JP2007283206A - フィルター - Google Patents

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久米彦 真田
Takehito Furukawa
剛人 古川
Takahiro Yuchi
隆廣 有地
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Abstract

【課題】壊れ難く、低コストでかつ菌の増殖を抑制する作用を有するフィルターを提供する。
【解決手段】フィルター基材13は、その表面の少なくとも一部がアパタイトによってコーティングされた、多孔質セラミックおよび/または多孔質炭素材料に、さらに銀ナノ粒子を付着させてなる。本発明のフィルター10は、前記フィルター基材13を、通風可能または通水可能な、金属製またはプラスチック製のフィルターケース15に収納してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルターに関する。
空気清浄機、エアコンまたは浄水器などに使用されるセラミック製のフィルターとしては、例えば、特許文献1に記載のもの等が知られている。このものは、主に吸湿性の高い材料としてゼオライトなどを含有するセラミック材料を所定の形状に成形して焼成することで製造される。
特開2003−47824公報
上記特許文献1に記載のフィルターをはじめ、セラミック材料を成形して焼成することで製造されたフィルターは、取り付け作業や、手入れをする際に外力を受けることで壊れやすいという欠点を有する。そこで、特許文献1においては、セラミック製のフィルターに、別途製造した枠を嵌め込んで補強したものも提案されているが、枠を嵌め込む際にセラミック製のフィルターが破損することもある上に、枠を別途製造する必要があるので、コストがかかる。
また、多方面での使用に適応するフィルターを製造するには、取り付けられる機械にあわせて、その大きさや形を設計する必要があるから、特許文献1に記載されているようにセラミック材料を成形してフィルターを製造する場合には、成形する際の型を種々取り揃える必要がある。加えて、補強のための枠を製造する場合には、枠をフィルターに合わせて製造する必要もあるため、さらにコスト高になるという問題がある。
さらに、上記特許文献1に記載のフィルターのように、ゼオライトをはじめとする脱臭、吸着性の強い材料を使用したものは、手入れを怠ると菌が増殖するおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、取り付け作業などの際に壊れ難く、低コストであり、かつ菌の増殖を抑制する作用を有するフィルターを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、その表面の少なくとも一部がアパタイトによってコーティングされた、多孔質セラミックおよび/または多孔質炭素材料に、さらに銀ナノ粒子を付着させてなる粒状のフィルター基材を、通風可能または通水可能な、金属製またはプラスチック製のフィルターケースに収納してなることを特徴とするフィルターである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記フィルターケースは、扁平な枠体の両開口面に多孔板を配してなるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記多孔質セラミックは、焼成された陶器を破砕した陶器片であるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記多孔質炭素材料は、活性炭であるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記粒状のフィルター基材の平均粒径が2ないし10mmであるところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
特許文献1に記載のセラミック製のフィルターや、セラミックにアパタイトのみを吸着させたフィルターなどのように吸着性の強い材料を用いたフィルターでは、においや菌を吸着する作用が強い半面、手入れを怠ると菌が増殖するという問題がある。しかし、本発明のフィルターに使用される粒状のフィルター基材は、その表面の少なくとも一部はアパタイトによってコーティングされ、さらに銀ナノ粒子を付着させてなるから、アパタイトによってアンモニアなどの有害ガス、悪臭成分および細菌などを吸着する作用を発揮し、銀ナノ粒子によって吸着した有害ガスや細菌などを分解し減菌する作用を発揮することができる。
本発明のフィルターは、このフィルター基材を通風または通水可能な金属製またはプラスチック製のフィルターケースに収納してなるものである。すなわち、本発明のフィルターは、壊れやすいセラミック材が外側に露出している構造ではなく、外力を受けやすい外側部分の材質はセラミック材に比べ強度の高い金属またはプラスチックであるので、取り付け作業や手入れの際に破損し難い。
ところで、多方面での使用に適用可能とするにはフィルターの取り付けられる機械などのサイズに合わせて種々の大きさのフィルターが必要となる。このような場合には、本発明においても、種々の大きさのフィルターケースが必要にはなるが、フィルター基材が粒状であるから、フィルターケースの大きさに合わせて収納する量を容易に加減することができる。したがって、フィルターの大きさに併せてフィルター基材を成形する必要がないことから、容易に種々の大きさのフィルターを製造することができるので、低コストである。
<請求項2の発明>
請求項2に記載の発明によれば、フィルターケースは扁平な枠体の両開口面に多孔板を配してなるものであるから、成形しやすく、機械に取り付けやすい。
<請求項3および請求項4の発明>
本発明においては、リサイクル品の有効利用を図りコスト低減を実現する観点から、多孔質セラミックとして、焼成した陶器で不要なものなどを、破砕した陶器片を用いるのが好ましい。また、臭いなどの吸着能が高いという観点から、多孔質炭素材料として活性炭を用いるのが好ましい。
<請求項5の発明>
本発明においては、粒状のフィルター基材は通風または通水可能なフィルターケースに収納されるため、フィルター基材の粒子径が大きければ大きいほどフィルター全体として空隙率が高くなり、悪臭成分などを吸着するフィルター基材全体としての表面積は小さくなる。空隙率が低すぎれば、通風性または通水性が悪化し、表面積が小さくなると悪臭成分などの吸着能が低下する。
そこで、通風性と悪臭成分の吸着能のバランスを考慮し、粒状のフィルター基材の平均粒径が2ないし10mmであることが好ましい。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1および図2によって説明する。
本実施形態のフィルター10は、図1に示すように、縦寸法が約30cm、横寸法が約30cm、厚みが約1.5cmの略直方体をなす金属製のフィルターケース15に、粒状のフィルター基材13(後述する)を収納したものである。
詳しくは、フィルターケース15は、扁平な枠体11の両開口面に、多数の方形状の通風孔12Aが形成された格子状の多孔板12が配されたものである。上下の多孔板12の間には、粒状のフィルター基材13が収納されている。この多孔板12の目開き寸法は、粒状のフィルター基材13の平均粒径よりも小さく設定されており、フィルター基材13が外へこぼれ出ないようになっている(図2を参照)。
粒状のフィルター基材13は、その表面の少なくとも一部がアパタイトによってコーティングされた、粒状の多孔質セラミックおよび/または粒状の多孔質炭素材料に、さらに銀ナノ粒子を付着して形成されている。
粒状の多孔質セラミックの材料としては、陶器ガラや焼成された陶器などを破砕することで作られる陶器片、コージュライト、ムライト系材料、炭化珪素系の材料などが挙げられる。これらのなかでも、焼成された陶器を破砕した陶器片(以下、「陶器片」という)を用いることがリサイクル品の有効利用を促進し低コストを図る観点から好ましい。
多孔質セラミックのうち陶器片は、焼成された陶器をクラッシャーで粉砕し、分級することで粒状にすることができ、陶器片以外のものに関しては、押出し成形によりペレット化し焼成することで粒状にすることができる。また、本発明においては、細かく破砕した陶器片にセメント材料と水を加えてオムニミキサーなどを用いて粒状としたものを使用することもできる。細かく破砕した陶器片に加えられるセメント材料としては、ポルトランドセメントなどが挙げられる。
多孔質炭素材料としては、例えば、間伐材を粒状の木材チップとしたものを出発原料とした活性炭や木炭等が挙げられる。活性炭は、例えば、木材チップを蒸し焼きにして作製される。これらのうち、においなどの吸着能が高いという観点から活性炭が好ましい。
多孔質セラミックおよび多孔質炭素材料(以下、両者を含めて多孔質材料という)の表面にアパタイトをコーティングするには、オムニミキサーなどで多孔質材料を回転させ、そこにリン酸カルシウム系材料を含有するスラリーを滴下する方法、多孔質材料をリン酸カルシウム系材料を含有するスラリーに浸漬する方法、および多孔質材料を37℃の擬似体液中に所定時間浸漬し表面にアパタイト結晶を析出させる方法をはじめ公知の方法などを用いることができる。
上記の方法において使用されるリン酸カルシウム系材料は、水酸化カルシウムとリン酸を反応させる方法、Ca(PO・5HOとCaO又はCa(OH)とを反応させる方法、CaHPO・2HOと炭酸カルシウムまたはCa(POとを反応させる方法等をはじめ公知の方法によって得られる。これらの反応においては必要に応じてポリカルボン酸系の分散剤が用いられる。そして、上記に例示した方法などによって得られたリン酸カルシウム材料に蒸留水および必要に応じてポリカルボン酸系の凝集剤などを加えることでリン酸カルシウム系材料のスラリーが得られる。
多孔質材料の表面にアパタイトをコーティングした後には、下記の工程を経ることでアパタイトの定着性を向上させてもよい。
例えば、CaHPO・2HOとCa(PO2とを反応させて得られたリン酸カルシウムスラリーを使用したものについては、アパタイトコーティング後の多孔質材料をさらに80ないし100℃の飽和水蒸気中で24時間養生させてアパタイトを定着させても良い。
Ca(PO・5HOと、CaO又はCa(OH)とを反応させて得られたリン酸カルシウムスラリーを使用したものについては、アパタイトコーティング後の多孔質材料を圧力容器に入れて180ないし250℃、1MPaで2時間ないし6時間反応させてアパタイトを定着させても良い。
多孔質材料として多孔質炭素材料を使用したものについては、アパタイトコーティング後の多孔質材料を700ないし800℃の条件でロータリーキルンに入れて水蒸気打ち込み処理してアパタイトを定着させても良い。
また、アパタイトコーティング後の多孔質材料を900ないし1600℃で2ないし4時間焼成させて、アパタイトを定着させても良い。
次に、アパタイトをコーティングした多孔質材料の表面に、さらに銀ナノ粒子を付着させる。このようにすることで、銀ナノ粒子が有効に作用する。具体的には、一般に市販されている銀ナノ粒子の希釈液に、上記アパタイトをコーティングした多孔質材料を浸漬し、乾燥させると粒状のフィルター基材13が得られる。
本発明においては粒状のフィルター基材13は通風または通水可能なフィルターケース15に収納されるため、フィルター基材13の粒子径が小さくなるにつれ空隙率が低くなる。空隙率が低すぎると空気や水が通りにくくなり目詰まりを起こしやすくなる。
逆に粒子径が大きくなるにつれて、フィルター基材13全体としての表面積は小さくなり悪臭成分などを吸着する吸着能、分解作用及び抗菌作用が低下する。通風(通水)性と吸着能などのバランスを考慮すれば、粒状のフィルター基材13の平均粒径は2ないし10mmであることが好ましい。
この粒状のフィルター基材13を、フィルターケース15に収納することで本発明のフィルター10は製造される。上記粒状のフィルター基材13は、一種のみを使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
以上、本実施形態のフィルター10は、フィルター基材13を通風可能な金属製のフィルターケース15に収納してなるものであるから、壊れやすいセラミック材が外側に露出している構造ではなく、外力を直接受けるのは金属製のフィルターケース15であるので、取り付け作業や手入れの際に破損し難い。なお、フィルター基材13がフィルターケース15の中で衝突しあって壊れる場合もあるが、フィルター基材13の粒径が小さくなるだけで、フィルター10自体の強度に影響を与えるわけではないので支障はない。
そして、本実施形態において使用されるフィルター基材13は、その表面の少なくとも一部はアパタイトによってコーティングされているから、アンモニアなどの有害ガス、悪臭成分および細菌などを吸着可能である。また、フィルター基材13はアパタイトでコーティングした多孔質材料にさらに銀ナノ粒子を付着させたものであるから、吸着した悪臭成分を分解する作用や抗菌作用を有しているのでフィルター10の基材として好適である。
また、エアコンなどのサイズに合わせて種々の大きさのフィルター10が必要となる場合に、フィルターケース15をそれに合わせて作製すれば、フィルター基材13が粒状であるから、フィルターケース15の大きさに合わせて収納する量を容易に加減することができる。すなわち、フィルター10の大きさに併せてフィルター基材13を成形する必要がないことから、容易に種々の大きさのフィルター10を製造することができるので、コストがかからない。
さらに、フィルター基材13が粒状であるから、通風(通水)量を調整するためにフィルター基材13の収納量や粒径を変えることは自在であり、長期の使用などによりフィルター10の有害ガス吸着性能などが低下した際には、フィルター基材13のみを取り出して交換することも可能であるし、フィルター基材13を取り出して洗浄して再利用することも可能である。
<実施例1〜7>
以下、本発明の実施例1〜7を説明する。まず、本発明の実施例1〜7において用いられるフィルタ基材A〜Gは下記のようにして製造される。
<製造例1>
(1)多孔質材料の作成
コージェライト系材料を押出し成形して1200℃で焼成し、常温吸水率10%の粒状をなす多孔質材料Aを得た。
(2)アパタイトによるコーティング
内容量200mlのポットに、Ca(PO・5HOを20g、CaO又はCa(OH)を20g、および蒸留水を50ml入れ、ポリカルボン酸系分散剤を数滴滴下し、Φ1の玉石を適量入れて72時間粉砕し、リン酸カルシウム系材料を得た。
次にこのリン酸カルシウム原料に蒸留水800mlとポリカルボン酸系の凝集剤を数滴加え、リン酸カルシウム系材料を含有するスラリーA(以下、コーティング用スラリーAともいう)を調製した。
多孔質材料Aを300g、コーティング用スラリーAに20分間浸漬した後、取り出して、蒸留水50mlと共に内容積100mlのステンレス製オートクレーブに入れ、200℃、1.5MPaの水熱条件下で5時間反応させ、表面にハイドロキシアパタイトがコーティングされた多孔質材料(以下、アパタイトコート多孔質材料という)Aを得た。
(3)銀ナノ粒子の付着
銀ナノ粒子150ppm希釈液(朝日商会製:商品名「シルバリア」)に(2)で得られたアパタイトコート多孔質材料Aを20分間浸漬した後、60℃で乾燥させ、粒状のフィルター基材Aを得た。
<製造例2>
(1)多孔質材料の作成
不要な食器、花瓶などの陶磁器をジョークラッシャーで粉砕して分級し、最大径1mm以下の陶器粉砕物を得た。この陶器粉砕物5kgとポルトランドセメント5kgを内容積30リットルのオムニミキサーに入れ170rpmで回転させながら50ml/分の速度で水を投入し、平均粒径が5ないし10mmの粒状物を得た。
この粒状物を養生装置に入れ、湿度90%、温度40℃で15時間養生させ、粒状の多孔質材料Bを得た。
(2)アパタイトによるコーティング
本製造例では製造例1で調製したコーティング用スラリーAを使用した。多孔質材料Bを5kg、オムニミキサーに入れ170rpmで回転させながら、コーティングスラリーAを100ml/分の速度で滴下後、60℃で乾燥させ、アパタイトコート多孔質材料Bを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Bに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Bを得た。
<製造例3>
(1)多孔質材料の作成
不要な食器、花瓶などの陶磁器をジョークラッシャーで粉砕した後に分級して得た平均粒径5ないし10mmの粒状物を多孔質材料Cとした。
(2)アパタイトによるコーティング
多孔質材料Cを300g、目開き1mmのステンレス製の網容器に入れ、擬似体液[PH:7.25、イオン濃度(mol/m):Ca2+が2.5、HPO 2−が1、Naが142、Kが5、Mg2+が1.5、Clが147.8、HCO3−が4.2、SO 2−が0.5]1000mlに37℃、20分間浸漬し、その後網容器を引き上げて130℃で乾燥させ、アパタイトコート多孔質材料Cを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Cに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Cを得た。
<製造例4>
(1)多孔質材料の作成
ムライト系材料を押出し成形して1300℃で焼成し、常温吸水率15%の粒状の多孔質材料Dを得た。
(2)アパタイトによるコーティング
水酸化カルシウム水溶液に、リン酸を滴下することにより、コーティング用のスラリーDを調製した。このスラリーD中のハイドロキシアパタイトの粒子は平均粒径が100nmのナノ粒子であった。
多孔質材料Dを300g、目開き1mmのステンレス製の網容器に入れ、コーティング用スラリーDに20分間浸漬した後、乾燥し、1200℃で3時間焼成しアパタイトコート多孔質材料Dを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Dに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Dを得た。
<製造例5>
(1)多孔質材料の作成
炭化珪素系材料を押出し成形して1400℃で還元焼成し、粒状の多孔質材料Eを得た。
(2)アパタイトによるコーティング
内容量200mlのポットに、Ca(PO)2を20g、CaHPO・2HOを10g、蒸留水50mlを入れ、ポリカルボン酸系分散剤を数滴滴下し、Φ1の玉石を適量入れて72時間粉砕し、リン酸カルシウム系材料を得た。
次にこのリン酸カルシウム系材料に、蒸留水800mlとポリカルボン酸系の凝集剤を数滴加え、コーティング用スラリーEを得た。
多孔質材料A300gを、コーティング用スラリーEに20分間浸漬し、40℃で3時間養生させ、アパタイトコート多孔質材料Eを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Eに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Eを得た。
<製造例6>
(1)多孔質材料の作成
間伐材を破砕機に通し、最大径10mm程度の粒状の木材チップを得て、これを多孔質材料Fとした。
(2)アパタイトによるコーティング
内容量200mlのポットに、CaHPO・2HOを20gとCaCO10gと蒸留水50mlとを入れて、ポリカルボン酸系分散剤を数滴滴下し、Φ1の玉石を適量入れて72時間粉砕し、リン酸カルシウム系材料を得た。
次にこのリン酸カルシウム材料に、蒸留水800mlとポリカルボン酸系の凝集剤を数滴加え、コーティング用スラリーFを得た。
次に、ミキサーで混合しながら、多孔質材料F200gにコーティング用スラリー400mlを滴下したものをバッチ式のロータリーキルンの中にいれ、水蒸気打ち込みを行い、800℃で焼成し、アパタイトコート多孔質材料Fを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Fに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Fを得た。
<製造例7>
(1)多孔質材料の作成
間伐材を破砕機に通し、最大径10mm程度の木材チップにし、これを蒸し焼きにして木炭の粗粒を得てこれを多孔質材料Gとした。
(2)アパタイトによるコーティング
本製造例では製造例6で調製したコーティング用スラリーFを使用した。多孔質材料Gを200gと、コーティング用スラリーFを400mlを、オムニミキサーで混合した。この混合物をバッチ式のロータリーキルンの中にいれ、水蒸気打ち込みを行い、800℃で焼成し、アパタイトコート多孔質材料Gを得た。
(3)製造例1と同様にアパタイトコート多孔質材料Gに銀ナノ粒子を付着させ、粒状のフィルター基材Gを得た。
上記製造例1〜7によって得られた粒状のフィルター基材A〜Gを実施形態1に記載したフィルターケース15に収納することで本発明のフィルター10(実施例1〜7)が得られた。
<試験例>
1.実施例1〜7のフィルター10の性能を調べるために以下の試験を行った。
(1)フィルター基材A〜Gの表面分析および平均粒子径の測定
フィルター基材A〜Gの表面を透過電子顕微鏡(トプコンテクノハウス(株)社製:EM−002BF)により観察した結果、全てのフィルター基材の表面においてCa10(PO)(OH)(ハイドロキシアパタイト)の結晶と銀ナノ粒子が確認できた。
上記表面分析と合わせて、フィルター基材A〜Gの平均粒子径を測定した。結果は表1に示すとおりである。
Figure 2007283206
(2)フィルター基材A〜Gの悪臭成分吸着能
ふたつきのガラス製ビンに、タバコの煙、アンモニア水を別々に入れて、ポータブル型ニオイセンサ(新コスモス電機(株)製;C−XP−329)を用いて、においの強さを測定した。
次に製造例1〜7で製造したフィルター基材A〜Gを25ccずつ、タバコの煙、アンモニア水が入っているガラス製のビンに入れて1時間放置した後に、ポータブル型ニオイセンサでにおいの強さを測定した。
においの測定値の減少率が大きいほど消臭効果が高いことを意味する。
測定結果を表2に示す。
Figure 2007283206
製造例1〜7によって得られたフィルター基材A〜Gのすべてにおいて、高い消臭効果があることが確認された。この中でも特に、活性炭を使用したフィルター基材Gの消臭効果が高かった。
(3)フィルター基材の抗菌作用についての評価試験
製造例1〜7によって得られたフィルター基材A〜Gおよび粒状の活性炭にアパタイトのみをコーティングした比較例1のフィルター基材Hについて、以下の評価試験を行った。
初期菌数が1.5×10個/mlのE.coli(大腸菌)の菌液5mlを滅菌リン酸緩衝液70mlに加えて試験菌液とした。この試験菌液の入った三角フラスコに、製造例1〜7で得られたフィルター基材A〜Gおよび比較例1のフィルター基材Hを25ccずつ入れて25℃にて6時間振とうした。6時間振とう後に試験菌液の一部を取り出し、寒天培地を用いた混釈培養液(35℃、48時間)により、その生菌数を測定した。これを使用当初の生菌数とする。また、各フィルター基材を37℃の水中に14日間浸漬した後の生菌数を14日経過後の生菌数とする。
結果を表3に示す。
Figure 2007283206
製造例1〜7によって得られたフィルター基材A〜Gにおいては、使用当初から生菌数が激減し、14日経過後においても菌の増殖がみられず、菌の増殖を抑制する作用(抗菌作用)が優れていたが、比較例1の基材Hにおいては、十分な抗菌作用は得られなかった。
<まとめ>
製造例1〜7で得られたフィルター基材A〜Gは、優れた消臭効果と抗菌作用を有しているから、これらのフィルター基材A〜Gを用いた本発明のフィルターについても、優れた消臭効果と抗菌作用を有しているといえる。
以上より、本発明によれば、取り付け作業などの際に壊れ難く、低コストであり、かつ菌の増殖を抑制する作用を有するフィルターを提供することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態においては、フィルターケースの両開口面には格子形状の多孔板として格子形状のものを備えていたが、フィルターケース全体が網状になっている構造のものや、図3および図4に示すようなハニカム形状の多孔板を備えるものや、図5に示すように縞状をなす構造のものであってもよい。また、これらの構造は2種以上を組み合わせたものであっても良い。
(2)本発明においては、例えば、メッシュ構造のシートなどをフィルターケースの多孔板とフィルター基材との間に挟んで使用することもできる。このようにすることで、フィルター基材がフィルターケースに形成された通気孔の間からこぼれ出るのを、さらに有効に防ぐことができる。
(3)上記実施例においては、フィルター基材を1種ずつ使用してフィルターを製造したが、2種以上を混合して用いても良い。
実施形態1のフィルターの斜視図 図1のA−A断面図 他の実施形態のフィルターの斜視図 その平面図 他の実施形態のフィルターの斜視図
符号の説明
10…フィルター
11…枠体
12…多孔板
12A…通気孔
13…フィルター基材
15…フィルターケース

Claims (5)

  1. その表面の少なくとも一部がアパタイトによってコーティングされた、多孔質セラミックおよび/または多孔質炭素材料に、さらに銀ナノ粒子を付着させてなる粒状のフィルター基材を、
    通風可能または通水可能な、金属製またはプラスチック製のフィルターケースに収納してなることを特徴とするフィルター。
  2. 前記フィルターケースは、扁平な枠体の両開口面に多孔板を配してなることを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
  3. 前記多孔質セラミックは、焼成された陶器を破砕した陶器片であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルター。
  4. 前記多孔質炭素材料は、活性炭であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフィルター。
  5. 前記粒状のフィルター基材の平均粒径が2ないし10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフィルター。
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