JP2003526518A - 対象物上にレーザビームを導く方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向に対して相対的に変化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザビームを当てられるべき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを導く方法において、対象物の相対的な位置変化を考慮に入れるために、ａ）光学的カメラの像平面内に基準対象物を配置するステップと、ｂ）カメラにより基準対象物の像を撮影しこの像を表示装置上に表示するステップと、ｃ）レーザビームを当てられるべき点または線を像上にマーキングするステップと、ｄ）基準対象物位置データおよびマーキング位置データを第１メモリ内に格納するステップと、ｅ）別の対象物をカメラの像平面内に配置するステップと、ｆ）カメラにより別の対象物の像を撮影するステップと、ｇ）別の対象物の対象物位置データを第２メモリ内に格納するステップと、ｈ）第１メモリ内の基準対象物位置データと第２メモリ内の別の対象物の対象物位置データとの間の偏差を計算するステップと、ｊ）この偏差に基づいて、レーザが別の対象物にステップｃ）でマーキングされた位置で当たるように、別の対象物に対して相対的なレーザ位置を計算するステップと、ｋ）ステップｊ）で計算された別の対象物上のレーザ位置へ又はそのレーザ位置に沿ってレーザビームを導くステップとを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向に対して相対的に変
化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザビームを当てられる
べき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを導く方法および装置
に関する。特に本発明は、ラベルがラベルの長さ方向または送り方向に対して相
対的に変化して配置されているストリップ状（条帯状）の織物からラベルを切取
る装置および方法に関する。

【０００２】 織物のラベルは織り企業により製造され、通常はほぼ規則的な間隔でラベルを
有する織物ストリップ（条帯状織物）として存在する。これらのラベルはラベル
を付けられている織物に関する洗濯の手引き、素材表示および衣服サイズのよう
な情報を含んでいる。ラベル認識は着色された糸の使用により織り過程中にもし
くは織物ストリップのプリントにより行われる。

【０００３】 このようなラベル付き織物ストリップにおいてラベルは織物ストリップの長さ
方向に必ずしも同一の相互間隔で位置していない。さらにラベルは織物ストリッ
プの長さ方向に対して傾いた位置を有していることがある。同じく、ラベルが織
物ストリップの長さ方向に対して互いに垂直にずらされていることもある。

【０００４】 ラベルを付けた織物ストリップを、ステップモータを有する搬送装置により徐
々にレーザ切断装置の傍らを導くことは知られており、各ラベルは切断過程のた
めにレーザ作業範囲内に適当な時間の間とどまる。しかし、ラベルが織物ストリ
ップから切取られる前に最初に、ラベルを含んでいる織物ストリップからどの部
分がレーザによって切取られるべきかが決められなければならない。

【０００５】 このために従来は鋏によりラベルが手作業で織物ストリップから切取られる。
スキャナによりラベルの像が発生され、表示装置上に表示される。表示装置は例
えばカーソル制御を有する通常のコンピュータに接続されている。手作業で切取
られたラベルの像内にマーキングを付け、このマーキングに沿って切断過程中に
レーザが切断するようにするために、マウスにより運動可能なカーソルが使用さ
れる。手作業で切取られ基準対象物と呼ばれるラベルの、マーキングを付けられ
た像は、市販の（登録商標）ディスクに記憶される。レーザの切断過程の進行制
御装置は、徐々にレーザの傍らを導かれるラベルがそれぞれレーザと合致して切
取られるように、フロッピー（登録商標）ディスクの情報にアクセスする。

【０００６】 しかし、織物ストリップからラベルを切断するこの方法は、２つの切断過程の
間で織物ストリップの送りが同一で行なわれる際に２つの隣接するラベル間の間
隔が変化していることが考慮に入れられないので、ラベルの一部分のみを含んで
いる織物片が織物ストリップから切取られるという欠点を有する。対策として、
同一間隔で織物ストリップの送り方向においてラベルの前に配置されているカラ
ーマークを織物ストリップに設けることが行われている。カラーマーク読取り装
置により、ラベルがレーザ切断過程中に適当な位置に位置しているか否かが確認
される。しかし、この方法は、ラベルの角度位置とラベルの送り方向に対して垂
直なずれとに関するラベル間の位置変化が考慮に入れられないという欠点を有す
る。

【０００７】 織物ストリップからラベルを切断する例について説明した問題は基本的に、次
々とレーザビーム作業範囲を通過する複数の等しい対象物の１つの対象物上にレ
ーザビームを導くすべての方法および装置において生ずる。この問題はレーザ刻
印の際にも生じる。

【０００８】 従って、本発明の課題は、冒頭にあげた種類の方法および装置を、各対象物に
おいてレーザビームが対象物のほぼ同一個所上に導かれるように改良することで
ある。

【０００９】 この課題は、本発明によれば、対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向
に対して相対的に変化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザ
ビームを当てられるべき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを
導く方法において、 ａ）光学的カメラの像平面内に基準対象物を配置するステップと、 ｂ）カメラにより基準対象物の像を撮影しこの像を表示装置上に表示するステ
ップと、 ｃ）レーザビームを当てられるべき点または線を像上にマーキングするステッ
プと、 ｄ）基準対象物位置データおよびマーキング位置データを第１メモリ内に格納
するステップと、 ｅ）別の対象物をカメラの像平面内に配置するステップと、 ｆ）カメラにより別の対象物の像を撮影するステップと、 ｇ）別の対象物の対象物位置データを第２メモリ内に格納するステップと、 ｈ）第１メモリ内の基準対象物位置データと第２メモリ内の別の対象物の対象
物位置データとの間の偏差を計算するステップと、 ｊ）この偏差に基づいて、レーザが別の対象物にステップｃ）でマーキングさ
れた位置で当たるように、別の対象物に対して相対的なレーザ位置を計算するス
テップと、 ｋ）ステップｊ）で計算された別の対象物上のレーザ位置へ又はそのレーザ位
置に沿ってレーザビームを導くステップと を有することを特徴とする対象物上にレーザビームを導く方法により解決され
る。

【００１０】 こうして本発明による方法によれば、先ず基準対象物の像が撮影され、この像
上に対象物の位置のマーキング（例えばレーザビームを当てられるべき点または
線）がマークされる。光学的カメラにより基準像を撮影するので、スキャナによ
り走査されなければならない従来では必要な手作業による基準ラベルの切取りは
省略される。基準として使われる対象物またはラベルは織物ストリップにとどま
るので、織物ストリップは全体として直ちに、反復される切断過程を実行するた
めに、搬送装置上にもたらされる。

【００１１】 基準ラベルの位置データおよびマーキングの位置データが記憶された後に、所
望の数のラベルがレーザにより切取られる。各切断過程の前に先ず現在の対象物
のビデオ像がカメラにより撮影され、現在の対象物と基準対象物との間の位置偏
差が計算される。これらの計算されたデータはレーザを制御するために使用され
る。

【００１２】 織物ストリップからラベルを切取る例に関しては、従来の技術に比べて、ラベ
ルの誤った切取りに起因としてマーキングの一部を失うラベル傷物が約１０〜２
０％減少するという利点が生ずる。類似の利点はレーザビームを複数の対象物上
に導くべき他の方法において生ずる。このことは特に、レーザが切断または他の
目的で配置されている搬送ベルト上を運ばれるあらゆる対象物に対して当てはま
る。

【００１３】 レーザを導く過程を繰り返すために、ｅ）〜ｋ）のステップが反復して行われ
る。

【００１４】 対象物が織物ストリップ上のラベルであるかぎり、織物ストリップはステップ
モータ制御装置により制御されるステップモータにより駆動され得る。ステップ
モータによる駆動は、ラベルが次々とカメラにより監視される空間角度内に位置
しているレーザの作業範囲内に導かれるように行われる。基準ラベルと現在のラ
ベルとの間の位置偏差の計算の結果に関係して、レーザ制御装置により制御され
るレーザが織物ストリップから現在のラベルを切取る。

【００１５】 各ステップｅ）が、ステップｋ）の終了を表すレーザ制御装置の信号によりス
テップモータ制御装置において開始されるので、ステップモータは、それぞれ後
続のラベルがレーザ作業範囲内に位置するように、織物ストリップを予め定めら
れた送り（例えば１０ｃｍ）だけ駆動する。カメラ空間角度は空間角度中心位置
からのラベルの通常の偏差を含んでいるように選ばれているべきであろう。しか
し、ラベルが部分的にのみカメラの空間角度内に位置することを完全に排除すべ
きではない。この場合には本発明による方法の実行は停止され、エラー報知が出
される。

【００１６】 各ステップｆ）は、ステップｅ）の終了を表すステップモータ制御装置の信号
によりカメラ制御装置において開始される。このことは、ラベルが静止位置に到
達すると直ちに、現在のラベルの像が撮影されるという結果をもたらす。

【００１７】 本発明の対象はさらに、対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向に対し
て相対的に変化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザビーム
を当てられるべき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを導く装
置において、 −レーザ作業範囲内に対象物を導く搬送装置と、 −空間角度がレーザ作業範囲を含んでいるカメラと、 −カメラにより読出された像を記憶するメモリと、 −カメラの対象物像を表示する表示装置と、 −レーザビームを当てられるべき点または線を対象物像上にマーキングするマー
キング装置と、 −カメラの種々の対象物像間の偏差を計算する計算ユニットと、 −計算ユニットの結果に基づいてレーザを駆動する制御ユニットと を有することを特徴とする対象物上にレーザビームを導く装置である。

【００１８】 以下において実施例により本発明を一層詳細に説明する。

【００１９】 図１は複数の等しい対象物上にレーザビームを導く装置のブロック回路図を示
す。

【００２０】 この装置は、いずれも進行制御装置としてのコンピュータ４を介して制御され
るレーザ１、ステップモータ２およびＣＣＤカメラ３を有する。コンピュータ４
はモニタ５に接続されている。

【００２１】 カメラ３により撮影された対象物のビデオ像はコンピュータ４により読出され
、モニタ５上に表示される。例えばコンピュータ４は、位置をカーソルとしてモ
ニタ５上に表示されているマウスを設けられていてよい。マウスの操作により、
モニタ５上に表示されているビデオ像内にマーキングが行われる。マーキングを
付けられている対象物の基準像はコンピュータ４のメモリ部分内に記憶される。

【００２２】 この過程が終了した後に、織物ストリップ（条帯状織物）からラベルを切断す
る装置を使用する際に連続的な作動が開始される。最初にコンピュータ４がステ
ップモータ２に、すぐ次のラベル（すなわち基準ラベルに続くラベル）がカメラ
４の空間角度内に到達するように信号を送る。すぐ次のラベルが静止位置を取っ
た後に、ステップモータ２がコンピュータ４に、ラベルに対する送りステップの
終了を示す信号を送る。その結果としてコンピュータ４が、カメラの空間角度内
に位置している対象物の像が撮影されるように、カメラ３を制御する。カメラ像
はコンピュータにより読出され記憶される。続いてコンピュータ４により、基準
ラベルとたったいま撮影されたラベルとの位置偏差が計算される。これらの偏差
には、織物ストリップの長さ方向に対して相対的な角度偏差と、織物ストリップ
の長さ方向に対して垂直な側方ずれと、織物ストリップの方向のずれとがある。
計算により得られたデータは、基準像に固定されているマーキングが現在のラベ
ルの像内でどの位置に位置しているかを計算するためにために使用される。

【００２３】 現在の像内のマーキングの計算された位置はコンピュータ４によりレーザ１の
位置を制御するために使用される。続いて切断過程がレーザ１により行われる。
レーザ１の切断過程が終了すると直ちに、レーザ１が、切断過程の終了を示す信
号をコンピュータ４に送り出す。この信号はコンピュータ４によりステップモー
タ２の別の操作を開始する。本発明による方法の進行は所望の回数だけ繰り返さ
れる。

【００２４】 レーザ切断過程を準備するために、最初にコンピュータ４に、ステップモータ
２に送りの適当な設定が与えられるように、織物ストリップ上の２つのラベルの
間の期待すべき間隔に関するデータが入力される。さらに同じくラベルの必要と
される数に関するデータがコンピュータ４に入力される。

【００２５】 計算を実行するためにコンピュータ４は基準ラベルと現在のラベルとの間の位
置データの偏差を計算するために使用される像処理ソフトウェアを含んでいる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 複数の等しい対象物上にレーザビームを導く装置のブロック回路図

【符号の説明】

１ レーザ ２ ステップモータ ３ カメラ ４ コンピュータ ５ モニタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ， ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，Ｋ Ｐ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，Ｓ Ｇ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】 て相対的なレーザ位置を計算するステップと、ｋ）ステ ップｊ）で計算された別の対象物上のレーザ位置へ又は そのレーザ位置に沿ってレーザビームを導くステップと を含んでいる。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向に対して相対
   的に変化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザビームを当て
   られるべき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを導く方法にお
   いて、 ａ）光学的カメラの像平面内に基準対象物を配置するステップと、 ｂ）カメラにより基準対象物の像を撮影しこの像を表示装置上に表示するステ
   ップと、 ｃ）レーザビームを当てられるべき点または線を像上にマーキングするステッ
   プと、 ｄ）基準対象物位置データおよびマーキング位置データを第１メモリ内に格納
   するステップと、 ｅ）別の対象物をカメラの像平面内に配置するステップと、 ｆ）カメラにより別の対象物の像を撮影するステップと、 ｇ）別の対象物の対象物位置データを第２メモリ内に格納するステップと、 ｈ）第１メモリ内の基準対象物位置データと第２メモリ内の別の対象物の対象
   物位置データとの間の偏差を計算するステップと、 ｊ）この偏差に基づいて、レーザが別の対象物にステップｃ）でマーキングさ
   れた位置で当たるように、別の対象物に対して相対的なレーザ位置を計算するス
   テップと、 ｋ）ステップｊ）で計算された別の対象物上のレーザ位置へ又はそのレーザ位
   置に沿ってレーザビームを導くステップと を有することを特徴とする対象物上にレーザビームを導く方法。
2. 【請求項２】 ｅ）〜ｋ）のステップが反復して行われることを特徴とする
   請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 対象物が、織物ストリップに設けられている織物ラベルであ
   ることを特徴とする請求項１または２記載の方法。
4. 【請求項４】 織物ストリップが、ステップモータ制御装置により制御され
   るステップモータにより駆動され、ラベルが、レーザ制御装置により制御される
   レーザにより織物ストリップから切取られることを特徴とする請求項３記載の方
   法。
5. 【請求項５】 各ステップｅ）が、ステップｋ）の終了を表すレーザ制御装
   置の信号によりステップモータ制御装置において開始されることを特徴とする請
   求項４記載の方法。
6. 【請求項６】 各ステップｆ）が、ステップｅ）の終了を表すステップモー
   タ制御装置の信号によりカメラ制御装置において開始されることを特徴とする請
   求項５記載の方法。
7. 【請求項７】 対象物の送り方向にほぼ周期的にかつ送り方向に対して相対
   的に変化する配置で徐々にレーザの傍らを導かれ同一個所にレーザビームを当て
   られるべき複数の等しい対象物の１つの対象物上にレーザビームを導く装置にお
   いて、 −レーザ作業範囲内に対象物を導く搬送装置と、 −空間角度がレーザ作業範囲を含んでいるカメラと、 −カメラにより読出された像を記憶するメモリと、 −カメラの対象物像を表示する表示装置と、 −レーザビームを当てられるべき点または線を対象物像上にマーキングするマー
   キング装置と、 −カメラの種々の対象物像間の偏差を計算する計算ユニットと、 −計算ユニットの結果に基づいてレーザを駆動する制御ユニットと を有することを特徴とする対象物上にレーザビームを導く装置。