JP2004124271A - Polyester conjugated multifilament fiber and method for producing the same and woven or knitted fabric thereof - Google Patents

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a polyester conjugated multifilament fiber having a natural appearance without localizing a deep-colored part and a light-colored part when formed into a fabric and imparting a sufficient fullness feeling and stretchability and to provide a woven or a knitted fabric thereof. <P>SOLUTION: The conjugated multifilament fiber is obtained by joining two kinds of polyester polymers having different melt viscosities and comprises each single filament constituting the multifilament fiber having thick and thin unevenness in the fiber axis direction. The fiber is characterized as follows. The ratio of single fiber diameter of the thickest single fiber to the thinnest single fiber in an optional cross section in the multifilament fiber is 1.2-2.4. The coefficient of variation (CV) of the thickness unevenness as the multifilament fiber is 0.30-1.20 and the percentage crimp (CC) is 20-45%. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織編物にストレッチ性と良好な膨らみ感を与えるポリエステル複合マルチフィラメント繊維及びその製造方法並びにその織編物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、溶融粘度の異なる２種の熱可塑性ポリマーを同一吐出孔より吐出する複合紡糸により接合型複合繊維糸とし、熱処理によりスパイラル型クリンプを発現させ捲縮型ストレッチ糸とすることが知られており、該繊維による布帛はストレッチ性、深みのある色彩を得ることが知られている。
【０００３】
また、特許文献１には、溶融粘度の異なる２種のポリエステルからなる接合型複合糸に太細斑を付与し、織編物にストレッチ性と太細スラブ調外観を与える複合繊維が記載されている。
【０００４】
しかしこの方法では、マルチフィラメント繊維長手方向に単繊維の高配向の細部と低配向の太部が局在化して存在する構造となるため、染色により濃色部と淡色部が局在化し、スラブ調の外観を得るには良いが、ナチュラルな外観を得ることは困難であり、また、太部と細部が局在化して存在しているため、織編物全体としての膨らみ感も不十分である。
【０００５】
【特許文献１】特開２０００−１６０４４３号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決するものであって、布帛としたときに濃色部と淡色部が局在化せずにナチュラルな外観を呈し、十分な膨らみ感とストレッチ性を付与するポリエステル複合マルチフィラメント繊維およびその織編物を提供する。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の要旨は、溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーを接合した複合マルチフィラメント繊維であって、マルチフィラメント繊維を構成する単繊維が繊維軸方向に太細斑を有し、マルチフィラメント繊維中の任意の断面における最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比が１．２〜２．４であり、マルチフィラメント繊維としての太さ斑の変動係数（ＣＶ）が０．３０〜１．２０、捲縮率（ＣＣ）が２０〜４５％であることを特徴とするポリエステル複合マルチフィラメント繊維にある。
【０００８】
本発明の第２の要旨は、下記の式（１）を満足するポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）とを、２５００ｍ／分以下の引取速度で紡糸した接合型複合繊維の未延伸糸を、下記の式（２）〜（６）を満足する条件下で加熱ローラー延伸することを特徴とするポリエステル複合マルチフィラメント繊維の製造方法にある。
【０００９】
［η］Ａ−［η］Ｂ＞０．１４５　　　　　　　（１）
ＭＤＲ×０．４５≦ＤＲ１≦ＭＤＲ×０．６５　（２）
１．０００≦ＤＲ２≦１．３００　　　　　　　（３）
ＤＲ１＞ＤＲ２　　　　　　　　　　　　　　　（４）
Ｔｇ≦ＴＤＲ１≦Ｔｃ　　　　　　　　　　　　（５）
Ｔｇ＋２０℃≦ＴＤＲ２≦Ｔｃ　　　　　　　　（６）
（但し、式中、［η］Ａ、［η］Ｂ、はそれぞれＡ、Ｂのポリマーの固有粘度、ＭＤＲは延伸温度８５℃における未延伸糸の最大延伸倍率を表す。ＤＲ１は１段目延伸倍率、ＤＲ２は２段目延伸倍率、ＴＤＲ１は１段目延伸におけるローラー温度、ＴＤＲ２は２段目延伸における熱セット温度、Ｔｇは未延伸糸のガラス転移温度（℃）、Ｔｃは未延伸糸の結晶化温度（℃）を示す。なお、複合繊維の未延伸糸の結晶化温度、ガラス転移温度がそれぞれ２点測定される場合は、低い方の温度を結晶化温度、高い方の温度をガラス転移温度とする）
本発明の第３の要旨は、本発明のポリエステル複合マルチフィラメント繊維を含み、織物収縮率（ＬＣ）が２０〜４０％であることを特徴とする織編物にある。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について具体的に説明する。
【００１１】
本発明のポリエステル複合マルチフィラメント繊維は、布帛とした際にストレッチ性を発現させるために、溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーを接合した複合マルチフィラメント繊維であることが必要である。
【００１２】
該複合マルチフィラメント繊維を構成するポリエステルポリマーは、複合繊維としたときに良好なストレッチ性を得るため、溶融粘度の異なる組合せであればどのような組合せでも良く、同一ポリマーであっても低粘度品と高粘度品の組合せであれば良い。粘度の異なる一方の成分であるポリエステルは高粘度で高収縮成分として作用し、他方の成分であるポリエステルは低粘度で低収縮成分として作用する。
【００１３】
また、溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーのうち高粘度成分が、第三成分を５〜１５モル％共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【００１４】
第三成分が５モル％未満では捲縮発現力が十分得られにくく、１５モル％を超えると融点低下が著しく複合紡糸自体が困難になるだけでなく、捲縮発現力も不十分となりやすい。
【００１５】
第三成分としては、テレフタル酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の酸成分、エチレングリコール成分以外の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等のジオール成分が挙げられ、具体的には、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、１，４−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールＡエチレンオキシド付加物、スルホイソフタル酸金属塩、２，２−ビス［４−（２−ヒドロキシエトキシ）フェニル］プロパン等が挙げられ、特にイソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸金属塩、２，２−ビス［４−（２−ヒドロキシエトキシ）フェニル］プロパンが好ましいものして挙げられる。これらの第三成分は単独或いは２種以上の組み合わせであってもよい。
【００１６】
さらに本発明の溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーの接合は、複合繊維としたときに良好なストレッチ性が発現する接合であればいかなる接合形態でも良い。好ましくはサイドバイサイド型または偏芯芯鞘型などが用いられ、より好ましくはサイドバイサイド型が高度なストレッチ性を得るために用いられる。
【００１７】
また本発明では、マルチフィラメント繊維を構成する単繊維が繊維軸方向に太細斑を有し、マルチフィラメント繊維中の任意の断面における最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比が１．２〜２．４であり、マルチフィラメント繊維としての太さ斑の変動係数（ＣＶ）が０．３０〜１．２０、捲縮率（ＣＣ）が２０〜４５％であることが必要である。
【００１８】
単繊維の繊維軸方向に太部と細部が混在することにより、単繊維長手方向に配向度の差が生じ、仮撚、混繊、染色などの後加工において熱処理を施した際に単繊維内に収縮差を生じ、膨らみ感が得られる。
【００１９】
マルチフィラメント繊維中の任意の断面における最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比は１．２〜２．４が必要である。太細比の下限は１．２以上、より好ましくは１．３以上が良い。上限は２．４以下、より好ましくは１．８以下が良い。
【００２０】
太細比の下限が１．２未満であると単繊維の繊維軸長手方向に、太部と細部の単繊維繊度差が小さいため太部、細部の配向度差による構造斑に起因した捲縮形態差が得難く、布帛にした際のふくらみ感が不足する。また、上限が２．４を超えると単繊維の太部と細部の配向度差が大きいため、太部と細部の伸度差が大きくなり、製糸する際に糸切れなど工程安定性上の問題がある。
【００２１】
糸全体としての太さ斑の変動係数（ＣＶ）は、下限が０．３０以上、より好ましくは０．３５以上、上限が１．２０以下、より好ましくは１．０以下が良い。下限が０．３未満であると、マルチフィラメント内の単繊維径の太細差が小さくなるため、単繊維間での捲縮形態差が小さくなり本発明の目的とする膨らみ感を得ることができなくなる。
【００２２】
上限が１．２０を超えると仮撚、混繊、染色などの後加工において熱処理を施した際に、マルチフィラメント繊維として、糸条長手方向に太部と細部が局在化し、マルチフィラメント繊維の太部の収縮が著しく粗忽な繊維になり、太部と細部の伸度差が大きいため製糸する際に糸切れなど工程安定性上の問題が発生する。
【００２３】
さらに染色した際に、スラブ調外観を呈した太細が発生し、太部と細部が局在化することで収縮部が集中するため本発明の目的とする自然な外観と膨らみを呈する繊維を得ることができない。
【００２４】
また本発明では、捲縮率（ＣＣ）が２０〜４５％であることが必要である。ＣＣが２０％未満であると十分なストレッチ性を得ることができない。４５％を超えると織編物とした際の形態が安定しない。
【００２５】
さらに、本発明のポリエステル複合マルチフィラメント繊維は、好ましくは伸度（ＤＥ）の下限が３０％以上、より好ましくは３５％以上、上限は７０％以下、より好ましくは６０％以下が望ましい。伸度が７０％を超えると、織編物としたときに十分な捲縮が発現しにくく、満足すべきストレッチ性能を得ることができにくい。また３０％未満では、単繊維の繊維軸方向に太細斑の発現が不足しやすく、満足すべき目的とする膨らみ効果を得ることが困難となりやすい。
【００２６】
次に本発明の、ポリエステル複合マルチフィラメント繊維の製造法について詳細に説明する。
【００２７】
本発明では、下記の式（１）を満足するポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）とを、２５００ｍ／分以下の引取速度で紡糸した接合型複合繊維の未延伸糸を、下記の式（２）〜（６）を満足する条件下で加熱ローラー延伸することが必要である。
【００２８】
［η］Ａ−［η］Ｂ＞０．１４５　　　　　　　（１）
ＭＤＲ×０．４５≦ＤＲ１≦ＭＤＲ×０．６５　（２）
１．０００≦ＤＲ２≦１．３００　　　　　　　（３）
ＤＲ１＞ＤＲ２　　　　　　　　　　　　　　　（４）
Ｔｇ≦ＴＤＲ１≦Ｔｃ　　　　　　　　　　　　（５）
Ｔｇ＋２０℃≦ＴＤＲ２≦Ｔｃ　　　　　　　　（６）
（但し、式中、［η］Ａ、［η］Ｂ、はそれぞれＡ、Ｂのポリマーの固有粘度、ＭＤＲは延伸温度８５℃における未延伸糸の最大延伸倍率を表す。ＤＲ１は１段目延伸倍率、ＤＲ２は２段目延伸倍率、ＴＤＲ１は１段目延伸におけるローラー温度、ＴＤＲ２は２段目延伸における熱セット温度、Ｔｇは未延伸糸のガラス転移温度（℃）、Ｔｃは未延伸糸の結晶化温度（℃）を示す。なお、複合繊維の未延伸糸の結晶化温度、ガラス転移温度がそれぞれ２点測定される場合は、低い方の温度を結晶化温度、高い方の温度をガラス転移温度とする）
ポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）の固有粘度の差は０．１４５より大きいことが必要である。粘度の異なるの一方の成分であるポリエステル（Ａ）は高粘度で高収縮成分として作用し、他方の成分であるポリエステル（Ｂ）は低粘度で低収縮成分として作用する。固有粘度の差が０．１４５以下の場合、ポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）の収縮差が小さく、捲縮の発現が不足しストレッチ性能が得られない。
【００２９】
また、溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーのうち高粘度成分が、第三成分を５〜１５モル％共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【００３０】
第三成分が５モル％未満では捲縮発現力が十分得られにくく、１５モル％を超えると融点低下が著しく複合紡糸自体が困難になるだけでなく、捲縮発現力も不十分となりやすい。
【００３１】
第三成分としては、テレフタル酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の酸成分、エチレングリコール成分以外の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等のジオール成分が挙げられ、具体的には、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、１，４−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールＡエチレンオキシド付加物、スルホイソフタル酸金属塩、２，２−ビス［４−（２−ヒドロキシエトキシ）フェニル］プロパン等が挙げられ、特にイソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸金属塩、２，２−ビス［４−（２−ヒドロキシエトキシ）フェニル］プロパンが好ましいものして挙げられる。これらの第三成分は単独或いは２種以上の組み合わせであってもよい。
【００３２】
さらに本発明の溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーの接合は、複合繊維としたときに良好なストレッチ性が発現する接合であればいかなる接合でも良い。好ましくはサイドバイサイド型または偏芯芯鞘型などが用いられ、より好ましくはサイドバイサイド型が高度なストレッチ性を得るために用いられる。
【００３３】
複合紡糸に際してのポリエステル（Ａ）／ポリエステル（Ｂ）の接合比（重量比）Ｗは、複合繊維の形態下で捲縮発現力を与えるうえで４／６＜Ｗ＜６／４が好ましい。接合比が上記範囲外では製糸性が低下しやすく、複合繊維の形態下での捲縮発現力も不足しやすい。
【００３４】
また本発明では、ポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）を複合紡糸するときの紡糸時の引取速度は、未延伸糸の配向度を低く抑え、延伸工程で繊維軸方向の太細斑の形成を容易にするために２５００ｍ／分以下とすることが必要である。引取速度が２５００ｍ／分を超えると、未延伸糸の配向度が高くなり、太細斑の形成が困難となる。
【００３５】
未延伸糸の延伸は、前記式（２）〜（６）を満足する条件で、加熱ローラーで２段延伸することが必要である。
【００３６】
ＤＲ１がＭＤＲ×０．４５未満では、十分な捲縮発現力が得られず、ＭＤＲ×０．６５を超えると、マルチフィラメント繊維の単繊維間に太細斑の形成が困難となり、本発明の目的とする膨らみ間を得ることが困難となる。
【００３７】
ＤＲ２が１．０００未満であると、ＤＲ１で形成された単繊維間の太細斑が局在化されスラブ調の外観になり、１．３００を超えても同様に太細斑が局在化するため単繊維間に太細斑が分散せず、目的とする膨らみが得られない。
【００３８】
さらに本発明ではＤＲ１＞ＤＲ２であることが必要である。ＤＲ２がＤＲ１を超える場合ＤＲ１で形成された単繊維間の太細斑が延伸により局在化するため、スラブ調の外観となり、単繊維間に太細斑を分散させて膨らみを発現させることが困難となる。
【００３９】
ＴＤＲ１はＴｇ≦ＴＤＲ１≦Ｔｃであり、かつ前述の式（２）の条件により未延伸糸の延伸のネック点発生が１段目延伸ローラー上に存在することでネック点が分散し単繊維間で太細のバラツキを発生させることができる。
【００４０】
ＴＤＲ１がＴｇ未満、またはＴｃを超えると延伸のネック点発生の分散性不良となり、得られる太細糸はスラブ調の外観となるため本発明の目的とする糸が得られない。
【００４１】
ＴＤＲ２がＴｇ＋２０℃未満では、得られる繊維の配向度が低く強度不十分となり、Ｔｃを超えると単繊維の太部と細部が局在化し、マルチフィラメント繊維として太部と細部が局在化したスラブ調の繊維になる。
【００４２】
また本発明では、加熱ローラーで延伸することが必要であり、熱ピンによる延伸では延伸点が熱ピン上に固定され、単繊維の太部と細部が局在化するため、マルチフィラメント繊維として太部と細部が局在化したスラブ調の繊維となる。
【００４３】
また、本発明の織編物は、ポリエステル複合マルチフィラメント繊維を含み、織物収縮率（ＬＣ）が２０〜４０％であることが必要である。ＬＣが２０％未満であると十分なストレッチ性を得ることができない。４０％を超えると織編物とした際の形態が安定しない。
【００４４】
なお、本発明の織編物は、例えば、得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維を単独または混繊した後、公知の方法により織編物とし、染色処理することによって得ることができる。
【００４５】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例における評価は次の方法によって行った。
【００４６】
（単繊維径の比（太細比））
マルチフィラメント繊維の長手方向の任意の位置で、光学顕微鏡により断面を観察、単繊維径を測定し、単繊維径の最も太い部分と最も細い部分の単繊維径の比を求めた。
【００４７】
（糸全体としての太さ斑の変動係数（ＣＶ））
計測器工業（株）製糸斑試験機ＫＥＴ８０Ｃを用い、糸速１５ｍ／分、レンジ±１２．５％、ノーマルモードの条件で糸の太さの変動係数ＣＶ（％）を測定した。
【００４８】
（捲縮率ＣＣ）
サンプル原糸を枠周１ｍで巻き数１０回の綛を作成し、綛が乱れないように２ヶ所を束ねてくくり、８の字状にして２つ折に重ねて輪にすることを２回繰り返し、ガーゼに包み水浴に浸したときに浮かないように金網箱に入れ、９０℃に調整した恒温槽に２０分間浸漬する。恒温槽から金網箱を取り出し、水を切り綛が乱れない様にろ紙の上に並べる。
【００４９】
２０時間以上放置し、自然乾燥した後に捲縮を引き伸ばさない様に注意しながら、余分な絡まりをほぐし、表示デシテックス（１．１ｄｔｅｘ）当り４９／２５０００ｃＮ×２０の初荷重を掛け１分後の長さ（Ｌ０）を測る。
【００５０】
初荷重を除重後に表示デシテックス当りの４９／５００ｃＮ×２０の測定荷重を掛けて１分後の長さ（Ｌ１）を測り、除重後２分間放置して再び初荷重を掛けて１分後の長さ（Ｌ２）を測る。捲縮率ＣＣは下記式により算出する。
【００５１】
捲縮率ＣＣ（％）＝（Ｌ１−Ｌ２）／Ｌ１　×　１００
（伸度（ＤＥ））
島津製作所（株）製オートグラフシステムＳＤ−１００−Ｃを用い、サンプル長２０ｃｍ、引張速度２０ｍ／分の条件で測定した。
【００５２】
（織物収縮率（ＬＣ））
サンプル原糸を撚係数Ｋ＝１００（Ｔ＝Ｋ×√Ｄ　Ｔは１ｍ当りの撚数、Ｄはサンプル原糸の繊度）の条件で撚糸を施し、温度７０℃、湿度９０％ＲＨの条件下で４０分間セットした糸を緯糸として、該サンプル糸の繊度（Ｄ）から打ち込み本数（本／ｃｍ）＝３１１．１／√Ｄで算出される打ち込み本数で、縦糸密度３９．６本／ｃｍに設定された５６ｄｔｅｘ１８フィラメントの原糸を経糸として製織した後、織物緯糸方向に長さ１ｍの間隔で印を付け（Ｌ０）緯糸に平行に１０ｃｍ幅のサンプル布を切り出し、１３０度℃×３０分間、熱水処理する。
【００５３】
熱水処理したサンプル布を風乾後、片端を固定して垂直に垂らし、下方の他端に０．４５ｇ／ｄｔｅｘの荷重をかけ、先に付けた印の間隔（Ｌ１）を測定し、織物収縮率（ＬＣ）＝（Ｌ０−Ｌ１）／Ｌ０×１００で算出した。
【００５４】
（固有粘度（［η］））
ポリマーをフェノールとテトラクロロエタンの１：１の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて２５℃で測定した。
【００５５】
（織物風合）
織物収縮率の測定に用いた湿熱処理後のサンプル布の引っ張り弾性を触感による官能テストにより次の基準で評価した。
【００５６】
○：伸長、反発弾性が共に非常に良好
△：伸長、反発弾性が共に良好
×：伸長、反発弾性が共に不十分
（織物外観）
織物収縮率の測定に用いた湿熱処理後のサンプル布を分散染料Ｃｏｌｏｒ．Ｉｎｄｅｘ　Ｄｉｓｐｅｒｓｅ　Ｂｌｕｅ　２００を１．０　ｏ．ｗ．ｆ％、染色温度１３０℃にて染色し、織物の外観を目視で次の基準にて評価した。
【００５７】
○：スラブ外観が無く、織物としてプレーンな外観。
【００５８】
×：スラブ調の外観、太部、細部に起因した濃淡が発生。
【００５９】
（実施例１）
イソフタル酸（ＩＰＡ）８モル％をポリエチレンテレフタレートに共重合した固有粘度０．６４７の共重合ポリエチレンテレフタレートをポリマー（Ａ）、固有粘度０．４８４のポリエチレンテレフタレートをポリマー（Ｂ）とし、紡糸温度を２９０℃とし、紡糸吐出孔の上流で２種のポリマー流を面対称に合流させ、接合比（重量比）５／５で、孔径０．６ｍｍ、長さ１．５ｍｍの細孔の吐出孔を２４個有する複合紡糸口金より紡出した。この紡出糸条を冷却、オイリング後、２１００ｍ／分の引取速度で巻き取り、２０６ｄｔｅｘ／２４フィラメントの複合繊維の未延伸糸を得た。
【００６０】
得られた未延伸糸を表１に示す条件で延伸して１０９ｄｔｅｘ／２４フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維の延伸糸を得た。表１に得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維の評価結果を示した。
【００６１】
（実施例２）
実施例１と同様のポリマーを用い、同様の紡糸条件で、吐出孔を４８個有する複合紡糸口金で、２３３ｄｔｅｘ／４８フィラメントの未延伸糸を得た。
【００６２】
得られた未延伸糸を、表１に示す条件で延伸して１３５ｄｔｅｘ／４８フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。表１に得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維延伸糸の評価結果を示した。
【００６３】
（実施例３）
実施例１と同様のポリマーを用い、同様の紡糸条件で、吐出孔を２４個有する複合紡糸口金で、９８ｄｔｅｘ／２４フィラメントの未延伸糸を得た。
【００６４】
得られた未延伸糸を、表１に示す条件で延伸して５６ｄｔｅｘ／２４フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。表１に得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維延伸糸の評価結果を示した。
【００６５】
（実施例４）
表１に示した延伸条件に変えた以外は実施例３と同様に６９ｄｔｅｘ／２４フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。表１に得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維延伸糸の評価結果を示した。
【００６６】
（比較例１）
実施例１において未延伸糸繊度を２３１ｄｔｅｘ／２４フィラメントと変更した以外は実施例１と同様の紡糸条件で未延伸糸を得た。
【００６７】
得られた未延伸糸を、表１に示す条件で延伸して１２５ｄｔｅｘ／２４フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。表１に得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維の評価結果を示した。得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維はＣＶが大きく、織物にスラブ外観があり、スラブの太部と細部で収縮差があり、膨らみ間に欠けるものとなった。
【００６８】
（比較例２）
表１に示した延伸条件に変えた以外は実施例３と同様にして、ポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。スラブ調の外観は無いが、最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比が小さく、膨らみ感に欠ける風合となった。
【００６９】
（比較例３）
実施例１において、未延伸糸繊度を２２２ｄｔｅｘ／２４フィラメントとし、得られた未延伸糸を１対の熱ピンを介して、第１摩擦抵抗ピンを６０℃、第２摩擦抵抗ピンを１１５℃で延伸倍率１．７５倍（ＭＤＲ×０．５７）で延伸して１２６ｄｔｅｘ／２４フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維の延伸糸を得た。得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維の評価結果を示した。ＣＶ値が大きく、太細斑が局在化されスラブ調の外観となった。
【００７０】
（比較例４）
実施例１において、吐出孔を１２個有する複合紡糸口金、未延伸糸繊度を６２ｄｔｅｘ／１２フィラメントに変えた以外は、実施例１と同様にし、表１に示す条件で延伸して３３ｄｔｅｘ／１２フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維の延伸糸を得た。得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維の評価結果を示した。ＣＶ値が小さく、単繊維間での捲縮形態差が小さくなり本発明の目的とする膨らみ感が得られなかった。
【００７１】
（比較例５）
実施例１において、吐出孔を１２個有する複合紡糸口金、未延伸糸繊度を１１５ｄｔｅｘ／１２フィラメントに変えた以外は、実施例１と同様にし、表１に示す条件で延伸して６１ｄｔｅｘ／１２フィラメントのポリエステル複合マルチフィラメント繊維を得た。表１に、得られたポリエステル複合マルチフィラメント繊維の評価結果を示した。ＣＶ値が大きく、太細斑が局在化されスラブ調の外観となった。
【００７２】
【表１】

【００７３】
【発明の効果】
本発明は布帛としたときに濃色部と淡色部が局在化せずにナチュラルな外観を呈し、十分な膨らみ感とストレッチ性を付与するポリエステル複合マルチフィラメント繊維及びその織編物が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester composite multifilament fiber which gives a stretchability and a good swelling feeling to a woven or knitted fabric, a method for producing the same, and a woven or knitted fabric thereof.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, it has been known that two types of thermoplastic polymers having different melt viscosities are spun out from the same spouting hole to form a joint type composite fiber yarn by composite spinning, and a heat treatment to develop a spiral type crimp to form a crimped stretch yarn. It is known that a fabric made of the fibers can obtain stretchability and a deep color.
[0003]
Further, Patent Document 1 describes a conjugate fiber that gives thick and thin spots to a bonded type composite yarn made of two kinds of polyesters having different melt viscosities and gives a woven or knitted fabric a stretch property and a thick and thin slab-like appearance. .
[0004]
However, this method has a structure in which the high-oriented details and the low-oriented thick portions of the single fibers are localized and present in the longitudinal direction of the multifilament fiber. It is good for obtaining a toned appearance, but it is difficult to obtain a natural appearance, and since the thick part and details are localized, the swelling feeling of the whole woven or knitted fabric is also insufficient. .
[0005]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-160443
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the drawbacks of the conventional technology, and when a fabric is used, the dark and light-colored portions have a natural appearance without being localized, and impart a sufficient swelling feeling and stretchability. And a woven or knitted fabric thereof.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A first gist of the present invention is a composite multifilament fiber in which two types of polyester polymers having different melt viscosities are joined, wherein a single fiber constituting the multifilament fiber has a thick and thin spot in a fiber axis direction, The ratio of the single fiber diameter of the thickest single fiber to the thinnest single fiber in an arbitrary cross section of the filament fiber is 1.2 to 2.4, and the coefficient of variation (CV) of the uneven thickness as a multifilament fiber is 0. .30 to 1.20 and a crimp ratio (CC) of 20 to 45%.
[0008]
A second gist of the present invention is to provide an unstretched bonded conjugate fiber obtained by spinning a polyester (A) and a polyester (B) satisfying the following formula (1) at a take-off speed of 2500 m / min or less: A method for producing a polyester composite multifilament fiber, characterized in that it is subjected to hot roller stretching under conditions satisfying the following formulas (2) to (6).
[0009]
[Η] A- [η] B> 0.145 (1)
MDR × 0.45 ≦ DR1 ≦ MDR × 0.65 (2)
1.000 ≦ DR2 ≦ 1.300 (3)
DR1> DR2 (4)
Tg ≦ TDR1 ≦ Tc (5)
Tg + 20 ° C ≦ TDR2 ≦ Tc (6)
(Where, [η] A and [η] B represent the intrinsic viscosities of the polymers of A and B, respectively, and MDR represents the maximum draw ratio of the undrawn yarn at a drawing temperature of 85 ° C. DR1 is the first-stage drawing. Magnification, DR2 is the second stage stretching ratio, TDR1 is the roller temperature in the first stage stretching, TDR2 is the heat setting temperature in the second stage stretching, Tg is the glass transition temperature (° C.) of the undrawn yarn, and Tc is the temperature of the undrawn yarn. When the crystallization temperature and the glass transition temperature of the undrawn yarn of the conjugate fiber are measured at two points, the lower temperature is the crystallization temperature and the higher temperature is the glass temperature. Transition temperature)
A third gist of the present invention resides in a woven or knitted fabric containing the polyester composite multifilament fiber of the present invention and having a fabric shrinkage (LC) of 20 to 40%.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be specifically described.
[0011]
The polyester composite multifilament fiber of the present invention needs to be a composite multifilament fiber in which two types of polyester polymers having different melt viscosities are joined in order to exhibit stretchability when made into a fabric.
[0012]
The polyester polymer constituting the conjugate multifilament fiber may be in any combination as long as it has a different melt viscosity in order to obtain good stretchability when formed into a conjugate fiber. And any combination of high viscosity products. Polyester, one of the components having different viscosities, has a high viscosity and acts as a high shrinkage component, while polyester, the other component, has a low viscosity and acts as a low shrinkage component.
[0013]
Further, among the two types of polyester polymers having different melt viscosities, a high viscosity component is preferably copolymerized polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing a third component with 5 to 15 mol%.
[0014]
When the amount of the third component is less than 5 mol%, sufficient crimp developing power is hardly obtained. When the amount exceeds 15 mol%, the melting point is remarkably reduced, and not only the composite spinning itself becomes difficult, but also the crimp developing power tends to be insufficient.
[0015]
As the third component, aromatic dicarboxylic acid other than terephthalic acid component, acid component such as aliphatic dicarboxylic acid, aliphatic diol other than ethylene glycol component, alicyclic diol, diol component such as aromatic diol, and the like, Specifically, isophthalic acid, adipic acid, sebacic acid, 1,4-butanediol, cyclohexanediol, bisphenol A ethylene oxide adduct, metal sulfoisophthalate, 2,2-bis [4- (2-hydroxyethoxy) Phenyl] propane and the like, and particularly preferred are isophthalic acid, adipic acid, metal salts of sulfoisophthalic acid, and 2,2-bis [4- (2-hydroxyethoxy) phenyl] propane. These third components may be used alone or in combination of two or more.
[0016]
Further, the joining of the two types of polyester polymers having different melt viscosities according to the present invention may be in any joining form as long as it exhibits good stretchability when formed into a conjugate fiber. Preferably, a side-by-side type or an eccentric core-sheath type is used, and more preferably, a side-by-side type is used to obtain high stretchability.
[0017]
Further, in the present invention, the monofilament constituting the multifilament fiber has large and thin spots in the fiber axis direction, and the ratio of the single fiber diameter of the thickest single fiber to the thinnest single fiber in an arbitrary cross section in the multifilament fiber is 1.2 to 2.4, the coefficient of variation (CV) of thickness unevenness as a multifilament fiber must be 0.30 to 1.20, and the crimp ratio (CC) needs to be 20 to 45%. is there.
[0018]
Due to the mixture of the thick part and the details in the fiber axis direction of the single fiber, a difference in the degree of orientation occurs in the single fiber longitudinal direction. Causes a difference in shrinkage, giving a swelling feeling.
[0019]
The ratio of the single fiber diameter of the thickest single fiber to the thinnest single fiber in an arbitrary cross section in the multifilament fiber needs to be 1.2 to 2.4. The lower limit of the thickness ratio is preferably 1.2 or more, more preferably 1.3 or more. The upper limit is preferably 2.4 or less, more preferably 1.8 or less.
[0020]
When the lower limit of the thickness ratio is less than 1.2, the difference in single fiber fineness between the thick portion and the small portion is small in the longitudinal direction of the fiber axis of the single fiber. It is difficult to obtain a morphological difference, and the feeling of swelling when made into a fabric is insufficient. On the other hand, if the upper limit exceeds 2.4, the difference in the degree of orientation between the thick portion and the details of the single fiber is large, so the difference in elongation between the thick portion and the details becomes large, and there is a problem in the process stability such as yarn breakage during yarn production. There is.
[0021]
The coefficient of variation (CV) of the thickness unevenness of the whole yarn has a lower limit of 0.30 or more, more preferably 0.35 or more, and an upper limit of 1.20 or less, more preferably 1.0 or less. When the lower limit is less than 0.3, the difference in the diameter of the single fiber in the multifilament becomes small, so that the difference in the crimping form between the single fibers becomes small, and the swelling feeling aimed at by the present invention can be obtained. become unable.
[0022]
When the upper limit exceeds 1.20, when heat treatment is performed in post-processing such as false twisting, blending, and dyeing, as a multifilament fiber, thick portions and details are localized in the yarn longitudinal direction, and the multifilament fiber The thick part is remarkably coarse and the fiber becomes coarse, and the difference in elongation between the thick part and the fine part is large.
[0023]
Furthermore, when dyed, thick and thin having a slab-like appearance is generated, and the thick part and the details are localized, so that the shrinking part is concentrated, so that the fiber having the natural appearance and swelling intended for the present invention is obtained. I can't get it.
[0024]
In the present invention, the crimp ratio (CC) needs to be 20 to 45%. If the CC is less than 20%, sufficient stretchability cannot be obtained. If it exceeds 45%, the form of the woven or knitted fabric will not be stable.
[0025]
Further, the polyester composite multifilament fiber of the present invention preferably has a lower limit of elongation (DE) of 30% or more, more preferably 35% or more, and an upper limit of 70% or less, more preferably 60% or less. If the elongation exceeds 70%, sufficient crimping is not easily exhibited when the woven or knitted fabric is used, and it is difficult to obtain satisfactory stretching performance. On the other hand, if it is less than 30%, the expression of large and thin spots tends to be insufficient in the fiber axis direction of the single fiber, and it becomes difficult to obtain a satisfactory target swelling effect.
[0026]
Next, the method for producing a polyester composite multifilament fiber of the present invention will be described in detail.
[0027]
In the present invention, an undrawn yarn of a joined conjugate fiber obtained by spinning a polyester (A) and a polyester (B) satisfying the following formula (1) at a take-off speed of 2500 m / min or less is obtained by the following formula (2) ) To (6), it is necessary to stretch by a heated roller.
[0028]
[Η] A- [η] B> 0.145 (1)
MDR × 0.45 ≦ DR1 ≦ MDR × 0.65 (2)
1.000 ≦ DR2 ≦ 1.300 (3)
DR1> DR2 (4)
Tg ≦ TDR1 ≦ Tc (5)
Tg + 20 ° C ≦ TDR2 ≦ Tc (6)
(Where, [η] A and [η] B represent the intrinsic viscosities of the polymers of A and B, respectively, and MDR represents the maximum draw ratio of the undrawn yarn at a drawing temperature of 85 ° C. DR1 is the first-stage drawing. Magnification, DR2 is the second stage stretching ratio, TDR1 is the roller temperature in the first stage stretching, TDR2 is the heat setting temperature in the second stage stretching, Tg is the glass transition temperature (° C.) of the undrawn yarn, and Tc is the temperature of the undrawn yarn. When the crystallization temperature and the glass transition temperature of the undrawn yarn of the conjugate fiber are measured at two points, the lower temperature is the crystallization temperature and the higher temperature is the glass temperature. Transition temperature)
The difference between the intrinsic viscosities of polyester (A) and polyester (B) must be greater than 0.145. Polyester (A), one of the components having different viscosities, has a high viscosity and acts as a high shrinkage component, and the other component, polyester (B), has a low viscosity and acts as a low shrinkage component. When the difference in the intrinsic viscosity is 0.145 or less, the difference in shrinkage between the polyester (A) and the polyester (B) is small, and the crimping is insufficient, and the stretch performance cannot be obtained.
[0029]
Further, among the two types of polyester polymers having different melt viscosities, a high viscosity component is preferably copolymerized polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing a third component with 5 to 15 mol%.
[0030]
When the amount of the third component is less than 5 mol%, sufficient crimp developing power is hardly obtained. When the amount exceeds 15 mol%, the melting point is remarkably reduced, and not only the composite spinning itself becomes difficult, but also the crimp developing power tends to be insufficient.
[0031]
As the third component, aromatic dicarboxylic acid other than terephthalic acid component, acid component such as aliphatic dicarboxylic acid, aliphatic diol other than ethylene glycol component, alicyclic diol, diol component such as aromatic diol, and the like, Specifically, isophthalic acid, adipic acid, sebacic acid, 1,4-butanediol, cyclohexanediol, bisphenol A ethylene oxide adduct, metal sulfoisophthalate, 2,2-bis [4- (2-hydroxyethoxy) Phenyl] propane and the like, and particularly preferred are isophthalic acid, adipic acid, metal salts of sulfoisophthalic acid, and 2,2-bis [4- (2-hydroxyethoxy) phenyl] propane. These third components may be used alone or in combination of two or more.
[0032]
Further, the joining of the two types of polyester polymers having different melt viscosities according to the present invention may be any joining as long as it exhibits good stretchability when formed into a conjugate fiber. Preferably, a side-by-side type or an eccentric core-sheath type is used, and more preferably, a side-by-side type is used to obtain high stretchability.
[0033]
The joining ratio (weight ratio) W of the polyester (A) / polyester (B) at the time of the conjugate spinning is preferably 4/6 <W <6/4 in order to give a crimp developing force in the form of the conjugate fiber. If the bonding ratio is outside the above range, the spinnability tends to decrease, and the crimping force in the form of the conjugate fiber tends to be insufficient.
[0034]
In the present invention, the take-up speed at the time of spinning when the polyester (A) and the polyester (B) are combined is controlled so that the degree of orientation of the undrawn yarn is kept low, and the formation of thick and thin spots in the fiber axis direction in the drawing step. It is necessary that the speed be 2500 m / min or less for facilitation. When the take-up speed exceeds 2500 m / min, the degree of orientation of the undrawn yarn becomes high, and it becomes difficult to form thick and thin spots.
[0035]
For the drawing of the undrawn yarn, it is necessary to perform two-stage drawing with a heating roller under the conditions satisfying the above formulas (2) to (6).
[0036]
When DR1 is less than MDR × 0.45, sufficient crimp expression strength cannot be obtained, and when it exceeds MDR × 0.65, formation of large and thin spots between single filaments of the multifilament fiber becomes difficult. It is difficult to obtain the desired bulge.
[0037]
When DR2 is less than 1.000, the thick and thin spots between the single fibers formed in DR1 are localized to give a slab-like appearance, and even when the thickness exceeds 1.300, the thick and thin spots are similarly localized. As a result, large and thin spots do not disperse between the single fibers, and a desired swelling cannot be obtained.
[0038]
Further, in the present invention, it is necessary that DR1> DR2. When DR2 exceeds DR1, the thick and thin spots between the single fibers formed in DR1 are localized by stretching, so that the appearance becomes slab-like, and the thick and thin spots are dispersed between the single fibers to cause swelling. It will be difficult.
[0039]
TDR1 satisfies Tg ≦ TDR1 ≦ Tc, and the neck point of the undrawn yarn is generated on the first-stage drawing roller under the condition of the above-described formula (2), so that the neck point is dispersed and the single fiber is separated. Thick and thin variations can be generated.
[0040]
When TDR1 is lower than Tg or higher than Tc, the dispersibility of the draw neck point is poor, and the obtained thick and thin yarn has a slab-like appearance, so that the yarn targeted by the present invention cannot be obtained.
[0041]
When TDR2 is lower than Tg + 20 ° C., the degree of orientation of the obtained fiber is low and the strength is insufficient. When Tc is higher than Tc, the thick portion and the detail of the single fiber are localized, and the thick portion and the detail are localized as the multifilament fiber. It becomes a tone fiber.
[0042]
In the present invention, it is necessary to draw with a heating roller. In drawing with a hot pin, the drawing point is fixed on the hot pin, and the thick portion and details of the single fiber are localized. A slab-like fiber with localized parts and details.
[0043]
Further, the woven or knitted fabric of the present invention needs to contain polyester composite multifilament fibers and have a fabric shrinkage (LC) of 20 to 40%. If the LC is less than 20%, sufficient stretchability cannot be obtained. If it exceeds 40%, the form of the woven or knitted fabric will not be stable.
[0044]
The woven or knitted fabric of the present invention can be obtained by, for example, singly or blending the obtained polyester composite multifilament fiber, forming a woven or knitted fabric by a known method, and performing a dyeing treatment.
[0045]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to examples. The evaluation in the examples was performed by the following method.
[0046]
(Ratio of single fiber diameter (thickness ratio))
At an arbitrary position in the longitudinal direction of the multifilament fiber, a cross section was observed with an optical microscope, the single fiber diameter was measured, and the ratio of the single fiber diameter of the thickest portion to the thinnest portion of the single fiber diameter was determined.
[0047]
(Coefficient of variation (CV) of thickness unevenness as a whole yarn)
Using a yarn spot tester KET80C manufactured by Keisoku Kogyo Co., Ltd., the coefficient of variation CV (%) of the yarn thickness was measured under the conditions of a yarn speed of 15 m / min, a range of ± 12.5%, and a normal mode.
[0048]
(Crimp ratio CC)
Create a skein of 10 windings around the frame 1m around the frame of the sample, wrap it in two places so that the skein is not disturbed, and make it into a figure eight shape, fold it into two, and repeat twice. Wrapped in gauze, placed in a wire mesh box so as not to float when immersed in a water bath, and immersed in a thermostat adjusted to 90 ° C. for 20 minutes. Take out the wire mesh box from the thermostat, drain the water and arrange it on filter paper so that the skein is not disturbed.
[0049]
After leaving to stand for 20 hours or more and air-drying, take care not to stretch the crimp, loosen excess entanglement, apply an initial load of 49/25000 cN × 20 per indicated dtex (1.1 dtex), and lengthen after 1 minute. Measure (L0).
[0050]
After removing the initial load, apply a measurement load of 49/500 cN × 20 per indicated decitex, measure the length (L1) after 1 minute, leave it for 2 minutes after removing the load, apply the initial load again, and after 1 minute Is measured (L2). The crimp ratio CC is calculated by the following equation.
[0051]
Crimp ratio CC (%) = (L1−L2) / L1 × 100
(Elongation (DE))
The measurement was performed using an autograph system SD-100-C manufactured by Shimadzu Corporation under the conditions of a sample length of 20 cm and a tensile speed of 20 m / min.
[0052]
(Textile shrinkage (LC))
The sample yarn is twisted under the conditions of a twist coefficient K = 100 (T = K × √DT, where T is the number of twists per meter, and D is the fineness of the sample yarn), at a temperature of 70 ° C. and a humidity of 90% RH. The yarns set for 40 minutes at, as weft yarns, the number of yarns calculated from the fineness (D) of the sample yarn by the number of yarns (line / cm) = 311.1 / √D, and the warp yarn density is 39.6 yarns / cm After weaving the original yarn of 56 dtex18 filament as a warp, a mark is made at intervals of 1 m in the woven weft direction (L0), a 10 cm wide sample cloth is cut out in parallel with the weft, and 130 ° C. × 30 minutes. Treat with hot water.
[0053]
After air-drying the hot-water treated sample cloth, one end is fixed and suspended vertically, a load of 0.45 g / dtex is applied to the other lower end, the interval (L1) between the marks previously applied is measured, and the fabric shrinks. Ratio (LC) = (L0−L1) / L0 × 100.
[0054]
(Intrinsic viscosity ([η]))
The polymer was dissolved in a 1: 1 mixed solvent of phenol and tetrachloroethane, and measured at 25 ° C. using an Ubbelohde viscometer.
[0055]
(Textile texture)
The tensile elasticity of the sample cloth after the wet heat treatment used for the measurement of the fabric shrinkage was evaluated according to the following criteria by a sensory test by touch.
[0056]
○: Both elongation and rebound resilience are very good △: Both elongation and rebound resilience are good ×: Both elongation and rebound resilience are insufficient (fabric appearance)
The sample cloth after the wet heat treatment used for the measurement of the fabric shrinkage was used as a disperse dye Color. Index Disperse Blue 200 at 1.0 o. w. The fabric was dyed at f% and a dyeing temperature of 130 ° C., and the appearance of the fabric was visually evaluated according to the following criteria.
[0057]
：: No slab appearance, plain appearance as woven fabric.
[0058]
×: Shading due to slab-like appearance, thick part, and details occurred.
[0059]
(Example 1)
Polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.647 obtained by copolymerizing 8 mol% of isophthalic acid (IPA) with polyethylene terephthalate was used as the polymer (A), and polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.484 was used as the polymer (B). ° C, the two types of polymer streams are merged symmetrically in a plane upstream of the spinning discharge hole, and a discharge ratio of 24 micropores having a hole diameter of 0.6 mm and a length of 1.5 mm at a joining ratio (weight ratio) of 5/5 is determined. It was spun from a composite spinneret having two pieces. After cooling and oiling, the spun yarn was taken up at a take-up speed of 2100 m / min to obtain an undrawn yarn of a composite fiber of 206 dtex / 24 filaments.
[0060]
The obtained undrawn yarn was drawn under the conditions shown in Table 1 to obtain a drawn yarn of a 109 dtex / 24 filament polyester composite multifilament fiber. Table 1 shows the evaluation results of the obtained polyester composite multifilament fiber.
[0061]
(Example 2)
Using the same polymer as in Example 1 and under the same spinning conditions, an undrawn yarn of 233 dtex / 48 filament was obtained with a composite spinneret having 48 ejection holes.
[0062]
The obtained undrawn yarn was drawn under the conditions shown in Table 1 to obtain a 135 dtex / 48 filament polyester composite multifilament fiber. Table 1 shows the evaluation results of the obtained drawn polyester composite multifilament fiber.
[0063]
(Example 3)
Using the same polymer as in Example 1, and under the same spinning conditions, a 98 dtex / 24 filament undrawn yarn was obtained with a composite spinneret having 24 discharge holes.
[0064]
The obtained undrawn yarn was drawn under the conditions shown in Table 1 to obtain a polyester composite multifilament fiber having 56 dtex / 24 filaments. Table 1 shows the evaluation results of the obtained drawn polyester composite multifilament fiber.
[0065]
(Example 4)
A polyester composite multifilament fiber of 69 dtex / 24 filaments was obtained in the same manner as in Example 3 except that the drawing conditions shown in Table 1 were changed. Table 1 shows the evaluation results of the obtained drawn polyester composite multifilament fiber.
[0066]
(Comparative Example 1)
An undrawn yarn was obtained under the same spinning conditions as in Example 1, except that the fineness of the undrawn yarn was changed to 231 dtex / 24 filaments in Example 1.
[0067]
The obtained undrawn yarn was drawn under the conditions shown in Table 1 to obtain a 125 dtex / 24 filament polyester composite multifilament fiber. Table 1 shows the evaluation results of the obtained polyester composite multifilament fiber. The obtained polyester composite multifilament fiber had a large CV, had a slab appearance in the woven fabric, had a difference in shrinkage between the thick part and the small part of the slab, and lacked between bulges.
[0068]
(Comparative Example 2)
A polyester composite multifilament fiber was obtained in the same manner as in Example 3 except that the drawing conditions shown in Table 1 were changed. Although there was no slab-like appearance, the ratio of the single fiber diameter of the thickest single fiber to the thinnest single fiber was small, and the texture lacked a swelling feeling.
[0069]
(Comparative Example 3)
In Example 1, the undrawn yarn fineness was 222 dtex / 24 filaments, and the obtained undrawn yarn was heated at 60 ° C. for the first friction resistance pin and 115 ° C. for the second friction resistance pin via a pair of heat pins. Drawing was performed at a draw ratio of 1.75 (MDR × 0.57) to obtain a drawn yarn of 126 dtex / 24 filament polyester composite multifilament fiber. The evaluation results of the obtained polyester composite multifilament fiber are shown. The CV value was large, and the thick and thin spots were localized, giving a slab-like appearance.
[0070]
(Comparative Example 4)
In the same manner as in Example 1 except that the composite spinneret having 12 discharge holes and the undrawn yarn fineness were changed to 62 dtex / 12 filaments, the film was drawn under the conditions shown in Table 1 to obtain 33 dtex / 12 filaments. The drawn yarn of the polyester composite multifilament fiber was obtained. The evaluation results of the obtained polyester composite multifilament fiber are shown. The CV value was small, the difference in the crimping form between the single fibers was small, and the swelling feeling intended by the present invention could not be obtained.
[0071]
(Comparative Example 5)
In the same manner as in Example 1 except that the composite spinneret having 12 discharge holes and the undrawn yarn fineness were changed to 115 dtex / 12 filaments, the film was drawn under the conditions shown in Table 1 and 61 dtex / 12 filaments were drawn. Was obtained. Table 1 shows the evaluation results of the obtained polyester composite multifilament fibers. The CV value was large, and the thick and thin spots were localized, giving a slab-like appearance.
[0072]
[Table 1]

[0073]
【The invention's effect】
According to the present invention, a polyester composite multifilament fiber which gives a natural appearance without providing localized dark and light colored portions when formed into a fabric and imparts sufficient swelling and stretchability, and a woven or knitted fabric thereof can be obtained.

Claims (5)

溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーを接合した複合マルチフィラメント繊維であって、マルチフィラメント繊維を構成する単繊維が繊維軸方向に太細斑を有し、マルチフィラメント繊維中の任意の断面における最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比が１．２〜２．４であり、マルチフィラメント繊維としての太さ斑の変動係数（ＣＶ）が０．３０〜１．２０、捲縮率（ＣＣ）が２０〜４５％であることを特徴とするポリエステル複合マルチフィラメント繊維。A composite multifilament fiber in which two types of polyester polymers having different melt viscosities are joined together, wherein the monofilament constituting the multifilament fiber has large and thin spots in the fiber axis direction, The ratio of the single fiber diameter of the thick single fiber to the thinnest single fiber is 1.2 to 2.4, the variation coefficient (CV) of thickness unevenness as a multifilament fiber is 0.30 to 1.20, and the crimp A polyester composite multifilament fiber having a percentage (CC) of 20 to 45%. 溶融粘度の異なる２種のポリエステルポリマーのうち高粘度成分が、第三成分を５〜１５モル％共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートである請求項１記載のポリエステル複合マルチフィラメント繊維。The polyester composite multifilament fiber according to claim 1, wherein the high-viscosity component of the two types of polyester polymers having different melt viscosities is a copolymerized polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing a third component with 5 to 15 mol%. 下記の式（１）を満足するポリエステル（Ａ）とポリエステル（Ｂ）とを、２５００ｍ／分以下の引取速度で紡糸した接合型複合繊維の未延伸糸を、下記の式（２）〜（６）を満足する条件下で加熱ローラー延伸することを特徴とするポリエステル複合マルチフィラメント繊維の製造方法。
［η］Ａ−［η］Ｂ＞０．１４５　　　　　　　（１）
ＭＤＲ×０．４５≦ＤＲ１≦ＭＤＲ×０．６５　（２）
１．０００≦ＤＲ２≦１．３００　　　　　　　（３）
ＤＲ１＞ＤＲ２　　　　　　　　　　　　　　　（４）
Ｔｇ≦ＴＤＲ１≦Ｔｃ　　　　　　　　　　　　（５）
Ｔｇ＋２０℃≦ＴＤＲ２≦Ｔｃ　　　　　　　　（６）
（但し、式中、［η］Ａ、［η］Ｂ、はそれぞれＡ、Ｂのポリマーの固有粘度、ＭＤＲは延伸温度８５℃における未延伸糸の最大延伸倍率を表す。ＤＲ１は１段目延伸倍率、ＤＲ２は２段目延伸倍率、ＴＤＲ１は１段目延伸におけるローラー温度、ＴＤＲ２は２段目延伸における熱セット温度、Ｔｇは未延伸糸のガラス転移温度（℃）、Ｔｃは未延伸糸の結晶化温度（℃）を示す。なお、複合繊維の未延伸糸の結晶化温度、ガラス転移温度がそれぞれ２点測定される場合は、低い方の温度を結晶化温度、高い方の温度をガラス転移温度とする）An undrawn yarn of a bonded conjugate fiber obtained by spinning a polyester (A) and a polyester (B) satisfying the following formula (1) at a take-up speed of 2500 m / min or less is obtained by the following formulas (2) to (6) A method for producing a polyester composite multifilament fiber, characterized in that the film is drawn with a heated roller under the condition satisfying the condition (1).
[Η] A- [η] B> 0.145 (1)
MDR × 0.45 ≦ DR1 ≦ MDR × 0.65 (2)
1.000 ≦ DR2 ≦ 1.300 (3)
DR1> DR2 (4)
Tg ≦ TDR1 ≦ Tc (5)
Tg + 20 ° C ≦ TDR2 ≦ Tc (6)
(Where, [η] A and [η] B represent the intrinsic viscosities of the polymers of A and B, respectively, and MDR represents the maximum draw ratio of the undrawn yarn at a drawing temperature of 85 ° C. DR1 is the first-stage drawing. Magnification, DR2 is the second stage stretching ratio, TDR1 is the roller temperature in the first stage stretching, TDR2 is the heat setting temperature in the second stage stretching, Tg is the glass transition temperature (° C.) of the undrawn yarn, and Tc is the temperature of the undrawn yarn. When the crystallization temperature and the glass transition temperature of the undrawn yarn of the conjugate fiber are measured at two points, the lower temperature is the crystallization temperature and the higher temperature is the glass temperature. Transition temperature) ポリエステル（Ａ）が、第三成分を５〜１５モル％共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートである請求項３記載のポリエステル複合マルチフィラメント繊維の製造方法。The method for producing a polyester composite multifilament fiber according to claim 3, wherein the polyester (A) is a copolymerized polyethylene terephthalate obtained by copolymerizing a third component with 5 to 15 mol%. 請求項１「または２」記載のポリエステル複合マルチフィラメント繊維を含み、織物収縮率（ＬＣ）が２０〜４０％であることを特徴とする織編物。A woven or knitted fabric comprising the polyester composite multifilament fiber according to claim 1 or 2 and having a fabric shrinkage (LC) of 20 to 40%.