JP2004308362A - 岩盤掘削機を用いた深礎工法 - Google Patents

岩盤掘削機を用いた深礎工法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、岩盤に立坑等の深礎を構築する場合に、自動制御によって稼働する岩盤掘削機を用いた深礎の構築工法を提供する。
【解決手段】岩盤の掘削効率を向上させるため、予めダウンザホールハンマで大口径の鉛直先進導坑を掘削し、その中に中心軸シャフトを建て込み、底部を根固めし、その後回転自在の多数の円盤型剥離破砕刃を螺旋状に配列した円錐体からなる岩盤切削機を用いて、自由面の多い端面掘削盤を形成し、深礎の中心軸シャフトに沿って該岩盤切削機本体を下方に推進かつ回転させるための反力受け材を構築し、ピストンシリンダーの変位と荷重制御、駆動モータの回転速度制御をスラリーの基準含泥率をベースに実施していく総合自動制御システムによって該岩盤掘削機の効率的な切削と排土作業を無人化施工することを特徴とする深礎工法。
【選択図】図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,複数の回転する円盤型剥離破砕刃が円錐体の岩盤切削機に回転自在に取り付けられ,該破砕刃が地山に当接して転動する過程で地山を破砕するようにした岩盤掘削機を用いた深礎工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁基礎や杭基礎工事、および立坑掘削工事では、深礎工法が有効な手段であるが、従来の深礎工法は、人力施工によるところが多く、狭隘な孔内での苦渋作業であり、また落下物や坑壁の崩落、有毒ガスの発生、酸欠状態に曝されるなどの危険を伴うため、より安全な機械化施工技術の開発が、早急に解決すべき重要な課題とされてきた。
【0003】硬質の岩盤に深礎を掘削する技術は、従来、人力掘削が主流であったが、近年、自動化された立坑穿孔機などで穿孔した後、ダイナマイト等の発破を用いて岩盤を***する工法を採用しているが、振動や騒音等の公害が大であり、周辺住民や既設の構造物にまで多大なる影響を及ぼしていた。
【0004】深礎工事中に出現した巨大な転石について、穿孔機械で削孔した穴に膨張材などの静的破砕材を充填して静的に破砕する方法や、差し矢をボーリング孔内に油圧で貫入する割岩工法があるが、小規模で作業能力が低いという欠点がある。
【0005】大口径の立坑掘削では、大型の油圧ハンマーやブレーカを用いて岩盤を破砕する工法が採用されているが、効率が小さく、かつ騒音による難聴や粉塵による塵肺、振動による白蝋病等の労働災害を発生せしめている。また、クラムシェルバケットやグラブバケットによる掘削工法やハンマーグラブを用いるベノト工法などは軟岩では有効であるが、硬岩には適しない。
【0006】岩盤掘削専用のトンネルボーリングマシンを鉛直下方に移動させて深礎を掘削する深礎ボーリングマシンにおいて、切り羽を掘削する円形面盤上には多数の円盤型圧壊破砕刃が回転自在に取り付けられており、前記円形面盤を地山に当接回転させることにより、前記円盤型圧壊破砕刃が大きな推進力を受けて岩盤を円形軌道に沿って筋状に圧壊し、隣接する前記円盤型圧壊破砕刃の円形軌道上に形成された圧壊溝との間に隣接引張り破砕を引き起こさせる圧壊破砕工法が考案されている。しかし、この工法では、大きな推進力と回転力を必要とし、かつ、作業能力である破砕効率が小さいばかりでなく、円盤型圧壊破砕刃の摩耗寿命が短く、交換頻度が高いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術によれば、人力施工による苦渋作業や発破工法による騒音や振動による労働災害を減少するために、機械化掘削工法に切り替える必要がある。そのために開発された静的破砕材や油圧による割岩工法、油圧ハンマーやブレーカなどは、作業能力が著しく低いという課題を残している。また、作業性能の向上を目指して開発されたバケット式掘削工法やベノト工法なども作業効率が比較的低く、硬質の岩盤に対しては掘削不能となるばかりでなく、カッタ刃先の摩耗による損傷が極端に増加するという課題を解決していく必要がある。さらに、立坑穿孔機を用いた発破工法を使用した場合には、所定の深礎断面周辺の岩盤まで余分に破砕してしまうという課題がある。
【0008】前記深礎ボーリングマシンで使用されている切り羽面を圧壊破砕する円盤型圧壊破砕刃には、大きな推進力と回転力を必要とするばかりでなく、そのために前記円盤型圧壊破砕刃の摩耗寿命が短く、また、岩盤の破砕効率として単位仕事量当たりの掘削土量が小さいという課題がある。
【0009】本発明は、上記各項の課題を勘案し、作業能力を一段と向上させるために、円錐体の岩盤切削機に円盤型剥離破砕刃を多数配置し、その結果、推進力および回転力の軽減、摩耗劣化の防止、単位切削仕事当たりの掘削土量を増加させることにより、作業効率を向上させる好適な岩盤掘削機を用いた深礎工法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決、及び発明の目的を達成するために、新しい機械化施工技術を導入した岩盤掘削機を用いた深礎工法を開発する。これは、予め深礎を施工する位置で大口径のダウンザホールハンマによって所定の深さまでボーリングを実施し、鉛直先進導坑を構築する。ボーリングされた穴に中心軸シャフトを建て込み、前記鉛直先進導坑の底部に前記中心軸シャフトをコンクリートで根固めする。前記中心軸シャフトに沿って上下方向に移動する円錐体の岩盤切削機本体が、その上方に構築されたグリッパ装置を設置した反力受け材から反力を取って前記岩盤切削機本体を下方に推進させる推進手段および前記中心軸シャフトの周りを回転運動させる回転手段を兼ね備えており、該岩盤を切削する岩盤掘削機を用いた深礎工法であることを特徴としている(請求項1)。
【0011】一般に、岩盤の強度は、岩石の圧縮強度、せん断強度及び引張り強度の大きさによって決まる。岩石の引張り強度は、圧縮強度の十数分の一程度であり、本発明では、岩盤に多くの亀裂を発生せしめ、自由面を多くして、岩石の引張り破壊を誘発する岩盤の剥離破砕を主たる手段としている。予め、ボーリングによって形成された円形の2自由面をもつ端面掘削盤内面を剥離破砕し、つづいて所定の間隔で螺旋状に配置した多数の円盤型剥離破砕刃を装着した円錐体の岩盤切削機を所定の推進力で中心軸シャフトまわりを回転させ、前記円盤型剥離破砕刃が順次露出した円錐型で階段状の自由面で構成される地山に当接し、その内側部分を剥離破砕して下方向へ掘削を進めて、深礎を形成することを特徴としている(請求項2)。
【0012】その結果、剥離破砕刃に作用する切削力の減少にともなって地山に余分な損傷を発生させることなく、また、円盤型剥離破砕刃に衝撃力による衝撃摩耗や引っ掻き摩耗を引き起こさせず、該破砕刃の摩耗劣化を極力低下せしめることができる。さらに、切削ドラムの回転に必要な回転トルクも減少するために、単位仕事当たりの切削土量である作業能力が一段と向上するだけでなく、岩盤切削機本体が発生する騒音・振動を許容値以内に抑えることができる好適な手段である。
【0013】本発明の深礎工法は、大口径のダウンザホールハンマでボーリングした穴の底部に中心軸シャフトを根固めする施工手段、および自動制御システムを導入した反力受け材を深礎内壁にグリッパ装置によって固定する設置手段、円錐体の岩盤切削機本体が前記反力受け材から推進および回転反力を取って、前記中心軸シャフトに沿って下方に所定距離推進させながら前記岩盤切削機本体を回転させその下側を掘削し、その繰り返し工程を自動制御する掘削手段、および掘削された岩屑を前記中心軸シャフトの最下部に設置した開口より供給されるベントナイト溶液に混入して、前記反力受け材に設置したスラリーポンプを経由してスラリーとして地上へ排出する工程を自動制御した排土手段をもって構成されることを特徴とする(請求項3)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1は、深礎を施工する地山1に予め円錐体の岩盤切削機本体を設置するための穴を掘削し、露出した底部の地山2に大口径のダウンザホールハンマによって所定の深さまでボーリングを実施して構築した鉛直先進導坑3を示している。
【0015】鉛直先進導坑3に所定の長さの中空鋼管で製作された中心軸シャフト4を建て込み、鉛直先進導坑の底部において、コンクリート根固め5を施工する。図2は底部を根固めされた中心軸シャフトであり、地山1に設置した梁6によって前記中心軸シャフト4を鉛直に保持する。
【0016】図3は、円錐体の岩盤切削機本体7を予め掘削された穴の底部に位置する露出した地山2に当接させ設置する手段、および前記岩盤切削機本体7の上方にそれを稼働するための反力を支持する反力受け材8を深礎側壁9に固定して設置する手段を示したものである。前記岩盤切削機本体7は中心軸シャフト4をガイドとして上下方向の移動および水平方向の回転を可能とし、また、前記反力受け材8は前記中心軸シャフト4をガイドとして任意の位置に設定可能としている。
【0017】反力受け材8の構造は、例えば、図4の平面図に示すように、正四辺形の4本の枠組梁10と2本の対角線梁11から成り立っている。前記反力受け材8を深礎側壁9に固定して設置するために、前記対角線梁11の両端にグリッパ装置12を配置する。2本の対角線梁11には、計4個のグリッパ装置12に内蔵したグリッパ部材13を突出させる開口部が形成されている。図5の反力受け材8の立面図に示すように、前記グリッパ部材13は、前記グリッパ装置12に内蔵してある油圧シリンダー等の駆動手段を操作することにより、突出または没入させることができる。前記グリッパ部材13に作用する荷重および変位量を自動制御することにより、前記反力受け材8のセンターリング作業をはじめ、所定の反力を得るのに十分な反力受け材として使用することができる。
【0018】図6は、円錐体の岩盤切削機本体7の平面図であり、外側表面に位置する各母線に沿って所定の間隔で螺旋状に回転自在に配設された複数の円盤型剥離破砕刃14を示したものである。その中、前記岩盤切削機本体7の中心軸シャフト4に最も近い円盤型剥離破砕刃14が、図7の立面図に示すように、地山2に当接し、岩盤を剥離破砕する。その後、前記岩盤切削機本体7の下方への推進にともなって、前記円盤型剥離破砕刃14がつぎつぎと地山2に当接し、地山2に自由面の卓越した円錐型で階段状の溝が形成される。
【0019】図8に示すように、個々の円盤型剥離破砕刃14が地山2に当接する位置、すなわち切り込み幅aは、地山2の岩盤の種類によって、先行する溝の端部から十数mm〜数十mmとなるように設定する。片側を先鋭に形成された円盤型剥離破砕刃14の刃先がφなる逃げ角を取って岩盤表面に切り込んだとき、刃先の貫入力は、該円盤型剥離破砕刃14の地山2に当接する位置より先行している溝の端部までの距離である切り込み幅aに対応する岩盤を、先行する溝の内側に引き剥がす引張り力として作用する。地山2の切り込み幅aと切り込み深さbの比率a/bは、岩盤の種類によってことなり、軟質な岩盤では1程度、硬質な岩盤では1以下にとることができる。
【0020】このように、岩盤の剥離破砕に必要な押圧力は岩石の引張り強度に依存するので、深礎ボーリングマシンのように岩石の圧縮強度に依存する岩盤の圧壊破砕に要する押圧力の十数分の一程度である。その結果、円錐体の岩盤切削機本体7を稼働するのに必要な推進力および回転力を軽減することができ、単位切削仕事当たりの掘削土量を増加させることができる。従って、円盤型剥離破砕刃14の耐摩耗性は向上し、また前記円盤型剥離破砕刃14のベアリングの負荷容量を小さくすることができ、直径も小さくすることができるので、数多くの該円盤型剥離破砕刃14の取り付けに空間的制約の多い狭隘な円錐体の岩盤切削機本体7の表面にも適切に配置することができる。
【0021】円錐体の岩盤切削機本体7の最外周部位に設置される円盤型剥離破砕刃であるゲージカッタ15は、前記岩盤切削機本体7の上部に位置する筒体16と深礎側壁9との間の摩擦抵抗を軽減するために、切り込み幅aを大きくする必要があり、図6に示すように、該ゲージカッタ15の直径を他の円盤型剥離破砕刃14の直径より大きくする。
【0022】図9は、円錐体の岩盤切削機本体7と反力受け材8との間の連接構造の横断面図を示したものである。前記連接構造は、前記岩盤切削機本体7を稼働させるための推進手段であるピストンシリンダー17と回転手段である駆動モータ18およびスプロケット22から成り立っており、それぞれ、深礎側壁9にグリッパ部材13によって水平面上にX−XおよびY−Y方向に固定された前記反力受け材8に連接されている。前記ピストンシリンダー17は、前記反力受け材8の端部4カ所に設置され、前記駆動モータ18およびスプロケット22はR−R方向に反力受け材の枠組み梁10上の計4カ所に設置されている。
【0023】円錐体の岩盤切削機本体7を稼働させるための推進手段であるピストンシリンダー17は、図10のX−XおよびY−Y断面図に示すように、前記岩盤切削機本体7の筒体16の最上部に設置した円環状の溝型レール19を転動走行する片側支持の車輪20を経て推進力を伝達する。ピストンロッド21のストロークは約1メートルとし、深礎の掘進長1リングを達成できるものとする。計4個のピストンシリンダーは相互に自動制御され、前記岩盤切削機本体7が中心軸シャフト4に沿って鉛直方向に正確に移動できるように、許容推進力の範囲内で変位制御される。
【0024】円錐体の岩盤切削機本体7を稼働させるための回転手段である駆動モータ18は、図11のR−R断面図に示すように、前記岩盤切削機本体7の筒体16の内側を転動するスプロケット22を経て回転力を伝達する。計4台の前記駆動モータ18は、それぞれの回転速度が同一となるように同期制御される。前記岩盤切削機本体7の回転軸が常に鉛直となるように、前記スプロケット22の位置を調整しておくことが必要である。
【0025】中心軸シャフト4に沿って、円錐体の岩盤切削機本体7が下方にピストンシリンダー17の1ストロークに相当する距離だけ地山2を掘進した後、次のストロークを掘進する作業を繰り返し実施するために、反力受け材8を逐次下方に固定していく動作を自動制御するシステムを構築する必要がある。例えば、最初の掘削が完了した後、前記反力受け材8のグリッパ装置12に内蔵したグリッパ部材13を没入させ、次にピストンロッド21を前記ピストンシリンダー17に没入させると同時に該反力受け材8を下方に移動させ、所定の距離進んだことを確認し、再び深礎側面9に該反力受け材8を水平面上に精度高く固定する動作を完全自動化することができる。
【0026】円盤型剥離破砕刃14によって切削された岩屑は、ベントナイト溶液に混入してスラリーとして地上に排出させる。そのために、中空鋼管で製作された中心軸シャフト4をベントナイト溶液の供給パイプとして使用し、図12の岩盤掘削機を用いた深礎工法における岩屑排出システムに示すように、ベントナイト溶液を供給する供給ポンプ23から供給弁24を経て、ベントナイト溶液が前記中心軸シャフト4を流下し、鉛直先進導坑3を上昇するため、コンクリート根固め5の上部近傍よりベントナイト溶液を供給するための複数の開口25を該中心軸シャフト4に設置する。
【0027】中心軸シャフト4の底部に位置する開口25より供給されるベントナイト溶液は鉛直先進導坑3を図12に示す矢印方向に上昇する。その後、円錐体の岩盤切削機本体7の底部より排出される岩屑と混入し、スラリーとして該岩盤切削機本体7内側の下方に向かって鉛直方向に設置された2本のスラリーホース26によって矢印方向に吸い取られる。さらに、スラリーは反力受け材8の上部Y−Y方向に設置した2台のスラリーポンプ27、および合流排出弁28を経て地上に設置した排出ポンプ29より排出される。排出されたスラリーは、岩屑とベントナイト溶液に分離され、含泥率を調整して精製されたベントナイト溶液は、再度供給ポンプ23を経て循環して使用される。
【0028】2本のスラリーホース26の吸い込み口を常に円錐体の岩盤切削機本体7内側で底部の定位置に設置するため、図10に示すように、前記岩盤切削機本体7とともに移動する片側支持の車輪20の支持枠にX−X方向に設置したスラリーホース固定梁30でスラリーホース26を支持する。従って、前記スラリーホース固定梁30と吸い込み口までの該スラリーホース26の長さを常に一定に保持することができるので、該スラリーホース26の吸い込み口を定位置に固定することができる。
【0029】円盤型剥離破砕刃14の摩耗劣化にともなう部品交換作業を実施するためには、反力受け材8、円錐体の岩盤切削機本体7およびスラリーポンプ27を含む排土設備等から構成される岩盤掘削機を前記反力受け材8に設置した4カ所の把持装置31をワイヤロープ等で結合し、クレーン等で地上へ回収する必要がある。そのためには、全ての構成部品が一体構造となる必要があり、図10に示すように、とくに反力受け材8に固定されたピストンシリンダー17、ピストンロッド21、片側支持の車輪20と円錐体の岩盤切削機本体7との連接のため、車輪が転動走行するレールとして円環状の溝型レール19を採用し、前記岩盤切削機本体を吊り上げるときのフックの役目をもたせることとした。
【0030】図13は岩盤掘削機を用いた深礎工法に対する総合自動制御システムのフローチャートを示したものである。まず、反力受け材8、円錐体の岩盤切削機本体7およびスラリーポンプ27を含む排土設備等から構成される岩盤掘削機をクレーン等で吊り上げ、中心軸シャフト4に沿って、予め掘削された穴の底部に設置する(S1)。
【0031】岩盤掘削機を設置した後、反力受け材8に固定した4個のピストンシリンダー17に内蔵したピストンロッド21の変位を調整し、前記反力受け材8を水平に保持する(S2)。そのために、該反力受け材8に設置したX−XおよびY−Y方向の水準を計測する2個の傾斜センサ32を使用し、該反力受け材8の水準調整を行う。この作業を繰り返し実施し、該反力受け材8の水準度が許容範囲に収まるまで自動制御する。その後、前記反力受け材8の端部に設置したグリッパ装置12に内蔵したグリッパ部材13の位置を調整し、該反力受け材8のセンタリングを行うと同時に所定の推力に達するまで油圧を載荷し、深礎側壁9に該反力受け材8を固定する。
【0032】次に、反力受け材8に固定した4個の駆動モータ18の出力軸であるスプロケット22の回転軸の位置を調整し、またそれぞれの回転速度を同期させて、円錐体の岩盤切削機本体7の回転軸が鉛直であることを確認する必要がある(S3)。そのために、前記岩盤切削機本体7が回転しているとき、スラリーホース固定梁30に設置したX−X方向の水準を計測する傾斜センサ32を使用し、該岩盤切削機本体7の水準調整を行う。この作業を繰り返し実施し、該岩盤切削機本体7の回転中の水準度が許容範囲に収まるまで自動制御する。
【0033】円盤型剥離破砕刃14によって破砕された岩屑を地上に排出するために、ベントナイト溶液と岩屑を混合させてスラリー輸送するとき、円錐体の岩盤切削機本体7の内側に発生する岩屑を含んだベントナイト溶液であるスラリーの水面が片側支持の車輪20やスプロケット22の転動部位に達しないように、ベントナイト溶液の単位時間当たりの供給量とスラリーとして排出される単位時間当たりの排土量を等しくし、水位を一定にするための自動制御が必要である(S4)。
【0034】掘削開始に当たっては、油圧ユニットから供給される油圧をサーボ弁によって自動制御できるシステムを使用し、対象掘削岩盤の特性に対応させて、ピストンロッド21の変位および荷重制御をはじめ駆動モータ18の回転速度制御を行う(S5)。単位時間当たりに発生する岩屑の量は、スラリーの含泥率センサで計測されるので、スラリーホースの含泥率調整(S6)を実施することにより、適切な含泥率を保持するために前記ピストンロッド21の変位速度を変位センサやロードセンサによって許容範囲内の推進力において自動制御し、また前記駆動モータ18の回転速度を回転トルクセンサによって許容範囲内の回転力において自動制御することができる。
【0035】ピストンロッド21の変位が1リングに達したとき、1ストロークの掘削は終了する(S7)。このとき、反力受け材8のグリッパ部材13をグリッパ装置12に引き込んだ後、次のステップに向かって、深礎側壁9に改めて前記反力受け材8を固定して、同様の作業を繰り返していく自動制御へと自動的に切り替えていくことができる。また、円盤型剥離破砕刃14が摩耗劣化し、部品交換する時期に達したとき、改めて岩盤掘削機をクレーン等で吊り上げて、部品を交換した後、最初から岩盤掘削機を中心軸シャフト4に沿って設置し、同様の作業を繰り返し実施していくための自動制御装置へと移行することができる。深礎建設の全工程を終了することをもって掘削完了とする(S8)。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における円錐体の岩盤切削機本体7は、岩盤の剥離破砕に必要な押圧力が、岩石の引張り強度に依存し、岩石の圧縮強度に依存する従来の深礎ボーリングマシンにおける岩盤の圧壊破砕に要する押圧力の十数分の一程度であることに着目してなされたものである。これに基づいて、請求項1及び2に記載の発明では、鉛直先進導坑3の掘削により岩盤に自由面を構築し、その後多数の円盤型剥離破砕刃14を配設した円錐体の岩盤切削機本体7に、反力受け材8より推進力と回転動力を与え、中心軸シャフト4に沿って鉛直下方へ回転掘削させるものであり、主として、岩盤の剥離破砕に重点をおいており、単位切削仕事当たりの掘削土量である作業能力を増加させることが可能である。さらに、破砕刃の耐摩耗性能を一段と向上させている。
【0037】請求項3に記載の発明では、岩盤掘削機を用いた深礎工法に対する総合自動制御システムを構築することにより、従来の人力施工に伴う苦渋作業や労働災害を軽減するための掘削効率の高い新しい機械化施工技術の開発が可能となる。予めダウンザホールハンマで大口径の鉛直先進導坑3を掘削し、その中に中心軸シャフト4を建て込み、その底部をコンクリート根固めする。その後、反力受け材8の深礎側壁9への固定作業、円錐体の岩盤切削機本体7の設営作業、および岩屑の排出作業システムの構築を自動制御によって準備完了する。掘削開始に当たっては、ピストンロッド21の変位および荷重制御、駆動モータ18の回転速度制御方針をスラリーの基準含泥率をベースに実施していくことにより、より安定した掘削作業が可能であり、1リング毎の繰り返し掘削作業を無人化施工とすることを保証するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛直先進導坑
【図2】中心軸シャフトの根固め工
【図3】岩盤切削機おおび反力受け材の建て込み
【図4】反力受け材の平面図
【図5】反力受け材の立面図
【図6】円錐体の岩盤切削機平面図
【図7】円錐体の岩盤切削機立面図
【図8】片側支持の円盤型剥離破砕刃の側面図および岩盤の切削状況
【図9】円錐体の岩盤切削機本体と反力受け材の連接構造(横断面図)
【図10】円錐体の岩盤切削機本体と反力受け材の連接構造(X−XおよびY−Y断面図)
【図11】円錐体の岩盤切削機本体と反力受け材の連接構造(R−R断面図)
【図12】岩盤掘削機を用いた深礎工法
【図13】総合自動制御システムのフローチャート
【符号の説明】
1 地山
2 露出した地山
3 鉛直先進導坑
4 中心軸シャフト
5 コンクリート根固め
6 梁
7 円錐体の岩盤切削機本体
8 反力受け材
9 深礎側壁
10反力受け材の枠組み梁
11反力受け材の対角線梁
12グリッパ装置
13グリッパ部材
14円盤型剥離破砕刃
15ゲージカッタ
16岩盤切削機筒体
17ピストンシリンダー
18駆動モータ
19溝型レール
20片側支持の車輪
21ピストンロッド
22スプロケット
23供給ポンプ
24供給弁
25開口
26スラリーホース
27スラリーポンプ
28合流排出弁
29排出ポンプ
30スラリーホース固定梁
31把持装置
32傾斜センサ
a切り込み幅
b切り込み深さ
φ円盤型剥離破砕刃の逃げ角

Claims (3)

  1. 岩盤に立坑等の深礎の掘削を行う岩盤掘削機であって、予め深礎を施工する位置で大口径のボーリングを行って最初の端面掘削盤を形成すると共に、ボーリングされた穴の底部に中心軸シャフトを根固めした状態で、前記中心軸シャフトに沿って上下移動する円錐体の岩盤切削機本体がその上部に構築された反力受け材から反力を取って、掘削時に前記岩盤切削機本体を下方に推進させる推進手段および前記中心軸シャフトの周りを回転運動させる回転手段を兼ね備えていることを特徴とする岩盤掘削機を用いた深礎工法。
  2. 請求項1記載の円錐体の岩盤切削機本体であって、ボーリングによる最初の円形の端面掘削盤を形成した後、つづいて該円錐体に所定の間隔で螺旋状に設置された多数の円盤型剥離破砕刃が順次地山に露出した円錐型で階段状の自由面に当接し、その内側部分を剥離破砕して、下方へ掘削していくことを特徴とする円錐体の岩盤切削機本体。
  3. 請求項1記載の深礎工法であって、深礎を施工する位置に、大口径のボーリングを行うとともに、ボーリングされた穴の底部に請求項1記載の中心軸シャフトを根固めして設置する工程、および請求項1記載の反力受け材を掘削された深礎内面に設置する工程、前記反力受け材から反力を取って請求項2記載の円錐体の岩盤切削機本体を前記中心軸シャフトに沿って、下方に所定距離だけ推進させながら前記岩盤切削機本体を回転させ、その下側を掘削する掘削工程、および掘削された岩屑を前記中心軸シャフトの最下部に設置した開口より供給されるベントナイト溶液に混入して、前記反力受け材に設置したスラリーホースを経て地上へ搬出する排土工程に対する自動制御システムを備えることを特徴とする深礎工法。
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