JP2006037070A - ポリアミド樹脂組成物及びその成形物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリアミド組成物(A)、無機フィラー(B)及びビスアミド化合物(C)を特定含むポリアミド樹脂組成物であり、
(I)ポリアミド組成物(A)は、ポリアミド樹脂(D)70〜99.5重量%及びポリアミドエラストマー組成物(E)30〜0.5重量%とを含み、
(II)ポリアミドエラストマー組成物(E)は、ポリアミドエラストマー(F)99.99重量%及び電解質塩化合物0.01〜10重量%を含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、ポリアミドフィルムは、電気抵抗率が高く、帯電しやすいため、帯電した電気を漏洩することができず、表面にほこりが付着したり、静電気に起因する種々の障害が発生する。
これらの欠点を改良する方法として、界面活性剤等を表面に塗布又は、ポリアルキレンオキサイド等の吸水性化合物やアルキルアミン等の低分子型帯電防止剤を樹脂に練り込む方法が知られている。しかし、界面活性剤、ポリアルキレンオキサイド、アルキルアミン等の帯電防止剤は、初期の帯電防止性には優れるもののブリードアウトしやすく且つ耐水性が悪いため、長期間に亘り帯電防止性効果が持続しないという欠点を有している。また、湿度に対する、帯電防止発現効果の依存性が非常に大きい。
さらに、近年冷凍技術が発達してきたことにより、食品包装後5℃以下の低温雰囲気で扱われることが多くなっている。上記特性中においてもこと実上最も重要視される耐ピンホール性、柔軟性についてはその温度依存性が顕著であり、5℃以下といった低温雰囲気での使用において、ピンホールによる充填物の漏れ出し等のトラブルが発生し、実用上必ずしも満足するものではなかった。ポリアミドフィルムを5℃以下といった低温雰囲気での使用を可能とするための改善方法として、特許文献3にポリアミドと、ポリエーテル成分としてポリオキシテトラメチレングリコールを用いたポリエーテルエステルアミドエラストマーかなるポリアミドフィルムが開示されている。
特に全脂肪族系のポリアミドフィルム及びこのフィルム等の成形物を提供することができる樹脂組成物の提供を目的とした。
無機フィラー(B)0.1〜1重量部、及び
ビスアミド化合物(C)0.03〜0.3重量部を含むポリアミド樹脂組成物であり、
(I)ポリアミド組成物(A)は、ポリアミド樹脂(D)70〜99.5重量%及びポリアミドエラストマー組成物(E)30〜0.5重量%とを含み、
(II)ポリアミドエラストマー組成物(E)は、ポリアミドエラストマー(F)99.99〜90重量%及び電解質塩化合物0.01〜10重量%を含み、
(III)ポリアミドエラストマー(F)は、ポリアミドハードセグメント(a)及び数平均分子量300〜5000の下記一般式(1)で示されるポリアルキレンオキサイドを含むソフトセグメント(b)から得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーであり、
(IV)ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)は、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対し、ポリアミド樹脂(D)と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含み、かつ脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸を含むポリアミドハードセグメント(a)であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物を提供することである。
ポリアミド成形物は、フィルム又は延伸されたフィルムであることが好ましい。
本発明の第一及び/又は本発明の第二では、ポリアミド樹脂(D)は、ε−カプロラクタム、ω−ドデカンラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド形成単位からなる単独重合体又は共重合体であることが好ましい。
本発明の第一及び/又は本発明の第二では、ポリアミドエラストマー(F)は、
(1)ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対しポリアミド樹脂(D)と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含み、かつアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及び3−スルホイソフタル酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸を含むポリアミドハードセグメント(a)、
及び
(2)数平均分子量300〜5000の下記一般式(2)で示されるポリアルキレンオキサイドを含むソフトセグメント(b)から得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーであることが好ましい。
本発明の第一及び/又は本発明の第二では、無機フィラー(B)は、シリカ、カオリン及びタルクからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明の第一及び/又は本発明の第二では、ビスアミド化合物(C)は、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びエチレンビスエルカ酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明のポリアミドフィルムを含む少なくとも2層の積層フィルムは、ポリアミドフィルムを最外層に配置することが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミドフィルム及び延伸フィルム等の成形物として使用することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物より得られるポリアミドフィルム及び延伸フィルムは単独での利用価値も高いが、該ポリアミドフィルムが最外層に配置された少なくとも2層の積層フィルムを製造するころができ、この積層フィルムも、単層のポリアミドフィルムと同様な効果を発現する。よって、静電気の発生、蓄積、また、高湿度下における滑り不足という問題のため、今まで制限されてきたポリアミドフィルムの使用範囲が拡大することとなり、その利用価値は極めて大きい。
樹脂組成物は、ポリアミド組成物(A)100重量部に対し、
無機フィラー(B)を0.1〜1重量部、好ましくは0.15〜0.7重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲で含み、
ビスアミド化合物(C)を0.03〜0.3重量部、好ましくは0.05〜0.2重量部の範囲で含む樹脂組成物である。
無機フィラー(B)の添加量が前記の値未満であると、得られるフィルムの高湿度下における滑り性改良の効果が小さく、前記の値を超えると、ポリアミドフィルム等の成形物の透明性、外観等が損なわれる。
ビスアミド化合物(C)の添加量が前記の値未満であると、本発明の効果が充分に得ることができず、また、前記の値を超えると、ポリアミドフィルム等の成形物の印刷性等が低下する。
好ましくは、ポリアミド樹脂(D)75〜98重量%とポリアミドエラストマー組成物(E)25〜2重量%である。
ポリアミド組成物(A)において、ポリアミドエラストマー組成物(E)が、前記の値未満であると、帯電防止性、耐ピンホール性の改良効果が小さく、一方、前記の値を超えると、耐熱性が悪化し、また、それに見合う効果の向上が期待できず、経済的に不利となるばかりでなく、均一な厚みのフィルム等を成形出来なくなる。
ポリアミド樹脂(D)は、ラクタム、アミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩から誘導される単一重合体又は共重合体を各々単独又は混合物の形で用いることができる。
アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素数6以上のアミノカルボン酸が挙げられる。
分子量調節や成形加工時の溶融安定化のため、モノアミン、ジアミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの1種あるいは2種以上を適宜組合せて添加することができる。例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のアミンや酢酸、ステアリン酸、安息香酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸等である。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が前記の範囲になるように、適宜決めることができる。
特に、ポリアミドエラストマー(F)のソフトセグメント(b)のアルキレンオキサイドのモル数に対する電解質塩化合物中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンのモル数に留意が必要である。ソフトセグメント(b)のアルキレンオキサイドに対する電解質塩化合物中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンのモル数を飽和溶解濃度以下にすることが望ましい。飽和溶解濃度以上の場合はソフトセグメント(b)のアルキレンオキサイドに未溶解の電解質塩化合物成分は帯電防止効果に寄与しないことが考えられる。
ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)は、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%中、ポリアミド樹脂(D)と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含み、かつ脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸を含むポリアミドハードセグメント(a)である。
ポリアミドエラストマー(F)のソフトセグメント(b)は、数平均分子量300〜5000の下記一般式(2)で示されるポリアルキレンオキサイドが好ましい。
ポリアミド組成物(A)に使用するポリアミド樹脂(D)とポリアミドエラストマー(F)で、
ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)のポリアミド形成単位が、ポリアミド樹脂(D)のポリアミド形成単位と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含むことを意味する。
例えば、ポリアミド組成物(A)に使用するポリアミド樹脂(D)がポリアミド6の場合、ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)のポリアミド形成単位が、ポリアミド6由来又はポリアミド6と同等のポリアミド形成単位、一例としてε−カプロラクタムを、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対し、60重量%以上含むことである。
また、ポリアミド組成物(A)に使用するポリアミド樹脂(D)がポリアミド6/12の場合、ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)のポリアミド形成単位が、ポリアミド6由来又はポリアミド6と同等のポリアミド形成単位と、ポリアミド12由来又はポリアミド12と同等のポリアミド形成単位、一例としてε−カプロラクタム及びω−ドデカンラクタムとを合わせた量が、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対し、60重量%以上含むことである。
そのため、ポリアミド組成物(A)に使用するポリアミド樹脂(D)がポリアミド6の場合、ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)のポリアミド形成単位が、ポリアミド12由来又はポリアミド12と同等のポリアミド形成単位を、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対し、40重量%を超えて含む時は、本発明には含まれない。
特に、Qは、−CH2CH2−の場合に制電性が優れるために好ましい。
Rは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリアミドエラストマー(F)のソフトセグメント(b)は、化学式(1)又は化学式(2)に示すnが1から50までの混合物を用いることができる。
製法[1]:ポリアミド形成単位とジカルボン酸を反応させてハードセグメント(a)を形成せしめ、これにソフトセグメント(b)を加えて、高温、減圧下で重合反応を行う方法。
製法[2]:ハードセグメント(a)を形成するポリアミド形成単位及びジカルボン酸と、ソフトセグメント(b)を同時に反応槽に仕込み、水の存在下又は非存在下に、高温で加圧反応させることによって中間体を生成させ、その後減圧下でハードセグメント(a)とソフトセグメント(b)との重合反応を行う方法。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、イオン半径の小さいナトリウム、カリウム、リチウムが好ましく、ナトリウム、リチウムがより好ましい。
これらの中でも、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンアニオンが好ましく、過塩素酸アニオンがより好ましい。
これらの中でも、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタンナトリウムがさらに好ましく、過塩素酸ナトリウムが特に好ましい。
電解質塩化合物をポリアミドエラストマー(F)に添加する方法としては、組成物中に効果的に分散させるため、ポリアミドエラストマー(F)に予め分散させておくことが望ましく、特にポリアミドエラストマー(F)の製造時に予め添加し分散させることことが望ましい。
ここで、電解質塩化合物の存在下にポリアミドエラストマー(F)を製造するには、該エラストマーの重合前、重合中、あるいは重合後エラストマーの分離・回収前に、該電解質塩化合物を一括又は分割して添加すればよい。また、この電解質塩化合物の添加方法としては、そのまま添加してもよく、重合成分にあらかじめ溶解して添加してもよく、さらには別の溶媒に溶解して添加してもよい。
ポリアミド組成物(A)は、本発明の特性を損なわない範囲でさらに必要に応じて各種添加剤を配合し、公知の方法で混合又は混練することによって製造される。例えば、タンブラーやミキサーを用いて、成形時にポリアミド樹脂原料に直接添加するドライブレンド法、成形時に使用する濃度で予めポリアミド樹脂原料に一軸又は二軸の押出機を用いて溶融混練する練り込み法、あるいは予め高濃度でポリアミド樹脂原料に一軸又は二軸の押出機を用いて練り込み、これを成形時に希釈して使用するマスターバッチ法等が挙げられる。
また、無機フィラー(B)は、フィルム等を成形する場合において、粒子径が10μmを超える粒子を実質的に含まないことが好ましく、粒子径が前記の値を超える粒子を多量に含有すると、フッシュアイゲルが発生し、フィルム外観を損ねる場合がある。一方、粒子径が前記の値未満の粒子を多量に含有すると、二次凝集し易くなり、逆にフッシュアイゲルを発生させる場合がある。また、凝集を防止できたとしても、フィルム表面の凹凸効果を得ることが難しく、滑り性が改良されない場合がある。よって、無機フィラー(B)の粒子径が本発明に適合しない場合、予め粉砕処理や分級を行うことが望ましい。特に高湿度下での滑り性に注目した場合、平均粒子径は、1〜5μmであることがより好ましい。
こららの中でも、タルク、カオリン、シリカが易分散性の点から好ましく、シリカが得られるフィルムの透明性に優れ、滑り性も良好であり、より好ましい。
無機フィラー(B)は1種類のものを用いてもよいし、2種以上のものを併用してもよい。2種以上の無機フィラーを併用することは、透明性を確保しつつ、滑り性、特に高湿度下における滑り性を確保する上で好ましい態様であって、推奨される無機フィラーの配合方法である。例えば、シリカとカオリン、シリカとタルクを併用する場合が挙げられる。併用することにより、高湿度下における滑りを改良するために単独で配合される量よりも少なく、得られるフィルム等の成形物の透明性低下やフィッシュアイ発生といった問題が生じることなく、高湿度下における滑りを改良することが可能である。
比表面積が前記の値未満であると、表面官能基の量が少なく、ポリアミド樹脂との相互作用が小さくなり、フィルム等の成形物とした際にシリカのみが脱離してしまい、いわゆる粉吹き状態となってフィルム製造装置等のロール汚れの原因となったり、印刷時のインクのにじみや包装内容物の汚染の原因となる場合がある。また、比表面積が前記の値を超えると、表面官能基の量が多くなりすぎ、ポリアミド樹脂と過度の相互作用を起こし、ゲルやフィッシュアイの原因となる場合がある。以上、シリカの使用について説明したが、他の無機フィラーの使用についても、同様の態様に従うことができる。
無機フィラー(B)の添加量は、用いる無機フィラーの種類、形状及び平均粒子径等、或いはフィルム成形後の延伸の条件(延伸倍率、延伸方法等)によって異なるものであり、一概には言えないが、その添加量は、ポリアミド組成物(A)100重量部に対し、0.1〜1重量部であることが好ましく、0.15〜0.7重量部であることがより好ましく、0.2〜0.5重量部の範囲であることがさらに好ましい。無機フィラー(B)の添加量が前記の値未満であると、得られるフィルムの高湿度下における滑り性改良の効果が小さく、前記の値を超えると、ポリアミドフィルムの透明性、外観等が損なわれる。
無機フィラー(B)の表面処理剤具体的としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノジチオプロピルトリヒドロキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノプロピル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物が好ましい。
一般式(4)で表されるビスアミド化合物(C)としては、N,N’−ジオクタデシルアジピン酸アミドが好ましい。
ビスアミド化合物(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。。
非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキサイド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット及びソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノカルボン酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
特に本発明のポリアミド樹脂組成物よりポリアミドフィルムを得る場合には、耐ピンホール性をさらに向上させる目的で、フィルムの透明性を損なわない範囲内で、オレフィン系共重合体、及びその変性物やエラストマーを含有させることができる。
オレフィン系共重合体としては、エチレン/炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマー重合体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
エラストマーとしては、本発明に規定された以外のポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー等のポリアミド系エラストマー、両末端にポリスチレン相、ゴム中間相として水素添加型ポリオレフィンをもちポリスチレン相が架橋点を担っているブロック共重合体であるスチレン系エラストマー等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形等の成形方法により、フィルム状、フィラメント状、板状、シート状、棒状等の種々の形状の成形物を得ることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、湿度依存性が小さく、長期に亘り持続する帯電防止性が付与され、高湿度下における滑り性に優れ、かつ透明性に優れる。特に本発明のポリアミド樹脂組成物は、耐ピンホール性に優れるためにフィルム及びシートに成形して用いることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形物の外面の一部又は全部に被覆すること又は外面の一部又は全部に配置することが、帯電防止性が付与され、高湿度下における滑り性に優れる成形物を得ることができるために好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物より得られる成形物は、食品用部材、電気部品、電子部品、電気機器、電子機器等、及びこれらの移送や保管等の収納用材料や包装用材料に用いることができる。
さらに未延伸のフィルムは一軸又は二軸で、同時又は逐次で延伸することにより、延伸ポリアミドフィルムを得ることができる。例えば、キャスティング法によって製造するフィルムは、未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸するテンター式同時二軸延伸法、Tダイより溶融押出しした未延伸シートをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する逐次二軸延伸法が挙げられる。環状ダイより成形したチューブ状シートを気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法が挙げられる。延伸工程はポリアミドフィルムの製造に引続き、連続して実施しても良いし、ポリアミドフィルムを一旦巻き取り、別工程として延伸を実施しても良い。
熱処理操作により、充分に熱固定された延伸フィルムは、常法に従い、冷却して巻き取る。
(D)ポリアミド樹脂
(D−1)ポリアミド6(宇部興産(株)製 UBE NYLON 1022B、相対粘度3.35)
(D−2)ポリアミド6/66(宇部興産(株)製 UBE NYLON 5034B、相対粘度4.05)
(D−3)ポリアミド12(宇部興産(株)製 UBESTA 3030XA、相対粘度2.24)
(E−1)ポリエーテルエステルアミドエラストマー組成物(チバスペシャリティケミカル株式会社製 イルガスタットP22、ε−カプロラクタム、アジピン酸及びポリエチレンオキサイドから得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーで、過塩素酸ナトリウム含有する、過塩素酸ナトリウム含有量は2.8重量%)
(E−2)ポリエーテルエステルアミドエラストマー組成物(チバスペシャリティケミカル株式会社製 イルガスタットP18、ω−ドデカンラクタム、アジピン酸及びポリエチレンオキサイドから得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーで、過塩素酸ナトリウム含有する、過塩素酸ナトリウム含有量は2.8重量%)
(E−3)ポリエーテルエステルアミドエラストマー(ダイセル・デグッサ株式会社製VestamidoE40−S3、ω−ドデカンラクタム、ドデカンジカルボン酸及びポリテトラメチレンオキサイドから得られるポリエーテルエステルアミドエラストマー)
(B−1)シリカマスターチップの製造
内容積70リットルの撹拌機付き耐圧力反応容器に20kgのε−カプロラクタム、2kgの水、及び1000gのγ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理したシリカ(日本シリカ(株)製、ニプシルE220A、平均粒子径約2μm)を投入し、100℃に保持して、この温度で反応系内が均一になるまで撹拌した。引き続き、撹拌しながら260℃に加熱し、圧力1.5MPaを1時間維持し、さらに1時間かけて常圧まで放圧し、さらに1時間重合した。重合が終了した時点で、反応容器の下部ノズルからストランド状に取り出した反応物を水槽に導入して冷却し、カッティングして、前記ゲルタイプシリカが均一に分散したポリアミド樹脂ペレットを得た。次いでこのペレットを95℃の熱水浸漬し、未反応モノマー等を除去した後、減圧乾燥し、相対粘度2.57のシリカマスターチップを得た(以下、このシリカマスターチップを(B−1)という)。
(B−1)シリカマスターチップの製造において、ε−カプロラクタムをω−ドデカンラクタムに変更した以外は、(B−1)シリカマスターチップの製造と同様の方法にて、相対粘度1.70のシリカマスターチップを得た(以下、このシリカマスターチップを(B−2)という)。
(B−1)シリカマスターチップの製造において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理したシリカ(日本シリカ(株)製、ニプシルE220A、平均粒子径約2μm)をカオリン(水澤化学(株)製、シルトンAMT25、平均粒子径約2.5μm)に変更した以外は、(B−1)シリカマスターチップの製造と同様の方法にて、相対粘度2.54のカオリンマスターチップを得た(以下、このカオリンマスターチップを(B−3)という)。
(C−1)ビスアミドマスターチップの製造
ポリアミド6(宇部興産(株)製、UBE NYLON 1011FB、相対粘度:2.20)に、エチレンビスステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスE)を3%ドライブレンドした後、これを二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給し、シリンダー温度200〜250℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ビスアミドマスターチップを得た(以下、このビスアミドマスターチップを(C−1)という)。
(C−1)ビスアミドマスターチップの製造において、ポリアミド6(宇部興産(株)製、UBE NYLON 1011FB、相対粘度2.20)をポリアミド12(宇部興産(株)製、UBESTA 3014B、相対粘度1.67)に変更した以外は、(C−1)ビスアミドマスターチップの製造と同様の方法にて、ビスアミドマスターチップを得た(以下、このビスアミドマスターチップを(C−2)という)。
(C−1)ビスアミドマスターチップの製造において、エチレンビスステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスE)をエチレンビスベヘン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスB)に変更した以外は、(C−1)ビスアミドマスターチップの製造と同様の方法にて、ビスアミドマスターチップを得た(以下、このビスアミドマスターチップを(C−3)という)。
1)表面固有抵抗
評価フィルムを23℃、相対湿度50%で3日間状態調節したのち、絶縁抵抗計(横河ヒューレット・パッカード(株)製、4329A型)を用いて、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、印加電圧500V、30秒の条件にて表面固有抵抗を測定した。表面固有抵抗が1014以下の場合、帯電防止性に優れると判断した。
評価フィルムを23℃、相対湿度60%で3日間状態調節したのち、スタチックオネストメータ(シシド静電気(株)製、H−0110)を用いて、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、印加電圧10kV、試料間距離20mmの条件にて、帯電圧半減期を測定した。帯電圧半減期が10秒以下の場合、帯電防止性に優れると判断した。
透明性の尺度であるヘイズはASTM D−1003に準じ、直読ヘイズコンピューター(スガ試験機製、HGM−2DP)を使用して、評価フィルムを測定した。ヘイズの値が8.0%以下の場合、透明性に優れると判断した。
評価フィルムを恒温槽付ゲルボフレックステスター(理学工業(株)製)により、MIL−E−131Cに準じ、0℃下で1000回の屈曲テストを行った後、そのフィルムに生じるピンホールの個数をピンホール探知器(サンコウ電子(株)製)を使用して測定した。ピンホール数が10個以下の場合、耐ピンホール性に優れると判断した。
ASTM D−1894に準じ、23℃、50%RH及び23℃、80%RHにおいて、フィルム/相手材料フィルムの動摩擦係数をそれぞれ測定する。ただし、測定雰囲気(湿度)による動摩擦係数の変化を求めるために、ポリアミドフィルム試料部分を恒温恒湿器中に置いて測定した。測定は5回行い、その平均値として求めた。また、湿度80%RH雰囲気下での動摩擦係数が0.35以下の場合、高湿度下における滑り性に優れると判断した。
表1に示す割合にて、ポリアミド樹脂(D−1)とポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX30型)に供給し、押出機設定温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練して、造粒し、乾燥した。このペレット100重量部に対して、シリカマスターチップ(B−1)、ビスアミドマスターチップ(C−1)を添加し、無機フィラー、ビスアミド化合物が表1の割合になるよう配合した組成物を使用して、円形ダイを備えた40mmφの押出機にて、押出温度260℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、実質的に無定形で配向していないチューブラー状のポリアミド未延伸フィルムを得た。引き続き、気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法にて、延伸温度180℃、延伸倍率(縦、横ともに)3.0倍にて延伸を行った。その後、チューブ状フィルムの端を切り開き、フラット状のフィルムをテンター内に導入し、幅方向に弛緩処理を行ないつつ、210℃にて熱固定処理を行なった。フィルム両端をクリップから解放し、耳部をトリミングして巻き取り、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ポリアミド樹脂(D−1)とポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ポリアミド樹脂(D−1)をポリアミド樹脂(D−2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ポリアミド樹脂(D−1)をポリアミド樹脂(D−3)に、ポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を(E−2)に、シリカマスターチップ(B−1)を(B−2)に、ビスアミドマスターチップ(C−1)を(C−2)に、押出温度を240℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法に二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、シリカマスターチップ(B−1)の配合割合を変え、無機フィラーの添加量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ビスアミドマスターチップ(C−1)の配合割合を変え、ビスアミド化合物の添加量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、シリカマスターチップ(B−1)をカオリンマスターチップ(B−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ビスアミドマスターチップ(C−1)を(C−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、シリカマスターチップ(B−1)とカオリンマスターチップ(B−3)を併用し、無機フィラーの添加量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ビスアミドマスターチップ(C−1)と(C−3)を併用し、ビスアミド化合物の添加量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、ポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を配合しない以外は、実施例1と同様の方法にて、二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、ポリアミド樹脂(D−1)とポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、ポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を(E−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、ポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を(E−2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、シリカマスターチップ(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、ビスアミドマスターチップ(C−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、シリカマスターチップ(B−1)の配合割合を変え、無機フィラーの添加量を表2に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
実施例1において、ビスアミドマスターチップ(C−1)の配合割合を変え、ビスアミド化合物の添加量を表2に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表2に示す。
表3に示す割合にて、ポリアミド樹脂(D−1)とポリエーテルエステルアミドエラストマー(E−1)を二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX30型)に供給し、押出機設定温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練して、造粒し、乾燥した。このペレット100重量部に対して、シリカマスターチップ(B−1)及びビスアミドマスターチップ(C−1)を添加し、無機フィラー、ビスアミド化合物が表3の割合になるよう配合した原料ポリアミド樹脂組成物と、ポリアミド樹脂(D−1)を使用して、円形3層ダイを備えた40mmφの押出機にて、押出温度260℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、実質的に無定形で配向していないチューブラー状の積層ポリアミド未延伸フィルムを得た。引き続き、気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法にて、延伸温度180℃、延伸倍率(縦、横ともに)3.0倍にて延伸を行った。その後、チューブ状フィルムの端を切り開き、フラット状のフィルムをテンター内に導入し、幅方向に弛緩処理を行ないつつ、210℃にて熱固定処理を行なった。フィルム両端をクリップから解放し、耳部をトリミングして巻き取り、(外層)/(中間層)/(内層)の構成が、原料ポリアミド樹脂組成物/ポリアミド樹脂(D−1)/原料ポリアミド樹脂組成物(層厚み4μm/7μm/4μm)の3層の積層二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた積層二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表3に示す。
Claims (9)
- ポリアミド組成物(A)100重量部、
無機フィラー(B)0.1〜1重量部、及び
ビスアミド化合物(C)0.03〜0.3重量部を含むポリアミド樹脂組成物であり、
(I)ポリアミド組成物(A)は、ポリアミド樹脂(D)70〜99.5重量%及びポリアミドエラストマー組成物(E)30〜0.5重量%とを含み、
(II)ポリアミドエラストマー組成物(E)は、ポリアミドエラストマー(F)99.99〜90重量%及び電解質塩化合物0.01〜10重量%を含み、
(III)ポリアミドエラストマー(F)は、ポリアミドハードセグメント(a)及び数平均分子量300〜5000の下記一般式(1)で示されるポリアルキレンオキサイドを含むソフトセグメント(b)から得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーであり、
(IV)ポリアミドエラストマー(F)のポリアミドハードセグメント(a)は、ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対し、ポリアミド樹脂(D)と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含み、かつ脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸を含むポリアミドハードセグメント(a)であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(D)が、ε−カプロラクタム、ω−ドデカンラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド形成単位からなる単独重合体又は共重合体であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミドエラストマー(F)が、
[1]ポリアミドハードセグメント(a)100重量%に対しポリアミド樹脂(D)と同一のポリアミド形成単位を60重量%以上含み、かつアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及び3−スルホイソフタル酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸を含むポリアミドハードセグメント(a)、
及び
[2]数平均分子量300〜5000の下記一般式(2)で示されるポリアルキレンオキサイドを含むソフトセグメント(b)から得られるポリエーテルエステルアミドエラストマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 無機フィラー(B)が、シリカ、カオリン及びタルクからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ビスアミド化合物(C)が、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド及びエチレンビスエルカ酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜5に記載のポリアミド樹脂組成物から得られる成形物。
- 成形物が、フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の成形物。
- 成形物が、延伸されたフィルムであることを特徴とする請求項6に記載の成形物。
- 請求項7及び請求項8に記載のフィルムの成形物の層と、熱可塑性樹脂の層との少なくとも2層を有することを特徴とする積層フィルム。
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