JP2005527223A - サイトカインフリーでの前駆細胞の増殖および維持 - Google Patents

サイトカインフリーでの前駆細胞の増殖および維持 Download PDF

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Abstract

本発明は、外因的に添加される造血成長因子の非存在下における、造血前駆細胞のインビトロ培養のための方法および手段に関する。造血前駆細胞は、前駆細胞の多分化能を維持したまま、前駆細胞の数および/または機能性を失うことなく、外因的に添加される造血成長因子の非存在下で培養される。

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、広く造血細胞に関し、より具体的には造血前駆細胞(hematopoietic progenitor cell)のインビトロ培養のための方法に関する。
背景技術
赤血球、白血球、血小板およびリンパ球などの循環する血液細胞は、認識できる前駆体(precursor)の最終的な分化の産物である。胎児においては、造血は網状内皮系を介して起こる。通常の成人においては、認識できる前駆体の最終的な分化は、もっぱら軸骨格の髄腔において起こり、近接した大腿骨ならびに上腕骨および脊椎へいくらか拡張する。これら前駆体の細胞は、同様に、前駆細胞(progenitor)と呼ばれる極めて未熟な細胞に由来し、メチルセルロースなどの半固体培地で1〜3週間で成熟した血液細胞の連続したコロニーへの発達によりアッセイされる。
ヒト骨髄細胞の培養物は、当初、限られた造血能を有しており、減少した数の造血前駆細胞および成熟血液細胞を産生し、6〜8週間までに細胞の産生が中断することが見出された。元の系を後に改変してもわずかしか改善されなかった。これは、造血前駆細胞が、インビボで発見された必須の成長因子(造血成長因子(hematopoietic growth factor)およびサイトカイン)などの環境の影響に依存することに大きく起因する(例えば米国特許5,599,703、5,728,851および6,372,210参照)。
造血前駆細胞のインビトロでの増殖および分化を進めるための以前の努力により、前播種された(pre-seeded)間質(stroma)およびフィブロネクチンを含む種々の基質における、サイトカインの効果が調べられた。培養環境への外因的成長因子、特にIL-3(インターロイキン−3)およびGM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)の添加は、特定の系統のみの選択的増殖を引き起こし得る。これらの発見は、造血前駆細胞培養への外因的成長因子の添加は、それらの分化とそれによる未熟な造血前駆細胞集団(population)の枯渇を引き起こすことにより、原始的な造血前駆細胞の多分化能に悪影響を及ぼし得ることを示唆している。
別のアプローチは、造血前駆細胞の培養および支持のために放射線照射された骨髄間質を用い、長期培養初期細胞(long-term culture initiating cell(LTCIC))(これらは未熟な細胞である) としてこれらの前駆細胞を維持すること、ならびに、造血前駆細胞およびLTCICのレロトウイルスベクターによる形質導入が増加することが示された。しかし、非自己骨髄の移植に対する感染および免疫反応のリスクについて、疑問が生じてきた。細胞間質成分であるフィブロネクチンは、レトロウイルスの形質導入を増強しつつ、感染および免疫を介した反応のこのリスクを減少させる。しかし、フィブロネクチン単独では、インビトロで原始的な造血前駆細胞を維持するのに充分ではないおそれがある。
骨髄移植のための造血前駆細胞の増殖には、ヒト長期骨髄培養物が潜在的に適用され得る。ヒトの自己および同種骨髄移植は現在、白血病、リンパ腫および他の生命が脅かされる病気などの病気のための治療として用いられている。しかしながら、これらの方法では、移植に充分な細胞を得るためにドナーの大量の骨髄を採取しなければならず、かかる努力によってもしばしば充分な細胞数がもたらされないことがある。
造血前駆細胞の増殖を提供するアプローチにより、大量の骨髄の供与への必要性が減少するであろうし、少量の骨髄提供を得て、その後受容者への導入の前にインビトロで前駆細胞の数を増やすことが可能になるであろう。また、少数の造血前駆細胞が血流中で循環していることが知られている。これらの細胞を選択して増やすことができれば、末梢血から移植のための必要数の造血前駆細胞を得、そして骨髄提供への必要をなくすことが可能になるであろう。
造血前駆細胞の増殖はまた、化学療法および放射線治療からの回復の補助に有用であろうし、ヒトの長期骨髄培養物への他の適用である。ほとんどの化学療法剤および放射線照射は、細胞***中の細胞を殺すことにより作用する。骨髄は、体の中で最も増殖性の高い組織の1つであるので、しばしば、化学療法薬および放射線照射によって最初に損傷を受ける臓器となる。その結果、かかる治療の間に、血液細胞の産生が急速に破壊され、しばしばかかる治療は、患者が化学療法を再処置される前に造血系に血液細胞の供給を補充させるために終了しなければならなくなる。
造血前駆細胞の増殖を提供する成功するアプローチは、多数の非分化前駆体細胞およびさらに特定の系統の分化前駆体細胞の産生を大きく促進し、同様に、輸血を含む広い種々の適用に多数の分化した造血細胞を提供するであろう。
インビトロでの培養において、造血前駆細胞の生存および多分化能に好ましい影響を与える必要性が存在している。
多数の分化した造血細胞を提供する必要性も存在している。
本発明の目的は、造血前駆細胞の自己再生特性および多分化能特性を維持しつつ、造血幹細胞の増殖(expansion and proliferation)のための方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、多数の特定の系統の前駆細胞およびそれらのさらに分化した造血細胞の制御された産生のための方法を提供することである。本発明のこれらおよび他の目的は、以下においてより詳細に記載される。
発明の概要
本発明は、1つの重要な部分では、造血前駆細胞の培養のための改善された方法に関し、この方法は、例えば造血前駆細胞の多分化能および自己再生能を維持できるものである。したがって、本発明の一面は、造血前駆細胞の培養物の改善された維持である。他の面は、造血前駆細胞の試料から得られる子孫(progeny)の数の改善である。本発明のさらなる他の面は、造血前駆細胞の試料から得られる分化した子孫血液細胞の数の改善である。
驚くべきことに、本発明によれば、培養の間における前駆細胞の分化および/または損失の誘導を阻害する外因的の成長因子を添加することなく、造血前駆細胞を培養できることが発見された。したがって、本発明は、造血成長因子、接種された間質細胞、または間質細胞で調整された培地(stormal cell conditioned medium)を添加することなく、インビトロでの造血前駆細胞の培養を可能にする。これは、単に、血清のみを含む培地中で造血前駆細胞を培養することにより達成される。かかる結果は、以前には既知の技術方法論(例えば、霊長類の胸腺間質単層上でのCD3+細胞のインビトロでの分化が記載されている、Johnsonらによる米国特許5,677,139号、また、三次元の骨髄細胞および組織の培養系が記載されている、Naughtonらによる米国特許5,541,107号、また、CD34+細胞の増殖および分化を支持するものの、細胞の未熟な表現型を維持するために外因的因子の添加が要求される無血清培地が記載されている、Brownによる米国特許6,372,210号など)を用いても認識されてはいなかった。
本発明の一面によれば、造血前駆細胞のインビトロ培養のための方法が提供される。一定量の造血前駆細胞が培養チャンバーに導入される。細胞は、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、培養される。
造血前駆細胞は、骨髄(非分画骨髄を含む)、末梢血(動員(mobilized)末梢血を含む)、臍帯血、胎盤血、胎児肝臓、胚細胞(胚幹細胞を含む)、大動脈−性腺−中腎由来細胞(aortal-gonadal-mesonephros derived cell)およびリンパ軟組織などの組織由来であってもよい。リンパ軟組織は、胸腺、脾臓、肝臓、リンパ節、皮膚、扁桃腺およびパイエル板(Peyer's patch)を含む。
他の態様においては、本方法は、さらに造血細胞をハーベストするステップを含む。第一の培養段階の後に、第一のハーベストが行われてもよい。少なくとも1回のさらなる培養段階の後に、少なくとも第一のさらなるハーベストが行われてもよい。ハーベストされた細胞は、その後、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進し、細胞の局在に影響を及ぼす造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される外因的に添加される剤の少なくとも1種の中で培養されてもよい。ある態様においては、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進し、細胞の局在に影響を及ぼす造血成長因子は、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン11、インターロイキン12、幹細胞刺激因子(stem cell factor)、FLK-2リガンド/FLT-3リガンド、Epo、Tpo、GMCSF、GCSF、オンコスタチンMおよび/またはMCSFを含む剤であってもよい。
上述の態様のいずれかによれば、本発明の方法は、前記第一の培養ステップにおいて、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン11、インターロイキン12、幹細胞刺激因子、FLK-2リガンド/FLT-3リガンド、Epo、Tpo、GMCSF、GCSF、オンコスタチンMおよびMCSFなどの造血前駆細胞生存および増殖因子がない環境で、細胞を培養することを含む。上述のとおり、本発明者らは、驚くべきことに、培養中、造血前駆細胞の死および/または分化を抑制するために従来技術において典型的に添加されているものであって、幹細胞の数を増加させるための細胞増殖を引き起こすのに必要であると考えられていた、これらの剤を全く添加せずに、造血前駆細胞が培養できることを発見した。さらに本発明の他の態様は、血清以外に、いかなる外因的に添加される造血前駆細胞成長因子(サイトカインを含む)をも全く含まない環境における第一の培養ステップを行う。
理解されるように、本発明によれば、今では7、8、9、10日間、または14日を含む14日までの間、外因的成長因子を添加することなく、造血前駆細胞を培養することが可能である。
本発明によれば、今では、培養の間における前駆細胞の分化および/または損失の誘導なしに造血前駆細胞を培養することができ、そして、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子を含むおよび/またはそれらを対象に導入する培養条件に、引き続き暴露するその時間間隔の間に細胞をハーベストすることができる。この期間にわたる培養およびハーベストは、本発明の独自の側面である。
本発明の他の面によれば、造血系由来の分化した細胞を産生するための、造血前駆細胞をインビトロ培養するための方法が提供される。第一の培養ステップにおいて、第一の量の造血前駆細胞を、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、前記第一の量に対して造血前駆細胞の数が増加するかまたは造血前駆細胞の機能性が増加する条件下および期間で培養し、それにより第二の量の造血前駆細胞を産生する。その後、第二の培養ステップにおいて、造血系由来の分化した細胞を産生するために、培養された第二の量の造血前駆細胞の少なくとも一部を、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される剤の少なくとも1種を含有する環境において、培養する。
1つの態様においては、前記の環境は、インターロイキン3、6、および11、Tpo、幹細胞刺激因子ならびにFLK-2リガンド/FLT-3リガンドなどの造血前駆細胞生存および増殖を促進する造血成長因子が含まれない。
他の態様においては、第一の培養ステップの環境は、栄養培地への血清の添加の結果として存在する成長因子以外に、いかなる造血成長因子をも含まない。本発明のこの面においては、本方法は、さらに、複数の第二の培養ステップであって、それぞれが第二の量の造血前駆細胞の一部のみを培養することを含む、第二の培養ステップを包含してもよい。
本方法はまた、第一の培養ステップおよび第二の培養ステップの間に、ハーベストするステップを含んでもよく、前記ハーベストするステップは、第二の培養ステップにおいて第二の量の少なくとも一部を培養する前に、第二の量の少なくとも一部をハーベストすることを含む。また、前記のハーベストするステップは、時間間隔を隔てた複数のハーベストするステップであってもよく、この場合には、第二の培養ステップは、それぞれが各ハーベストするステップのための培養ステップである、複数の第二の培養ステップであってもよい。造血前駆細胞の好ましい源および培養条件は、上記のとおりである。
造血細胞の維持、増殖および/または分化に関わる全ての上述の態様において、用いられる造血成長因子は、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン11、インターロイキン12、幹細胞刺激因子、FLK-2リガンド/FLT-3リガンド、Epo、Tpo、GMCSF、GCSF、オンコスタチンMおよびMCSFからなる群から選択される。
本発明のこれらの側面および他の側面について、以下にさらに詳細に説明する。
図1〜4は本発明の実施可能性には要求されないことが理解される。
発明の詳細な説明
本発明は、一面においては、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、ならびに、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する外因的に添加された造血成長因子が全くない環境で、造血前駆細胞を培養することを含む。
本発明の方法により培養される細胞は、造血前駆細胞である。ここで用いられる「造血前駆細胞」とは、自己再生する能力、ならびに、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば、巨核芽球、巨核球産生血小板、血小板)、リンパ球(例えば、B細胞、T細胞、NK細胞)、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、クッパー細胞、ランゲルハンス細胞)および単球(例えば、循環単球、組織マクロファージ、ミクログリア)を含む、さらに成熟した血液細胞に分化する能力を有する未熟な血液細胞をいう。このような細胞は、CD34+細胞を含んでも含まなくてもよいことは当該技術分野において知られている。
CD34細胞は、下記に記載の「血液産物(blood product)」中に存在する未熟な細胞であって、CD34細胞表面マーカーを発現しており、上記で定義された「前駆細胞」特性を有する細胞の亜集団(subpopulation)を含むと考えられている。本発明による好ましい細胞は、AC133抗原発現細胞(例えば米国特許5,843, 633号参照)および/またはCD34細胞を含む。造血前駆細胞は、また血液細胞を形成できることが近年示された、従来は造血系の分化能を有すると考えられていなかった種類の細胞をも含む。かかる細胞は、近年、脳、肝臓、筋肉および他の組織源から単離された(Bjornson CR, et al., Science, 1999, 283 (5401): 534-7; Gritti A, et al., J Physiol, 2002, 96 (1-2): 81-90. 総説; Muench MO, et al., J Immunol, 2001, 167(9):4902--9; Weissman IL, Science, 2000, 287(5457):1442-6. 総説)。
造血前駆細胞は、血液産物から得られる。本発明において用いられる「血液産物」は、造血系由来の細胞を含む、体または体の臓器から得られる産物と定義する。かかる源は、非分画骨髄、臍帯、末梢血、肝臓、胸腺、リンパ液および脾臓(その全ては動員されて(mobilized)いてもよい)を含む。上記の全ての精製していないまたは分画していない血液産物を、数多くの方法によって「造血前駆細胞」特性を有する細胞に富むようにできることは当業者に明らかであろう。例えば、前記の血液産物は、より分化した子孫により減少しうる。より成熟し分化した細胞を、それらが発現する細胞表面の分子によって選択的に採取することができる。さらに、血液産物は、CD34細胞および/またはAC133細胞を選択して分画されてもよい。先に述べたとおり、CD34細胞は、当該技術分野においては、自己再生能および多分化能を有する細胞の亜集団を含むと考えられている。かかる選択は、例えば、市販されているマグネチック抗CD34ビーズ(Dynal, Lake Success, NY)および/または抗AC133ビーズ(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を用いて行うことができる。非分画血液産物は、提供者から直接得てもよく、低温保存貯蔵から取り出してもよく、および/または商業的な供給業者から得てもよい(例えば、Poietics, Gaithersburg, MD)。
下記により詳細に記載される培養条件を用いることにより、本発明にしたがって、造血前駆細胞を維持し、造血前駆細胞数および/または潜在的なコロニー形成ユニットの増加を刺激することが可能である。一度増殖した場合には、細胞は、例えば患者の造血前駆細細の集団を補充し、補給するなどのために体に戻すことができる。これは例えば、個体が化学療法を受けた後などに適切である。造血前駆細胞数が減少するある種の遺伝的な病気があり、本発明の方法は、このような状況において同様に用いてもよい。
また、本発明によれば、増加した数の本発明によって産生された造血前駆細胞を取り出し、インビトロでより成熟した血液細胞を産出するために、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長剤を用いて、それらを刺激することができる。このように増殖した血液細胞の集団は上記のようにインビボにおいて適用されてもよく、当業者により認識されるように、実験的に用いられてもよい。このような分化した細胞は、上記のものと同様、T細胞、形質細胞、赤血球、巨核球、好塩基球、多核白血球、単球、マクロファージ、好酸球および血小板、ならびにこれら各々の直接の前駆体を含む。
本発明のある態様においては、造血前駆細胞は継続して培養され、その培養された細胞がハーベストされる。「造血細胞をハーベストすること」とは、培養チャンバーから細胞を移動することまたは分離することとして定義される。これは、酵素的、遠心的、電気的もしくはサイズによる方法、または本発明において好ましい方法、すなわちCell Dissociation Solution(BioWhittaker, Walkersville, MD)と細胞をインキュベートすることによるなど、多くの方法を用いて行われ得る。細胞はさらに、回収され分離される。「時間間隔を隔ててハーベストするステップ」または「細胞の断続的なハーベスト」とは、固定された(established)培地中の引き続く培養のために他の一部を残し、元の細胞およびその性質を有する源を引き続き維持したまま、細胞の一部をハーベストすることを示すことを意味する。「少なくとも一部」をハーベストするとは、亜集団または全部をハーベストすることを意味する。したがって、当業者に理解されるように、本発明は、分化した細胞をより多くの集団に発展させるための処置用に増やされるそれらの細胞の一部をハーベストしている間中、造血前駆細胞の数を増やすために用いることができる。
本明細書において用いられる「培養チャンバー」とは、当該技術分野で一般に用いられるプラスチックディッシュ、ローラーボトル(roller bottle)およびプラスチック(例えばポリプロピレン)バッグをいう。ある態様においては、三次元マトリックスは、本発明による培養チャンバーの範囲からは特に除外される。
本発明による培養方法の全てにおいて用いられる培地は、細胞を培養するために慣用されているもの、例えばRPMI、DMEM、ISCOVESなどであって、有効量の脂肪酸、有効量のコレステロール、有効量のトランスフェリン(もしくは有効量の鉄塩)、および0.25〜2.5 U/ml の量のインスリン(もしくは有効量のインスリン様成長因子)が補充されているものである。このような補充成分を含む培地は、市販されているか(例えば、Quality Biological, Inc., Gaithersburg, MD)および/またはBrownの米国特許6,372,210 B2において記載されている。本発明において、好ましい補充培地は、QBSF (Quality Biological, Inc., Gaithersburg, MD)である。
重要なことには、本発明において用いられる培地は、ヒトもしくは動物の血清が補充され、造血前駆細胞がまたヒト由来である場合には、好ましくはヒト血清が補充される。培地中の血清は2%〜5%濃度が好ましいが、より少ない(例えば、0.05%未満、0.1%未満、0.25%未満、0.5%未満、0.75%未満、1.0%未満、1.5%未満および、ここで明確に列挙されていると解されるこれらの間の全ての整数値)またはより高い濃度も用いられ得る。これらの濃度で用いられる場合には、血清は、血清中に天然に検出される少量の造血成長因子を含有し得る。血清は好ましくは自己のものであり、プールされていてもよい。ここで用いられる「自己」とは、(培養中の)造血前駆細胞が由来する対象から得られる材料をいう。血清アルブミン(ヒトまたは動物)は、培地中に含まれていてもよい。本発明によれば、培養培地は添加(補充)されてもよく、部分的に(例えば当量が)交換されてもよく、または本発明の細胞の培養中、変えずにおいてもよい。
本発明に関連する特に関心のある成長剤は、造血成長因子である。造血成長因子とは、造血細胞の生存、増殖、または分化に影響を及ぼす因子を意味する。生存および増殖のみに影響し、分化を促進するとは考えられていない成長剤は、インターロイキン3、6および11、幹細胞刺激因子ならびにFLK-2リガンド/FLT-3リガンドを含む。分化を促進する造血成長因子は、GMCSF、GCSF、MCSFなどのコロニー刺激因子、Tpo、Epo、オンコスタチンM、ならびにインターロイキン3、6および11以外のインターロイキンを含む。上述の因子は当業者によく知られている。ほとんどが市販されている。これらは、精製により、組み換え的方法により得ることができ、あるいは合成物に由来してもよくまたは合成することもできる。
本発明の一面においては、本発明による細胞は、外因的に添加されたサイトカインがない環境(「サイトカインフリー」)で培養される。「サイトカイン」は、ある細胞亜集団から放出され、例えば免疫反応の生成や制御において細胞内メディエイターとして作用する、可溶性タンパク質についての一般的な用語である。Human Cytokines : Handbook for Basic & Clinical Research (Aggrawal, et al. eds., Blackwell Scientific, Boston, Mass. 1991) (これは全ての目的のために本明細書にその全体において参照により組み込まれる)。サイトカインは、例えばIL-1〜IL-15、腫瘍壊死因子α&β、インターフェロンα、βおよびγ、腫瘍増殖因子ベータ(TGF-β)コロニー刺激因子(CSF)および顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)を含む。
その標的細胞における各サイトカインの作用は、細胞表面の受容体への結合を介する。サイトカインは、ホルモンの多くの特性を共有しているが、古典的なホルモンが一般的に組織内で近隣の細胞に局所的に作用する点において、古典的なホルモンとは明確に区別される。
本発明の他の面においては、本発明による細胞は、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および造血細胞の分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で培養される。「接種された問題細胞を含まない」とは、細胞培養チャンバーが、造血前駆細胞の生存、増殖または分化を促進する接種物としてチャンバーに独立して導入される間質細胞を含まないことを意味するが、単離された血液産物中に天然に含まれ、単離された血液産物の接種における培養中で生存し増殖し得る間質細胞は除外される。
ここで用いられる「間質細胞」は、他の細胞および要素を有するかまたは有さない線維芽細胞および間葉細胞を含み、引き続く造血前駆細胞の接着および増殖を助ける条件を確立するのに用いられ得る。線維芽細胞は、あらゆる組織または臓器から生検により得ることができ、胎児線維芽細胞を含んでもよい。これらの線維芽細胞および間葉細胞に、例えば、上記の造血成長因子のうちの1つをコードする外来性DNAをトランスフェクトしてもよい。
「間質細胞で調整された培地」とは、上記間質細胞がインキュベートされた培地をいう。前記インキュベーションは、間質細胞に培地中へ因子を分泌させるのに充分な期間行われる。このような「間質細胞で調整された培地」は、その後、造血前駆細胞の培養に補充するのに用いられてもよく、その増殖および/または分化を促進する。
したがって、細胞は、上述の剤を全く有さずに培養される場合には、ここでは、血清、通常の栄養培地、あるいは、造血前駆細胞を含む、単離され、非分画または分画された血液産物の中に存在し得るものを除き、かかる剤の添加なしに培養されることを意味する。
造血細胞の培養は、好ましくは、このような細胞の数および/またはこのような細胞のコロニー形成能を増加させる条件下で行われる。用いられる前記の条件は、当該技術分野において既知である条件の組み合わせ(温度、CO2およびO2の含量、栄養培地など)を指す。細胞の数が増加するのに充分な時間は、当業者により容易に決定され得、そして、播種された細胞の元の数に依存して変化し得る時間である。例としては、培地の変色がコンフルエンシー(confluency)の指標となる。さらに、より正確には、異なる体積の血液産物が同一の条件下で培養されてもよく、細胞は一定の時間間隔を経てハーベストされカウントされ、それにより「対照曲線(control curve)」を作製する。これらの「対照曲線」は、後で、細胞数を推定するのに用いられる。本発明によれば、造血細胞を培養するための好ましい時間は7日である。この期間は、数日まで延長されてもよいが、本出願人は、特定の条件下で、7日での細胞数と比べた場合に、14日までに総細胞数および造血細胞数が減少することを発見した。
コロニー形成能を決定するための条件は、同様に決定される。コロニー形成能は、細胞が子孫をつくる能力である。このためのアッセイは、当業者によく知られており、半個体培地に細胞を播種し、成長因子を処置して、コロニーの数をカウントすることを含む。
ここで用いられるように、対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたはげっ歯類である。ヒト造血前駆細胞およびヒト対象は、特に重要な態様である。本発明によれば、細胞の一定量が、インビトロで細胞培養チャンバーに導入され、そして、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、ならびに造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、培養される。
本発明は、以下の例を参照することにより、さらに充分に理解されるであろう。しかしながら、これらの例は、単に本発明の態様を詳述することを意図しているだけであり、本発明の範囲を限定するために構成されるものと解されるべきではない。

細胞の分離および培養:
CD34細胞造血前駆細胞は、フィコール(Ficoll)分離およびマグネチック抗ヒトCD34ビーズ(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)により、ヒト動員末梢血(mPB)から単離された単核細胞由来であった。
CD34+造血前駆細胞はまた、ヒト骨髄または臍帯血由来であってもよい。これらの源はPoietics, Gaithersburg, MDから市販されている。いくつかの場合においては、マグネチックビーズ分離ステップの後に、抗イディオタイプ(idiotype)抗体(例えばDetachabead, Dynal)を用いているビーズからの分離を行ってもよい。
50万個のCD34+細胞を、標準的な48ウェル組織培養プレート(Becton Dickinson/Falcon, Bedford, MA)の各ウェルに播種した。培養物には、5%のプールされていたヒトAB血清が補充された、0.35〜1 mlのQBSF-60液体培地(Quality Biological, Gaithersburg, MD)を用いた。培養物は、37℃、5%CO2インキュベーター中で、7〜14日間インキュベートした。
培養期間の後、全ての非接着細胞を各ウェルからハーベストして、カウントし、表面抗原を染色した。細胞数および生存率は、トリパンブルー(Trypan Blue)の排出およびNuebauer 血球計算板(Haemocytometer)上での計数により決定した。
結果:
ハーベスト時の平均細胞数は、136万個の生細胞であった。これは、インプットした細胞数に対して2.6倍の増加である。ハーベスト時の細胞生存率(89.1%)は、インプット時の生存率(92.3%)とほとんど同じであることが見出された。これらの結果を図1および2に示す。
CD34+の集団を調べた場合にも同様の結果がみられた。ハーベスト時のCD34+細胞の平均数は、979,000であった。これは、インプットに対して2.1倍の増加を表している。CD34マーカー陽性細胞の平均パーセントは、インプットおよびアウトプット集団の両方において同様であった(92.0% v. 87.5%)。これらの結果を図3および4に示す。
前駆細胞の分布を評価するために、表面の表現型の決定に用いられる抗体は、抗CD34(Qbend10, Beckman/Coulter, Brea, CA)、抗CD38および抗CD45 (両方ともBD Immunocytometry, San Diego, CA)抗体を含む。細胞のフローサイトメトリー解析は、FACSCalibur機器(Becton Dickinson)を使用し、マルチパラメータ(multi-parameter)FACScanフローサイトメトリー解析を用いて行った。補正を設定するための適切な単色染色とともに、適切な対照は、陽性および陰性クオドラント(quadrant)を設定するための適合したアイソタイプ(isotype)抗体を含んでいた。各サンプルに対して、少なくとも10,000 のリストモード(list mode)が収集された。
サイトカインフリー培養からハーベストされた造血前駆細胞のインビトロアッセイ:
(上記の通り7〜14日間培養された)HPCのミエロイド(myeloid)および赤血球系(erythroid)コロニーの産生能は、従来のメチルセルロースアッセイを用いて示すことができる。典型的なメチルセルロースアッセイが以下に記載されているが、当業者は、過度の実験をすることなく、必要に応じて前記のアッセイを改変することができるであろう。
上記の通りに培養物から単離された同数の細胞を、1.33×104細胞/mlの密度で、サイトカイン (IL-3 20ng/ml;GM-CSF 30ng/ml;エリスロポエチン 3IU/ml;幹細胞刺激因子50 ng/ml;全てStem Cell Technologies, Vancouver, CA)に加えて0.5mlのDMEM (2% のFCS, 10IU/mlのペニシリン、10pg/mlのストレプトマイシン、1 mMのL-グルタミン)を含む、3.5mlのメチルセルロース培地に加える。この混合物の1.5mlを泡立てないようにシリンジととがっていない注射針を用いて、決められたペトリディッシュに添加する。各条件について、二反復にてアッセイを行う。その後、2つの二反復によるペトリディッシュを5%COで37℃のインキュベーターに10〜21日間置く。10〜21日後、コロニーの数を手作業でカウントすることにより決定する。陽性コロニーは、20個以上の細胞が集積していることを基準として決められる。赤血球系コロニーは、14〜21日後、ヘモグロビンを示す金茶色(gold-brown)の色素に基づいて決定され、一方、ミエロイドコロニーは、その主として透明な外見により同定される。カウントは、二反復にて行う。
サイトカインフリー培養からハーベストされた造血前駆細胞のインビボアッセイ:
培養されたHPC(上記の通り培養された)の増殖能および分化能も、また、当該技術分野において既知の動物モデルを用いてインビボで示すことができる。これらのビボアッセイは、HPCの複数のタイプの血液細胞子孫の産生能(例えば、多分化能)、自己再生能、および/または宿主における移植体の生着(engraft)能を示す。そのようなモデルの1つは、亜致死放射線照射免疫不全非肥満性糖尿病−重症複合型免疫不全症(sublethally-irradiated immunodeficient nonobese diabetic-scid)/scid(NOD/SCID)マウスである(Conneally E, et al.,Proc Natl Acad Sci U S A, 1997,94 : 9836-41)。簡潔には、本発明の上述の方法により培養されたHPCを、亜致死放射線照射免疫不全NOD/SCIDマウスに静注し、かかる受容対象の骨髄を、移植後6〜8週後に、移植体の生着について調べる(例えば、CD34CD19+(Bリンパ球)およびCD34+(ミエロイド)コロニー形成細胞の子孫の両方を産生する細胞の頻度を測定するために限界希釈法を用いることにより)。
均等物
当業者は、本明細書に記載された本発明の特定の態様と均等なものの多くを認識し、また、日常的な実験を超える用いることなく確かめることができるであろう。かかる均等物は下記特許請求の範囲に包含されることが意図される。本明細書で開示された全ての参考文献は、その全体において参照により組み込まれる。
7日間のサイトカインフリーでの幹細胞増殖培養における、平均総細胞数のヒストグラムである。 7日間のサイトカインフリーでの幹細胞増殖培養における、平均細胞生存率のヒストグラムである。 7日間のサイトカインフリーでの幹細胞増殖培養における、CD34+細胞の平均数のヒストグラムである。 7日間のサイトカインフリーでの幹細胞増殖培養における、CD34+細胞の平均パーセントのヒストグラムである。

Claims (20)

  1. 造血前駆細胞のインビトロ培養のための方法であって:
    培養チャンバーに一定量の造血前駆細胞を導入すること、ならびに、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、前記細胞を培養することを含む、前記方法。
  2. 環境が、インターロイキン3、6および11、Tpo、幹細胞刺激因子ならびにFLT/FLKリガンド成長因子を含まない、請求項1に記載の方法。
  3. 環境が、造血成長因子を含まない、請求項1に記載の方法。
  4. 導入するステップの前に、血液産物から造血前駆細胞を得ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 血液産物が、動員末梢血または動員臍帯血である、請求項4に記載の方法。
  6. 培養チャンバーに導入された量に対して造血前駆細胞の数が増加するのに充分な条件下および時間で、造血前駆細胞が培養される、請求項1に記載の方法。
  7. 培養するステップの後に、細胞をハーベストすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される、外因的に添加される剤の少なくとも1種の中で、ハーベストされた造血細胞を培養することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 1回目のハーベストで得られた造血細胞を、外因的に添加される剤の存在下で培養すること、および
    少なくとも1回のさらなるハーベストで得られた造血細胞を、外因的に添加される剤の存在下で培養すること、
    をさらにを含む、請求項8に記載の方法であって、
    前記外因的に添加される剤は、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される、前記方法。
  10. 造血系由来の分化した細胞を産生するための、造血前駆細胞のインビトロ培養のための方法であって:
    第一の培養ステップにおいて、第一の量の造血前駆細胞を、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および造血細胞の分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、前記第一の量に対して造血前駆細胞の数またはコロニー形成ユニットが増加する条件下および時間で培養し、それにより第二の量の造血前駆細胞を産生すること、そして、第二の培養ステップにおいて、造血系由来の分化した細胞を産生するために、前記第二の量の造血前駆細胞の少なくとも一部を、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される剤の少なくとも1種が含有される環境において、培養することを含む、前記方法。
  11. 第一の培養ステップの環境が、インターロイキン3、6および11、Tpo、幹細胞刺激因子ならびにFLT/FLKリガンド成長因子を含まない、請求項10に記載の方法。
  12. 環境が、造血成長因子を含まない、請求項10に記載の方法。
  13. 第二の培養ステップが、複数の第二の培養ステップであって、それぞれが第二の量の造血前駆細胞の一部のみを培養することを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 第一の培養ステップおよび第二の培養ステップの間に、ハーベストするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法であって、前記ハーベストするステップが、第二の培養ステップにおいて第二の量の少なくとも一部を培養する前に、第二の量の少なくとも一部をハーベストすることを含む、前記方法。
  15. ハーベストするステップが、時間間隔を隔てた複数のハーベストするステップを含み、そして、第二の培養ステップが、それぞれが各ハーベストするステップのための培養ステップである、複数の第二の培養ステップを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 造血前駆細胞が血液産物から得られる、請求項10に記載の方法。
  17. 血液産物が、動員末梢血または動員臍帯血である、請求項16に記載の方法。
  18. 造血系由来の分化した細胞を産生するための、造血前駆細胞のインビトロ培養のための方法であって:
    第一の培養ステップにおいて、培養造血前駆細胞を産生するために、造血前駆細胞を、血清以外に、接種された間質細胞、間質細胞で調整された培地、および造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する外因的に添加された造血成長因子がない環境で、培養すること、
    断続的にハーベストされた培養造血細胞の一部を複数作製するために、断続的に前記培養造血前駆細胞の一部のみをハーベストすること、
    複数の第二の培養ステップにおいて、造血系由来の分化した細胞を産生するために、断続的にハーベストされた一部の複数を培養することを含み、ここで、第二の培養ステップは、造血細胞の維持、増殖および/または分化を促進する造血成長因子、接種された間質細胞、ならびに間質細胞で調整された培地からなる群から選択される剤の少なくとも1種を含有する環境において行われる、前記方法。
  19. 第一の培養ステップの環境が、インターロイキン3、6および11、Tpo、幹細胞刺激因子ならびにFLT/FLKリガンド成長因子を含まない、請求項18に記載の方法。
  20. 環境が、造血成長因子を含まない、請求項18に記載の方法。
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