JP2008050178A - 圧電磁器組成物の製造方法 - Google Patents

圧電磁器組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、鉛を含まず,粉砕、混合の効率が良く,圧電特性が優れた圧電磁器組成物の製造方法を提供しようとすることを目的とする。
【解決手段】下記一般式(1)で表される組成物を主成分とする圧電磁器組成物の製造方法であって、Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物とNb、Ta、Sbのそれぞれを含有する化合物を、水を含まない溶媒中で粉砕、混合してから仮焼成し、仮焼成後の混合物を水を含む溶媒中で粉砕してから本焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
一般式(1)
{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3
(式中、0<x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2)
【選択図】なし

Description

本発明は、圧電磁器組成物の製造方法に関する。
従来、圧電磁器組成物としては,鉛を含んだPZT(PbTiO3−PbZrO3)成分系磁器が用いられてきた。前記PZTは、大きな圧電性を示しかつ高い機械的品質係数を有しており、センサ、アクチュエータ、フィルター等の各用途に要求されるさまざまな特性の材料を容易に作製できるからである。また、前記PZTは高い比誘電率を有するためコンデンサ等としても利用することができる。
ところが、前記PZTからなる圧電磁器組成物は、優れた特性を有する一方、その構成元素に鉛を含んでいるため、PZTを含んだ製品の産業廃棄物から有害な鉛が溶出し、環境汚染を引き起こすおそれがあった。そして、近年の環境問題に対する意識の高まりは、PZTのように環境汚染の原因となりうる製品の製造を困難にしてきた。
そのため、組成物中に鉛を含有しない、一般式{LiX(K1-YNaY1-X}(Nb1-Z-WTaZSbW)O3で表され、かつx〜wがそれぞれ0<x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物が開発されている(特許文献1参照)。
このような圧電磁器組成物の従来の製造方法はたとえば以下のようであった。Li、K、Naのそれぞれの炭酸塩とNb、Ta、Sbのそれぞれの酸化物を化学量論比に基づいて配合し、配合した原料をボールミルによりアセトン中で24時間混合、乾燥して混合物を作製する。この混合物を仮焼し、この仮焼後の混合物をさらにボールミルによりアセトン中で24時間粉砕する。続いて、バインダーを添加し、加圧成形を行う。このようにして得られた成形体を焼成(本焼成)し、焼成体を作製する。
特開2004−300012号公報
しかしながら,上記製造方法で製造された圧電磁器組成物は,圧電特性が低いという問題があった。
発明者らは、圧電特性が低い原因について、鋭意研究した結果、以下のことを見出した。
即ち、Li、K、Naのそれぞれの炭酸塩等は吸湿性が高かったり、潮解性があるために、仮焼成前の湿式の粉砕、混合時に水を含む溶媒を使うと、原料の化学量論比を維持することが難しく、焼成して作られる圧電磁器組成物の圧電特性が低下する。
また、仮焼成後の湿式の粉砕時にアセトンなどの水を含まない極性の低い溶媒を使うと、粉砕の効率が悪く、また焼成後の組成が均一になりにくいので、焼成して作られる圧電磁器組成物の圧電特性が低下する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、鉛を含まず,粉砕、混合の効率が良く,圧電特性が優れた圧電磁器組成物の製造方法を提供しようとすることを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.下記一般式(1)で表される組成物を主成分とする圧電磁器組成物の製造方法であって、Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物とNb、Ta、Sbのそれぞれを含有する化合物を、水を含まない溶媒中で粉砕、混合してから仮焼成し、仮焼成後の混合物を水を含む溶媒中で粉砕してから本焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
一般式(1)
{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3
(式中、0<x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2)
2.前記Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物は、Li、K、Naの炭酸塩であることを特徴とする前記1に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
3.前記水を含まない溶媒は無水アルコール系溶媒であることを特徴とする前記1または2に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
4.前記一般式(1)で表される組成物に、下記一般式(2)で表される組成物を添加後の組成物全体量に対して1mol%未満となるように添加されていることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
一般式(2)
ABO3
(式中AはBiを表し、BはFe,In,Sc,Y,Mnの少なくとも1つを表す)
本発明によれば、配合した原料のLi、K、Naの化学量論比が変化しにくく、また粉砕、混合の効率が高くて組成を均一にしやすいので、焼成して作られる圧電磁器組成物の圧電特性が向上する。鉛を含まないので環境汚染を引き起こす恐れがなく、圧電特性のよい圧電磁器組成物を効率よく製造することができる。
以下に、本発明に係る圧電磁器組成物の製造方法の一実施形態について説明する。
本発明に係る圧電磁器組成物の製造方法は、下記一般式(1)で表される組成物を主成分とする圧電磁器組成物の製造方法であって、Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物とNb、Ta、Sbのそれぞれを含有する化合物を、水を含まない溶媒中で粉砕、混合してから仮焼成し、仮焼成後の混合物を水を含む溶媒中で粉砕してから本焼成することを特徴とする。
一般式(1)
{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3
(式中、0<x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2)
本発明者らは、特開2004−300012号公報に開示された圧電磁器組成物の製造方法において、粉砕、混合の効率を向上させるために鋭意研究した結果、湿式の粉砕、混合時に極性の大きい溶媒を使うと、極性の小さい溶媒を使う場合と比較して粉砕、混合の効率が向上することを見出した。仮焼成前の粉砕、混合時には水を溶媒として使用すると原料の化学量論比を維持することが難しいが、仮焼成のあとでは、水を含む溶媒を使っても配合した原料のLi、K、Naの化学量論比が変化しにくいことを見出し、本発明を完成した。
仮焼成前の粉砕、混合時には水を含まない溶媒を使用すると確かに粉砕、混合の効率は低下するが、その低下度合いは僅かで充分使用可能な範囲にあり、それよりも溶媒に含まれる水分による炭酸塩等の吸湿や潮解に起因する粉砕、混合の効率の低下の度合いの方が極めて大きいことを見出したのである。一方、仮焼成のあとでは、水を含む溶媒を使うことにより、粉砕の効率が向上するとともに、仮焼成が不十分となって未反応のアルカリ金属炭酸塩等が残留した場合においても、本焼成処理に先立って、未反応のアルカリ金属炭酸塩等を水を含む溶媒で十分に除去できる。初めにアルカリ金属炭酸塩等を過剰に加えておいて、ある程度は仮焼で飛んで、残った分を洗うのがよい。
また、上記の一般式(1)で表される組成物を主成分とし、さらに、下記一般式(2)で表される組成物を、添加後の組成物全体に対して1mol%未満となるように添加すると得られる圧電磁器組成物の分極量が増加するとともに比誘電率が向上し、圧電特性に優れた圧電磁器組成物とすることができる。
一般式(2)
ABO3
(式中AはBiを表し、BはFe,In,Sc,Y,Mnの少なくとも1つを表す)
本発明において、上記一般式(1)で表される主成分は、ペロブスカイト構造(ABO3)をとり、Aサイトの元素構成は、K,Na,Liに相当し、Bサイトの元素構成は,Nb,Ta,Sbに相当する。上記一般式(2)で表される組成物を副成分として、ペロブスカイト構造をとるようなBiBO3(BiがAサイトの元素に相当する)で表される組合せで添加することにより、得られる圧電磁器組成物の残留分極を顕著に増加させて圧電特性を向上させることができる。圧電特性が向上する理由としては、BiはBi23単独で添加すると+5価となりBサイトに置換されやすいが、ペロブスカイト構造をとることが知られているBiBO3(例えば、BiFeO3)の組合せで添加すると+3価となりAサイトに置換されやすいためであると考えられる。
本発明では、上記一般式(1)で表される組成物を主成分とする圧電磁器組成物を以下のように製造する。
原料として、Liを含有する化合物としては、Li2CO3、Li2O、LiNO3、LiOH等、Naを含有する化合物としては、Na2CO3、NaHCO3、NaNO3等、Kを含有する化合物としては、K2NO3、KNO3、KNbO3、KTaO3等を、また、Nbを含有する化合物としては、Nb25、Nb23、NbO2等、Taを含有する化合物としては、Ta25等、Sbを含有する化合物としては、Sb25、Sb23、Sb24等を準備する。
ここで、Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物は、Li、K、Naの炭酸塩であることが好ましい。すなわち、Liを含有する化合物としては、Li2CO3、Naを含有する化合物としては、Na2CO3、Kを含有する化合物としては、K2NO3が好ましい。Li、K、Naと揮発成分のみを含むので、原料の配合時に焼成後の化学量論比を容易に決定することができる。
原料を十分に乾燥させ、乾燥後の各原料を化学量論比に基づいて秤量し、水を含まない溶媒中でボールミル等により混合、乾燥させる。仮焼成前の粉砕、混合時には水を溶媒として使用すると原料の化学量論比を維持することが難しいために、水を含まない溶媒を用いる。水を含まない溶媒としては、有機溶媒が好ましく、有機溶媒としては、アルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒等を挙げることができる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
多価アルコール系溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセトエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
エーテル系溶媒としては、メチラール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルエーテル、トリオキサン、ジオキサン等を挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトニルアセトン、ジメチルオキシド、ホロン、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール等を挙げることができる。
エステル系溶媒としては、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、酪酸エチル、オキシイソ酪酸エチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、メトキシブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル等を挙げることができる。
上記の溶媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いることもできる。
これらの有機溶媒の中では極性の高い溶媒が好ましく、特にアルコール系溶媒が好ましい。このように水を含まない有機溶媒として無水アルコール系溶媒を用いることにより、粉砕、混合の効率がさらに向上するので、一層の粉砕、混合の時間短縮、焼成して作られる圧電磁器組成物の圧電特性向上が図れる。また、無水アルコール系溶媒の中でも特に無水メタノール、無水エタノール、無水プロパノールが好ましい。
続いて、この混合物を700〜800℃程度で仮焼し、原料を分解するとともに固相熱化学反応により固溶体化する。得られた仮焼後の混合物を中心粒径5μm程度の微粒子に水を含む溶媒中で粉砕し、乾燥して仮焼粉とする。
水を含む溶媒としては純水が好ましいが、水と相溶する有機溶媒と混合してもよい。
仮焼粉に有機質の粘結剤(バインダー等)を添加し、造粒して加圧成形を行う。加圧成形は、造粒した粉砕物を一軸プレス成形等によりペレット状に成形したものを、さらに冷間等方圧プレス(CIP)等により再成形するのが好ましい。
このようにして得られた成形体を、1000〜1300℃程度にて焼成(本焼成)し、焼成体を作製する。得られた焼成体を所定のサイズに切断、平行研磨した後、試料の両面にスパッタ法等により電極を形成する。そして、80〜150℃程度のシリコーンオイル中において1〜6kV/mmの直流電圧を電極間に印加し、厚み方向に分極を施して圧電磁器組成物が作製される。
さらに、下記一般式(2)で表される組成物
一般式(2)
ABO3
(式中AはBiを表し、BはFe,In,Sc,Y,Mnの少なくとも1つを表す)
を添加する場合には以下のように製造する。
前記一般式(2)で表される副成分は、BiBO3型のペロブスカイト化合物を構成する化合物を主成分に添加することが好ましいが、主成分と混合する工程においてBiBO3型のペロブスカイト化合物となる原料を組み合わせて添加することとしても良い。
BiBO3型のペロブスカイト化合物を構成する化合物を主成分に添加する場合には、添加物としては例えば、BiFeO3、BiMnO3、BiYO3等を準備する。具体的には、添加物の原料として、たとえば、Biを含有する化合物としてはBi23、Inを含有する化合物としてはIn23、Scを含有する化合物としてはSc23、Feを含有する化合物としてはFe23、Yを含有する化合物としてはY23、Mnを含有する化合物としてはMn23を準備し、十分に乾燥させ、乾燥後の各原料を一般式BiBO3となるような化学量論比に基づいて秤量し、湿式混合させて添加物混合粉とする。
添加物混合粉と上記の方法で得られた主成分仮焼粉とを、添加混合粉が添加後の粉体全体量(主成分仮焼粉+添加混合粉)に対して1mol%未満となるように配合する。配合したものをボールミル等により十分混合、乾燥して混合物を作製する。そして、得られた混合物を700〜800℃程度にて仮焼した後、純水中で粉砕する。
得られた仮焼粉を上記の方法と同様の方法で、成形、焼成(本焼成)、電極形成、分極を施して圧電磁器組成物が作製される。
以下、実験例により本発明を具体的に説明する。
試料1.
まず、純度99%以上の高純度のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、Sb25を準備した。これらの原料を十分乾燥させ、前記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において、x=0.04、y=0.52、z=0.1、w=0.06となるような化学量論比、即ち前記一般式が{Li0.04(K0.48Na0.520.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.06)O3となるような化学量論比にて配合した。配合した原料をボールミルにより無水エタノール中で24時間粉砕、混合、乾燥して混合物を作製した。続いて、次に、この混合物を750℃にて5時間仮焼し、この仮焼後の混合物を純水中でボールミルにて24時間粉砕した。
続いて、バインダーとしてポリビニールブチラールを添加し、造粒し加圧成形を行った。加圧成形は、造粒した粉砕物を一軸プレス成形によりペレット状に成形したものを、さらに冷間等方圧プレス(CIP)により1ton/cm2の圧力で再成形した。
このようにして得られた成形体を1000〜1300℃にて1時間焼成(本焼成)し、焼成体を作製した。なお、このときの焼成温度は、1000〜1300℃の間で最大密度になる温度を選定した。
得られた焼成体を所定のサイズに切断、平行研磨した後、試料の両面にスパッタ法により電極を形成した。そして、100℃のシリコーンオイル中において5kV/mmの直流電圧を電極間に印加し、厚み方向に分極を施して圧電磁器組成物を作製した。
試料2〜5.
原料を表1A欄に示す溶媒中で粉砕、混合したこと、および仮焼後の混合物を表1B欄に示す溶媒中で粉砕したこと以外は試料1と同様の方法で圧電磁器組成物を作製した。
試料6.
純度99%以上の高純度のBi23、Fe23を準備した。これらの原料をBiFeO3となるような化学量論比にて配合し、添加混合粉とした。添加混合粉が添加後の粉体全体量(主成分仮焼粉+添加混合粉)に対して0.6mol%となるように、試料1と同様の方法で得られた仮焼後の混合物と混合し、純水中でボールミルにて24時間粉砕した。次に、この混合物を700〜800℃にて5時間仮焼し、この仮焼後の混合物を純水中でボールミルにて24時間粉砕した。続いて試料1と同様の方法で加圧成形、焼成(本焼成)を行い、電極形成、分極処理を行って圧電磁器組成物を作製した。
次に、試料No.1〜No.6について、圧電d31定数、比誘電率εrを測定した。ここで、圧電d31定数は、インピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製 4294A)を用いて共振−***振法により測定した。比誘電率εrは、インピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製 4294A)を用いて、測定周波数100kHzにて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008050178
表1から明らかなように、本発明の方法によって製造された圧電磁器組成物(試料1,2,6)は、従来知られていた方法によって製造された圧電磁器組成物(試料3,4,5)よりも圧電d31定数が向上していることが確認できた。本発明の方法により、鉛を含まないので環境汚染を引き起こす恐れがない圧電磁器組成物において、圧電特性に優れた圧電磁器組成物を製造することができた。
また、試料6においては、比誘電率が向上し、さらに圧電特性に優れた圧電磁器組成物を製造することができた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される組成物を主成分とする圧電磁器組成物の製造方法であって、Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物とNb、Ta、Sbのそれぞれを含有する化合物を、水を含まない溶媒中で粉砕、混合してから仮焼成し、仮焼成後の混合物を水を含む溶媒中で粉砕してから本焼成することを特徴とする圧電磁器組成物の製造方法。
    一般式(1)
    {Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3
    (式中、0<x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2)
  2. 前記Li、K、Naのそれぞれを含有する化合物は、Li、K、Naの炭酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
  3. 前記水を含まない溶媒は無水アルコール系溶媒であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
  4. 前記一般式(1)で表される組成物に、下記一般式(2)で表される組成物を添加後の組成物全体量に対して1mol%未満となるように添加されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電磁器組成物の製造方法。
    一般式(2)
    ABO3
    (式中AはBiを表し、BはFe,In,Sc,Y,Mnの少なくとも1つを表す)
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