拭動作中において、降雨量が、払拭モードAのモードダウン閾値LAと、払拭モードAと隣接し且つ払拭モードAの下位側(往復払拭動作間隔時間がより長い側)の払拭モードである払拭モードBのモードアップ閾値UBとを変動範囲の両端として変動する場合を考える。降雨量が上述のように変動すると、払拭モード判定手段により判定される払拭モードは、払拭モードA→払拭モードB→払拭モードA→払拭モードB・・・のように、互いに隣接する2つの払拭モードである払拭モードAおよび払拭モードBが交互に現れ、いわゆる払拭モードハンチングが発生する。この場合、払拭モードAおよび払拭モードBが、それぞれ払拭モードハンチングの始点払拭モードおよび終点払拭モードとなる。払拭モードハンチング判定手段は、払拭モードAから払拭モードBへの遷移、すなわちモードダウン動作が連続して2回行われると、始点払拭モードが払拭モードAであるモードアップ動作が連続して2回行われたと判断して払拭モードハンチング発生と判定する。または、終点払拭モードが払拭モードBであるモードダウン動作が連続して2回行われたと判断して払拭モードハンチング発生と判定する。これにより、払拭モードハンチング判定手段は、払拭モードハンチングが発生したときに確実に払拭モードハンチングを検出することができる。
本発明の請求項4に記載のワイパー制御装置は、払拭モードハンチング抑制制御は、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち少なくとも一方の払拭モードに対して当該払拭モードが維持される降雨量範囲を拡大することを特徴としている。
上述の構成によれば、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち少なくとも一方の払拭モードに対して当該払拭モードが維持される降雨量範囲を拡大することにより、払拭モードが払拭モードハンチングに係る2つの払拭モード間で遷移する閾値であるモードアップ閾値およびモードダウン閾値間の降雨量範囲が、実際の降雨量変動範囲を内包しつつ拡大される。これにより、払拭モードハンチングが解消されるので、払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出して払拭モードハンチングを抑制しワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供することができる。
本発明の請求項5に記載のワイパー制御装置は、払拭モードハンチング抑制手段は、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち下位側払拭モードにおいてモードアップ閾値を多降雨量側へ変更すること、および払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち上位側払拭モードにおいてモードダウン閾値を少降雨量側へ変更することの少なくともどちらか一方の処理を実行することを特徴としている。
上述ように構成されたワイパー制御装置における、払拭モードハンチング抑制手段の払拭モードハンチング抑制動作について、図12に基づいて説明する。
ワイパー制御装置が下位側払拭モードである払拭モードBで払拭動作中において、降雨量が、払拭モードBのモードアップ閾値UBと、払拭モードBと隣接し且つ払拭モードBの上位側(往復払拭動作間隔時間がより短い側)の払拭モードである払拭モードAのモードダウン閾値LAとを変動範囲の両端として変動し、それにより払拭モードBおよび払拭モードA間で払拭モードハンチングが発生した場合を考える。払拭モードハンチング抑制手段は、払拭モードハンチング判定手段による払拭モードハンチング発生との判定結果に基づいて払拭モードハンチング抑制動作を開始する。
払拭モードハンチング抑制手段は、下位側払拭モードである払拭モードBにおけるモードアップ閾値UBを、図12中において破線で示すように、多雨量側のモードアップ閾値UBnewへ変更する。同時に、払拭モードハンチング抑制手段は、上位側払拭モードである払拭モードAにおけるモードダウン閾値LAを、図12中において破線で示すように、少雨量側のモードダウン閾値LAnewへ変更する。そうすると、降雨量範囲拡大後における払拭モードBのモードアップ閾値UBnewと払拭モードAのモードダウン閾値LAnewとの間の降雨量範囲幅は、降雨量の変動幅である降雨量範囲拡大前における払拭モードBのモードアップ閾値UBと払拭モードAのモードダウン閾値LAとの間の降雨量範囲幅を内包しつつ拡大されることになる。これにより、払拭モードハンチング判定手段が払拭モードハンチング発生と判定した以降においては、降雨量変動幅が依然として変わらなければ、払拭モードは、払拭モードAあるいは払拭モードBのどちらかに安定して維持され、払拭モードハンチングは消滅する。したがって、ワイパー制御装置がAutoモードで作動中において払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出して払拭モードハンチングを抑制しワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供することができる。
本発明の請求項6に記載のワイパー制御装置は、払拭モードハンチング抑制手段は、払拭モードハンチング発生と判定された時点から所定条件が成立するまでの期間は払拭モードハンチング抑制動作として払拭モードを払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのどちらか一方の払拭モードに固定し、所定条件が成立した時点で払拭モードハンチング抑制動作を解除することを特徴としている。
上述の構成によれば、払拭モードハンチング判定手段により払拭モードハンチング発生と判定されると、払拭モードは所定時間遷移せずに固定される。これにより、払拭モードハンチングが解消されるので、払拭モードハンチングが発生したときに、それを検出して払拭モードハンチングを抑制しワイパーブレードの動きを安定化させることが可能なワイパー制御装置を提供することができる。
本発明の請求項7に記載のワイパー制御装置は、所定条件は、降雨量判定手段により判定された降雨量が払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値を複数回連続して越えることであることを特徴としている。
上述のように構成されたワイパー制御装置における払拭モードハンチング抑制手段の動作について説明する。
上述の構成において、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値とは、払拭モードハンチングに係る2払拭モードの内の上位側払拭モードよりも上位側にある払拭モードへ遷移する閾値であるモードアップ閾値(以降、上側解除閾値と表す)および払拭モードハンチングに係る2払拭モードの内の下位側払拭モードよりも下位側にある払拭モードへ遷移する閾値であるモードダウン閾値(以降、下側解除閾値と表す)のどちらか一方を意味する。
払拭モードハンチング判定手段により払拭モードハンチング発生と判定され、それに基づいて払拭モードハンチング抑制手段により払拭モードが固定されている状態にあるときを考える。降雨量の変動範囲が、払拭モードハンチング発生時と変わらない場合は、払拭モードハンチング抑制動作が継続して実行され、払拭モードは固定されている。この状態から降雨量が増加して、降雨量判定手段における降雨量判定結果が複数回連続して上述した上側解除閾値降雨量を超えた場合、または、降雨量が減少して、降雨量判定手段における降雨量判定結果が複数回連続して上述した下側解除閾値を下回った場合は、払拭モードハンチング抑制手段は払拭モードハンチング抑制処理を解除する。すなわち、払拭モード固定を中止し、払拭モード判定手段により判定された払拭モードでワイパーモータが駆動される。
以上により、本発明の請求項7に記載のワイパー制御装置によれば、払拭モードハンチングが発生したときに、払拭モードハンチング抑制手段により払拭モードを固定して払拭モードハンチングを解消することができる。また、降雨量が払拭モードハンチング発生時点から変化した場合には、払拭モードハンチング抑制動作である払拭モード固定を中止して、新たな降雨量状態に適応した払拭モードでワイパーブレードに払拭動作をさせることができる。したがって、払拭モードハンチングが発生するとワイパーブレードの動きを確実に安定化させることができるとともに、払拭モードハンチング発生時点から降雨量変動幅が変化した場合には、その変化に素早く対応可能なワイパー制御装置を提供することができる。
以下、本発明にかかるワイパー制御装置の実施の形態について、自動車に搭載されたワイパー制御装置1に適用した場合を例に図1〜図5を参照して説明する。
(第1実施形態)
ワイパー制御装置1は、自動車100に搭載され、ワイパーコントロールスイッチ30の操作ポジションに応じて、フロントウィンドシールド101に付着した雨滴を払拭するワイパー装置10の作動制御を行うものである。特に、ワイパーコントロールスイッチ30において自動制御(AUTOモード)ポジションが選択されると、雨滴センサ20によりフロントウィンドシールド101に付着した雨滴量を検出し、その判定結果に基づいてワイパー装置10の作動制御を行う。
先ず、ワイパー制御装置1の全体構成について説明する。
ワイパー制御装置1は、図1に示すように、雨滴センサ20、ワイパー装置10、ワイパーコントロールスイッチ30、ワイパーコントロールスイッチ30からの信号および雨滴センサ20からの信号に基づきワイパー装置10を駆動するマイクロコンピュータ50等から構成されている。ワイパー制御装置1は、自動車のイグニションスイッチを介して自動車のバッテリから電力が供給されている。
ワイパー装置10は、ワイパーモータ11が発生する駆動トルクによりリンク機構12を介して駆動されてフロントウィンドシールド101上において往復払拭動作を行うワイパーブレード13を備えている。ワイパーブレード13の往復払拭動作は、マイクロコンピュータ50内に備えられた払拭モード判定部51からワイパーモータ11に対し駆動指示信号が出力されることで実行される。
ワイパーコントロールスイッチ30は、車室の運転席に設置され、ワイパーブレード13の往復払拭動作の停止(OFFモード)、自動制御(AUTOモード)、低速動作(LOモード)、及び高速動作(HIモード)を、運転者の手動操作等により切替えるスイッチ機能を有している。ワイパーコントロールスイッチ30は、たとえば4つの作動位置のいずれか1つに回動操作されることで、これら動作モードの1つが選択される。そしてワイパーコントロールスイッチ30は、4動作モードのうちの1つが選択されると、その選択された動作モードについての情報を後述するマイクロコンピュータ50(払拭モード判定部51)へ出力している。
雨滴センサ20は、図3に示されるように、基本的には、フロントウィンドシールド101の検出領域Adに向かって例えば赤外光を発光する発光ダイオードなどの発光素子21と、該発光素子21から発光されてフロントウィンドシールド101により反射された光の受光量に応じた出力値を出力するフォトダイオードなどの受光素子22とを有して構成されている。また、発光素子21は、図示しない発光素子駆動回路を介してマイクロコンピュータ50に接続されており、マイクロコンピュータ50によってその点消灯が制御される。また、受光素子22は、図示しない検波増幅回路を介してマイクロコンピュータ50に接続されており、検出した雨滴量に応じた検出信号をマイクロコンピュータ50に出力している。このように構成されることで、検出領域Adに雨滴が付着していないときにあっては、発光素子21から発光された赤外光は、図3中の実線矢印で示すように進行し、そのほとんどがフロントウィンドシールド101によって反射され、受光素子22で受光される。しかし、検出領域Adに雨滴Dが付着しているときにあっては、発光素子21から発光された赤外光の一部は、検出領域Adに付着した雨滴Dを介して図3中の破線矢印で示すように進行しフロントウィンドシールド101外へ出射する。そのため、受光素子22により受光される光の量が減少することとなる。このように、検出領域Adに付着する雨滴の量と受光素子22による受光量に基づき、検出領域Adに付着する雨滴量が光学的に検出されている。本発明の第1実施形態による雨滴検出装置1においては、検出領域Adに付着する雨滴量が多いほど雨滴センサ20の検出信号は小さくなり、検出領域Adに付着する雨滴量が少ないほど雨滴センサ20の検出信号は大きくなる。
マイクロコンピュータ50は、実際には、制御処理や演算処理を行うCPU、各種プログラムやデータを保存するための読み取り専用メモリ(ROM)や書き込み可能なメモリ(RAM)等のメモリを含む記憶装置、A/D変換器等の入力回路、出力回路、及び電源回路等の機能を含んで構成される。しかし、ここでは、図2に示すように、雨滴センサ20から出力される検出信号の変化の大きさに基づきフロントウィンドシールド101に付着した雨滴量を判別する降雨量判定部52、降雨量判定部52で判定された降雨量に基づいてワイパーブレード13動作に係る払拭モードを判定し、すなわちワイパーブレード13の往復払拭動作間隔時間を判定し、且つそれに基づいてワイパーモータ11に駆動信号を出力する払拭モード判定部51を中心に、概念的に説明する。
また、本発明に係るワイパー制御装置1においては、マイクロコンピュータ50は、払拭モード判定部51が互いに隣接する或る2つの払拭モードを連続して交互に判定する現象である払拭モードハンチングの発生を判定するための払拭モードハンチング判定手段としての払拭モードハンチング判定部53、および払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチングが検出されたときに払拭モードハンチングを抑制する処置を実行する払拭モードハンチング抑制部54を備えている。この払拭モードハンチング判定部53および払拭モードハンチング抑制部54の作用・効果については、後に説明する。
払拭モード判定部51は、降雨量判定部52からの現在の降雨状況に関する情報、ワイパーコントロールスイッチ30からの動作モードに関する情報等を取り込んで、これら情報に基づいてワイパーモータ11を駆動制御する。すなわち、ワイパーコントロールスイッチ30が払拭動作の停止(OFFモード)、低速動作(LOモード)および高速動作(HIモード)に操作されると、払拭モード判定部51は、それを受けて、所定の駆動指示信号をワイパーモータ11へ出力する。一方、ワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)に操作されると、払拭モード判定部51は、雨滴センサ20からの検出信号に基づき降雨量判定部52により判定された降雨量に基づいて、ワイパーブレード13による払拭モード、すなわちワイパーブレード13による往復払拭動作間隔時間を判定し、判定した払拭モードに対応する駆動指示信号をワイパーモータ11へ出力する。
次に、ワイパー制御装置1の作動、特にワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)に操作されているときの払拭モード判定部51における払拭モード判定方法について図4に基づいて説明する。図4は、単位時間当たりの降雨量とそれに基づいて判定される払拭モードとの関係を示すグラフである。図4において、横軸は雨滴センサ20からの検出信号に基づいて降雨量判定部52により判定された単位時間当たりの降雨量を、縦軸は払拭モードを示している。図4において、各払拭モードに対応して描かれている線分あるいは半直線は、その払拭モードが維持される降雨量範囲を示している。降雨量は、左側に行くほど少量、右側に行くほど多量となっている。
先ず、各払拭モードについて説明する。「停止モード」は、文字通りワイパーブレード13の払拭動作が停止状態にあり、ワイパーブレード13は、その初期位置、つまり図1に示す位置で停止している。「間歇3モード」〜「間歇1モード」は、ワイパーブレード13が間歇往復払拭動作するものである。往復払拭動作間隔時間は、「間歇3モード」が最長で、以下「間歇2モード」、「間歇1モード」の順に短くなっている。「Loモード」は、往復払拭動作間隔時間が「間歇1モード」よりも短く、ワイパーブレード13が連続往復払拭動作をしているように見える。ワイパーブレード13の移動速度は、「Loモード」および「間歇3モード」〜「間歇1モード」は同じである。「Hiモード」は、往復払拭動作間隔時間が「Loモード」と同じで、ワイパーブレード13が連続往復払拭動作をしているように見えが、ワイパーブレード13の移動速度が「Loモード」より速い。
次に、単位時間当たりの降雨量と払拭モードとの対応について説明する。図4中において、各払拭モードに対応して描かれている線分、あるいは半直線は、各払拭モードに維持される単位時間当たり降雨量範囲を示している。図4中において、各線分あるいは半直線の端点のうち、白丸は、単位時間当たり降雨量がそれ以上となると払拭モードが上位モード、すなわちワイパーブレード13の作動間隔時間がより短いモードに切替えられる、つまりモードアップ動作が実行される閾値であるモードアップ閾値を示している。一方、黒丸は、単位時間当たり降雨量がそれ以下となると払拭モードが下位モード、すなわちワイパーブレード13の作動間隔時間がより長いモードに切替えられる、つまりモードダウン動作が実行される閾値であるモードダウン閾値を示している。
単位時間当たり降雨量が降雨量R1未満であるときには、払拭モード判定部51は「停止モード」と判定し、ワイパーモータ11に対して、停止指示信号を出力する。降雨量が増加して降雨量R2、すなわち「停止モード」におけるモードアップ閾値を越えると、払拭モード判定部51は「停止モード」の上位モードである「間歇3モード」と判定し、ワイパーモータ11に対して、「間歇3モード」に対応した駆動指示信号を出力する。「間歇3モード」作動中において、さらに降雨量が増加し、降雨量R4、すなわち「間歇3モード」におけるモードアップ閾値を越えると、払拭モード判定部51は「間歇3モード」の上位モードである「間歇2モード」と判定し、ワイパーモータ11に対して、「間歇2モード」に対応した駆動指示信号を出力する。一方、「間歇3モード」作動中において、降雨量が減少し、降雨量R1、すなわち「間歇3モード」におけるモードダウン閾値を下回ると、払拭モード判定部51は「間歇3モード」の下位モードである「停止モード」と判定し、ワイパーモータ11に対して、停止指示信号を出力する。以降、「間歇3モード」から「Loモード」の間は、上述した作動と同様にして、各モードアップ閾値、および各モードダウン閾値を境に払拭モードが切替えられる。「Hiモード」作動中においては、降雨量が増加しても「Hiモード」作動が維持される。一方、「Hiモード」作動中において、降雨量が減少し、降雨量R9、すなわち「Hiモード」におけるモードダウン閾値を下回ると、払拭モード判定部51は「Hiモード」の下位モードである「Loモード」と判定し、ワイパーモータ11に対して、「Loモード」に対応した駆動指示信号を出力する。
以上により、降雨量が少量から多量に変化するに連れて、払拭モード判定部51は、ワイパーブレード13の往復払拭動作間隔時間がより短い払拭モードを順次選定していく。また、隣接する2つの払拭モードにおいて、下位モードのモードアップ閾値が上位モードのモードダウン閾値より大きく設定され、いわゆるヒステリシスが設けられているので、各払拭モード間の切替えが滑らかに行われる。
「間歇3モード」から「Loモード」までの各払拭モードにおいて、各払拭モードが維持される単位時間当たり降雨量範囲、すなわちモードアップ閾値とモードダウン閾値との降雨量幅は等しく設定されている。
次に、自動制御(AUTOモード)作動中において払拭モード判定部51で実行される処理の具体例について、図5に基づいて説明する。図5は、単位時間当たりの降雨量とそれに基づいて判定される払拭モードとの関係を示すグラフであり、図4の一部を拡大したものである。
当該自動車のワイパー制御装置1は、ワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)に操作されて作動中である。このとき、単位時間当たり降雨量は、図5中において×印で示されるように、降雨量RAであり、払拭モード判定部51は、図5に示すように、「間歇1モード」と判定して、ワイパーモータ11に対し「間歇1モード」駆動指示信号を出力している。これにより、ワイパーブレード13は、「間歇1モード」で払拭動作している。
このとき、降雨量が降雨量RAから「間歇1モード」のモードアップ閾値RU1まで増加すると、払拭モード判定部51は「Loモード」と判定して、図5に示すように、払拭モードを「Loモード」へモードアップさせる。「Loモード」が保持される降雨量範囲は、図5に示すように、モードダウン閾値RLLからモードアップ閾値RULの範囲である。一方、降雨量が降雨量RAから「間歇1モード」のモードダウン閾値RL1まで減少すると、払拭モード判定部51は「間歇2モード」と判定して、図5に示すように、払拭モードを「間歇2モード」へモードダウンさせる。「間歇2モード」が保持される降雨量範囲は、図5に示すように、モードダウン閾値RL2からモードアップ閾値RU2の範囲である。
降雨量がRAから増加したことにともない、払拭モードが「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップした後、降雨量が減少して「Loモード」のモードダウン閾値RLLまで減少すると、払拭モード判定部51は「間歇1モード」と判定して払拭モードを「間歇1モード」へモードダウンさせ、払拭モードは再び「間歇1モード」となる。このことから、降雨量がモードアップ閾値RU1とモードダウン閾値RLLとの間で増減を繰り返すと、払拭モード判定部51により判定される払拭モードも、この降雨量変動に連動して「間歇1モード」および「Loモード」の2つの払拭モードが交互に繰り返される現象、すなわち、払拭モードハンチングが発生する。払拭モードハンチングが発生すると、運転者は、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる恐れがある。
そこで、本実施形態によるワイパー制御装置1では、払拭モードハンチングの発生を判定してそれを抑制するために、マイクロコンピュータ50に、払拭モードハンチング判定部53、および払拭モードハンチング抑制部54を備えている。払拭モードハンチング判定部53は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したときに、払拭モードハンチングが発生したと判定するものである。払拭モードハンチング抑制部54は、払拭モードハンチング判定部53による払拭モードハンチング発生との判定結果に基づき、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの降雨量範囲を拡大して、払拭モードハンチング発生を抑制するものである。これにより、運転者が、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる等の不具合を防止することができる。
以下に、本発明の実施形態に係るワイパー制御装置1のマイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53において実行される払拭モードハンチング判定処理、および払拭モードハンチング発生時において払拭モードハンチング抑制部54で実行される払拭モードハンチング抑制処理について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。図6は、マイクロコンピュータ50によって実行されるワイパーモータ駆動制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。自動車の運転者によるワイパーコントロールスイッチ30の手動操作を通じて上記自動制御(AUTOモード)が選択されると、図6に示すワイパー払拭制御処理が開始される。ワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)にセットされている間は、図6のフローチャートによる処理が繰り返される。図6のフローチャート中おいて、「R」は降雨量判定手段52により判定された降雨量を、「UCL」はモードアップ閾値を、「LCL」はモードダウン閾値をそれぞれ表している。「Mold」および「Mnew」は、払拭モード判定手段53により判定された払拭モードであり、「Mold」は前回判定された払拭モードを、「Mnew」は今回判定された払拭モードをそれぞれ表している。
図6に示すワイパー払拭制御のフローチャートは、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたときに、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定するものである。そして、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定すると、払拭モードハンチング抑制部54は、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち、上位側払拭モードのモードダウン閾値を少降雨量側へ、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードのうち、下位側払拭モードのモードアップ閾値を多降雨量側へ、それぞれ変更する。
ワイパー払拭制御処理が開始されると、マイクロコンピュータ50は、先ず、ステップ201において降雨量判定手段52により降雨量R判定を行う。
続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ202において、判定された降雨量Rと、払拭モードにおけるモードダウン閾値「LCL」との大小関係の判定を行う。この判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ203の処理として、モードダウン動作を実行し、続いてステップ204の処理として、判定された降雨量Rと、モードアップ閾値「UCL」との大小関係の判定を行う。一方、ステップ202の判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ204の処理として、判定された降雨量Rと、モードアップ閾値「UCL」との大小関係の判定を行う。
ステップ204における判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、図6に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ201からの処理を繰り返す。一方、ステップ204における判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ205の処理として、現在の払拭モードをMnewと置き換え、続いてステップ206の処理として、ステップ205で置き換えられた「Mnew」と以前の払拭モードである「Mold」とが同じであるか否かの判断を行う。
ステップ206における判定処理の結果、「Mold」=「Mnew」であるときは、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことになる。すなわち、払拭モードハンチングが発生したことになる。この判定結果を受けて、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング抑制部54は、続くステップ207の処理として、払拭モードハンチング抑制処理としての払拭モード保持範囲拡大処理を実行する。続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ209の処理として、「Mnew」=「Mold」と置き換え、続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ210の処理として、モードアップ動作を実行する。そして、マイクロコンピュータ50は、図6に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ201からの処理を繰り返す。このとき以降の処理においては、モードダウン閾値「LCL」およびモードアップ閾値「UCL」は、ステップ207において払拭モード保持範囲拡大処理された新しい各閾値が用いられる。
一方、ステップ206における判定処理の結果、「Mold」≠「Mnew」であるときは、モードアップ動作が連続して2回行われたものの、各モードアップ動作の始点払拭モードが異なることになる。すなわち、払拭モードハンチングが発生していないことになる。この判定結果を受けて、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング抑制部54は、続くステップ208の処理として、払拭モードハンチング抑制処理としての払拭モード保持範囲拡大処理を解除する。続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ209の処理として、「Mnew」=「Mold」と置き換え、続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ210の処理として、モードアップ動作を実行する。そして、マイクロコンピュータ50は、図6に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ201からの処理を繰り返す。このとき以降の処理においては、モードダウン閾値「LCL」およびモードアップ閾値「UCL」は、ステップ207においてなされた払拭モードハンチング抑制処理解除後の各閾値が用いられる。
次に、図7(a)〜図7(d)に示すタイミングチャートを参照して、本実施の形態の動作、すなわち払拭モードハンチング判定部53による払拭モードハンチング検出動作および払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制動作を総括する。
図7(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、図7(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、図7(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、図7(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移をそれぞれ示す。
図7においては、時刻t10においてワイパーコントロールスイッチ30が操作されてAUTOモードが選択され、ワイパー制御装置1においてはワイパー自動制御が開始されている。払拭モード判定部51は、降雨量判定部52により判定された降雨量Rに基づいて、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーブレード13は、「間歇1モード」で払拭動作中である。
この状態で降雨量Rが増加して、図7に示すように、時刻t11に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、今回のモードアップの始点払拭モードと前回のモードアップの始点払拭モードとが異なっているため、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。そして、図7に示すように、時刻t12に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
ここで、払拭モード判定部51が、「Loモード」と判定してからワイパーモータ11へ「Loモード」の駆動信号が出力されるまでに遅れ時間、すなわち時間(t12−t11)があるのは、図6のフローチャートに示すように、先にステップ206において払拭モードハンチング判定を行った後にステップ210でモードアップ動作を実行しているためである。すなわち、同一払拭モードを始点払拭モ-ドとするモードアップ動作であるかどうかを判定してからモードアップ動作を行っている。図7においては、上述の各ステップ処理の順序を分り易くするために、時刻t11と時刻t12とを明確に識別可能にかいているが、上述の処理はコントローラ50内におけるプログラム処理であるので、実際は、時刻t11と時刻t12とはほぼ同一時刻となる。
「Loモード」で払拭動作中に降雨量Rが減少して、図7に示すように、時刻t13に「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
この状態から再び降雨量Rが増加して、図7に示すように、時刻t14に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、モードアップ判定は、時刻t11に次いで2回目であり、且つモードアップの始点となる払拭モードは、いずれも「間歇1モード」であり同一払拭モードである。したがって、払拭モードハンチング判定部53は払拭モードハンチング発生と判定する。この判定結果を受けて、払拭モードハンチング抑制部54は、時刻t14において、払拭モードハンチング抑制処理を行う。すなわち、発生した払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、下位側払拭モードである「間歇1モード」のモードアップ閾値を、モードアップ閾値「RU1」よりも多降雨量側のモードアップ閾値「RU1new」へ変更するとともに、発生した払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、上位側払拭モードである「Loモード」のモードダウン閾値を、モードダウン閾値「RLL」よりも少雨量側のモードダウン閾値「RLLnew」へ変更する。そして、図7に示すように、時刻t15に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
時刻t15以降、降雨量Rは、図7に示すように、払拭モードハンチング発生時と同様の振幅で変動するが、この変動範囲の両端の降雨量Rが、「間歇1モード」の新しいモードアップ閾値であるモードアップ閾値「RU1new」と「Loモード」の新しいモードダウン閾値であるモードダウン閾値「RLLnew」との範囲に内包されるため、払拭モードは「Loモード」に維持される。
この状態から降雨量Rが減少して、図7に示すように、時刻t16に「間歇1モード」のモードダウン閾値「RLLnew」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
この状態からさらに降雨量Rが減少して、図7に示すように、時刻t17に「間歇1モード」のモードダウン閾値「RL1」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇2モード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「間歇1モード」から「間歇2モード」へモードダウンさせる。
この状態から降雨量Rが増加して、図7に示すように、時刻t18に「間歇2モード」のモードアップ閾値「RU2」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。今回のモードアップは、払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制制御実施中における最初のものである。したがって、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。そして、図7に示すように、時刻t19に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇2モード」から「間歇1モード」へモードアップさせる。
この状態から、さらに降雨量Rが増加して、図7に示すように、時刻t20に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1new」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。今回のモードアップは、払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制制御実施中における2回目のものである。また、モードアップの始点払拭モードは「間歇1モード」であって、前回のモードアップにおける始点払拭モードである「間歇2モード」とは異なっている。すなわち、モードアップが2回連続したが始点払拭モードが異なっている。したがって、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング抑制部54は、実施中の払拭モードハンチング抑制制御を解除する。すなわち、払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、下位側払拭モードである「間歇1モード」のモードアップ閾値を、モードアップ閾値「RU1new」からモードアップ閾値「RU1」へ戻すとともに、上位側払拭モードである「Loモード」のモードダウン閾値を、モードダウン閾値「RLLnew」からモードダウン閾値「RLL」へ戻す。そして、図7に示すように、時刻t21に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によるワイパー制御装置1においては、マイクロコンピュータ50に、払拭モードハンチングの発生を判定する払拭モードハンチング判定部53、および払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定したときに、払拭モードハンチング抑制制御を行う払拭モードハンチング抑制部54とを備えている。この払拭モードハンチング判定部53は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したときに、払拭モードハンチングが発生したと判定するものである。そして、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定すると、払拭モードハンチング抑制部54は、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの降雨量範囲を拡大する。詳しくは、払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、下位側払拭モードのモードアップ閾値を多降雨量側へ変更し、払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、上位側払拭モードのモードダウン閾値を少雨量側へ変更する。これにより、払拭モードハンチングが解消されてワイパーブレードの動きが安定したものとなる。したがって、運転者が、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる等の不具合を防止することができる。
また、以上説明した本発明の第1実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング抑制制御実行中において、払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生条件が非成立であることが検出されると、払拭モードハンチング抑制部54は払拭モードハンチング抑制制御を解除する。これにより、払拭モードハンチング発生時から降雨量が大きく変動した場合に、直ちに払拭モードハンチング抑制制御を中止し、新しい降雨量状態に対応した払拭モードでワイパーモータ11を駆動することができる。
なお、以上説明した本発明の第1実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定したときに、払拭モードハンチング抑制部54により実行される払拭モードを保持する降雨量範囲の拡大処理の適用対象払拭モードを、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの両方としているが、両方ではなく、どちらか一方の払拭モードに対してのみ払拭モード保持降雨量範囲の拡大処理を実行してもよい。すなわち、図7において、「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を多雨量側へ移動させてモードアップ閾値「RU1new」とする処理、および「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を少雨量側へ移動させてモードダウン閾値「RLLnew」とする処理のどちらか一つのみ実行するようにしてもよい。
(第2実施形態)
本発明にかかるワイパー制御装置の第2実施形態は、第1実施形態とは、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53による、払拭モードハンチング判定方法のみが異なっている。したがって、払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生と判定されたときに、払拭モードハンチング抑制部54により実施される払拭モードハンチング回避処置の内容、すなわち、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードに対して払拭モードを保持する降雨量範囲を拡大することは同じである。
本発明にかかるワイパー制御装置の第1実施形態は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したときに、払拭モードハンチングが発生したと判定するものであるのに対して、第2実施形態は、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したときに、払拭モードハンチングが発生したと判定するものである。
以下に、本発明の第2実施形態に係るワイパー制御装置1のマイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53において実行される払拭モードハンチング判定処理、および払拭モードハンチング発生時において払拭モードハンチング抑制部54で実行される払拭モードハンチング抑制処理について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図6に示すフローチャート中と同一用語等に関しては説明を省略する。
図8は、マイクロコンピュータ50によって実行されるワイパーモータ駆動制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。自動車の運転者によるワイパーコントロールスイッチ30の手動操作を通じて上記自動制御(AUTOモード)が選択されると、図6に示すワイパー払拭制御処理が開始される。ワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)にセットされている間は、図8のフローチャートによる処理が繰り返される。
ワイパー払拭制御処理が開始されると、マイクロコンピュータ50は、先ず、ステップ301において降雨量判定手段52により降雨量R判定を行う。
続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ302において、判定された降雨量Rと、払拭モードにおけるモードアップ閾値「UCL」との大小関係の判定を行う。この判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ303の処理として、モードアップ動作を実行し、続いてステップ304の処理として、判定された降雨量Rと、モードダウン閾値「LCL」との大小関係の判定を行う。一方、ステップ302の判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ304の処理として、判定された降雨量Rと、モードダウン閾値「LCL」との大小関係の判定を行う。
ステップ304における判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、図8に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ301からの処理を繰り返す。一方、ステップ304における判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ305の処理として、現在の払拭モードをMnewと置き換え、続いてステップ306の処理として、ステップ305で置き換えられた「Mnew」と以前の払拭モードである「Mold」とが同じであるか否かの判断を行う。
ステップ306における判定処理の結果、「Mold」=「Mnew」であるときは、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン判定が連続して2回行われたことになる。すなわち、払拭モードハンチングが発生したことになる。この判定結果を受けて、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング抑制部54は、続くステップ307の処理として、払拭モードハンチング抑制処理としての払拭モード保持範囲拡大処理を実行する。続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ309の処理として、「Mnew」=「Mold」と置き換え、続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ310の処理として、モードアップ動作を実行する。そして、マイクロコンピュータ50は、図8に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ301からの処理を繰り返す。このとき以降の処理においては、モードアップ閾値「UCL」およびモードダウン閾値「LCL」は、ステップ307において払拭モード保持範囲拡大処理された新しい各閾値が用いられる。
一方、ステップ306における判定処理の結果、「Mold」≠「Mnew」であるときは、モードアップ動作が連続して2回行われたものの、各モードアップ動作の始点払拭モードが異なることになる。すなわち、払拭モードハンチングが発生していないことになる。この判定結果を受けて、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング抑制部54は、続くステップ308の処理として、払拭モードハンチング抑制処理としての払拭モード保持範囲拡大処理を解除する。続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ309の処理として、「Mnew」=「Mold」と置き換え、続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ210の処理として、モードアップ動作を実行する。そして、マイクロコンピュータ50は、図8に示すように「リターン」へ進み、再び、ステップ301からの処理を繰り返す。このとき以降の処理においては、モードアップ閾値「UCL」およびモードダウン閾値「LCL」は、ステップ307においてなされた払拭モードハンチング抑制処理解除後の各閾値が用いられる。
次に、図9(a)〜図9(d)に示すタイミングチャートを参照して、本発明の第2実施形態における払拭モードハンチング判定部53による払拭モードハンチング検出動作および払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制動作を総括する。
図9(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、図9(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、図9(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、図9(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移をそれぞれ示す。
図9においては、時刻t10においてワイパーコントロールスイッチ30が操作されてAUTOモードが選択され、ワイパー制御装置1においてはワイパー自動制御が開始されている。払拭モード判定部51は、降雨量判定部52により判定された降雨量Rに基づいて、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーブレード13は、「間歇1モード」で払拭動作中である。
この状態で降雨量Rが増加して、図9に示すように、時刻t11に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定し、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
「Loモード」で払拭動作中に降雨量Rが減少して、図9に示すように、時刻t12に「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図9に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、今回のモードダウンの始点払拭モードと前回のモードアップの始点払拭モードとが異なっているため、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。そして、図9に示すように、払拭モード判定部51は、時刻t13に、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
ここで、払拭モード判定部51が、「間歇1モード」と判定してからワイパーモータ11へ「間歇1モード」の駆動信号が出力されるまでに遅れ時間、すなわち時間(t12〜t13)があるのは、図8のフローチャートに示すように、先にステップ306において払拭モードハンチング判定を行った後にステップ310でモードダウン動作を実行しているためである。すなわち、同一払拭モードを始点払拭モ-ドとするモードダウン動作であるかどうかを判定してからモードダウン動作を行っている。図9においては、上述の各ステップ処理の順序を分り易くするために、時刻t12と時刻t13とを明確に識別可能にかいているが、上述の処理はコントローラ50内におけるプログラム処理であるので、実際は、時刻t12と時刻t13とはほぼ同一時刻となる。
「間歇1モード」で払拭動作中に降雨量Rが増加して、図9に示すように、時刻t14に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図9に示すように、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
この状態から再び降雨量Rが減少して、図9に示すように、時刻t15に「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図9に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、モードダウン判定は、時刻t12に次いで2回目であり、且つモードダウンの始点となる払拭モードは、いずれも「Loモード」であり同一払拭モードである。したがって、払拭モードハンチング判定部53は払拭モードハンチング発生と判定する。この判定結果を受けて、払拭モードハンチング抑制部54は、時刻t15において、払拭モードハンチング抑制処理を行う。すなわち、発生した払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、下位側払拭モードである「間歇1モード」のモードアップ閾値を、モードアップ閾値「RU1」よりも多降雨量側のモードアップ閾値「RU1new」へ変更するとともに、発生した払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、上位側払拭モードである「Loモード」のモードダウン閾値を、モードダウン閾値「RLL」よりも少雨量側のモードダウン閾値「RLLnew」へ変更する。そして、図9に示すように、時刻t16に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
時刻t16以降、降雨量Rは、図9に示すように、払拭モードハンチング発生時と同様の振幅で変動するが、この変動範囲の両端の降雨量Rが、「間歇1モード」の新しいモードアップ閾値であるモードアップ閾値「RU1new」と「Loモード」の新しいモードダウン閾値であるモードダウン閾値「RLLnew」との範囲に内包されるため、払拭モードは「間歇1モード」に維持される。
この状態から降雨量Rが増加して、図9に示すように、時刻t17に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1new」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図9に示すように、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
この状態からさらに降雨量Rが増加して、図9に示すように、時刻t18に「Loモード」のモードダウン閾値「RLLnew」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。今回のモードダウンは、払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制制御実施中における最初のものである。したがって、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。そして、図9に示すように、時刻t19に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
この状態から降雨量Rがさらに減少して、図9に示すように、時刻t20に「間歇1モード」のモードダウン閾値「RU2」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「間歇2モード」であると判定した。今回のモードダウンは、払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制制御実施中における2回目のものである。また、モードダウンの始点払拭モードは「間歇1モード」であって、前回のモードアップにおける始点払拭モードである「Loモード」とは異なっている。すなわち、モードアップが2回連続したが始点払拭モードが異なっている。したがって、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング抑制部54は、実施中の払拭モードハンチング抑制制御を解除する。すなわち、払拭モードハンチングに係る払拭モードのうち、下位側払拭モードである「間歇1モード」のモードアップ閾値をモードアップ閾値「RU1new」からモードアップ閾値「RU1」へ戻すとともに、上位側払拭モードである「Loモード」のモードダウン閾値をモードダウン閾値「RLLnew」からモードダウン閾値「RLL」へ戻す。そして、図9に示すように、時刻t21に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「間歇2モード」へモードダウンさせる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によるワイパー制御装置1においては、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53における払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としている。この構成によっても、第1実施形態の場合と同様に、払拭モードハンチングを確実に検出できるとともに、払拭モードハンチングが発生したときには、払拭モードハンチングを確実に解消することができる。したがって、運転者が、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる等の不具合を防止することができる。
また、以上説明した本発明の第1実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング抑制制御実行中において、払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生条件が非成立であることが検出されると、払拭モードハンチング抑制部54は払拭モードハンチング抑制制御を解除する。これにより、払拭モードハンチング発生時から降雨量が大きく変動した場合に、直ちに払拭モードハンチング抑制制御を中止し、新しい降雨量状態に対応した払拭モードでワイパーモータ11を駆動することができる。
なお、以上説明した本発明の第1実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定したときに、払拭モードハンチング抑制部54により実行される払拭モードを保持する降雨量範囲の拡大処理の適用対象払拭モードを、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの両方としているが、両方ではなく、どちらか一方の払拭モードに対してのみ払拭モード保持降雨量範囲の拡大処理を実行してもよい。すなわち、図7において、「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を多雨量側へ移動させてモードアップ閾値「RU1new」とする処理、および「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を少雨量側へ移動させてモードダウン閾値「RLLnew」とする処理のどちらか一つのみ実行するようにしてもよい。
なお、以上説明した本発明にかかるワイパー制御装置の第1実施形態では払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したとき、とし、本発明にかかるワイパー制御装置の第2実施形態では払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としている。これらにおける始点払拭モードを終点払拭モードに置き換えてもよい。
(第3実施形態)
本発明にかかるワイパー制御装置の第3実施形態は、先に説明した第1実施形態とは、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生と判定されたときに、払拭モードハンチング抑制部54により実施される払拭モードハンチング回避処置が異なっている。したがって、払拭モードハンチング判定部53により行われる払拭モードハンチング発生判定方法は、先に説明した第1実施形態と同じであり、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したときに払拭モードハンチング発生と判定している。
本発明にかかるワイパー制御装置の第3実施形態における払拭モードハンチング抑制部54により実施される払拭モードハンチング回避処置について説明する。
払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生との判定が下されると、払拭モードハンチング抑制部54は、それを受けて、払拭モードハンチングを解消すべく払拭モードハンチング回避処置を行う。すなわち、払拭モードを、払拭モードハンチング発生時に設定された払拭モード、すなわち第3実施形態においてはモードアップ動作が連続して2回行われたときに払拭モードハンチング発生と判定しているので払拭モードハンチングに係る払拭モードにおける上位側払拭モード、に固定する。そして、この払拭モードハンチング回避処置は、所定条件が成立するまで継続実行される。この所定条件は、言い換えると払拭モードハンチング回避処置を解除するための解除条件である。
次に、上述した、払拭モードハンチング回避処置を解除するための解除条件について説明する。第3実施形態においては、解除条件を、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値を複数回として2回連続して越えること、としている。ここで、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値とは、払拭モードハンチングに係る2払拭モードの内の上位側払拭モードよりも上位側にある払拭モードへ遷移する閾値であるモードアップ閾値(以降、上側解除閾値と表す)および払拭モードハンチングに係る2払拭モードの内の下位側払拭モードよりも下位側にある払拭モードへ遷移する閾値であるモードダウン閾値(以降、下側解除閾値と表す)のどちらか一方のことを指す。
降雨量の変動範囲が、払拭モードハンチング発生時と変わらない場合は、降雨量判定部51により判定される降雨量は、上述の上側解除閾値を超えず、且つ下側解除閾値を下回ることもない。したがって、払拭モードは払拭モードハンチングに係る払拭モードにおける上位側払拭モード固定されている。この状態から降雨量が増加して、降雨量判定部51による降雨量判定結果が2回連続して上側解除閾値を超えると、または、この状態から降雨量が減少して、降雨量判定部51による降雨量判定結果が2回連続して下側解除閾値を下回ると、払拭モードハンチング抑制部54は払拭モードハンチング回避処置を解除する。そして、コントローラ50は、払拭モード判定部52により判定された払拭モードでワイパーモータ11を駆動する。
以上説明した、第3実施形態において払拭モードハンチング抑制部54により実施される払拭モードハンチング回避処置は、以下のように言い換えることができる。すなわち、払拭モードハンチング発生と判定されると、払拭モードを払拭モードハンチング発生時の払拭モードに固定するとともに、当該払拭モードを維持する降雨量範囲を、払拭モードハンチングに係る2払拭モードのうち上位側払拭モードのモードアップ閾値(上側解除閾値)および払拭モードハンチングに係る2払拭モードのうち下位側払拭モードのモードダウン閾値(下側解除閾値)間の降雨量範囲に拡大している。そして、この払拭モードハンチング回避処置の解除条件を、上側解除閾値および下側解除閾値のどちらか一方を2回連続して越えることとしている。
次に、本発明の第3実施形態に係るワイパー制御装置1のマイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53において実行される払拭モードハンチング判定処理、および払拭モードハンチング発生時において払拭モードハンチング抑制部54で実行される払拭モードハンチング抑制処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。図10は、マイクロコンピュータ50によって実行されるワイパーモータ駆動制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。自動車の運転者によるワイパーコントロールスイッチ30の手動操作を通じて上記自動制御(AUTOモード)が選択されると、図10に示すワイパー払拭制御処理が開始される。ワイパーコントロールスイッチ30が自動制御(AUTOモード)にセットされている間は、図10のフローチャートによる処理が繰り返される。図10のフローチャート中おいて、「R」は降雨量判定手段52により判定された降雨量を、「UCL」はモードアップ閾値を、「LCL」はモードダウン閾値をそれぞれ表している。Pは払拭モードハンチング回避制御を表し、P=1は払拭モードハンチング回避制御実施中、P=0は払拭モードハンチング回避制御無し、をそれぞれ表している。Cは払拭モードハンチング回避制御解除条件である上側解除閾値および下側解除閾値のどちらか一方を越えた回数のカウンタを表している。「Mold」および「Mnew」は払拭モード判定手段53により判定された払拭モードであり、「Mold」は前回判定された払拭モードを、「Mnew」は今回判定された払拭モードをそれぞれ表している。
ワイパー払拭制御処理が開始されると、マイクロコンピュータ50は、先ず、ステップ401において降雨量判定手段52により降雨量R判定を行う。
続いて、マイクロコンピュータ50は、ステップ402において、判定された降雨量Rと、払拭モードにおけるモードダウン閾値「LCL」との大小関係の判定を行う。この判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ403の処理として、モードダウン動作を実行し、続いてステップ404の処理として、判定された降雨量Rと、モードアップ閾値「UCL」との大小関係の判定を行う。一方、ステップ402の判定処理の結果、降雨量Rがモードダウン閾値「LCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ404の処理として、判定された降雨量Rと、モードアップ閾値「UCL」との大小関係の判定を行う。
ステップ404における判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも小さいときは、マイクロコンピュータ50は、図10に示すように、ステップ409の処理としてカウンタをC=0としてから「リターン」へ進み、再び、ステップ401からの処理を繰り返す。一方、ステップ404における判定処理の結果、降雨量Rがモードアップ閾値「UCL」よりも大きいときは、マイクロコンピュータ50は、続くステップ405の処理として、払拭モードハンチング回避制御が実行中であるか否かの判定を行う。
ステップ405における判定処理の結果、現在払拭モードハンチング回避制御が実行中であるときは、続くステップ406の処理としてカウンタをC=C+1とし、続くステップ407の処理として、カウンタがC=2であるか否かの判定を行う。一方、ステップ405における判定処理の結果、現在払拭モードハンチング回避制御が実行でないときは、続くステップ408の処理としてカウンタをC=0とした後、ステップ412へ進む。
ステップ407における判定処理の結果、カウンタがC=2ではないときは、図10に示すように「リターン」へ進み、再びステップ401からの処理を繰り返す。ステップ407における判定処理の結果、カウンタがC=2であるときは、続くステップ410の処理として、カウンタをC=0とし、続くステップ411の処理として「Mold」を消去する。続いて、ステップ412の処理として、現在の払拭モードを「Mnew」へ置き換える。続くステップ413の処理として、ステップ412で置き換えられた「Mnew」と以前の払拭モードである「Mold」とが同じであるか否かの判断を行う。
ステップ413における判定処理の結果、「Mold」=「Mnew」であるときは、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことになる。すなわち、払拭モードハンチングが発生したことになる。この判定結果を受けて、払拭モードハンチング抑制部54は、続くステップ414の処理として、払拭モードハンチング抑制処理である払拭モードの固定、すなわち固定された払拭モードを維持する降雨量範囲の上述した上側解除閾値および下側解除閾値間の降雨量範囲への拡大、を実行するとともに、P=1とする。続いて、ステップ416の処理として、「Mnew」を「Mold」に置き換える。続いて、ステップ417の処理として、モードアップ動作を実行する。
一方、ステップ413における判定処理の結果、「Mold」≠「Mnew」であるときは、降雨量判定部52により判定された降雨量Rが2回連続して上側解除閾値および下側解除閾値間のどちらかを越えたことになる。したがって、続くステップ415の処理として、ステップ414で実施されている払拭モードハンチング抑制処理を解除する。続いて、ステップ416の処理として、「Mnew」を「Mold」に置き換える。続いて、ステップ417の処理として、モードアップ動作を実行する。
次に、図11(a)〜図11(d)に示すタイミングチャートを参照して、第3実施形態の動作、すなわち払拭モードハンチング判定部53による払拭モードハンチング検出動作および払拭モードハンチング抑制部54による払拭モードハンチング抑制動作を総括する。
図11(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、図11(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、図11(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、図11(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移をそれぞれ示す。
図11においては、時刻t10においてワイパーコントロールスイッチ30が操作されてAUTOモードが選択され、ワイパー制御装置1においてはワイパー自動制御が開始されている。払拭モード判定部51は、降雨量判定部52により判定された降雨量Rに基づいて、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーブレード13は、「間歇1モード」で払拭動作中である。
この状態で降雨量Rが増加して、図11に示すように、時刻t11に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、今回のモードアップの始点払拭モードと前回のモードアップの始点払拭モードとが異なっているため、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングは発生していないと判定した。そして、図7に示すように、時刻t12に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
ここで、払拭モード判定部51が、「Loモード」と判定してからワイパーモータ11へ「Loモード」の駆動信号が出力されるまでに遅れ時間、すなわち時間(t12−t11)があるのは、図10のフローチャートに示すように、先にステップ413において払拭モードハンチング判定を行った後にステップ417でモードアップ動作を実行しているためである。すなわち、同一払拭モードを始点払拭モ-ドとするモードアップ動作であるかどうかを判定してからモードアップ動作を行っている。図11においては、上述の各ステップ処理の順序を分り易くするために、時刻t11と時刻t12とを明確に識別可能にかいているが、上述の処理はコントローラ50内におけるプログラム処理であるので、実際は、時刻t11と時刻t12とはほぼ同一時刻となる。
「Loモード」で払拭動作中に降雨量Rが減少して、図11に示すように、時刻t13に「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を下回った。これにより、払拭モード判定部51は、図11に示すように、対応する払拭モードは「間歇1モード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「Loモード」から「間歇1モード」へモードダウンさせる。
この状態から再び降雨量Rが増加して、図11に示すように、時刻t14に「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を越えた。これにより、払拭モード判定部51は、図7に示すように、対応する払拭モードは「Loモード」であると判定した。この判定結果に基づいて、払拭モードハンチング判定部53は、払拭モードハンチングが発生したか否かを判定する。この場合、モードアップ判定は、時刻t11に次いで2回目であり、且つモードアップの始点となる払拭モードは、いずれも「間歇1モード」であり同一払拭モードである。したがって、払拭モードハンチング判定部53は払拭モードハンチング発生と判定する。この払拭モードハンチングは、「間歇1モード」と「Loモード」間で発生している。この判定結果を受けて、払拭モードハンチング抑制部54は、時刻t14において、払拭モードハンチング抑制処理を行う。すなわち、発生した払拭モードハンチングに係る払拭モードの一方の払拭モードである「Loモード」に払拭モードを固定する。そして、図11に示すように、時刻t15に、払拭モード判定部51は、ワイパーモータ11へ出力される駆動信号を「間歇1モード」から「Loモード」へモードアップさせる。
時刻t15以降、降雨量Rは、図11に示すように、払拭モードハンチング発生時と同様の振幅で変動するが、払拭モードは「Loモード」に維持される。
この状態から降雨量が増加して、図11に示すように、時刻t16において、降雨量判定部52により判定された降雨量Rが、払拭モードハンチングに係る払拭モードの上位側払拭モードである「Loモード」におけるモードアップ閾値「RUL」を超えた。時刻t16から降雨量判定部52において降雨量判定が実施される間隔時間ΔTが経過した時刻である時刻t17においても、降雨量判定部52により判定された降雨量Rがモードアップ閾値「RUL」を超えた。すなわち、降雨量判定部52により判定された降雨量Rが、払拭モードハンチングに係る払拭モードの上位側払拭モードである「Loモード」におけるモードアップ閾値「RUL」を2回連続して超えた。すなわち、払拭モードハンチング抑制処置の解除条件が成立している。これにより、払拭モードハンチング判定部53は払拭モードハンチングが解消したと判定し、同時に払拭モードハンチング抑制部54は、不払拭モードハンチング抑制処置、つまり払拭モードを「Loモード」に固定することを中止する。これにより、時刻t17において払拭モード判定部51は対応する払拭モードは「Hiモード」であると判定し、ワイパーモータ11を駆動させる払拭モードを「Loモード」から「Hiモード」へモードアップさせる。
以上説明したように、本発明の第3実施形態によるワイパー制御装置1においては、マイクロコンピュータ50の払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生と判定されたときに、払拭モードハンチング抑制部54により実施される払拭モードハンチング回避処置を、払拭モードハンチングに係る払拭モードにおける上位側払拭モード固定することとしている。そして、払拭モードハンチング回避処置の解除条件を、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値を複数回として2回連続して越えること、としている。この構成によっても、第1実施形態の場合と同様に、払拭モードハンチングが発生したときには、払拭モードハンチングを確実に解消することができる。したがって、運転者が、ワイパーブレードの動きが不安定であると感じ、ワイパー制御装置に故障が発生したのではないかと不安になる等の不具合を防止することができる。
また、以上説明した本発明の第3実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング抑制制御実行中において、払拭モードハンチング判定部53により払拭モードハンチング発生条件が非成立であることが検出されると、払拭モードハンチング抑制部54は払拭モードハンチング抑制制御を解除する。これにより、払拭モードハンチング発生時から降雨量が大きく変動した場合に、直ちに払拭モードハンチング抑制制御を中止し、新しい降雨量状態に対応した払拭モードでワイパーモータ11を駆動することができる。
なお、以上説明した本発明の第1、第2実施形態によるワイパー装置1においては、払拭モードハンチング判定部53が払拭モードハンチング発生と判定したときに、払拭モードハンチング抑制部54により実行される払拭モードを保持する降雨量範囲の拡大処理の適用対象払拭モードを、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードの両方としているが、両方ではなく、どちらか一方の払拭モードに対してのみ払拭モード保持降雨量範囲の拡大処理を実行してもよい。すなわち、「間歇1モード」のモードアップ閾値「RU1」を多雨量側へ移動させてモードアップ閾値「RU1new」とする処理、および「Loモード」のモードダウン閾値「RLL」を少雨量側へ移動させてモードダウン閾値「RLLnew」とする処理のどちらか一つのみ実行するようにしてもよい。
また、以上説明した本発明にかかるワイパー制御装置の第1実施形態では、払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としているが、同一払拭モードを終点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としてもよい。
また、以上説明した本発明にかかるワイパー制御装置の第2実施形態では、払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としてが、同一払拭モードを終点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としてもよい。
また、以上説明した本発明にかかるワイパー制御装置の第3実施形態では、払拭モードハンチング判定基準を、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としているが、同一払拭モードを終点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としてもよい。さらには、同一払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、あるいは同一払拭モードを終点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたことを検出したとき、としてもよい。
また、以上説明した本発明にかかるワイパー制御装置の第3実施形態では、払拭モードハンチング回避制御の解除条件を、払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードから払拭モードハンチングに係る2つの払拭モードとは異なる払拭モードへ遷移する閾値を2回連続して越えること、としているが、2回に限定する必要はなく、複数回であれば何回でもよい。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態〜第4実施形態に係るワイパー制御装置1の具体的な作動においては、払拭モードハンチングが「間歇1モード」および「Loモード」間において発生した場合を例に説明したが、これら以外の2つの払拭モード間において発生した場合においても、同様にして払拭モードハンチングを検出し、それを抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、ワイパー制御装置1が設置されるウィンドシールドを、運転席前方のフロントウィンドシールド101として説明したが、フロントウィンドシールド101に限る必要はなく、他の窓、たとえばリヤウィンドシールドに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、当該雨滴量検出装置を自動車に搭載した例について言及したが、搭載先は自動車に限られない。他にも飛行機、鉄道車両、船舶など、広く移動体に搭載して有益である。
本発明の第1実施形態によるワイパー制御装置1が自動車100に搭載された状態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態によるワイパー制御装置1の全体構成を示すブロック図である。 雨滴センサ20の構成を説明する断面図であり、図1中のIII−III線断面図である。 降雨量とそれに基づいて判定される払拭モードとの関係を示すグラフである。 単位時間当たりの降雨量とそれに基づいて判定される払拭モードとの関係を示すグラフであり、図4の一部を拡大したものである。 本発明の第1実施形態によるワイパー制御装置1において実行されるワイパー払拭制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるワイパー制御装置1における、(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移を、それぞれ示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態によるワイパー制御装置1において実行されるワイパー払拭制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態によるワイパー制御装置1における、(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移を、それぞれ示すタイミングチャートである。 本発明の第3実施形態によるワイパー制御装置1において実行されるワイパー払拭制御処理の具体的な処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態によるワイパー制御装置1における、(a)は、ワイパーコントロールスイッチ30におけるAUTOモード選択状態を、(b)は、払拭モード判定部51からワイパーモータ11へ出力される駆動信号の出力状態を、(c)は、降雨量判定部52で算出された単位時間当たりの降雨量Rの時間推移を、(d)は、払拭モードハンチング判定部53による判定結果の時間推移を、それぞれ示すタイミングチャートである。 従来のワイパー制御装置における降雨量とそれに基づいて判定される払拭モードとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ワイパー制御装置
10 ワイパー装置
11 ワイパーモータ
12 伝達機構
13 ワイパーブレード
20 雨滴センサ
21 発光素子
22 受光素子
40 ワイパーコントロールスイッチ
50 マイクロコンピュータ
51 払拭モード判定部
52 降雨量判定部
53 払拭モードハンチング判定部
54 払拭モードハンチング抑制部
100 自動車
101 フロントウィンドシールド
A 払拭領域
Ad 検出領域(所定領域)
D 雨滴
R 降雨量
t 時刻
ΔT 間隔時間

Claims (7)

  1. ウィンドシールド上におけるワイパーブレードの払拭範囲内における所定領域を検出領域として、当該検出領域に付着した雨滴量に応じた検出信号を出力する雨滴センサからの検出信号に基づいて前記ワイパーブレードを駆動するワイパー制御装置であって、
    前記検出信号に基づいて前記ウィンドシールドに付着した降雨量を判定する降雨量判定手段と、
    前記降雨量判定手段により判定された前記降雨量に基づいて前記ワイパーブレードの払拭モードを判定する払拭モード判定手段とを備え、
    前記払拭モード判定手段により前記ワイパーブレードの往復払拭動作間隔時間が異なる複数の前記払拭モードの中から前記降雨量に応じた一つの前記払拭モードが判定され、当該払拭モードにより前記ワイパーブレードが駆動され、
    各前記払拭モードの前記往復払拭動作間隔時間は対応する前記降雨量が多いほどより短くなるように設定され、
    各前記払拭モードが維持される降雨量範囲は、各前記払拭モードより前記往復払拭動作間隔時間がより長い前記払拭モードである下位側払拭モードへ遷移する動作であるモードダウン動作が行われる閾値であるモードダウン閾値としての降雨量と各前記払拭モードより前記往復払拭動作間隔時間がより短い前記払拭モードである上位側払拭モードへ遷移する動作であるモードアップ動作が行われる閾値であるモードアップ閾値としての降雨量との間の範囲であり、
    前記モードアップ閾値の降雨量は前記モードダウン閾値の降雨量よりも多いワイパー制御装置において、
    前記払拭モード判定手段により判定された前記払拭モードとして互いに隣接する2つの前記払拭モードが交互に現れる現象である払拭モードハンチングの発生を判定する払拭モードハンチング判定手段と、
    前記払拭モードハンチング判定手段により前記払拭モードハンチングが発生したと判定されたときに、前記払拭モードハンチングを抑制する払拭モードハンチング抑制手段とを備えることを特徴とするワイパー制御装置。
  2. 前記払拭モードハンチング判定手段は、同一前記払拭モードを始点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたとき、または同一前記払拭モードを終点払拭モードとするモードアップ動作が連続して2回行われたときに前記払拭モードハンチング発生と判定することを特徴とする請求項1に記載のワイパー制御装置。
  3. 前記払拭モードハンチング判定手段は、同一前記払拭モードを始点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたとき、または同一前記払拭モードを終点払拭モードとするモードダウン動作が連続して2回行われたときに前記払拭モードハンチング発生と判定することを特徴とする請求項1に記載のワイパー制御装置。
  4. 前記払拭モードハンチング抑制手段は、前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードのうち少なくとも一方の前記払拭モードに対して当該払拭モードが維持される降雨量範囲を拡大することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のワイパー制御装置。
  5. 前記払拭モードハンチング抑制手段は、前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードのうち前記下位側払拭モードにおいて前記モードアップ閾値を多降雨量側へ変更すること、および前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードのうち前記上位側払拭モードにおいて前記モードダウン閾値を少降雨量側へ変更することの少なくともどちらか一方の処理を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のワイパー制御装置。
  6. 前記払拭モードハンチング抑制手段は、前記払拭モードハンチング発生と判定された時点から所定条件が成立するまでの期間は払拭モードハンチング抑制動作として前記払拭モードを前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードのどちらか一方の前記払拭モードに固定し、所定条件が成立した時点で前記払拭モードハンチング抑制動作を解除することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のワイパー制御装置。
  7. 前記所定条件は、前記降雨量判定手段により判定された降雨量が前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードから前記払拭モードハンチングに係る2つの前記払拭モードとは異なる前記払拭モードへ遷移する閾値を複数回連続して越えることであることを特徴とする請求項6に記載のワイパー制御装置。
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