JP2005009205A - 金属屋根構造、金属屋根施工方法及び制振性接着剤 - Google Patents

金属屋根構造、金属屋根施工方法及び制振性接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】制振・防音性能に優れ、屋根材の大幅な重量増を伴うことなく、コストが安く、現場での施工が容易である金属屋根構造、金属屋根施工方法、及び該金属屋根に好適に用いられる制振性接着剤を提供する。
【解決手段】金属製の屋根葺材と制振性接着剤層と下地材とからなる金属屋根構造であって、該屋根葺材の下面と拘束層となりうる下地材の上面とを中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、降雨時に金属製の屋根葺材に発生する騒音(雨音)を軽減させることができる金属屋根構造、金属屋根施工方法及び制振性接着剤に関する。
【0002】
【関連技術】
戸建て住宅の屋根材として、粘土瓦、スレート瓦等の窯業系屋根材の他、主に積雪寒冷地を中心として金属製の屋根葺材が使用されている。
【0003】
金属製の屋根葺材は一般的に軽量性・防水性・不燃性・加工性に優れ、屋根勾配、屋根形状に対応の自由度が高い反面、金属製の屋根葺材には通常薄い材料を使用することから、降雨時に雨音が発生し、室内騒音が大きいという問題がある。
【0004】
図3は、従来の金属屋根構造の一例を示す断面概略説明図である。同図において、符号200は、従来の金属屋根構造であり、該金属屋根構造200は、金属製の屋根葺材10,下葺材16及び野地板14から構成される。図3に示した如く、通常の金属屋根の施工方法は、屋根の下地となる野地板14の室外側表面にアスファルトルーフィングまたはゴムアス系ルーフィング等の下葺材16を施工し、さらにその上に金属板等の金属製の屋根葺材10をビスまたは釘などで打ち付けるものである。また、さらには必要に応じて屋根葺材の室内側に断熱材が施工されることがある。
【0005】
上記した金属製の屋根葺材における降雨時の雨音による室内騒音の問題を解決するために、すでにいくつかの提案がなされている。例えば、金属屋根板の室内側ないしは室外側に瀝青炭系の制振塗料を塗布するものがあるが、塗装工事に時間がかかり、コストの上昇を招いてしまう。
【0006】
また、粘弾性層とアルミニウム箔の拘束層による制振シートを金属屋根板の室内側に貼着するもの、並びに金属屋根板の裏面に、断熱材又は吸音材を接着剤で貼り付けるものもあるが、雨音に対しての制振・防音効果が不十分である、乃至金属屋根板に制振材や断熱材、吸音材等を貼着する際に特殊な装置が必要であり、施工の手間がかかるとともに、予め工場等で該加工を施した屋根材を生産せねばならず、工場等から屋根材を運搬する際に屋根材が嵩張ったり、重量が増加したりしてコストアップを招く等の問題が生じていた(特許文献1及び2等参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−173164号公報
【特許文献2】
特開2000−64512号公報
【特許文献3】
特開昭50−156599号公報
【特許文献4】
特開昭52−73998号公報
【特許文献5】
特開昭58−10418号公報
【特許文献6】
特開昭62−230822号公報
【特許文献7】
特開昭63−12677号公報
【特許文献8】
特開昭60−31556号公報
【特許文献9】
特開昭60−228516号公報
【特許文献10】
特開昭63−112642号公報
【特許文献11】
特開平1−131271号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、制振・防音性能に優れ、屋根材の大幅な重量増を伴うことなく、コストが安く、現場での施工が容易である金属屋根構造、金属屋根施工方法、及び該金属屋根に好適に用いられる制振性接着剤を提供することを目的とする。
【0009】
本発明によれれば、金属製の屋根葺材と下地材とを現場にて制振性接着剤を用いて接着施工することができるため、屋根葺材の形状、屋根葺きの態様等に自由に対応でき、かつ金属屋根材をあらかじめ工場等で生産する際に制振材、または吸音材等を貼着する場合の設備投資も不要となり、また、工場等から屋根材を運搬する際に屋根材がかさばったり、重量が増加する問題を解決することができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の金属屋根構造は、金属製の屋根葺材と制振性接着剤層と下地材とからなる金属屋根構造であって、該金属製の屋根葺材の下面と拘束層となりうる下地材の上面とを中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減することを特徴とする。
【0011】
なお、本発明において、中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤とは、中央支持定常加振法(JIS G 0602−1993)に従って、ガルバニウム鋼板(厚さ0.4mm)とアスファルトルーフィング(厚さ1.0mm)とを接着剤(塗布量:500g/m)を用いて接着させた試験片(250mm×15mm)の損失係数(損失係数算出方法−半値幅法、測定温度20℃)を測定したときの損失係数が0.05以上である接着剤を意味する。本明細書において、損失係数は上記条件で測定したものとする。
【0012】
本発明の金属屋根構造において、上記屋根葺材が複数敷設された金属屋根構造の場合、さらに、上記屋根葺材の接続部同士も上記制振性接着剤を用いて接着されていることが好ましい。
【0013】
本発明の金属屋根施工方法は、金属製の屋根葺材と拘束層となりうる下地材とを中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減することを特徴とする。下地材としては、例えば、金属、木材、アスファルト系、ゴムアス系等の材料が好適に用いられる。
【0014】
本発明の金属屋根施工方法において、上記屋根葺材が複数敷設された金属屋根構造を有する金属屋根を施工する場合は、さらに、屋根葺材の接続部同士も前記制振性接着剤を用いて接着することが好ましい。
【0015】
本発明の制振性接着剤は、本発明の金属屋根構造及び金属屋根施工方法において用いられる制振性接着剤であって、その硬化皮膜物性が伸び率100〜2000%、好ましくは伸び率100〜1000%、かつ100%伸びモジュラスが0.1〜2.0MPaであることを特徴とする。
【0016】
上記制振性接着剤が、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の可撓性樹脂を含有することが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能であることはいうまでもない。なお、添付図面において同一部材は同一符号で示されている。
【0018】
本発明の金属屋根構造は、金属製の屋根葺材と制振性接着剤層と下地材とからなり、金属製の屋根葺材の下面と拘束層となりうる下地材の上面とを制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減することを特徴とする。なお、本明細書において、制振性接着剤層の伸縮を拘束するように作用する層を拘束層と称する。また、本明細書において、中央加振法による損失係数が0.05以上である接着剤を制振性接着剤と称する。
【0019】
本明細書において、下地材とは、野地板や下葺材等、屋根葺材の室内側にもうけられる部材の総称である。下地材は、野地板のみで構成されていても良く、野地板及び該野地板上に敷設された下葺材から構成されていても良い。さらに、下葺材もしくは野地板の室内側に断熱材等を有する構成とすることもできる。
【0020】
本発明において、拘束層となりうる下地材としては、例えば、金属、木材、アスファルト系、ゴムアス系等の材料からなる部材を用いることができる。断熱材として用いられる伸縮性のあるポリエチレンフォーム(PEF)等を拘束層として用いると、降雨等が金属屋根を加振した際に、制振性接着剤による十分な減衰効果が得られないことがあり、好ましくない。
【0021】
図1は、本発明の金属屋根構造の第1の実施の形態を示す摘示断面説明図である。図1において、符号100aは本発明の金属屋根構造で、金属製の屋根葺材10と、下地材12とを有する。図1の構成において、下地材12は、野地板14及び下葺材16とからなり、下葺材16が拘束層として利用されている。
【0022】
金属製の屋根葺材10としては、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板、銅板・銅合金板、塗装ステンレス鋼板、表面処理ステンレス鋼板、アルミ板・アルミ合金板等の従来公知の屋根用金属板が用いられ、特に限定されない。金属板の形状や屋根葺きの態様等も特に限定されず、横葺き、段葺、平葺、瓦棒葺等、自由に選択することができる。野地板14としては、例えば、通常の金属屋根の施工に用いられる合板等が用いられる。下葺材16としては、防水性の向上等を目的とした、アスファルトルーフィング、ゴムアス系ルーフィング、アスファルトフェルト等のシート状材料が好適に用いられる。
【0023】
20は、制振性接着剤層で、金属製の屋根葺材10の下面と下地材12の上面、図1においては下葺材16の上面とを全面又は部分的に接着する。この制振性接着剤層に用いられる接着剤としては、中央加振法による損失係数が0.05以上、より好ましくは0.1以上の値を有する制振性接着剤が用いられるが、後述する本発明の制振性接着剤を用いることが好適である。
【0024】
図2は、本発明の金属屋根構造の第2の実施の形態を示す摘示断面説明図である。図2において、符号100bは本発明の金属屋根構造で、金属製の屋根葺材10と、下地材12とを有する。図2の構成において、下地材12は、野地板14からなり、該野地板14が拘束層として利用されている。下葺材16を有さず、制振性接着剤層20が、金属製の屋根葺材10の下面と野地板14の上面を全面又は部分的に接着する点が図1と相違し、その他の構成は図1と同様であるので、その再度の説明は省略する。
【0025】
本発明の金属屋根施工方法は、金属製の屋根葺材と拘束層となりうる下地材とを制振性接着剤を用いて接着する方法である。制振性接着剤の塗布方法としては、特に限定されず、制振性接着剤を下地材の上面及び/又は金属製の屋根葺材の下面に対し、全面又は部分的に塗布すればよい。塗布量も特に限定されないが、1m当たり100g〜1000g程度の範囲が好適であり、300g〜1000gの範囲がさらに好ましい。
【0026】
本発明の金属屋根施工方法の一例として、上述した本発明の金属屋根構造の第1の態様を施工する場合について説明する。野地板の上面にタッカーを用いた打ち付け等によって下葺材を敷設した後、制振性接着剤を下葺材の上面及び/又は金属製の屋根葺材の下面に対し全面又は部分的に塗布し、下葺材の上面と金属製の屋根葺材の下面とを貼り合わせ、接着させる。なお、複数の屋根葺材を部分的に重ねて敷設する場合、該屋根葺材の接合部同士を制振性接着剤を用いて接着することが好ましい。その後、金属製の屋根葺材の上面からビスまたは釘などで打ち付け、金属製の屋根葺材と下地材とを固定する。
【0027】
なお、上述した本発明の金属屋根構造の第2の態様を施工する場合は、制振性接着剤を野地板の上面及び/又は金属製の屋根葺材の下面に対し全面又は部分的に塗布し、野地板の上面と金属製の屋根葺材の下面とを貼り合わせ、接着させた後、金属製の屋根葺材の上面からビスまたは釘などで打ち付け、金属製の屋根葺材と下地材とを固定する方法が用いられる。
【0028】
本発明の制振性接着剤は、上記金属屋根構造及び金属屋根施工方法に好適に用いられる中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤であって、硬化皮膜物性が伸び率100〜2000%、好ましくは100〜1000%の範囲であり、かつ100%伸びモジュラスが0.1〜2.0MPaの範囲である。
【0029】
上記制振性接着剤としては、特に限定されないが、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及び変成シリコーン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の可撓性樹脂を主成分として含有するものが好ましい。さらに、湿気硬化型の制振性接着剤が、現場での施工が容易であり好適である。
【0030】
上記可撓性樹脂としては特に制限されないが、可撓性樹脂のみ、もしくは可撓性樹脂と硬化触媒のみで硬化させた際の硬化皮膜物性が伸び率100%以上で、かつ樹脂組成物の硬化皮膜物性が伸び100%以上であることが望ましい。可撓性樹脂のみを硬化させた硬化皮膜物性が伸び率100%未満では、制振性接着剤の硬化皮膜物性が低伸び、高モジュラスになりやすく、制振、防音性能が十分に得られないことがある。これら可撓性樹脂は単独で用いても良く、2以上併用しても良い。
【0031】
上記可撓性樹脂としては、プライマーを使用する必要がなく、無溶解型で耐久性、接着性に優れる、変成シリコーン樹脂がより好適である。変成シリコーン樹脂とは、反応性珪素基を有する高分子化合物であり、例えば、特許文献3〜6等で提案されたような化合物、特許文献7で示されたような加水分解可能な基が結合した珪素原子を分子中に少なくとも2個以上有する有機シリコン系化合物、特許文献8〜11で提案された珪素基を有するオキシアルキレン重合体と珪素基を有する(メタ)アクリレート(共)重合体よりなる組成物が挙げられる。
【0032】
本発明の制振性接着剤に、さらに、石油樹脂、可塑剤、無機粉体、硬化触媒及びシラン化合物等の添加剤をそれぞれ必要に応じて適宜添加することが好ましい。
【0033】
上記石油樹脂としては特に限定されないが、熱可塑性樹脂に対する相溶性、および上記可撓性樹脂に対する硬化阻害を考慮すると、たとえば炭素数が5ないし9のC5、C9系樹脂,スチレン系(共)重合体等が好ましい。
【0034】
上記可塑剤としては特に限定されないが、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤の他、液状樹脂、高沸点溶剤等も使用できる。
【0035】
上記無機粉体としては特に限定されないが、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、等が使用できる。
【0036】
上記樹脂組成物において、各成分を添加する場合の含有量は特に限定されないが、可撓性樹脂100重量部に対し、石油樹脂が10〜500部、可塑剤が10〜200部、無機粉体が100〜1000部の範囲でそれぞれ配合することが好ましい。
【0037】
接着剤の粘度が低すぎると液だれ、糸引きを起こし施工しづらく、また粘度が高すぎると接着剤の塗布作業がしづらく、広範囲での施工が困難になることから、粘度は100〜800Pa・s(20℃)が好ましく、より好ましくは150〜500Pa・s(20℃)である。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0039】
(実施例1〜3)
実施例1〜3において用いた制振性接着剤の組成を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2005009205
【0041】
表1における配合物質の配合量は重量部で示され、(*1〜*13)は次の通りである。
*1:ポリ(メチルジメトキシシリルエチルエーテル)(商品名:SAT200、鐘淵化学工業(株)製)
*2:商品名:A2350、武田薬品工業(株)製
*3:商品名:KE41、信越化学工業(株)製
*4:スチレン系重合体(商品名:FTR−8120、三井化学工業(株)製)
*5:フタル酸ジイソニル
*6:商品名:カルファイン200M、丸尾カルシウム(株)製)
*7:商品名:R972、日本アエロジル社製
*8:商品名:クラウンタルク、松村産業(株)製
*9:ジブチルスズオキサイドのフタル酸ジオクチル溶液(商品名:918、三共有機合成(株)製)
*10:ジブチルチンジラウレート
*11:アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:A1100、ユニカー製)
*12:商品名:KBM503、信越化学工業(株)製
*13:ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM1003、信越化学工業(株)製)
【0042】
下記の如く、得られた制振性接着剤の評価を行った。結果を表2に示す。
【0043】
(1)硬化皮膜物性
上記制振性接着剤を離型紙上に厚さ2mmになるように塗布し、硬化させることで硬化皮膜を作成した。養生期間は23℃55%RHで2週間とした。上記で得られた制振性接着剤の硬化皮膜の伸び率、及び硬化皮膜が100%伸びた時点でのモジュラスを測定した。
【0044】
(2)損失係数の測定
0.4mm厚のガルバニウム鋼板を250mm×15mmに切断し、500g/mとなるように上記制振性接着剤を用いてアスファルトルーフィングシート(厚さ1.0mm)を貼り合わせ試験片とした。養生期間は23℃55%RHで2週間とした。また、この試験片につき中央加振法(JIS G 0602−1993)によって損失係数を測定した(測定温度:20℃、損失係数算出方法:半値幅法)。損失係数の値が大きいほど制振効果は高く、0.05以上であれば通常は制振効果があるとされるが、本実施例においては0.1以上の値を良好であると評価した。
【0045】
(3)騒音レベルの測定
900mm×900mm×12mmの3プライ合板にアスファルトルーフィングシートをホチキスで打ち付け、さらにその上に0.4mm厚のガルバニウム鋼板でできた金属板を上記制振性接着剤を500g/mとなるように用いて貼り合わせ、試験片とした。養生期間は23℃55%RH×2週間とした。
【0046】
この試験片を4寸勾配の傾斜がつくように台座に取り付け、その試験片の中央部に1.5mの高さから8φの鋼球を落下し、その際に発生した騒音を騒音計を用いて測定した(測定温度:23℃)。測定は鋼球を8回落下し、その際に発生した騒音のA補正値の平均値を騒音レベルとした。
【0047】
【表2】
Figure 2005009205
【0048】
表2に示した如く、伸び率、100%モジュラスの条件を満足する実施例1〜3においては、損失係数が0.17〜0.10と高い制振性能を発揮し、騒音レベルも70〜75dB(A)と、後述する比較例1〜3に対して約10dB(A)程度の高い騒音低減効果がみられた。また、アスファルトルーフィングシートを用いずに合板と金属板を直接上記接着剤を用いて接着させた場合においても同様な結果が得られた。
【0049】
(比較例1)
セメダインEP240N(セメダイン(株)製、2液タイプエポキシ樹脂系接着剤)の主剤、硬化剤を重量比が1:1になるように計量し、十分に混合、撹拌し、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物に対し、実施例1〜3と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0050】
(比較例2)
接着剤として、セメダインUM100(セメダイン(株)製、1液タイプ反応型ウレタン系)を使用し、実施例1〜3と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0051】
比較例3として、従来通り、接着剤を使用せずにビスを用いて金属板をアスファルトルーフィングシートに組み付けた以外は実施例1〜3と同様にして騒音レベルを測定した。結果を表2に示す。
【0052】
表2に示した如く、比較例1、2のように硬化皮膜の伸び率が100%未満であれば、損失係数が0.02程度と、0.1より低く、騒音レベルも83〜85dB(A)と非常に大きな騒音が発生した。また、接着剤を用いていない比較例3では、非常に大きな騒音が発生した。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の金属屋根構造によれば、現場作業が容易にでき、屋根葺きの態様に依存することなく、制振防音性能に優れ、雨音による室内騒音を大きく低減することが可能となる金属屋根構造を提供することができる。本発明の金属屋根施工方法によれば、屋根材の大幅な重量増を伴うことなく、コストが安く、現場での施工が容易である制振・防音性能に優れた金属屋根施工方法を提供することができる。本発明の制振性接着剤は、本発明の金属屋根構造及び金属屋根施工方法に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属屋根構造の第1の実施の態様を示す摘示断面説明図である。
【図2】本発明の金属屋根構造の第2の実施の態様を示す摘示断面説明図である。
【図3】従来の金属屋根構造の一例を示す摘示断面説明図である。
【符号の説明】
10:金属製の屋根葺材、12:下地材、13:拘束層、14:野地板、16:下葺材、20:制振性接着剤層、100a,100b:本発明の金属屋根構造、200:従来の金属屋根構造。

Claims (6)

  1. 金属製の屋根葺材と制振性接着剤層と下地材とからなる金属屋根構造であって、該屋根葺材の下面と拘束層となりうる下地材の上面とを中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減することを特徴とする金属屋根構造。
  2. 前記屋根葺材が複数敷設された金属屋根構造であって、該屋根葺材の接続部同士が前記制振性接着剤を用いて接着されていることを特徴とする請求項1記載の金属屋根構造。
  3. 金属製の屋根葺材と拘束層となりうる下地材とを中央加振法による損失係数が0.05以上である制振性接着剤を用いて接着することにより、雨音を低減することを特徴とする金属屋根施工方法。
  4. 前記屋根葺材が複数敷設された金属屋根構造を有する金属屋根を施工する方法であって、該屋根葺材の接続部同士を前記制振性接着剤を用いて接着することを特徴とする請求項3記載の金属屋根施工方法。
  5. 請求項1又は2記載の金属屋根構造及び請求項3又は4記載の金属屋根施工方法において用いられる制振性接着剤であって、硬化皮膜物性が伸び率100〜2000%、かつ100%伸びモジュラスが0.1〜2.0MPaであることを特徴とする制振性接着剤。
  6. ウレタン樹脂、シリコーン樹脂及び変成シリコーン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の可撓性樹脂を主成分として含有することを特徴とする請求項5記載の制振性接着剤。
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