JP2007084008A - 輸送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】鉛直方向及び水平方向に離間した第1の地点と第2の地点との間で人を効率的に短時間で輸送することができる輸送システムを提供する。
【解決手段】輸送システム1は、鉛直方向及び水平方向に離間した地上駅3と地下駅4との間で、地上駅3の高さレベルと地下駅4の深さレベルとを鉛直につなぐ立坑11と、立坑11の上部と地上駅3とを接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第1のアプローチ部Xと、立坑11の下部と地下駅4とを水平に接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第2のアプローチ部Yと、LRT車両Mを立坑11の上部と立坑11の下部との間で輸送する輸送機構20とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】輸送システム1は、鉛直方向及び水平方向に離間した地上駅3と地下駅4との間で、地上駅3の高さレベルと地下駅4の深さレベルとを鉛直につなぐ立坑11と、立坑11の上部と地上駅3とを接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第1のアプローチ部Xと、立坑11の下部と地下駅4とを水平に接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第2のアプローチ部Yと、LRT車両Mを立坑11の上部と立坑11の下部との間で輸送する輸送機構20とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉛直方向及び水平方向に離間した地点間で人や車両等の被輸送物を効率的に輸送することができる輸送システムに関する。
大都市の道路地下には、鉄道や、電気、ガス、通信、上下水道等のトンネルや管路が多数埋設されている。このため、新たに建設される地下鉄等では、既に建設された管路を避けて建設しなければならず、年々その深度を大きくする必要がある。また、約40m以深の大深度地下は通常利用されないため、この部分を有効活用することが望まれている。このため、平成13年には、一定の場合を除き、土地所有者への補償を行うことなく、大深度地下の使用権を設定できる法律(大深度地下の公共的使用に関する特別措置法)が施行され、大深度地下部に経済的に管路が建設できるようになっている(非特許文献1参照)。
"ようこそ大深度地下利用ホームページへ!"、[online]、国土交通省、[平成16年8月16日検索]、インターネット<URL :http://www.mlit.go.jp/crd/daisindo/>
"ようこそ大深度地下利用ホームページへ!"、[online]、国土交通省、[平成16年8月16日検索]、インターネット<URL :http://www.mlit.go.jp/crd/daisindo/>
しかしながら、このような法律が施行されたことにより、例えば、大深度地下部に道路を建設して、地上の渋滞を緩和しようとしても、地上部と大深度地下部との距離が長すぎるため、その建設は現実的ではない。例えば、地上部と大深度地下部との間に直線状の傾斜路を形成する場合には、普通、傾斜勾配は約5%以下となるようにしなければならない。このため、例えば、大深度地下部の深度が40mの場合においては、直線状の傾斜路を少なくとも800m程度確保する必要があり、用地使用のための交渉に手間と時間がかかるとともに、用地使用料がかかるために、経済性が悪いという問題点があった。
また、例えば、大深度地下部に地下鉄を建設し、地上の既存の駅と乗り換えをするための新設の駅を設けても、地上の既存の駅と大深度地下部の新設の駅との距離が長くなり、何回もエスカレーターを乗り換えながら、長距離を徒歩で移動しなければならないために、肉体的負担が大きい、乗り換えに時間がかかる等の問題点があった。そして、高齢者や障害者等の交通弱者にとって、エスカレーターの利用及び長距離の移動は大変であり、外出を控えてしまう原因になりかねない。
さらに、長距離の移動を嫌いこれらの駅での乗り換えをやめて、他の駅を利用する人が増加すると、これらの駅周辺への人の流れが減少し、町の衰退につながる可能性があるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、鉛直方向及び水平方向に離間した第1の地点と第2の地点との間で人を効率的に短時間で輸送することができる輸送システムを提供することにある。
上記問題を解決する本発明の輸送システムは、鉛直方向及び水平方向に離間した第1の地点と第2の地点との間で人を車両に乗せて輸送する輸送システムであって、前記第1の地点の高さあるいは深さレベルと前記第2の地点の高さあるいは深さレベルとを略鉛直に接続する立坑と、前記立坑の上部と前記第1の地点とを接続し、前記車両が走行するための軌道が設けられる第1のアプローチ部と、前記立坑の下部と前記第2の地点とを接続し、前記車両が走行するための軌道が設けられる第2のアプローチ部と、前記車両を前記立坑の上部と前記立坑の下部との間で輸送する輸送機構とを備えることを特徴とする(第1の発明)。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の地点は地上部又は地下深度40m以浅に設けられ、前記第2の地点は地下深度40m以深に設けられることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記立坑は前記第2の地点よりも前記第1の地点に近い位置に設けられることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、前記第1の地点及び第2の地点は、乗り換えが可能なバス停、駅等の交通結接点であることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、前記輸送機構は、前記被輸送物が搭載される輸送キャビンと、前記立坑の上部と前記立坑の下部との間を鉛直面内で周回するように設けられた矩形環状の第1のガイドレールと、前記第1のガイドレールと水平方向及び鉛直方向に位置をずらして配置され、前記第1のガイドレールと2箇所で交差する、前記第1のガイドレールと同形状の第2のガイドレールと、前記輸送キャビンに取り付けられ、前記第1のガイドレールに係合して、当該第1のガイドレールに沿って前記輸送キャビンを駆動する第1の駆動機構と、前記第1の駆動機構に対して、前記第1のガイドレールに対する前記第2のガイドレールの位置関係と同じ位置関係で各輸送キャビンに取り付けられ、前記第2ガイドレールに係合して、当該第2のガイドレールに沿って前記輸送キャビンを駆動する第2の駆動機構と、前記第1及び第2のガイドレールの交差部分に設けられ、一方のガイドレールが接続されると共に他方のガイドレールが遮断された状態と、前記一方のガイドレールが遮断されると共に、前記他方のガイドレールが接続された状態とを切り替え可能なレール切替装置とを備えることを特徴とする。
本発明の輸送システムは、鉛直方向及び水平方向に離間した第1の地点と第2の地点との間に、第1の地点の高さあるいは深さレベルと第2の地点の高さあるいは深さレベルとを略鉛直に接続する立坑と、立坑の上部と第1の地点とを接続し、車両が走行するための軌道が設けられる第1のアプローチ部と、立坑の下部と第2の地点とを接続し、前記車両が走行するための軌道が設けられる第2のアプローチ部と、車両を立坑の上部と立坑の下部との間で輸送する輸送機構とを備えることにより、第1の地点である地上と第2の地点である大深度地下部との間で人の乗車した車両を容易に短時間で輸送できる。したがって、大深度地下部を利用した開発計画を作成する際に、地上と大深度地下部との間の移動手段として本輸送システムを用いることにより、今後の地下開発計画が促進されるとともに、地下開発の自由度が増加する。
また、地下40m以浅までは立坑及び短距離の第1のアプローチ部を設け、地下40m以深の大深度地下部に長距離の第2のアプローチ部を設けることにより使用の許可が必要な用地面積を狭くすることができるために、用地使用のための交渉にかかる手間、時間及び用地使用料が削減され、コストを削減することができる。
さらに、本発明の輸送システムを乗り換えが可能なバス停、駅等の交通結接点(乗り入れ箇所)に設置し、バス停間、駅間等を、バス、電車等の車両に人を乗車させて輸送することにより、人を短時間で大量に輸送することができる。したがって、乗り換え時間が大幅に短縮されるために、多くの人がこの輸送システムを備えた駅を使用するようになることが期待できる。また、ほとんど歩くことなく、かつ、階段等の段差を通ることなく乗り換えができるために、交通弱者に対しても優しい駅となる。
また、この輸送システムを備えることで、街がいかに人に対して気を使っているかを示すことができるために、多くの人が無意識にこのバス停、駅等に好感を持つようになる。そして、多くの人がこのバス停、駅等を利用するにつれて、バス停、駅等の存在する街に対して次第に好感を持つようになる。したがって、多くの人がこのバス停、駅等の存在する街を好きになって買い物客の潜在的候補者となり、この街の活性化につながる。
以下、本発明に係る輸送システムの好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る輸送システムを模式的に示す斜視図であり、図2は、本発明の第一実施形態に係る輸送システムを模式的に示す正断面図である。
図1及び図2に示すように、輸送システム1は、第1の地点である地上部Aを走行する電車Jの既設の地上駅3と、第2の地点である地下40m以深の大深度地下部Bに建設された地下鉄Kの地下駅4との間において、人の輸送をバス、電車等の車両にて行うものである。
本実施形態において、車両は、例えば、LRT(Light Rail Transit)車両Mを使用する。なお、本実施形態においては、LRT車両Mについて説明するが、これに限定されるものではなく、一般的な電車でもよい。ただし、省電力電車、天然ガスバス等の環境への負荷が小さいものが望ましい。
地上駅3及び地下駅4は互いに乗り換えが可能な交通結接点であり、輸送システム1は、駅間の距離が長く、駅間の移動のために何回もエスカレーターを乗り換えるとともに、長距離を徒歩で移動しなければならない箇所に設置されるものである。
輸送システム1は、鉛直方向及び水平方向に離間した地上駅3と地下駅4との間で、地上駅3の高さレベルと地下駅4の深さレベルとを鉛直につなぐ立坑11と、立坑11の上部と地上駅3とを接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第1のアプローチ部Xと、立坑11の下部と地下駅4とを水平に接続し、LRT車両Mが走行するための軌道であるレール22が敷設された第2のアプローチ部Yと、LRT車両Mを立坑11の上部と立坑11の下部との間で輸送する輸送機構20とを備える。
第1のアプローチ部Xは、LRT車両Mが走行するために地上駅3の高さレベルに設けられる走行路であり、一端側は地上駅3に接続され、他端側はLRT車両Mが輸送機構20に出入りするための立坑11の上部出口12A及び上部入口12Bに接続される。また、第2のアプローチ部Yは、LRT車両Mが走行するために地下駅4の深さレベルに設けられる走行路であり、一端側は地下駅4に接続され、他端側はLRT車両Mが輸送機構20に出入りするための立坑11の下部出口13A及び下部入口13Bに接続される。上部出入り口12A、12B及び下部出入り口13A、13Bにはそれぞれ扉(図示しない)が設けられ、この扉が開いた後に、LRT車両Mは輸送機構20に出入り可能となる。
第1のアプローチ部X、輸送機構20の輸送キャビン24(後述する)及び第2のアプローチ部Yには走行用レール22が敷設されており、この走行用レール22の上をLRT車両Mが走行して地上駅3と地下駅4との間を往復し、人を地上駅3と地下駅4との間で輸送する。
図3は、本実施形態に係る立坑11を模式的に示す縦断面図であり、図4は、図3のC−C’断面図である。図3及び図4に示すように、立坑11の輸送機構20は、LRT車両Mを搭載するための複数の輸送キャビン24と、立坑11の上部と下部との間を鉛直面内で周回するように設けられた矩形環状の第1のガイドレール32Xと、第1のガイドレール32Xと同形状の第2のガイドレール32Yと、第1のガイドレール32Xに沿って輸送キャビン24を駆動する第1の駆動機構26Xと、第2のガイドレール32Yに沿って輸送キャビン24を駆動する第2の駆動機構26Yと、第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yの交差部分S、Tに設けられるレール切替装置50とを備える。
第2のガイドレール32Yは、第1のガイドレール32Xと同形状を有し、第1のガイドレール32Xに対して水平方向及び鉛直方向に位置をずらして配置され、第1のガイドレール32Xと2つの箇所S、Tで交差する。
第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yは、図3中の紙面左下側と紙面右上側とにそれぞれ配置され、輸送キャビン24の両側部を支持している。
第1の駆動機構26Xは、各輸送キャビン24に取り付けられ、第1のガイドレール32Xに係合して、この第1のガイドレール32Xに沿って輸送キャビン24を駆動する。
第2の駆動機構26Yは、第1の駆動機構26Xに対して、第1のガイドレール32Xに対する第2のガイドレール32Yの位置関係と同じ位置関係で各輸送キャビン24に取り付けられ、第2ガイドレール32Yに係合して、この第2のガイドレール32Yに沿って輸送キャビン24を駆動する。
輸送キャビン24は、上部出入り口12A、12B、下部出入り口13A、13Bの位置で停止し、それ以外の場所では第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yに沿って移動するように制御されている。上部出入り口12A、12B及び下部出入り口13A、13Bにそれぞれ設けられている扉は、輸送キャビン24が各出入り口の位置に停止すると自動的に開く。
レール切替装置50は、第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yの交差部分S、Tに設けられ、第1のガイドレール32Xが接続されるととも第2のガイドレール32Yが遮断された状態と、第1のガイドレール32Xが遮断されるとともに、第2のガイドレール32Yが接続された状態とを瞬時に切り替え、輸送キャビン24が各ガイドレールに沿ってスムーズに移動することを助ける。
立坑11の上部には、上部出口12A及び上部入口12Bを覆うような屋根部14が設けられている。
以上の構成によれば、地上駅3を発車したLRT車両Mが、上部入口12Bの扉の前で停止して待機すると、上部出口12AでLRT車両Mを降ろして空になった輸送キャビン24が上部入口12Bのところで停止する。輸送キャビン24が上部入口12Bで停止すると扉が開き、輸送キャビン24内にLRT車両Mが進入可能となる。そして、LRT車両Mが進入して輸送キャビン24内に収容されると扉が閉まり、第1の駆動機構26X及び第2の駆動機構26Yが駆動し、輸送キャビン24が第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yに沿って立坑11内を下部出口13Aまで移動することにより、LRT車両Mを下部出口13Aへ輸送する。輸送キャビン24が下部出口13Aで停止すると下部出口13Aの扉が開き、LRT車両Mは輸送キャビン24から退出可能となる。LRT車両Mが下部出口13Aより退出すると、下部出口13Aの扉が閉められ、空となった輸送キャビン24は、下部入口13Bに向かって移動する。ここで、輸送キャビン24内にLRT車両Mが存在しない場合には、輸送キャビン24は下部出口13Aで停止せずに通過して、下部入口13Bに向かって移動する。
そして、地下駅4を発車したLRT車両Mが、下部入口13Bの扉の前で停止して待機すると、輸送キャビン24は下部入口13Bのところで停止する。輸送キャビン24が下部入口13Bで停止すると扉が開き、輸送キャビン24内にLRT車両Mが進入可能となる。そして、LRT車両Mが輸送キャビン24内に進入して収容されると扉が閉まり、第1の駆動機構26X及び第2の駆動機構26Yが駆動し、輸送キャビン24が第1のガイドレール32X及び第2のガイドレール32Yに沿って立坑11内を上部出口12Aまで移動することにより、LRT車両Mを上部出口12Aへ輸送する。輸送キャビン24が上部出口12Aで停止すると上部出口12Aの扉が開き、LRT車両Mは輸送キャビン24から退出可能となる。LRT車両Mが上部出口12Aより退出すると、上部出口12Aの扉が閉められ、空になった輸送キャビン24は、上部入口12Bに向かって移動する。ここで、輸送キャビン24内にLRT車両Mが存在しない場合には、輸送キャビン24は上部出口12Aで停止せずに通過して、上部入口12Bに向かって移動する。
そして、上述したとおり、地上駅3を発車したLRT車両Mが、再び上部入口12Bの扉の前で停止して待機していると、輸送キャビン24は上部入口12Bのところで停止する。輸送キャビン24が上部入口12Bで停止すると扉が開き、輸送キャビン24内に進入可能となる。ここで、上部入口12Bの扉の前にLRT車両Mが待機していない場合には、輸送キャビン24は上部入口12Bで停止せずに通過し、さらに、下部出口13Aも通過して下部入口13Bに向かって移動する。
また、地上駅4を発車したLRT車両Mが、再び下部入口13Bの扉の前で停止して待機していると、輸送キャビン24は下部入口13Bのところで停止する。輸送キャビン24が下部入口13Bで停止すると扉が開き、輸送キャビン24内に進入可能となる。ここで、下部入口13Bの扉の前にLRT車両Mが待機していない場合には、輸送キャビン24は下部入口13Bで停止せずに通過し、さらに、上部出口12Aも通過して上部入口12Bに向かって移動する。
輸送キャビン24は、上部出入り口12A、12B及び下部出入り口13A、13Bで停止、発進を行いながら、立坑11内を両ガイドレール32X、32Yに沿って周状に循環走行し、LRT車両Mを上部入口12Bから下部出口13Aまで、及び下部入口13Bから上部出口12Aまで輸送する。
図5は、本実施形態に係る第1のアプローチ部Xの一例を模式的に示す平面図である。図5に示す例では、第1のアプローチ部Xに敷設されるLRT車両Mの走行用レール22は、地上駅3側は単線で地上駅3のホームに接続され、立坑11側は、単線の走行用レール22が2本に分離されて複線となり、立坑11の上部出口12A、上部入口12Bにそれぞれ接続される。地上駅3側の走行用レール22は、地上駅3の上り用ホーム5Aと下り用ホーム5Bとの間に敷設されており、LRT車両Mは上り用ホーム5Aと下り用ホーム5Bとの間に停車する。
上部出口12Aから出たLRT車両Mは、地上駅3近傍まで走行し、地上駅3内に他のLRT車両Mが停車していないことを確認して、地上駅3に入構する。ここで、地上駅3に他のLRT車両Mが停車していた場合は、走行用レール22の合流点手前で停止し、他のLRT車両Mが上部入口12Bに向かって発車した後に安全を確認して地上駅3に入構する。
地上駅3を発車したLRT車両Mは、上部入口12Bの扉の前で停止し、上部入口12Bの扉が開くまで待機する。上部入口12Bの扉が開いた後に、輸送キャビン24内に進入する。
なお、第1のアプローチ部Xは地上部Aに設けられるために、第1のアプローチ部Xを建設するための用地買収作業が必要となる。したがって、用地買収のための手間とコストを削減するために、できるだけ第1のアプローチ部Xの距離を短くすること、つまり立坑11を地下駅4よりも地上駅3の近くに設けることが望ましい。
図6は、本実施形態に係る第2のアプローチ部Yの一例を模式的に示す平面図であり、図7は、図6のD−D’断面図である。
図6及び図7に示す例では、第2のアプローチ部Yは、ほぼ水平に構築されているが、地下鉄Mの上り用線路とLRT車両Mの走行用レール22とが交差する区間は、地下鉄Mの上り用線路の下方を通過するためのトンネルが構築され、LRT車両Mが地下鉄Mの下方を通過する。第2のアプローチ部Yに敷設されるLRT車両Mの走行用レール22は、地下駅4側は単線で地下駅4のホームに接続され、立坑11側は、単線の走行用レール22が2本に分離して複線となり、立坑11の下部入口13B、下部出口13Aにそれぞれ接続される。地下駅4側の走行用レール22は、地下駅4の上り用ホーム6Aと下り用ホーム6Bとの間に敷設されており、LRT車両Mは上り用ホーム6Aと下り用ホーム6Bとの間に停車する。
下部出口13Aから出たLRT車両Mは、地下駅4近傍まで走行し、地下駅4内に他のLRT車両Mが停車していないことを確認して、地下駅4に入構する。ここで、地下駅4に他のLRT車両Mが停車していた場合は、走行用レール22の合流点手前で停止し、他のLRT車両Mが下部入口13Bに向かって発車した後に安全を確認して地下駅4に入構する。
地下駅4を発車したLRT車両Mは、下部入口13Bの扉の前で停止し、下部入口13Bの扉が開くまで待機する。下部入口13Bの扉が開いた後に、輸送キャビン24内に進入する。
第2のアプローチ部Yは、地下40m以深に設けられるために、第2のアプローチ部Y用の土地使用許可が不要である。
なお、本実施形態において、立坑11の下部出入り口13A、13Bの深度と地下駅4の設置深度とを同じにして、第2のアプローチ部Yのうち、地下鉄Mの上り用線路とLRT車両Mの走行用レール22とが交差する区間を除いた区間は、ほぼ水平な場合について説明したが、これに限定されるものではなく、立坑11の下部出入り口13A、13Bと地下駅4の設置深度とが異なり、勾配を有するアプローチ部でもよい。ただし、LRT車両Mの燃費等を考慮すると勾配は小さいことが望ましい。
以下に、輸送システム1を用いて、人が電車Jを利用して地上駅3に到着し、乗り換えのために地上駅3から地下駅4に移動し、地下駅4から地下鉄Kを利用して他の場所へ移動する場合の移動方法について説明し、次に、人が地下鉄Kを利用して地下駅4に到着し、乗り換えのために地下駅4から地上駅3へ移動し、地上駅3から電車Jを利用して他の場所へ移動する場合の移動方法について説明する。
図1に示すように、上り電車Jを利用して地上駅3の上り用ホーム5Aに降車した人は、上り用ホーム5Aの向かい側に移動してLRT車両Mが到着するのを待つ。また、下り電車Jを利用して地上駅3の下り用ホーム5Bに降車した人も、下り用ホーム5Bの向かい側に移動してLRT車両Mが到着するのを待つ。
LRT車両Mは、立坑11の上部出口12Aから出て、第1のアプローチ部Xを走行して地上駅3に入構し、上り用ホーム5Aと下り用ホーム5Bとの間に停車して両側の乗車扉を開く。乗車している人がLRT車両Mから降車後、上り用ホーム5A、下り用ホーム5BからそれぞれLRT車両Mに乗車する。
人が乗車したLRT車両Mは、乗車扉を閉め、立坑11の上部入口12Bに向かって第1のアプローチ部Xを走行し、上部入口12Bの扉の前で停止して上部入口12Bの扉が開くまで待機する。
輸送キャビン24が上部入口12Bで停止すると扉が開き、LRT車両Mが輸送キャビン24内に進入可能となる。LRT車両Mが進入して輸送キャビン24内に収容されると扉が閉まり、輸送キャビン24が下部出口13Aまで移動する。輸送キャビン24が下部出口13Aで停止すると、下部出口13Aの扉が開き、LRT車両Mは輸送キャビン24から退出可能となる。
下部出口13Aから出たLRT車両Mは、第2のアプローチ部Yを走行して地下駅4に入構し、上り用ホーム6Aと下り用ホーム6Bとの間に停車して両側の乗車扉を開く。LRT車両Mから降車する人は、次に使用する地下鉄Kの行き先側のホームに降車し、降車したホームの向かい側に移動して目的地へ向かうための地下鉄Kが到着するのを待つ。
次に、地下鉄Kの上り電車を利用して地下駅4の上り用ホーム6Aに降車した人は、上り用ホーム6Aの向かい側に移動してLRT車両Mが到着するのを待つ。また、地下鉄Kの下り電車を利用して地下駅4の下り用ホーム6Bに降車した人も、下り用ホーム6Bの向かい側に移動してLRT車両Mが到着するのを待つ。
LRT車両Mは、上述したように、立坑11の下部出口13Aから出て、第2のアプローチ部Yを走行して地下駅4に入構し、上り用ホーム6Aと下り用ホーム6Bとの間に停車して両側の乗車扉を開く。乗車している人がLRT車両Mから降車後、上り用ホーム6A、下り用ホーム6BからそれぞれLRT車両Mに乗車する。
人が乗車したLRT車両Mは、乗車扉を閉め、立坑11の下部入口13Bに向かって第2のアプローチ部Yを走行し、下部入口13Bの扉の前で停止して下部入口13Bの扉が開くまで待機する。
輸送キャビン24が下部入口13Bで停止すると扉が開き、LRT車両Mが輸送キャビン24内に進入可能となる。LRT車両Mが進入して輸送キャビン24内に収容されると扉が閉まり、輸送キャビン24が上部出口12Aまで移動する。輸送キャビン24が上部出口12Aで停止すると、上部出口12Aの扉が開き、LRT車両Mは輸送キャビン24から退出可能となる。
上部出口12Aから出たLRT車両Mは、上述したように、第1のアプローチ部Xを走行して地上駅3に入構し、上り用ホーム5Aと下り用ホーム5Bとの間に停車して両側の乗車扉を開く。LRT車両Mから降車する人は、次に使用する電車Jの行き先側のホームに降車し、降車したホームの向かい側に移動して目的地へ向かうための電車Jが到着するのを待つ。
したがって、本発明による輸送システム1によれば、鉛直方向及び水平方向に離間した地上駅3と地下駅4との間に、地上駅3の高さレベルと地下駅4の深さレベルとを鉛直につなぐ立坑11と、立坑11の上部出入り口12A、12Bと地上駅3とを接続し、LRT車両Mが走行するための走行用レール22が設けられる第1のアプローチ部Xと、立坑11の下部出入り口13A、13Bと地下駅4とを水平に接続し、LRT車両Mが走行するための走行用レール22が設けられる第2のアプローチ部Yと、人を乗せたLRT車両Mを立坑11の上部出入り口12A、12Bと立坑11の下部出入り口13A、13Bとの間で輸送する輸送機構20とを備えることにより、LRT車両Mによって地上駅3と地下駅4との間で人を容易に短時間で輸送できる。したがって、大深度地下部Bを利用した開発計画を作成する際に、地上部Aと大深度地下部Bとの間の移動手段として輸送システム1を用いることにより、今後の地下開発計画が促進されるとともに、地下開発の自由度が増加する。
また、地下40m以浅までは立坑11のみを設け、地下40m以深の大深度地下部Bに第2のアプローチ部Yを設けることにより使用の許可が必要な用地面積を狭くすることができるために、用地使用のための交渉にかかる手間、時間及び用地使用料が削減され、コストを削減することができる。
そして、LRT車両Mは、地上駅3及び地下駅4共に上り用ホーム5A、6Aと下り用ホーム5B、6Bとの間に停車するために、上り電車及び下り電車を利用した人共に、移動距離が短く乗り換えが容易である。また、乗り換えは、各ホーム上の移動だけでよく、階段等の段差がないために車椅子等でも移動が容易である。
したがって、乗り換え時間が大幅に短縮されるために、多くの人がこの輸送システム1を備えた地上駅3、地下駅4を使用する。また、ほとんど歩くことなく、かつ、階段等の段差を通ることなく乗り換えができるために、交通弱者に対して優しい駅となり、交通弱者の多くの人がこれらの駅を使用する。
また、この輸送システム1を備えることで、街がいかに人に対して気を使っているかを示すことができるために、多くの人が無意識にこららの駅に好感を持つようになる。そして、多くの人がこの駅を利用するにつれて、駅の存在する街に対して次第に好感を持つようになる。つまり、多くの人がこの駅等の存在する街を好きになって買い物客の潜在的候補者となり、この街の活性化につながる。
なお、本実施形態において、駅を地上と深度40m以深とに設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、両駅共に深度40m以浅に、又は、両駅共に深度40m以深に設けてもよい。
また、本実施形態において、各駅3、4の上り用ホーム5A、6Aと下り用ホーム5B、6Bとの間に1本のレールを敷設し、LRT車両Mがこれらのホーム間に入構する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、各駅3、4の上り用ホーム5A、6A、下り用ホーム5B、6Bにそれぞれ上り用レール、下り用レールを敷設し、LRT車両Mは、それぞれのレールを使用して各ホームに入構する方法を用いてもよい。
さらに、本実施形態において、上部出入り口12A、12Bは立坑11の上り方向側に設け、下部出入り口13A、13Bは立坑11の下り方向側に設けるように、上部出入り口12A、12Bと下部出入り口13A、13Bとの向きが異なる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、上部出入り口12A、12Bは上記と同様に立坑11の上り方向側に設け、下部出入り口13A、13Bを立坑11の上り方向側に設けるように、上部出入り口12A、12Bと下部出入り口13A、13Bとの向きを同じにしてもよい。
1 輸送システム、3 地上駅、4 地下駅、
5A 上り用ホーム、5B 下り用ホーム、
6A 上り用ホーム、6B 下り用ホーム、
11 立坑、12A 上部出口、12B 上部入口、
13A 下部出口、13B 下部入口、14 屋根部、
20 輸送機構、22 走行用レール、24 輸送キャビン、
26X 第1の駆動機構、26Y 第2の駆動機構、
32X 第1のガイドレール、32Y 第2のガイドレール、
50 レール切替装置、
A 地上部、B 大深度地下部、M LRT車両、
J 電車、K 地下鉄、S、T 交差部分、
X 第1のアプローチ部、Y 第2のアプローチ部
5A 上り用ホーム、5B 下り用ホーム、
6A 上り用ホーム、6B 下り用ホーム、
11 立坑、12A 上部出口、12B 上部入口、
13A 下部出口、13B 下部入口、14 屋根部、
20 輸送機構、22 走行用レール、24 輸送キャビン、
26X 第1の駆動機構、26Y 第2の駆動機構、
32X 第1のガイドレール、32Y 第2のガイドレール、
50 レール切替装置、
A 地上部、B 大深度地下部、M LRT車両、
J 電車、K 地下鉄、S、T 交差部分、
X 第1のアプローチ部、Y 第2のアプローチ部
Claims (5)
- 鉛直方向及び水平方向に離間した第1の地点と第2の地点との間で人を車両に乗せて輸送する輸送システムであって、
前記第1の地点の高さあるいは深さレベルと前記第2の地点の高さあるいは深さレベルとを略鉛直に接続する立坑と、
前記立坑の上部と前記第1の地点とを接続し、前記車両が走行するための軌道が設けられる第1のアプローチ部と、
前記立坑の下部と前記第2の地点とを接続し、前記車両が走行するための軌道が設けられる第2のアプローチ部と、
前記車両を前記立坑の上部と前記立坑の下部との間で輸送する輸送機構とを備えることを特徴とする輸送システム。 - 前記第1の地点は地上部又は地下深度40m以浅に設けられ、前記第2の地点は地下深度40m以深に設けられることを特徴とする請求項1に記載の輸送システム。
- 前記立坑は前記第2の地点よりも前記第1の地点に近い位置に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の輸送システム。
- 前記第1の地点及び第2の地点は、乗り換えが可能なバス停、駅等の交通結接点であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の輸送システム。
- 前記輸送機構は、前記被輸送物が搭載される輸送キャビンと、
前記立坑の上部と前記立坑の下部との間を鉛直面内で周回するように設けられた矩形環状の第1のガイドレールと、
前記第1のガイドレールと水平方向及び鉛直方向に位置をずらして配置され、前記第1のガイドレールと2箇所で交差する、前記第1のガイドレールと同形状の第2のガイドレールと、
前記輸送キャビンに取り付けられ、前記第1のガイドレールに係合して、当該第1のガイドレールに沿って前記輸送キャビンを駆動する第1の駆動機構と、
前記第1の駆動機構に対して、前記第1のガイドレールに対する前記第2のガイドレールの位置関係と同じ位置関係で各輸送キャビンに取り付けられ、前記第2ガイドレールに係合して、当該第2のガイドレールに沿って前記輸送キャビンを駆動する第2の駆動機構と、
前記第1及び第2のガイドレールの交差部分に設けられ、一方のガイドレールが接続されると共に他方のガイドレールが遮断された状態と、前記一方のガイドレールが遮断されると共に、前記他方のガイドレールが接続された状態とを切り替え可能なレール切替装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載の輸送システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005278395A JP2007084008A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 輸送システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005278395A JP2007084008A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 輸送システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007084008A true JP2007084008A (ja) | 2007-04-05 |
Family
ID=37971436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005278395A Pending JP2007084008A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 輸送システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007084008A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108407820A (zh) * | 2018-05-09 | 2018-08-17 | 杨宗林 | 一种列车 |
CN108482418A (zh) * | 2018-05-09 | 2018-09-04 | 杨宗林 | 列车乘客上下车*** |
-
2005
- 2005-09-26 JP JP2005278395A patent/JP2007084008A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108407820A (zh) * | 2018-05-09 | 2018-08-17 | 杨宗林 | 一种列车 |
CN108482418A (zh) * | 2018-05-09 | 2018-09-04 | 杨宗林 | 列车乘客上下车*** |
CN108407820B (zh) * | 2018-05-09 | 2024-04-30 | 杨宗林 | 一种列车 |
CN108482418B (zh) * | 2018-05-09 | 2024-04-30 | 杨宗林 | 列车乘客上下车*** |
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