JP2004320084A - ストリームデータ送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】TXOP期間内で、ストリームデータの送信が高品質に行なわれるように、送信権の割当を行なえるようにする。
【解決手段】ストリームデータ送信装置32は、複数のストリームデータ66がそれぞれ必要とする帯域と、ストリームデータ66について送信を試みた回数とに基づいて、次に送信権を割当てるストリームデータを決定するストリーム選択部56と、ストリーム選択部56により決定された送信権に従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信する送信部60とを含む。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信機が1つのネットワーク経路を時分割で共用するネットワークにおける送信機制御に関するものであり、特に、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11無線通信方式に従って動作するストリームデータ送信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータネットワーク等では、パケット通信方式と呼ばれる通信方式によってパケットの送受信が行なわれている。昨今では、例えば家庭内LAN(Local Area Network)等において、無線を利用したネットワークを構築する需要が高まっている。無線LANは、ケーブル等の配線を設置する必要がない為、LANに接続される端末の移動の自由度が増大するという利点を有している。
【0003】
無線LANの標準規格としては、IEEE802.11無線通信方式(ANSI/IEEE Std 802.11,1999 Editionに準拠する方式)が存在している。
【0004】
無線LAN等のネットワークにおいては、ネットワークに接続される複数の通信機は、パケットの送受信に関して、1つのネットワーク経路を時分割で共用していることになる。この様なシステムでは、送信機が獲得又は与えられる送信権の管理方法によって、帯域利用の効率が大きく変化することになる。
【0005】
例えば映像、音声等のストリームデータを、無線LANを介して送受信する様な場合、送信権の管理を的確に行なわないと、受信側において映像のコマ落ちや映像の乱れ、音声の途切れ等が生じることが考えられる。そこで、QoS(Quality Of Service)を考慮した規格として、IEEE 802.11のTGe(Task Group E)で策定している規格が提案されている。
【0006】
TGeで策定されている規格では、特定の通信ネットワーク内に、送信権の管理を行なう制御機を設けることが規定されている。この規定によれば、送信機は自己が送信しようとするストリームデータ毎に送信要求を行なう。すなわち、複数のストリームデータを送信する場合にも、ストリームデータ毎に送信要求を行なう。
【0007】
制御機は、通信ネットワーク内において、複数の送信機からのストリームデータ送信要求を受け、各送信機ごとにストリームデータを送信するのに必要な合計時間を計算して、その結果に従い送信権を与えるためのスケジューリングを行なう。つまり、一つの送信機から複数のストリームデータ送信要求が出されているときは、その合計時間を計算してスケジューリングを行なう。制御機は、このスケジューリングに基づいて、送信権を付与することを示すCF−POLLと呼ばれるパケットを各送信機に対して送信する。
【0008】
送信機は、制御機からCF−POLLを与えられた時にのみデータの送信が許され、また、データの送信は、CF−POLLで示されたTXOPと呼ばれる期間内に限定されることになる。ストリームデータ送信要求には、パケットを送信する物理伝送速度、ストリームデータの寿命時間、ストリームデータが必要とする映像、音声の帯域、伝送状態の変化による再送分の帯域等が含まれ、制御機は上記の情報を用いて要求されるストリームデータの送信にかかる時間を考慮してTXOP期間を送信機に与えるスケジューリングをおこなう。
【0009】
ストリームデータの寿命とは、ストリームデータが送信機に入力されてから、受信機において正しく受信され、受信機にて再生されるまでの時間を示し、寿命が尽きたストリームデータは破棄される。ストリームデータが破棄された場合、受信機側では映像データが欠落しているので、再生映像に乱れを生じる結果となる。
【0010】
以上の様に、TGeで策定されている規格によれば、制御機のスケジューリングに従って各送信機に対して送信権の付与が行なわれるので、各送信機におけるデータ送信の緊急度等に応じて、より的確に通信帯域を利用することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
IEEE 802.11のTGeで2002年11月に採択されたIEEE802.11e/D4.0のドキュメントでは、制御機から与えられたTXOP期間内で、送信機がどの順番にて複数のストリームデータのパケットを送信するかは規定されていない。
【0012】
また、制御機はストリームデータの送信にかかるだけの時間をTXOP期間として与えることを保証するが、どのくらいのTXOP期間をいつ制御機から与えられるかの情報を送信機が制御機から獲得する手段が無い。
【0013】
一般に、送信機に入力されたストリームデータはストリームデータ毎のバッファに保存され、ストリームデータが受信機にて正しく受信されるか、保存されているストリームデータの寿命が尽きるまで蓄えられる。ストリームデータの入力時間間隔より短い時間間隔でストリームデータが送信される状態ではある時点でバッファは空になる。逆に、ストリームデータの入力時間間隔より長い時間間隔で送信が行なわれる状態が続くとバッファはフルの状態になりストリームデータが送信されること無く破棄されることになる。このことから、送信機が与えられたTXOP期間内でどの様な順番でどのストリームデータに送信権を与えるかの割当てを的確に行なわないと、入力されたストリームデータが破棄されることとなり、受信機において品質の良い映像、音声を再生できなくなる問題が生じる。
【0014】
一方、無線を用いたネットワークにおいては、伝送状態が悪くなり送信パケットが受信機に正しく受信されないことが続くことがあり得る。この場合も同様に、バッファがフルの状態になり、ストリームデータが送信されること無く破棄されることになる。
【0015】
複数のストリームデータを送信する際の従来の技術の問題点について、図1を参照して説明する。図1に示す方法は、あるストリームデータの送信をそのストリームデータに割当てられたバッファが空になるまで続け、空になった時点で別のストリームデータに切替えるというものである。この例では、3つのバッファを用いてそれぞれ別々のストリームデータA、B、Cを送信するものとする。
【0016】
図1を参照して、CF−POLLを受けたことにより、この送信機に与えられた送信権の時間(T)が決まる。この方法では、まずストリームデータAのバッファが空になるまでストリームデータAを送信する。そして、ストリームデータAのバッファが空になった時点でストリームデータBの送信を開始する。同様にして、ストリームデータBのバッファが空になった時点でストリームデータCの送信を開始する。
【0017】
しかし、この方法では次の様な問題が生じる。例えば、通信機がCF−POLLを受信した後、ストリームデータAの送信を開始したものとする。そして、仮にこのストリームデータAを受信する受信機との間での伝送状態が悪化すると、ストリームデータの再送などの処理が頻繁に生じる。すなわちこの場合、ストリームデータAの送信には通常よりも時間が余計にかかる。その結果、ストリームデータAのためのバッファが空になることがなくなり、図2に示す様に、送信権の全てをストリームデータAの送信が占有し、別のストリームデータにB及びCに送信権が与えられることはない。
【0018】
こうした状態が続くと、ストリームデータA以外のストリームデータ(ストリームデータB,C)のバッファがフルとなってしまう。その結果、ストリームデータB、Cのパケットは送信されることなく破棄される。すなわち、ストリームデータA以外のストリームデータの受信機では映像等の再生に乱れが生じる。
【0019】
この様にストリームデータAの受信機との伝送状態が悪くなったことにより、ストリームデータA以外の、伝送状態の良い受信機の再生映像が乱れてしまうことは許されない。これは、QoSの根幹に関わる大きな問題である。
【0020】
こうした問題は、これ以外の場合、たとえば新たなストリームデータの参入があった場合、ストリームデータの帯域が変化した場合、などにも生じ得る。
【0021】
それ故に、本発明の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを決定することができるストリームデータ送信装置を提供することである。
【0022】
この発明の他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを高速に決定することができるストリームデータ送信装置を提供することである。
【0023】
この発明のさらに他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを高速に決定することができる、簡単な回路構成のストリームデータ送信装置を提供することである。
【0024】
この発明の他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、複数のストリームデータの送信がいずれも高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを高速に決定することができる、簡単な回路構成のストリームデータ送信装置を提供することである。
【0025】
この発明の他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、ストリームデータの伝送状態が変化したときでも、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを決定することができるストリームデータ送信装置を提供することである。
【0026】
この発明のさらに他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、ストリームデータの帯域が変化したときでも、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを決定することができるストリームデータ送信装置を提供することである。
【0027】
この発明のさらに他の目的は、送信権期間を制御する制御機から与えられたTXOP期間内で、新たなストリームデータの参入があったときでも、ストリームデータの送信が高品質に行なわれる様に、送信権を割当てるストリームデータを決定することができるストリームデータ送信装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の実施の形態にかかるストリームデータ送信装置は、複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、複数のストリームデータがそれぞれ必要とする帯域と、複数のストリームデータについて送信を試みた回数とに基づいて、次に送信権を割当てるストリームデータを決定するための手段と、決定するための手段により決定された送信権に従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む。
【0029】
ストリームデータが必要とする帯域と、送信を試みた回数とに基づいて送信権を決定しているので、ストリームデータ間における送信頻度に大きな変動が生じない様にできる。仮に伝送状態の悪いストリームデータが発生したとしても、伝送状態のよいストリームデータの伝送に悪影響を及ぼすことはない。
【0030】
好ましくは、決定するための手段は、複数のストリームデータに対して、それぞれ必要とする帯域により決定されるストリームポイントを設定するための手段と、複数のストリームデータの各々について、送信するための手段が送信を試みるごとに、対応のストリームポイントを累積していくための手段と、累積されたストリームポイントに基づいて、次の送信権を割当てるストリームデータを選択するための手段とを含む。
【0031】
各ストリームデータの帯域に従ってストリームポイントなるものを定義する。このストリームポイントによって、各ストリームデータの送信頻度を制御する。各ストリームデータの送信を試みた回数分だけストリームポイントを累積する。つまりあるストリームデータを送信した場合には、そのストリームデータに設定されたストリームポイントを累積ストリームポイントに加算する。あるストリームデータの送信を試みた時点でバッファが空であっても、そのストリームデータに設定されたストリームポイントを累積ストリームポイントに加算する。ストリームデータの送信頻度を守りつつ、可能な限りストリームデータパケットを分散して代わる代わる送信されるので、制御機がストリームデータ送信要求通りにTXOPを与えてくれている状態ではパケットの寿命が尽きることがない。TXOPを与えられてから割り算を使用することがないので、回路が簡単化、小規模化され、送信するストリームデータを決定するまでの時間も短くて済む。
【0032】
さらに好ましくは、ストリームポイントを設定するための手段は、複数のストリームデータがそれぞれ必要とする帯域に関する情報を獲得するための手段と、複数のストリームデータの各々に対して、必要な帯域の広さの関数としてストリームポイントを割当てるための手段とを含む。
【0033】
たとえば、ストリームポイントは各ストリームデータが必要とする帯域が大きいほど小さい値を設定すればよい。この場合には帯域の大きなものに優先して送信権が割当てられるので、帯域の大きなストリームデータの再生に支障が生じるおそれが少ない。
【0034】
割当てるための手段は、複数のストリームデータに必要な帯域の逆数の比を算出するための手段と、複数のストリームデータに、それぞれ算出するための手段により算出された比をストリームポイントとして設定するための手段とを含んでもよい。
【0035】
例えばストリームデータAが12Mbpsの映像帯域、ストリームデータB及びCがそれぞれ6Mbpsの映像帯域とした場合、逆数の比(A:B:C)は1:2:2となる。この値がストリームポイントとなる。
【0036】
好ましくは、ストリームデータ送信装置は、所定の条件の成立を検出するための検出手段と、検出手段が所定の条件の成立を検出したことに応答して、ストリームポイントを累積していく手段により累積されている累積ストリームポイントの値を所定の方法により再設定するための手段とをさらに含む。
【0037】
検出手段は、ストリームデータの参入を検出するための手段を含んでもよい。検出手段は、所定の条件の成立を検出したことに応答して、ストリームポイントを割当てるための手段を動作させるための手段をさらに含んでもよい。
【0038】
好ましくは、検出手段は、ストリームデータの参入を検出するための手段を含み、再設定するための手段は、検出手段がストリームデータの参入を検出したことに応答して、参入したストリームデータの累積ストリームポイントを、その時点におけるストリームデータの中で予め定める条件を満足する累積ストリームポイントの値と等しい値に設定するための手段を含む。
【0039】
参入してきたストリームデータの値が、他の累積ストリームポイントと大きく異なることがないので、このストリームデータのみに一定期間送信権が連続して与えられるというおそれが少なくて済む。
【0040】
好ましくは、再設定するための手段は、全てのストリームデータの累積ストリームポイントを予め定める値に再設定するための手段を含んでもよい。そして、好ましくは、この予め定める値は0である。
【0041】
こうすることにより、すべてのストリームデータの送信が初期状態から再開される。参入してきたストリームデータのみが一定期間連続して送信されてしまい、送信頻度の比が保たれないという問題が生じることはない。また、累積ストリームの設定処理が簡単なので、処理時間を短く、かつ回路を小規模化することが可能である。
【0042】
好ましくは、検出手段は、ストリームポイントを累積していく手段により累積される累積ストリームポイントのオーバフローを検出するための手段を含む。
【0043】
好ましくは、再設定するための手段は、検出手段が累積ストリームポイントのオーバフローを検出したことに応答して、全ストリームデータの累積ストリームポイントを、それぞれその時点での値から予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントの値を減算したものに再設定するための手段を含む。
【0044】
好ましくは、予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントは、累積ストリームポイントの中の最小の値を持つものである。
【0045】
再設定するための手段は、検出手段が累積ストリームポイントのオーバフローを検出したことに応答して、全ストリームデータの累積ストリームポイントを予め定められた値に再設定するための手段を含んでもよい。この予め定められた値は0であってもよい。
【0046】
オーバフローが生ずると、オーバフローの生じた累積ストリームポイントの値は0に近い値にもどってしまうため、この累積ストリームポイントに対応するストリームデータだけが連続して送信されるおそれがある。しかしオーバフローが生じたときに累積ストリームポイントの値を再設定することにより、そうした問題を回避できる。
【0047】
好ましくは、ストリームデータ送信装置はさらに、所定の条件の成立を検出するための検出手段と、検出手段が所定の条件の成立を検出したことに応答して、複数のストリームデータのストリームポイントを所定の方法により再設定するための手段をさらに含む。
【0048】
検出手段は、各ストリームデータの伝送状態の変化を検出するための手段を含んでもよい。再設定するための手段は、検出手段がストリームデータの伝送状態の変化を検出したことに応答して、伝送状態が悪化しているストリームデータのストリームポイントを、より小さな値に再設定するための手段を含んでもよい。
【0049】
あるストリームデータの伝送状態が悪化していることが検出された場合、対応のストリームポイントを小さな値に再設定することで、そのストリームデータが送信される頻度が増加する。一方、他のストリームデータについては、それぞれのストリームポイントに従って更新される累積ストリームポイントに従って送信されるので送信頻度が極端に減ることはない。そのため、伝送状態のよいストリームデータの再生状態に与える悪影響を小さく抑えながら、伝送状態の悪化を防止することができる。
【0050】
検出手段は、各ストリームデータの必要とする帯域の変化を検出するための手段を含んでもよい。再設定するための手段は、検出手段が各ストリームデータの必要とする帯域の変化を検出したことに応答して、各ストリームデータのストリームポイントを、各ストリームデータがそれぞれ必要とする帯域の広さの関数として定まる値に再設定するための手段を含んでもよい。
【0051】
帯域が変化することで、ストリームデータの送信頻度についても再設定される。例えばストリームデータの映像品質が上がり、必要となる帯域が変化した場合にも、各ストリームデータの送信頻度の比率を適正に保ち、安定した再生映像を各受信機にて獲得することが可能となる。
【0052】
好ましくは、選択するための手段は、累積されたストリームポイントが予め定められた条件を満足するものを選択して、対応するストリームデータに送信権を割当てるための手段を含む。
【0053】
決定するための手段は、予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントが複数存在する時、当該複数の累積ストリームポイントに対応する複数のストリームデータの中から、所定の基準に従って次の送信権を与えるストリームデータを選択するための選択手段をさらに含んでもよい。
【0054】
好ましくは、選択手段は、ストリームデータ送信要求の発生した順にストリームデータに送信権を与えるための手段を含む。
【0055】
これは簡単な論理で実現できるので、回路規模又はソフトウェア規模を小さくすることができる。
【0056】
選択手段は、伝送状態の悪化しているストリームデータに優先的に送信権を与えるための手段を含んでもよい。
【0057】
伝送状態の悪化しているストリームデータほど早く送信されることになる。伝送状態が悪化し再送が行なわれた時、再送されたストリームデータのパケットは通常送信のパケットより寿命が尽きる時刻が迫っているので、再送の生じているストリームデータほど寿命が尽きて受信機で再生映像が乱れる可能性が大きい。従って再送が生じているストリームデータほど早く送信することが望ましく、受信機での再生映像が乱れる可能性を低くすることが可能となる。
【0058】
又は、選択手段は、寿命が短いストリームデータに優先的に送信権を与えるための手段を含んでもよい。
【0059】
寿命が短い為に寿命が尽きる可能性の高いストリームデータほど早く送信されることになる。寿命が尽きてストリームデータが破棄されることによって受信機の再生映像が乱れる可能性を低くすることが可能である。
【0060】
この発明の第2の局面にかかるストリームデータ送信装置は、複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、各ストリームデータに送信権を割当てた累積回数に基づいて、次の送信権を与えるストリームデータを決定するための手段と、決定された送信権に従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む。
【0061】
ストリームデータに送信権を割当てた累積回数に基づいて送信権を決定しているので、ストリームデータ間における送信頻度に大きな変動が生じない様にできる。仮に伝送状態の悪いストリームデータが発生したとしても、伝送状態のよいストリームデータの伝送に悪影響を及ぼすことはない。
【0062】
好ましくは、決定するための手段は、通信を制御するための制御機から送信可能期間を与えられたことに応答して、各ストリームデータに送信権を割当てた累積回数に基づいて次の送信権を与えるストリームデータを決定するための手段を含む。
【0063】
限られた送信可能期間の中で、各ストリームデータの再生品質の低下を防止しながら送信を行なうことができる。
【0064】
この発明の第3の局面にかかるストリームデータ送信装置は、複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、ある一定時間をとったときに帯域の広いストリームデータほど回数が多くなる様に各ストリームデータに送信権を割当てることを特徴とする。
【0065】
一定時間をとったときに、帯域が大きいストリームデータは多く、帯域が小さいストリームデータは少なく送信されるので、個々のストリームデータの再生品質を落とすことを防止しながら、全てのストリームデータの送信を行なうことができる。
【0066】
この発明の第4の局面にかかるストリームデータ送信装置は、通信を制御するための制御機から送信可能期間を与えられたことに応答して、送信権の割当てを行なうことを特徴とする。
【0067】
この発明の第5の局面にかかるストリームデータ送信装置は、送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、複数のストリームデータに順番に送信権を割当てるための手段と、送信権に従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む。
【0068】
この発明の第6の局面にかかるストリームデータ送信装置は、送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、複数のストリームデータの要求伝送速度に従って送信権を与える時間を割当てるための手段と、送信権に従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む。
【0069】
好ましくは、ストリームデータ送信装置は、送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間内で送信権の割当てを行なう。
【0070】
この発明の第7の局面にかかるストリームデータ送信装置は、送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、複数のストリームデータの各々の送信にかかる時間に基づいて、制御機から与えられた送信権期間を各ストリームデータに割当てるための手段と、送信権期間の割当てに従って、複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む。
【0071】
ストリームデータの送信にかかる時間に基づいて、送信権期間を各ストリームに割当て、時分割で動的にストリームデータを切替えて送信する。限られた送信権期間を有効に使って、ストリームデータの各々について良好な再生品質を確保することができる。
【0072】
【発明の実施の形態】
この様な送信権の割当て方法として、以下の様なものを考えることができる。以下の説明でも、従来技術の説明と同じく、ストリームデータA、B、及びCを伝送する場合を例にとる。
【0073】
第1の方法として、図3に示す方法が考えられる。この方法は、全てのストリームデータに順番に送信権を与え、バッファが空となっている状態のストリームデータには送信権を与えずに、次の順番のストリームデータに送信権を与える方法である。すなわち、図3に示す様に、この方法では、送信権のある時間内においてまずストリームデータA、B及びCに順番に送信権を与える。そして、たとえばストリームデータB及びCのバッファが空になった時点でこれらには送信権を与えず、ストリームデータAのみに送信権を与える。
【0074】
この方法によれば、一つの受信機との間の伝送状態が悪化したからといって、別の、伝送状態のよい受信機との間の伝送状態が悪化することはなく、従って送信されるストリームデータの再生品質が劣化することはない。
【0075】
しかし、この方法にもつぎの様な問題が生じ得る。例えば図4を参照してこの問題について説明する。図4に示す様に、この通信機から送信される3つのストリームデータA、B及びCのうち、ストリームデータB又はCの、受信機との間の伝送状態が悪化した場合を考える。この場合、ストリームデータBとCのバッファが空になる事は無くなる。結果としてストリームAに送信権が与えられる頻度が低下する。
【0076】
一般に、送信機に与えられるTXOP期間は、送信機が扱う全ストリームデータを送信するのにかかる時間分しかない。ストリームデータB又はCの伝送状態が悪化すると、それらの送信頻度が制御機に要求した頻度より多くなる。そのため、結果としてストリームデータAに送信権が与えられる頻度が低下する。
【0077】
この状態が続くと、ストリームデータAについては、データの入力時間間隔より送信時間頻度が短くなり、バッファがフルの状態におちいってしまう。その結果、ストリームデータAの受信機では映像等の再生に乱れが生ずる可能性がある。ストリームデータA以外の受信機との伝送状態が悪くなったからといって、伝送状態の良いストリームデータAの受信機の再生映像が乱れてしまう事は、従来の技術と同様に好ましくない。ただしこの場合には、いずれのストリームデータにも必ずある頻度で送信権が割当てられるので、再生に乱れが生じる可能性は従来技術よりも低く、仮に生じても映像等の乱れもより小さくなると思われる。
【0078】
従来技術を解決するための第2の方法として図5に示す方法も考えられる。この方法は、各ストリームデータの入力頻度又は帯域に従い、送信する時間を割振る方法である。この場合、ストリームデータA、B及びCをそれぞれ送信するのに要する時間の比を計算し、その比に従って、これらストリームデータに送信権を割当てる時間として、適当な実時間T1、T2、及びT3を定める。
【0079】
図5の例で、ストリームデータAが12Mbpsの映像帯域、ストリームデータB及びCがいずれも6Mbpsの映像帯域を持つものとして説明する。この場合、各ストリームデータの物理伝送速度が同じ場合には、T1:T2:T3=2:1:1となる。たとえば、4msecが経過するまではストリームデータAに送信権を与え、その経過後2msecが経過するまではストリームデータBに送信権を与え、さらに最後の2msecについてはストリームデータCに送信権を与える事となる。
【0080】
この方法によって、各ストリームデータには、通算すれば必ずある一定の割合の時間だけ送信権が与えられる。その時間は、ストリームデータの入力頻度又は帯域に従って決められる。そのため、送信に長時間要するストリームデータと、短時間のみでよいストリームデータとについてそれぞれ適切な時間を割当てる事ができる。バッファがフルになったりするおそれは小さくなり、映像が乱れるおそれも小さくなる。
【0081】
しかし、この方法にもやはり問題がある。それは、データの寿命と入力とのタイミングの関係によっては、データが破棄される可能性があるという事である。
【0082】
例えば図6に示す様に、ストリームデータAの割当て時間の開始直後にストリームデータBのデータの入力があったものとする。たまたま、このときに与えられるTXOP期間の全体がストリームデータAの送信に割当てられたものとし、次のTXOP期間の前半がストリームデータBの送信に、後半がストリームデータCの送信に、それぞれ割当てられているものとする。
【0083】
この場合、ストリームデータAに割当てられた時間が経過しなければストリームデータBが送信されない。ストリームデータBに送信権が割当てられるのは、次にこの通信機にTXOP期間が割当てられたときである。しかしそのときには、既に以前に入力されたストリームデータBのデータの寿命が経過し、破棄しなければならなくなる事があり得る。
【0084】
これは、制御機からいつどの様なTXOP期間が与えられるかわからないので、各ストリームデータに適当な実時間を割振る事が非常に困難であるという問題がある事を示している。一般にストリームデータの寿命が尽きる前に送信する為には、送信権を与えるストリームデータを出来るだけ頻繁に切替えて送信する事が有効である。
【0085】
第3の方法として、図7に示す方法が考えられる。この方法は、各ストリームデータの送信にかかる時間の比を前もって計算し保存しておき、制御機よりCF−POLLを受信する毎に、CF−POLLにより通知されるTXOP期間Tの時間情報を各ストリームデータに割当てられた比で分割し、送信権を割当てる実時間を獲得する方法である。割当てた実時間を使ったストリームデータの送信方法は第2の方法と同様である。
【0086】
例えばストリームデータAが12Mbpsの映像帯域、ストリームデータB及びCがいずれも6Mbpsの映像帯域である場合について考える。各ストリームデータの物理伝送速度が同じ場合には、送信にかかる時間は帯域に比例すると考えられるから、それぞれの送信にかかる時間の比は2:1:1である。従って、図7に示される様にTXOP期間Tを2:1:1に分割し、ストリームA、B及びCにそれぞれT/2、T/4及びT/4を割当てる。例えば制御機から8msecのTXOP期間を与えられた場合には、ストリームデータAに4msec、ストリームデータB及びCに2msecを、それぞれ割当てる。
【0087】
こうする事により、第2の方法と同様の効果を実現できる上、送信権が与えられる前にデータを破棄する事になる可能性は、第2の方法の場合と比較して小さくなる。この方法では、ある一定期間を見れば、帯域の広いストリームデータほど、送信権の割当てられる回数が多くなる。
【0088】
しかし、この方法においても次の様な問題がある。すなわち、この方法では、あるストリームデータに送信権を割当てる実時間が1パケットの送信にかかる時間より短い場合には、そのストリームデータを送信できなくなるという問題が残る。
【0089】
図8にその様な例を示す。制御機より2msecのTXOP期間が与えられたものとする。また、ストリームデータA、B、及びCの送信に要する時間の比が2:1:1であるものとする。この場合、この第3の方法によれば、ストリームデータAには1msec、ストリームデータB及びCに0.5msecが、それぞれ割当てられる事になる。しかし仮に1パケットの送信に1msecかかる場合には、ストリームデータAの送信は可能だが、ストリームデータB及びCの送信は不可能となる。第2の方法では、与えられたTXOP期間が1パケットを送信するのに要する時間より小さくない限り、この様な問題は生じない。
【0090】
また、この方法では、送信権を割振る実時間の計算の時に除算を使用する。一般に除算の計算には時間を要する。従ってこの第3の方法では、制御機よりTXOPを与えられてから送信するストリームデータを決定するまでに時間がかかってしまい、送信しなければならない時刻に送信が間に合わなくなる問題が生じる事も考えられる。さらに、除算をハードウェア回路で実現すれば回路規模が大きくなり、ソフトウェアで実現する場合にもコード規模が大きくなってしまう問題もある。
【0091】
[第1の実施の形態]
−基本原理−
以下に、上記の問題を解決する、本発明の第1の実施の形態について説明する。この実施の形態では、各ストリームデータの帯域の広さの関数として、ストリームデータごとにストリームポイントなるものを定義する。この場合の関数は、たとえば全てのストリームデータの帯域の広さの逆数の比をとり、その比の各項の中で、各ストリームデータに対応するものの値をそのストリームデータのストリームポイントとする。そして各ストリームデータを送信するごとに、対応するストリームポイントを累積していく。ストリームポイントの累積値によって、どのストリームデータに送信権を与えるかを決定する。本実施の形態では、ストリームポイントは、ストリームデータごとに決められる値である。
【0092】
ストリームポイントを決める関数については様々な定義が考えられる。たとえば各ストリームデータが必要とする帯域が広いほどストリームポイントの値が小さくなる様にストリームポイントを定義する。つまり、帯域の広さと、ストリームポイントの絶対値との間に負の相関がある様にする。別の言い方をすれば、ストリームポイントが、帯域の広さの単調減少関数である様にする。前述した様に各ストリームデータが必要とする帯域の逆数の比をストリームポイントとしてもよい。例えばストリームデータAが12Mbpsの映像帯域、ストリームデータB及びCがそれぞれ6Mbpsの映像帯域とした場合、これらの帯域の広さの逆数の比(A:B:C)は1:2:2となる。この値をストリームデータA,B及びCのストリームポイントとする事ができる。
【0093】
本実施の形態ではさらに、累積ストリームポイントを定義する。本実施の形態では、累積ポイントとは、各ストリームデータの送信を試みた回数分だけストリームポイントを加算したものの事をいう。あるストリームデータを送信した場合には、そのストリームデータに設定されたストリームポイントをそのストリームデータの累積ストリームポイントに加算する。あるストリームデータの送信を試みた時点でバッファが空であっても、そのストリームデータに設定されたストリームポイントを累積ストリームポイントに加算する。
【0094】
TXOP期間中において送信機が次に送信するストリームデータを決定する時、最小の累積ストリームポイントを求め、それに対応するストリームデータを選択し送信する。
【0095】
なお、ストリームポイントとして、本実施の形態では正の値に限定して考えている。そして、累積ストリームポイントはストリームポイントを加算していく事により算出される。しかし、ストリームポイントの符号、および累積ストリームポイントの算出方法は単なる設計事項であり、これ以外にも目的に応じて適切にこれらを定める事ができる事は当業者には明らかであろう。また、それらが決定すれば、目的に応じて累積ストリームポイントによる送信権の決定をどの様に行なうかも当業者には容易に決定する事ができる。従って、本明細書において開示したストリームポイントの定義及び累積ストリームポイントの算出方法により、それらの組合せが全て表されているものとする。
【0096】
−構成−
本発明の実施の一形態に係る送信機を含むシステムの構成について、以下に説明する。図9はこのシステムのネットワーク構成図である。図9を参照して、このシステムは、従来の技術の説明に記載した従来のものと同じ制御機30と、制御機30の制御の下で無線媒体を通して通信を行なうネットワークを構成している通信機32、34、36及び38を含む。以下の説明では通信機32が送信を行ない、通信機34,36及び38は受信を行なうものとするので、通信機32を送信機と呼び、通信機34,36及び38をそれぞれ受信機と呼ぶ事にする。
【0097】
このネットワークでは、無線媒体を共通の通信媒体として使用しており、時分割にてデータパケットを送受信する。
【0098】
図11に送信機32の構成をブロック図形式で示す。図11を参照して、送信機32は、制御機30からのCF−POLLフレーム又は受信機34、36、および38からの送達確認フレームを受信するためのアンテナ62と、アンテナ62にて受信したフレームをデータパケットに変換するための第1受信部58と、第1受信部58が受信したデータを受け、制御データとして用いて送信機32の動作を制御するための制御部52と、制御部52がTXOPの開始や終了の管理について用いるタイマ50とを含む。
【0099】
制御部52は、ストリームポイントの計算及び管理、ならびにストリームデータに必要な帯域の計算及び管理も行なう。制御部52はさらに、ストリームデータの受信機との間の伝送状態も計測及び管理する機能を持つ。この機能は、具体的には、送信したデータパケットに対して受信機からの送達確認が得られないパケット(これを「送信失敗データパケット」と呼ぶ。)の数をカウントする事で実現できる。総送信データパケット数と送信失敗データパケット数とをある時間周期でカウントする事により、その時間周期内でのパケットエラー率を獲得できる。このパケットエラー率があるしきい値より高くなっている状態を伝送状態が悪化している状態として判断できる。
【0100】
制御部52はまた、新たなストリームデータの参入の要求を検出し管理する機能を持つ。より具体的には、例えば、制御部52が、受信機から新たなストリームデータの受信要求パケットがあった事を検出した事に応答して、その要求を満たすストリームデータの送信を開始し、その後の管理を行なう。
【0101】
送信機32はさらに、外部から有線の媒体を介して供給されるストリームデータを受信し、制御部52にストリーム及び制御データ66として与えるための第2受信部54と、制御部52からストリーム及び送信権制御データ68を受け、前述した原理に従ってストリームを選択するためのストリーム選択部56と、ストリーム選択部56が選択したストリームデータを各受信機に送信するための送信部60及びアンテナ64とを含む。ストリームデータの入力は、アンテナ62を通じて受信する様にしても良い。
【0102】
図12にストリーム選択部56の内部構成をブロック図形式で示す。図12を参照して、ストリーム選択部56は、それぞれ入力されるストリームデータをバッファリングし、保存した上でプロトコル情報を付加して出力するためのバッファ部80、82及び84と、バッファ部80、82及び84のうちの選択されたものの出力を転送するためのローカルバスインタフェース(I/F)114とを含む。
【0103】
ストリーム選択部56はさらに、ストリームデータを選択する際に使用されるストリームポイント及び累積ストリームポイントを格納するためのストリームデータ選択管理テーブル116と、制御部52等から与えられたストリームポイント制御要求122及び126に応答して、ストリームデータ選択管理テーブル116内のストリームポイント及び累積ストリームポイントを制御する処理を行なうためのストリームデータ選択管理テーブル制御回路124とを含む。
【0104】
ストリーム選択部56はさらに、外部から与えられるストリームデータ選択要求に応答し、ストリームデータ選択管理テーブル116に格納された情報を参照して、前述したロジックによりストリームデータの選択を行ない、所定のストリームデータを選択する事を示す選択信号を出力するための送信ストリームデータ選択回路118を含む。送信ストリームデータ選択回路118はまた、ストリーム選択要求128を受けた事に応答して、ストリーム管理テーブルの対応する累積ストリームポイントを更新し、次の送信ストリームデータを選択する様に要求するストリームポイント制御要求126をストリームデータ選択管理テーブル制御回路124に与える機能も備えている。
【0105】
ストリーム選択部56はさらに、送信ストリームデータ選択回路118からの選択信号に応答して、バッファ部80、82及び84のうち、選択されたストリームデータに対応するものからストリームデータパケットをローカルバスI/F114を介して受取り、図11に示す送信部60に与えるための選択ストリームデータ制御回路120を含む。選択ストリームデータ制御回路120はこのとき、選択されたストリームデータに対応するバッファ部が空であるかどうかを判断し、ストリームデータを送信するかどうかを決定する機能、及びストリームデータの送信が完了した時、及び送信しようとしたストリームデータに対応するバッファ部が空である場合に、直ちに送信ストリームデータ選択回路118に対してストリーム選択要求130を出す機能を備えている。
【0106】
バッファ部80、82及び84はいずれも同様の構成を備えている。例えばバッファ部80は、入力されたストリームデータ90を一旦蓄えるためのメモリ96と、ストリームデータのプロトコルの付加情報を生成するためのプロトコル付加情報生成回路98と、メモリ96に蓄えられたストリームデータと、プロトコル付加情報生成回路98からのプロトコルの付加情報とを一つのデータパケットにまとめて記憶するための混合回路108とを含む。データパケットは、送信が成功するか寿命が尽きるまで混合回路108に待ち行列として保存される。
【0107】
バッファ部82及び84も同様の構成を持つ。バッファ部82は、ストリームデータ92についてのもので、メモリ100、プロトコル付加情報生成回路102、及び混合回路110を含む。バッファ部84はストリームデータ94についてのもので、メモリ104、プロトコル付加情報生成回路106、及び混合回路112を含む。
【0108】
図13に、図12に示すストリーム選択部56が行なう送信権の割当を実現するための手順をフローチャート形式で示す。この手順は、プログラムで実現する事も、純粋なハードウェアで実現する事も、またハードウェアとファームウェアとで実現する事もできる。
【0109】
図13に示される手順は、制御機30からのCF−POLLによって、送信機32にTXOPが与えられた時点から開始される。まずステップ(以下単に「S」と記載する。)1において新しいストリームデータの参入があるかどうかを判定する。新しいストリームデータの参入があれば制御はS2に進み、さもなければ制御はS3に進む。
【0110】
S2では、新しいストリームの参入があったときの処理が行なわれる。S2で行なわれる手順の詳細を図14にフローチャート形式で示す。図14を参照して、まずS14において、全てのストリームデータの必要な帯域の最小公倍数を求める。S15において、S14で求められた最小公倍数を各ストリームデータの帯域で割る事により、各ストリームデータのストリームポイントを算出する。続いてS16において、各ストリームデータに対する累積ストリームポイントを0に再設定する。この処理は、各ストリームデータの帯域の広さの逆数の比を算出し、それをストリームポイントとして設定するのと同じ事である。以上でこの新ストリームの参入処理は終了し制御は図13のS3に進む。
【0111】
再び図13を参照して、S3では、各ストリームデータのストリームポイントを変更する必要があるかないかを判定する。ストリームポイントを変更する必要がある場合には制御はS4に進み、さもなければ制御はS5に進む。
【0112】
S4では、各ストリームデータのストリームポイントを変更する。S4の後、制御はS5に進む。
【0113】
S4でストリームポイントを変更する際の基準となるものの例としては、ストリームデータを送信する際の、受信機との間の伝送状態が考えられる。伝送状態の悪化しているストリームデータは、再送の為により多くの送信頻度を必要とする。本実施の形態の装置では、その為には伝送状態が悪化しているストリームポイントを小さくすればよい。ストリームポイントが小さくなると、累積ストリームポイントの増加速度が他と比較して小さくなる。本実施の形態では、累積ストリームポイントが最も小さなストリームデータに送信権を与える様にしているので、この結果そのストリームデータの送信頻度は上がり、伝送状態が悪くてもストリームデータを送信する事ができる。
【0114】
この状態が続くと、伝送状態が良い他のストリームデータの送信が待たされる事となり、ストリームデータの寿命が尽きて受信機での再生映像が乱れる可能性が増加するので注意が必要である。もっとも、伝送状態が良いストリームデータの寿命が例えば1secと長い場合には、上記の調整を数100msecの間行なう事により、一時的にであっても伝送状態の悪いストリームデータの送信頻度を増加させる事によりどの受信機の再生映像にも乱れを生じさせない調整も可能となる。
【0115】
本実施の形態では、逆に伝送状態の良いストリームデータのストリームポイントを大きくしても同様の効果が得られる。
【0116】
ストリームポイントを変更する別の基準となるものは例えば、ストリームデータが必要とする帯域の変化である。この時には、ストリームデータの新たな帯域を用いて図14に示すS14、S15の処理を行ない、ストリームポイントの変更を行なえばよい。
【0117】
再び図13を参照して、S5では全ストリームデータの中で最小の累積ストリームポイントを持つストリームデータを全て検索する。S7においては最小の累積ストリームポイントを持つストリームデータが複数存在するかどうかを判定する。そうしたストリームデータが複数存在する場合には制御はS6に進み、さもなければ制御はS8に進む。
【0118】
S6においては、累積ストリームポイントが等しいストリームデータのうち、予め定められた方法により決まる優先度に従い一つのストリームデータを選択する。S6の後制御はS8に進む。
【0119】
ストリームデータの優先度の決定方法として種々考えられるが、本実施の形態では優先度は予め決められ固定しているものとする。
【0120】
S8では、選択したストリームデータに対応するバッファ部(バッファ部80、82、84のいずれか)を参照し、バッファが空となっているかどうかを判定する。バッファ部が空であれば制御はS10に進み、さもなければ制御はS9の後、S10に進む。
【0121】
S9では、送信可能な時刻になった時点で、選択されたストリームデータに対応するバッファ部からのデータパケットを受信機に向けて送信する。
【0122】
S10では、選択されたストリームデータの累積ストリームポイントに、選択されたストリームデータのストリームポイントを加算した結果、累積ストリームポイントがオーバフロー(桁あふれ)を起こすかどうかが判定される。累積ポイントがオーバフローするのであれば制御はS11に、さもなければ制御はS12に、それぞれ進む。
【0123】
S11では、累積ストリームポイントの再設定を行なう。本実施の形態では、このステップでは全ての累積ストリームポイントを予め定められた値、本実施の形態では特に「0」に再設定する。S11の後制御はS12に進む。
【0124】
S12では、S7において選択されたストリームデータの累積ストリームポイントにストリームポイントを加算する。続いてS13において、TXOP期間が未だ残っているかを判断する。残っていれば制御はS1に戻り、さもなければこの手順を終了する。
【0125】
−動作−
このシステムは、以下の様に動作する。なお、制御機30の動作は従来技術で説明したものと同様である。この例では、送信機32はストリームデータAを受信機34に向けて、ストリームデータBを受信機36に向けて、ストリームデータCを受信機38に向けて送信しているものとする。
【0126】
送信機32が制御機30からCF−POLLフレームを受信したものとする。送信機32が受信したCF−POLLフレームには、この送信機32に与えられるTXOP期間の時間情報が入っている。このCF−POLLフレームは図11に示す制御部52に与えられる。制御部52はその時間情報を取出して、TXOP期間の長さを知る。
【0127】
図10に示す様に、本実施の形態にかかる送信機32は、内部に蓄えてあるストリームデータA、B及びCを、与えられたTXOP期間の中で前述した方法に従って定められた送信権の順番にて送信する。本実施の形態の送信機32は、与えられたTXOP期間の中で送信するストリームデータの適切な順番を如何に決定するかという点に特徴がある。
【0128】
ストリームデータA、B及びCは、本実施の形態では図11に示す第2受信部54に、有線のメディアを介して与えられる。このストリームデータは、ストリーム及び制御データ66として制御部52に与えられる。さらにこれらは、ストリーム及び送信権制御データ68としてストリーム選択部56に与えられる。
【0129】
図12を参照して、ストリーム選択部56に入力されたストリームデータは一旦対応のバッファ部のメモリ(ストリームデータAの場合にはメモリ96)に蓄えられる。以下、ストリームデータAを例として説明する。
【0130】
プロトコル付加情報生成回路98が、プロトコルの付加情報を生成し、混合回路108に与える。メモリ96も、蓄えたストリームデータを混合回路108に与える。混合回路108は、メモリ96からのストリームデータと、プロトコル付加情報生成回路98からのプロトコル付加情報とを一つのデータパケットにまとめる。混合回路108はさらに、そのデータパケットを、そのデータパケットの送信が成功するか、そのデータパケットの寿命が尽きるまで、待ち行列として保存する。
【0131】
ストリームデータB及びCについても、それぞれバッファ部82及び84で処理されることを除きストリームデータAと同様に処理される。
【0132】
ストリームポイントを選択する為の基本的情報(帯域の情報、伝送状態の情報など)は制御部52(図11参照)により検出及び生成され、ストリームポイント制御要求122として図12に示すストリームデータ選択管理テーブル制御回路124に与えられる。ストリームデータ選択管理テーブル制御回路124はこの要求に応じてストリームデータ選択管理テーブル116に蓄えられた情報を管理する。
【0133】
送信ストリームデータ選択回路118は、ストリームデータ選択管理テーブル116に蓄えられた蓄積ストリームポイントを参照してストリームデータの選択を行ない、選択ストリームデータ制御回路120に対してあるストリームを選択するように要求する選択信号を与える。
【0134】
選択ストリームデータ制御回路120は、この選択信号に応答して、選択されたストリームデータに対応するバッファ部(バッファ部80、82又は84)からローカルバスI/F114を介してストリームデータパケットを読出すように試みる。選択ストリームデータ制御回路120は、バッファ部80、82及び84のうち、データを読出そうとするものが空であるかどうかを判定する。
【0135】
バッファ部が空でなければ、選択ストリームデータ制御回路120は、読出されたデータパケットを図11に示す送信部60に送る。送信部60はアンテナ64を介してこのデータパケットを送信する。このデータパケットが、当該データストリームを受信する受信機(受信機34、36又は38)に受信される。送信が完了すると選択ストリームデータ制御回路120は送信ストリームデータ選択回路118に対してストリーム選択要求130を出す。
【0136】
バッファ部が空であれば、選択ストリームデータ制御回路26は直ちに送信ストリームデータ選択回路118に対してストリーム選択要求130を出す。
【0137】
ストリーム選択要求130を受けた送信ストリームデータ選択回路118は、ストリームデータ選択管理テーブル116に格納されている当該ストリームデータに対する累積ストリームポイントを加算するようストリームデータ選択管理テーブル制御回路124に対してストリームポイント制御要求126を出す。累積ストリームポイントの加算が完了したら、送信ストリームデータ選択回路118は更新済みのストリームデータ選択管理テーブル116を参照し、次の送信ストリームデータを選択し、選択ストリームデータ制御回路120に対して選択信号を与える。
【0138】
以下、以上の処理が繰返される。なお、新たなストリームデータの参入があれば、制御部52がそれを検出し、ストリームデータ選択管理テーブル116の再設定を求めるストリームポイント制御要求122をストリームデータ選択管理テーブル制御回路124に与える。ストリームデータ選択管理テーブル制御回路124は、この要求に応じて、図14に示した方法によってストリームデータ選択管理テーブル116を再設定する。
【0139】
図15に具体的なストリームデータの割当の例を挙げて、どの様にして実際に送信されるデータパケットの順番が決定されるかを説明する。この例では、ストリームデータAの帯域が12Mbps、ストリームデータB及びCの帯域がいずれも6Mbpsであるものとする。また、図15を参照して、時刻TsにおいてストリームデータA、B及びCが参入を完了した状態であり、全ての累積ストリームポイントが0であるものとする。時刻Tsは、TXOPが開始した時刻である。また、説明を簡明にするために、いずれのストリームデータのバッファ部も空にはならないと仮定する。
【0140】
この例では、最小となる累積ストリームポイントが複数あった場合に、一つのストリームデータを選択する基準である優先度は固定的にA>B>Cとなっているものとする。したがって全ての累積ストリームポイントが同じ場合、必ずストリームデータAが選択される。ストリームデータB及びCの累積ポイントが同じでかつ最小である場合には、ストリームデータBが選択される。
【0141】
この例では以下の様にしてストリームポイントが求められる。全てのストリームデータの必要とする帯域の最小公倍数は12である。よってストリームデータAのストリームポイントの値は12/12=1である。ストリームデータB及びCのストリームポイントの値は12/6=2である。
【0142】
図15を参照して、時刻T0において累積ストリームポイントの最小値は0となっている。ストリームデータA、B、Cの累積ストリームポイントはいずれも0である。したがってこれら全てが送信権を与えるための選択の対象である。全ての累積ストリームポイントが等しいので、優先度に従いストリームデータAが選択され、ストリームデータAのデータパケットが送信される。
【0143】
この送信の完了後、ストリームデータAの累積ストリームポイントにストリームデータAのストリームポイント1が加えられる。ストリームデータAの累積ストリームポイントは1となる。
【0144】
時刻T1において、累積ストリームポイントはストリームデータA、B、Cの順(以下いずれもこの順で記載する。)で1,0,0となっている。その最小値は0(ストリームデータB及びC)である。ストリームデータB、Cが選択の対象として挙げられる。優先度に従いストリームデータBが選択され、ストリームデータBのデータパケットが送信される。送信完了後、ストリームデータBの累積ストリームポイントにストリームデータBのストリームポイント2が加えられる。ストリームデータBの累積ストリームポイントは2となる。
【0145】
時刻T2において、累積ストリームポイントは順に1,2,0である。その最小値は0となっている。この累積ストリームポイントに対応するストリームデータCが選択され、ストリームデータCのデータパケットが送信される。送信完了後、ストリームデータCの累積ストリームポイント(0)にストリームデータCのストリームポイント(2)が加えられ累積ストリームポイントの値は2となる。
【0146】
時刻T3において、累積ストリームポイントの値は順に1,2,2であり、その最小値は1である。この累積ストリームポイントを持つストリームデータAが選択され、ストリームデータAのデータパケットが送信される。送信完了後、ストリームデータAの累積ストリームポイントにストリームデータAのストリームポイント1が加えられ累積ストリームポイントは2となる。
【0147】
時刻T4において累積ストリームポイントは順に2,2,2である。その最小値は2で、ストリームデータA、B、Cが選択の対象として挙げられる。優先度に従いストリームデータAが選択され、ストリームデータAのデータパケットが送信される。送信完了後ストリームデータAの累積ストリームポイントにストリームデータAのストリームポイント1が加えられる。ストリームデータAの累積ストリームポイントは3となる。
【0148】
時刻T5において累積ストリームポイントは順に3,2,2となる。その最小値は2で、対応するストリームデータB、Cが選択の対象として挙げられる。優先度に従いストリームデータBが選択され、ストリームデータBのデータパケットが送信される。送信完了後、ストリームデータBの累積ストリームポイントにストリームデータBのストリームポイント(2)が加えられる。ストリームデータBの累積ストリームポイントの値は4となる。
【0149】
時刻T6において、累積ストリームポイントは順に3,4,2となっている。その最小値は2であり、対応のストリームデータCが選択され、ストリームデータCのデータパケットが送信される。送信完了後、ストリームデータCの累積ストリームポイントにストリームデータCのストリームポイント2が加えられる。ストリームデータCの累積ストリームポイントの値は4となる。
【0150】
以下、ここで説明した方法で決められた順番に従って、ストリームデータA、B及びCが選択されていく。
【0151】
図16に図15に示す時刻Tp時点でのストリームデータ選択管理テーブル116の内容を示す。図16に示す様に、本実施の形態ではストリームデータの優先度は固定されており、ストリームデータ選択管理テーブル116に記憶されている。
【0152】
ここで、ストリームデータA、B、及びCの送信が行なわれている状態で、ストリームデータDが参入したものとする。図17に、上に説明したシステムのストリームデータ選択管理テーブル116の状態が図16に示されている様になっているときに、ストリームデータDが参入した時の、参入処理後のストリームデータ選択管理テーブル116の内容を示す。この例ではストリームデータDの帯域は15Mbpsであるものとする。
【0153】
ストリームデータDの参入により、各ストリームデータが必要とする帯域の比が変化する。そのため各ストリームデータのストリームポイントを再設定する。この場合の、図14に示すS14で求められる最小公倍数は60である。その結果、ストリームデータAのストリームポイントは60/12=5となる。ストリームデータB、Cのストリームポイントは60/6=10となる。参入したストリームデータDのストリームポイントは60/15=4となる。
【0154】
また、本実施の形態では図14のS16に示す様に、新しいストリームデータの累積ストリームポイントを0に設定している。図17において、新しいストリームデータの累積ストリームポイントが0になっているのはそのためである。また、ストリームデータA、B、C、及びDの優先度は、順に1,2,4,3と固定されているものとする。従って、この時点で次に選択されるストリームデータはストリームデータDである。
【0155】
この第1の実施の形態の送信機32は、制御機に対して要求したストリームデータ送信要求に含まれる帯域から求めたストリームポイントに従い送信するストリームデータを決定している。従って、あるストリームデータの受信機との伝送状態が悪化したとしても、ストリームデータ間における送信頻度の比が変わることは無く、伝送状態の良いストリームデータの受信機において再生映像に乱れを生じることは無い。またこの第1の実施の形態の送信機32では、ある一定期間をとったとき、帯域の広いストリームデータほど送信権を割当てる回数が多くなるという特徴がある。
【0156】
この第1の実施の形態の送信機32では、ストリームデータの送信頻度を一定に保ちながら、可能な限りストリームデータパケットを分散して代わる代わる送信している。従って、制御機がストリームデータ送信要求通りにTXOPを与えてくれている状態ではパケットの寿命が尽きることがない。
【0157】
この第1の実施の形態の送信機32ではさらに、TXOPを与えられてから除算を使用することがない。従って、回路規模及びソフトウェア規模が簡単となり小規模となる。送信するストリームデータを決定するまでの時間も短くて済む。
【0158】
さらに、第1の実施の形態の送信機32は、伝送状態の変化を見越して余分に要求した、再送にかかる帯域分の時間も有効に活用できる。通常、制御機へのストリームデータ送信要求は、ストリームデータが必要とする映像、音声の帯域に加えて、伝送状態の変化による再送分の帯域も含んでいる。全てのストリームデータの伝送状態が良好であり受信機に正しく受信されれば、再送を見越して与えられたTXOP時間が終了する前には、全てのストリームデータのバッファ部が空になっている。全てのバッファ部が空となった場合には、送信機は制御機に送信権を返上する。従って他の送信機がその後の時間を使用してストリームデータの送信をすることができる。
【0159】
一方、送信機32において、あるストリームデータの受信機との伝送状態が悪化した場合には、そのストリームデータのバッファ部は空とならない。従って、再送を見越して与えられたTXOP時間のうち、残った時間ではそのストリームデータが送信されることになる。この時、他のストリームデータの再送帯域のために制御機より与えられた時間も、この伝送状態の悪いストリームデータの為に使用することになる。従って、制御機から与えられたTXOP時間を有効に活用できる。
【0160】
伝送状態が悪化しているストリームデータが複数あったとしても、前もって定義したストリームポイントに従いストリームデータを送信するので、伝送状態が悪化しているストリームデータ間における送信頻度の比が変わることは無い。
【0161】
上記した第1の実施の形態では、所定の条件が成立したことに応答して、各ストリームデータのストリームポイント及び累積ストリームポイントを再設定する。所定の条件が成立する場合とは、例えば新たなストリームデータの参入が検出された場合などのことをいう。再設定により、各ストリームデータに設定されるストリームポイントの比が新たに決められ、この新たなストリームポイントによって累積ストリームポイントを計算し、その結果によってストリームデータを選択する。従って、新たなストリームデータの参入があった後も、全てのストリームデータに対して、上記した様な効果を得ることができる。
【0162】
なお、上記した第1の実施の形態では、図13のS11において、累積ストリームポイントのオーバフローが検出されたときに、全ての累積ストリームポイントを0に再設定している。ここでの累積ストリームポイントの再設定の方法は、これ以外にも種々考えられる。
【0163】
例えば、全ての累積ストリームポイントから最小の累積ストリームポイントを減算する方法がある。この方法では全て0に再設定する方法よりも、計算回数が増加し、回路規模が大きくなる。しかし、累積ストリームポイントがオーバフローを生じる直前の時点での累積ストリームポイントの状態をそのまま再設定することが可能である為、各ストリームデータの再送頻度を乱すおそれがないという効果がある。
【0164】
また、上記した実施の形態では、累積ストリームポイントにストリームポイントを加算していき、累積ストリームポイントの値が最小となるストリームデータに送信権を与えている。しかし、送信権の決定方法は他にも考えられる。例えば、累積ストリームポイントは、ストリームポイントを直前の累積ストリームポイントの値から減算することにより算出する様にしてもよい。この場合には、累積ストリームポイントが最大のストリームデータに送信権を与える様にすればよい。ただしこの場合、累積ストリームポイントの初期値には、共通の大きな値を設定する必要がある。例えば累積ストリームポイントの計算に2バイトの記憶領域を使用するのであれば、2バイトで記憶できる最大の値である65535を累積ストリームポイントの初期値又は再設定値とすればよい。
【0165】
また、上記した第1の実施の形態では、ストリームデータの優先度は予め固定されている。しかし、優先度についてはこれ以外の設定の方法もある。例えば、寿命が短い方のストリームデータの優先度を高く設定する方法がある。寿命が尽きる時刻に近づいているデータパケットほど、早く送信しないと送信機にて破棄される可能性が高くなるからである。
【0166】
ストリームデータの優先度は、例えば、送信機と受信機との間の伝送状態に従って設定することもできる。この場合には、伝送状態の悪化している受信機向けのストリームデータの優先度を上げればよい。これは以下の様な理由による。
【0167】
伝送状態の悪化しているストリームデータは、受信機に正しくデータパケットが受信されないことが多い。その結果、送信機がデータパケットの再送をしなければならなくなることが多くなる。再送を行なうパケットは、最初に送信されたときよりもストリームデータの寿命が尽きる時刻に近づいている。寿命が尽きたデータパケットは送信されずに破棄され、結果として受信機では受信映像に乱れを生じることとなる。すなわち、そうしたパケットは出来るだけ早く送信を行なうほうが良い。このことから伝送状態の悪化しているストリームデータの優先度を上げ、出来るだけ早く送信を試みる方が良い。
【0168】
同様の考え方で、先着順に優先度を設定する方法も考えられる。この場合には、アルゴリズムが簡単であるため、回路規模を小さくすることができる。
【0169】
また、上記した第1の実施の形態のシステムでは、送信機32は外部の制御機30からCF−POLLを受信している。しかし、送信機32自体が制御機の機能を備えていてもよい。この場合には、送信機32は外部からCF−POLLフレームを受信するわけではなく、内部でその受け渡しとそれに伴う送信権の設定とが行なわれる。
【0170】
なお、上記した様に、本実施の形態では、ストリームデータの帯域の広さと、そのストリームデータに割当てられるストリームポイントとの間には負の相関がある。すなわち、ストリームポイントは、帯域の広さの単調減少関数である。この関数としてどの様なものを用いるかは、設計事項に属し、応用によって選択することができる。
【0171】
[第2の実施の形態]
上記した第1の実施の形態では、新たに参入したストリームデータの累積ストリームポイントは0に設定される。しかしこの方法によれば、新規ストリームデータの参入直後には、参入してきたストリームデータの累積ストリームポイントが最小となる期間が連続することが多い。その結果、その期間では新規参入ストリームデータだけが一定期間連続して送信されてしまい、送信頻度の比が保たれないという問題が生ずる可能性がある。
【0172】
例を挙げてこの問題について説明する。第1の実施の形態では、新規参入してきたストリームデータの累積ストリームポイントは0に初期化する。通常は、その他のストリームデータの累積ストリームポイントの最小値は0より大きい値であろう。この値が例えば50であると仮定する。この場合、参入してきたストリームデータの累積ストリームポイントが50よりも大きくなるまで、連続してこの新規に参入したストリームデータに送信権が与えられることになる。
【0173】
そこで、新規ストリームデータの参入があった場合、この様な問題が生じる可能性ができるだけ低くなる様にすることが好ましい。この第2の実施の形態では、そのために、新規なストリームデータの参入があった場合、各ストリームポイントの再設定を行なった後、参入したストリームデータの累積ストリームポイントを第1の実施の形態の様に0とするのではなく、より大きな値とする。具体的には、この第2の実施の形態では、新規に参入したストリームデータの累積ストリームポイントを、他のストリームデータのストリームポイントの中で最小の値に設定する。
【0174】
この第2の実施の形態の装置の構成は、第1の実施の形態のものとほぼ同様である。ただし、図13のS2に示され、図14に詳細が示されている新ストリームの参入処理に代えて、図18に示されている新ストリームの参入処理を採用する。
【0175】
図18を参照して、S14及びS15に示す処理は図14のS14及びS15の処理と同じである。S20において、新しく参入したストリームデータ以外のストリームデータの累積ストリームポイントの中で、最小の値を求める。続いてS21で、新規に参入したストリームデータの累積ストリームポイントに、S20で求めた最小の累積ストリームポイントの値を代入する。
【0176】
この第2の実施の形態の送信機において、ストリームデータ選択管理テーブル116の状態が図16に示されている様になっているときに、ストリームデータDが参入した時の参入処理後のストリームデータ選択管理テーブル116の内容を図19に示す。この例でも、図17に示したのと同様、ストリームデータDの帯域は15Mbpsであるものとする。
【0177】
図19が図17と異なるのは、ストリームデータDの累積ストリームポイントが、0ではなく2に設定されている点のみである。他の点で図19は図17と異なる所はない。
【0178】
この第2の実施の形態においては、累積ストリームポイントの初期値を設定する際の計算回数が第1の実施の形態に比べて増加し、必要な回路規模又はソフトウェアの規模が大きくなる。しかし、ストリームデータが新規に参入したときでも、新規のストリームデータだけに長い期間、連続して送信権を与える様になるおそれは少ない。そのため、新規のストリームデータの参入があった場合でも各ストリームデータの再送頻度を乱すおそれが少ない。
【0179】
[その他の変形例1]
上記した第1及び第2の実施の形態における累積ストリームデータの再設定の仕方以外にも様々なものが考えられる。たとえば、新規ストリームデータの参入が検出されときに、全ての累積ストリームポイントを一定の値、例えば0に設定することも考えられる。
【0180】
この方法によれば、参入してきたストリームデータのみが一定期間連続して送信されてしまい、送信頻度の比が保たれないという問題は生じない。しかも累積ストリームの設定処理が簡単なので、処理時間を短く、かつ回路を小規模にすることが可能である。
【0181】
しかし、この方法では、新規ストリームデータが参入した時点で、既存のストリームデータの累積ストリームデータの状態を示す情報が無くなってしまう。従って、一時的ではあるが送信頻度が乱れる影響が出る可能性もあるので注意が必要である。
【0182】
[その他の変形例2]
ストリームポイントを再設定するための所定の条件として、例えば受信機との伝送状態の悪化が考えられる。ストリームデータの受信機との伝送状態が悪化し、再送パケットとして多くの送信を行なう必要がある場合には、その伝送状態が悪化しているストリームデータのストリームポイントをある期間の間小さくすることが考えられる。この制御は、例えば図11の制御部52が伝送状態の悪化を検出したときに、図12のストリームデータ選択管理テーブル制御回路124を通じてストリームデータ選択管理テーブル116内のそのストリームデータに対応するストリームポイントの値を、ある期間の間だけ小さな値に変更することで実現できる。
【0183】
この方法によれば、伝送状態が悪化しているストリームデータのストリームポイントが小さくなり、その送信頻度は増加する。従って、そのストリームデータの受信機での再生映像に乱れが生じるのを防ぐことも可能である。
【0184】
ただし、その状態が続くと他の伝送状態が良いストリームデータの送信が待たされることとなり、ストリームデータの寿命が尽きて受信機での再生映像が乱れる可能性が増加するので注意が必要である。しかし、伝送状態が良いストリームデータの寿命が長い場合には、上記の調整を行なうことによりどの受信機の再生映像にも乱れを生じさせない調整も可能となる。
【0185】
[その他の変形例3]
別の所定の条件として例えばストリームデータが必要とする帯域が変化したことが考えられる。この時、新たなストリームデータの帯域を用いて、ストリームポイントを再計算し、再設定する。
【0186】
この方法によれば、ストリームデータの映像品質が上がり必要となる帯域が変化した場合にも、各ストリームデータの送信頻度の比率を適正に保ち、安定した再生映像を各受信機にて獲得することが可能となる。
【0187】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、ストリームデータ間における送信頻度に大きな変動が生じない様にできる。仮に伝送状態の悪いストリームデータが発生したとしても、伝送状態のよいストリームデータの伝送に悪影響を及ぼすことはない。
【0188】
ストリームデータの送信頻度を守りつつ、可能な限りストリームデータパケットを分散して代わる代わる送信されるので、制御機がストリームデータ送信要求通りにTXOPを与えてくれている状態ではパケットの寿命が尽きることがない。
【0189】
帯域の大きなものに優先して送信権が割当てられるので、帯域の大きなストリームデータの再生に支障が生じるおそれが少ない。
【0190】
新規にストリームデータの参入があった場合、ストリームデータの帯域に変化があった場合、あるストリームデータの伝送状態が悪化した場合、又は累積ストリームポイントにオーバフローがあった場合でも、ストリームデータの送信頻度の比が大きく変動することはなく、再生品質に問題が生じるおそれは少ない。また、伝送状態のよいストリームデータの再生状態に与える悪影響を小さく抑えながら、伝送状態の悪いストリームデータの再生品質がそれ以上劣化するのを防止することができる。
【0191】
さらに、伝送状態が悪化したり、寿命が短いストリームデータほど早く送信され、受信機での再生品質が乱れる可能性を低くできる。
【0192】
限られた送信権期間を有効に使って、ストリームデータの各々について良好な再生品質を確保することができる。その際、簡単で小規模な回路により実現でき、送信するストリームデータを決定するまでの時間も短くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信順を示す図である。
【図2】従来のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信での課題を説明するための図である。
【図3】想定される第1のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信順を示す図である。
【図4】想定される第1のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信での課題を説明するための図である。
【図5】想定される第2のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信順を示す図である。
【図6】想定される第2のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信の課題を説明するための図である。
【図7】想定される第3のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信順を示す図である。
【図8】想定される第3のストリームデータ割当て方法におけるストリームデータ送信の課題を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる無線通信システムの全体構成を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態にかかる送信機によるストリームデータ送信割当て例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における、送信機の内部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における、ストリーム選択部の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるストリームデータ割当て方法を示すフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態における、新規ストリームデータの参入時における処理を示すフローチャ−トである。
【図15】第1の実施の形態において、選択されるストリームデータ及びその累積ストリームポイントの時間的遷移を示す例である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における、ストリームデータ選択管理テーブル116の例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における、ストリームデータ選択管理テーブル116の例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態にかかる送信機における、新規ストリームデータの参入時における処理を示すフローチャ−トである。
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるストリームデータ選択管理テーブル116の例を示す図である。
【符号の説明】
30 制御機、32 送信機、34,36,38 受信機、50 タイマ、52 制御部、56 ストリーム選択部、60 送信部、66 ストリーム及び制御データ、68 ストリーム及び送信権制御データ、90,92,94 ストリームデータ、96,100,104 メモリ、98,102,106 プロトコル付加情報生成回路、108,110,112 混合回路、114 ローカルバスI/F、116 ストリームデータ選択管理テーブル、118 送信ストリームデータ選択回路、120 選択ストリームデータ制御回路、122,126 ストリームポイント制御要求、124 ストリームデータ選択管理テーブル制御回路、116 ストリームデータ選択管理テーブル、128,130 ストリーム選択要求

Claims (32)

  1. 複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、
    前記複数のストリームデータがそれぞれ必要とする帯域と、前記複数のストリームデータについて送信を試みた回数とに基づいて、次に送信権を割当てるストリームデータを決定するための手段と、
    前記決定するための手段により決定された送信権に従って、前記複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む、ストリームデータ送信装置。
  2. 前記決定するための手段は、
    前記複数のストリームデータに対して、それぞれ必要とする帯域により決定されるストリームポイントを設定するための手段と、
    前記複数のストリームデータの各々について、前記送信するための手段が送信を試みるごとに、対応のストリームポイントを累積していくための手段と、
    累積されたストリームポイントに基づいて、次の送信権を割当てるストリームデータを選択するための手段とを含む、請求項1に記載のストリームデータ送信装置。
  3. 前記ストリームポイントを設定するための手段は、
    前記複数のストリームデータがそれぞれ必要とする帯域に関する情報を獲得するための手段と、
    前記複数のストリームデータの各々に対して、必要な帯域の広さの関数としてストリームポイントを割当てるための手段とを含む、請求項2に記載のストリームデータ送信装置。
  4. 前記割当てるための手段は、
    前記複数のストリームデータに必要な帯域の逆数の比を算出するための手段と、
    前記複数のストリームデータに、それぞれ前記算出するための手段により算出された前記比をストリームポイントとして設定するための手段とを含む、請求項3に記載のストリームデータ送信装置。
  5. さらに、所定の条件の成立を検出するための検出手段と、
    前記検出手段が前記所定の条件の成立を検出したことに応答して、前記ストリームポイントを累積していく手段により累積されている累積ストリームポイントの値を所定の方法により再設定するための手段とをさらに含む、請求項1に記載のストリームデータ送信装置。
  6. 前記検出手段は、ストリームデータの参入を検出するための手段を含み、
    前記検出手段が前記所定の条件の成立を検出したことに応答して、前記ストリームポイントを割当てるための手段を動作させるための手段をさらに含む、請求項5に記載のストリームデータ送信装置。
  7. 前記検出手段は、ストリームデータの参入を検出するための手段を含み、
    前記再設定するための手段は、前記検出手段がストリームデータの参入を検出したことに応答して、参入したストリームデータの累積ストリームポイントを、その時点におけるストリームデータの中で予め定める条件を満足する累積ストリームポイントの値と等しい値に設定するための手段を含む、請求項6に記載のストリームデータ送信装置。
  8. 前記再設定するための手段は、全てのストリームデータの累積ストリームポイントを予め定める値に再設定するための手段を含む、請求項5に記載のストリームデータ送信装置。
  9. 前記予め定める値は0である、請求項8に記載のストリームデータ送信装置。
  10. 前記検出手段は、前記ストリームポイントを累積していく手段により累積される累積ストリームポイントのオーバフローを検出するための手段を含む、請求項5に記載のストリームデータ送信装置。
  11. 前記再設定するための手段は、前記検出手段が累積ストリームポイントのオーバフローを検出したことに応答して、全ストリームデータの累積ストリームポイントを、それぞれその時点での値から予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントの値を減算したものに再設定するための手段を含む、請求項10記載のストリームデータ送信装置。
  12. 前記予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントは、累積ストリームポイントの中の最小の値を持つものである、請求項11に記載のストリームデータ送信装置。
  13. 前記再設定するための手段は、前記検出手段が累積ストリームポイントのオーバフローを検出したことに応答して、全ストリームデータの累積ストリームポイントを予め定められた値に再設定するための手段を含む、請求項8に記載のストリームデータ送信装置。
  14. 前記予め定められた値は0である、請求項13に記載のストリームデータ送信装置。
  15. 所定の条件が成立したことを検出するための検出手段と、
    前記検出手段が前記所定の条件の成立したことを検出したことに応答して、前記複数のストリームデータのストリームポイントを所定の方法により再設定するための手段をさらに含む、請求項1に記載のストリームデータ送信装置。
  16. 前記検出手段は、各ストリームデータの伝送状態の変化を検出するための手段を含む、請求項15に記載のストリームデータ送信装置。
  17. 前記再設定するための手段は、前記検出手段が前記ストリームデータの伝送状態の変化を検出したことに応答して、伝送状態が悪化しているストリームデータのストリームポイントを、より小さな値に再設定するための手段を含む、請求項16に記載のストリームデータ送信装置。
  18. 前記検出手段は、各ストリームデータの必要とする帯域の変化を検出するための手段を含む、請求項15に記載のストリームデータ送信装置。
  19. 前記再設定するための手段は、前記検出手段が各ストリームデータの必要とする帯域の変化を検出したことに応答して、各ストリームデータのストリームポイントを、各ストリームデータがそれぞれ必要とする帯域の広さの関数として定まる値により再設定するための手段を含む、請求項18に記載のストリームデータ送信装置。
  20. 前記選択するための手段は、累積されたストリームポイントが予め定められた条件を満足するものを選択して、対応するストリームデータに送信権を割当てるための手段を含む、請求項2に記載のストリームデータ送信装置。
  21. 前記決定するための手段は、前記予め定められた条件を満足する累積ストリームポイントが複数存在する時、当該複数の累積ストリームポイントに対応する複数のストリームデータの中から、所定の基準に従って次の送信権を与えるストリームデータを選択するための選択手段をさらに含む、請求項20に記載のストリームデータ送信装置。
  22. 前記選択手段は、ストリームデータ送信要求の発生した順にストリームデータに送信権を与えるための手段を含む、請求項21に記載のストリームデータ送信装置。
  23. 前記選択手段は、伝送状態の悪化しているストリームデータに優先的に送信権を与えるための手段を含む、請求項21に記載のストリームデータ送信装置。
  24. 前記選択手段は、寿命が短いストリームデータに優先的に送信権を与えるための手段を含む、請求項21に記載のストリームデータ送信装置。
  25. 複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、
    各ストリームデータに送信権を割当てた累積回数に基づいて、次の送信権を与えるストリームデータを決定するための手段と、
    決定された送信権に従って、前記複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む、ストリームデータ送信装置。
  26. 前記決定するための手段は、通信を制御するための制御機から送信可能期間を与えられたことに応答して、各ストリームデータに送信権を割当てた累積回数に基づいて次の送信権を与えるストリームデータを決定するための手段を含む、請求項25に記載のストリームデータ送信装置。
  27. 複数のストリームデータを時分割で送信するストリームデータ送信装置であって、ある一定時間をとったときに帯域の広いストリームデータほど回数が多くなる様に各ストリームデータに送信権を割当てることを特徴とする、ストリームデータ送信装置。
  28. 通信を制御するための制御機から送信可能期間を与えられたことに応答して、前記送信権の割当てを行なうことを特徴とする、請求項27に記載のストリームデータ送信装置。
  29. 送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、
    前記複数のストリームデータに順番に送信権を割当てる手段と、
    前記送信権に従って、前記複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む、ストリームデータ送信装置。
  30. 送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、
    前記複数のストリームデータの要求伝送速度に従って送信権を与える時間を割当てるための手段と、
    前記送信権に従って,前記複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む、ストリームデータ送信装置。
  31. 送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間内で前記送信権の割当てを行なうことを特徴とする、請求項30に記載のストリームデータ送信装置。
  32. 送信権期間を制御するための制御機から与えられる送信権期間を時分割して複数のストリームデータを送信するストリームデータ送信装置であって、
    前記複数のストリームデータの各々の送信にかかる時間に基づいて、前記制御機から与えられた送信権期間を各ストリームデータに割当てるための手段と、
    前記送信権期間の割当てに従って、前記複数のストリームデータを動的に切替えて送信するための手段とを含む、ストリームデータ送信装置。
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