JP2008161711A - 電子移動搬送装置用ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【目的】治療過程の間に生じた先行する事象の記憶と表示とを与える電子移動薬剤搬送装置を提供すること。
【解決手段】オン及びオフ状態を有するディスプレイ(14)を備えた電子的や機材搬送装置(10)と、そのようなディスプレイの動作方法が提供される。好ましくは、ディスプレイ(14)は、点灯及び非点灯状態を有するライトか、又は、発生及び沈黙状態を有するビーパなどの可聴アラームを有する。患者が装置を装着していた所定の時間間隔の間に薬剤の搬送イベントが生じた回数がカウントされ、記憶される。このイベントの回数は、イベント数のオン/オフのサイクルの間でディスプレイ(14)を循環させることにより表示される。本発明によると、単純で安価な手段(例えば、LED)を用いることで、ある治療期間の間に患者が何度搬送を始動したのかを医療関係者に向けて表示することが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】オン及びオフ状態を有するディスプレイ(14)を備えた電子的や機材搬送装置(10)と、そのようなディスプレイの動作方法が提供される。好ましくは、ディスプレイ(14)は、点灯及び非点灯状態を有するライトか、又は、発生及び沈黙状態を有するビーパなどの可聴アラームを有する。患者が装置を装着していた所定の時間間隔の間に薬剤の搬送イベントが生じた回数がカウントされ、記憶される。このイベントの回数は、イベント数のオン/オフのサイクルの間でディスプレイ(14)を循環させることにより表示される。本発明によると、単純で安価な手段(例えば、LED)を用いることで、ある治療期間の間に患者が何度搬送を始動したのかを医療関係者に向けて表示することが可能になる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子移動法(electrotranport)によって、皮膚などの健全な身体表面を介する薬品又は薬剤の搬送に関する。更に詳しくは、本発明は、先行する治療周期の間に生じた事象の回数を表示する安価なディスプレイを備えた電子移動搬送装置に関する。
近時、特許及び技術文献における関心は、電子移動法による健全な皮膚又は器官の表面を通過して薬品又は薬剤を搬送することに向けられている。この出願で用いる「電子輸送(移動)」の用語は、一般的には、皮膚、粘膜、爪などの膜を通過する有効な薬剤(例えば、薬品)の搬送を意味する。この搬送は、電位を印加することによって誘導又は補助される。例えば、有効な治療剤を、皮膚を介しての電子輸送的な搬送によって、人体の身体的な循環に送り込むことができる。
広く用いられている電子輸送プロセスである電子移動法(electromigration)(イオン浸透療法(イオントホレーゼ、iontophoresis)とも称される)は、帯電したイオンを電気的に誘導して輸送することに関する。これとは別のタイプの電子輸送である電気浸透法(electroosmosis)は、搬送される薬剤を含む液体を電場の影響下で流すことに関する。更に別のタイプである電子輸送である電子細孔法(electroporation)は、電場を加えることにより、生体膜において過渡的に存在する細孔を形成することに関する。薬剤は、受動的に(すなわち、電気的な補助なしに)、又は、能動的に(電位の影響を受けて)、これらの細孔を通って運ばれる。しかし、どの電子輸送プロセスにおいても、これらのプロセスの中の複数が、ある程度までは、同時に生じることがあり得る。従って、この出願で用いる「電子輸送(移動)」の用語は、最も広い意味に解釈すべきであり、それによって、帯電していてもしていなくても、又は、その両方の混合形態であっても、薬剤が実際に輸送される1又は複数の特定のメカニズムがどれであっても、この用語は、少なくとも1つの薬剤の電気的に誘導される又は強化される輸送を意味することとする。
広く用いられている電子輸送プロセスである電子移動法(electromigration)(イオン浸透療法(イオントホレーゼ、iontophoresis)とも称される)は、帯電したイオンを電気的に誘導して輸送することに関する。これとは別のタイプの電子輸送である電気浸透法(electroosmosis)は、搬送される薬剤を含む液体を電場の影響下で流すことに関する。更に別のタイプである電子輸送である電子細孔法(electroporation)は、電場を加えることにより、生体膜において過渡的に存在する細孔を形成することに関する。薬剤は、受動的に(すなわち、電気的な補助なしに)、又は、能動的に(電位の影響を受けて)、これらの細孔を通って運ばれる。しかし、どの電子輸送プロセスにおいても、これらのプロセスの中の複数が、ある程度までは、同時に生じることがあり得る。従って、この出願で用いる「電子輸送(移動)」の用語は、最も広い意味に解釈すべきであり、それによって、帯電していてもしていなくても、又は、その両方の混合形態であっても、薬剤が実際に輸送される1又は複数の特定のメカニズムがどれであっても、この用語は、少なくとも1つの薬剤の電気的に誘導される又は強化される輸送を意味することとする。
電子輸送(移動)装置(デバイス)は、皮膚、爪、粘膜などの身体の表面のある部分と電気的に接触する少なくとも2つの電
極を用いる。通常は、「ドナー」又は「アクティブ」電極と称される一方の電極は、そこから薬剤が身体の中へ搬送される電極である。「カウンタ」又は「復帰(リターン)」電極と称される他方の電極は、身体を通過する電気回路を閉じる機能を有する。例えば、搬送される薬剤が正に帯電している、すなわち、陽イオン(cation)の場合には、アノードが、アクティブすなわちドナー電極であり、カソードが回路を完成させる機能を有する。また、薬剤が負に帯電している、すなわち、陰イオン(anion)である場合には、カソードがドナー電極となる。更に、陽イオンと陰イオンとの両方が、又は、帯電していないすなわち中性に帯電している薬剤が搬送される場合には、アノードとカソードとの両方が、ドナー電極と考えられる。
極を用いる。通常は、「ドナー」又は「アクティブ」電極と称される一方の電極は、そこから薬剤が身体の中へ搬送される電極である。「カウンタ」又は「復帰(リターン)」電極と称される他方の電極は、身体を通過する電気回路を閉じる機能を有する。例えば、搬送される薬剤が正に帯電している、すなわち、陽イオン(cation)の場合には、アノードが、アクティブすなわちドナー電極であり、カソードが回路を完成させる機能を有する。また、薬剤が負に帯電している、すなわち、陰イオン(anion)である場合には、カソードがドナー電極となる。更に、陽イオンと陰イオンとの両方が、又は、帯電していないすなわち中性に帯電している薬剤が搬送される場合には、アノードとカソードとの両方が、ドナー電極と考えられる。
更に、電子輸送(移動)による搬送システムは、一般に、搬送される薬剤の少なくとも1つの貯蔵部(reservoir)すなわちソースを、一般に、必要とする。このようなドナーの貯蔵部には、ポーチ(pouch)すなわち空洞(cavity)、多孔性のスポンジすなわちパッド、親水性のポリマすなわちジェル・マトリクスなどが含まれる。これらのドナー貯蔵部は、アノード又はカソードと身体表面との間に接続されて配置され、1又は複数の薬剤又は薬品の固定された又は更新可能なソースとなる。電子輸送デバイスは、また、1又は複数のバッテリなどの電源を有する。典型的には、電源の一方の極は、ドナー電極に電気的に接続され、他方で、反対の極は、逆の電極に電気的に接続される。更に、電極を介して与えられる電流を制御して薬剤搬送のレートを規制する電気的コントローラを有する電子輸送デバイスもある。更に、受動的な流率(フラックス)制御膜、デバイスの身体表面への接触を維持する接着剤、絶縁部材、不浸透性の支持部材などが、電子輸送デバイスの、それ以外の潜在的な構成要素として存在する。
電子輸送式の薬剤搬送デバイスは、電源(例えば、バッテリ)と電極とを電気的に接続するのに、電気回路を用いる。米国特許第4474570号(Ariura他)に開示されているような非常に単純なデバイスでは、この「回路」は、バッテリを電極に接続するのに用いられる導電性のワイヤに過ぎない。電源によって供給される電流の振幅、極性、タイミング、波形などを制御するのには、種々の電気機器を用いるデバイスもある。例えば、米国特許第5047007号(McNichols他)を参照のこと。
今日のところ、商用の皮膚通過型(transdermal)の電子輸送式の薬剤搬送デバイス(例えば、米国ユタ州ソルトレークシティのlomed社が販売するPhoresorや、ミネソタ州セントポールのEmpi社が販売するDupel lontophoresis Systemや、ユタ州ローガンのWescor社が販売するWebster Sweat Inducerのモデル3600など)では、デスクトップ型の電源ユニットと1対の皮膚接触型電極とを用いている。ドナー電極は、薬剤の溶液を含み、他方で、カウンタ電極は、生物学的適応性の電解質の食塩の溶液を含む。「衛星」電極が、長い(例えば、1メートルから2メートル)導電性のワイヤ又はケーブルによって、電源ユニットに接続される。「衛星」電極アセンブリを用いるデスクトップ型の電源ユニットの例については、米国特許第4141359号(Jacobson他)の図3及び図4、米国特許第5006108号(LaPrade)の図9、米国特許第5254081号(Maurer他)の図1及び図2を参照のこと。
更に最近では、より長い時間に亘って皮膚の上に時には衣服の内側に邪魔にならないように装着するように構成される小型の自己完結的な電子輸送式の搬送デバイスが提案されている。このような小型化された電子輸送式の薬剤搬送デバイスの中の電気的な構成要素は、好ましくは、やはり小型化されており、集積回路(マイクロチップ)又は小型のプリント回路である。バッテリ、抵抗、パルス発生器、コンデンサなどの電気的な構成要素は、電源が供給する電流の振幅、極性、タイミング、波形などを制御する電子回路を形成するように電気的に接続される。このような自己完結的な電子輸送式搬送デバイスは、例えば、米国特許第5224927号(Tapper)、米国特許第5224928号(Sibalis)、米国特許第5246418号(Haynes他)に開示されている。
鎮痛剤などの薬剤の管理においては、担当の医師が、患者の薬剤受領の履歴に関する知識を有していることは、きわめて好ましい。例えば、痛みの管理では、ある先行する時間周期の間に患者が受け入れた鎮痛剤の量に関する情報は、その患者の痛み又はそれ以外の症状を管理するのに用いられる将来的な戦略を決定する上で、非常に重要である。また、電子移動法による患者制御型の薬剤搬送装置が、患者と医療関係者との双方にとって利用が容易であることもきわめて重要である。
本発明は、治療過程の間に生じた先行する事象の記憶と表示とを与える電子移動薬剤搬送装置及び方法を提供する。
安価で正確であり医療関係者と患者の双方にとって利用しやすい、電子移動薬剤搬送装置用のディスプレイを提供することが本発明の別の側面である。
安価で正確であり医療関係者と患者の双方にとって利用しやすい、電子移動薬剤搬送装置用のディスプレイを提供することが本発明の別の側面である。
本発明の好適な側面として、患者が制御できる電子移動薬剤搬送装置及び方法が提供されるが、この装置及び方法では、医療関係者の解釈のために患者が自分自身で所定の先行する時間周期の間に投与した回数が、記録し表示される。先行する薬剤搬送事象の回数を知ることにより、医療関係者は、容易に、搬送された薬剤の全体量と、搬送されずに薬剤貯蔵部に残っている未搬送薬剤の量と、薬剤搬送の傾向(減っているか、増えているか)など、患者の薬剤搬送のプロフィールに関係するデータを得ることができる。
本発明は、患者装着型の電子移動搬送装置の使用周期の間に事象が何回生じたかどうかを表示する方法及び装置を与える。搬送装置は、オン及びオフ状態を有するディスプレイを用いる。この方法は、使用周期の間に生じた事象の回数をカウントし記憶することを含む。記憶されたカウントは、オン/オフのサイクルの回数を記憶されたカウントに相関させる所定の計画に従って、オン及びオフ状態の間で表示を循環させることによって、表示される。好ましくは、所定の計画は、xとyとの事象のあいだに表示のそれぞれのオン/オフのサイクルを相関させるが、ここで、xとyとは、0から100までの整数であり、更に好ましくは、1から20の整数である。
このディスプレイは、好ましくは、点灯及び非点灯状態を有するライトか、又は発音及び無音状態を有する可聴アラームなどの安価なディスプレイである。
カウントされる事象は、電子移動法によって装置によって搬送される薬剤の投与であり得る。また、事象は、装置によって感知される患者の状態を含む。感知された状態は、その状態に関する所定の範囲と比較され、状態が所定の範囲の外にでてしまう度にカウントされる。更に好適な実施例では、事象は、電子移動法によって行われる薬剤の手動で開始される投与である。
カウントされる事象は、電子移動法によって装置によって搬送される薬剤の投与であり得る。また、事象は、装置によって感知される患者の状態を含む。感知された状態は、その状態に関する所定の範囲と比較され、状態が所定の範囲の外にでてしまう度にカウントされる。更に好適な実施例では、事象は、電子移動法によって行われる薬剤の手動で開始される投与である。
本発明のこれらの及びそれ以外の目的及び効果は、以下の詳細な説明と請求の範囲とから、明らかになる。
一般的にいって、本発明の電子移動装置は、患者が、予定された治療過程の間に実質的に任意の薬剤を搬送するのに用いることができる。治療の事象及び過程の特定の好適な例は、痛みを制御するための薬剤(鎮痛剤)の搬送である。薬剤は、患者が、この電子移動装置を付勢するスイッチを閉じることによって、自立的に管理される。いったん付勢されると、この装置は、電子移動法により所定の搬送間隔の間、薬剤を搬送する。従って、本発明のこの例では、事象は、装置の付勢によって自動的に搬送される薬剤の所定の投与である。搬送間隔の長さは、搬送されている特定の薬剤、与えられる電流、装置の大きさ及び特定の治療過程に依存して変動する。搬送間隔が終了した後では、この装置は、自動的にそれ自身をオフにし、薬剤の別の投薬分を搬送する付勢を待機する。患者が更なる薬剤を必要とする場合には、すなわち、患者が搬送間隔の終了後も依然として痛みを感じている場合には、付勢スイッチは再び閉じられ、この装置は、別の所定の搬送間隔の間、薬剤搬送モードに置かれる。他方で、薬剤の搬送間隔の後で適切な痛みの緩和を経験する場合には、この装置は、自動的にそれ自身をオフにし、後で再び痛みが現れるときに患者によって再び付勢されるのを待機する。従って、患者は、痛み緩和の彼又は彼女のレベルに薬剤の量を決定し、所望のレベルの鎮痛を、すなわち、患者が不快に感じないようなレベルの鎮痛を、達成する。この装置は、例えば24時間などの所定の治療周期の間、患者の皮膚(上腕部、下腕部、胸部など)の上に装着される。この装置は、廃棄しても良いし、命じられている場合には医師に返却される。
本発明によると、この装置は、オン及びオフの状態だけを有する光(ライト)又は音声による警報の形式でのディスプレイを有している。このようなディスプレイの例には、単純なライト、発光ダイオード、ビーパなどが含まれるが、これらは、一般に安価であり、従って、完全に使い捨ての電子移動装置での使用に十分に適している。
本発明の電子移動装置はまた、事象の回数、例えば、装置が付勢され投薬が行われた回数を計数し記憶する電子的なカウンタ及び記憶装置を含む。従って、このカウンタ及び記憶装置は、付勢スイッチに動作的に接続されており、このカウンタは、スイッチが閉じられ装置が付勢される度に、1だけインクリメントされる。
ディスプレイもまた、カウンタ及び記憶装置に動作的に接続され、記憶された計数を表示する(例えば、装置が付勢されて薬剤を搬送した回数など)。ディスプレイは、オン/オフのサイクルの回数を計数に相関させる所定の計画(regimen)に従って、オン及びオフの間を循環することによって、計数を表示する。好ましくは、所定の計画は、ディスプレイのそれぞれのオン/オフのサイクルをx及びyの事象(例えば投薬)の間に相関させる。ここで、xとyとは、それぞれが、0から100までの整数であり、好ましくは、1から20の間の整数、更に好ましくは、1から10の間の整数である。このようにして、投薬履歴(すなわち、患者による薬剤投与の回数)が、所定の計画に従ってオン及びオフ状態の間で(ライトを点滅させる又は可聴のアラームを鳴らす)表示を循環させることにより表示される。従って、1つのライトを用いて、治療過程の間に先に生じた事象の回数を表示することができる。
本発明は、いかなる特定の薬剤の電子移動搬送や、いかなる特定の治療過程にも限定されないが、本発明の装置及び方法は、手動で開始される電子移動薬剤搬送に関係する、更には、痛みを制御する鎮痛剤の手動で開始される電子移動搬送に関係する特定の用途を有する。図1から図4には、痛みを制御するための患者の要求による麻薬性の鎮痛剤(narcotic analgesic)を搬送するのに適した電子移動搬送装置の例が、図解されている。図1を参照すると、プッシュ・ボタン・スイッチ12の形式の付勢スイッチと、発光ダイオード(LED)14の形式のディスプレイとを有する電子移動装置10の全体図が示されている。以下の記述では、スイッチ12やLED14と類似の態様で動作する他の種々の構造が、当業者には、明らかであろう。
図2は、本発明の第2の装置10’の展開図である。図2の装置10’は、LED14’の位置が、図1の装置10とは異なっている。LED14’は、本発明のこの実施例における装置10’の一端において、ボタン・スイッチ12と隣接して位置している。装置10’は、上部ハウジング16、回路ボード・アセンブリ18、下部ハウジング20、アノード電極22、カソード電極24、アノード貯蔵部(reservoir)26、カソード貯蔵部28及び皮膚と適合的な接着部30を含む。上部ハウジング16は、患者の皮膚上に装置10’を保持するのを助ける横方向の翼部(wings)15を有する。上部ハウジング16は、好ましくは、注入成形可能なエラストマ(例えば、エチレン・ビニル・アセテート)から構成されている。プリント回路ボード・アセンブリ18は、離散的な成分40とバッテリ32とに結合された集積回路19を含む。回路ボード・アセンブリ18は、開口13a及び13bを通過するポスト(図2には図示されていない)によってハウジング16に付着され、ポストの端部は、回路ボード・アセンブリ18をハウジング16に熱で固定するために、加熱され/溶融されている。下部ハウジング20は、接着手段30によって上部ハウジング16に付着されており、接着部の上部表面34は、翼部15の下部表面を含み、下部ハウジング20と上部ハウジング16との両方に接着されている。
回路ボード・アセンブリ18の下側に(部分的に)示されているのは、ボタン・セル・バッテリ32である。装置10’に給電するのには、他のタイプのバッテリを用いてもかまわない。
装置10’は、一般的には、バッテリ32、電子回路19及び40、電極22及び24及び薬剤/化学物質貯蔵部26及び28から構成されており、これらはすべて、自己完結的なユニットに集積されている。回路ボード・アセンブリ18の出力(図2には図示せず)は、導電性の接着ストリップ42及び42’によって、下部ハウジング20に形成された凹部25及び25’における開口23及び23’を通って、電極24及び22と電気的に接触する。電極22及び24は、これに対し、薬剤貯蔵部26及び28の上側44’及び44とは、間接的に機械的電気的に接触している。薬剤貯蔵部26及び28の下側46’及び46は、接着部30における開口29’及び29を通って、患者の皮膚に接触する。
プッシュ・ボタン・スイッチ12を押下すると、回路ボード・アセンブリ18上の電子回路が、所定の直流電流を、例えば焼く10分間などの所定の長さの搬送間隔の間、電極/貯蔵部22、26及び24、28に与える。好ましくは、この装置は、ユーザに、薬剤又は薬剤一回分の搬送間隔の開始の視覚的及び/又は音声による確認を、LED14’を点灯させる及び/又はビーパなどからの可聴音声信号を、送信する。薬剤は、例えば、腕の上において10分間の周期で、それぞれの10分間を1回の投薬又は薬剤搬送事象として、電子移動法によって患者の皮膚を通過して搬送される。回路ボード・アセンブリ18上の回路には、例えばカウンタなどの電気的な構成要素が含まれており、搬送事象の回数を計数し、その情報をレジスタに記憶する。
アノード電極22は、好ましくは、銀で構成され、カソード電極24は、好ましくは、塩化銀で構成される。電極22及び24と貯蔵部26及び28とは、下部ハウジング20によって保持される。本発明は、どのような特定の薬剤貯蔵部の構成や電極の材料には限定されないが、本発明は、鎮痛剤の搬送における特定の用途を有している。1つの特定の適切な鎮痛剤は、フェンタニール(fentanyl)であり、好ましくは、フェンタニールのハイドロクロライド又はクエン酸塩である。フェンタニールHClの場合には、アノード側の貯蔵部26はドナー貯蔵部隣フェンタニールHClを含み、カソード側の貯蔵装置28は、生体適合的な電解質を含む。
プッシュ・ボタン・スイッチ12と、回路ボード・アセンブリ18上の電子回路と、バッテリ32とは、上部ハウジング16と下部ハウジングとの間に、接着部によって密封されている。上部ハウジング16は、好ましくは、ゴムやそれ以外の弾力性のある材料から成っている。下部ハウジング20は、好ましくは、プラスチック又は弾力性のあるシート状の材料(例えば、ポリエチレン)から構成され、これは、容易に成形可能であって、凹部25、25’を形成し、切断されて開口23、23’を形成する。組み立てられた装置10’は、好ましくは、耐水性(すなわち、はねに耐性)であり、最も好ましくは、防水性である。このシステムは、身体に容易に適合し従って装着部分においてまたその周囲での運動の自由度が得られるように低いプロフィールになっている。アノード/フェンタニール貯蔵部26と、カソード/ソルト(塩)貯蔵部28とは、装置10’の皮膚に接触する側の上に配置され、通常の扱い及び使用の際に偶然的な短絡が生じるのを防止するように十分に分離されている。
装置10’は、患者の身体表面(例えば皮膚)に、上側側面34と身体接触側面36とを有する周辺接着部30によって、接着されている。接着側36は、装置10’がユーザの通常の活動の際には身体に装着されたままであり所定の(例えば24時間)装着周期の後には不具合なく取り外せることを保証する接着性を有している。上側の接着側面34は、下部ハウジング20に接着し、電極と薬剤貯蔵部とをハウジングの凹部25、25’に保持し、同時に下部ハウジングが上部ハウジング16に接触したまま保持される。
プッシュ・ボタン・スイッチ12は、装置10’の上部の便利な位置に設けられ、衣服を介して容易に付勢できる。例えば3秒程度の短い時間周期の間にプッシュ・ボタン・スイッチ12を2回押下することは、好ましくは、薬剤の搬送のために装置を付勢するのに用いられ、それによって、装置10’の不適切な付勢の可能性が最小化される。
スイッチの付勢によって、可聴のアラームが、薬剤の搬送の開始を指示し、そのときに、回路は、所定のレベルの直流電流を、所定の搬送間隔の間、電極/貯蔵部に与える。フェンタニールを電子移動して急激な痛みを制御する場合には、与えられる電流は、典型的には、約10から5000mAの範囲にあり、好ましくは、約50から500mAの範囲であり、最も好ましくは、約200から300mAの範囲である。フェンタニールを電子移動して急激な痛みを制御する場合には、搬送間隔は、典型的には、1から120分の範囲にあり、好ましくは、5から30分の範囲であり、最も好ましくは、約10分である。LED14’は、装置10’が活性薬剤搬送モードにあることを示す搬送間隔を通じてオンである。バッテリ32は、好ましくは、装置10’を所定の(例えば24時間)装着周期全体の間に、所定のレベルの直流電流で連続的に給電するのに十分な能力を有している。
本発明の好適な実施例では、オン及びオフ(点灯及び非点灯)状態を有する小型で軽量で安価なライトがディスプレイとして、用いられる。本発明の更に好ましい実施例では、ディスプレイは、LEDである。
好ましくは、薬剤搬送履歴情報は、LEDを所定の計画に従ってオン及びオフに点滅させることによって、自動的に表示される。オン及びオフの両方のモードを有する電子移動搬送装置の場合には、LEDは、最も好ましくは、(i)事象カウント(例えば、投薬履歴)を、装置がオフ・モードであるときにだけ表示し、(ii)薬剤搬送間隔の間は、連続的に点灯した状態であり、連続的な薬剤搬送を指示する。
図4は、動作モードを示す流れ図であり、搬送装置がオフ・モードにある(すなわち、薬剤搬送間隔以外の)ときにLEDをオン及びオフに点滅することによって、事象カウントが自動的に表示される。装置を患者の身体上に装着することによって、装置のドナー及びカウンタ電極アセンブリの間の電気回路が閉じる。
図4に図解されている動作は、プッシュ・ボタン・スイッチ12を手動で押下することによって、又は、装置が自動的に患者の皮膚に置かれたことを電子的に感知することによって、開始される。第1のステップ(ボックス402、404)
では、いくつかのパラメータを初期化するが、変数Kをゼロに設定し、次に、薬剤搬送カウントをKすなわちゼロに設定することを含む。搬送カウントは、薬剤搬送事象の記憶された回数(すなわち、薬剤を搬送するために装置が付勢される回数)である。Kは最初にゼロに設定されるので、ボックス406における質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボタン・スイッチ12が押下されるまでボックス406と408との間で循環する。いったんボタン・スイッチ12が押下されると、ボックス408での質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、短い(例えば3秒)遅延周期が終了するまで又はボタン・スイッチ12の第2の押下の内の先に生じる方まで、ボックス410及び412の間で循環する。3秒の遅延周期がボタン・スイッチ12が2回目に押下される前に終了する場合には、ボックス410での質問に対する回答はイエスとなり、流れ図のロジックは、ボックス404に戻る。他方で、ボタン・スイッチ12が3秒遅延周期が終了する前に2回目に押下される場合には、ボックス412での質問に対する回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボックス414、416、418を通過して進み、LED14をオンにし、電子移動電流を、所定のレベルで所定の(例えば10分)搬送間隔の間、患者に与える。いったん薬剤搬送間隔が終了すると、ボックス418での質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボックス420、422及び424を通過して進み、患者への電子移動電流を停止する。ボックス424の後で、流れ図のロジックは、ボックス404に戻る。
図4に図解されている動作は、プッシュ・ボタン・スイッチ12を手動で押下することによって、又は、装置が自動的に患者の皮膚に置かれたことを電子的に感知することによって、開始される。第1のステップ(ボックス402、404)
では、いくつかのパラメータを初期化するが、変数Kをゼロに設定し、次に、薬剤搬送カウントをKすなわちゼロに設定することを含む。搬送カウントは、薬剤搬送事象の記憶された回数(すなわち、薬剤を搬送するために装置が付勢される回数)である。Kは最初にゼロに設定されるので、ボックス406における質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボタン・スイッチ12が押下されるまでボックス406と408との間で循環する。いったんボタン・スイッチ12が押下されると、ボックス408での質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、短い(例えば3秒)遅延周期が終了するまで又はボタン・スイッチ12の第2の押下の内の先に生じる方まで、ボックス410及び412の間で循環する。3秒の遅延周期がボタン・スイッチ12が2回目に押下される前に終了する場合には、ボックス410での質問に対する回答はイエスとなり、流れ図のロジックは、ボックス404に戻る。他方で、ボタン・スイッチ12が3秒遅延周期が終了する前に2回目に押下される場合には、ボックス412での質問に対する回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボックス414、416、418を通過して進み、LED14をオンにし、電子移動電流を、所定のレベルで所定の(例えば10分)搬送間隔の間、患者に与える。いったん薬剤搬送間隔が終了すると、ボックス418での質問への回答はイエスであり、流れ図のロジックは、ボックス420、422及び424を通過して進み、患者への電子移動電流を停止する。ボックス424の後で、流れ図のロジックは、ボックス404に戻る。
LEDは、短い(例えば3秒)所定の時間周期の間にボタン・スイッチ12の2回の押下があるまで、点滅しない。いったん患者がボタン・スイッチ12を3秒の遅延周期の間に2回押下すると、LEDは、オンになり、所定の薬剤搬送計画が開始される。薬剤搬送間隔がいったん終了すると、搬送カウントは、1だけ増加し、LEDと薬剤搬送電流とは共にオフになる。この時点で(すなわち、最初の薬剤搬送事象が生じた後で)、ボックス404は、Kを搬送カウントすなわち1に等しく設定する。Kはもはや1よりも小さくはないので、ボックス406での質問に対する回答はノーであり、ボックス426は、LEDを1回点滅させ、その後で、Kは、ボックス428において、5だけ減少される。Kは1と当初は等しいので、ボックス428の後では、Kを1よりも小さい数のままにしておく。これにより、ボックス406での質問への回答はイエスになり、流れ図のロジックは、ボタン・スイッチ12がもう一度押下されるまでボックス406と408との間で循環する。
上述の動作モードによると、LEDは、装置が電流を与え薬剤を電子移動法によって患者に搬送しているときには、薬剤搬送間隔の間は、連続的にオンである。電子移動法による薬剤搬送がない周期の間には、LEDは、連続的に循環しそれまでに生じた薬剤搬送事象(電子移動法によって管理された薬剤の投与)の回数を示す点滅するLEDディスプレイを周期的に与える。LEDの点滅がない場合には、これは、患者によって開始された薬剤搬送事象が全くないことを意味している。患者によって開始された薬剤搬送事象が1から5あった場合には、LEDは、連続的な点滅表示の間に1回点滅する。患者によって開始された薬剤搬送事象が6から10あった場合には、LEDは、連続的な点滅表示の間に2回点滅する。患者によって開始された薬剤搬送事象が11から15あった場合には、LEDは、連続的な点滅表示の間に3回点滅する。従って、LEDのオン/オフのサイクルの回数にカウントを相関させる所定の計画において、xは1に等しく、yは5に等しい。
更に好ましくは、遅延(図4のボックス430を参照のこと)は、連続的な点滅表示の間に構成され、それによって、医療技術者が最初の点滅表示が終わった時間と次の点滅表示が始まる時間との間で混乱しないようにしている。この遅延は、2秒から10秒程度、更には、それ以上でもあり得る。
自動的に表示されている薬剤搬送履歴情報の別のものとして、この装置は、投薬履歴が患者又は医療技術者の要求によってだけ表示されるという動作モードに設定できる。例えば、投薬履歴情報は、ボタン・スイッチ12が上述の短い(例えば3秒)所定の時間周期の間に1回だけ押下されるとき、表示することができる。ボタン・スイッチ12の押下に関係する機能の重複が与えられると、スイッチ12に接続された電子回路は、患者による薬剤の要求と医療関係者による事象カウンタ及び記憶装置への照会とを区別することができる。
次に図3を参照すると、患者又は医療技術者の要求によってだけ投薬履歴が表示される動作のモードが示されている。この動作モードでは、ボタン・スイッチ12を押下する(すなわち、閉じる)ことにより、電子移動式の薬剤搬送が開始されるか、又は、計数(例えば、投薬履歴)の表示が開始される。図4の流れ図のロジックと同様に、図3の流れ図は、所定の計画に従ってLEDを点滅することによって、投薬履歴情報を表示する。図4の流れ図と同様に、当初のステップは、フラグの計数とゼロに等しいKとの両方を設定することを含む何らかのシステム・パラメータ(ボックス302)を初期化することである。ボックス302の後では、流れ図のロジックは、ボタン・スイッチ12が押下されるまで循環し、ロジックをボックス306に進ませる。
この装置が現在薬剤搬送間隔にない場合には(すなわち、装置は、電子移動電流を患者に与えていない場合には)、3秒の時間周期が開始する。ボタン・スイッチ12の第2の押下が3秒の周期の間に生じない場合には、ボックス308の中で尋ねられる質問への回答は、イエスであり、流れ図のロジックは、ブロック310に進み、そこで、記録されている投薬履歴情報の表示が開始される。当初は、Kはゼロに等しく設定されているので、ボックス312での質問への回答は、イエスであり、流れ図のロジックは、LEDを点滅させずにボックス304に戻る。
他方で、3秒の遅延周期が終了する前にプッシュ・ボタン12の第2の押下がある場合には、ボックス314での質問への回答は、イエスになり、流れ図のロジックは、ボックス316、318及び320を通って進み、これらのボックスが、電子移動電流の付与を開始させ、従って、患者への薬剤搬送が、それぞれ、LEDをオンにし、フラグを1に等しく設定する。いったん所定の(例えば、10分)の薬剤搬送間隔が終了すると、ボックス322での質問への回答は、イエスになり、流れ図のロジックは、ボックス324、326及び328を通過して進み、これらのボックスは、Kを1だけインクリメントし、それぞれ、LEDをオフにして、フラグをゼロに等しくなるようにリセットする。この後で、流れ図のロジックは、ボックス304に戻り、ボタン・スイッチ12の押下を待機する。ボタン・スイッチ12が3秒の遅延周期の間に1回だけ押下される場合には、ロジックは、ボックス310を通過して進むが、そこでは、搬送計数(カウント)は、Kに等しく設定され、これは、現在は、1である。Kが1に等しいので、ボックス312での質問への回答は、ノーであり、流れ図のロジックは、ボックス320及び332を通過して進む。これらのボックスは、LEDを1回だけ点滅させKを5減らす。ボックス332によって、Kの値は、1よりも下まで低下し、これによって、ボックス312での質問に対する回答は、イエスになり、ロジックは、ボックス304に戻り、ボタン・スイッチ12が再び押下されるまで循環する。
既に詳細に述べたように、表示は、所定の計画に従って、LEDを点滅することから構成される。LEDは、既に生じた1から5の薬剤搬送事象のそれぞれに対して1回点滅する。患者が投薬履歴の表示が開始される時点で薬剤搬送事象を開始していない場合には、LEDは、全く、点滅しない。患者が1から5の薬剤搬送事象の間に既に開始している場合には、LEDは、1回点滅する。患者が6から10の薬剤搬送事象の間に開始している場合には、LEDは、2回点滅する。従って、LEDのそれぞれの点滅は、患者によって既に開始された薬剤搬送事象を、所定の回数まで(例えば、5まで)意味する。当業者であれば、点滅の回数を薬剤搬送事象の回数と相関させるように選択される特定の所定の数x及びyは、搬送される特定の薬剤に従って、また、装着周期の間に患者によって開始されるであろうと予測される薬剤搬送事象の予測回数に従って、変更されうる。
当業者であれば、LEDの点滅は、LEDが最初に点灯しているか点灯していないかの状態に依存して、LEDを点滅してオンにするか又はLEDを点滅してオフにするかによって、達成される。従って、装置が現に薬剤を搬送しておりLEDが現に点灯した状態にあるときに投薬履歴情報に対する要求がなされる場合には、LEDの点滅は、LEDを周期的にオフにすることによって達成される。
他方で、装置が通常オフ・モードにありLEDが点灯していない状態にあるときに投薬履歴情報に対する要求がなされる場合には、LEDの点滅は、LEDを周期的にオンにすることによって達成される。
他方で、装置が通常オフ・モードにありLEDが点灯していない状態にあるときに投薬履歴情報に対する要求がなされる場合には、LEDの点滅は、LEDを周期的にオンにすることによって達成される。
また、点滅しているLEDは、既に点滅しているLEDとの関係で上述したのと同様の所定の計画に従ってビープ音を鳴らすビーパによって代えることができる。図3及び図4のロジックの流れは、従来型の回路設計の原理に従って、電子移動装置上の電子回路に組み入れることができる。図3及び図4に図解された動作のモードに加え、投薬履歴又は他の計数情報は、自動的な表示モードと手動によって開始される表示モードとの両方を含む態様で表示され得る。例えば、電子移動装置10は、(i)図4に図解された動作モードと同様に、活動的な薬剤搬送間隔の間の周期の間に計数を自動的に表示し、(ii)プッシュ・ボタン・スイッチ12を押下することによって、活動的な薬剤搬送間隔の間の計数を表示することによって、動作する。好ましくは、この装置は、薬剤搬送間隔の間は「ロックアウト」の特徴を有しており、それによって、プッシュ・ボタン・スイッチ12を押下して計数の表示を開始することは、結果的に、別の薬剤搬送間隔の開始を生じさせない。
電子移動薬剤搬送の分野の当業者は、本発明の装置及び方法は、薬剤搬送投薬事象以外の他の事象を計数して表示するのに用いることができることを理解するはずである。例えば、本発明の装置は、装置の経過した摩耗時間や装置の経過した扱い時間を測定する適切なタイミング装置を含みうる。この装置は、オン及びオフの間で表示を適切に循環させることによって、経過した時間を表示して、何時間及び/又は何分が経過したかを示すことができる。また、本発明の装置は、患者の状態を感知する装置と、感知された状態を所定の受け入れ可能な範囲と比較する装置とを組み入れることができる。感知された状態が所定の範囲の外にある場合には、カウンタをインクリメントし、計数を後で表示して、患者の状態が範囲の外に至った回数を医療技術者に指示する。感知されこのようにして比較される患者の状態は、呼吸の速度、血糖濃度、筋肉の動き(例えば、収縮)、組織内の酸素濃度(tissue oxygen content)、組織内の二酸化炭素濃度、体温、心拍数などである。センサは、感知信号を与え、この信号は、感知された信号をその信号の所定の受け入れ可能な範囲と比較するコンパレータに送信する。この信号が所定の範囲の外にある場合には、コンパレータは、カウンタに、1だけ計数を増やすように指令する。このようにして、カウンタは、患者の状態(例えば、心拍数)が所定の受け入れ可能な範囲の外にある回数をカウント(計数)して、記憶する。この計数は、次に、自動的に又はカウンタに質問をする適切な手段によって表示され、医療技術者に患者のその感知された状態に関する履歴を知らせる。治療過程の間にそのような事象が生じた回数を知ることによって、医療技術者は、投薬速度やそれ以外のパラメータをよりよく調整することができ、その患者の医学的状態をより効果的にとらえることができるようになる。
本発明は、どのような特定の電子移動装置や、電子移動法によるどのような特定の薬剤の搬送に限定されないが、本発明は、患者が自分で薬剤の管理ができるようにする装置において、特に有用である。このクラスの装置では、痛みを制御する鎮痛剤の自己管理は、重要な部分を表す。従って、次の例は、本発明の好適な実践を図解している。電子移動薬剤技術の当業者であれば、本発明は、ここで述べる特定の例よりもはるかに広い応用例を有していることがわかる。この例は、単に、本発明を実際に用いる際に達成できる効果をよりよく図解するために提供されている。
実例
フェンタニールを含むドナー貯蔵部が、銀のアノードに電気的に接続され、電解質を含むカウンタ貯蔵部が、銀/塩化銀のカソードに電気的に接続されている。電極は、導電性の接着ストリップを介して、電子回路ボード・アセンブリの出力と電気的に接触している。
実例
フェンタニールを含むドナー貯蔵部が、銀のアノードに電気的に接続され、電解質を含むカウンタ貯蔵部が、銀/塩化銀のカソードに電気的に接続されている。電極は、導電性の接着ストリップを介して、電子回路ボード・アセンブリの出力と電気的に接触している。
ドナー及びカウンタ・ハイドロジェル貯蔵部は、2.75平方センチメートルの公称面積と、0.15平方センチセンチメートルの公称断面積とを有する。アノード・ドナー貯蔵部は、約1%から2%のフェンタニールHClと、約30%のポリマと、ハイドロジェルの一体性のためのクロスリンクされたポリマを含む添加物とを含み、更に、オプションで、水の損失を禁止し、シェルフの安定性を強化する湿潤剤を含む。アノード電極は、導電性の接着剤にラミネート加工された銀箔である。アノード電極の表面積は、約2.30平方センチメートルである。
カソード・カウンタ貯蔵部は、電解質(例えば、NaCl)溶液を含み、オプションであるがバッファされており、約30%のポリマと、ハイドロジェルの一体性のためのクロスリンクされたポリマを含む添加物を含み、更に、オプションであるが、水の損失を禁止し、シェルフの安定性を強化する湿潤剤を含む。
カソード電極は、導電性の接着剤にラミネート加工された塩化銀の材料である。アノード電極の表面積は、約2.30平方センチメートルである。
フェンタニールの搬送装置は、単一使用の完全に一体化された電子移動装置であり、図2に示されている装置10’と実質的に同一である。この装置は、電子回路すなわちプリント回路ボード・アセンブリと、機械的なハウジングと、薬剤を含むハイドロジェル・ドナー貯蔵部と、患者による制御のための電解質を含むカウンタ貯蔵部と、フェンタニール・ハイドロクロライドの形式での麻薬性の鎮痛フェンタニールのオン・デマンドによる管理とを含む。ドナー貯蔵部は、アノード性であり、カウンタ貯蔵部はカソード性である。このシステムは、皮膚と適合的な周辺接着層を有し、24時間の周期で、上腕部又は胸部に装着される。
フェンタニールの搬送装置は、単一使用の完全に一体化された電子移動装置であり、図2に示されている装置10’と実質的に同一である。この装置は、電子回路すなわちプリント回路ボード・アセンブリと、機械的なハウジングと、薬剤を含むハイドロジェル・ドナー貯蔵部と、患者による制御のための電解質を含むカウンタ貯蔵部と、フェンタニール・ハイドロクロライドの形式での麻薬性の鎮痛フェンタニールのオン・デマンドによる管理とを含む。ドナー貯蔵部は、アノード性であり、カウンタ貯蔵部はカソード性である。このシステムは、皮膚と適合的な周辺接着層を有し、24時間の周期で、上腕部又は胸部に装着される。
電子回路は、患者によって付勢されると、一定の直流電流を10分の薬剤搬送間隔の間、電極/貯蔵部に与え、1時間当たり6分までそのような搬送を許容する。プッシュ・ボタン・スイッチ12の付勢は、患者に対して、視覚的な及び/又は音声による信号によって伝えられる。
3秒の間にボタン・スイッチ12を2回連続的に押下することにより、バッテリによって給電されている電子回路は、回路ボード・アセンブリから患者の皮膚に10分の搬送間隔の間接触している2つのハイドロジェル貯蔵部に240mAの直流電流を搬送する。活性の薬剤搬送間隔の間の周期(すなわち、装置がオフ・モードであるとき)では、出力電流は、ゼロである。バッテリは、好ましくは、3ボルトの公称の開回路バッテリ電圧を有するリチウム・コイン型である。10分間の搬送間隔の終了時には、この装置は、自動的に自分自身をオフにして、ボタン・スイッチ12を更に2回押下して、次の薬剤搬送間隔を開始することを待機する。
この装置の24時間の寿命の間(又は、他の定義された先の周期)に搬送される薬剤投与の計数は、この装置がオフ・モードである(すなわち、薬剤は電子移動法によって搬送されていない)ときに、自動的に表示される。カウントは、LEDをオン及びオフ状態(すなわち、点灯及び非点灯)の間で循環させることによって搬送間隔の間で5つのユニットのインクリメントで与えられる。好適な実施例では、LEDの点滅(又は、ビーパのビープ音)は、次のように解釈される。LEDが点滅せず及び/又はビーパが音を発しない場合には、装置を患者が身体に装着してからフェンタニールの搬送間隔は開始されていない。LEDが1回点滅し及び/又はビーパが1回鳴った場合には、1から5のフェンタニール搬送間隔が開始されたことを意味する。LEDが2回点滅しビーパが2回音を発した場合には、6から10のフェンタニール搬送間隔が開始されたことを意味する。
LEDがN回点滅し及び/又はビーパがN回鳴った場合には、5N−4から5Nのフェンタニール搬送間隔が開始されたことを意味している。
LEDがN回点滅し及び/又はビーパがN回鳴った場合には、5N−4から5Nのフェンタニール搬送間隔が開始されたことを意味している。
図面においては、同じ部分には、同じ参照番号が付されている。
図1は、本発明の電子移動薬剤搬送装置の全体図である。
図2は、本発明の電子移動装置の展開図である。
図3は、図2に図解された装置の動作のためのロジックの例を示す流れ図である。
図4は、図2に図解された装置の動作のための別のロジックの例を示す流れ図である。
Claims (29)
- 患者に装着された電子移動搬送デバイス(10)のある使用周期の間に生じた事象の回数をディスプレイ(14)によって表示する方法であって、前記電子移動搬送デバイスは、ある使用周期の間に生じた事象の回数を計数し計数された回数を記憶するカウンタ(18)を含む、方法において、
前記ディスプレイ(14)が、オン状態とオフ状態との間で循環する回数を前記カウンタ(18)によって計数された回数に相関させる所定の計画に従って、オン状態とオフ状態との間で前記ディスプレイ(14)を循環させることにより前記カウンタによって計数された回数を表示するステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、前記所定の計画は、前記ディスプレイ(14)のオン状態とオフ状態との間での循環のそれぞれを、x及びyのそれぞれが0から100までの整数であるとして、x回からy回までの事象に相関させることを特徴とする方法。
- 請求項2記載の方法において、前記ディスプレイ(14)のオン状態とオフ状態との間での循環がゼロであるとは、事象が全く生じていないことに相関することを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記ディスプレイ(14)は、点灯状態及び非点灯状態を有するライトと発音状態及び非発音状態を有する可聴警報とこれらの組合せとから成るグループから選択されるインジケータをオン状態とオフ状態との間で切り換えることによって、計数された回数を指示することを特徴とする方法。
- 請求項4記載の方法において、前記ディスプレイ(14)は、発光ダイオードをオン状態とオフ状態との間で切り換えることを特徴とする方法。
- 請求項4記載の方法において、前記ディスプレイ(14)は、可聴のビーパ警報を発音することを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記事象は、搬送間隔の間に電子移動法によって薬剤を搬送することを含むことを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記搬送間隔は、前記使用周期よりも短いことを特徴とする方法。
- 請求項8記載の方法において、前記使用周期は、約24時間までであることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記事象は、前記デバイス(10)によって感知される患者の状態を含むことを特徴とする方法。
- 請求項10記載の方法において、
センサが、前記患者の状態が所定の範囲の外に逸脱する回数を感知するステップと、
カウンタが、前記センサによって感じされた回数を計数するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、前記事象は、付勢可能なスイッチを介して開始されることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記ディスプレイ(14)は、また、いつ事象が生じるかを表示することを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、連続的な事象の間の前記計数された回数を表示することを特徴とする方法。
- 使用周期の間に生じた事象の回数を計数し計数された回数を記憶するカウンタ(18)と、オン状態及びオフ状態を有するディスプレイ(14)と、を含んでおり、患者に装着される電子移動搬送装置(10)であって、
前記ディスプレイ(14)は、オン状態とオフ状態との間での循環の回数を前記前記カウンタによって計数された回数に相関させる所定の計画に従ってオン状態及びオフ状態の間で循環することを特徴とする装置。 - 請求項15記載の装置において、前記所定の計画は、前記ディスプレイ(14)のオン状態とオフ状態との間の循環のそれぞれを、x及びyのそれぞれが0から100までの整数であるとして、x回からy回までの事象の間に相関させることを特徴とする装置。
- 請求項15記載の装置において、前記ディスプレイ(14)のオン状態とオフ状態との間の循環がゼロであるとは、事象が全く生じていないことに相関することを特徴とする装置。
- 請求項15記載の装置において、前記ディスプレイ(14)は、点灯状態及び非点灯状態を有するライトと発音状態及び非発音状態を有する可聴警報とこれらの組合せとから成るグループから選択されるインジケータをオン状態とオフ状態との間で切り換えることによって、計数された回数を指示することを特徴とする装置。
- 請求項18記載の装置において、前記ライトは、発光ダイオードを含むことを特徴とする装置。
- 請求項18記載の装置において、前記可聴警報は、ビーパを含むことを特徴とする装置。
- 請求項15記載の装置において、前記事象は、薬剤搬送間隔の間に電子移動法によって薬剤を搬送することを含むことを特徴とする装置。
- 請求項21記載の装置において、前記薬剤搬送間隔は、前記使用周期よりも短いことを特徴とする装置。
- 請求項21記載の装置において、前記使用周期は、約24時間までであることを特徴とする装置。
- 請求項15記載の装置において、患者の状態を感知するセンサを含むことを特徴とする装置。
- 請求項24記載の装置において、それぞれの事象は、所定の範囲の外に逸脱した患者の状態が感知されたことを含むことを特徴とする装置。
- 請求項24又は請求項25記載の装置において、前記患者の状態は、呼吸の速度、血糖濃度、筋肉の動き、組織内の酸素濃度、組織内の二酸化炭素濃度、体温及び心拍数を含むことを特徴とする装置。
- 請求項16記載の装置において、前記事象を開始する手動で付勢されるスイッチ(12)を含むことを特徴とする装置。
- 請求項22記載の装置において、前記薬剤は鎮痛剤であることを特徴とする装置。
- 請求項16記載の装置において、計数された回数を記憶する記憶装置(18)を含み、前記計数された回数は、この装置が付勢された回数に対応することを特徴とする装置。
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