以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、カップ状容器Bの胴部外周面に、合成樹脂フィルムに粘着層が積層された厚さ9〜25μmの薄肉のタックラベルによって形成された、扇形の一部を切除した形状で、外側の円弧長が90mm、内側の円弧長が75mm、外側の円弧と内側の円弧との間隔が80mmである正面ラベル及び背面ラベルをそれぞれ貼着するタックラベラー1を示している。このタックラベラー1は、同図に示すように、ベルトコンベア2a、スクリュー2b、スターホイール2c及びガイドレール2dを有する容器供給装置2と、図12に示すように、長尺帯状の離型紙SPに多数の正面ラベルや背面ラベル(タックラベルTL)が一定間隔をあけて貼着されたラベル供給用帯状体LBをロール状に巻回してなるラベル供給ロールLRから、ラベル供給用帯状体LBを繰り出しながら、離型紙SPから正面ラベルや背面ラベルを順次剥離して、ラベル供給位置α1、α2にそれぞれ供給する2組のラベル供給装置3、3と、容器供給位置γにおいて前記容器供給装置2から供給されたカップ状容器Bを受け取って容器送出位置δまで搬送すると共に、ラベル供給位置α1、α2においてラベル供給装置3から正面ラベルや背面ラベルを受け取ってラベル貼着位置β1、β2までそれぞれ搬送し、ラベル貼着位置β1、β2において、正面ラベルや背面ラベルをカップ状容器Bの胴部外周面に貼着するラベル貼着装置4と、このラベル貼着装置4によって、胴部外周面に正面ラベル及び背面ラベルが貼着されたカップ状容器Bを送出する、スターホイール5a、ガイドレール5b及びベルトコンベア5cを有する容器送出装置5とから構成されている。
前記ラベル供給装置3は、図3に示すように、ラベル供給ロールLRをセットするロールセッティングユニット11と、このロールセッティングユニット11にセットされたラベル供給ロールLRから繰り出したラベル供給用帯状体LBの離型紙SPから正面ラベルや背面ラベル(タックラベルTL)を剥離するラベル剥離ユニット12と、このラベル剥離ユニット12によって、正面ラベルや背面ラベルが剥離された離型紙SPを巻き取って回収する離型紙回収ユニット17とを備えており、ラベル剥離ユニット12は、ラベル供給ロールLRから繰り出したラベル供給用帯状体LBを厚さ2mmの剥離プレート13に引っかけて逆方向に急角度で方向転換させながら引っ張ることにより、離型紙SPからタックラベルTLを剥離するようになっている。
前記ラベル剥離ユニット12は、図3〜図5に示すように、ラベル供給用帯状体LBを引っかける剥離プレート13の先端部(10mm程度)がラベル供給用帯状体LBの供給経路側に所定角度θ(=35度)で屈曲しており、その屈曲部13aに沿うように、ラベル供給用帯状体LBを剥離プレート13の先端側に案内するガイド部材14と、剥離プレート13の上流側において、ロールセッティングユニット11から繰り出したラベル供給用帯状体LBを固定ドラム15aに巻き付けることにより、送出中のラベル供給用帯状体LBにブレーキをかけるブレーキ手段15と、剥離プレート13の下流側において、離型紙SPを挟み込んで引っ張る、モータに直結された駆動ローラ16a及びニップローラ16bからなる引張手段16とを備えている。
前記ガイド部材14は、図5(a)、(b)に示すように、厚さ4mm、幅50mmの横断面台形状に形成されており、剥離プレート13の屈曲部13aに沿うように傾斜した長さ7mm程度の傾斜面14aと、剥離プレート13における屈曲部13aよりも上流側に沿う案内面14bとを有し、傾斜面14aと剥離プレート13の屈曲部13aとの間に0.5mmの微小隙間が形成されるように、上端部及び下端部の肉厚部分(厚さ4.5mm)14cが剥離プレート13の上下に突出した取付部13bにねじ止めされている。従って、ガイド部材14の案内面14bと剥離プレート13との間にも、0.5mmの微小隙間が形成されることになる。
従って、ラベル供給ロールLRから繰り出されるラベル供給用帯状体LBは、ブレーキ手段15によってブレーキがかけられた状態で剥離プレート13側に送出されるが、ガイド部材14の案内面14b上を摺動することによって、さらにブレーキがかかった状態で、ガイド部材14の傾斜面14aと剥離プレート13の屈曲部13aとの間に形成される微小隙間を通って剥離プレート13の先端まで案内されることになる。
前記ラベル貼着装置4は、図1、図2及び図6〜図8に示すように、ラベル供給位置α1、α2にそれぞれ供給されるタックラベルTLを、粘着面が外側を向くように、外周面に吸着した状態でラベル貼着位置β1、β2までそれぞれ搬送する、それぞれのラベル供給装置3、3に対応して設置された2組の吸引ドラム21、21と、容器供給位置γにおいて容器供給装置2から供給されたカップ状容器Bを受け取って容器送出位置δまで搬送するロータリ型の容器搬送ユニット33とを備えており、ラベル貼着位置β1、β2において、そのタックラベルTLの粘着面にカップ状容器Bの胴部外周面を接触させた後、カップ状容器Bを自転させながら吸引ドラム21、21の外周面に沿って移動させることによって、カップ状容器BにタックラベルTLを貼着するようになっている。特に、このラベル貼着装置4では、自転しながら吸引ドラム21の外周面に沿って移動しているカップ状容器Bの移動速度を加味した周速が、吸引ドラム21の周速の3倍程度に設定されており、カップ状容器Bの胴部外周面にタックラベルTLを貼着する際、カップ状容器Bが吸引ドラム21からタックラベルTLを引っ張りながら、カップ状容器Bの胴部外周面にタックラベルTLを巻き付けるようになっている。
前記吸引ドラム21は、図2及び図6〜図8に示すように、ドラム本体22と、このドラム本体22の中心部に固定した状態で、軸受部29を介して、支持部材32に回転可能に支持された駆動軸30と、この駆動軸30に直結された駆動モータ31とを備えている。
前記ドラム本体22は、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示すように、アルミニウムによって形成された、厚さ30数mm程度の周壁を有する桶状の本体部23と、この本体部23の外周面を覆う、本体部23の周方向に分割された複数の被覆ユニット24とを備えており、それぞれの被覆ユニット24が本体部23の外周面に着脱自在に取り付けられている。
それぞれの被覆ユニット24は、図7(b)に示すように、アルミニウムによって形成されたベースプレート25と、このベースプレート25の外面に貼着されたシリコンスポンジからなる厚さ10mm程度のクッション材26と、このクッション材26の表面に貼着された、滑り性を向上させる厚さ0.13mmのフッ素樹脂シート27とを備えており、薄肉のタックラベルTLは、静電気によってフッ素樹脂シート27の表面に吸着されるようになっている。
前記本体部23の外周面には、各被覆ユニット24の取付領域毎に、各被覆ユニット24によって閉塞される複数の縦吸引溝23aが周方向に一定間隔で形成されており、それぞれの縦吸引溝23aは、本体部23の底壁に形成された環状の下部吸引路23bに連通し、この下部吸引路233bが吸引パイプ28を介して、図示しない吸引ブロアに接続されている。
また、各被覆ユニット24には、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示すように、本体部23の外周面に形成された右側の2本の縦吸引溝23aにそれぞれ連通する上下6個の吸引孔24aが形成されており、ラベル供給位置α1、α2において、ラベル供給装置3から供給されるタックラベルTLは、その剥離始端部が吸引孔24a部分に吸引保持されることで位置決めされた後、この吸引力及び静電気の吸引力によって、タックラベルTLの全体がドラム本体22の外周面に吸着されるようになっている。
前記容器搬送ユニット33は、図8に示すように、軸受35a、35bを介して、下側支持円盤36a及び上側支持円盤36bに回転可能に支持された駆動軸37と、相互に噛み合うギア38a、38bを介して、駆動軸37を回転させる駆動モータ39と、駆動軸37に固定された一対の下側回転円盤40a及び上側回転円盤40bと、軸受35a、41を介して駆動軸37に取り付けられた一対の下側固定ギヤ42a及び上側固定ギヤ42bと、下側回転円盤40a及び上側回転円盤40bの外縁部における駆動軸37を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた複数の容器保持ヘッド43とを備えており、容器保持ヘッド43は、カップ状容器Bを下側から保持する下側保持ユニット43aと、カップ状容器Bを上側から保持する上側保持ユニット43bとから構成されている。なお、カップ状容器Bは、天地を逆にして治具Jに被嵌した状態で治具Jと共に搬送されるようになっており、容器保持ヘッド43は、治具Jに被嵌したカップ状容器Bを治具Jと共に保持するようになっている。
また、駆動モータ39の回転軸39aには二つのロータリエンコーダ(図示せず)が連結されており、それぞれのロータリエンコーダによって検出された駆動軸37の回転角度に基づいて、図示しないコントローラが、このラベル貼着装置4によるカップ状容器BへのタックラベルTLの貼着動作と、ラベル供給ロールLRから繰り出したラベル供給用帯状体LBの送出やラベル供給用帯状体LBにおける離型紙SPからのタックラベルTLの剥離といったラベル供給装置3の一連の動作を統括的に制御するようになっている。
前記下側保持ユニット43aは、図8に示すように、下側回転円盤40aに固定されたスリーブ44aと、このスリーブ44aに回転可能に嵌入された中間軸45aと、この中間軸45aに一端側が固定された連結アーム46aと、この連結アーム46aの他端側に軸受を介して自転可能に支持された保持軸47aと、この保持軸47aに、周り止めされた状態で、昇降自在に外嵌されたスリーブ48aと、このスリーブ48aに取り付けられた、カップ状容器Bが被嵌された治具Jを載置する下側容器ホルダ49aと、この下側容器ホルダ49aを自転させる自転機構50aと、容器供給装置2からカップ状容器Bを受け取る際やカップ状容器Bを容器送出装置5に引き渡す際に、下側容器ホルダ49aを昇降させる昇降機構55aと、ラベル貼着位置β1、β2において、カップ状容器Bを吸引ドラム21、21の外周面に沿って移動させるために、下側容器ホルダ49aを水平方向に揺動させる揺動機構59aとを備えており、駆動軸37が回転することによって、下側回転円盤40aが回転し、これに伴って、下側回転円盤40aにスリーブ44aを介して支持されている中間軸45aが駆動軸37を中心とした同心円上を公転するようになっている。
前記自転機構50aは、中間軸45aの下端部に、軸受を介して、回転可能に取り付けられた、下側固定ギヤ42aに歯合する遊星ギヤ51a及びタイミングプーリ52aと、保持軸47aの下部に固定されたタイミングプーリ53aと、両タイミングプーリ52a、53aに掛けられた無端状のタイミングベルト54aとから構成されており、タイミングプーリ52aが、遊星ギヤ51aと同様に回転するように、両者は一体化されている。従って、中間軸45aが駆動軸37を中心とした同心円上を回転すると、遊星ギヤ51a及びタイミングプーリ52aが回転し、これに伴って、タイミングプーリ53aが回転するので、保持軸47a(下側容器ホルダ49a)が自転するようになっている。
前記昇降機構55aは、スリーブ48aに、軸受を介して、取り付けられたカムフォロア56aと、このカムフォロア56aが当接するカム面を有するカム板57aと、スリーブ48aを上方側に付勢することにより、カムフォロア56aをカム板57aのカム面に押し付ける、保持軸47aに嵌挿されたコイルばね58aとから構成されており、カム板57aは、保持軸47aの外側において、駆動軸37を中心とした同心円上に配設されている。従って、保持軸47aが駆動軸37を中心に回転することによって、カムフォロア56aがカム板57aのカム面に沿って昇降しながら移動し、これに伴って、カムフォロア56aが支持されているスリーブ48a、即ち、下側容器ホルダ49aが昇降するようになっている。
前記揺動機構59aは、保持軸47aの下端部に固定されたカムフォロア60aと、このカムフォロア60aが当接するカム面を有するカム板61aと、所定の移動経路(駆動軸37を中心とした同心円)上に保持軸47aを付勢する図示しない付勢手段とから構成されており、カム板61aは、図9(a)に示すように、カップ状容器Bを吸引ドラム21、21の外周面に沿って移動させなければならないラベル貼着位置β1、β2付近に設置されている。従って、保持軸47aがラベル貼着位置β1、β2付近を通過する際、カムフォロア60aがカム板61aのカム面に押されて、保持軸47aが、その移動経路である同心円の内側に入り込みながら移動し、これに伴って、保持軸47aに取り付けられている下側容器ホルダ49aも同様の経路を移動するようになっている(図10(a)〜(c)参照)。
前記上側保持ユニット43bは、図8に示すように、上側回転円盤40bに固定されたスリーブ44bと、このスリーブ44bに回転可能に嵌入された中間軸45bと、この中間軸45bに一端側が固定された連結アーム46bと、この連結アーム46bの他端側に軸受を介して自転可能に支持された保持軸47bと、この保持軸47bに、周り止めされた状態で、昇降自在に外嵌されたスリーブ48bと、このスリーブ48bに取り付けられた、治具Jに被嵌されたカップ状容器Bの底部を下方側に押し付けて保持する上側容器ホルダ49bと、この上側容器ホルダ49bを自転させる自転機構50bと、容器供給装置2からカップ状容器Bを受け取る際やカップ状容器Bを容器送出装置5に引き渡す際に、上側容器ホルダ49bを昇降させる昇降機構55bと、ラベル貼着位置β1、β2において、カップ状容器Bを吸引ドラム21、21の外周面に沿って移動させるために、上側容器ホルダ49bを水平方向に揺動させる揺動機構59bとを備えており、駆動軸37が回転することによって、上側回転円盤40bが回転し、これに伴って、上側回転円盤40bにスリーブ44bを介して支持されている中間軸45bが駆動軸37を中心とした同心円上を公転するようになっている。
前記自転機構50bは、中間軸45bの上端部に、軸受を介して、回転可能に取り付けられた、上側固定ギヤ42bに歯合する遊星ギヤ51b及びタイミングプーリ52bと、保持軸47bの上部に固定されたタイミングプーリ53bと、両タイミングプーリ52b、53bに掛けられた無端状のタイミングベルト54bとから構成されており、タイミングプーリ52bが、遊星ギヤ51bと同様に回転するように、両者は一体化されている。従って、中間軸45bが駆動軸37を中心とした同心円上を回転すると、遊星ギヤ51b及びタイミングプーリ52bが回転し、これに伴って、タイミングプーリ53bが回転するので、保持軸47b(上側容器ホルダ49b)が自転するようになっている。
前記昇降機構55bは、スリーブ48bに、軸受を介して、取り付けられたカムフォロア56bと、このカムフォロア56bが当接するカム面を有するカム板57bと、スリーブ48bを下方側に付勢することにより、カムフォロア56bをカム板57bのカム面に押し付ける、保持軸47bに嵌挿されたコイルばね58bとから構成されており、カム板57bは、保持軸47bの外側において、駆動軸37を中心とした同心円上に配設されている。従って、保持軸47bが駆動軸37を中心に回転することによって、カムフォロア56bがカム板57bのカム面に沿って昇降しながら移動し、これに伴って、カムフォロア56bが支持されているスリーブ48b、即ち、上側容器ホルダ49bが昇降するようになっている。
前記揺動機構59bは、保持軸47bの上端部に固定されたカムフォロア60bと、このカムフォロア60bが当接するカム面を有するカム板61bと、所定の移動経路(駆動軸37を中心とした同心円)上に保持軸47bを付勢する図示しない付勢手段とから構成されており、カム板61bは、カップ状容器Bを吸引ドラム21、21の外周面に沿って移動させなければならないラベル貼着位置β1、β2付近に設置されている。従って、保持軸47bがラベル貼着位置β1、β2付近を通過する際、カムフォロア60bがカム板61bのカム面に押されて、保持軸47bが、その移動経路である同心円の内側に入り込みながら移動し、これに伴って、保持軸47bに取り付けられている上側容器ホルダ49bも同様の経路を移動するようになっている(図10(a)〜(c)参照)。
各ラベル供給装置3とそれぞれのラベル供給装置3に対応する吸引ドラム21とは、図1、図2及び図9(a)に示すように、二組のラベル供給搬送機構部70A、70Bとしてそれぞれのユニットに組み込まれており、各ラベル供給搬送機構部70A、70Bは、本体ベース71に立設されたコラム72と、このコラム72に昇降自在に水平支持された下位ベース73と、この下位ベース73上を、容器搬送ユニット33におけるカップ状容器Bの搬送経路に対して接近離反する方向に摺動する中位ベース74と、この中位ベース74に支持された、ラベル供給装置3及び吸引ドラム21が設置されている上位ベース75とを備えている。なお、ラベル供給装置3は、吸引ドラム21に対するタックラベルTLの供給角度を変化させることができるように、ハンドル3aを回転操作することによって、上位ベース75に対する傾斜角度を調整することができるようになっている。
前記下位ベース73は、ハンドル73aを回転操作することによって昇降すると共に、中位ベース74は、ハンドル74aを回転操作することによって進退するようになっており、上位ベース75は、吸引ドラム21のドラム本体22の外周面をカップ状容器Bの胴部外周面のテーパ角度に略一致させることができるように、調整ボルト75aを回転操作することにより、その傾斜角度を調整することができるようになっている。
また、タックラベルTLをラベル供給位置α1に供給するラベル供給装置3と、ラベル供給位置α1に供給されたタックラベルTLをラベル貼着位置β1まで搬送する吸引ドラム21とを備えたラベル供給搬送機構部70Aは、そのコラム72が本体ベース71に直接立設されているが、タックラベルTLをラベル供給位置α2に供給するラベル供給装置3と、ラベル供給位置α2に供給されたタックラベルTLをラベル貼着位置β2まで搬送する吸引ドラム21とを備えたラベル供給搬送機構部70Bは、図2に示すように、そのコラム72が可動ベース76を介して本体ベース71に立設されている。
前記可動ベース76には、図2及び図9(b)に示すように、本体ベース71に固定設置された、容器搬送ユニット33におけるカップ状容器Bの搬送経路に沿って湾曲したスライドレール71aに係合するスライドガイド76aが取り付けられており、ハンドル76bを回転操作することにより、可動ベース76をカップ状容器Bの搬送経路に沿って移動させることができるようになっている。従って、ラベル供給搬送機構部70Bは、そのラベル供給位置α2及びラベル貼着位置β2を、カップ状容器Bの搬送経路に沿って移動させることができる。なお、本体ベース71には、可動ベース76の片側を支える合成樹脂製の支持ブロック71bが設置されており、可動ベース76が支持ブロック71b上を摺動するようになっている。
以上のように構成されたタックラベラー1のラベリング動作について、以下に説明する。まず、ラベル供給装置3、3にセットされたラベル供給ロールLRからラベル供給用帯状体LBが繰り出され、ラベル供給位置α1、α2に送出されるが、ラベル供給位置α1、α2では、剥離プレート13に引っかけた離型紙SPを、逆方向に急激に方向転換させながら引っ張ることによって、離型紙SPからタックラベルTLが剥離され、粘着面を外側に向けた状態で、その始端部が吸引ドラム21におけるドラム本体22の外周面に形成された吸引孔24a部分に吸引保持されることで位置決めされた後、この吸引力及び静電気の吸引力によって、タックラベルTLの全体がドラム本体22の外周面に吸着され、その状態でラベル貼着位置β1、β2まで搬送される。
このようにして、タックラベルTLがラベル貼着位置β1、β2まで搬送された状態では、図10(a)に示すように、容器搬送ユニット44によってカップ状容器Bもラベル貼着位置β1、β2まで搬送されてきており、カップ状容器Bの胴部外周面が、吸引ドラム21のドラム本体22の外周面に吸着しているタックラベルTLの粘着面に押し付けられ、タックラベルTLの端部がカップ状容器Bの胴部外周面に貼着される。続いて、同図(b)、(c)に示すように、カップ状容器Bが自転しながら、ドラム本体22の外周面に沿って移動するので、これによって、タックラベルTLの全体がカップ状容器Bの胴部外周面に貼着されることになる。なお、吸引ドラム21のドラム本体22に沿って移動しているカップ状容器Bの移動速度が、ドラム本体22の周速より大きく設定されているので、同図(a)〜(c)に示すように、タックラベルTLの貼着開始から貼着完了までの間に、被覆ユニット24に対するカップ状容器Bの接触位置が被覆ユニット24の移動方向前方側に徐々に移動していくことになる。
また、タックラベルTLの貼着開始から貼着完了までの間、常時、カップ状容器Bの胴部外周面の傾斜角度とドラム本体22の外周面の傾斜角度とを完全に一致させることはできないので、このタックラベラー1では、図10(b)に示すように、タックラベルTLを全長の半分だけ貼着したときに、カップ状容器Bの胴部外周面が、ドラム本体22の本体部23の外周面を覆っている被覆ユニット24のクッション材26を所定量だけ窪ませた状態で、カップ状容器Bの胴部外周面の傾斜角度とドラム本体22の外周面の傾斜角度とが一致するように設定されており、タックラベルTLの貼着を開始した時点(図10(a)参照)からタックラベルTLを全長の半分だけ貼着し終える直前までの間及びタックラベルTLを全長の半分だけ貼着し終えた直後からタックラベルTLの貼着が完了する時点(図10(c)参照)までの間は、カップ状容器Bの大径部側において、カップ状容器Bの胴部外周面が、被覆ユニット24のクッション材26を部分的に窪ませることで、カップ状容器Bの胴部外周面をドラム本体22の本体部23の外周面に接触させるようになっている。即ち、タックラベルTLの貼着開始時点では、図11(a)に示すように、カップ状容器Bの小径部において、カップ状容器Bの胴部外周面がクッション材26をほとんど窪ませない状態でクッション材26に接触しているが、カップ状容器Bの大径部において、カップ状容器Bの胴部外周面がクッション材26を所定量窪ませた状態になっている。そして、タックラベルTLの貼着が進むに従って、カップ状容器Bの小径部側のクッション材26の窪み量が徐々に大きくなっていき、タックラベルTLを全長の半分だけ貼着し終えた時点では、同図(b)に示すように、カップ状容器Bの小径部から大径部に渡って、カップ状容器Bの胴部外周面がクッション材26を所定量窪ませた状態となっている。続いて、タックラベルTLの貼着がさらに進むと、逆に、カップ状容器Bの小径部側のクッション材26の窪み量が徐々に小さくなっていき、タックラベルTLの貼着完了時点では、同図(a)に示すように、タックラベルTLの貼着開始時点と同様の状態になる。
以上のように、このタックラベラー1では、ラベル供給装置3のラベル剥離ユニット12を構成している剥離プレート13の先端部がラベル供給用帯状体LBの供給経路側に屈曲しており、その屈曲部13aに沿うように、ラベル供給用帯状体LBを案内するガイド部材14と、剥離プレート13の上流側において、送出中のラベル供給用帯状体LBにブレーキをかけるブレーキ手段15とを備えているので、離型紙SPに貼着されているタックラベルTLが腰のない薄肉のものであっても、そういったタックラベルTLが離型紙SPに貼着された状態で離型紙SPと共に剥離プレート13部分で方向転換することがなく、腰のない薄肉のタックラベルTLを離型紙SPから確実に剥離することが可能となる。
特に、このラベル剥離ユニット12では、ラベル供給用帯状体LBがガイド部材14の案内面14b上を摺動することによってブレーキがかけられ、ガイド部材14の傾斜面14aと剥離プレート13の屈曲部13aとの間に形成される微小隙間を通って剥離プレート13の先端まで案内されることになるので、ラベル供給用帯状体LBの送出が停止されたときに、剥離プレート13の先端部分でラベル供給用帯状体LBに弛みが生じにくく、ブレーキ手段15によって送出中のラベル供給用帯状体LBに大きなブレーキをかける必要がない。これにより、剥離プレート13の下流側において離型紙SPを引っ張る引張手段16の引張力を最小限に抑えることができるので、ラベル供給用帯状体LBが破断したり、損傷を受けたりしにくいという効果が得られる。
また、このタックラベラー1のラベル貼着装置4は、離型紙SPから剥離したタックラベルTLを、粘着面が外側を向くように、吸引ドラム21におけるドラム本体22の外周面に一旦吸着させた状態でラベル貼着位置β1、β2まで搬送し、ラベル貼着位置β1、β2において、そのタックラベルTLの粘着面にカップ状容器Bの胴部外周面を押し付けて、クッション材26を部分的に窪ませることにより、カップ状容器Bの胴部外周面をドラム本体22の胴部外周面に完全に接触させた状態で、カップ状容器Bを自転させながらドラム本体22の胴部外周面に沿って移動させているので、タックラベルTL自体に皺が発生したり、タックラベルTLとカップ状容器Bの胴部外周面との間に気泡が形成されにくく、胴部がテーパ状に形成されたカップ状容器Bに薄肉のタックラベルTLを高速で、綺麗に貼着することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、剥離プレート13の屈曲部13aに沿うように傾斜した傾斜面14aと、剥離プレート13における屈曲部13aよりも上流側に沿う案内面14bとを有しているガイド部材14を採用しているが、ガイド部材はこういった形状のものに限定されず、少なくとも、ラベル供給用帯状体LBを剥離プレート13の屈曲部13aに沿わせることができるのであれば、例えば、ローラや丸棒等のガイド部材を屈曲部13aの基端部に配置することも可能である。ただし、ローラや丸棒等のガイド部材を採用する場合は、ガイド部材自体でラベル供給用帯状体LBに大きなブレーキをかけることができず、剥離プレート13の屈曲部13aとの間に微小隙間を形成することもできないので、剥離プレート13の上流側に配置されたブレーキ手段15によって送出中のラベル供給用帯状体LBに大きなブレーキをかける必要がある。
また、上述した実施形態では、剥離プレート13の屈曲部13aの屈曲角度を35度に設定しているが、これに限定されるものではなく、20〜40度、好ましくは、30〜35度の範囲内で適宜設定すればよい。
また、上述した実施形態では、剥離プレート13の屈曲部13aの長さを10mm程度に設定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、3〜30mm程度で適宜設定すればよい。
また、上述した実施形態では、ラベル供給装置3によるタックラベルTLの供給速度と、吸引ドラム21のドラム本体22の周速とを同速に設定しているが、これに限定されるものではなく、ドラム本体22の周速をタックラベルTLの供給速度よりも若干大きくしておくと、タックラベルTLに皺が発生しにくく、より綺麗な状態で、タックラベルTLを吸引ドラム21の外周面に吸着させることができる。
また、上述した実施形態では、カップ状容器Bの胴部外周面に正面ラベル及び背面ラベルといった2枚のタックラベルTLを貼着するために、2台のラベル供給装置3、3を搭載しているが、これに限定されるものではなく、1枚のタックラベルを貼着する場合は、1台のラベル供給装置3を搭載すればよく、3枚以上のタックラベルを貼着する場合は、3台以上のラベル供給装置3を搭載すればよい。
また、上述した実施形態では、吸引ドラム21におけるドラム本体22の外周面にタックラベルTLを吸着する際、ドラム表面の静電気を利用しているが、これに限定されるものではなく、静電気を利用することなく、本体部23の外周面に形成された全ての縦吸引溝23aに連通する多数の吸引孔を被覆ユニット24に形成し、これらの吸引孔から空気を吸引することによって、ドラム本体の外周面にタックラベルを吸引保持することも可能である。この場合、タックラベルTLの貼着始端近傍以外の吸引孔は、タックラベルTLがドラム表面で摺動する(滑る、ずれる)ことができるように、微細の孔による弱い吸引でよい。
また、上述した実施形態では、カップ状容器Bの胴部外周面にタックラベルTLを貼着するタックラベラー1について説明したが、これに限定されるものではなく、円柱状、円筒状または横断面がオーバル形状の容器等の各種形状の被貼着体に任意形状のタックラベルを貼着する場合にも、本発明のタックラベラーを使用することができることはいうまでもない。
また、上述した実施形態では、腰のない薄肉のタックラベルTLをカップ状容器Bの胴部外周面に貼着する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のタックラベラーは、腰のある厚肉のタックラベルを容器等の被貼着体の胴部外周面に貼着する場合にも適用することができることはいうまでもない。