JP2005186382A - 濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定対象となる流体の透過光を測定し、その測定結果から前記流体の濃度を検出するに際し、測定対象となる流体の流量が等しい前記流体の流路において、測定光の流体通過長が異なる複数の条件下で透過光を測定し、この複数の透過光の測定結果から、前記流体の濃度を検出することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図5
Description
中でも特に、色材を含み、かつ、帯電した粒子(以下、色材粒子とする)をキャリア液に分散してなるインクを用いる静電式のインクジェットによる画像記録では、静電力等による泳動で吐出部(ノズル)に色材粒子を移動してインク液滴を吐出、すなわちインクを濃縮した状態でインクに静電力を作用させてインク液滴を吐出するので、安定して適正な画像記録を行うためには、インク濃度の管理は重要である。
これに対し、特許文献2には、このような光学的なインク濃度の検出手段を有するインクジェット記録装置や電子写真画像形成装置において、検出部の内部に、測定部内面に内接する弾性体からなるクリーニング部材を収容し、測定部内において、インク流を利用してクリーニング部材を往復動させることにより、検出部を清浄に保つクリーニング機構が開示されている。
他方、機械的に駆動するワイパー等によって測定部内を清掃することも考えられるが、検出部が大型化する、設計自由度が低減する、機構が複雑になる等の問題がある。
このような本発明の濃度検出方法において、径が異なる領域を少なくとも1個所有する管路を用い、この管路の各径の位置において前記透過光の測定を行うのが好ましい。
このような本発明の濃度検出装置において、前記第1の検出セルおよび第2の検出セルが、直列で設けられる互いに断面形状の異なる管であるのが好ましい。
このような本発明のインクジェット記録装置において、希釈液および所定濃度の前記インクを前記インクタンクに補充する補充手段を有し、この補充手段は、前記濃度検出装置によるインク濃度の検出結果に応じて、前記インクタンクへの希釈液および所定濃度のインクの補充量を決定するのが好ましい。
また、このような本発明の濃度検出装置を利用する本発明のインクジェット記録装置によれば、色材を含み、かつ、帯電した微粒子を分散媒に分散してなるインクを用いる静電式のインクジェット記録装置において、インク濃度の検出部の汚れの有無によらず、インク濃度を正確に検出し、この正確な濃度検出結果に応じて適正なインクの補充を行い、インク濃度を安定的に適正に保つことがきる。従って、本発明のインクジェット記録装置は、適正濃度のインクによって安定したインク液滴の吐出を行うことができ、これにより、高画質な画像を安定して記録することができる。
このインクジェット記録装置10は、色材を含む帯電した微粒子(以下、色材粒子とする)をキャリア液(分散媒)に分散してなるインクを用い、このインクに静電力を作用させることによりインク液滴を吐出する、静電式のインクジェット記録装置である。
このようなインクジェット記録装置10(以下、記録装置10とする)は、基本的に、記録媒体Pの保持手段12、搬送手段14、記録手段16、インク循環手段18、溶媒回収手段20、濃度検出手段22、および、インク補充手段24を有しており、これらを筐体26に収容して構成される。
後に詳述するが、濃度検出手段22は、本発明の濃度検出方法を実施する本発明の濃度検出装置によって、光学的にインク濃度を測定するものである。また、インク補充手段24は、好ましい態様として、濃度検出手段22による濃度検出結果に応じて、インクの補充を行う。
0は、記録媒体Pの取出部を前方にして、筐体26の内部に挿入されて、後端部(前記取出部と逆端側)を若干筐体から突出した状態で、所定の装填部に装填される。
また、フィードローラ32は、前記装填部に装填された給紙トレイ30の取出部に対応して配置される半月ローラである。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ34内に順次積層されて収容される。
フィードローラ32により給紙トレイ30から取り出された記録媒体Pは、次いで、搬送ローラ対36により挟持搬送され、搬送ベルト38表面の帯電装置44(スコロトロン帯電器44a)に対面する所定の位置に供給される。
この搬送ベルト38は、表面(記録媒体Pの静電吸着面)が絶縁性で、裏面(ローラ40との接触面)が導電性となっている。また、ローラ40のうちの少なくとも1つは、図示していない駆動源に接続されており、記録時には所定の速度で回転駆動され、これにより搬送ベルト38も記録媒体Pの搬送方向(図中矢印方向)に回転する。
搬送ベルト38内側の記録手段16(ヘッドユニット60)に対応する位置には、搬送ベルト38の内面に接触して、平板状の導電性プラテン42が配置されている。
この位置に搬送された記録媒体Pの表面は、スコロトロン帯電器44aにより所定の負の高電位(例えば、約−1.5kV)に均一に帯電される。搬送ベルト38の表面は絶縁性であり、この負の高電位の帯電により、記録媒体Pは、搬送ベルト38の表面に静電吸着され、搬送ベルト38の回転によって、同方向に搬送され、記録手段16に搬送され、静電式のインクジェットによる画像記録に供される。記録手段16については、後に詳述する。
また、記録媒体Pに帯電した負の高電位は、後述する静電式のインクジェットにおけるインク液滴吐出のバイアス電圧として作用し、さらに、搬送ベルト38による記録媒体Pの搬送は、インクジェット記録における記録媒体Pの走査搬送(主走査)となる。
除電装置46は、コロトロン除電器46aと、高圧電源46bとを備えている。コロトロン除電器46aは、搬送ベルト38の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源46bの一端はコロトロン除電器46aに接続され、他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン除電器46aにより除電される。これにより、記録媒体Pを、搬送ベルト38から分離し易くなる。
定着ローラ対52は、少なくとも一方がヒートローラとなっている搬送ローラ対である。記録媒体Pは、定着ローラ対52により挟持搬送されつつ、静電式のインクジェットによって記録された画像が加熱定着される。
画像を定着された記録媒体Pは、定着ローラ対52によって排出部から排出され、排出トレイ34内に、順次、積層される。
記録手段16は、静電式のインクジェットによって、記録媒体Pに画像を記録するものであり、ヘッドユニット60と、ヘッドドライバ62と、記録媒体Pの位置検出装置64とを備えている。
従って、図示例の記録装置10においては、C、M、YおよびKの各記録ヘッド70に、それぞれ、後述するインク循環手段18、濃度検出手段22、およびインク補充手段24が備えられる。図示例において、各色の記録ヘッド70に対するこれらの部位は、例えば、図1紙面に垂直方向に配列して、配置される。
なお、本発明のインクジェット記録装置は、このようなラインヘッドを用いるものに限定はされず、記録媒体Pを断続的に搬送しつつ、この搬送に同期して、記録ヘッドを搬送方向と直交方向する方向に走査する、いわゆるシャトルタイプの記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置であってもよい。
記録装置10においては、前述のように、帯電手段44によって負の高電圧に帯電(バイアス電圧を帯電)されて搬送ベルト38に静電吸着された記録媒体Pを、搬送ベルト38によって搬送しつつ、ヘッドドライバ62による制御の下、記録画像すなわち供給された画像データに応じて記録ヘッド70の各吐出部を変調駆動して吐出をon/offすることにより、インク液滴Rをオンデマンドで吐出して、記録媒体Pに目的とするフルカラー画像を記録する。
ヘッド70において、ヘッド基板72と吐出基板74は、互いに対面して所定の間隔離間して配置され、その間に、各吐出口96にインクQを供給するためのインク流路78が形成される。インクQは、インク循環手段18によってインク流路78を含む所定の経路で循環され、記録時には、インク流路78内を所定方向に所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で、例えば、図中矢印a方向に流される。
浮遊導電板80には、画像の記録時に、後述する第1制御電極82および第2制御電極84に印加される駆動電圧に応じて誘起される誘導電圧が発生する。また、誘導電圧の電圧値は稼動チャンネル数に応じて自動的に変化する。この誘導電圧により、インク流路78内のインクQに含まれる色材粒子は付勢されて吐出基板74側に泳動し、すなわち、後述する吐出口96のインクQの濃縮が、より好適に行われる。
ヘッド70においては、互いに対応する第1制御電極82、第2制御電極84、吐出口96、およびインクガイド76等によって、1つのインクの吐出部が構成される。
なお、第1制御電極82および第2制御電極84はリング状の円形電極に限定されず、インクガイド76に臨むように配置される電極であれば、例えば略円形電極、分割円形電極、平行電極、略平行電極など、どのような形状であっても良い。
ヘッド70は、ラインヘッドであり、この行方向に記録媒体Pの幅方向に対応する吐出部の列(ノズル列)を有している。従って、4つのヘッド70は、行方向を図1紙面と垂直方向に一致した状態で、列方向に配列され、記録媒体Pは搬送ベルト38によって、列方向に(主走査)搬送される。
各行の吐出部は、列方向に対して所定の間隔離間して配置される。また、各行は、吐出部を行方向に互いに1/3ピッチずらして、自身の吐出部が他行の吐出部の間(行方向の間)に位置するように配置される。
また、図3(B)に示すように、同じ列に配置された吐出部の第1制御電極82は、相互に接続され、かつ、図3(C)に示すように、同じ行に配置された吐出部の第2制御電極84は、相互に接続されている。
さらに、図示は省略するが、第1制御電極82および第2制御電極84は、それぞれ、駆動電圧(パルス電圧)を印加して、各電極を変調駆動してインク液滴Rの吐出をon/offするための、パルス電源に接続されている。
また、記録媒体Pに記録される1行は、列方向に対して、第2制御電極84の行数に相当する3つのグループに分割され、A行、B行およびC行の各行によって、時分割で順次記録される。
例えば、図2に示す例の場合、第2制御電極84のA行目、B行目、C行目を所定のタイミングで順次onする。この駆動に対応して、第1制御電極82を画像データ(記録画像)に応じて変調駆動(on/off)することにより、時分割した3回の画像記録によって、記録媒体P上に1行分の画像が記録される。前述のように、記録媒体Pは、列方向に搬送されるので、行方向(副走査方向)に、各行の有する記録密度(吐出部密度)の3倍の記録密度の画像記録を行うことができる。
ガード電極88には所定の電圧が印加されており、隣接する吐出部のインクガイド76の間に生じる電界干渉を抑制する役割を果たす。
なお、ガード電極88は必須の構成要素ではない。また、吐出基板74には、第1制御電極82または第2制御電極84からのインク流路78方向への反発電界を遮蔽するために、第2制御電極84よりインク流路78側にシールド電極を設けても良い。
なお、先端部分96(最先端部)は、金属が蒸着されているのが好ましい。この先端部分96の金属蒸着は必須の要素ではないが、これにより、先端部分96の誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせ易くできるという効果がある。
そして、各々の吐出部から吐出されたインク液滴Rは、負のバイアス電圧を帯電された記録媒体Pに引き寄せられ、記録媒体Pの所定位置に付着して画像が形成される。
この場合、列方向は第1制御電極82の1列毎にonされ、列方向のそれぞれの吐出部を中心として、その両側の列の吐出部の第1制御電極82は常に接地レベルになるため、この両側の列の吐出部の第1制御電極26がガード電極88の役割を果す。このように、上層の第1制御電極82で各列を順次オンし、画像データに応じて下層の第2制御電極84を駆動する場合には、ガード電極88を設けなくても、隣接する吐出部の影響を排除し、記録品質を向上させることができる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、制御電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果は、ヘッドドライバ62に供給される。
ヘッドドライバ62には、スキャナやコンピュータ等の外部装置から画像データが入力される。ヘッドドライバ62は、位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果を参照して、記録媒体Pが所定位置に搬送された時点で、記録媒体Pの搬送タイミングおよび供給された画像データに応じた各制御電極の駆動信号を、ヘッドユニット60の各ヘッド70(そのパルス電源)に供給する。ヘッド70は、この駆動信号に応じて、前述のように、各行の第2制御電極84を順次駆動し、かつ、各列の第1制御電極82を画像データに応じて変調駆動する。これにより、各色のヘッド70から各色のインクが吐出され、記録媒体Pには、画像データに対応した画像が記録される。
なお、以下の例では、色材粒子は正荷電しており、従って、吐出onでは第1制御電極82および第2制御電極84には、正の駆動電圧が印加され、記録媒体Pには、負の高電圧(バイアス電圧)が帯電される。
また、前述のように、記録媒体Pは、帯電装置44によって負の高電圧に帯電されて、搬送ベルト38に静電吸着され、搬送ベルト38の回転によって搬送され、記録手段16のヘッドユニットに対面する位置に至る。
記録媒体Pに帯電する負の高電圧は、静電式のインクジェットにおけるバイアス電圧として作用し、また、記録媒体Pおよび搬送ベルト38は、ヘッド70の制御電極に対する対向電極として作用するのは、前述のとおりである。
また、このクーロン引力等によって、色材粒子は、いわゆる電気泳動でバイアス電圧が帯電された記録媒体Pに向かって移動する。すなわち、吐出口96のメニスカスにおいては、インクQが濃縮された状態となっている。
さらに有限な時間が経過すると曳糸が成長し、この曳糸の成長、レイリー/ウエーバー不安定性によって発生する振動、メニスカス内における色材粒子の分布不均一、メニスカスにかかる静電界の分布不均一等の相互作用によって曳糸が分断され、インク液滴Rとなって吐出/飛翔し、かつ、バイアス電圧にも引っ張られて、記録媒体Pに着弾する。
曳糸の成長および分断は、さらにはメニスカス(曳糸)への色材粒子の移動は、駆動電圧の印加中は連続して発生する。また、駆動電圧の印加を終了(第1制御電極82および第2制御電極84の少なくとも一方をoff)した時点で、バイアス電圧のみが印加された図2(B)のメニスカスの状態に戻る。
インク循環手段18は、インクタンク100、インク供給路102、およびインク回収路104を有し、インクタンク100〜インク供給路102〜ヘッド70(インク流路26)〜インク回収路104〜インクタンク100の経路で、インクタンク100内のインクQを循環する。
なお、インクタンク100内には、この経路でインクQを循環するためのポンプが内蔵される。また、インクタンク100は、色材粒子の沈降/堆積を防止するための撹拌手段や、インク吐出の安定性を向上するための温度調節手段を有するのが好ましい。
濃度検出手段22は、この透過光測定部110と演算部112とから構成され、インク循環手段18によって循環されるインクQの透過光を測定することにより、インクQの濃度(例えば、インクQにおける色材粒子の重量%)を検出する。ここで、この濃度検出手段22は、本発明の濃度検出方法を実施する本発明の濃度測定装置であって、複数(図示例では2つ)の検出セルにおいて透過光を測定することによって、インクQによる汚れ等に起因する誤差の無い、高精度なインクQの濃度検出を行う。
濃度検出手段22の透過光測定部110は、第1検出セル114および第1測定手段118と、第2検出セル116および第2測定手段120とを有する。
第1検出セル114および第2検出セル116は、共に、インク供給路102の途中に設けられる円管状の透明なインク流路である。また、第2検出セル116は、第1検出セルよりも小径で、第1検出セル114の下流に直列に設けられる。
両測定手段は、同じ光源および受光素子を用いるものであり、共に、対応する検出セルの検出面において透過光を測定するものである。すなわち、第1検出セル114(第1測定手段118)における測定光のインクQの通過長は、第2検出セル116(第2測定手段120)における測定光のインクQの通過長よりも長い。
比較演算部122は、第1濃度検出部121aおよび第2濃度検出部121bによる濃度検出結果を比較演算する部位であり、さらに、濃度検出部124は、比較演算部122による比較演算の結果(あるいはさらに、必要に応じて受光素子118bや120bによる測定結果)を用いて、インクQの濃度を検出して、後述するインク補充手段24(その補充要否判定部130)に供給する部位である。
当然のことであるが、インクQを循環すれば、検出セルには色材粒子等が付着し、次第に汚れてしまう。その結果、検出セルにおける透過光の測定結果は、この汚れを含んでしまい、インクQの濃度測定結果にも、検出セルの汚れに応じた誤差が生じる。
このように、測定対象となるインクQが同量流れすなわち汚れが等価で、かつ、測定光のインクQの通過長が異なる複数の検出セルによってインクQの透過光を測定し、複数の透過光の測定結果を比較することにより、検出セルの汚れを相殺して、検出セルの汚れの有無や状態によらず高精度にインクQの濃度検出を行うことができる。
ここで、検出セルによる測定光の吸収が無視できるものであり、かつ、第1検出セル114の内径(すなわち測定光の通過長)をd1、第2検出セル116の内径をd2とする。この際においては、第1検出セル114の透過光は、測定光から、距離d1だけインクQを通過した際における測定光の吸収分、および、第1検出セル114の汚れによる測定光の吸収分を減じた光となる。同様に、第2検出セル116の透過光は、測定光から、距離d2だけインクQを通過した際における測定光の吸収分、および、第2検出セル116の汚れによる測定光の吸収分を減じた光となる。
従って、第1検出セル114の透過光の測定結果から、第2検出セル116の透過光の測定結果を減算した結果は、測定光から、距離d3(=d1−d2)だけインクQを通過した際における測定光の吸収分を減じた透過光、すなわち、内径がd3で汚れが全く無い検出セルを想定し、この検出セルにインクQを流した際における透過光の測定結果と等しくなる。
また、検出セルの断面方向に異なる位置で透過光を測定することにより、測定光のインク通過長が異なる複数の検出手段を形成して、インクQの濃度を検出してもよい。
例えば、3つの検出手段を設けた際には、2つの検出手段の組み合わせが3つできるので、先と同様の方法で3つの濃度検出結果を出し、3つの平均値や中央値を濃度検出結果とする方法が例示される。
それに対して、このように多数の検出セルを複数設けることにより、この流速の違いによる汚れの差を相殺して、より正確な汚れ検出すなわち濃度測定を行うことができる。
さらに、検出セルの形状も図示例の円管に限定はされず、光透過性で、かつ、測定光のインクQ(流体)通過長が異なれば、四角柱状のセル等、各種のセルが利用可能である。
インク補充手段24は、補充要否判定部130、キャリア液補充部132、および高濃度インク補充部134を有して構成される。
なお、インク循環系内のインクQの量は、例えば、前の補充時からのインク吐出量を画像データや全吐出部の総吐出回数のカウントで求め、あるいはさらに予め測定した経時に対するインクの蒸発量を求めて算出すればよい。あるいは、インクQの循環を停止してインクタンク100内のインク量を測定してもよく、もしくは、循環時におけるインク供給路102、ヘッド70およびインク回収路104内のインク量は当然既知にできるので、循環中にインクタンク100内のインク量を測定することで求めてもよい。
他方、高濃度インク補充部134は、高濃度インク(色材粒子の量が多いインク)を充填するタンクを有し、補充要否判定部130が決定した補充量に応じて、高濃度インクをインクタンクに100に補充する。なお、本例においては、高濃度インクの濃度には、特に限定はなく、また、補充用の所定濃度のインクとして前記インクQの目的濃度と同濃度のインクを用いてもよく、さらに、互いに濃度の異なる複数の所定濃度のインクを用いて補充を行ってもよい。また、キャリア液を用いずに、所定濃度のインクのみで補充を行うようにしてもよい。
これに対し、本発明によれば、前述のように、濃度検出手段22において、検出セルの汚れによらず、インクQの濃度を高精度に測定して、インクQ(キャリア液および高濃度インク)の補充を行うことができる。従って、本発明の記録装置10では、適正濃度のインクQによって、安定したインク液滴の吐出を行って、高画質な画像を安定して記録することができる。
また、インクQの濃度検出および補充は、全ての色で同時に行ってもよく、各色毎に適宜行ってもよい。
溶媒回収手段20は、ヘッド70から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発するキャリア液や、画像定着時にインクから蒸発するキャリア液等を回収するもので、排出ファン140と、活性炭フィルタ142とを備えている。活性炭フィルタ142は、筐体26の上面(図中上側)の裏面に取り付けられ、排出ファン140は、活性炭フィルタ142の上に取り付けられている。
筐体22内部のキャリア液成分を含む空気は、排出ファン140により、活性炭フィルタ142を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれる分散溶媒成分は、活性炭フィルタ142によって吸着除去される。
記録装置10では、画像の記録時に、給紙トレイ30に収納された記録媒体Pがフィードローラ32により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対36により挟持搬送されて搬送ベルト38上の所定位置に供給される。
搬送ベルト38上に供給された記録媒体Pは、帯電装置44により負の高電位に帯電され、搬送ベルト38の表面に静電吸着される。この負の高電位は、搬送ベルト38への静電吸着のみならず、静電式インクジェットにおけるバイアス電圧として作用する。
これに同期して、ヘッドドライバ62は、位置検出装置64による記録媒体Pの検出結果を参照して、記録媒体Pの搬送タイミングおよび供給された画像データに応じた各制御電極の駆動信号を、ヘッドユニット60の各ヘッド70(そのパルス電源)に供給する。
ヘッド70では、これに応じて、各行の第2制御電極84を順次駆動し、かつ、各列の第1制御電極82を画像データに応じて変調駆動し、各色のヘッド70から各色のインクが吐出し、記録媒体Pに画像データに対応した画像を記録する。
ここで、記録装置10においては、例えば、定期的に、濃度測定手段22によってインクQの濃度測定を行い、その結果に応じて、インク補充部24によってインクタンク100にインクQを補充する。
濃度検出部124は、予め設定された内径d3の検出セルにおける透過光の測定結果と、インクQの濃度との関係を示すLUTを用い、比較部122から供給された減算結果から、インクQの濃度を検出し、インク補充部24に送る。
前述のように、濃度検出手段22によるインクQの濃度検出結果は、検出セルの汚れによる誤差を補正した、高精度なものであるので、キャリア液および高濃度インクの補充を適正に行うことができ、従って、適正濃度のインクQによって、高画質な画像記録を安定して行うことができる。
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 インク循環手段
20 溶媒回収手段
24濃度検出手段
26 インク補充手段
26 筐体
30 給紙トレイ
32 フィードローラ
34 排出トレイ
36 搬送ローラ対
38 搬送ベルト
40 ローラ
42 導電性プラテン
44帯電装置
46 除電装置
48 分離爪
50 ガイド
52 定着ローラ対
60 ヘッドユニット
62 ヘッドドライバ
64 位置検出手段
70 (記録)ヘッド
72 ヘッド基板
74 吐出口基板
76 インクガイド
78 インク流路
80 浮遊導電板
821制御電極
86 第2制御電極
86 絶縁性基板
88 ガード電極
90,92,94 絶縁層
96 吐出口
98 先端部分
100 インクタンク
102 インク供給路
104 インク回収路
110 測定部
112 演算部
114 第1検出セル
116 第2検出セル
118 第1測定手段
120 第2測定手段
121a 第1濃度検出部
121b 第2濃度検出部
122 比較部
124 濃度検出部
130 補充要否判定部
132 キャリア液補充部
134 高濃度インク補充部
Claims (6)
- 測定対象となる流体の透過光を測定し、その測定結果から前記流体の濃度を検出する濃度検出方法であって、
測定対象となる流体の流路において、測定光の流体通過長が異なる複数の検出個所で透過光を測定し、この複数の透過光の測定結果から、前記流体の濃度を検出することを特徴とする濃度検出方法。 - 径が異なる領域を少なくとも1個所有する管路を用い、この管路の各径の位置において前記透過光の測定を行う請求項1に記載の濃度検出方法。
- 検出セルに測定光を入射し、その透過光を検出することにより、検出セル内の流体の濃度を検出する濃度検出装置において、
測定対象となる流体の流路を形成する第1の検出セルと、前記第1の検出セルとは測定光通過長が異なる第2の検出セルと、前記第1の検出セルおよび第2の検出セルに測定光を入射し、それらの透過光を検出する検出手段と、前記検出手段で得られた複数の測定結果を用いて、前記流体の濃度を検出する演算手段とを有することを特徴とする濃度検出装置。 - 前記第1の検出セルおよび第2の検出セルが、直列で設けられる互いに断面形状の異なる管である請求項3に記載の濃度検出装置。
- 帯電した微粒子を分散媒に分散してなるインクを、静電力によって吐出する静電式のインクジェット記録装置であって、前記インクに静電力を作用して吐出する静電式のインクジェットヘッドと、前記インクを貯留するインクタンクと、前記インクジェットヘッドおよびインクタンクを含む所定の経路で、前記インクを循環する循環手段と、前記循環手段によるインク循環経路中に前記検出部が配置される、請求項3または4に記載の濃度検出装置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 希釈液および所定濃度の前記インクを前記インクタンクに補充する補充手段を有し、この補充手段は、前記濃度検出装置によるインク濃度の検出結果に応じて、前記インクタンクへの希釈液および所定濃度のインクの補充量を決定する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
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-
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- 2003-12-25 JP JP2003429110A patent/JP4482325B2/ja not_active Expired - Lifetime
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