JP2004122909A - 車両のバンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体11に取付ける長尺状のバンパ本体43と、このバンパ本体43に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパ46と、この移動バンパ46をバンパ本体43から突出させるために車体11側に取付けた突出用エアバッグ(突出手段)48と、移動バンパ46に上下移動可能に取付けることで移動バンパ46をバンパ本体43から突出させた後に上下に移動させる分割バンパ47と、この分割バンパ47を上下に広げる弾発手段(上下移動手段)103と、から構成した。
【効果】衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことができる。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。また、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【選択図】 図8
【効果】衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことができる。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。また、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両にかかる衝撃を吸収する車両のバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にかかる衝撃の大きさによってバンパを前後移動するようにした車両のバンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−203410号公報(第6頁、図2)
【0004】
同公報の図2を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図9は特開平10−203410公報の図2の再掲図である。
上記の自動車の衝撃吸収車体構造200は、車体フレーム201に車幅方向に沿ってクロスメンバ202を設け、このクロスメンバ202の中央にモータ203を取付け、このモータ203の左右にスクリューロッド204,204の一端をそれぞれ連結し、これらのスクリューロッド204,204の他端を回転可能にクロスメンバ202に取付け、これらのスクリューロッド204,204にV字形アーム205,205を嵌合させ、このV字形アーム205,205の先端同士にバンパビーム206を掛け渡し、スクリューロッド204,204でV字形アーム205,205のV字の開き角を調整することで、バンパビーム206を突出できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の自動車の衝撃吸収車体構造200では、バンパビーム206のどの部位もほぼ一定の衝撃吸収容量を有するものであり、例えば、車両の前面などの衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことが必要となる。
また、バンパビーム206を突出させ衝撃吸収容量を稼いだにもかかわらず、車種の違いでそれぞれのバンパ同士の設定高さが異なり、これらの車両のバンパ同士が、必ずしも当たるとは限らず、バンパの設定高さの違いを考えた配慮も望まれる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、衝撃吸収容量を衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やし、衝撃を広範囲に確実に受け止めることのできる車両用バンパ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の車両のバンパ装置は、車体に取付ける長尺状のバンパ本体と、このバンパ本体に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパと、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に取付けた突出手段と、移動バンパに上下移動可能に取付けることで移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させる分割バンパと、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段と、からなることを特徴とする。
【0008】
車体に長尺状のバンパ本体を取付け、このバンパ本体に対して外方に移動可能に移動バンパを取付け、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に突出手段を取付けることで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
さらに、移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させるために移動バンパに分割バンパを上下移動可能に取付け、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0009】
請求項2は、分割バンパを、上側バンパと下側バンパとから構成し、バンパ本体から移動バンパを突出させたときに、上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させることを特徴とする。
上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させることで、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ及び下側バンパの他の部分がバンパ本体の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパに加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0010】
請求項3は、上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動することを特徴とする。
上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動することで、車両のバンパ装置を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置のコストの低減を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0012】
図1は本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図である。
図中、10は車両、11は車体、12は前輪、13は前照灯、14はボンネット、15はルーフ、16はフロントウインドウ、17は前ドア、18はドアミラー、19はフロントフェンダ、21,22は左右のサイドフレーム、23はクロスメンバ、24はレーダ、25は制御部であり、車両のバンパ装置30は、
レーダ24からの情報で車両10の進行方向に障害物(不図示)を発見し、この障害物が車両10に衝突する可能性が高いときに、制御部25の指示でバンパの特定部分を車両10の前方に突出させたり、バンパの特例部分の衝撃吸収能力を増減させる装置である。以下、車両のバンパ装置30の詳細を説明する。
【0013】
図2は本発明に係る車両のバンパ装置の平面図であり、車両のバンパ装置30は、左右のサイドフレーム21,22に取付けた左右のダンパユニット31,32と、これらのダンパユニット31,32のそれぞれロッド33,34に第1の圧縮ばね35,35を介して前後移動可能に支持した移動板36と、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34の先端にそれぞれスイング可能に取付けた左右のバンパ体37,38と、左右のサイドフレーム21,22のステー部27,28にそれぞれスイング可能に取付けた一対の中央ダンパユニット41,42と、これらの中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に支持させたバンパ本体43と、バンパ本体43と移動板36との間に介在させた第2の圧縮ばね45,45と、バンパ本体43に対して外方(前方)に突出可能に取付けるとともに中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に着脱自在に取付けた移動バンパ46と、この移動バンパ46に上下移動可能に取付けることでバンパ本体43から突出させた後に上下移動させる分割バンパ47と、これらの分割バンパ47及び移動バンパ46を外方(前方)突出させるために移動板36に取付けた突出手段としての突出用エアバッグ48と、バンパ本体43に取付けることでバンパ本体43及び左右のバンパ体37,38を一括して覆うバンパ外装部49と、このバンパ外装部49に形成することで分割バンパ47及び移動バンパ46を突出させる開口52と、この開口52に着脱自在に取付けた覆う蓋部材53と、障害物(不図示)の方向や大きさを検知するレーダ24(図1参照)と、このレーダ24の情報で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を可変するとともに突出用エアバッグ48を作動する制御部25(図1参照)と、からなる。
【0014】
左のダンパユニット31は、シリンダ55、ロッド33及び封入流体(不図示)を主要構成とするユニットであって、例えば、流体を通過させるオリフィスの断面積を変化させることで、ユニットの減衰力を調整し、衝撃エネルギーの吸収能力を可変することのできるユニットである。ロッド33は、移動板36を止めるためのストッパ57と、先端に左のバンパ体37を嵌合させる嵌合部61とを備える。
【0015】
右のダンパユニット32は、左のダンパユニット31と同一ユニットであり、56はシリンダ、58はストッパ、62は嵌合部である。
中央ダンパユニット41,42は、左右のダンパユニット31,32と略同一構造のダンパであり、ロッド63,64にバンパ本体43を取付けるとともに移動バンパ46を着脱自在に取付けるためのジョイント部65,66を備える。なお、67,68はステー部27,28にスイング自在に取付けるシリンダである。
【0016】
移動板36は、突出用エアバック48を取付ける取付け部71と、中央ダンパユニット41,42を貫通させる貫通部73,74と、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34にスライド可能に支持させる支持孔75,76と、を形成した。
【0017】
左右のバンパ体37,38は、ロッド33,34の嵌合部61,62に嵌合させる軸77,78を備える。
バンパ本体43は、移動バンパ46を突出可能に収納する中央収納部81と、第2圧縮ばね45,45を収納する左右の収納部83,84と、を備え、中央収納部81は、ロッド63,64のジョイント部65,66に嵌合させる軸85,86を備える。
【0018】
移動バンパ46は、分割バンパ47を収納する分割バンパ収納部91と、中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に着脱可能に取付けるための左右の嵌合凹部93,94と、分割バンパ47を上下に突出させるための上・下開口95,96(下の96は不図示)とを備える。
突出用エアバッグ48は、移動板に取付けるケース87と、ケース87に収納したバッグ88と、このバッグ88を膨張させるインフレータ89とからなる。
【0019】
図3は図2の3−3線断面図である。
分割バンパ47は、上側バンパ101及び下側バンパ102と、これらの上側・下側バンパ101,102の間に介在させた上下移動手段としての弾発部材103,103(手前の103は不図示)と、からなる。
105は上開口95まで移動させたときにストッパの役目をなす上側バンパ101のフランジ部、106は下開口96まで移動させたときにストッパの役目をなす下側バンパ102のフランジ部、107,108はバンパ本体43内に設けることで移動バンパ46の移動を容易にするスライド板である。
【0020】
すなわち、車両のバンパ装置30は、車体11(図1参照)に取付ける長尺状のバンパ本体43と、このバンパ本体43に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパ46と、この移動バンパ46をバンパ本体43から突出させるために車体11側に取付けた突出用エアバッグ(突出手段)48と、移動バンパ46に上下移動可能に取付けることで移動バンパ46をバンパ本体43から突出させた後に上下に移動させる分割バンパ47と、この分割バンパ47を上下に広げる弾発手段(上下移動手段)103と、から構成したものであると言える。
【0021】
例えば、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす工夫をしたり、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する配慮をすることは、車両のバンパ装置において好ましいことである。
【0022】
そこで、車体11(図1参照)に長尺状のバンパ本体43を取付け、このバンパ本体43に対して前方(外方)に移動可能に移動バンパ46を取付け、この移動バンパ46をバンパ本体43から突出させるために車体11側に突出用エアバッグ(突出手段)48を取付けることで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
また、移動バンパ46をバンパ本体43から突出させた後に上下に移動させるために移動バンパ46に分割バンパ47を上下移動可能に取付け、この分割バンパ47を上下に広げる弾発手段(上下移動手段)103を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0023】
図4は本発明に係る車両のバンパ装置のブロック図であり、車両のバンパ装置30の制御方法の一例を示す。
車両のバンパ装置30の制御システムは、レーダ24で障害物(不図示)の方向や大きさを検知し、この検知した情報を制御部25に送り、制御部25で障害物の方向や大きさを認知し、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を可変し、突出用エアバッグ48を作動するようにしたシステムである。
【0024】
例えば、障害物の大きさから歩行者の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を弱く設定することで、歩行者にかかる衝撃を抑えることができる。
【0025】
障害物の大きさから電柱や構造物の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を強く設定することで、車両10(図1参照)を十分に保護することができる。
【0026】
このときに、車両10の左方寄りに電柱や構造物があると制御部25で判断した場合は、左のダンパユニット31の減衰力を他のダンパの減衰力よりもさらに強い設定にすることで、効果的な衝撃吸収を実現することができる。また、車両10の右方寄りに電柱や構造物があると制御部25で判断した場合は、右のダンパユニット32の減衰力を強く設定する。なお、車両中央、車両左側、車両右側のダンパ強度を変化させて設定することは、例えば車両のオフセット衝突等にも有効な手段である。
【0027】
また、上記の左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を設定するときに、例えば、制御部25に車速情報を入力することで、車速に応じた減衰力の設定を行うものでもよい。
【0028】
次に、障害物の大きさから車両の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を高く設定するとともに、突出用エアバッグ48を作動させ、移動バンパ46及び分割バンパ47を車両外方に突出させる。
以下、移動バンパ46及び分割バンパ47の突出動作を説明する。
【0029】
以上に述べた車両のバンパ装置30の作用を次に説明する。
図5(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)であり初期状態の車両のバンパ装置を示す。
(a)において、移動バンパ46は、中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に嵌合した状態にあり、中央ダンパユニット41,42でバンパ本体43と一体的に支持した状態にあることを示す。
【0030】
(b)において、分割バンパ47の上側・下側バンパ101,102は、移動ダンパ46の内部に収納した状態にあり、弾発部材103は最大に圧縮した状態であることを示す。
【0031】
図6(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)である。
(a)において、突出用エアバッグ48を作動させ、バッグ88で移動バンパ46を矢印▲1▼の如く押す。この結果、ロッド63,64のジョイント部65,66から移動バンパ46の嵌合凹部93,94が外れ、移動バンパ46は分割バンパ47を連れて、車両外方(車両前方)に向けて移動する。
また、移動板36は、突出用エアバッグ48の反作用を受け、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34に形成したストッパ57,58まで矢印▲2▼,▲2▼の如く移動する。従って、第1の圧縮ばね35,35は圧縮され、第2の圧縮ばね45,45は伸張される。
(b)において、移動バンパ46は、分割バンパ47とともにバンパ本体43の最前位置まで移動させたことを示す。
【0032】
図7(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)である。
(a)において、突出用エアバッグ48のバッグ88をさらに膨張させることで、移動バンパ46及び分割バンパ47を矢印▲3▼の如く車両外方に突出させる。
(b)において、移動バンパ46及び分割バンパ47が車両外方に突出することで、バンパ外装部49の開口52から蓋部材53が矢印▲4▼の如く外れる。
【0033】
図8(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その4)である。
(a)において、移動バンパ46が、車両外方に突出した状態では、分割バンパ47の拘束が取り去られた状態となる。すなわち、(b)に示すように、上側バンパ101の一部は、上開口95から飛び出し、矢印▲5▼の如くバンパ本体43の上面を超えるまで移動し、下側バンパ102の一部は、下開口96から飛び出し、矢印▲6▼の如くバンパ本体43の下面を超えるまで移動する。
【0034】
すなわち、車両のバンパ装置30は、分割バンパ47を、上側バンパ101と下側バンパ102とから構成し、バンパ本体43から移動バンパ46を突出させたときに、上側バンパ101の一部をバンパ本体43の上面を超えるまで移動させ、下側バンパ102の一部をバンパ本体43の下面を超えるまで移動させるものであるとも言える。
上側バンパ101の一部をバンパ本体43の上面を超えるまで移動させ、下側バンパ102の一部をバンパ本体43の下面を超えるまで移動させることで、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ101及び下側バンパ102の他の部分がバンパ本体43の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパ46に加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0035】
車両のバンパ装置30は、上下移動手段に、上側バンパ101と下側バンパ102との間に介在させる弾発部材103を用い、この弾発部材103を、移動バンパ46がバンパ本体43の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパ46がバンパ本体43の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ101及び下側バンパ102をそれぞれ移動するものであるとも言える。
上下移動手段に、上側バンパ101と下側バンパ102との間に介在させる弾発部材103用い、この弾発部材103を、移動バンパ46がバンパ本体43の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパ46がバンパ本体43の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ101及び下側バンパ102をそれぞれ移動することで、車両のバンパ装置30を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置30のコストの低減を図ることができる。
【0036】
尚、実施の形態では図2に示すように、車体11(図1参照)の前方(外方)に移動できる車両のバンパ装置30として説明したが、これに限るものではなく、車両のバンパ装置は、車両後方に移動できるリヤバンパ、車両側方に移動できるサイドバンパやサイドプロテクタ等であってもよい。
また、実施の形態では図2に示すように、左右のダンパユニット31,32及び中央ダンパユニット41,42は、流体を通過させるオリフィスの断面積を変化させることで、ユニットの減衰力を調整し、衝撃エネルギーの吸収能力を可変することのできるユニットであると説明したが、これに限るものではなく、例えば、他の機械的手段、電気的手段若しくは磁気的手段を用いることで減衰力を変化できるユニットであればよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、車体に取付ける長尺状のバンパ本体と、このバンパ本体に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパと、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に取付けた突出手段と、から構成することで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことができる。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
また、移動バンパに上下移動可能に取付けることで移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させる分割バンパと、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段と、を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収することができる。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0038】
請求項2では、分割バンパを、上側バンパと下側バンパとから構成し、バンパ本体から移動バンパを突出させたときに、上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させたので、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ及び下側バンパの他の部分がバンパ本体の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパに加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0039】
請求項3では、上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動させたので、車両のバンパ装置を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図
【図2】本発明に係る車両のバンパ装置の平面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係る車両のバンパ装置のブロック図
【図5】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)
【図6】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)
【図7】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)
【図8】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その4)
【図9】特開平10−203410公報の図2の再掲図
【符号の説明】
10…車両、11…車体、30…車両のバンパ装置、43…バンパ本体、46…移動バンパ、47…分割バンパ、48…突出手段(突出用エアバッグ)、101…上側バンパ、102…下側バンパ、103…上下移動手段(弾発手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両にかかる衝撃を吸収する車両のバンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にかかる衝撃の大きさによってバンパを前後移動するようにした車両のバンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−203410号公報(第6頁、図2)
【0004】
同公報の図2を再掲し上記技術を説明する。ただし、同公報に記載の符号を新しく振り直すとともに記載の名称も一部変更した。
図9は特開平10−203410公報の図2の再掲図である。
上記の自動車の衝撃吸収車体構造200は、車体フレーム201に車幅方向に沿ってクロスメンバ202を設け、このクロスメンバ202の中央にモータ203を取付け、このモータ203の左右にスクリューロッド204,204の一端をそれぞれ連結し、これらのスクリューロッド204,204の他端を回転可能にクロスメンバ202に取付け、これらのスクリューロッド204,204にV字形アーム205,205を嵌合させ、このV字形アーム205,205の先端同士にバンパビーム206を掛け渡し、スクリューロッド204,204でV字形アーム205,205のV字の開き角を調整することで、バンパビーム206を突出できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の自動車の衝撃吸収車体構造200では、バンパビーム206のどの部位もほぼ一定の衝撃吸収容量を有するものであり、例えば、車両の前面などの衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことが必要となる。
また、バンパビーム206を突出させ衝撃吸収容量を稼いだにもかかわらず、車種の違いでそれぞれのバンパ同士の設定高さが異なり、これらの車両のバンパ同士が、必ずしも当たるとは限らず、バンパの設定高さの違いを考えた配慮も望まれる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、衝撃吸収容量を衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やし、衝撃を広範囲に確実に受け止めることのできる車両用バンパ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の車両のバンパ装置は、車体に取付ける長尺状のバンパ本体と、このバンパ本体に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパと、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に取付けた突出手段と、移動バンパに上下移動可能に取付けることで移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させる分割バンパと、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段と、からなることを特徴とする。
【0008】
車体に長尺状のバンパ本体を取付け、このバンパ本体に対して外方に移動可能に移動バンパを取付け、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に突出手段を取付けることで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
さらに、移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させるために移動バンパに分割バンパを上下移動可能に取付け、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0009】
請求項2は、分割バンパを、上側バンパと下側バンパとから構成し、バンパ本体から移動バンパを突出させたときに、上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させることを特徴とする。
上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させることで、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ及び下側バンパの他の部分がバンパ本体の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパに加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0010】
請求項3は、上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動することを特徴とする。
上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動することで、車両のバンパ装置を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置のコストの低減を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0012】
図1は本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図である。
図中、10は車両、11は車体、12は前輪、13は前照灯、14はボンネット、15はルーフ、16はフロントウインドウ、17は前ドア、18はドアミラー、19はフロントフェンダ、21,22は左右のサイドフレーム、23はクロスメンバ、24はレーダ、25は制御部であり、車両のバンパ装置30は、
レーダ24からの情報で車両10の進行方向に障害物(不図示)を発見し、この障害物が車両10に衝突する可能性が高いときに、制御部25の指示でバンパの特定部分を車両10の前方に突出させたり、バンパの特例部分の衝撃吸収能力を増減させる装置である。以下、車両のバンパ装置30の詳細を説明する。
【0013】
図2は本発明に係る車両のバンパ装置の平面図であり、車両のバンパ装置30は、左右のサイドフレーム21,22に取付けた左右のダンパユニット31,32と、これらのダンパユニット31,32のそれぞれロッド33,34に第1の圧縮ばね35,35を介して前後移動可能に支持した移動板36と、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34の先端にそれぞれスイング可能に取付けた左右のバンパ体37,38と、左右のサイドフレーム21,22のステー部27,28にそれぞれスイング可能に取付けた一対の中央ダンパユニット41,42と、これらの中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に支持させたバンパ本体43と、バンパ本体43と移動板36との間に介在させた第2の圧縮ばね45,45と、バンパ本体43に対して外方(前方)に突出可能に取付けるとともに中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に着脱自在に取付けた移動バンパ46と、この移動バンパ46に上下移動可能に取付けることでバンパ本体43から突出させた後に上下移動させる分割バンパ47と、これらの分割バンパ47及び移動バンパ46を外方(前方)突出させるために移動板36に取付けた突出手段としての突出用エアバッグ48と、バンパ本体43に取付けることでバンパ本体43及び左右のバンパ体37,38を一括して覆うバンパ外装部49と、このバンパ外装部49に形成することで分割バンパ47及び移動バンパ46を突出させる開口52と、この開口52に着脱自在に取付けた覆う蓋部材53と、障害物(不図示)の方向や大きさを検知するレーダ24(図1参照)と、このレーダ24の情報で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を可変するとともに突出用エアバッグ48を作動する制御部25(図1参照)と、からなる。
【0014】
左のダンパユニット31は、シリンダ55、ロッド33及び封入流体(不図示)を主要構成とするユニットであって、例えば、流体を通過させるオリフィスの断面積を変化させることで、ユニットの減衰力を調整し、衝撃エネルギーの吸収能力を可変することのできるユニットである。ロッド33は、移動板36を止めるためのストッパ57と、先端に左のバンパ体37を嵌合させる嵌合部61とを備える。
【0015】
右のダンパユニット32は、左のダンパユニット31と同一ユニットであり、56はシリンダ、58はストッパ、62は嵌合部である。
中央ダンパユニット41,42は、左右のダンパユニット31,32と略同一構造のダンパであり、ロッド63,64にバンパ本体43を取付けるとともに移動バンパ46を着脱自在に取付けるためのジョイント部65,66を備える。なお、67,68はステー部27,28にスイング自在に取付けるシリンダである。
【0016】
移動板36は、突出用エアバック48を取付ける取付け部71と、中央ダンパユニット41,42を貫通させる貫通部73,74と、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34にスライド可能に支持させる支持孔75,76と、を形成した。
【0017】
左右のバンパ体37,38は、ロッド33,34の嵌合部61,62に嵌合させる軸77,78を備える。
バンパ本体43は、移動バンパ46を突出可能に収納する中央収納部81と、第2圧縮ばね45,45を収納する左右の収納部83,84と、を備え、中央収納部81は、ロッド63,64のジョイント部65,66に嵌合させる軸85,86を備える。
【0018】
移動バンパ46は、分割バンパ47を収納する分割バンパ収納部91と、中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に着脱可能に取付けるための左右の嵌合凹部93,94と、分割バンパ47を上下に突出させるための上・下開口95,96(下の96は不図示)とを備える。
突出用エアバッグ48は、移動板に取付けるケース87と、ケース87に収納したバッグ88と、このバッグ88を膨張させるインフレータ89とからなる。
【0019】
図3は図2の3−3線断面図である。
分割バンパ47は、上側バンパ101及び下側バンパ102と、これらの上側・下側バンパ101,102の間に介在させた上下移動手段としての弾発部材103,103(手前の103は不図示)と、からなる。
105は上開口95まで移動させたときにストッパの役目をなす上側バンパ101のフランジ部、106は下開口96まで移動させたときにストッパの役目をなす下側バンパ102のフランジ部、107,108はバンパ本体43内に設けることで移動バンパ46の移動を容易にするスライド板である。
【0020】
すなわち、車両のバンパ装置30は、車体11(図1参照)に取付ける長尺状のバンパ本体43と、このバンパ本体43に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパ46と、この移動バンパ46をバンパ本体43から突出させるために車体11側に取付けた突出用エアバッグ(突出手段)48と、移動バンパ46に上下移動可能に取付けることで移動バンパ46をバンパ本体43から突出させた後に上下に移動させる分割バンパ47と、この分割バンパ47を上下に広げる弾発手段(上下移動手段)103と、から構成したものであると言える。
【0021】
例えば、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす工夫をしたり、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する配慮をすることは、車両のバンパ装置において好ましいことである。
【0022】
そこで、車体11(図1参照)に長尺状のバンパ本体43を取付け、このバンパ本体43に対して前方(外方)に移動可能に移動バンパ46を取付け、この移動バンパ46をバンパ本体43から突出させるために車体11側に突出用エアバッグ(突出手段)48を取付けることで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やす。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
また、移動バンパ46をバンパ本体43から突出させた後に上下に移動させるために移動バンパ46に分割バンパ47を上下移動可能に取付け、この分割バンパ47を上下に広げる弾発手段(上下移動手段)103を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収する。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0023】
図4は本発明に係る車両のバンパ装置のブロック図であり、車両のバンパ装置30の制御方法の一例を示す。
車両のバンパ装置30の制御システムは、レーダ24で障害物(不図示)の方向や大きさを検知し、この検知した情報を制御部25に送り、制御部25で障害物の方向や大きさを認知し、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を可変し、突出用エアバッグ48を作動するようにしたシステムである。
【0024】
例えば、障害物の大きさから歩行者の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を弱く設定することで、歩行者にかかる衝撃を抑えることができる。
【0025】
障害物の大きさから電柱や構造物の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を強く設定することで、車両10(図1参照)を十分に保護することができる。
【0026】
このときに、車両10の左方寄りに電柱や構造物があると制御部25で判断した場合は、左のダンパユニット31の減衰力を他のダンパの減衰力よりもさらに強い設定にすることで、効果的な衝撃吸収を実現することができる。また、車両10の右方寄りに電柱や構造物があると制御部25で判断した場合は、右のダンパユニット32の減衰力を強く設定する。なお、車両中央、車両左側、車両右側のダンパ強度を変化させて設定することは、例えば車両のオフセット衝突等にも有効な手段である。
【0027】
また、上記の左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を設定するときに、例えば、制御部25に車速情報を入力することで、車速に応じた減衰力の設定を行うものでもよい。
【0028】
次に、障害物の大きさから車両の可能性が高いと制御部25で判断した場合は、制御部25で左右のダンパユニット31,32、中央ダンパユニット41,42の減衰力を高く設定するとともに、突出用エアバッグ48を作動させ、移動バンパ46及び分割バンパ47を車両外方に突出させる。
以下、移動バンパ46及び分割バンパ47の突出動作を説明する。
【0029】
以上に述べた車両のバンパ装置30の作用を次に説明する。
図5(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)であり初期状態の車両のバンパ装置を示す。
(a)において、移動バンパ46は、中央ダンパユニット41,42のロッド63,64に嵌合した状態にあり、中央ダンパユニット41,42でバンパ本体43と一体的に支持した状態にあることを示す。
【0030】
(b)において、分割バンパ47の上側・下側バンパ101,102は、移動ダンパ46の内部に収納した状態にあり、弾発部材103は最大に圧縮した状態であることを示す。
【0031】
図6(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)である。
(a)において、突出用エアバッグ48を作動させ、バッグ88で移動バンパ46を矢印▲1▼の如く押す。この結果、ロッド63,64のジョイント部65,66から移動バンパ46の嵌合凹部93,94が外れ、移動バンパ46は分割バンパ47を連れて、車両外方(車両前方)に向けて移動する。
また、移動板36は、突出用エアバッグ48の反作用を受け、左右のダンパユニット31,32のロッド33,34に形成したストッパ57,58まで矢印▲2▼,▲2▼の如く移動する。従って、第1の圧縮ばね35,35は圧縮され、第2の圧縮ばね45,45は伸張される。
(b)において、移動バンパ46は、分割バンパ47とともにバンパ本体43の最前位置まで移動させたことを示す。
【0032】
図7(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)である。
(a)において、突出用エアバッグ48のバッグ88をさらに膨張させることで、移動バンパ46及び分割バンパ47を矢印▲3▼の如く車両外方に突出させる。
(b)において、移動バンパ46及び分割バンパ47が車両外方に突出することで、バンパ外装部49の開口52から蓋部材53が矢印▲4▼の如く外れる。
【0033】
図8(a),(b)は本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その4)である。
(a)において、移動バンパ46が、車両外方に突出した状態では、分割バンパ47の拘束が取り去られた状態となる。すなわち、(b)に示すように、上側バンパ101の一部は、上開口95から飛び出し、矢印▲5▼の如くバンパ本体43の上面を超えるまで移動し、下側バンパ102の一部は、下開口96から飛び出し、矢印▲6▼の如くバンパ本体43の下面を超えるまで移動する。
【0034】
すなわち、車両のバンパ装置30は、分割バンパ47を、上側バンパ101と下側バンパ102とから構成し、バンパ本体43から移動バンパ46を突出させたときに、上側バンパ101の一部をバンパ本体43の上面を超えるまで移動させ、下側バンパ102の一部をバンパ本体43の下面を超えるまで移動させるものであるとも言える。
上側バンパ101の一部をバンパ本体43の上面を超えるまで移動させ、下側バンパ102の一部をバンパ本体43の下面を超えるまで移動させることで、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ101及び下側バンパ102の他の部分がバンパ本体43の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパ46に加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0035】
車両のバンパ装置30は、上下移動手段に、上側バンパ101と下側バンパ102との間に介在させる弾発部材103を用い、この弾発部材103を、移動バンパ46がバンパ本体43の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパ46がバンパ本体43の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ101及び下側バンパ102をそれぞれ移動するものであるとも言える。
上下移動手段に、上側バンパ101と下側バンパ102との間に介在させる弾発部材103用い、この弾発部材103を、移動バンパ46がバンパ本体43の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパ46がバンパ本体43の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ101及び下側バンパ102をそれぞれ移動することで、車両のバンパ装置30を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置30のコストの低減を図ることができる。
【0036】
尚、実施の形態では図2に示すように、車体11(図1参照)の前方(外方)に移動できる車両のバンパ装置30として説明したが、これに限るものではなく、車両のバンパ装置は、車両後方に移動できるリヤバンパ、車両側方に移動できるサイドバンパやサイドプロテクタ等であってもよい。
また、実施の形態では図2に示すように、左右のダンパユニット31,32及び中央ダンパユニット41,42は、流体を通過させるオリフィスの断面積を変化させることで、ユニットの減衰力を調整し、衝撃エネルギーの吸収能力を可変することのできるユニットであると説明したが、これに限るものではなく、例えば、他の機械的手段、電気的手段若しくは磁気的手段を用いることで減衰力を変化できるユニットであればよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、車体に取付ける長尺状のバンパ本体と、このバンパ本体に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパと、この移動バンパをバンパ本体から突出させるために車体側に取付けた突出手段と、から構成することで、衝突の可能性の高い部位には衝撃吸収容量を増やすことができる。これにより、衝撃吸収の効率化を図ることができる。
また、移動バンパに上下移動可能に取付けることで移動バンパをバンパ本体から突出させた後に上下に移動させる分割バンパと、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段と、を設けることで、車種によるバンパ設定高さの違いを吸収することができる。この結果、バンパ機能の有効性の拡大を図ることができる。
【0038】
請求項2では、分割バンパを、上側バンパと下側バンパとから構成し、バンパ本体から移動バンパを突出させたときに、上側バンパの一部をバンパ本体の上面を超えるまで移動させ、下側バンパの一部をバンパ本体の下面を超えるまで移動させたので、車種によるバンパ設定高さの違いの吸収できる範囲を広げることができる。
また、上側バンパ及び下側バンパの他の部分がバンパ本体の外側に配置される。従って、別途ロック手段などを設けることなく、簡単な構成で突出後の移動バンパに加わる衝撃を確実に受け止めることができる。
この結果、バンパ機能の有効性をさらに拡大することができる。
【0039】
請求項3では、上下移動手段に、上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材を用い、この弾発部材を、移動バンパがバンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、移動バンパがバンパ本体の外部に突出したときに伸張させて上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動させたので、車両のバンパ装置を簡易な構成にすることができる。この結果、車両のバンパ装置のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のバンパ装置を搭載した車両の斜視図
【図2】本発明に係る車両のバンパ装置の平面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係る車両のバンパ装置のブロック図
【図5】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その1)
【図6】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その2)
【図7】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その3)
【図8】本発明に係る車両のバンパ装置の作用説明図(その4)
【図9】特開平10−203410公報の図2の再掲図
【符号の説明】
10…車両、11…車体、30…車両のバンパ装置、43…バンパ本体、46…移動バンパ、47…分割バンパ、48…突出手段(突出用エアバッグ)、101…上側バンパ、102…下側バンパ、103…上下移動手段(弾発手段)。
Claims (3)
- 車体に取付ける長尺状のバンパ本体と、このバンパ本体に対して外方に移動可能に取付けた移動バンパと、この移動バンパを前記バンパ本体から突出させるために前記車体側に取付けた突出手段と、前記移動バンパに上下移動可能に取付けることで移動バンパを前記バンパ本体から突出させた後に上下に移動させる分割バンパと、この分割バンパを上下に広げる上下移動手段と、からなる車両のバンパ装置。
- 前記分割バンパは、上側バンパと下側バンパとから構成し、前記バンパ本体から前記移動バンパを突出させたときに、前記上側バンパの一部を前記バンパ本体の上面を超えるまで移動させ、前記下側バンパの一部を前記バンパ本体の下面を超えるまで移動させることを特徴とする請求項1記載の車両のバンパ装置。
- 前記上下移動手段は、前記上側バンパと下側バンパとの間に介在させる弾発部材であり、
この弾発部材を、前記移動バンパが前記バンパ本体の内部にあるときは圧縮させ、前記移動バンパが前記バンパ本体の外部に突出したときに伸張させて前記上側バンパ及び下側バンパをそれぞれ移動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両のバンパ装置。
Priority Applications (1)
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JP2002289111A JP2004122909A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 車両のバンパ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009234462A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Toyoda Gosei Co Ltd | 歩行者保護装置 |
JP2010116132A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-27 | Ind Technol Res Inst | 車両用衝突緩衝装置 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002289111A patent/JP2004122909A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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