JP2004177384A - 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法 - Google Patents

味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004177384A
JP2004177384A JP2002347402A JP2002347402A JP2004177384A JP 2004177384 A JP2004177384 A JP 2004177384A JP 2002347402 A JP2002347402 A JP 2002347402A JP 2002347402 A JP2002347402 A JP 2002347402A JP 2004177384 A JP2004177384 A JP 2004177384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
taste
film
plasma
taste sensor
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002347402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4087691B2 (ja
Inventor
Teruaki Katsube
昭明 勝部
Kimimasa Onoe
公正 尾上
Kiyozumi Nakamura
清純 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uchiya Thermostat Co Ltd
Original Assignee
Uchiya Thermostat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uchiya Thermostat Co Ltd filed Critical Uchiya Thermostat Co Ltd
Priority to JP2002347402A priority Critical patent/JP4087691B2/ja
Publication of JP2004177384A publication Critical patent/JP2004177384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4087691B2 publication Critical patent/JP4087691B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

【課題】味覚センサの感度と応答の再現性を高める。
【解決手段】半導体基板10と、金属酸化物からなり異なる粒径を有する粒状体の集合である、該半導体基板上に形成された無機膜2とを備えてなり、該無機膜2に検査対象水溶液48を接触させて味覚を誘起する物質の濃度を検知する味覚センサと、プラズマ溶射法で無機膜2を作製し、該味覚センサを用いた味覚誘起物質の定量検知方法を開示する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は味(味覚)センサに関する。より詳しくは、本発明は、人間に味として知覚される化学物質の溶液における濃度を測定して味覚を測定するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
人間の感じる味は、甘味、塩味、酸味、苦味、および旨味を基本としており、5基本味と呼ばれている。この各基本味の組み合わせによって人間の感じる味の多くのものが実現しているものと現在考えられている。
【0003】
食品産業等においては、製品である食品そのものの味を管理する場合には、多くの場合、検査者の味覚によって管理が行なわれている。この場合、検査者は、予め適当な官能検査等によって決められているその製品の目標とする味と検査対象製品の味との違いを、味見をすることによって自身の味覚によって検知し、その結果を製造プロセスにフィードバックして当該製品の目標とする味に近づけてゆく。こういった手法では、検査者の心身の状況による味覚そのものの変動がフィードバックプロセスに影響してしまうという問題があり、測定対象の味の管理を再現性良く管理することができない。また、味を定量的に測定できないために、味覚を情報として伝達する際には、言葉によって主観的・定性的に表現して伝えられている。したがって味をより再現性良く定量的に測定し、客観的に表現する手段が求められている。
【0004】
最近、検査者(人間)に依存する場合に比較し、人間に味を感じさせる化学物質そのものをより再現性良く定量的に検知することによってこのような問題を克服すべく、味センサ(味覚センサ)が開発されている(例えば、非特許文献2)。この例として、例えば脂質膜を用いるものや、イオンセンサを用いるものが知られている。この際に、異なる基本味に対して異なる応答を示す、膜の性質などが異なっている複数種類のセンサを組み合わせて測定すれば、実際の食品などの複雑な味の組み合わせの特徴を表現することが可能となる。
【0005】
また、センサにおいては、表面電位を測定する方法の一つとして、SPV(Surface Photo Voltage)法が知られている(例えば、特許文献1、2)。SPV法を水溶液中の微量物質の測定において用いる場合には、半導体に接するように配置された膜(感応膜)をさらに溶液に接するように配置させ、その溶液中に存在する微量物質によってもたらされる感応膜における表面電位の変化を、半導体に可視光や赤外光を照射して生じさせた光電流を一定にするようなバイアス電圧の値として検知する。この検知される微量物質として味覚を誘起させる物質を検出すれば、その溶液そのものの味覚を間接的に計測することが可能となる。
【0006】
このSPV法と組み合わせて用いる感応膜には、従来、有機物である脂質膜を用いる方法が知られている(例えば、非特許文献1)。この脂質膜を用いるものは、酸味、旨味、塩味に対しては良好な結果が得られるが、(1)甘味に応答する反応は弱いものであり、また、(2)苦味については、測定は可能ではあるが、センサの応答が十分な再現性を示さないものである。
【0007】
本願発明者等は、このような脂質膜の代わりとして、無機物である窒化シリコン(Si)の薄膜を、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition, CVD法)によって作製して感応膜として用いる検討を行なっている。これによると、上記(1)の甘味に対する応答が充分であり、味覚センサとして利用可能であるが、その場合においても、上記(2)と同様の再現性の不足は解決されていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−313759号公報
【特許文献2】
特開平7−92120号公報
【非特許文献1】
張文芸、他4名、「半導体イオンセンサを用いた集積化味覚センサ」、電気学会論文誌(センサ・マイクロマシン準部門誌)、社団法人電気学会、1997年6月、第117−E巻、第6号、第326−331頁
【非特許文献2】
勝部昭明、「味とにおいを定量化するハイブリッド味覚センサの開発」、応用物理、社団法人応用物理学会、2001年6月、第70巻、第6号、第691−694頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、SPV法を用いて検知する味覚センサにおいて、脂質膜や窒化シリコン膜を用いる場合に見られる上記問題の少なくともいくつかを解決することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、感応膜として、有機物たる脂質膜ではなく、異なる粒径の粒状体からなる金属酸化物による無機膜を用いる味覚センサ、およびそのセンサの製造方法及びその使用方法を提供する。
【0011】
本発明のある態様においては、半導体基板と、金属酸化物からなり異なる粒径を有する粒状体の集合である、該半導体基板上に形成された無機膜とを備えてなり、該無機膜に検査対象水溶液を接触させて味覚を誘起する物質の濃度を検知する味覚センサが提供される。
【0012】
この構成からなる味覚センサでは、従来の無機膜の味覚センサと同様に、甘味に対しても充分な応答があり、さらに、苦味についての再現性が良好となる。
【0013】
この無機膜は、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部からなっており、小粒部は大粒部の周面に形成されているものとすることができる。
この味覚センサでは、無機物が堆積して形成された膜の機械的強度は大粒部によって維持されるため、膜自体の強度が高く、長期使用に耐える安定した膜となる。さらに、粒度の小さい多数の小粒部は、検査対象溶液と大きな表面積で接することができる。このとき、大粒部の間には隙間があるために、その隙間の内部に溶液が侵入できて、その隙間の内部に形成されている小粒部にも十分に溶液が行き渡り、全体としてより感度の良い検知が可能となる。このように、本発明の構成によって、強度が長期に亘り安定しており感度が高い検知特性が得られる味覚センサが提供される。なお、本発明に係る金属酸化物による味覚センサにおいては、大粒部の周面に多数の小粒部が形成されている状態は、金属酸化物を用いた味覚センサの表面を電子顕微鏡で観察することにより、確認できる。
【0014】
本発明に係る味覚センサにおける前記無機膜は、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部からなっており、小粒部は大粒部の周面に形成されているときには、多数の小粒部の粒径は大粒部の粒径の1/5以下、より好ましくは1/8以下とすることにより、多数の小粒部が大粒部の周りに形成されるようにすることが好ましい。このように粒径の比を一定以上につけることによって、本発明の大粒部によってもたらされる隙間が、多数の小粒部の粒径のもたらす大きな表面積による高い感度を維持する。なお、大粒部および小粒部の大きさの比率は、金属酸化物表面を適宜の倍率(例えば、5万倍)の電子顕微鏡等で観察することにより確認できる。
【0015】
本発明に係る味覚センサにおける前記無機膜は、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部からなっており、小粒部は大粒部の周面に形成されているときには、大粒部の粒径は0.3μm以上とし、前記多数の小粒部の粒径は0.1μm以下とすることが出来る。このとき、粒径が0.3μm以上の粒子の周面に、粒径が0.1μm以下の多数の微粒子が存在するしてこととなる。このように、粒径が0.3μm以上の粒子の周面に、粒径が0.1μm以下の多数の微粒子が存在することにより、無機膜の表面積が充分にとれて極めて高い感度が得られる。
【0016】
このような構造を有する味覚センサにおいて、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄からなる群から選ばれる1以上の物質を含むものとすることができる。酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化鉄(Fe、Fe、また、水酸化鉄FeOOHのように水酸基を有していても良い)、酸化タンタル(Ta、Ta)、酸化銅(CuO)を用いると、感度の高い検知が可能となる。これらの材料を用いると、上記構造の粒状体からなる無機膜が得られるために、感度が高く堅牢な味覚センサが実現する。
【0017】
また、本発明では、異なる金属酸化物からなる複数の無機膜が単一の半導体基板に配置され、前記検査対象水溶液に該複数の無機膜のそれぞれを接触させて味覚を誘起する物質の濃度を検知するものであっても良い。複数の異なる金属酸化物の各応答を用いることで、迅速に、かつ、的確な味覚誘起物質の検知が可能となる。
【0018】
更に本発明は、上述したような味覚センサを製造する方法を提供するものである。具体的には、プラズマ溶射法を用いてセンサ膜を作製する。
【0019】
本発明のある製造方法の態様においては、プラズマトーチによってプラズマを生成するステップと、粉末導入プローブによって該プラズマ中に成膜原料を供給するステップと、生成されたプラズマにより溶射される該成膜原料により、前記プラズマトーチにつながる減圧タンク内に配置した半導体基板上に、金属酸化膜を形成するステップを含んでなる、味覚センサの製造方法が提供される。
【0020】
この金属酸化物は、このような状態で基板に向けて移動し、基板上に例えば10m/sec以下の低速度で到達する。従来の直流プラズマ溶射装置のように、溶融金属酸化物粒子が基板に極めて高速で直撃されるものではない。
【0021】
この場合に、高温のプラズマ雰囲気中で金属酸化物を長時間滞在させると、粉末状の金属酸化物が均一の小粒となり、異なる粒径の微粒子の集合が形成されない。
【0022】
そこで、本発明の味覚センサの製造方法においては、基板とプローブの基板側先端の聞隔を1,000mm以下に設定することができる。これにより、誘導プラズマ内での粒子の滞在時間が長時間にならないようにし、本発明の金属酸化物を備える味覚センサにおいて大粒部と大粒部の周面に付着した小粒部からなる金属酸化物が確実に堆積されるようにしている。
【0023】
本発明におけるプラズマ溶射法では、基板上に金属酸化物を堆積(成膜)することができる。これは、例えば、高周波誘導プラズマ溶射装置を用いて形成される。これにより粉末導入プローブから導入された金属酸化物は高周波誘導プラズマにより溶融・蒸発し、その液体や気体となっている塊や分子同士が衝突を繰り返す。この衝突の過程では、粉末導入プローブから導入された金属酸化物粉末(以下、「原料粉末」とする)は高温のプラズマにさらされている。そのプラズマの内部では、原料粉末のあるものでは、表面から溶融・蒸発が起き、飛行中に衝突を繰り返すことにより互いに凝集・付着して大粒なものとなる。また、粒子同士が衝突せず、熱エネルギーを失うことなく基板上に到達し、そこで急速に凝固するものもある。別の原料粉末は、プラズマフレーム内で蒸発することなく、原料粉末そのものに近い粒子のまま基板上にまで到達する。さらに、プラズマの熱エネルギーの影響により、より小さな粒子となって堆積するものもある。このように、種々の大きさの粒子がキャリアガス(例えば、アルゴンガス)とともに基板に搬送されつつ、成膜される。
【0024】
プラズマ溶射法での本発明の条件では、これらの複合した現象が同時に実現する。しかも、基板に大きな速度で衝突するのではなく、低速度で基板上に到達する。このため、本発明に係る味覚センサでは、大粒部と、大粒部の周面に付着した小粒部が形成されることとなる。
【0025】
更に本発明においては、前記基板温度を250℃以下に保持して高周波誘導プラズマ溶射を行うものとすることができる。このように基板温度を比較的低温に保持することによって、本発明に係る金属酸化物を用いる味覚センサにおける金属酸化物の無機膜のような大粒部と小粒部の構造を確実に得ることができる。
【0026】
基板温度を250℃以下に保持する方法としては、基板を載置する断熱板内部に熱電対のような温度検知器と冷却装置とを設け、基板の表面温度が250℃以下になるように基板の温度を強制的に制御してもよい。また、基板を載置する断熱板内部に熱電対のような温度検知器を設けて基板温度が250℃を越えないように、誘導プラズマの溶射をオン、オフすることや、誘導プラズマ装置のコイルに流れる電流の強弱を制御することもできる。プラズマ自体を直接制御することで、誘導プラズマから生じる放射熱による基板の温度上昇を防止できる。
【0027】
以上のような味覚センサ、及びその製造方法に加えて、本発明では、
プラズマ溶射法によって作製され、異なる粒径を有する粒状体の集合である無機膜を半導体基板上に備えてなる味覚センサによる味覚の検知方法であって、該無機膜に検査対象水溶液を接触させて、該検査対象水溶液が該無機膜に作る表面電位をSPV法によって検出するステップと、該表面電位から味覚を誘起させる物質の濃度を検知するステップと
を含んでなる、味覚センサによる味覚検知方法が提供される。
【0028】
二つの粒径を有する粒状体を組み合わせて構成される無機膜は、高い感度と堅牢な膜質を有し、味覚を安定して測定することが可能となる。特に、SPV(Surface Photo Voltage)法によれば、微小な表面電位の違いを検出することが可能となり、上記無機膜の持つ性質を充分に生かした測定が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
(味覚センサ素子の作製)
図1に示す工程にしたがって、本実施の形態に係る金属酸化物を感応膜として用いる味覚センサ素子1を作製する。本実施の形態においては、半導体基板10を適当なサイズになるように準備し、その基板10上に絶縁膜3を介して金属酸化物2をプラズマ溶射法によって形成して感応膜2とする。
【0030】
本発明に用いる半導体基板10としては、半導体自体からなる基板(例えば、シリコンウエハー)や、半導体層(例えば、ポリシリコン層、アモルファスシリコン層)等が適当な方法で形成された基板(例えば、ホウケイ酸ガラス基板、合成石英ガラス基板、サファイア基板、SOI基板)に形成されたもの等を使用することができる。このように、本発明における半導体基板は、半導体そのものからなる基板とすることも、半導体層が形成された基板とすることもできる。半導体層が形成された基板を使用し、その基板がさらに絶縁性のものである場合(ガラス基板等の場合)には、半導体層に対して後に外部から電気的接触が取れるようにしておく。半導体基板を用いるときは、その基板に外部から電気的接触を取る。また、上記半導体基板10には、感応膜2の下地として絶縁膜3をさらに形成しておくことが出来る。絶縁膜3は、後に形成する金属酸化物による感応膜2とともに作用して、味覚センサの動作に用いられる。
【0031】
本実施の形態では、ドーピングによってn型にされているn型シリコン基板6を用い、適当なサイズに切り出して半導体基板10とする。n型でなくp型シリコン基板を用いルことも可能である。そして、このようにして準備された半導体基板10に、熱酸化によってSiOの酸化膜3を形成する。熱酸化は、水蒸気を導入した炉で一定時間基板を加熱して行なう(図1a)。次に、アセトン洗浄、メタノール洗浄、純粋洗浄を行なって基板を洗浄した後、詳細を後述するように、半導体基板10の一方の面に酸化スズからなる感応膜2を高周波プラズマ溶射法によって成膜する。その後、基板をベーキングする(図1b)。
【0032】
次に、作用電極49を無機膜を形成していない面の接触部4に形成する。これは、いわゆるリフトオフ法によって行なう。つまり、その面の酸化膜をフッ酸によって除去し、基板を洗浄した後、作用電極を形成しない部分にレジスト膜6を残すようにフォトリソグラフィー法によりレジスト6をパターニングする(図1c)。そして、そのレジスト6を形成した面にアルミニウム膜を抵抗加熱による真空蒸着により堆積させ(図1d)、その後に、レジストを溶剤(アセトン)により溶出させてレジスト上のアルミニウム膜をリフトオフし、作用電極をパターニングする(図1e)。
【0033】
(感応膜の形成)
本実施の形態においては、味覚センサ素子1の検査対象水溶液(人間に味覚を誘起させる化学物質を含んだ溶液)に接触させる感応膜2として、金属酸化物を原料とする無機膜をプラズマ溶射法によって形成する。この金属酸化物は、本実施例においては酸化スズ(SnO)を使用する。酸化スズの原料粉末を粉末のままプラズマ溶射装置20(図2)に供給する。プラズマの発生には高周波を利用する。
【0034】
なお、本発明における金属酸化物としては、特に酸化スズに限定されるものではなく、酸化スズ以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO)、酸化鉄(Fe、Fe、また、水酸化鉄FeOOHのように水酸基を有していても良い)、酸化タンタル(Ta、Ta)、酸化銅(CuO)等が使用可能である。原料粉末として与える金属酸化物は、できるだけ粒径の小さいものを用いることがよい。この粒径の程度により、得られる金属酸化物のうちの特に小粒部の粒径が影響されるためである。この金属酸化物は、取扱いが容易なように造粒して使用する。この造粒は、PVA10%水溶液、約200ccに酸化スズ50gを撹拌混合し、水分を乾燥させた後、乳鉢で粉砕し、65μm以下にふるい分けをして得る。このように造粒後の原料粉末を誘導プラズマ溶射装置に供給する。
【0035】
本実施例に用いる誘導プラズマ溶射装置20を、図2を参照して説明する。この誘導プラズマ溶射装置20には、内容積が約700Lの減圧タンク21(主コーティング室)があり、その内部に前述のように酸化膜を形成した基板10を載置するグラファイトブロックなどからなる断熱板22が設けられている。減圧タンク21には、排気速度が約800L/minの水封式真空ポンプ(図示せず)が接続されていて、内部を減圧することができるようになっている。
【0036】
基板10を置く断熱板22には、熱電対23が設けられていて、基板10の温度を検出することができるようになっている。断熱板は、成膜に適する温度の上限(例えば、250度)以上にならないように、外部から温度が監視されている。
【0037】
減圧タンク21の上部には、基板10に向けてプラズマを励起することが出来るように、プラズマトーチ24が設けられている。プラズマトーチ24には、高周波電流を供給する高周波コイル25が設けられており、高周波電流が供給されるようになっている。このプラズマトーチ24の高周波コイル25が取り囲む空間の内部に向けて、粉末導入プローブ26が延びており、粉末導入プローブ26から基板10上に堆積させる金属酸化物を供給する。
【0038】
金属酸化物の供給に際しては、キャリアガスとしてアルゴンを用い、金属酸化物(本実施例においては酸化スズ)を供給する。本発明において重要なことは、粉末導入プローブ26の基板10側先端と断熱板22上の基板10との間隔を1,000mm以下に設定することである。好ましくは300〜600mm程度に設定する。
【0039】
更に、プラズマトーチ24には、プラズマ用ガス導入口27から、アルゴンなどの不活性ガスがラジアルとスワールの2成分で導入されるようになっている。
【0040】
本発明に用いる粉末導入プローブ26から供給される金属酸化物の粉末としては、好ましくは、例えば、シーアイ化成株式会社からナノ粉末Sn0として市販されている酸化スズ(平均粒径が1/100μm程度)が好ましいが、関東化学株式会社から試薬Sn0として販売されている酸化スズ(平均粒径がミクロン程度)でも用いることができる。
【0041】
この高周波プラズマ溶射装置20においては、高周波コイル25によって高周波プラズマが発生される。この際に粉末導入プローブ26とプラズマトーチ24との間に放電によってプラズマが発生され、この発生したプラズマヘは外部回路から高周波コイル25を通してエネルギーが供給され、プラズマ状態が維持される。また粉末導入プローブ26から供給される金属粉末は、キャリアガスのアルゴンによって搬送されて運ばれる。この高周波プラズマ中にキャリアガスとともに酸化スズが供給され、この酸化スズの粒子はプラズマ中で熱エネルギーを得て、基板10上に堆積されていく。
【0042】
このプロセスでは、粉末導入プローブ26から導入された金属酸化物粉末は、一部のものは表面が溶融されて他の粒子に付着して大粒となったり、付着しない粒子は原料粒子オーダー程度の粒子となる。更に、上述した粒子の一部はプラズマの熱エネルギーにより、細かく分解される。これら種々の大きさの粒子は、キャリアガス(アルゴンガス)とともに基板10に搬送されるが、基板に大きな速度で衝突するのではなく、低速度で基板10上に到達する。
【0043】
プラズマ溶射装置における成膜の具体的なステップは以下のとおりである。まず、酸化膜3を形成した半導体基板10を洗浄する。清浄にされた基板を、断熱板22上にセットする。基板10をセットした後、減圧タンク内21を減圧する。充分に減圧できた後(10000Pa程度以下)、プラズマトーチ24でプラズマを生成するためにアルゴンガス27を流し、プラズマ励起電源から高周波コイル25に通電してプラズマを励起する。その後、プラズマが安定して励起されるようになったら、金属酸化膜の粉末原料を、粉末導入プローブ26によってキャリアガスとともにプラズマ中に導入する。
【0044】
この状態を適当な時間保持し、所望の厚みの感応膜2を半導体基板10上に成膜する。その後、プラズマの励起を終了し、窒素パージして感応膜が形成された味覚センサ素子1を取り出す。
【0045】
本実施例においては、減圧タンク21内の到達圧力は約6700Paであった。また高周波コイル25に供給されるパワーは36.3KW(5.5KV×6.6A)である。金属酸化物粉末(原料粉末)として酸化スズを0.1g/minで粉末導入プローブ26から供給する。また、粉末導入プローブ26からキャリアガスとしてアルゴン10L/minを供給し、更に、プラズマ用ガス導入口27からアルゴンガスを55L/minで供給する。
【0046】
基板10を載置する断熱板22の内部に熱電対22を温度検知器として設けて基板10の温度が250℃を越えないように誘導プラズマの溶射をオン、オフし、これにより、基板10の温度を250℃以下に保持する。堆積時間は5分間とする。このようにして基板10上に金属酸化物を堆積し、金属酸化物は、その後、600℃の温度で窒素雰囲気で100分間熱処理をし、本発明に係る味覚センサ素子を得る。
【0047】
以上のようにして、本発明では、基板上に形成する感応膜2の厚さは10〜200μm程度となるように作製する。
【0048】
なお、プラズマ溶射法は、プラズマを用いて溶射して成膜できる装置であれば良く、原料の供給方法によって分類されているような粉末プラズマ溶射法等が使用可能であり、また、加熱方法によって分類されているような高周波プラズマ溶射法、アークプラズマ溶射法等とすることができる。これらを例とする任意のプラズマ溶射法を使用することができる。また、プラズマ自体の励起方法としては、高周波プラズマを用いることが好適であるが、直流プラズマ(常圧プラズマ及び減圧プラズマ)とすることができ、また、直流と高周波を組み合わせて励起されるハイブリッドプラズマであっても良い。
【0049】
(感応膜のミクロ形状の観察)
以上のようにして作製した感応膜2をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、図3aに示すような表面組織が確認された。粒径の大きい大粒部31と多数の小粒部32があり、大粒部31の周面には、小粒部32が配置されていた。大粒部31の粒径は1.0μm程度あり、その表面には60〜120nmの小径の小粒部が多数付着している。この小粒部を拡大して観察すると、小粒部は必ずしも一定の大きさを有するものではないが、大粒部と一体となって膜の一部を形成していることを確認した(図3b)。
【0050】
さらに別の作製条件で成膜したものでは、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部が形成されており、大粒部の粒径が3〜4μm、その周面に粒径が0.1〜1μmの多数の小粒部が形成されている。この場合にも、粒径の範囲は異なっているが粒径の大きい大粒部と多数の小粒部が一体となって膜が形成されている。
【0051】
このように本発明の作製方法によれば、感応膜となる無機膜は、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部からなっており、小粒部は大粒部の周面に形成されているものが形成される。
【0052】
(センサ特性の評価:SPV法)
上記のようにして作製した感応膜2を使用した味覚センサ素子1を用いて図4のような味覚センサシステムを構築する。
【0053】
感応膜2が形成された半導体基板10には、感応膜2とは逆の面から、赤外LED41を交流駆動して交流変調された赤外光(励起光)を入射させる。半導体層6に入射した赤外光は、半導体層で電子とホール(正孔)を生成する。このように、励起光を用いて表面電位を測定する方法を、SPV(Surface Photo Voltage)法とよぶ。この半導体層と、検査対象水溶液である溶液48中に設けた対向電極47との間に電圧を印加し、その電圧(バイアス電圧)において、赤外光によって生じる交流電流を一定とするように、対向電極47と半導体に電圧を印加する作用電極49の間のバイアス電圧を調整して測定する。感応膜2のうち、SPV法によって味覚誘起物質が検知できるのは、赤外LED41によって赤外光が照射されている半導体基板10に対応した部分9である。なお、各測定の前に、基準となるKCl溶液(味覚誘起物質を含まないKClの1mM溶液)についてバイアス電圧を測定し、そのときの光励起電流が維持されるように各測定のバイアスを調整して測定値を得る。1mMのKCl溶液を用いるのは、この濃度のKClは人間にとっては無味に感じられ、かつ、電解質であるから感応膜の表面電位を検出することができるためである。また、適当なパッキン5、ダム部材7を用いて、溶液48が基板の感応膜2側のみに接するように構成されている。
【0054】
バイアス電圧は、ポテンシオスタット45で測定し、その出力をロックインアンプ43に入力する。ロックインアンプ43では、同時に、LED41を駆動する基準信号も発振しているので、この信号とLED駆動回路42の出力を同期させ、LED41の駆動周波数(1.2kHz)と同周波数の出力のみを増幅している。
【0055】
バイアス電圧は、検査対象水溶液48の中に溶解している味覚を与える化学物質が感応膜2に吸着されることにより変動する。これは、感応膜表面の表面電位が、これらの化学物質に依存して定まるためであり、化学物質の種類と濃度の関数となる。
【0056】
(基本味の測定)
代表的な五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)を与える化学物質について、その濃度を変更しながら上記バイアス電圧を測定する。検査対象水溶液は、KClの1mM溶液に対して、表1に示す物質を様々な濃度(0.01、0.1、1、10、100mM)となるように溶解させて調製したものを用いる。
【0057】
【表1】
Figure 2004177384
【0058】
基本五味の測定は、まず、KClの基準液を用いてバイアス電圧の測定を行なう。その後、純水によって味覚センサ素子を洗浄した後、ダム部材7の内側に測定溶液を入れて、測定溶液が感応膜2に接するようにする。そして、光励起電流を一定とするのに必要なバイアス電圧を測定する。各測定の前には純水で入念に洗浄を行い、2次汚染を防止している。味覚誘起物質は、サッカロース、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、塩酸、塩酸キニーネの順序に行なう。なお、照明光等の影響等といった誤差要因は、暗室を使用する等の適当な方法により排除している。
【0059】
図5に上記のようにして測定した測定結果を示す。本発明の味覚センサにおいては、濃度に応じて光励起電流を一定とするバイアス電圧が変化するために、味覚を誘起する物質の濃度を測定することが可能である。図5は、各味に対応する物質ごとに、バイアス電圧の濃度依存性を示している。
【0060】
(再現性の測定)
また、苦味の測定が与える味覚センサの再現性について、測定を行なう。この測定は、まず、旨味を与える物質であるグルタミン酸ナトリウムに対する各濃度でのバイアス電圧の変化を測定し、第1の測定結果を得る。その後、味覚センサを充分に洗浄した後に、苦味を与える物質である塩酸キニーネを濃度ごとに測定する。その後、味覚センサを再び充分に洗浄する。さらに、その塩酸キニーネに対する測定が次の測定に与える影響を見るために、グルタミン酸ナトリウムに対するバイアス電圧の変化を再度測定し、これを第2の測定結果とする。この第1の結果と第2の結果を比較することにより、苦味を与える塩酸キニーネの測定が、味覚センサの再現性に与える影響を見積もることが出来る。図6は、この再現性を確認するために、図5の測定に用いたものと同様に作製された別のサンプルを使用して測定された、苦味の測定前後における旨味の測定の再現性を示す。このように、1回目と2回目の旨味測定の結果は、概ね一致した。
【0061】
(定量)
図6の測定結果から、味覚センサの出力電圧(バイアス電圧)から、旨味物質の濃度を知ることが出来る。例えば、100mVの出力が得られたときには、グルタミン酸ナトリウムが10〜100mM程度溶解していることがわかる。これにより、本発明の味覚センサを用いて味覚を誘起させる物質の濃度を再現性よく測定することができる。
【0062】
(比較例:CVDによるSiを用いたセンサ)
味覚センサ1に用いたものと同様の絶縁膜3が形成された半導体基板10に、今度は、シランガスを用いたプラズマCVDでSiを成膜した。このようにして作製した比較サンプル51を用いて、上記と同様に味覚センサとしての再現性を測定した。
【0063】
図7は、このようにして作製された比較サンプル51の再現性を示す測定結果である。これより、Siを用いた味覚センサにおいては、再現性が乏しく、苦味を測定すると、旨味の測定に影響してしまうことが確認された。
【0064】
(マルチタイプセンサの例)
異なる基本味に対して異なる応答を示すような感応膜を組み合わせて測定するためのセンサ(以下、「マルチタイプセンサ」という)について説明する。マルチタイプセンサを用いると、膜の性質などが異なっている複数種類のセンサを組み合わせて測定することにより、実際の食品などの複合的な味の特徴を表現することが可能となる。膜の性質を変更する方法としては、無機膜の原料物質を変更するマルチタイプセンサ以外にも、測定の環境(温度、電解質の溶解物質、溶液のpH等)を様々に変更したりすることも可能である。いずれにしても、ある複合的な味に対して複数の応答を得るようにシステムを構成すると、別の複合的な味との差が表現され、例えば、グラフのレーダーチャートなどの図形として表現することが可能となる。このように表現されたデータからは、類似した味覚を与える物質(食品)は、似た形状のチャートとなることが確認されており、味覚を表現する図形が得られる。
【0065】
(マルチタイプセンサの味覚センサ素子)
単一の基板に複数種類の感応膜を集積して形成し、異なる感応膜を用いて味覚を測定するマルチタイプセンサの味覚センサ素子について説明する。図8に味覚センサ素子101の構成を示している。図8aはこのマルチタイプ味覚センサ素子101の感応膜側の面の平面図である。マルチタイプ味覚センサでは、複数の感応膜による測定を同一の基板で行なうため、種類の異なる感応膜同士は離して設けられる。この目的のために、感応膜2は、図8aの感応膜2a〜2eようにそれぞれがパターニングされる。
【0066】
本実施の形態では、絶縁膜3上に5箇所ある成膜領域(2a〜2e)の一つに、その領域に合わせた開口のある金属プレート(図示しない)をマスクとして用いてプラズマ溶射法によりある材料の成膜を行なう。金属プレートの開口に当たる成膜領域においては、図8bのように、感応膜が部分的に成膜され、それ以外の部分では金属プレートによりマスクされる。成膜後、材料を取り換えて、その金属プレートの開口の位置を次の成膜領域に合わせて再びプラズマ溶射法により成膜を行なう。このように材料を変更して、かつ、成膜する位置を変更して順次成膜を行なうことにより、マルチタイプ味覚センサ素子101を作成する。このようにして、絶縁膜3の上に部分的に感応膜をパターニングして設ける。
【0067】
このようにして作製されたマルチタイプ味覚センサ素子101は、図4のような測定システムにより、SPV法によって味覚センサシステムとすることができる。このとき、図8aの各感応膜2a〜2eの位置に対応するように、赤外LED41の位置を変更することとすれば、各感応膜についての味覚誘起物質に応じた応答を測定することができる。また、各感応膜の位置に専用の赤外LED41をそれぞれ設けておき、LED駆動回路42を選択駆動可能な複数の出力を備えるものとしておいて、データ取得が必要な感応膜のみを使用して味覚誘起物質の検知をすることもできる。このように構成すれば、電気的な切替のみで複数の感応膜のうちから任意のもののみを選択的に駆動できるので、機械的な移動等が無くても、検知する感応膜の切り換えが容易に行なえて、再現性の高い測定が行なえる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の無機膜の味覚センサと同様に、甘味に対しても充分な応答があり、さらに、苦味についての再現性が良好な味覚センサが得られる。また、膜質が堅牢で安定した測定が可能となる。さらに、感度の高い味覚誘起物質の定量検知が可能となる。また、このような味覚センサの製造方法や、その味覚センサを用いて味覚誘起物質を定量検知できる測定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の味覚センサ素子の作製工程を示す工程図であり、各段階の素子を断面で示している。
【図2】本発明の味覚センサの製造を行なう、プラズマ溶射装置の模式図である。
【図3】本発明の味覚センサに用いる感応膜の成膜後の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した顕微鏡写真である。
【図4】本発明の味覚センサを使用する際の、測定システムのシステム構成図である。
【図5】本発明において作製される味覚センサによって測定される、各味覚を誘起する物質の、各濃度でのバイアス電圧特性図である。
【図6】本発明において作製される味覚センサによって測定される、苦味を誘起する物質を測定する前後での、旨味を誘起する物質に対する各濃度でのバイアス電圧特性図である。
【図7】味覚センサの比較サンプルによって測定される、苦味を誘起する物質を測定する前後での、旨味を誘起する物質に対する各濃度でのバイアス電圧特性図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るマルチタイプセンサの構造を示す構造図である。
【符号の説明】
1 味覚センサ素子
2 感応膜
3 絶縁膜
4 接触部
6 シリコンウエハー
20 誘導プラズマ溶射装置
21 減圧タンク
22 断熱板
24 プラズマトーチ
25 高周波コイル
26 粉末導入プローブ
31 大粒部
32 小粒部

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    金属酸化物からなり異なる粒径を有する粒状体の集合である、該半導体基板上に形成された無機膜と
    を備えてなり、該無機膜に検査対象水溶液を接触させて味覚を誘起する物質の濃度を検知する味覚センサ。
  2. 前記無機膜は、粒径の大きい大粒部と多数の小粒部からなっており、小粒部は大粒部の周面に形成されているものである、請求項1に記載の味覚センサ。
  3. 前記金属酸化物が、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、酸化タンタル、酸化銅からなる群から選ばれる1以上の物質を含むものである、請求項1または2に記載の味覚センサ。
  4. 異なる金属酸化物からなる複数の無機膜が単一の半導体基板に配置され、前記検査対象水溶液に該複数の無機膜のそれぞれを接触させて味覚を誘起する物質の濃度を検知する請求項1に記載の味覚センサ。
  5. プラズマトーチによってプラズマを生成するステップと、
    粉末導入プローブによって該プラズマ中に成膜原料を供給するステップと、
    生成されたプラズマにより溶射される該成膜原料により、前記プラズマトーチにつながる減圧タンク内に配置した半導体基板上に、金属酸化膜を形成するステップと
    を含んでなる、味覚センサの製造方法。
  6. プラズマ溶射法によって作製され、異なる粒径を有する粒状体の集合である無機膜を半導体基板上に備えてなる味覚センサによる味覚の検知方法であって、
    該無機膜に検査対象水溶液を接触させて、該検査対象水溶液が該無機膜に作る表面電位をSPV法によって検出するステップと、
    該表面電位から味覚を誘起させる物質の濃度を検知するステップと
    を含んでなる、味覚センサによる味覚検知方法。
JP2002347402A 2002-11-29 2002-11-29 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法 Expired - Lifetime JP4087691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002347402A JP4087691B2 (ja) 2002-11-29 2002-11-29 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002347402A JP4087691B2 (ja) 2002-11-29 2002-11-29 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004177384A true JP2004177384A (ja) 2004-06-24
JP4087691B2 JP4087691B2 (ja) 2008-05-21

Family

ID=32708010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002347402A Expired - Lifetime JP4087691B2 (ja) 2002-11-29 2002-11-29 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4087691B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010024446A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 Toto株式会社 光電流による被検物質の特定的検出に用いられる電極部材
US8400597B2 (en) 2008-06-20 2013-03-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device
WO2014102485A1 (fr) * 2012-12-27 2014-07-03 Centre National De La Recherche Scientifique Procede et dispositif pour caracteriser un milieu fluide a l'aide d'un transducteur photoelectrique

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8400597B2 (en) 2008-06-20 2013-03-19 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device
JP5165758B2 (ja) * 2008-06-20 2013-03-21 シャープ株式会社 液晶表示装置
WO2010024446A1 (ja) * 2008-09-01 2010-03-04 Toto株式会社 光電流による被検物質の特定的検出に用いられる電極部材
CN102203596A (zh) * 2008-09-01 2011-09-28 Toto株式会社 用于利用光电流对分析物进行特异性检测的电极构件
WO2014102485A1 (fr) * 2012-12-27 2014-07-03 Centre National De La Recherche Scientifique Procede et dispositif pour caracteriser un milieu fluide a l'aide d'un transducteur photoelectrique
FR3000547A1 (fr) * 2012-12-27 2014-07-04 Centre Nat Rech Scient Procede et dispositif pour caracteriser un milieu fluide a l'aide d'un transducteur photoelectrique
US9726598B2 (en) 2012-12-27 2017-08-08 Centre National De La Recherche Scientifique Method and device for characterising a fluid medium using a photoelectric transducer

Also Published As

Publication number Publication date
JP4087691B2 (ja) 2008-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Castro-Hurtado et al. SnO2-nanowires grown by catalytic oxidation of tin sputtered thin films for formaldehyde detection
Tonezzer et al. Size-dependent response of single-nanowire gas sensors
Zhuiykov et al. Nanocrystalline V2O5–TiO2 thin-films for oxygen sensing prepared by sol–gel process
Qu et al. A thin-film sensing element for ozone, humidity and temperature
Park Enhancement of hydrogen sensing response of ZnO nanowires for the decoration of WO3 nanoparticles
Ponzoni et al. Metal oxide nanowire and thin-film-based gas sensors for chemical warfare simulants detection
Niskanen et al. Atomic layer deposition of tin dioxide sensing film in microhotplate gas sensors
Choi et al. Batch-fabricated CO gas sensor in large-area (8-inch) with sub-10 mW power operation
Daryakenari et al. Effect of Pt decoration on the gas response of ZnO nanoparticles
US10845325B2 (en) In-situ localized growth of porous metal oxide films on microheater platform for low temperature gas detection
Prajapati et al. Self-heating oxidized suspended Pt nanowire for high performance hydrogen sensor
CN111108371A (zh) 在低温下具有高灵敏度的气体传感器装置及其制造方法
Bao et al. Ultrathin tin oxide layer-wrapped gold nanoparticles induced by laser ablation in solutions and their enhanced performances
Zima et al. In-and Sb-doped tin oxide nanocrystalline films for selective gas sensing
JP4087691B2 (ja) 味覚センサ、その製造方法、及びその使用方法
Rahamim et al. Laser‐Induced Colloidal Writing of Organometallic Precursor–Based Repeatable and Fast Pd–Ni Hydrogen Sensor
US8907677B2 (en) Electrochemical sensor and method for the production thereof
JP2607675B2 (ja) 原子吸光分析装置
Kekkonen et al. Picosecond pulsed laser deposition of metal-oxide sensing layers with controllable porosity for gas sensor applications
Donato et al. CO sensing devices based on indium oxide nanoparticles prepared by laser ablation in water
Yan et al. Gas sensing property of ZnO NR arrays stabilized by high-temperature annealing and the mechanism of detecting reduce gases
US20210018455A1 (en) Copper oxide nanosensor
Wang et al. Surface defect engineering: gigantic enhancement in the optical and gas detection ability of metal oxide sensor
US20160091445A1 (en) Hydrogen Gas Sensor And Method For Fabrication Thereof
Tischner et al. Tin oxide nanocrystalline films and nanowires for gas sensing applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4087691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term