JP2004198794A - 放射線画像読取装置 - Google Patents

放射線画像読取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004198794A
JP2004198794A JP2002368191A JP2002368191A JP2004198794A JP 2004198794 A JP2004198794 A JP 2004198794A JP 2002368191 A JP2002368191 A JP 2002368191A JP 2002368191 A JP2002368191 A JP 2002368191A JP 2004198794 A JP2004198794 A JP 2004198794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
grid
casing
conductive material
radiation image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002368191A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Mitani
公一 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002368191A priority Critical patent/JP2004198794A/ja
Publication of JP2004198794A publication Critical patent/JP2004198794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】画質を向上させるとともに、放射線画像読取装置の電磁波シールド性を高めて、EMC対策を向上させる。
【解決手段】放射線画像読取装置は、放射線を透過する透過板と、輝尽性蛍光体シートを搭載し、輝尽性蛍光体シートに対向するように透過板を支持するケーシングとを備えている。透過板の輝尽性蛍光体シート側の表面は、導電性材料によって覆われている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像読取装置に係り、特に電磁波保護を施した放射線画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、X線画像に代表される放射線画像が診断に広く用いられている。この放射線画像を得るための方式としては、被写体を透過させた放射線を増感紙と呼ばれる蛍光体層に照射し、この蛍光体層から放出された可視光をハロゲン化銀写真感光材料に照射し、この感光材料に現像処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式が提案され、実用化されている。
【0003】
また、近年においては、前記した放射線写真方式に代えて、照射された放射線エネルギーを蓄積、記録し、励起光を照射すると蓄積、記録された放射線エネルギーに応じて輝尽発光する「輝尽性蛍光体」を用いた放射線画像記録再生方式が提案されている。
【0004】
この放射線画像記録再生方式には、輝尽性蛍光体に蓄積、記録された放射線エネルギーを電気信号に変換して放射線画像を作成する放射線画像読取装置が用いられている。放射線画像読取装置は、被写体を透過させた放射線を輝尽性蛍光体に照射することによって、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に蓄積、記録させた後、励起光によって放射線エネルギーを輝尽発光させ、この輝尽発光光の強弱を電気信号に変換する。そして、この電気信号を、感光材料などの画像記録材料やCRTなどの画像表示装置を介して可視像として再生する。
【0005】
放射線画像記録再生方式によると、放射線写真方式と比較してきわめて少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるが、輝尽性蛍光体は、高感度であるがゆえに、被写体を透過する際に散乱した低エネルギーの放射線(散乱線)をも蓄積、記録してしまう。散乱線によって正確な画像情報の蓄積、記録が妨げられると、診断性能の低下など種々の弊害を招く可能性があった。
【0006】
散乱線を除去するために、放射線画像読取装置には放射線吸収率の高い鉛などからなる放射線吸収層と、放射線吸収率の低いアルミニウム、紙、木、合成樹脂などからなる放射線透過層とを交互に設けた積層体を、放射線吸収率の低い板材で被覆して構成した「グリッド」が使用されており、輝尽性蛍光体(パネル20)の放射線源側にこのグリッド(グリッド12)を配置することによって、散乱線を除去していた(例えば特許文献1)。また、グリッドが前側支持部材や胸当て板として機能するように構成した放射線画像読取装置も知られている(例えば特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−186553号公報(第3−5頁、第2図)
【特許文献2】
特開平5−5965号公報(第3−5頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電子機器から発生する電磁波が人体に悪影響を及ぼすおそれがあるとの報告がなされている。このため、人体に伝播する電磁波量を抑制するEMC対策を電子機器に施すことが望まれており、放射線画像読取装置においても同様のことが望まれている。しかしながら、上記した特許文献1及び特許文献2に記載される放射線画像読取装置においては、内部機器から発生される電磁波のことが考慮されていないため、EMC対策としては不十分であった。
【0009】
本発明の課題は、画質を向上させるとともに、放射線画像読取装置の電磁波シールド性を高めて、EMC対策を向上させることを図る。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の放射線画像読取装置は、
放射線を透過する透過板と、
輝尽性蛍光体シートを搭載し、前記輝尽性蛍光体シートに対向するように、前記透過板を支持するケーシングとを備え、
前記透過板の前記輝尽性蛍光体シート側の表面は、導電性材料によって覆われていることを特徴としている。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、導電性材料によって透過板の輝尽性蛍光体シート側の表面が覆われているので、ケーシング内部の電子機器から発生される電磁波は、その一部分が導電性材料にシールドされて、被写体まで伝播する量を低減することができる。このように、電磁波シールド性を高めることで、EMC対策を向上させることができる。
また、被写体を透過することにより発生した散乱線は、導電性材料によって効果的に除去されるので、放射線画像の画質を向上させることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の放射線画像読取装置において、
前記ケーシングの内面は、導電性材料によって覆われていることを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、導電性材料によってケーシングの内面が覆われているので、透過板を覆う導電性材料だけではシールドできない電磁波をシールドすることができる。したがって、被写体まで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の放射線画像読取装置において、
前記透過板を覆う導電性材料と前記ケーシングを覆う導電性材料との隙間は、導電性材料によって充填されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、透過板を覆う導電性材料とケーシングを覆う導電性材料との隙間は、導電性材料によって充填されているので、隙間から外部に伝播しようとする電磁波をシールドでき、被写体まで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
【0016】
請求項4記載の発明の放射線画像読取装置は、
放射線を透過するとともに散乱線を除去するグリッドと、
前記グリッドの表面に貼着する導電板と、
輝尽性蛍光体シートを搭載し、前記輝尽性蛍光体シートに対向するように、前記グリッドを支持するケーシングとを備え、
前記ケーシングの内面は導電性材料によって覆われ、
前記グリッドの前記導電板と前記ケーシングの導電性材料とが、電気的に接続されていることを特徴としている。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、グリッドの導電板とケーシングの導電性材料が電気的に接続されているので、ケーシング内部の電子機器から発生される電磁波が導電板を介して導電性材料に伝導し、被写体まで電磁波が伝播することを抑制することができる。このように、電磁波シールド性を高めることで、EMC対策を向上させることができる。
また、被写体を透過することにより発生した散乱線は、グリッドによって効果的に除去されるので、放射線画像の画質を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
以下、この発明の第一の実施の形態について、図1〜図7の図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における放射線画像読取装置1の全体構成を表す概念図である。
【0019】
本実施形態に係る放射線画像読取装置1は、放射線源30から照射された放射線が被写体を透過し、輝尽性蛍光体シート2に放射線エネルギーを蓄積・記録させて、その記録された放射線エネルギーを基に放射線画像を作成するものである。
【0020】
輝尽性蛍光体シート2は、シート状支持体上に輝尽性蛍光体を形成したものである。
シート状支持体は、取り扱い上、ウール、コットン、紙、プラスチックフィルムなどの可撓性を有する材料で作成するのが好ましい。
輝尽性蛍光体は、照射された放射線エネルギーを蓄積し、その後励起光が照射されると、蓄積されていた放射線エネルギーに応じて輝尽発光するものである。輝尽性蛍光体としては、米国特許3859527号明細書に記載されている希土類不活硫化ストロンチウム系又は輝度類不活ランタンオキシサルファイド系蛍光体、米国特許第4236078号明細書に記載されている希土類付活アルカリ土類金属フルオロハライド系蛍光体、特開昭55−12144号公報に記載されている希土類付活ランタンオキシハライド系蛍光体、特開昭55−12142号公報に記載されている銅および/又は鉛付活硫化亜鉛系、希土類付活アルミナ・酸化バリウム系又はシリカ・酸化アルカリ土類金属系蛍光体などが挙げられる。
【0021】
以下、図1を参照にして、放射線画像読取装置1について詳細に説明する。
放射線画像読取装置1には、図1に示すように、撮影時に輝尽性蛍光体シート2に対して対向するように被写体Pの撮影部位が当接されるカバー部材3が、その外装を形成している。カバー部材3の内部には、輝尽性蛍光体シート2を放射線の照射方向に対して略垂直となるように支持する支持体4が設けられている。そして、支持体4の後方(図では右側)には、輝尽性蛍光体シート2に記録された放射線エネルギーを読み取るための読取装置5が設けられている。また、支持体4の上方には、読取装置5により放射線エネルギーが読み取られた後に輝尽性蛍光体シート2に残存する放射エネルギーを消去する消去装置6が設けられている。このように、カバー部材3は、支持体4、読取装置5、消去装置6を搭載して各部を物理的及び光学的に保護している。
【0022】
読取装置5には、輝尽性蛍光体シート2に励起光を照射して、記録された放射エネルギーを輝尽発光させる励起光源51が、輝尽性蛍光体シート2の後方で上下方向に往復移動可能に配設されている。また、読取装置5には、透明なアクリル板からなる導光板52により導かれた輝尽発光光を光量に応じて電気信号に変換する光電変換装置53が設けられている。
【0023】
カバー部材3の外部には、光電変換装置53によって変換された電気信号をA/D変換し、デジタル画像信号を得る画像処理装置7が、光電変換装置53と電気的に接続されている。
画像処理装置7には、デジタル画像信号を放射線画像として出力する画像出力装置8が電気的に接続されている。画像出力装置8としては、CRTや液晶ディスプレイなどの放射線画像を表示する機器の他、インクジェットプリンタなどの放射線画像を記録媒体に記録する機器などが挙げられる。
【0024】
次に、カバー部材3について図2及び図3を参照にして詳細に説明する。図2は、カバー部材3の後面図であり、図3は、カバー部材3の断面図である。
【0025】
カバー部材3の前面には、放射線を透過する透過板31と、輝尽性蛍光体シート2を搭載し輝尽性蛍光体シート2に対向するように透過板31を支持するケーシング32とが設けられている。
【0026】
透過板31は、放射線の透過を阻害しないように、放射線透過率が高い材料で形成されている。また、被写体Pの撮影部位が接触するので、その接触圧力に耐えうるだけの剛性を有する材料で形成されている。
放射線透過率が高く、かつ、剛性の高い材料としては、アルミニウム、炭素繊維強化樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、これらの樹脂トアルミニウムとの複合材などが挙げられる。
そして、放射線透過率は、透過板31の厚みにも影響するので、透過板31の厚みを1〜5mm程度にするのが好ましい。
【0027】
透過板31の輝尽性蛍光体シート2側の表面は、銅箔311によって覆われている。銅は、導電性材料であるため、カバー部材3内の各種機器から放出される電磁波を吸収し、被写体Pに到達する電磁波の量を低減する。
【0028】
銅箔311について図4〜図6を参照にして説明する。図4は、銅箔311の放射線透過率を説明するための説明図である。図5は、銅箔311の製法を説明するための概念図である。図6は、銅箔311の柱状構造を示すための拡大断面図である。
【0029】
銅箔311の表面から任意に抽出した面積1mm2の局所部分311a(図4(a)参照)の平均放射線透過率は、全表面積における平均放射線透過率の1/2倍〜2倍とされている。すなわち、任意に複数抽出した局所部分(抽出番号n)毎の平均放射線透過率Tnを、縦軸が放射線透過率Tで横軸が抽出番号nの図4(b)のグラフにプロットすると、プロットした各点は領域R(0.5Tm≦T≦2Tm、Tm:銅箔311の全表面積における平均放射線透過率)内に分布することとなる。これは、銅箔311の放射線透過率が全表面にわたって比較的均一であることを示している。
【0030】
銅箔311の厚さは、5μm以上200μm以下とする。厚さが5μm未満であると、前記した散乱線除去機能を充分に果たさないので好ましくない。また、厚さが200μmよりも大きいと、この銅箔311による散乱線が放射線画像に悪影響を与えるので好ましくない。本実施の形態においては、銅箔311の厚さを12μmと設定している。
【0031】
銅箔311は、電解液50から回転ドラム60に電着させた金属を剥離させて巻き取る電解液法(図5参照)や、多段圧延機で金属条を圧延する圧延法などによって製作することができる。本実施の形態では電解液法を採用しており、この電解液法で製作された銅箔311は、図6にその断面を示すように、柱状構造311bを有するものとなる。このため、柱状方向に平行な放射線を効率的に透過させることができ、かつ、柱状方向に平行でない散乱線を効果的に遮断することができる。
【0032】
なお、本実施形態では透過板31を覆う導電性材料として銅を例示しているが、銅でなくとも、原子番号20以上の金属又は実行原子番号20以上の合金から構成されていてもよい。例えば、Ni、Fe、Pb、Zn、W、Mo、Au、Ag、Ba、Ta、Cd、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Co及びSnなどの原子番号20以上の金属のうち少なくとも1種、又はこれら金属の合金から構成される。これら金属又は合金は、低エネルギーの放射線を吸収するものであるので、散乱線を効率的に吸収して除去することができる。
【0033】
ここで、「実行原子番号」とは、合金を構成する各金属の原子番号をモル比に基づいて平均化したときの原子番号を意味する。例えば、Co(原子番号27)とCu(原子番号29)のモル比が1:1で構成された合金の場合、実行原子番号は28となる。
【0034】
また、本実施形態では、銅箔311を透過板31表面に貼付させて、導電性材料で透過板31を覆っているが、導電性材料が透過板31の表面を覆うのであればこれ以外の手法を用いても良く、例えば、透過板31を導電性材料でメッキしたり、透過板31表面に導電性材料を塗布又は散布したりすることが挙げられる。
【0035】
次に、ケーシング32について図2及び図3を参照に説明をする。
ケーシング32の輝尽性蛍光体シート2と対向する部分には、透過板31と同形状で透過板31よりも僅かに大きく開口する開口部321が設けられている。この開口部321に透過板31が嵌め込まれて、開口部321と透過板31の間に隙間が形成されないように接着等により固定されている。これにより、ケーシング32内部の遮光性が確保されている。
【0036】
また、ケーシング32の内面は、各種機器から放出される電磁波を吸収するために、導電性材料からなる導電層322によって覆われている。
導電層322は、銅系塗料(例えば、神東塗料株式会社製、商品名シトロンE−3315等)を塗布することで形成しているが、導電層322を形成する導電性材料は、導電性を有する材料であれば如何なるものでもよく、例えば、金属、導電性樹脂、導電性インク等が挙げられる。また、導電層322の形成方法としては、塗布以外にも、例えば、ケーシング32を導電性材料でメッキしたり、ケーシング32の内面に導電性材料を散布したりすることが挙げられる。
【0037】
ケーシング32の導電層322と透過板31の銅箔311の境目には、導電性材料からなるシーリング材33が、両者の隙間に充填されるように塗布されている。本実施形態で用いられるシーリング材33は、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名SE5085EC−RTV又は信越化学工業株式会社製、商品名KE−4576等であるが、これらに限らず導電性を有し前記隙間を埋めることができるのであれば、如何なるものであってもよい。
【0038】
ケーシング32の外面であって開口部321の開口縁上下位置には、散乱線を除去する板状のグリッド40を着脱自在に保持する保持片323が、ケーシング32の外面に対して所定の間隔を有するようにほぼL字状にそれぞれ設けられている。保持片323のケーシング32の外面との間に形成された溝324は、それぞれ水平方向に並列して配置されるようになっている。そして、グリッド40の取付時においては、保持片323の側方からグリッド40の上下の端部を溝324と係合させて、グリッド40をスライドさせることで、ケーシング32に取り付けることができ、グリッド40の取り外し時には、グリッド40をスライドさせれば、ケーシング32から取り外すことができるようになっている。このように、グリッド40が透過板31よりも外側に配置されているので、グリッドの交換を容易に行うことができる。
【0039】
次に、グリッド40について図7を参照にして説明する。図7はグリッド拡大断面図である。
【0040】
グリッド40は、例えば鉛などの放射線吸収率の高い金属からなる放射線吸収層41と、例えばアルミニウム、紙、木、合成樹脂など放射線吸収率の低い材料からなる放射線透過層42とを交互に設けた積層体43を、放射線吸収率が低く導電性を有する一対の導電板44で挟んで形成されている。そして、グリッド40を透過する放射線のうち、散乱線の大部分は放射線吸収層41で吸収されて、放射線透過層42を透過した放射線のみが輝尽性蛍光体シート2に照射される。
【0041】
次に、本実施形態の作用、動作について図1及び図3を参照にして説明する。
【0042】
先ず、作業者は放射線画像読取装置1を起動する。この際、放射線画像読取装置1の内部機器(読取装置5、消去装置6)からは電磁波が発生するが、この電磁波は、銅箔311、シーリング材33、導電層322によりほとんど吸収されて、人体に影響を及ぼさない程度の量がカバー部材3外部へと放出されることとなる。
そして、撮影の開始に伴い、被写体Pの撮影部位をグリッド40に接触させた状態で、作業者は放射線の照射を開始させる。放射線は、被写体Pを透過する際に散乱線が発生してしまうものの、この散乱線の多くがグリッド40により吸収される。また、グリッド40でも吸収しきれなかった散乱線は、銅箔311により吸収される。このため、輝尽性蛍光体シート2に蓄積・記録される散乱線の照射量は低減されることとなり、画質の高い放射線画像を得ることができる。
【0043】
以上のように、この第一の実施の形態の放射線画像読取装置1によれば、銅箔311によって透過板31の輝尽性蛍光体シート2側の表面が覆われているので、読取装置5や消去装置6から発生される電磁波は、その一部分が銅箔311にシールドされて、被写体まで伝播する量を低減することができる。このように、電磁波シールド性を高めることで、EMC対策を向上させることができる。
また、ケーシング32の内面は、導電層322により覆われているので、透過板31を覆う銅箔311だけではシールドできない電磁波をシールドすることができる。したがって、被写体まで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
さらに、銅箔311と導電層322との隙間は、シーリング材33によって充填されているので、前記隙間から外部に伝播しようとする電磁波をシールドでき、被写体Pまで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
【0044】
[第二の実施の形態]
次に、第二の実施の形態に係る放射線画像読取装置について、図8を用いて説明する。本実施形態に係る放射線画像読取装置は、第一の実施の形態に係る放射線画像読取装置1において、カバー部材3を変更したものであり、その他の構成については実質的に同一である。このため、以下の説明において、第一の実施の形態に係る放射線画像読取装置1と共通の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0045】
図8は、第二の実施の形態にかかるカバー部材3Aの断面図である。
カバー部材3Aには、透過板31a及びグリッド40を一体的に重ねた状態で、輝尽性蛍光体シート2に対向するように支持するケーシング70が設けられている。
ケーシング70の輝尽性蛍光体シート2と対向する部分には、透過板31a及びグリッド40を支持するために、透過板31a及びグリッド40と同形状で僅かに大きく開口する開口部71が設けられている。開口部71の内周面には、透過板31aの外面とケーシング70の外面とが面一となるように、透過板31a及びグリッド40の移動を規制する規制壁72が設けられている。また、ケーシング70の内面及び規制壁72の表面は、導電性材料からなる導電層73によって覆われている。
【0046】
開口部71に、グリッド40を内側にして透過板31a及びグリッド40が入れ込まれると、規制壁72にグリッド40が接触し、透過板31a及びグリッド40は所定の位置に配置される。そして、規制壁72表面の導電層73とグリッド40の導電板44とが接触して、両者が電気的に接続されるので、読取装置5や消去装置6から発生される電磁波は、導電板44を介して導電層73に伝導する。
【0047】
以上のように、この第二の実施の形態の放射線画像読取装置によれば、ケーシング70内部から発生される電磁波は、導電層73に伝導するため、被写体Pまで電磁波が伝播することを抑制することができる。したがって、電磁波シールド性が高まり、EMC対策を向上させることができる。
また、被写体Pを透過することにより発生した散乱線は、グリッド40によって効果的に除去されるので、放射線画像の画質を向上させることができる。
【0048】
なお、透過板31a及びグリッド40は、ケーシング70に固定されていてもよいが、グリッド40の交換を考慮するのであれば、両者を着脱自在にケーシング70に取り付けることが好ましい。この場合、透過板31a及びグリッド40をケーシング70から着脱自在にするのであれば、周知の取付方法のいずれの方法を用いてもかまわない。なお交換後においては、ケーシング70内部の遮光性が確保されていなければならない。
また、透過板31a及びグリッド40が、ケーシング70に固定される構成であれば、導電板44と導電層73の隙間をシーリング材33で埋めれば、さらにEMC対策を向上させることができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、第一の実施の形態では、グリッド40がカバー部材3の外側に配置される構成を例示したが、グリッド40がカバー部材3内部で、透過板31と輝尽性蛍光体シート2との間に配置されている場合においても、EMC対策及び画質を高めることが可能である。
また、第二の実施の形態では、透過板31とグリッド40とが一体的に形成されているものを用いているが、グリッド40単体で被写体Pを保持することができるようにグリッド40の剛性を高めておけば、グリッド40だけであってもEMC対策及び画質を高めた放射線画像読取装置を提供することができる。特に、透過板31が不必要となるので製造コストも低減できる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ケーシング内部の電子機器から発生される電磁波は、その一部分が導電性材料にシールドされて、被写体まで伝播する量を低減することができる。このように、電磁波シールド性を高めることで、EMC対策を向上させることができる。
また、被写体を透過することにより発生した散乱線は、導電性材料によって効果的に除去されるので、放射線画像の画質を向上させることができる。
【0051】
請求項2記載の発明によれば、透過板を覆う導電性材料だけではシールドできない電磁波をシールドすることができる。したがって、被写体まで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
請求項3記載の発明によれば、透過板を覆う導電性材料とケーシングを覆う導電性材料との隙間から外部に伝播しようとする電磁波をシールドでき、被写体まで伝播する電磁波の量をさらに低減することができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、ケーシング内部の電子機器から発生される電磁波が導電板を介して導電性材料に伝導して、被写体まで電磁波が伝播することを抑制することができる。このように、電磁波シールド性を高めることで、EMC対策を向上させることができる。
また、被写体を透過することにより発生した散乱線は、グリッドによって効果的に除去されるので、放射線画像の画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態における放射線画像読取装置の全体構成を表す概念図である。
【図2】図1の放射線画像読取装置に備わるカバー部材を表す後面図である。
【図3】図2のカバー部材の断面図である。
【図4】図2のカバー部材に備わる銅箔の放射線透過率を説明するためのものであり、(a)は銅箔表面から任意に抽出した面積1mm2の局所部分を示す概念図、(b)は各局所部分における平均放射線透過率を示すグラフである。
【図5】図4の銅箔の製法(電解液法)を説明するための概念図である。
【図6】図4の銅箔の柱状構造を示すための拡大断面図である。
【図7】図1の放射線画像読取装置に備わるグリッドを表す拡大断面図である。
【図8】第二の実施の形態における放射線画像読取装置に備わるカバー部材を表す断面図である。
【符号の説明】
1 放射線画像読取装置
2 輝尽性蛍光体シート
31 透過板
31a 透過板
32 ケーシング
33 シーリング材(導電性材料)
40 グリッド
44 導電板
70 ケーシング
73 導電層(導電性材料)
311 銅箔(導電性材料)
322 導電層(導電性材料)

Claims (4)

  1. 放射線を透過する透過板と、
    輝尽性蛍光体シートを搭載し、前記輝尽性蛍光体シートに対向するように、前記透過板を支持するケーシングとを備え、
    前記透過板の前記輝尽性蛍光体シート側の表面は、導電性材料によって覆われていることを特徴とする放射線画像読取装置。
  2. 請求項1記載の放射線画像読取装置において、
    前記ケーシングの内面は、導電性材料によって覆われていることを特徴とする放射線画像読取装置。
  3. 請求項2記載の放射線画像読取装置において、
    前記透過板を覆う導電性材料と前記ケーシングを覆う導電性材料との隙間は、導電性材料によって充填されていることを特徴とする放射線画像読取装置。
  4. 放射線を透過するとともに散乱線を除去するグリッドと、
    前記グリッドの表面に貼着する導電板と、
    輝尽性蛍光体シートを搭載し、前記輝尽性蛍光体シートに対向するように、前記グリッドを支持するケーシングとを備え、
    前記ケーシングの内面は導電性材料によって覆われ、
    前記グリッドの前記導電板と前記ケーシングの導電性材料とが、電気的に接続されていることを特徴とする放射線画像読取装置。
JP2002368191A 2002-12-19 2002-12-19 放射線画像読取装置 Pending JP2004198794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002368191A JP2004198794A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 放射線画像読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002368191A JP2004198794A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 放射線画像読取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004198794A true JP2004198794A (ja) 2004-07-15

Family

ID=32764834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002368191A Pending JP2004198794A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 放射線画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004198794A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508765A (ja) * 2015-01-27 2018-03-29 プランゼー エスエー 散乱線グリッド

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508765A (ja) * 2015-01-27 2018-03-29 プランゼー エスエー 散乱線グリッド
US10706984B2 (en) 2015-01-27 2020-07-07 Plansee Se Anti-scatter grid

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0112469B2 (en) Energy subtraction processing method for radiation images, stimulable phosphor sheet, stimulable phosphor sheet composite member and stimulable phosphor sheet-filter composite member used for the method
US20030063708A1 (en) Cassette for radiographic imaging, radiographic image reading apparatus and radiographic image reading method
US4521904A (en) Method of and cassette for taking X-ray photograph
JP5451145B2 (ja) 放射線画像撮影装置
JP2008170314A (ja) 放射線用シンチレータプレート及び放射線画像撮影装置
JP2004219705A (ja) 放射線画像撮影用カセッテ
JP2004198794A (ja) 放射線画像読取装置
JP2002311526A (ja) X線画像撮影装置
JP2003000586A (ja) X線画像記録用電子カセッテのグリッド取付け構造
JP3965959B2 (ja) 放射線画像読取装置
JP2002311149A (ja) X線画像撮影装置
EP1200966A1 (en) A gamma-ray source for use in radiography
JP2004177250A (ja) X線撮影装置
JP2000241919A (ja) 放射線画像情報処理方法
JPH11249243A (ja) 輝尽性蛍光体プレート及び輝尽性蛍光体パネル
JP3870738B2 (ja) 放射線撮影用カセッテ
JPS5917200A (ja) 放射線像変換用複合体
JP2003185753A (ja) 放射線画像撮影用電子カセッテ
JP2008175806A (ja) 放射線治療に使用するためのx線像形成カセット
JP4759131B2 (ja) X線画像撮影装置
JP2003185754A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2004145073A (ja) 放射線画像撮影装置
JP2005249639A (ja) 放射線画像撮影用グリッド
JP3966015B2 (ja) 放射線遮蔽部材および放射線画像記録媒体
JP2835621B2 (ja) 放射線画像変換パネル