JP2007335002A - リール、1リール式テープカートリッジ及びこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻芯上に最適な液体量を維持すると共に、テープ変形に伴うエラーの発生を防止することのできる1リール式テープカートリッジを提供することを課題とする。
【解決手段】テープMTと、テープMTを巻装するリール2と、リール2を収容するカートリッジケース1と、を備え、リール2は、テープMTが巻装される巻芯21を有し、巻芯21の外周面には溝Dが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、リール、1個のリールを内蔵する1リール式テープカートリッジ及びこれらの製造方法に関する。
従来、1リール式テープカートリッジは、図7に示すような製造方法で製造されていた(例えば、特許文献1参照)。ここで、図7は、従来の1リール式テープカートリッジの製造方法を示す断面図及び側面図であり、(a)は液体塗布時、(b)は磁気テープ係合時、(c)は磁気テープ巻取り時をそれぞれ示す。
(1)まず、カートリッジケース101の内部に磁気テープMTが巻装されていない1個のリール102をセットする。
(2)アルコールなどの液体Lを染み込ませたスポンジ103を先端に備えるとともに、磁気テープMTを吸着する磁気テープ吸着部104を備える磁気テープ搬送手段105に、磁気テープMTの先端部MT1を吸着させる。
(3)磁気テープ搬送手段105をカートリッジケース101の内部に挿入し、リール102の巻芯102aの表面にスポンジ103を接触させて液体Lを塗布する。
(4)液体Lが塗布された巻芯102aの表面に磁気テープMTの先端部MT1を接触させることにより、磁気テープMTの先端部MT1を巻芯102aに貼り付ける。
(5)リール102を回転させて磁気テープMTを巻き取る。
特開2005−322353号公報
しかしながら、前記した特許文献1に記載した方法で液体Lを巻芯102aに塗布した場合には、液体Lの幅や量にばらつきが生じる。また、温度・湿度・空気の循環量などの環境により、塗布した液体Lが蒸発していき、磁気テープMTを貼り付けるのに適した液体Lを巻芯102a上で維持することが難しいといった問題があった。
例えば、巻芯102a上の液体Lの量が少ない場合には、貼り付けた磁気テープMTの先端部MT1が剥がれてしまい、剥がれた先端部が折れてしまうことがある。
また、巻芯102a上の液体Lの量が多すぎる場合には、磁気テープMTがスリップして巻芯102aに巻きつかなかったり、スリップによりテープ巻きつけ位置がずれて、磁気テープMTのエッジEがリール102のフランジ102bに乗り上げてしまったりすることがある。
このような磁気テープの折れ107や乗り上げ108によって段差が発生した磁気テープMTの上に、さらに磁気テープMTを巻き重ねていくと、段差に重ねられた部分に局部的な変形が生じる。この局部的な変形は、リール102に巻装した磁気テープMTの端面(エッジ面)に放射状の跡として現れる。
そして、このような磁気テープMTの局部的な変形は、磁気テープMTにサーボ信号を書き込むときに、サーボライトヘッドと磁気テープとの間隔の変動(スペーシングロス)を生じ、サーボ信号の書込エラー又は読み取りエラーの原因、ひいてはデータの記録エラー又は再生エラーの原因になるという問題があった。また、近年、磁気テープカートリッジの記録容量の大容量化に伴い、磁気テープMTが非常に薄くなると共に変形しやすくなっており、特に、磁気テープMTの厚さ寸法を6.6μm以下にすると、前記の問題が顕著になってくることが判明した。
そこで、前記した問題点を解決すべく、巻芯上に最適な液体量を維持すると共に、テープ変形に伴うエラーの発生を防止することのできるリール、1リール式テープカートリッジ及びこれらの製造方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の1リール式テープカートリッジは、テープと、前記テープを巻装するリールと、前記リールを収容するカートリッジケースと、を備え、前記リールは、前記テープが巻装される巻芯を有し、前記巻芯の外周面には溝が設けられていることを特徴とする1リール式テープカートリッジである。
かかる構成によれば、巻芯に溝が設けられているので、液体を塗布した際に、溝に液体が溜まる。したがって、従来のように、巻芯の外周面が乾燥しても、溝に液体が溜まっているので、テープの貼付力を強くすることができる。また、テープがしっかりと貼り付くので、先端部が折れ曲がったり、エッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じない。
また、本発明の1リール式テープカートリッジは、前記溝を、前記巻芯の軸方向に形成した構造とすることもできる。
かかる構成によれば、溝は、巻芯の軸方向に亘って形成されているので、溝に溜まった液体とテープが接着する接着面積が広く取れる。これにより、従来のように、巻芯の外周面が乾燥しても、溝に溜まった液体とテープの貼付力を強くすることができる。したがって、テープの先端部が折れたりエッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じることがない。
また、本発明の1リール式テープカートリッジは、前記溝の深さを、5μm〜15μmに形成した構造とすることもできる。
かかる構成によれば、溝の深さが5μm〜15μmの範囲内であれば、液体が溜まりやすく、液溜としての機能を発揮しやすい。
また、前記溝は、巻芯の軸方向の長さの中心から等間隔に設けられているのがよい。
かかる構成によれば、溝は、巻芯の軸方向の長さの中心から等間隔に設けられているので、テープが偏って巻かれることなく、巻芯の中心にしっかりと貼り付けることができる。これにより、テープのエッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じることがない。
前記した課題を解決するために、本発明のリールは、テープが巻装される巻芯と、前記巻芯の一端に設けられた第1フランジと、前記巻芯の他端に設けられた第2フランジと、を有するリールであって、前記巻芯の内周面にはリブが一体的に形成され、前記リブが形成された位置に対応する前記巻芯の外周面に溝を有することを特徴とするリールである。
かかる構成によれば、巻芯に溝が設けられているので、液体を塗布した際に、溝に液体が溜まる。したがって、従来のように、巻芯の外周面が乾燥しても、溝に液体が溜まっているので、テープの貼付を維持することができる。また、テープがしっかりと貼り付くので、先端部が折れ曲がったり、エッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じない。さらに、リブが補強材としての役割を果たす。
また、本発明のリールは、前記リブを、前記巻芯の軸方向の長さの中心から、軸方向の前後に同じ長さで設けられてもよい。
かかる構成によれば、溝は、巻芯の軸方向の長さの中心から等間隔に設けられているので、テープが偏って巻かれることなく、巻芯の中心にしっかりと貼り付けることができる。これにより、テープのエッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じることがない。
また、本発明のリールは、前記リブを、前記内周面に等間隔に設けてもよい。
かかる構成によれば、溝が等間隔に形成されるので、位置出し機構を設けなくても、テープと溝に溜まった液体とテープとを、しっかりと貼り付けることができる。これにより、テープのエッジがフランジに乗り上げたりすることがない。そのため、巻芯に巻き取ったテープに局部的な変形が生じることがない。
前記した課題を解決するため、本発明のテープカートリッジの製造方法は、巻芯にテープを巻装してなる1リール式テープカートリッジの製造方法であって、前記溝を設けた前記巻芯に液体を塗布する工程と、前記液体を塗布した前記巻芯に前記テープの先端部を搬送すると共に、貼付する工程と、前記巻芯に前記テープを巻装する工程と、を備えることを特徴とする1リール式テープカートリッジ製造方法である。
かかる方法によれば、溝を設けた巻芯に液体を塗布した後、テープを巻芯に貼り付けて巻装する。これにより、従来とは異なり、液体を塗布した際に、溝に液体が溜まるので、巻芯の外周面が乾燥しても溝に溜まった液体によって、テープの貼り付けを確実に行なうことができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明のリールの製造方法は、テープが巻装される巻芯と、前記巻芯の一端に設けられた第1フランジと、前記巻芯の他端に設けられた第2フランジと、からなるリールの製造方法であって、前記巻芯と前記巻芯の内周面に設けられるリブとを、射出成形により一体的に形成する工程と、前記リブと一体的に形成された巻芯を冷ますことで、前記リブが形成された位置に対応する前記巻芯の外周面に溝を形成する工程と、前記巻芯の一端に、前記第1フランジを接合する工程と、前記巻芯の他端に、前記第2フランジを接合する工程と、を含むことを特徴とするリールの製造方法である。
かかる方法によれば、巻芯の内周面に巻芯と一体的に形成されたリブを形成することで、リブと対応する巻芯の外周面に溝を形成することができる。したがって、溝の位置や形を自由に構成することができる。
また、本発明のリールの製造方法は、前記リブを、前記巻芯の軸方向の長さの中心から、軸方向の前後に同じ長さで設けてもよい。
かかる構成によればテープの偏りを防ぐことができる。
また、本発明のリールの製造方法は、前記リブを、前記巻芯の内周面に等間隔に設けてもよい。
かかる構成によれば、巻芯の外周面に、等間隔に溝を設けることができる。
本発明によれば、テープに局部的な変形が生じることがないリール、1リール式テープカートリッジ及びこれらの製造方法を提供することができる。
そして、本発明によって得られた1リール式テープカートリッジは、サーボ信号を精度良く記録・再生することができ、ひいては、データを精度良く記録・再生することができる。そのため、1リール式テープカートリッジの高記録密度化、大容量化、記録・再生品質の向上、生産性(得率)の向上を図ることができる。
≪第1実施形態≫
以下、本発明にかかるテープカートリッジについて、いわゆるLTO(Linear Tape-Open)規格に準拠した1リール式の磁気テープカートリッジを例にとって説明する。参照する図面において、図1は、磁気テープカートリッジの構成部品を示す分解斜視図である。図2は、図1に示した磁気テープカートリッジに含まれるリールを示す拡大分解斜視図である。図3は、図2に示したリールに含まれる円筒状ハブを示す拡大図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図4は、第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの製造装置を示す正面図である。図5は、第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの製造方法を示す説明図である。
まず、第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの構成について説明する。図1に示す磁気テープカートリッジCは、上ハーフ1Aと下ハーフ1Bとに分割して構成されたカートリッジケース1の内部に、磁気テープMTが巻装された単一のリール2、リール2の回転をロックするためのリールロック3及び圧縮コイルばね4、リール2のロック状態を解除するためのリリースパッド5、上ハーフ1A及び下ハーフ1Bに跨ってカートリッジケース1に形成された磁気テープ引き出し口1Cを開閉するスライドドア6、スライドドア6を磁気テープ引き出し口1Cの閉位置に付勢するねじりコイルばね7、誤消去防止爪8、カートリッジメモリチップ9などを組み込んで構成されている。
図2に示すように、リール2は、上ハーフ1A側に開口し、磁気テープMTが外周面に巻装される有底円筒形状の巻芯たるハブ(円筒状ハブ)21と、この円筒状ハブ21の下端面(図1においては下ハーフ1B側)に連続して形成された下フランジ22と、円筒状ハブ21の開口部に溶着や接着等によって接合される上フランジ23と、から構成されている。
なお、リール2を構成する各部材は、特に記載しない限り、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネイト、又はこれらに強化剤(カーボングラスファイバー等)を含有した合成樹脂材料や、鉄、アルミニウム等の金属その他の材料から適宜選択して形成しても良い。
円筒状ハブ21は、外周面に磁気テープMTを巻き付けるための巻芯である。
図3(a)に示すように、円筒状ハブ21の外周面には、正面視円弧状の溝Dが、等間隔に6つ設けられている。
ここで、溝Dは、円筒状ハブ21に液体を塗布した際に、液溜としての役割を果たすためのものである。
円弧状の溝Dは、図2及び図3(b)に示すように、円筒状ハブ21の軸方向の長さ全体に亘って設けられている。また、溝Dは、後述する下フランジ22に対して、垂直に設けられている。
ここで、溝Dの深さd(図3(a)参照)は、5μmから15μmが好ましく、より好ましくは10μmである。係る範囲において、液溜としての機能を効率よく発揮することができる。
さらに、図3(b)に示すように、溝Dの開口面積S1の和は、溝Dを設けていない場合の円筒状ハブ21の外周面積における割合(%)において、30〜50%が好ましく、より好ましくは50%である。かかる範囲において、磁気テープMTと溝Dに溜まった液体との接触を確実に行なうことができる。
なお、第1実施形態に係る円筒状ハブ21は、後述する下フランジ22と射出成形により、一体に形成されている。円筒状ハブ21と下フランジ22を一体に形成することで、少ない工程でリールが製造できるので、生産性がよい。また、作業効率がよい。
また、図1に示すように、円筒状ハブ21内には、リリースパッド5、リールロック3及びコイルバネ4が順次組み付けられる。
さらに、第1実施形態においては、溝Dの形状を正面視円弧状としたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能である。
フランジは、円筒状ハブ21の両端面に取り付けられる部材であって、円筒状ハブ21に巻き取られた磁気テープMTの端部を保護するための部材である。
図2に示すように、フランジは、下フランジ22と上フランジ23とから構成されている。より詳しくは、フランジは円板状の部材であって、特に下フランジ22は、円筒状ハブ21の下端面(図1においては下ハーフ1B側)から径方向外側に同軸に延設され、合成樹脂成形によって円筒状ハブ21と一体に構成されている。
また、下フランジ22及び上フランジ23の中心からの径方向の長さは、中心からの磁気テープMTの巻径と同じか、若干大きく形成されている。
ここで、円筒状ハブ21及び下フランジ22は非透明樹脂からなっている。一方、上フランジ23は透明樹脂からなっている。このような構成にすることで、エッジ面に放射状のシワが発生しているか否か確認することができる。
なお、第1実施形態では、円筒状ハブ21と下フランジ22とを、射出成形により一体に形成したが、これに限られるものではなく、円筒状ハブ21と上フランジ23とを、一体に形成してもよい。
次に、図4及び図5を参照して、磁気テープカートリッジの製造装置及びこれを用いた製造方法について説明する。
まず、磁気テープカートリッジの製造装置について説明する。
図4に示す磁気テープカートリッジ製造装置Wは、いわゆるパンケーキ状の磁気テープMTを、カートリッジケース1の中にセットされているリール2の円筒状ハブ21に所定の長さだけ巻き取るための装置である。
図4に示すように、磁気テープカートリッジ製造装置Wは、主に、テープ供給装置10と、テープ貼付装置30と、磁気テープMTの表面を研磨するブレード装置40と、磁気テープMTの両面を清掃するクリーニング装置50,50と、走行中の磁気テープMTの張力を調整する張力調整装置60と、ストックされているカートリッジケース1をテープ貼付装置30に供給するカートリッジケース供給装置70と、リール2に磁気テープMTが巻装されたカートリッジケース1を排出するカートリッジケース排出部80とを備えて構成されている。また、磁気テープMTをテープ貼付装置30まで案内するための複数のテープガイドGがパネルPの適所に配置されている。また、磁気テープカートリッジ製造装置Wは、前記各装置を操作するための操作パネルSPを備えている。
テープ供給装置10は、テープ貼付装置30に磁気テープMTを供給するための装置であり、磁気テープMTをパンケーキ状に巻装したテープ供給用リールPC1とテープ供給用リールPC2とを有している。テープ供給装置10は、図示しない駆動装置によってテープ供給用リールPC1(又はPC2)所定の回転数で回転させることで、カートリッジケース1に向けて磁気テープMTを供給する。なお、テープ供給装置10は、2つのパンケーキPC1,PC2を有しているので、片方のパンケーキPC1の磁気テープMTがなくなったときは、パンケーキPC2に切り換えて、テープ貼付装置30に磁気テープMTを連続的に供給するようになっている。
テープ貼付装置30は、テープ供給装置10から供給された磁気テープMTの先端部MT1をカートリッジケース1内のリール2の円筒状ハブ21に貼り付けるための装置である。
テープ貼付装置30は、カートリッジケース1を設置するケース設置部31と、テープ供給装置10から供給される磁気テープMTをカートリッジケース1まで搬送するテープ先端部搬送手段32と、を備えて構成される。
ケース設置部31は、カートリッジケース供給装置70から供給されたカートリッジケース1が設置される装置であり、カートリッジケース1を保持すると共に、リール2を回転駆動させて磁気テープMTを巻き取る機能を有している。例えば、パネルPのおよそ右下に配置されている。このケース設置部31には、磁気テープ引き出し口1Cをテープ先端部搬送手段32に向けた状態でカートリッジケース1が設置される。
テープ先端部搬送手段32は前後長の長いブロック状の部材であって、テープ供給装置10から供給される磁気テープMTの先端部MT1付近を吸着して搬送する機能を有する。そのため、テープ先端部搬送手段32は、図示しないエアシリンダ等の駆動手段によって、磁気テープ引き出し口1Cからカートリッジケース1の内部に移動可能に構成されている。例えば、ケース設置部31に設置されるカートリッジケース1の磁気テープ引き出し口1Cから水平方向にずれた位置に設置されている。
また、図5(a)に示すように、テープ先端部搬送手段32の上面先端側(カートリッジケース1寄り)には、スポンジ載置部が形成され、スポンジ34が載置されている。このスポンジ載置部は、例えば、メタノール、エタノール、IPA(イソプロパノール)等の貼付用のアルコール(液体)をスポンジ34に供給可能なに構成されており、スポンジ34には常に適量のアルコールが滲み込むようになっている。
カートリッジケース供給装置70は、リール2を内蔵したカートリッジケース1をストックすると共に、そのカートリッジケース1をケース設置部31に供給する装置である。なお、カートリッジケース供給装置70は、カートリッジケース1の磁気テープ引き出し口1Cがテープ先端部搬送手段32に向いた状態で、カートリッジケース1をケース設置部31に供給するようになっている。
続いて、磁気テープカートリッジの製造方法について説明する。
図5(a)に示すように、まず、リール2を内蔵したカートリッジケース1をケース設置部31(図4参照)に設置する。このとき、カートリッジケース1における磁気テープ引き出し口1Cは、テープ先端部搬送手段32に向けた状態でケース設置部31に設置される。次に、図示しない真空ポンプでテープ先端部搬送手段32の孔(図示せず)に真空吸着させた磁気テープMTを、テープ先端部搬送手段32によって、磁気テープ引き出し口1Cからカートリッジケース1内に移動させる。
次に、図5(b)に示すように、テープ先端部搬送手段32の先端に設置されたスポンジ34をカートリッジケース1内の円筒状ハブ21に接触させ、リール2を回転させる。こうすることで、円筒状ハブ21の外周面に、スポンジ34に滲み込んだ液体が塗布される。
このとき、円筒状ハブ21の外周面は、液体によって覆われる。また、円筒状ハブ21に設けられた溝Dは液溜としての役割を果たすため、従来の平滑面である円筒状ハブよりも、液体が多く溜まる。
なお、液体の塗布方法はこれに限られるものではなく、適宜変更可能である。
次に、図5(c)に示すように、テープ先端部搬送手段32をさらに前進させて、磁気テープMTの先端部MT1を円筒状ハブ21の下方にまで移動させる。そして、テープ先端部搬送手段32を上方に移動させ、磁気テープMTの先端部MT1を円筒状ハブ21に近づける。それから、図示しない孔の真空吸着を解除すると共に、孔に圧縮エアを供給することで、磁気テープMTの先端部MT1を円筒状ハブ21に吹き付ける。こうすることで、先端部MT1が円筒状ハブ21に貼り付けられる。
ここで、従来の円筒状ハブにおいても、液体塗布時には、円筒状ハブ21外周面状には液体の被膜が形成されるが、液体がアルコール等の場合、蒸発しやすく、液体を塗布してからテープ先端部搬送手段32が次の工程に移るまでの間に、円筒状ハブ21外周面表面の液体が蒸発して乾いてしまう。
しかしながら、第1実施形態においては、液体塗布時に、従来同様、液体の被膜が形成される(図5(b)参照)と共に、円筒状ハブ21の外周面が乾いても、溝Dに液体が残る。そのため、磁気テープMTを確実に円筒状ハブ21に貼り付けることができる。これにより、液体の貼付力によって磁気テープMTは、当該貼付力が抗し得る弱い張力を受けつつ円筒状ハブ21の外周面に巻装することができる。また、磁気テープMTが剥がれて折れることを防止できると共に、溝Dを円筒状ハブ21の軸方向全体に亘って設けているので、磁気テープMTを巻き取る際に、磁気テープMTが幅方向にずれて、フランジに乗り上げることもない。
さらに、第1実施形態においては、溝Dを等間隔に設けると共に、溝Dの開口面積S2(図3参照)の割合が50%である。そのため、磁気テープMTと溝Dに溜まった液体との接触を確実に行なうことができる。
その後、図5(d)に示すように、テープ先端部搬送手段32を下方に下げて、カートリッジケース1内から後退させる。このようにして、磁気テープMTを円筒状ハブ21に貼り付ける作業を完了する。
そして、ケース設置部31によってリール2を回転させることにより、磁気テープMTをリール2に巻装する。磁気テープMTを所定の長さだけ巻き取ったら、テープカッタ(図示せず)を用いて磁気テープMTを切断する。このあと、図示しないリーダピン取り付け装置によって磁気テープMTの端部にリーダピン15及びクリップ16(図1参照)が取り付けられることで1リール式の磁気テープカートリッジCが完成する
なお、磁気テープMTは、円筒状ハブ21に複数回巻き付けられると、摩擦保持力及び上層の磁気テープMTの巻き圧によって所定の張力に耐え得る状態となる。したがって、液体が蒸発し、貼着力が失われたとしても磁気テープMTがほどけることはない。
完成された磁気テープカートリッジCは、カートリッジケース排出部80から排出される。そして、ケース設置部31には、新たなカートリッジケース1が設置され、前記の手順が繰り返されて磁気テープカートリッジCが順次生産される。
このような磁気テープカートリッジ及びその製造方法によれば、溝Dを有した円筒状ハブ21によって、リール2に磁気テープMTを巻装した際に、折れや乗り上げを防止することができる。したがって、磁気テープMTの端面(エッジ面)に放射状の跡として変形が現れるのを防ぐことができる。これにより、サーボ信号の書込エラー又は読み取りエラーの原因、ひいてはデータの記録エラー又は再生エラーの原因を防ぐことができる。
≪第2実施形態≫
例えば、本発明にかかる円筒状ハブ21を、次のような構成にすることもできる。
図6は、第2実施形態に係る円筒状ハブを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。なお、説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
ここで、円筒状ハブ21’は、図6(a)に示すように、円筒状ハブ21’の内周面にリブRが設けられていることを特徴とする。より具体的には、図6(b)に示すように、リブRは円筒状ハブ21’の軸方向の長さの中心から左右に同じ長さで形成されている。また、リブRは、リブRの長辺方向と円筒状ハブ21’の端面とが直交する向きに配設されている。さらに、リブRは円筒状ハブ21’の内周面に等間隔に設けられている。
なお、本実施形態においては、リブRは12個設けられているが、これに限られるものではない。
一方、円筒状ハブ21’の外周面にはリブRの対応する位置に溝Dが設けられている。溝Dは、図6(b)に示すように、円筒状ハブ21’の軸方向の長さの中心から左右に同じ長さで形成されている。また、溝Dは外周面に等間隔に設けられている。
ここで、溝Dの開口面積S2の和は、溝Dを設けていない円筒状ハブ21’の外周面積における割合(%)において、30〜50%が好ましく、より好ましくは50%である。
次に、円筒状ハブ21’の成形方法について説明する。
円筒状ハブ21’は、射出成形によって製造する
より具体的には、円筒状ハブ21’の内周面にリブRを一体的に設けることで、円筒状ハブ21’が冷めたときに、リブRに対応する位置の外周面にヒケができ、溝Dが形成される。
つまり、円筒状ハブ21’の内周面であって、軸方向の長さの中心から左右に同じ長さでリブRを形成した場合、円筒状ハブ21’の外周面であって、内周面に設けられたリブRと対応する位置に、軸方向の長さの中心から左右に同じ長さで溝Dが形成される。
また、円筒状ハブ21’とフランジ22,23(図1参照)を別体にすれば、円筒状ハブ21’の軸方向の中心から左右に同じ長さでリブRが形成されるように、成形型を型割りすることができる。その後、溝Dが形成された円筒状ハブ21に、フランジ22,23を溶着や接着等によって接合することで、リール2(図1参照)を構成することができる。
なお、下フランジ22が『特許請求の範囲』記載の第1フランジに、上フランジ23が『特許請求の範囲』記載の第2フランジに、それぞれ該当する。
ここで、第2実施形態においては、円筒状ハブ21’の軸方向において、中心にのみリブRが設けられているだけで、軸方向全体に亘ってリブRが形成されていない。したがって、円筒状ハブ21’の外周面に形成された溝Dも、円筒状ハブ21’の両端面まで形成されていない。さらに、リブRが円筒状ハブ21’の内周面に等間隔に設けられているので、溝Dも、円筒状ハブ21’の外周面に等間隔に形成されている。
なお、かかる形状の場合、磁気テープMTをぶれずに安定的に巻きつけることができる。
また、リブRを補強部材として使えるので効率がよい。
なお、円筒状ハブ21’を備える磁気テープカートリッジC(図1参照)の製造方法については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することもできる。
例えば、第1及び第2実施形態では、磁気テープMTを例にとって説明したが、これらに限られるものではなく、光記録テープなど他のテープ状記録媒体を用いてもよいことは言うまでもない。
また、前記第1及び第2実施形態以外に、溝を円周方向と直交する向きだけでなく、円周方向と角度をもって形成することができる。
本実施形態に係る磁気テープカートリッジの構成部品を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジに含まれるリールを示す、拡大分解斜視図である。 第1実施形態にかかるリールに含まれる円筒状ハブを示す拡大図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの製造装置を示す正面図である。 第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの製造方法を示す説明図である。 第2実施形態に係るリールに含まれる円筒状ハブを示す拡大図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 従来技術の1リール式テープカートリッジ製造方法示す断面図及び側面図であり、(a)は液体塗布時を示す図、(b)は磁気テープ係合時を示す図、(c)は磁気テープ巻取り時を示す図である。
符号の説明
1 カートリッジケース
2 リール
21,21’ 円筒状ハブ(巻芯)
22 下フランジ(第1フランジ)
23 上フランジ(第2フランジ)
C 磁気テープカートリッジ
D 溝
MT 磁気テープ(テープ)
MT1 先端部
R リブ

Claims (11)

  1. テープと、
    前記テープを巻装するリールと、
    前記リールを収容するカートリッジケースと、を備え、
    前記リールは、前記テープが巻装される巻芯を有し、
    前記巻芯の外周面には溝が設けられていることを特徴とする1リール式テープカートリッジ。
  2. 前記溝は、前記巻芯の軸方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載の1リール式テープカートリッジ
  3. 前記溝の深さは、5μm〜15μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の1リール式テープカートリッジ。
  4. 前記溝の幅方向の長さは、巻芯の軸方向の長さの中心から等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の1リール式テープカートリッジ。
  5. テープが巻装される巻芯と、
    前記巻芯の一端に設けられた第1フランジと、
    前記巻芯の他端に設けられた第2フランジと、
    を有するリールであって、
    前記巻芯の内周面にはリブが一体的に形成され、
    前記リブが形成された位置に対応する前記巻芯の外周面に溝を有することを特徴とするリール。
  6. 前記リブは、前記巻芯の軸方向の長さの中心から、軸方向の前後に同じ長さで設けられていることを特徴とする請求項6記載のリール。
  7. 前記リブは、前記内周面に等間隔に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のリール。
  8. 巻芯にテープを巻装してなる1リール式テープカートリッジの製造方法であって、
    溝を設けた前記巻芯に液体を塗布する工程と、
    前記液体を塗布した前記巻芯に、前記テープの先端部を搬送すると共に貼付する工程と、
    前記巻芯に前記テープ巻装する工程と、
    を備えることを特徴とする1リール式テープカートリッジ製造方法。
  9. テープが巻装される巻芯と、前記巻芯の一端に設けられた第1フランジと、前記巻芯の他端に設けられた第2フランジと、からなるリールの製造方法であって、
    前記巻芯と前記巻芯の内周面に設けられるリブとを、射出成形により一体的に形成する工程と、
    前記リブと一体的に形成された巻芯を冷ますことで、前記リブが形成された位置に対応する前記巻芯の外周面に溝を形成する工程と、
    前記巻芯の一端に、前記第1フランジを接合する工程と、
    前記巻芯の他端に、前記第2フランジを接合する工程と、
    を含むことを特徴とするリールの製造方法。
  10. 前記リブは、前記巻芯の軸方向の長さの中心から、軸方向の前後に同じ長さで設けられていることを特徴とする請求項9記載のリールの製造方法。
  11. 前記リブは、前記巻芯の内周面に等間隔に設けられていることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のリールの製造方法。
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