JP2003507466A - ハイスループットチトクロームp450阻害アッセイにおけるフルオレセインアリールエーテル類の使用 - Google Patents

ハイスループットチトクロームp450阻害アッセイにおけるフルオレセインアリールエーテル類の使用

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Abstract

(57)【要約】 ヒトチトクロームP450酵素の新規蛍光基質を提供する。その製造法及び使用法も提供する。これらの基質はチトクロームP450酵素活性のアッセイ及びチトクロームP450酵素活性を阻害する化合物の選択、特にチトクロームP450酵素活性の阻害によって仲介される潜在的に不都合な薬物相互作用を同定するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、薬物及び異物代謝の分野に関する。本発明は、新規チトクロームP4
50蛍光プローブ基質及び反応生成物、それらの製造法並びにアッセイ試薬として
のそれらの使用に関する。
【0002】 発明の背景 チトクロームP450(CYP)は、多くの薬物、前発癌性物質、前突然変異誘発物質
、及び環境汚染物質の酸化代謝の主な酵素である。チトクロームP450は、多くの
in vivo組織中に含まれるが、肝臓中に最も高いレベルで含まれるヘム-含有、
膜-結合多酵素系である。ヒトの肝臓では、15〜20種類の異なる生体異物-代謝性
チトクロームP450形があると推測され、アミノ酸配列との関連性をベースとした
標準的な用語体系が作られてきた。これらの酵素の比較的小規模のサブセット、
CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4は、薬物及び関連する薬
物-薬物相互作用の代謝を最も一般的に担うようである(Spatzenegger及びJaeger
、1995年)。このサブセットの酵素の相対的重要度は、これらの酵素が多いこと(
たとえばCVP3A4は、全P450の〜30%でヒト肝臓中で最も豊富なP450である)、これ
らの酵素が、薬剤中に一般的に知見される化学構造を結合及び/または代謝する
優先傾向があること(たとえばCYP2D6は、塩基性アミン官能基により薬物と優先
的に結合し、代謝する)、酵素多形性(たとえばCYP3A4及びCYP2C19)、及び環境薬
品に幾らか応答した酵素調節(たとえばCYP1A2及びCYP3A4)による。特定のチトク
ロームP450形による代謝の競合は、幾つかの臨床的に重要な薬物-薬物相互作用
の主なメカニズムである。
【0003】 代謝を担う酵素の同定は、薬物開発の重要な局面となってきている。そのよう
な同定により、新規薬物の代謝並びに新規薬物による阻害の両方について検討で
きる。同時適用した薬物が同一酵素を阻害する能力の情報をベースとして新規薬
物の代謝に関係する酵素を同定することによって、同時適用したどの薬物が新規
薬物の代謝を阻害し得るのかを予想できる。この情報は、既知の代謝多形性をベ
ースとする個々の可変性を予想するのにも利用することができる。同一酵素によ
って同時適用したどの薬物が代謝されているかという情報をベースとして、新規
薬物による阻害に最も敏感な酵素を同定することによって、同時適用したどの薬
物の代謝が新規薬物によって阻害され得るかを予測することができる。薬物発見
プロセスにおける初期の一連の薬物候補に関する情報を得ることによって、さら
なる開発のための最適な薬物候補が選択し易くなる。
【0004】 殆どのチトクロームP450アッセイは、薬物分子または薬物候補の代謝に注目し
てきた。これらの薬品はチトクロームP450活性及び阻害の評価では効果的である
が、これらはスループットスクリーニングアッセイ法には向かない(これらには
、HPLCを用いる酵素反応生成物の時間のかかる分離が必要である)。また、これ
らの基質の殆どは、in situ蛍光プレート分析で基質を有用とする必要な蛍光特
性を持たない。
【0005】 感受性の蛍光アッセイは、ヒトCYP1A1及びCYPA2酵素について開発されてきた
。CYP1Aファミリーの構成員は、おそらく一般的な蛍光発色団の構造のような平
面的な芳香族分子を優先的に酸化する。ミクロ滴定プレートベースのアッセイは
、レゾルフィン[resorufin:Donato,M.T.ら,Anal.Biochem.213巻,29〜33頁(199
3年);Kennedy,S.W.及びS.P.Jones,Anal.Biochem,222巻,217〜223頁(1994年)]
及びクマリン[C.L.Crespiら,Anal.Biochem.248巻,188〜190頁(1997年)]のアル
キルエーテル類のO-脱アルキル化をベースとして開発されてきた。フルオレセイ
ンのアルキルエーテルを使用する無傷の細胞のアッセイが記載されてきた[Quan,
T.ら,Carcinogenesis 15巻,1827〜32頁(1994年)]。
【0006】 他のチトクロームP450に関する蛍光アッセイの開発は、もっと困難であった。
本出願人は、アルキルクマリン誘導体をベースとするCYP2D6のミクロ滴定プレー
トベースのアッセイについて記載した[C.L.Crespiら,Anal Biochem.248巻,18
8〜190頁(1997年);Miller,V.P.及びC.L.Crespi,米国特許出願第09/352,576号
、「Novel CYP2D Fluorescent Assay Reagents」1999年7月12日出願]。本
出願人は、CYP2C9及びCYP2C19の蛍光アッセイ用の市販のアルキルクマリン類の
利用についても報告した。しかしながら、これらのCYP2Cアッセイの感受性(シグ
ナル対ノイズ比)は限られていた。アッセイシグナルを強め、且つ酵素試薬の必
要量を最小化する新規基質が有用である。重要な薬物代謝性酵素CYP2C8に関して
は、蛍光基質は報告されていない。CYP2C8は、抗癌剤パクリタキセル(paclitaxe
l)(TAXOL:商標)の代謝を担う主なチトクロームP450酵素である。
【0007】 肝臓中で発現される種々のチトクロームP450の中でも、CYP3A4は最も豊富であ
る。この酵素に関する基質の重要なクラスとしては、ステロイド系、マクロライ
ド抗生物質、抗ウイルス薬、及び多環式芳香族炭化水素類が挙げられる。市販の
薬物の大部分がCYP3A4によって代謝されるが、この酵素の阻害に関するスクリー
ニングは薬物開発では極めて重要である。本出願人は、ハイスループットモード
でCYP3A4活性をスクリーニングするための蛍光基質として市販の7-ベンジルオキ
シレゾルフィン(BzRes)の利用について報告した[Crespiら,Anal.Biochem.248巻
,188〜190頁(1997年)]。本出願人らは、殆どの化合物に関する活性化力または
阻害力(inhibition potential:たとえばIC50値)は、使用したプローブ基質に
依存して大きく変動することを示した[KE Thummel及びGR Wilkinson,Ann.Rev
.Pharmacol.Toxicol.38巻:389〜430頁(1998年)]。CYP3A4を阻害するための試
験化合物の能力をより良く理解するには、現行の基質由来の構造及び化学特性と
は顕著に異なるさらなる蛍光プローブ基質が必要である。
【0008】 フルオレセインエーテル類は、有用な蛍光チトクロームP450アッセイ試薬であ
ると報告されてきた。A.G.Miller[A.G.Miller,Anal.Biochem.133巻,46〜57頁
(1983年)]は、一連のエチル化フルオレセインについて記載した。伝えられると
ころによれば、エトキシフルオレセインエチルエーテルはチトクロームP450活性
をベースとする、無傷の生存可能なラット細胞のフローサイトメトリー分析及び
分類に最も有用であるという。ラットまたはブタ細胞を使用して同じ目的に関し
てジエトキシ-またはジメトキシフルオレセイン誘導体を利用することが他の研
究室からも報告されている[Whiteら,Biochem.J.247巻,23〜28頁(1987年);Pa
nら,Artif.Organs 20,1173〜1180頁(1996年);Andersonら,Int.J.Artif.Org
ans 21巻,360〜364頁(1998年)]。最近、エトキシフルオレセインエチルエステ
ルは、ヒトCYP1A1 cDNAでトランスフェクトしたヒト皮膚線維芽細胞の活性をモ
ニターしたことが報告された[Quan,T.ら,Carcinogenesis 15巻,1827〜32頁(
1994年)]。
【0009】 フルオレセインのアリールエーテル誘導体は、チトクロームP450酵素に関する
基質としては報告されていない。フルオレセインのベンジルエーテル誘導体、ベ
ンジルオキシフルオレセインベンジルエステルは、フルオレセインラベル化ポリ
マー[Hargreaves及びWebber,Can.J.Chem.63巻,1320〜1327頁(1985年)]、キラ
ルプロダイ(prodye)[Tadic及びBrossi,Heterocycles 31巻,1975〜1982頁(199
0年)]、及び染料前駆体[Dombrowski Jr.ら,米国特許第5,196,297号]の合成に
おける中間体として報告されていた。
【0010】 発明の概要 本発明は、チトクロームP450酵素の新規蛍光基質に関する。これらの基質は、
チトクロームP450酵素活性の評価及びチトクロームP450活性を阻害する化合物の
選択において有用である。従って、本発明の化合物及び方法は、チトクロームP4
50酵素活性の阻害によって仲介される潜在的に不都合な薬物相互作用を同定する
のに有用である。
【0011】 本発明の化合物は、in situ蛍光分析で使用するとCYP2C8、CYP2C9、CYP2C19
及びCYP3A活性の高感度定量化が可能な特性を持つものとして特徴つけられる。
これらの必要条件を満足させるために、本発明の化合物は、1)酵素により容易に
O-脱アルキル化され得るフルオレセインの6-位にアリールエーテル基;及び2)蛍
光検出が容易なようにフルオレセインコアを含有する。
【0012】 本発明を説明する酵素反応及びアッセイ方法を、以下の反応スキーム1で説明
する。チトクロームP450酵素は、式Iの化合物の式IIの中間体への脱アルキル化
に触媒作用を及ぼす。アッセイ混合物に塩基を添加して、(存在する場合には)エ
ステル中間体をフルオレセインに加水分解して、これを分光蛍光計にて定量する
【0013】
【化5】
【0014】 本発明の一つの側面により、式A:
【0015】
【化6】
【0016】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択され
、但しR1及びR2は両方がヒドリドであることはなく;且つ式中、前記アリールは
アリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは(C
H2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合し
; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
ヨードからなる群から独立して選択され、但しR1及びR2がフェニルであり、且つ
n及びmが1であるとき、X1、X2、X3、X4、X5及びX6の少なくとも一つはヒドリ
ドではなく; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質またはチトクロームP450反応生成物であ
る]の化合物を提供する。
【0017】 上記構造は三種類の好ましい態様を含み、本明細書中これらは、(1)式Iの化合
物;(2)式IIの化合物;及び(3)式IIIの化合物と参照する。式I及びIIIの化合物
はチトクロームP450酵素用の基質であり;式IIの化合物は、式Iの化合物が前記
基質であるチトクロームP450反応生成物である。すなわち、式IIの化合物は、チ
トクロームP450酵素が前記基質の反応生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件下
で、式Iの化合物とチトクロームP450とを接触させるプロセスにより製造するこ
とができる。
【0018】 特定の態様により、式I:
【0019】
【化7】
【0020】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択され
、但しn及びmが1であるとき、R1及びR2は両方がヒドリドであることはなく;
且つ式中、前記アリールはアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し
、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または前
記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
ヨードからなる群から独立して選択され; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質である]の化合物を提供する。
【0021】 式Iの化合物の最も好ましい態様では、X2及びX5はクロロ及び/またはフルオ
ロである。別の態様では、nとmの一方またはいずれもが1であるとき、X2及び
X5はハロゲン化(特にクロロ及び/またはフルオロ)されているか、またはハロゲ
ン化されておらず、且つR1及びR2の一方またはいずれもがフェニルである。他の
好ましい態様では、nとmの一方またはいずれもが1であるとき、R1及びR2の一
方またはいずれもがフェニルであり、前記フェニルはさらに、(たとえばパラ位
に)電子供与基、たとえばハロゲン(特にクロロ、フルオロ)、C(ハロゲン)3、ま
たはNH3 +を含む。
【0022】 別の態様では、式IIの化合物を提供する。クレームA1の化合物は式II:
【0023】
【化8】
【0024】 [(a)式中、R1はヒドリドであり、R2はアリールであり;ここで前記アリールはア
リール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)mは共有結合
を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
ヨードからなる群から独立して選択され; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450反応生成物である]をもつ。
【0025】 式IIの化合物の最も好ましい態様に関しては、X2及びX5はクロロ及び/または
フルオロである。別の態様では、X2及びX5はハロゲン化(特にクロロ及び/また
はフルオロ)されていても、またはハロゲン化されていなくてもよく、R2はフェ
ニルであり、mは1である。他の好ましい態様では、R2はフェニルであり、mは
1であり、このフェニルはさらに(たとえばパラ位に)、電子供与基、たとえばハ
ロゲン(特にクロロ、フルオロ)、C(ハロゲン)3、またはNH3 +を含む。
【0026】 式IIの化合物の特に好ましい態様は、化合物IIa:
【0027】
【化9】
【0028】 である。 別の態様では、式III:
【0029】
【化10】
【0030】 [(a)式中、R1及びR2は、それぞれフェニルであり;前記フェニルはアリール環炭
素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリール環炭
素と結合しており; (b)nは1であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから
なる群から独立して選択され; (d)mは1であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質である]の化合物を提供する。
【0031】 式IIIの化合物の最も好ましい態様に関しては、X2及びX5はクロロ及び/また
はフルオロである。さらに別の態様では、X2及びX5はハロゲン化(特にクロロ及
び/またはフルオロ)されていてもよく、またはハロゲン化されてなくてもよい
。他の好ましい態様では、R2はフェニルであり、このフェニルはさらに(たとえ
ばパラ位に)、電子供与基、たとえばハロゲン(特にクロロ、フルオロ)、C(ハロ
ゲン)3、またはNH3 +を含む。
【0032】 本発明のもう1つの側面により、式Iの化合物、式IIの化合物、式IIIの化合物
及び/またはベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル[「DBF」;97744-
44-0;安息香酸、2-[3-オキソ-6-(フェニルメトキシ)-3H-キサンテン-9-イル)-
ベンジルエステル(CAインデックス名)、Hargreaves,J.S.及びS.E.Webber(1985年
)Can.J.Chem.63巻,1320〜1327頁]を含む組成物を提供する。この化合物は、少
なくとも50重量%を超える濃度で前記組成物中に存在する。最も好ましい組成物
は、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは
少なくとも95重量%の式I、II、IIIの化合物またはDBFの濃度を含む。この組成
物は、チトクロームP450酵素反応を妨げる汚染物を含まない水性試料(製剤)で
あるのが好ましい。好ましい組成物の特定の態様は、検出可能な反応生成物を実
質的に含まない。則ち本発明のこの組成物は、チトクロームP450-触媒反応生成
物のレベルを含まない。これら及び他の態様において、本組成物は最適には、さ
らにチトクロームP450、たとえば単離酵素またはcDNA発現チトクロームP450を発
現するミクロソームを含む。
【0033】 本組成物は、チトクロームP450酵素アッセイを評価するためのキット成分であ
るバイアル中に収容することができる。このバイアルは予備選択された量の組成
物を含み、内容物を溶解させ易くして、チトクロームP450酵素アッセイを実施す
るための化合物の予備選択濃度が得られるようにすることができる。従って、本
発明の特定の態様では、本組成物は、基質として式Iの化合物、式IIIの化合物、
またはDBFが機能して蛍光生成物を形成する酵素反応を実施するための好適な緩
衝液を含む。
【0034】 本発明のもう1つの側面により、チトクロームP450酵素活性をアッセイする方
法を提供する。本方法は、チトクロームP450酵素が化合物(基質)のチトクローム
P450反応生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件下で、式Iの化合物、式IIIの化
合物、またはDBFとチトクロームP450酵素とを接触させることを含む。そのよう
な条件は通常、当業者に公知であり、実施例で説明する。
【0035】
【化11】
【0036】 たとえば、上記反応は、本明細書中に定義した式Iの化合物である基質に関し
て示したものである。前記基質が本明細書中に定義した式IIIの化合物またはDBF
であり、且つこれらの化合物が場合によりその個々の式に示されているようにハ
ロゲン化されている反応も実施することができる。
【0037】 チトクロームP450酵素活性をアッセイするための方法を使用して、生物学的流
体サンプルまたは固体サンプル(たとえば、肝臓、脳または腸由来の生検サンプ
ル)中に含まれていても良く、または細胞-含有系若しくは細胞を含まない系(た
とえば、cDNA-発現チトクロームP450を含有するミクロソーム)中で発現すること
ができるチトクロームP450の活性を検出する。このようにして、チトクロームP4
50酵素活性の欠損または過剰発現に伴う状態を検出することができる。
【0038】 このチトクロームP450アッセイは、in vivoまたはin vitroで実施すること
ができる。たとえば、本発明の化合物(たとえば式Iの化合物、式IIIの化合物ま
たはDBF)を、(たとえば、生物学的流体中の反応生成物または動物の組織サンプ
ルを観察することによって)チトクロームP450酵素活性の検出、及び場合により
定量するための動物モデルに投与することができる。より好ましくは、チトクロ
ームP450酵素活性をアッセイするための方法を使用して、生物学的流体サンプル
若しくは固体サンプル(たとえば、肝臓、脳または腸由来の生検サンプル)に含ま
れ得るか、または細胞-含有系または細胞を含まない系(たとえばcDNA-発現チト
クロームP450を含有するミクロソーム)中で発現し得るチトクロームP450の活性
を検出する。このようにして、チトクロームP450酵素活性の欠損または過剰発現
に伴う状態を検出することができる。かくして、チトクロームP450酵素は、たと
えば粗なホモジネート、生検から得た一部精製肝酵素若しくは精製肝酵素、肝細
胞またはミクロソーム中のcDNA-発現チトクロームP450などの肝臓サンプルであ
るサンプル中に含まれる場合がある。
【0039】 本発明のもう1つの側面により、チトクロームP450酵素活性を阻害する薬剤を
同定するためのスクリーニング方法を提供する。本方法は、推定上のチトクロー
ムP450酵素阻害剤の存在下、チトクロームP450酵素と、式Iの化合物、式IIIの化
合物、またはDBFとを接触させ、次いでチトクロームP450酵素阻害剤としてチト
クロームP450酵素活性を阻害する薬剤を同定することを含む。好ましい態様では
、このスクリーニング方法はハイスループットスクリーニングアッセイである。
より好ましくは、このスクリーニングアッセイは、比較的少容量を含有するマル
チウェル(たとえばミクロ滴定)プレートまたは容器中で実施し、たとえば式Iの
化合物、式IIIの化合物、若しくはDBFを推定上の酵素阻害剤及びチトクロームP4
50酵素とミクロ滴定プレートウェル若しくは小さなバイアル中で接触させる。特
定の態様では、式I、式IIIの化合物、またはDBFはミクロ滴定プレートウェルま
たは小さなバイアル中に用意することができる。たとえば、この化合物を一つ以
上のバイアルに分散させて、次いでこれを凍結乾燥させるか、乾燥して長期貯蔵
安定性をもつ生成物を提供することができる。チトクロームP450酵素活性を測定
するためのキットで使用するために本生成物を提供する場合、このキットは、さ
らに式I、式IIIの化合物、またはDBFを再溶解させるためのインストラクション
と、場合により溶解させるための好適な緩衝液(たとえば、酵素反応緩衝液)とを
含むことができる。
【0040】 本発明のもう1つの側面により、チトクロームP450酵素を視覚化するための方
法を提供する。この方法は、チトクロームP450酵素-含有サンプルと、式Iの化合
物、式IIIの化合物、またはDBFとを接触させ、次いでチトクロームP450酵素と前
記化合物とを、チトクロームP450酵素が式Iの化合物、式IIIの化合物、またはDB
Fの蛍光生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件に暴露することを含む。好まし
い態様において、チトクロームP450酵素を視覚化するための方法は組織切片サン
プルで実施する、則ち、チトクロームP450酵素-含有サンプルとは、生検サンプ
ルから誘導されたような組織切片である。
【0041】 本発明のさらにもう1つの側面により、チトクロームP450酵素活性を検出及び
/または測定するためのキットを提供する。このキットは、式I、式IIIの化合物
、及び/またはDBFと、チトクロームP450酵素活性を測定するキットを利用する
ためのインストラクションとを含む。このキットはさらに、チトクロームP450阻
害剤のKi及び/またはIC50を計算するためのインストラクションを含む。好まし
い式Iの化合物及び式IIIの化合物は、酵素を結合するための高い特異性をもち、
且つ酵素が高い基質代謝回転比を示す化合物である。これらのパラメーターは通
常、基質(則ち本発明の化合物)の蛍光生成物への酵素-触媒転換のKmとVmaxに影
響する。通常、第二の基質と比較して第一の基質に関してチトクロームP450の親
和性が比較的高いことは、第二の基質と比較して第一の基質のKmが低いことによ
って示される。第二の基質に対して第一の基質の触媒代謝回転率が高いことは、
第一の基質のVmaxが高いことによって示される。本発明の好ましい化合物は、約
0.50uMを超えるKmをもち、約0.05/分を超えるVmaxをもつ。通常、本発明の化合
物は約0.5uMから約5uMのKmと、約0.10または約0.20〜約50/分のVmaxをもち、Km
の好ましい範囲は約0.50uMを超え、Vmaxの好ましい範囲は約0.20/分〜約50/分で
あり;より好ましくはVmaxは約2.0または約20.0〜約50/分である。
【0042】 本発明のもう1つの側面により、新規チトクロームP450蛍光生成物を提供する
。この新規生成物は、式A[式中、R1はヒドリドであり、nは0である]の化合物
である(式II参照)。通常、これらの新規生成物は、式Iの化合物、式IIIの化合物
、またはDBFである基質のチトクロームP450-触媒反応の反応生成物として製造さ
れる。通常、これらの化合物は、フルオレセインの6位にヒドロキシ基をもつと
いう点で、式I、式IIIの化合物、及びDBFの構造とは異なる構造をもつ。
【0043】 本発明のこれら及び他の側面並びに種々の好都合な点及び有用性は、好ましい
態様の詳細な説明を参照してより明らかになるだろう。この書類中で確認された
全ての特許、特許刊行物及び文献は、本明細書中参照として含まれる。
【0044】 発明の詳細な説明 I.定義 この書類全体を通して、チトクロームP450とは、本発明の化合物の蛍光生成物
への転換に触媒作用を及ぼす酵素を参照するのに使用する。本明細書中で議論し
た任意の酵素反応においてチトクロームP450ファミリーの任意の構成員を使用す
ることができ、且つCYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4は本発明の特に好まし
い態様を示すということが理解されよう。
【0045】 本出願で使用する際、分子に関する用語は、他に特記しない限り通常の意味を
持つ。「ヒドリド」なる用語は一個の水素原子を意味する。 アリール基は、5〜15個の環員をもつ、単一または融合の単環式または複素環
式系中に酸素、窒素及び硫黄から選択される0〜4個の原子を含むことができる
。一つ以上の水素原子は、アシル、アミノ、カルボアルコキシ、カルボキシアミ
ド、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオ、アルキル、アリール、シクロア
ルキル、アルコキシ、アリールオキシ、スルホキシ及びグアニド基から選択され
る置換基によって置換することもできる。このアリール基が(CH2)nまたは(CH2)m などのリンカーに結合しているとき、アリール環の炭素または窒素はこのリンカ
ーに共有結合している。
【0046】 アリール基の好ましい種類は、一個以上の水素がアルキル、アルコキシ、アリ
ールオキシ、またはハロ基により置換されているフェニル基及び非置換フェニル
基である。アリール基の例としては、フェニル、フェニルナフチル、ビフェニル
、ターフェニル、ピリジニル及び他の種々のフェニル誘導体が挙げられる。
【0047】 II.記載 本発明は、式Aの化合物とチトクロームP450の活性をアッセイするための式I
、II、III及びDBFの化合物を製造及び/または使用する方法とを提供する。この
化合物は、好ましくはハイスループットスクリーニングアッセイにおいて、チト
クロームP450の潜在的な阻害を測定するのに特に有用である。たとえば、本発明
は、チトクロームP450をアッセイする方法であって、チトクロームP450酵素が化
合物と相互作用し、前記化合物の6位の脱アルキル化に触媒作用を及ぼして、6-
ヒドロキシ-フルオレセインエステル生成物を形成する条件下で、チトクロームP
450酵素と、式Iの化合物、式IIIの化合物、またはDBFとを接触させることを含む
、前記方法を提供する。そのような条件は、当業者に公知である(たとえば、条
件に関する実施例も参照のこと)。この方法は、チトクロームP450酵素のin viv
oまたはin vitro源を使用して実施することができる。さらなる側面において、
本発明は、好ましくはハイスループットスクリーニングアッセイにおいて、試験
薬品の潜在的なチトクロームP450阻害を評価する方法を提供する。
【0048】 本発明の化合物の構造、特に式A、式I、式II、及び式IIIの構造を要約及び請
求項に規定する。 一般的合成方法 簡単に説明するために、以下に示した反応は、式Iの化合物である基質に関し
て示したものである。基質が式IIIの化合物またはDBFである反応も実施すること
ができ、且つこれらの化合物は場合によりそれぞれの式に示されているようにハ
ロゲン化されていることは理解されよう。
【0049】 一般的方法1 式I及び式IIIの化合物を、Hargreaves及びWebber[Can.J.Chem.63巻,1320〜13
27頁(1985年)]の方法をベースにして合成する。市販の試薬、フルオレセイン(化
合物1)を、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリルまたはジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中、0℃〜100℃の温度で
、化合物2と試薬Aとの処理により式Iまたは式IIIの化合物に転換する。
【0050】
【化12】
【0051】 ここで式中、R1、R2、n及びmは上記定義通りであり;ここでAは、炭酸カリウ
ムまたは水酸化リチウムなどの塩基であり;Xは臭素、塩素、ヨウ素またはトシ
レートなどの脱離基である。
【0052】 一般的方法2 式Iの化合物を、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、または水と混合したジメチルスルホアミドなどの好適な有機溶媒
中、0℃〜100℃の温度で、試薬Bとの処理により式Iのもう1つの化合物に転換
する。この反応を実施するための好ましい化合物は、式Iの好ましい化合物、化
合物Ib(MBF)を生じる、ベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル(式IIa
,「DBF」として本明細書中参照する)である。
【0053】
【化13】
【0054】 ここで式中、R1は上記定義通りであり、ここで、Bは水酸化ナトリウムまたは水
酸化リチウムなどの塩基である。 実施例 以下の実施例は、式Aの化合物を製造し、使用する方法について詳細に説明す
る。これらの詳細な製造法は、本発明の範囲内であり、これらを説明するための
ものであり、上記の一般的方法は本発明の一部をなす。これらの実施例は、本発
明の目的を例示するだけのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0055】 実施例1:O-ベンジルフルオレセインベンジルエステル(DBF)の製造(化合物Ia ) フルオレセイン(40g,120.5mmol)を、メカニカルスターラーを備えた2Lフラ
スコ中のジメチルホルムアミド(DMF,500mL)に溶解し、次いで炭酸カリウム(72
g,521.7mmol)を一度に添加した。この反応物を80℃に加熱して、次いで塩化ベ
ンジル(42mL,363.5mmol)を滴下添加した。80℃で24時間後、反応物を室温に冷
却した。アセトン(400mL)を添加し、生成物を一晩放置して沈澱させた。橙色の
固体生成物を濾過し、アセトン洗浄し、50℃で真空オーブン中で乾燥した。O-ベ
ンジルフルオレセインベンジルエステルが橙色油状物(36.4g,59%)で得られた。
【0056】
【化14】
【0057】 実施例2:モノベンジルフルオレセイン(MBF)の製造。化合物Ib O-ベンジルフルオレセインベンジルエステル、化合物Ia(20.0g,39mmol)をTHF
/H2O 10/1(400mL)中に溶解し、水酸化リチウム一水和物(6.0g,158mmol)を添加
した。反応物を2時間還流し、次いで室温に冷却した。このリチウム塩を濾別除
去し、濾液を水中に希釈し、塩化メチレンで抽出した。この有機相を硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させ、次いで60℃の真空オーブン中で乾燥した
。モノベンジルフルオレセインが黄色固体(11.9g,70%)で得られた。
【0058】
【化15】
【0059】
【表1】
【0060】 B.化合物Iの生物学的評価 チトクロームP450基質としての有用性に関する式Iの化合物の評価は、以下の
ようであった:(1)それぞれのチトクロームP450に関する基質としての式Iの化合
物の特異性は、cDNA-発現チトクロームP450を使用して試験した;(2)式Iの化合
物に関する酵素反応速度論は、cDNA-発現チトクロームP450を使用して実施した
;及び(3)式Iの化合物の、ハイスループットスクリーニングアッセイで測定した
、チトクロームP450の公知の阻害剤のIC50値は、本出願に関して有用な公知の基
質由来の値と相互関連していた。
【0061】 (1)基質特異性 化合物Ia(図1)及び化合物Ib(図2)の脱アルキル化に関する数種のチトクロー
ムP450酵素の特異性について調べた。式Iの化合物は、(高シグナル対ノイズ比に
よって示されるように)薬物代謝P450酵素の主要三種類のファミリーの中の多数
のイソ形用の基質である。フルオレセイン蛍光は高いpH(>9)で最も良く検出でき
ることが公知であるが、既に記載した蛍光-ベースのアッセイと対照的に、この
アッセイの新規側面は、2N水酸化ナトリウム溶液(2N NaOH)を添加して反応を停
止して2時間後にミクロ滴定プレートを読みとると、シグナル対ノイズ比が劇的
に増加したということにある。
【0062】 CYP1A1は化合物Iaに対して最高の活性をもつ。CYP2C8も化合物Iaに関して実質
的な酵素活性を示す。これはCYP2C8に関して最初に報告された蛍光基質である。
CYP2C9*1、CYP2C19、及びCYP3Aファミリーの構成員も、化合物Iaの脱アルキル化
に触媒作用を及ぼした。化合物Iは、先に記載したアルキルクマリン蛍光基質と
比較してCYP2C9及びCYP2C19に対してより感受性(より高いシグナル対ノイズ比)
の基質である。種々のP450用の基質としての化合物Ibは、化合物Iaに対して実質
的にシグナルが少なく、だいたい似たような酵素特異性プロフィールを示した。
チトクロームP450 CYP1A1、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3Aの蛍光分析アッ
セイに関しては、化合物Iaは明らかに化合物Ibより優れていた。
【0063】 例示化合物Ia及びIb アッセイを96ウェルミクロ滴定プレート(Corning COSTAR,カタログNo.3915)
で実施した。基質、化合物Iaをアセトニトリル中で調製した。コファクターを添
加した後、プレートを37℃に予熱した。予熱した酵素と基質とを添加して、イン
キュベーションを開始した。酵素は市販の、バキュロウイルス/昆虫細胞で発現
させたヒトP450(SUPERSOMES:登録商標、GENTEST Corporation)であった。ウェ
ル1個当たりに添加した酵素量は、2pmoleであった。最終コファクター濃度は
、1.3mM NADP、3.3mM グルコース-6-ホスフェート及び0.4U/mL グルコース-6
-ホスフェートデヒドロゲナーゼであった。最終インキュベーション容積は0.2ml
であった。インキュベーションを30分実施し、2N水酸化ナトリウム溶液0.075ml
を添加して停止した。ウェル毎の蛍光を、IBM-コンパチブルコンピューターを備
えたBMG FLUOstar蛍光プレートスキャナを使用して測定した。代謝産物は、485
nmの励起波長及び530nmの放出波長を使用して測定した。データを書き出し、エ
クセル表計算ソフトを使用して分析した。
【0064】 (2)酵素反応速度論 式Iの化合物の評価を、cDNA-発現チトクロームP450 CYP3A4及びCYP2C8を使用
して代謝回転の速度論を測定して実施した。VmaxとKm値は、アッセイ条件の最適
化及び、阻害実験のパラメーターの設定に重要である。チトクロームP450による
式Iの化合物の代謝回転の蛍光分析アッセイを、Crespiら、Anal Biochem.248巻
,188〜190頁(1997年)による方法の変更をベースとして実施した。
【0065】 式Iaの化合物と蛍光基質、7-ベンジルオキシレゾルフィン(BzRes)に関するCYP
3A4酵素反応速度論の比較により、CYP3A4は化合物Iaに対して親和性が高く(低い
Km)、且つ化合物Iaに関して高い触媒代謝回転(高いVmax)であることを示した(表
II参照)。さらに、化合物Iaは、溶解性及び生成物検出特性に関してより強い基
質である。これらの結果をベースとすると、化合物Iaは上記BzResよりもすぐれ
たCYP3A4用蛍光基質である。
【0066】
【表2】
【0067】 CYP2C8に関しては、Kmは1.4uMであり、Vmaxは0.22/分と検出された。これらの
パラメーターは妥当であるので、このアッセイをミクロ滴定プレートを使用する
ハイスループット蛍光アッセイで使用することができる。既に記載の如く、これ
は、この重要なヒトチトクロームP450酵素に関して報告された最初の蛍光基質で
ある。
【0068】 CYP2C8は、抗癌剤パクリタキセル(TAXOL:商標,Rahmanら,1994年.Cancer
Research.54巻,5543〜5546頁)の代謝を主に担うヒトチトクロームP450である。
タキソールの構造とCYP2C8によるヒドロキシル化部位を以下の図に示す。この大
きく複雑な分子は、DBFを含む、本明細書中に記載したどの蛍光基質とも似てい
ない。
【0069】
【化16】
【0070】 さらに、以下の蛍光分子を、CYP2C8用の基質プローブとして試験し、これらの
基質に関して得られたアッセイ結果(図3)は、さらにDBFに関してチトクロームP
450 CYP2C8の意外で驚くべき特異性を示す:
【0071】
【化17】
【0072】 これらの特異性実験のデータを図3(パネル3A、3B、3C、3D、3E及び3F)に示す。 96-ウェルミクロ滴定プレートでアッセイを実施した。ミクロソームは、バキ
ュロウイルス-感染昆虫細胞(SUPERSOMES:登録商標、全ての他の酵素)由来または
、ラットCYP2E1若しくはラットCYP2A1で安定して発現する代謝的にコンピテント
のヒトB-リンパ芽球状細胞系由来のGENTEST社から入手した。基質と代謝産物は
、Sigma-Aldrich社から入手したフルオレセイン以外には、GENTEST Corporatio
n社製であった。他の全ての試薬(試薬グレード)は、Sigma-Aldrich製であった。
試験した基質及び代謝産物と、分析で使用した波長を表IIIに示す。NADPH-発生
系を含有するリン酸カリウム緩衝液(0.1mL)をそれぞれのウェルに添加した。次
いでプレートを37℃に温め、予熱した酵素/基質(E/S)混合物を添加して反応を開
始した。E/S混合物は、緩衝液、cDNA-発現P450(2.5〜87pmol/mL 最終)、模擬-
トランスフェクト昆虫細胞由来の対照タンパク質(約0.25mg/mL最終にタンパク質
を標準化するため)及び基質(1.0μM〜50μM最終)を含んでいた。20〜45分後に75
μl 80:20アセトニトリル:0.5M トリス塩基または、化合物Iaだけに関しては
2NのNaOHを添加して反応を停止した。全ての酵素の最終濃度は、CYP2A1(20nM)及
びCYP2E1(87nM)以外には、50nMであった。蛍光シグナルは、FLUOstarモデル403
蛍光プレートリーダー(BMG LabTechnologies,Inc.,Durham,NC)を使用して測定
した。
【0073】
【表3】
【0074】 例示化合物Ia アッセイを96ウェルミクロ滴定プレート(Corning COSTAR,カタログNo.3915)
中で実施した。基質、化合物Iaをアセトニトリル中で調製した。コファクターを
添加後、プレートを37℃に予熱した。予熱した酵素と基質を添加してインキュベ
ーションを開始した。酵素は市販の、バキュロウイルス/昆虫細胞で発現させた
ヒトCYP3A4またはCYP2C8(SUPERSOMES:登録商標,GENTEST Corporation)であっ
た。ウェル1個当たりに添加した酵素量は0.2pmole(CYP3A4)または2pmole(CYP2C
8)であった。最終コファクター濃度は、1.3mM NADP、3.3mM グルコース-6-ホ
スフェート及び0.4U/mL グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼであった
。最終インキュベーション容積は0.2mlであった。インキュベーションを10分(CY
P3A4)または30分(CYP2C8)実施し、次いで2N水酸化ナトリウム溶液0.075mlを添加
して停止した。ウェル毎の蛍光を、IBM-コンパチブルコンピューターを備えたBM
G FLUOstar蛍光プレートスキャナを使用して測定した。代謝産物は、485nmの励
起波長及び530nmの放出波長を使用して測定した。データを書き出し、エクセル
表計算ソフトを使用して分析した。活性は、フルオレセインの標準曲線と比較す
ることによって定量した。みかけのKm及びVmaxを、SigmaPlotソフトウェアを使
用して非線形回帰により計算した。
【0075】 (3)実施例I.ハイスループットチトクロームP450阻害スクリーニング−CYP3A4 式Iの化合物のチトクロームP450阻害潜在性の測定は、Crespiら、Anal Bioch
em.248巻,188〜190頁(1997年)による方法の変更をベースとして実施した。CYP3
A4に関しては、一連の試験化合物を、基質としてBzRes、7-ベンジルオキシキノ
リン(BQ)、ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(BFC)または化合物Iaを
使用して、変更系で試験した(表IV)。通常、P450酵素の阻害剤は基質に関係なく
同様のIC50を示すが、これはCYP3A4を使用するケースではない。数倍範囲のIC50 が知見され、これらの結果はこの酵素に独特の速度論と一致した[KE Thummel及
びGR Wilkinson,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.38巻:389〜430頁(1998年)]。一
つ例に挙げると、CYP3A4酵素は、2つ以上の化合物を同時に調整することができ
、その一方は他方の代謝を活性化するか、または阻害することがある。CYP3A4の
阻害に関して試験するのに(多様な化学的特性、則ちサイズ、形などをもつ)多数
の基質を使用することが推奨されてきた。従って、化合物Iaは他の同時適用した
薬物及びCYP3A4と相互作用する薬物の潜在能力を調査するのに貴重なツールであ
る。さらに、アッセイを実施するために少量の酵素しか使用しないCYP3A4基質と
しての化合物Iaの有用性も実証された。
【0076】 CYP2C8の阻害を測定するための化合物Iaの有用性は表Vに示されている。一連
の8種類の試験化合物に関して試験した。得られた値は、予想された値と一致し
た。たとえば、スルファフェナゾールは、CYP2Cファミリーのもう1つの構成員
であるCYP2C9で得たIC50(〜0.22uM)と比較して、高いIC50を示した。さらに酵素
の原始型基質、パクリタキセルは化合物Iaの代謝回転を阻害し、このことはこれ
ら2つの分子がCYP2C8に関して競合するという結論と一致する。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】 例示化合物Ia アッセイを96ウェルミクロ滴定プレート中で実施した。基質、式Iaの化合物を
アセトニトリル中で調製した。基質ストック濃縮物は終濃度の2倍であった(終
濃度は、見かけのKm、化合物Iに関してたとえば1〜2uMを選択)。一列12個のウ
ェルを試験に使用した。1〜8のウェルは一連の阻害剤の1:3希釈液を含んで
いた。ウェル9及び10は阻害剤を含まず、列11及び12はバックグラウンド蛍光用
のブランクであった(酵素の前に停止溶液を添加)。基質と阻害剤を添加した後、
プレートを37℃に予熱した。予熱した酵素とコファクターを添加して、インキュ
ベーションを開始した。酵素は、市販のバキュロウイルス/昆虫細胞で発現させ
たヒトCYP3A4(SUPERSOMES:登録商標,カタログNo.P202,GENTEST Corporation
)またはCYP2C8(SUPERSOMES:登録商標,カタログNo.P252,GENTEST Corporatio
n)であった。ウェル1個当たりに添加した酵素量は0.2pmole(CYP3A4)または4pm
ole(CYP2C8)であった。最終コファクター濃度は、1.3mM NADP、3.3mM グルコ
ース-6-ホスフェート及び0.4U/mL グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナー
ゼであった。最終インキュベーション容積は0.2mlであった。インキュベーショ
ンを10分(CYP3A4)または30分(CYP2C8)実施し、次いで2N水酸化ナトリウム溶液を
添加して停止した。ウェル毎の蛍光を、IBM-コンパチブルコンピューターを備え
たBMG FLUOstar蛍光プレートスキャナを使用して測定した。代謝産物は、485nm
の励起波長及び530nmの放出波長を使用して測定した。データを書き出し、エク
セル表計算ソフトを使用して分析した。IC50値は、線形補間法(linear interpo
lation)により計算した。
【0080】 実施例3:他のアルキルフルオレセイン化合物の特異性 二種類の市販のアルキルエーテルフルオレセインの脱アルキル化に対する数種
のチトクロームP450酵素の特異性を試験した。5-(及び6-)クロロメチルフルオレ
セインジエチルエーテル(CMFDE,異性体の混合物)は、A.G.Miller[A.G.Miller,
Anal.Biochem.133巻,46〜57頁(1983年)]により研究されたジエトキシフルオレ
セインと非常に似ている。CMFDEは、蛍光性フルオレセイン生成物--5(及び6)-カ
ルボキシフルオレセインを形成するためには、2回脱アルキル化しなければなら
ない。A.G.Millerは、フルオレセインのジエチルエーテルは、これらが蛍光性生
成物を形成するにはP450酵素で2回代謝されなければならないので、マウス肝臓
ミクロソームでは欠陥のあるP450基質であると報告している。3-O-メチルフルオ
レセイン(MF)は、フルオレセインの単純で、単一のメチルエーテルである。P450
基質としてMFを使用することについては報告されていない。
【0081】 ヒトチトクロームP450によるCMFDEの脱アルキル化の特異性を図4Aにまとめ
る。CMFDEは、どのヒトP450酵素に関しても(代謝回転数をベースとして)優れた
基質ではない。CMFDEは、CYP1A1を除いては殆ど特異性を示さないP450酵素を代
謝する薬物の多数のP450イソ形用の基質であった。この代謝プロフィールは、他
のアルキルフルオレセイン類(化合物Ia、Ib、及びMF)とは異なっている。ヒトチ
トクロームP450によるMFの脱アルキル化に関する特異性を図4Bにまとめる。MFは
、CYP1A1及びCYP2C19用の(代謝回転数をベースとした)優れたP450基質である。C
YP1A1はヒト肝臓中では稀であるので、この基質はヒト肝臓組織中でCYP2C19特異
プローブとして非常に有用である。これらの実施例はいずれも、アルキルフルオ
レセイン類の脱アルキル化に関しヒトP450の特異性を予測するのが困難であるこ
とを例示している。この特異性プロフィールは、化合物Ia及びIbの特異性とは非
常に異なっている。
【0082】
【化18】
【0083】 例示CMFDE及びMF アッセイを96ウェルミクロ滴定プレート(Corning COSTAR,カタログNo.3915)
中で実施した。基質、CMFDEまたはMFをアセトニトリル中で調製した。コファク
ターの添加後、プレートを37℃に予熱した。予熱した酵素と基質を添加してイン
キュベーションを開始した。酵素は市販の、バキュロウイルス/昆虫細胞で発現
させたヒトP450(SUPERSOMES:登録商標,GENTEST Corporation)であった。ウェ
ル1個当たりに添加した酵素量は2pmoleであった。最終基質濃度は1uMであり
、最終コファクター濃度は1.3mM NADP、3.3mM グルコース-6-ホスフェート及
び0.4U/mL グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼであった。最終インキ
ュベーション容積は0.2mlであった。インキュベーションを30分実施し、次いで2
N水酸化ナトリウム溶液0.075mLを添加して停止した。ウェル毎の蛍光を、IBM-コ
ンパチブルコンピューターを備えたBMG FLUOstar蛍光プレートスキャナを使用
して測定した。代謝産物は、485nmの励起波長及び530nmの放出波長を使用して測
定し、代謝物標準品[CMFDEに関しては5(及び6)-カルボキシフルオレセイン及びM
Fに関してはフルオレセイン)の標準曲線と比較した。データを書き出し、エクセ
ル表計算ソフトを使用して分析した。
【0084】 実施例4:ラットP450との基質特異性 ラットは、ヒト生体異物代謝の一般的なin vivo動物モデルである。ラットと
ヒトとの間の種差、特に種差を説明したり、ヒト生体異物代謝用の優れたモデル
としてラットの正当性を立証するin vitroモデルに目下、関心が集まっている
。ラットP450酵素に関しては殆ど蛍光アッセイが開発されていない。殆どのラッ
トP450アッセイは、冗長なHPLCアッセイをベースとしている。迅速且つ簡便な蛍
光プレート-ベースのアッセイは、生体異物代謝における種差を研究するのに有
用であろう。
【0085】 化合物Ia(図1)及び他の蛍光チトクロームP450基質の脱アルキル化に関する数
種のラットチトクロームP450酵素の特異性について試験した。データ(代謝回転
数)を表Vにまとめる。化合物Iaは、(高シグナル対ノイズ比により示されるよう
に)薬剤代謝性P450酵素の主要三種類のファミリー内の多数のイソ形に関する基
質である。化合物Iaを含むそれぞれの基質の触媒的プロフィールは異なっている
。化合物Iaを代謝回転するこれらのラットP450に関しては、化合物Iaは検出最下
限をベースとした最も感受性のアッセイ試薬である。この特徴は、他の化合物及
びレゾルフィン生成物と比較してフルオレセイン生成物の優れた波長及び量子収
率特性(quantum yield properties)によるらしい。このデータは、化合物Iaが
多くのHPLC-ベースのラットP450アッセイに前途有望で、迅速且つ安価な代替物
であることを示している。
【0086】 例示化合物Ia アッセイを96ウェルミクロ滴定プレート(Corning COSTAR,カタログNo.3915)
中で実施した。基質、式Iaの化合物をアセトニトリル中で調製した。コファクタ
ーを添加後、プレートを37℃に予熱した。予熱した酵素と基質とを添加して、イ
ンキュベーションを開始した。酵素は、市販のバキュロウイルス/昆虫細胞で発
現させたラットP450(SUPERSOMES:登録商標,GENTEST Corporation)であった。
ウェル1個当たりに添加した酵素量は2pmoleであった。最終コファクター濃度
は、1.3mM NADP、3.3mM グルコース-6-ホスフェート及び0.4U/mL グルコース
-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼであった。最終インキュベーション容積は0.2
mlであった。インキュベーションを30分実施し、次いで2N水酸化ナトリウム溶液
0.075mLを添加して停止した。ウェル毎の蛍光を、IBM-コンパチブルコンピュー
ターを備えたBMG FLUOstar蛍光プレートスキャナを使用して測定した。代謝産
物は、485nmの励起波長及び530nmの放出波長を使用して測定した。データを書き
出し、エクセル表計算ソフトを使用して分析した。
【0087】 例示他の蛍光P450基質 基質、緩衝液及びタンパク質濃度並びにインキュベーション時間(表VI参照)を
、ヒト酵素(たとえば、BFCと一緒のCYP3A4)に関するチトクロームP450阻害実験
に関して最適であるように決定した条件を主にベースとして選択した。このこと
は、見かけのKm付近の基質濃度と、代謝物産生が時間とタンパク質に関して線形
である条件を意味する。アッセイ条件は全ての酵素/基質対について最適である
必要はないが、殆どの場合、基質有用性は15%未満であった。注目すべき例外は
、基質有用性が45%のCYP2D2/AMMCであった。従って、報告された速度は、必ずし
も初速度条件下で測定されたものではない。
【0088】
【表6】
【0089】 上記の記載は、特定の好ましい態様についての記載にすぎない。従って、当業
者には、本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに種々の変形及び等価物をなし得るこ
とが明らかであろう。
【0090】 本明細書中で開示した全ての参考文献は、その全体を参照として含むものとす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトP450酵素パネルによる化合物1a脱アルキル化の選択性
及びシグナル対ノイズ比における2N停止溶液を添加した後の読み取り時間の遅延
効果を示す。
【図2】 図2は、ヒトP450酵素のパネルによる化合物1b脱アルキル化の選択
性及びシグナル対ノイズ比における2N停止溶液を添加した後の読み取り時間の遅
延効果を示す。
【図3】 図3AはヒトP450酵素のパネルにおけるCEC*脱アルキル化の選択性
を示す。図3Bは、ヒト450酵素のパネルにおけるMFC*脱アルキル化の選択性を
示す。図3Cは、ヒトP450酵素のパネルにおける7-BQ*脱アルキル化の選択性を
示す。図3Dは、ヒトP450酵素のパネルにおけるBFC*脱アルキル化の選択性を示
す。図3Eは、ヒトP450酵素におけるベンジルオキシレゾルフィンの脱アルキル
化の選択性を示す。
【図4】 図4Aは、ヒトP450酵素のパネルによる5-(及び6-)-クロロメチル
フルオレセインジエチルエーテル(CMFDE)脱アルキル化の選択性を示す。図4B
は、ヒトP450酵素のパネルによる3-O-メチルフルオレセイン(MF)の選択性を示す
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月28日(2002.5.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択さ
れ、但しR1及びR2は両方がヒドリドであることはなく;且つ式中、前記アリール
はアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは
(CH2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合
し; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及
びヨードからなる群から独立して選択され、但しR1及びR2がフェニルであり、且
つn及びmが1であるとき、X1、X2、X3、X4、X5及びX6の少なくとも一つはヒド
リドではなく;そして (d)mは0、1、2または3である]の化合物。
【化2】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択さ
れ、但しn及びmが1であるとき、R1及びR2は両方がヒドリドであることはなく
;且つ式中、前記アリールはアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有
し、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または
前記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及
びヨードからなる群から独立して選択され;そして (d)mは0、1、2または3である]をもつ請求項1に記載の化合物。
【化3】 [(a)式中、R1はヒドリドであり、R2はアリールであり;且つ式中、前記アリー
ルはアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)mは共
有結合を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及
びヨードからなる群から独立して選択され;そして (d)mは0、1、2または3である]をもつ請求項1に記載の化合物。
【化4】 [(a)式中、R1及びR2は、それぞれフェニルであり;且つ前記フェニルはアリー
ル環炭素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリー
ル環炭素と結合しており; (b)nは、1であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードか
らなる群から独立して選択され;そして (d)mは、1である]をもつ請求項1に記載の化合物。
【化5】 [(d1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (d2.)nは0、1、2、又は3であり; (d3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは0、1、2、又は3である] の化合物;そして (e)式:
【化6】 [(e1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (e2.)nは0、1、2、又は3であり; (e3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは1であり; 但し、R2がアントリル基であれば、X2,X3,X4及びX5はヨードであり;あるいは
R2がフェニル又はイソプロピルフェニル基であれば、nは1、であり、そしてR1
はフェニルである] の化合物 からなる群から選択される化合物とを、前記チトクロームP450酵素が上記化合物
の蛍光生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件下で接触させることを含む、前記
方法。
【化7】 [(d1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (d2.)nは0、1、2、又は3であり; (d3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは0、1、2、又は3である] の化合物;そして (e)式:
【化8】 [(e1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (e2.)nは0、1、2、又は3であり; (e3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは1であり; 但し、R2がアントリル基であれば、X2,X3,X4及びX5はヨードであり;あるいは
R2がフェニル又はイソプロピルフェニル基であれば、nは1、であり、そしてR1
はフェニルである] の化合物からなる群から選択される化合物とを、想定されるチトクロームP450酵
素阻害剤の存在下で、且つ前記チトクロームP450酵素が前記化合物の蛍光生成物
への転換に触媒作用を及ぼす条件下で接触させ;次いで チトクロームP450酵素阻害剤としてチトクロームP450酵素活性を阻害する薬剤を
選択する、各段階を含む前記方法。
【化9】 [(d1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (d2.)nは0、1、2、又は3であり; (d3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは0、1、2、又は3である] の化合物;そして (e)式:
【化10】 [(e1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (e2.)nは0、1、2、又は3であり; (e3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは1であり; 但し、R2がアントリル基であれば、X2,X3,X4及びX5はヨードであり;あるいは
R2がフェニル又はイソプロピルフェニル基であれば、nは1、であり、そしてR1
はフェニルである] の化合物からなる群から選択される化合物とを接触させ、次いで 前記チトクロームP450酵素と前記化合物とを、前記チトクロームP450酵素が前記
化合物の蛍光生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件に暴露する、各段階を含む
、前記方法。
【化11】 [(d1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (d2.)nは0、1、2、又は3であり; (d3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは0、1、2、又は3である] の化合物;そして (e)式:
【化12】 [(e1.)R1及びR2は共にヒドリドでなければ、ヒドロゾル及びアリールからな
る群から独立に選択され、但しアリールはアリール環炭素及び/又はアリール環
窒素であり、そして(CH2)n又は(CH2)mは共有結合を通してアリール環炭素及び/
又はアリール環窒素にカップリングしており; (e2.)nは0、1、2、又は3であり; (e3.) R1及びR2がフェニルならば、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、
フルオロ、ブロモ、及びヨードからなる群から独立して選択され、そしてn及び
mは1、であり、X1,X2,X3,X4,X5及びX6の少なくとも一つはヒドリドではな
く;そして (d4.)mは1であり; 但し、R2がアントリル基であれば、X2,X3,X4及びX5はヨードであり;あるいは
R2がフェニル又はイソプロピルフェニル基であれば、nは1、であり、そしてR1
はフェニルである] の化合物からなる群から選択される化合物である基質と、前記チトクロームP450
酵素が前記基質を式IIの化合物へ転換させる条件下で反応させるプロセスにより
生成した生成物。 のに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ08 QQ22 QR41 QR66 QX02 4C062 HH21

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択され
    、但しR1及びR2は両方がヒドリドであることはなく;且つ式中、前記アリールは
    アリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは(C
    H2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合し
    ; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
    ヨードからなる群から独立して選択され、但しR1及びR2がフェニルであり、且つ
    n及びmが1であるとき、X1、X2、X3、X4、X5及びX6の少なくとも一つはヒドリ
    ドではなく; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質またはチトクロームP450反応生成物であ
    る]の化合物。
  2. 【請求項2】 式I: 【化2】 [(a)式中、R1及びR2は、ヒドリド及びアリールからなる群から独立して選択され
    、但しn及びmが1であるとき、R1及びR2は両方がヒドリドであることはなく;
    且つ式中、前記アリールはアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し
    、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリール環炭素または前
    記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0、1、2または3であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
    ヨードからなる群から独立して選択され; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質である]をもつ請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 式II: 【化3】 [(a)式中、R1はヒドリドであり、R2はアリールであり;且つ式中、前記アリール
    はアリール環炭素及び/またはアリール環窒素を含有し、且つ前記(CH2)mは共有
    結合を介して前記アリール環炭素または前記アリール環窒素と結合し; (b)nは、0であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、ヒドリド、クロロ、フルオロ、ブロモ、及び
    ヨードからなる群から独立して選択され; (d)mは0、1、2または3であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450反応生成物である]をもつ請求項1に記載の化
    合物。
  4. 【請求項4】 式III: 【化4】 [(a)式中、R1及びR2は、それぞれフェニルであり;且つ前記フェニルはアリール
    環炭素を含有し、且つ前記(CH2)nまたは(CH2)mは共有結合を介して前記アリール
    環炭素と結合しており; (b)nは、1であり: (c)X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから
    なる群から独立して選択され; (d)mは、1であり;及び (e)この化合物はチトクロームP450基質である]をもつ請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 式中、X1、X2、X3、X4、X5及びX6がヒドリドである、請求項1
    、2または3に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 前記化合物が、 (a)式中、X2及びX5は、クロロ及びフルオロからなる群から独立して選択され; (b)R1はフェニルであり、及びnは1であり: (c)R1はフェニルであり、nは1であり、X2及びX5は、クロロ及びフルオロから
    なる群から独立して選択され; (d)R1はフェニルであり、R2はフェニルであり、nは1であり、及びmは1であ
    り; (e)R1はフェニルであり、R2はフェニルであり、nは1であり、mは1であり、X
    2及びX5はクロロ及びフルオロからなる群から独立して選択され; (f)R2はフェニルであり、及びmは1であり;及び (g)R2はフェニルであり、mは1であり、X2及びX5はクロロ及びフルオロからな
    る群から独立して選択される、化合物からなる群から選択される、請求項1に記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】 前記化合物が、チトクロームP450-触媒反応に対して約50nMを
    超えるKmをもち、約0.05/分を超えるVmaxをもつ、請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を含む組成物であって
    、前記化合物が少なくとも50重量%を超える濃度で組成物中に配合される、前記
    組成物。
  9. 【請求項9】 前記化合物が、少なくとも75重量%を超える濃度で前記組成物
    中に配合される、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記化合物が、少なくとも80重量%を超える濃度で前記組成
    物中に配合される、請求項8に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記化合物が、少なくとも90重量%を超える濃度で前記組成
    物中に配合される、請求項8に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記化合物が、少なくとも95重量%を超える濃度で前記組成
    物中に配合される、請求項8に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 チトクロームP450酵素活性をアッセイする方法であって、チ
    トクロームP450酵素と、 (a)請求項2により定義された式Iの化合物; (b)請求項4により定義された式IIIの化合物;及び (c)ベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル(DBF); からなる群から選択される化合物とを、前記チトクロームP450酵素が上記化合物
    の蛍光生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件下で接触させることを含む、前記
    方法。
  14. 【請求項14】 前記チトクロームP450酵素が生体試料中に含まれている、請
    求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記サンプルが、粗なホモジネート、生検材料から得られた
    一部精製肝酵素若しくは精製肝酵素、cDNA-発現チトクロームP450、肝細胞、及
    びミクロソームなどの肝臓サンプルからなる群から選択される、請求項13に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 チトクロームP450酵素活性を阻害する薬剤を選択するための
    スクリーニング法であって、チトクロームP450酵素と、 (a)請求項2により定義された式Iの化合物; (b)請求項4により定義された式IIIの化合物;及び (c)ベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル(DBF); からなる群から選択される化合物とを、想定されるチトクロームP450酵素阻害剤
    の存在下で、且つ前記チトクロームP450酵素が前記化合物の蛍光生成物への転換
    に触媒作用を及ぼす条件下で接触させ;次いで チトクロームP450酵素阻害剤としてチトクロームP450酵素活性を阻害する薬剤を
    選択する、各段階を含む前記方法。
  17. 【請求項17】 前記化合物を、マルチウェルプレート・ウェル中で想定され
    るチトクロームP450酵素阻害剤と接触させる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 チトクロームP450酵素を視覚化する方法であって、チトクロ
    ームP450酵素-含有サンプルと、 (a)請求項2により定義された式Iの化合物; (b)請求項4により定義された式IIIの化合物;及び (c)ベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル(DBF); からなる群から選択される化合物とを接触させ、次いで 前記チトクロームP450酵素と前記化合物とを、前記チトクロームP450酵素が前記
    化合物の蛍光生成物への転換に触媒作用を及ぼす条件に暴露する、各段階を含む
    、前記方法。
  19. 【請求項19】 前記チトクロームP450-含有サンプルが組織切片である、請
    求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 チトクロームP450酵素を、 (a)請求項2により定義された式Iの化合物; (b)請求項4により定義された式IIIの化合物;及び (c)ベンジルオキシフルオレセインベンジルエステル(DBF) からなる群から選択される化合物である基質と、前記チトクロームP450酵素が前
    記基質を式IIの化合物へ転換させる条件下で反応させるプロセスにより生成した
    生成物。
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