JP2007159348A - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】電動機の運転状態に拘わらずに、電動機に通電される電流を検出する電流センサの検出値に生じるオフセット誤差を適切に補正して、電動機を適切に制御する。
【解決手段】オフセット補正部25は、モータ12の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態において直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCをオフセット値とし、所定数のオフセット値の平均値をオフセット補正値として設定し、直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCからオフセット補正値を減算して得た値を、新たにDCリンク電流IDCとして設定することにより、DCリンク電流IDCを補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の制御装置に関する。
従来、例えば車両駆動用の電動機をパルス幅変調(PWM)により制御するインバータに対して、インバータの動作を制御する制御信号であるPWM信号が出力されていないタイミングで電流センサにより検出された電動機の各相電流の値をオフセットとして設定し、このオフセットにより電流センサの検出値を補正する制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、例えば電流センサにより検出された電動機の各相電流を1周期に亘って積算して得た積算値、あるいは、電流センサにより検出された電動機の各相電流の1周期に亘る正負の時間比からオフセットを算出し、このオフセットにより電流センサの検出値を補正する制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−23490号公報 特開平5−252785号公報
ところで、上記従来技術に係る制御装置において、単に、PWM信号が出力されていないタイミングのみで電流センサのオフセットを設定するだけでは、電動機の運転を継続する期間においてオフセットを検出することができず、例えば電動機に対する通電を継続する状態の温度変化に応じて電流センサのオフセットが変動する場合には、電流センサの検出値を適切に補正することが困難であるという問題が生じる。
また、電動機の各相電流を1周期に亘って積算、または、電流センサにより検出された各相電流の1周期に亘る正負の時間比を算出する場合には、演算負荷が増大してしまうと共に、各相電流の電流リップルや高調波成分によってオフセットの算出精度が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電動機の運転状態に拘わらずに、電動機に通電される電流を検出する電流センサの検出値に生じるオフセット誤差を適切に補正して、電動機を適切に制御することが可能な電動機の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電動機の制御装置は、パルス幅変調信号(例えば、実施の形態でのPWM信号)により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータ(例えば、実施の形態でのPWMインバータ14A)と、該インバータの直流側電流(例えば、実施の形態でのDCリンク電流IDC)を検出する電流検出手段(例えば、実施の形態での直流側電流センサ14b)と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記インバータのスイッチング素子(例えば、実施の形態での各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WL)のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段(例えば、実施の形態での制御部15)とを備える電動機の制御装置であって、前記電流検出手段により検出された前記直流側電流のオフセット誤差(例えば、実施の形態でのオフセット補正値)を検出するオフセット誤差検出手段(例えば、実施の形態でのオフセット検出部33およびオフセット補正値演算部34)と、該オフセット誤差検出手段により検出された前記オフセット誤差に応じて、前記電流検出手段により検出された前記直流側電流を補正する直流側電流補正手段(例えば、実施の形態での直流側電流補正部36)とを備え、前記オフセット誤差検出手段は、前記電動機の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態において前記電流検出手段により検出された前記直流側電流をオフセット値とし、該オフセット値に応じて前記オフセット誤差を検出することを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、電動機の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態において検出された直流側電流をオフセット値とし、例えばこのオフセット値をオフセット誤差とすることにより、電動機の運転継続状態であっても直流側電流のオフセット誤差を検出することができ、例えば電動機を起動して運転を継続している状態で温度変化等に応じてオフセット誤差が変動する場合であっても、オフセット誤差を精度良く検出することができる。これにより、オフセット誤差に応じて補正された直流側電流に基づいて電動機を適切に制御することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の電動機の制御装置は、前記オフセット誤差検出手段による前記オフセット誤差の検出を所定周期毎に許可する検出許可手段(例えば、実施の形態でのオフセット検出可否判定部31)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、オフセット誤差の検出を所定周期毎に許可することにより、ゼロ電圧ベクトル出力状態において電流検出手段により検出された直流側電流を適切に抽出することができる。これにより、オフセット誤差の検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の電動機の制御装置では、前記オフセット誤差検出手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間が所定時間以上であり、かつ、前記検出許可手段により前記オフセット誤差の検出が許可されている場合に、前記オフセット誤差を検出することを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間に対する所定時間として、例えば電流検出手段の出力応答の時間特性および電流検出手段の検出動作のサンプリング時間等に応じた時間を設定することにより、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の電動機の制御装置では、前記オフセット誤差検出手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間が所定時間未満である場合、または、前記検出許可手段により前記オフセット誤差の検出が許可されていない場合に、前記オフセット誤差の検出を禁止することを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、例えば電流検出手段の検出結果に対する信頼性が相対的に低い状態あるいはゼロ電圧ベクトル出力状態以外の状態等のように、精度の良いオフセット誤差の検出が困難となる虞がある状態で検出が禁止されることから、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項5に記載の本発明の電動機の制御装置は、前記オフセット値を記憶する記憶手段(例えば、実施の形態でのオフセット値記憶部35)を備え、前記オフセット誤差検出手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記オフセット値の所定数に対する平均値を前記オフセット誤差とすることを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、複数のオフセット値の所定数に対する平均値をオフセット誤差とすることにより、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の電動機の制御装置は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の前記継続時間を、前記インバータの前記スイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ値(例えば、実施の形態でのデューティDUTY)に基づき算出する継続時間算出手段(例えば、実施の形態でのオフセット検出部33)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間を、インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ値に基づき算出することにより、この継続時間の少なくとも最大値を算出することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の電動機の制御装置は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の前記継続時間を、前記電動機の各前記複数相毎の出力電圧値(例えば、実施の形態での各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vw)と、前記インバータの直流側電圧(例えば、実施の形態での電源電圧VB)と、パルス幅変調周期(例えば、実施の形態でのPWM周期)とに基づき算出する継続時間算出手段(例えば、実施の形態でのオフセット検出部33)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間を、複数相毎の出力電圧値と、インバータの直流側電圧と、パルス幅変調周期とに基づき算出することにより、オフセット誤差の検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項8に記載の本発明の電動機の制御装置は、前記所定時間を、前記電流検出手段による検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に基づき設定する所定時間設定手段(例えば、実施の形態でのステップS13、ステップS16)を備えることを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間に対する所定時間を、電流検出手段による検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に基づき算出することにより、電流検出手段の検出結果に対する信頼性を向上させることができ、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項9に記載の本発明の電動機の制御装置では、前記直流側電流補正手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態以外の状態において前記電流検出手段により検出された前記直流側電流から前記オフセット誤差を減算することによって前記直流側電流を補正することを特徴としている。
上記構成の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態以外の状態において検出された直流側電流からオフセット誤差を減算することによって、直流側電流を適切に補正することができる。
請求項1に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、電動機の運転継続状態であっても直流側電流のオフセット誤差を検出することができ、例えば電動機を起動して運転を継続している状態で温度変化等に応じてオフセット誤差が変動する場合であっても、オフセット誤差を精度良く検出することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、オフセット誤差の検出を所定周期毎に許可することにより、ゼロ電圧ベクトル出力状態において電流検出手段により検出された直流側電流を適切に抽出することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間に対する所定時間として、例えば電流検出手段の出力応答の時間特性および電流検出手段の検出動作のサンプリング時間等に応じた時間を設定することにより、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、精度の良いオフセット誤差の検出が困難となる虞がある状態で検出が禁止されることから、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項5に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、複数のオフセット値の所定数に対する平均値をオフセット誤差とすることにより、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間を、インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ値に基づき算出することにより、この継続時間の少なくとも最大値を算出することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、インバータに対する直流電源の電源電圧が変動した場合等であっても、オフセット誤差の検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項8に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間に対する所定時間を、電流検出手段による検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に基づき算出することにより、電流検出手段の検出結果に対する信頼性を向上させることができ、オフセット誤差の検出精度を、より一層、向上させることができる。
さらに、請求項9に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、ゼロ電圧ベクトル出力状態以外の状態において検出された直流側電流からオフセット誤差を減算することによって、直流側電流を適切に補正することができる。
以下、本発明の電動機の制御装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態による電動機の制御装置10(以下、単に、モータ制御装置10と呼ぶ)は、例えばハイブリッド車両に内燃機関11と共に駆動源として搭載されるブラシレスDCモータ12(以下、単に、モータ12と呼ぶ)を駆動制御するものであって、このモータ12は、内燃機関11と直列に直結され、界磁に利用する永久磁石を有する回転子(図示略)と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する固定子(図示略)とを備えて構成されている。
そして、モータ制御装置10は、例えば図1に示すように、バッテリ13を直流電源とするパワードライブユニット(PDU)14と、制御部15とを備えて構成されている。
このモータ制御装置10において、複数相(例えば、U相、V相、W相の3相)のモータ12の駆動および回生作動は制御部15から出力される制御指令を受けてパワードライブユニット(PDU)14により行われる。
PDU14は、例えば図2に示すように、トランジスタのスイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路14aと平滑コンデンサCとを具備するパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータ14Aを備え、モータ12と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ13が接続されている。
PDU14に具備されるPWMインバータ14Aは、各相毎に対をなすハイ側,ロー側U相トランジスタUH,ULおよびハイ側,ロー側V相トランジスタVH,VLおよびハイ側,ロー側W相トランジスタWH,WLをブリッジ接続してなるブリッジ回路14aと、平滑コンデンサCとを備えて構成され、各トランジスタUH,VH,WHはバッテリ13の正極側端子に接続されてハイサイドアームを構成し、各トランジスタUL,VL,WLはバッテリ13の負極側端子に接続されローサイドアームを構成しており、各相毎に対をなす各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLはバッテリ13に対して直列に接続され、各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるようにして、各ダイオードDUH,DUL,DVH,DVL,DWH,DWLが接続されている。
そして、ブリッジ回路14aと、バッテリ13の負極側端子との間には、PWMインバータ14Aの直流側電流(DCリンク電流)IDCを検出する直流側電流センサ14bが備えられている。
そして、PDU14は、例えばモータ12の駆動時等において制御部15から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM(パルス幅変調)信号)に基づき、PWMインバータ14Aにおいて各相毎に対をなす各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリ13から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のモータ12の固定子巻線への通電を順次転流させることで、各相の固定子巻線に交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
制御部15からPDU14に入力されるゲート信号は、各相毎に対をなす各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLのオン/オフ状態の組み合わせに応じて、例えば下記表1および図3(a)〜(h)に示すように、8通りの各スイッチング状態S1〜S8に応じたPWM(パルス幅変調)信号となる。
そして、PWMインバータ14Aの直流側には各スイッチング状態S1〜S8に応じて断続的に各相電流Iu,Iv,Iwが発生し、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなる。
Figure 2007159348
例えば、図4に示す各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwに対する単一の三角波からなるキャリア信号の1周期(キャリア周期fc)での各時刻t1〜時刻t8において、このキャリア周期fcの開始タイミングである時刻t1から時刻t2の期間、および、時刻t7からキャリア周期fcの終了タイミングである時刻t8までの期間では、ブリッジ回路14aのハイサイドアームがオン状態かつローサイドアームがオフ状態となる第1スイッチング状態S1となり、DCリンク電流IDCはゼロとなる。
そして、ハイ側U相およびV相トランジスタUH,VHとロー側W相トランジスタWLとがオン状態となる第2スイッチング状態S2である時刻t2から時刻t3の期間および時刻t6から時刻t7の期間では、DCリンク電流IDCはW相電流Iwの符号が反転した電流(−Iw)となる。
そして、ハイ側U相トランジスタUHとロー側V相およびW相トランジスタUL,WLとがオン状態となる第7スイッチング状態S7である時刻t3から時刻t4の期間および時刻t5から時刻t6の期間では、DCリンク電流IDCはU相電流Iuとなる。
そして、ハイサイドアームがオフ状態かつローサイドアームがオン状態となる第8スイッチング状態S8である時刻t4から時刻t5の期間では、DCリンク電流IDCはゼロとなる。
制御部15は、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度等に応じて設定されるトルク指令TrからId指令*Id及びIq指令*Iqを演算し、Id指令*Id及びIq指令*Iqに基づいて各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwを算出し、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwに応じてPDU14へゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU14からモータ12に供給される各相電流Iu,Iv,Iwに対する各推定値である各相推定電流Ius,Ivs,IwsをDCリンク電流IDCから推定し、各相推定電流Ius,Ivs,Iwsをdq座標上に変換して得たd軸電流Ids及びq軸電流Iqsと、Id指令*Id及びIq指令*Iqとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
この制御部15は、例えば、電流指令演算部21と、電流制御部22と、dq−3相変換部23と、PWM信号生成部24と、オフセット補正部25と、相電流推定部26と、3相−dq変換部27と、回転数演算部28とを備えて構成されている。
そして、この制御部15には、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCと、バッテリ13の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ13aから出力される検出値と、モータ12の回転子の回転角(つまり、所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度)θを検出する回転センサ12aから出力される検出信号と、外部の制御装置(図示略)から出力されるトルク指令Trとが入力されている。
電流指令演算部21は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tr(例えば、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量およびモータ12の回転数ω等に応じて必要とされるトルクをモータ12に発生させるための指令値)と、回転数演算部28から入力されるモータ12の回転数ωとに基づき、PDU14からモータ12に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのId指令*Id及び*Iq指令*Iqとして電流制御部22へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えば回転子の永久磁石による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、モータ12の回転子の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU14からモータ12の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるId指令*IdおよびIq指令*Iqを与えるようになっている。
電流制御部22は、Id指令*Idとd軸電流Idsとの偏差ΔId、および、Iq指令*Iqとq軸電流Iqsとの偏差ΔIqを算出し、例えば回転数演算部28から入力されるモータ回転数ωに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値*Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値*Vqを算出する。
dq−3相変換部23は、回転センサ12aから入力される回転子の回転角θを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧*VuおよびV相出力電圧*VvおよびW相出力電圧*Vwに変換する。
PWM信号生成部24は、例えば、正弦波状の各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwと、単一の三角波からなるキャリア信号とに基づくパルス幅変調により、PDU14のPWMインバータ14Aの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM(パルス幅変調)信号)を生成する。
そして、PWM信号生成部24は、生成したゲート信号のデューティDUTYつまり各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスのオン/オフ状態の比率を算出する。
オフセット補正部25は、直流側電流センサ14bから入力される直流側電流(DCリンク電流)IDCと、PWM信号生成部24から入力されるゲート信号およびデューティDUTYとに基づき、直流側電流センサ14bの検出結果に対するオフセット補正値を算出し、直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCからオフセット値を減算することによってDCリンク電流IDCを補正する。
このオフセット補正部25は、例えば図5に示すように、オフセット検出可否判定部31と、タイマ32と、オフセット検出部33と、オフセット補正値演算部34と、オフセット補正値記憶部35と、直流側電流補正部36とを備えて構成されている。
オフセット検出可否判定部31は、タイマ32から出力されるタイマ値に基づき、例えばオフセット補正値の検出処理であるオフセット検出の前回の実行時から所定周期が経過したか否かを判定することにより、オフセット補正値の検出処理であるオフセット検出の実行可否を判定する。
オフセット検出部33は、PWM信号生成部24から入力されるゲート信号およびデューティDUTYに基づき、モータ12の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態、つまりPWMインバータ14Aのスイッチング状態が、ハイサイドアームがオン状態かつローサイドアームがオフ状態となるスイッチング状態S1、あるいは、ハイサイドアームがオフ状態かつローサイドアームがオン状態となるスイッチング状態S8であるか否かを判定する。
そして、オフセット検出部33は、ゼロ電圧ベクトル出力状態であると判定され、かつ、オフセット検出可否判定部31による判定結果においてオフセット検出の実行が許可されている場合に直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCを、直流側電流センサ14bの検出値に対するオフセット値として設定し、このオフセット値とオフセット検出の実行完了を示す信号とを出力する。
オフセット補正値演算部34は、例えば、オフセット検出部33から入力されるオフセット値をオフセット値記憶部35に格納すると共に、オフセット補正値記憶部35に格納された所定数のオフセット値の平均値を算出し、この算出結果をオフセット補正値として設定する。
直流側電流補正部36は、直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCからオフセット補正値演算部34により算出されたオフセット補正値を減算して得た値を、新たにDCリンク電流IDCとして設定することにより、直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCを補正する。
相電流推定部26は、オフセット補正部25から入力されるオフセット補正後のDCリンク電流IDCと、PWM信号生成部24から入力されるゲート信号とに基づき、モータ12の各相の固定子巻線に供給される各相電流Iu,Iv,Iwに対する推定値である各相推定電流Ius,Ivs,Iwsを推定する。
つまり、直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなることから、例えば上記表1に基づき、PWMインバータ14Aの各スイッチング状態S2〜S7において直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを各相推定電流Ius,Ivs,Iwsとして設定する。
例えば、図4に示す各時刻t1〜時刻t8に対し、第2スイッチング状態S2となる時刻t2から時刻t3の期間および時刻t6から時刻t7の期間で直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを、負号のW相推定電流Iws(つまり、−Iws)として設定する。また、第7スイッチング状態S7である時刻t3から時刻t4の期間および時刻t5から時刻t6の期間で直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを、正号のU相推定電流Iusとして設定する。
3相−dq変換部27は、回転センサ12aから入力される回転子の回転角θを用いて、相電流推定部26により推定された静止座標上における電流である各相推定電流Ius,Ivs,Iwsを、モータ12の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idsおよびq軸電流Iqsに変換する。
回転数演算部28は、回転センサ12aから出力される検出信号、つまりモータ12の回転子の回転角度に基づきモータ12の回転数ωを算出する。
本実施形態によるモータ制御装置10は上記構成を備えており、次に、このモータ制御装置10の動作、特に、直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCに対するオフセット補正の処理について添付図面を参照しながら説明する。
以下に、オフセット補正値の検出処理の実行可否を判定する処理について説明する。
先ず、例えば図6に示すステップS01においては、オフセット補正値の検出処理であるオフセット検出の前回の実行時から所定周期が経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進み、このステップS02においては、オフセット検出の実行を許可し、一連の処理を終了する。
また、上述したステップS01〜ステップS02の処理と並行して独立に、以下のステップS11〜ステップS17の処理を実行する。
すなわち、例えば図7に示すステップS11においては、オフセット検出の実行が許可されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、例えば図8に示す時刻t4から時刻t5の期間のように、PWMインバータ14Aが第8スイッチング状態S8となることに起因してモータ12の線間電圧の全てがゼロとなる第1ゼロ電圧ベクトル出力状態、および、例えば図8に示す時刻t1から時刻t2の期間および時刻t7から時刻t8の期間のように、PWMインバータ14Aが第1スイッチング状態S1となることに起因してモータ12の線間電圧の全てがゼロとなる第2ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行を禁止し、各オフセット検出許可フラグF_Z1,F_Z2のフラグ値にゼロを設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進む。
そして、ステップS13においては、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwのうちの最大値に対応する相である最大電圧相、つまりPWMインバータ14Aのハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHがオン状態となる比率であるオンデューティが最大となる相(例えば、図8でのU相)に対し、オフデューティが所定時間以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、第1ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行を許可し、第1オフセット検出許可フラグF_Z1のフラグ値に「1」を設定して、後述するステップS16に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS15に進み、このステップS15においては、第1ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行を許可し、第1オフセット検出許可フラグF_Z1のフラグ値に「0」を設定して、後述するステップS16に進む。
なお、ステップS13において、最大電圧相のオフデューティに対する判定閾値である所定時間は、例えば直流側電流センサ14bの出力応答の時間特性および直流側電流センサ14bの検出動作のサンプリング時間等に応じた値であって、例えば図8に示す時刻t4から時刻t4aの期間のように直流側電流センサ14bによる実際の検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に対し、少なくとも検出安定時間よりも長い時間とされている。
そして、ステップS16においては、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwのうちの最小値に対応する相である最小電圧相、つまりPWMインバータ14Aのハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHがオン状態となる比率であるオンデューティが最小となる相(例えば、図8でのW相)に対し、オンデューティが所定時間以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS17に進み、このステップS17においては、第2ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行を許可し、第2オフセット検出許可フラグF_Z2のフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS18に進み、このステップS18においては、第2ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行を許可し、第2オフセット検出許可フラグF_Z2のフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
なお、ステップS16において、最小電圧相のオフデューティに対する判定閾値である所定時間は、例えば直流側電流センサ14bの出力応答の時間特性および直流側電流センサ14bの検出動作のサンプリング時間等に応じた値であって、例えば図8に示す時刻t2から時刻t2aの期間あるいは時刻t7から時刻t7aの期間のように直流側電流センサ14bによる実際の検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に対し、少なくとも検出安定時間よりも長い時間とされている。
以下に、オフセット補正値の検出処理を実行する処理について説明する。
先ず、例えば図9に示すステップS21においては、第1オフセット検出許可フラグF_Z1のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS26に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進む。
そして、ステップS22においては、後述する第1オフセット検出完了フラグF_E1のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS23に進む。
そして、ステップS23においては、最大電圧相(例えば、図8でのU相)のハイ側のスイッチング素子(例えば、図8でのハイ側U相トランジスタUH)がオフ状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t4)、あるいは、最大電圧相(例えば、図8でのU相)のロー側のスイッチング素子(例えば、図8でのロー側U相トランジスタUL)がオン状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t4)から、所定時間が経過したか否かを判定する。なお、この所定時間は、少なくとも直流側電流センサ14bの検出安定時間(例えば、図8での時刻t4から時刻t4aの期間)よりも長い時間とされている。
ステップS23の判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、ステップS23の判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進む。
そして、ステップS24においては、第1ゼロ電圧ベクトル出力状態において直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCを第1オフセット値OF1として設定する。
そして、ステップS25においては、第1ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行完了を示す第1オフセット検出完了フラグF_E1のフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
また、ステップS26においては、第2オフセット検出許可フラグF_Z2のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS27に進む。
そして、ステップS27においては、後述する第2オフセット検出完了フラグF_E2のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS28に進む。
そして、ステップS28においては、最小電圧相(例えば、図8でのW相)のハイ側のスイッチング素子(例えば、図8でのハイ側W相トランジスタWH)がオン状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t7)、あるいは、最小電圧相(例えば、図8でのW相)のロー側のスイッチング素子(例えば、図8でのロー側W相トランジスタWL)がオフ状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t7)から、所定時間が経過したか否かを判定する。なお、この所定時間は、少なくとも直流側電流センサ14bの検出安定時間(例えば、図8での時刻t7から時刻t7aの期間)よりも長い時間とされている。
ステップS28の判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、ステップS28の判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
そして、ステップS29においては、第2ゼロ電圧ベクトル出力状態において直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCを第2オフセット値OF2として設定する。
そして、ステップS30においては、第2ゼロ電圧ベクトル出力状態でのオフセット検出の実行完了を示す第2オフセット検出完了フラグF_E2のフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
以下に、オフセット補正値を設定する処理について説明する。
先ず、例えば図10に示すステップS21においては、第1オフセット検出許可フラグF_Z1のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS37に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS32に進む。
そして、ステップS32においては、オフセット積算値OFSに第1オフセット値OF1を加算して得た値を、新たにオフセット積算値OFSとして設定する。
そして、ステップS33においては、第1オフセット検出完了フラグF_E1のフラグ値を初期化、つまりフラグ値にゼロを設定する。
そして、ステップS34においては、オフセット積算値OFSに第1オフセット値OF1を加算する処理を所定回数に亘って実行したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS38に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS35に進む。
そして、ステップS35においては、オフセット積算値OFSを所定回数により除算して得た値をオフセット補正値として設定する。
そして、ステップS36においては、オフセット積算値OFSを初期化する。
そして、ステップS37においては、オフセット検出の実行を禁止し、各オフセット検出許可フラグF_Z1,F_Z2のフラグ値にゼロを設定して、一連の処理を終了する。
また、ステップS38においては、第2オフセット検出許可フラグF_Z2のフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS37に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS39に進む。
そして、ステップS39においては、オフセット積算値OFSに第2オフセット値OF2を加算して得た値を、新たにオフセット積算値OFSとして設定する。
そして、ステップS40においては、第2オフセット検出完了フラグF_E2のフラグ値を初期化、つまりフラグ値にゼロを設定する。
そして、ステップS41においては、オフセット積算値OFSに第2オフセット値OF2を加算する処理を所定回数に亘って実行したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS37に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS35に進む。
以下に、DCリンク電流IDCをオフセット補正値により補正する処理について説明する。
先ず、例えば図11に示すステップS42においては、直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCからオフセット補正値を減算して得た値を、新たにDCリンク電流IDCとして設定することにより、直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCを補正し、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施形態による電動機の制御装置10によれば、モータ12の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態において検出されたDCリンク電流IDCをオフセット値とすることにより、モータ12の運転継モータ12を起動して運転を継続している状態で温度変化等に応じてオフセット値が変動する場合であっても、オフセット値を精度良く検出することができる。これにより、オフセット値に応じて補正されたDCリンク電流IDCに基づいてモータ12を適切に制御することができる。
なお、上述した実施の形態においては、例えばステップS23に示すように、最大電圧相のハイ側(又はロー側)のスイッチング素子がオフ(又はオン)状態とされた時刻から所定時間が経過したか否かを判定すると共に、例えばステップS28に示すように、最小電圧相のハイ側(又はロー側)のスイッチング素子がオン(又はオフ)状態とされた時刻から所定時間が経過したか否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えば図12に示す上述した実施の形態の変形例のように、例えば上述したステップS23に代わりにステップS51を実行し、例えば上述したステップS28に代わりにステップS52を実行してもよい。
例えばステップS51では、最大電圧相(例えば、図8でのU相)のハイ側のスイッチング素子(例えば、図8でのハイ側U相トランジスタUH)がオン状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t5)、あるいは、最大電圧相(例えば、図8でのU相)のロー側のスイッチング素子(例えば、図8でのロー側U相トランジスタUL)がオフ状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t5)であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進む。
また、ステップS52においては、最小電圧相(例えば、図8でのW相)のハイ側のスイッチング素子(例えば、図8でのハイ側W相トランジスタWH)がオフ状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t2)、あるいは、最小電圧相(例えば、図8でのW相)のロー側のスイッチング素子(例えば、図8でのロー側W相トランジスタWL)がオン状態とされた時刻(例えば、図8での時刻t2)であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
なお、上述した実施の形態においては、オフセット検出可否判定部31を省略してもよく、この場合、オフセット検出部33は、単に、ゼロ電圧ベクトル出力状態であると判定された場合に直流側電流センサ14bから入力されるDCリンク電流IDCを、直流側電流センサ14bの検出値に対するオフセット値として設定する。
なお、上述した実施の形態においては、PWM信号生成部24においてゲート信号に基づきデューティDUTYが算出されるとしたが、これに限定されず、デューティDUTYは、例えばゲート信号に応じてタイマ等により計測されてもよいし、例えば各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwおよび電圧センサ13aにより検出される電源電圧VBおよびPWM周期に基づき算出されてもよい。
本発明の実施形態に係る電動機の制御装置の構成図である。 図1に示すPDUのPWMインバータの構成図である。 図2に示すPWMインバータの各スイッチング状態S1〜S8を示す図である。 各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwに対する単一の三角波からなるキャリア信号の1周期(キャリア周期fc)でのPWM信号および各相電流Iu,Iv,IwおよびDCリンク電流IDCの変化の一例を示すグラフ図である。 図1に示すオフセット補正部の構成図である。 オフセット補正値の検出処理の実行可否を判定する処理を示すフローチャートである。 オフセット補正値の検出処理の実行可否を判定する処理を示すフローチャートである。 各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwに対する単一の三角波からなるキャリア信号の1周期(キャリア周期fc)でのPWM信号およびDCリンク電流IDC(理論値および実際値)の変化の一例を示すグラフ図である。 オフセット補正値の検出処理を実行する処理を示すフローチャートである。 オフセット補正値を設定する処理を示すフローチャートである。 DCリンク電流IDCをオフセット補正値により補正する処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例に係るオフセット補正値の検出処理を実行する処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電動機の制御装置
12 モータ
14 PWMインバータ(インバータ)
14b 直流側電流センサ(電流検出手段)
31 オフセット検出可否判定部(検出許可手段)
33 オフセット検出部(オフセット誤差検出手段、継続時間算出手段)
34 オフセット補正値演算部(オフセット誤差検出手段)
35 オフセット値記憶部(記憶手段)
36 直流側電流補正部(直流側電流補正手段)
ステップS13、ステップS16 所定時間設定手段

Claims (9)

  1. パルス幅変調信号により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータと、該インバータの直流側電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段とを備える電動機の制御装置であって、
    前記電流検出手段により検出された前記直流側電流のオフセット誤差を検出するオフセット誤差検出手段と、該オフセット誤差検出手段により検出された前記オフセット誤差に応じて、前記電流検出手段により検出された前記直流側電流を補正する直流側電流補正手段とを備え、
    前記オフセット誤差検出手段は、前記電動機の複数相間の相電圧の差である線間電圧の全てがゼロとなるゼロ電圧ベクトル出力状態において前記電流検出手段により検出された前記直流側電流をオフセット値とし、該オフセット値に応じて前記オフセット誤差を検出することを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記オフセット誤差検出手段による前記オフセット誤差の検出を所定周期毎に許可する検出許可手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  3. 前記オフセット誤差検出手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間が所定時間以上であり、かつ、前記検出許可手段により前記オフセット誤差の検出が許可されている場合に、前記オフセット誤差を検出することを特徴とする請求項2に記載の電動機の制御装置。
  4. 前記オフセット誤差検出手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の継続時間が所定時間未満である場合、または、前記検出許可手段により前記オフセット誤差の検出が許可されていない場合に、前記オフセット誤差の検出を禁止することを特徴とする請求項2に記載の電動機の制御装置。
  5. 前記オフセット値を記憶する記憶手段を備え、
    前記オフセット誤差検出手段は、前記記憶手段に記憶された複数の前記オフセット値の所定数に対する平均値を前記オフセット誤差とすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかひとつに記載の電動機の制御装置。
  6. 前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の前記継続時間を、前記インバータの前記スイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ値に基づき算出する継続時間算出手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動機の制御装置。
  7. 前記ゼロ電圧ベクトル出力状態の前記継続時間を、前記電動機の各前記複数相毎の出力電圧値と、前記インバータの直流側電圧と、パルス幅変調周期とに基づき算出する継続時間算出手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動機の制御装置。
  8. 前記所定時間を、前記電流検出手段による検出状態が所定の安定状態に到達するのに要する検出安定時間に基づき設定する所定時間設定手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動機の制御装置。
  9. 前記直流側電流補正手段は、前記ゼロ電圧ベクトル出力状態以外の状態において前記電流検出手段により検出された前記直流側電流から前記オフセット誤差を減算することによって前記直流側電流を補正することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかひとつに記載の電動機の制御装置。
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