JP2003505707A - 微小体積レーザ・スキャニング・サイトメトリのためのシステム - Google Patents

微小体積レーザ・スキャニング・サイトメトリのためのシステム

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JP2003505707A JP2001513096A JP2001513096A JP2003505707A JP 2003505707 A JP2003505707 A JP 2003505707A JP 2001513096 A JP2001513096 A JP 2001513096A JP 2001513096 A JP2001513096 A JP 2001513096A JP 2003505707 A JP2003505707 A JP 2003505707A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は生物学的マーカ識別用に改良された統合システムを提供する。生物学的流体(10)の中で生物学的マーカの表現のパターンを測定するために、微小体積レーザ(11)スキャニング顕微鏡法(MLSC)(16)を使用する。システムはMLSCを実行するために改良された計測器を含んでおり、また改良された粒子検出及び分析法も含む。さらにシステムは、他の医療情報と提携してMLSCから得られたデータを分析するための情報処理システム・アーキテクチャを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の技術分野 本発明は、微小体積・レーザ・スキャニング・サイトメトリ(Microvo
lume Laser Scanning Cytomety)(MLSC)を
用いる、生物学的マーカ(biological marker)の分析に関係
する。本発明は、MLSCを実行するための計測器、その計測器から得られるイ
メージデータを分析するためのシステム、及び生物学的マーカ・データ及び医療
情報の統合分析を行うための情報処理システムを含む。発明の背景 遺伝子技術(genomics)、組合わせ化学、及び高スループット・スク
リーニングを含む薬品発見における新しい技術革新の結果、臨床試験に利用可能
な薬品候補の数が、製薬産業の開発及び経済的許容量を超過している。1998
年、世界トップの薬品会社及びバイオテクノロジ会社は、研究開発に500億ド
ル以上を費やし、そのうちの3分の1以上が、臨床開発に直接費やされた。増大
する競合、並びに管理医療組織及び他の支払人からの圧力を含む多くの要因の結
果、製薬産業は、市場に出される新薬の安全性及び効率性を含めた品質向上、並
びに臨床開発の効率の改善を求めている。
【0002】 したがって、最近の薬品発見の技術革新が、臨床試験を困難にする一因となっ
た。確認されている治療ターゲット、並びに生成されている鉛化合物の数は、現
時点で実行されているような、製薬会社が臨床試験を行なう容量をはるかに越え
ている。さらに、新薬を開発する平均コストがほぼ5億ドルであると当産業が現
時点で推定しているように、可能性のある薬品候補のすべてを開発することは法
外に費用がかかる。
【0003】 製薬産業は、薬品開発における相応の技術改善を求めるよう迫られている。臨
床試験は非常に高価で、非常にリスクのある状態のままであり、多くの場合、意
志決定が非常に主観的な分析に基づいてなされている。その結果、薬品が最も有
効な患者母集団、所定の薬品に対する適切な服用量、及びその使用に伴う副作用
の可能性を、判定することは多くの場合困難である。このことは、臨床開発にお
いて、より多くの障害をもたらすだけでなく、不適切に服用され、処方され、あ
るいは危険な副作用を引き起こすかもしれない製品が承認されることになること
もある。それらの進行中の薬品数が増加するにつれて、製薬会社は、薬品開発工
程の初期において、薬品候補の安全性及び効能のプロフィールについての客観的
な測定値を確認する技術を必要としている。
【0004】 生物学的マーカは、測定されたり、あるいは評価される時に、通常の生物学的
なプロセス、病原性のプロセス、又は治療の介入に対する薬理学的な反応、に関
する指標として、離散関係あるいは相関を持つ特性である。治療の介入に対する
薬理学的な反応は、以下に限定されるものではないが、介入に対する一般的な反
応(例えば効能)、介入に対する服用量反応、介入による副作用のプロフィール
、並びに薬品代謝の速さ及び薬品代謝の確認といったような薬物動態学の特性、
を含む。反応は、特効があるか、又はその逆に作用する(例えば有毒な)変化の
どちらかと相関する。生物学的マーカは、病理学的なプロセスと関連して変化し
、診断値及び/又は予想値を持つ、セル又は分子のパターンを含む。生物学的マ
ーカは、セル母集団及びそれらの関係する分子のレベル、可溶性要素のレベル、
他の分子のレベル、遺伝子発現レベル、遺伝子突然変異、並びに病気の存在及び
/又は進行と相関する臨床パラメータを含む。病気の進行又は再発といったよう
な臨床エンドポイント、あるいは生活の質の測定(通常、評価に長時間を要する
)とは対照的に、生物学的マーカは、薬品の臨床的なプロフィールについてより
迅速な量的な測定を提供することができる。臨床業務及び薬品開発の両方におい
て現時点で用いられる単一の生物学的マーカは、コレステロール、前立腺の特定
抗原(「PSA」)、CD4Tセル、及びウイルスRNAを含む。高コレステロ
ールと心臓病との間、PSAと前立腺癌との間、及びCD4プラスTセルの減少
とエイズのウイルスRNAとの間で、よく知られている相関とは異なって、他の
ほとんどの病気と相関する生物学的マーカは、まだ確認されていない。その結果
、政府機関及び製薬会社の両方が、臨床試験で使用するための生物学的マーカの
開発をますます求めているが、薬品開発における生物学的マーカの使用は、現在
まで制限されてきた。
【0005】 病気、病気進行、及び治療法に対する反応、並びに生物学的マーカとの相関を
確立するために必要とされる膨大な量の情報を分類することができる生物学的マ
ーカ同定システムに対するニーズがある。そのような生物学的マーカ同定システ
ムは、1999年4月26日に提出された「Biological Marke
r Identification System(生物学的マーカ同定システ
ム)」と題された米国暫定特許出願第60/131,105号、並びにこの出願
と同時に提出された「Phenotype and Biological M
arker Identification System(フェノタイプおよ
び生物学的マーカ同定システム)」と題され共に所有されている米国実用出願に
おいて、記述されており、それらは共に、その全体がここに参考文献として明確
に組み入れられる。この技術は、何百から何千という生物学的マーカを測定する
のに必要とされる計測器、このデータが容易にアクセスされるようにする情報処
理システム、マーカのパターンを臨床データと相関させるソフトウェア、及びそ
の結果として生じる情報を薬品開発工程内に利用する能力を含む。そのシステム
は微小体積・レーザ・スキャニング・サイトメトリ(MLSC)を広範囲に利用
する。
【0006】 マーカ同定システムの望ましい実施形態では、生物学的流体を、その流体内の
特定の分子と結び付くことのできる1つ以上の蛍光標識付けされた検出分子と接
触させる。通常、その生物学的流体は血液サンプルで、検出分子は、1つ以上の
サブタイプの血液セルの上あるいは中に存在するセル会合分子に特有の蛍光染料
で標識付けされた抗体である。その後、標識付けされたサンプルが毛細管に置か
れ、その毛細管がMLSC器具に取り付けられる。この器具は、顕微鏡の対物レ
ンズを通って血液サンプルに向けられたレーザ光を走査する。サンプルから発っ
せられる螢光は、顕微鏡の対物レンズによって収集され、各蛍光チャンネル内の
サンプルの画像が形成される一連の光電子増倍管に渡される。その後、そのシス
テムは、セルを識別するために各チャンネルからの生の画像を処理し、次に、螢
光抗体で標識付けられた各タイプのセルに対して、完全なセル数、及び相対的な
抗原密度レベルを決定する。
【0007】 またマーカMLSCは、生物学的流体内の可溶性要素の量を計るために、その
要素に対する蛍光標識付けされた二次抗体に加えて、その要素に対する微小球体
束縛一次抗体を用いることによって、使用されることができる。そうすることで
、その要素は、微小球体に結び付けられ、その結び付けられた要素を、二次抗体
の結合が蛍光で標識付けする。この実施形態におけるシステムは、溶性の各要素
の濃度を決定するために、血液サンプル内の各ビードに関する蛍光信号を測定す
る。複数のビード・タイプ(各々が異なる一次抗体と結合する)を用いることに
より、同じサンプル量で複数の分析を実行することが可能である。各ビード・タ
イプを識別するために、異なるビードが別個のサイズを持つか、又は異なる内部
の色を持つか、あるいは各二次抗体が異なる蛍光体で標識付けされる。
【0008】 本発明の望ましい実施形態は、生物学的マーカを検知するために抗体を用いる
が、特に特定の生物学的マーカに結び付くことのできる任意の他の検出分子も意
図される。例えば、様々なタイプの受容分子は、蛍光標識付けされた同系統の配
位子との相互作用を通して検知されることができる。
【0009】 分析の対象であったセル母集団及び可溶性要素に関するデータを作成するため
に、MLSC器具からの生データが、画像分析ソフトウェアによって処理される
。その後、このデータがデータベースに転送される。生物学的マーカと病気又は
医療条件との間の相関を確立する目的で、このセル母集団及び可溶性要素のデー
タに加えて格納されることができる他のデータは、それに制限されるものではな
いが、薬品投与と薬物生体反応(身体内での薬品の濃度とその代謝の測定)、並
びに個人の年齢、性、体重、身長、体型、病歴(病的状態と同等のもの、投薬な
どを含む)、(もしあれば)病気又は医療条件の発現と分類、及び医師によって
なされた他の標準的な臨床観察を含む臨床パラメータ、を含む。また臨床パラメ
ータに含まれるものは、それに制限されるものではないが、標準ELISAテス
ト、酵素活性に対する比色機能検定、及び質量分光測定を含む、個人の体液の中
に存在する特定分子の濃度を測定するための他の技術から得られる結果だけでな
く、環境的な及び家系的な履歴要素である。またデータは、レントゲン写真、脳
のスキャン、又はMRIといったようなイメージ、あるいは個人の状態について
の生体組織検査、心電図、ストレステスト又は他の測定から得られる情報を含む
【0010】 そうして情報処理システムは、a)そのデータを、(同じ個人から、病気の進
行又は治療評価目的のいずれかから)格納されているプロフィールと、及び/又
は(病気診断用の)他の個人からのプロフィールとを比較し、そしてb)新しい
プロフィールを引き出すためにそのデータを「調べる」。このような方法で、診
断及び前兆となる情報がデータベースから得られ、引き出されることができる。
1999年4月26日に提出された米国特許出願第60/131,105号の「
Biological Marker Identification Sys
tem(生物学的マーカ同定システム)」と、共通に所有される米国実用出願に
おいて、この出願と同時に提出された「Phenotype Biologic
al Marker Identification System(フェノタ
イプの生物学的マーカ同定システム)」と題された出願との両方が、参考文献と
してその全体がここに組み入れられ、多くの様々なアプリケーションにおいて、
MLSCの用途が非常に詳しく記述される。システムは、従来の技術システムが
ドナー・サンプル中の変動によって妨げられる分析であっても、強い一貫した分
析データを提供することができる。アプリケーションは、病気進行中及び治療中
の、セルタイプ母集団の変化及び可溶性要素の変化を測定するためにMLSCの
使用を含む。例えば、MLSCは多発性硬化症及び慢性関節リウマチに対する斬
新な生物学的マーカを識別するために用いられることができる。発明の概要 本発明は微小体積・レーザ・スキャニング・サイトメトリ(MLSC)を実行
するために改良されたシステムを提供する。システムはSurroScanシス
テムと名付けられる。それは、可変の走査速度で動作することができ、かつ、4
つの異なる蛍光チャンネル内で同時にデータを収集することができる改良された
MLSC器具を含む。本発明は、MLSC器具から得られた生データ上でイメー
ジ処理を実行するための改良された方法、及び関連データベース内でこのデータ
を機能させる改良された方法を含む。ここで記述される改良点は、高速で多要素
からなる病気データベースの構築及び使用を大いに促進する。このデータベース
は、ユーザが、a)前兆となる結果又は診断に役立つ結果を得るために、レーザ
・スキャニング・サイトメータで得られた血液プロフィールを、よく知られた病
気で苦しむ個人について格納されたプロフィールと比較できるようにし、そして
b)ユーザが特定の病気に対する新しい前兆及び診断に役立つプロフィールを速
やかに構築できるようにし、c)生物学的マーカのパターンと任意の器官内の病
気との間の新しい関連を発見できるようにする。発明の詳細な記述 定義 ここで用いられているような用語「生物学的マーカ」又は「マーカ」あるいは
「バイオマーカ」は、通常の生物学的工程、病原性工程、又は治療の介入に対す
る薬理学的反応の、インディケータとして測定され数値を求められる特性を意味
する。治療の介入に対する薬理学的反応は、制限されるものではないが、一般的
な介入に対する反応(例えば効能)、服用量による介入に対する反応、介入の副
作用プロフィール、及び薬物動態学的特性を含む。反応は、有効であるか、又は
その逆の(例えば有毒な)変化と相関する。生物学的マーカは、病理学的工程に
関連して変化し、かつ診断及び/又は前兆となる値を持つ、セル又は分子のパタ
ーン又は集合を含む。
【0011】 生物学的マーカは、制限されるものではないが、病気の存在及び進行、並びに
治療に対する通常の生物学的工程及び反応と相関する、セル母集団の総数、並び
に会合分子のレベル、可溶性要素のレベル、他の分子のレベル、遺伝子発現レベ
ル、遺伝子突然変異、及び臨床パラメータを含む。臨床業務及び薬品開発の両方
において現時点で用いられる単一の生物学的マーカは、コレステロール、PSA
、CD4Tセル、及びウイルスRNAを含む。高コレステロールと心臓病、PS
Aと前立腺がん、並びにCD4プラスTセル及びウイルスRNAとエイズ、の間
でよく知られている相関とは異なって、他のほとんどの病気と相関する生物学的
マーカは、まだ確認されていない。その結果、政府機関及び製薬会社の両者が、
臨床試験で使用するための生物学的マーカの開発を一層求めているけれども、薬
品開発における生物学的マーカの使用は、現在のところ制限されている。
【0012】 制限されるものではないが、例として、生物学的マーカは、通常の生物学的状
態、病気、又は医療条件と個々別々の関係を持つとしばしば考えられていて、例
えば、高コレステロールは心臓病の危険を増大させることに関連し、高いPSA
レベルは前立腺がんの危険を増大させることに関連し、CD4Tセルの減少及び
ウイルスRNAの増大はエイズの存在/進行と関連する。しかしながら、様々な
病気又は医療条件に対して有効なマーカが、非常に複雑なパターンから成ること
は、かなりよくあることである。例えば、特定のセルタイプ上での1つ以上の特
定のセル表面抗原レベルの低下が、高レベルの1つ以上の溶性タンパク質、恐ら
くサイトカインと共に発見される場合、それが特定の自己免疫疾患を示すもので
あると発見されることがある。したがって、本発明の目的のために、生物学的マ
ーカは多くのインディケータのパターンを参照する。
【0013】 ここで用いられる用語「生物学的マーカ同定システム」は、患者母集団から情
報を得て、データの相関関係及び生物学的マーカの識別を可能にするやり方で、
その情報を消化するためのシステムを意味する。患者母集団は任意の生物体を含
むことができる。生物学的マーカ同定システムは、複数のデータカテゴリからな
る統合データベースと、前記データカテゴリの各々に対応する複数の個人からの
データと、データカテゴリ内のデータを相互に関係づけるための処理手段とから
なり、前記病気又は医療条件を持つ個人を、前記病気又は医療条件を持たない個
人と区別することができるように、データカテゴリ又はカテゴリを識別するため
のデータカテゴリの相関分析がなされることが可能であり、また前記識別された
カテゴリ(複数可)が前記病気又は医療条件に対するマーカである。さらにマー
カは、異なる時点、例えば薬品投与の前と後で、一人の個人に対する様々なデー
タ・カテゴリ内のデータを比較することにより識別されることができる。Sur
roScanシステムと名付けられた本出願であるMLSCシステムは、生物学
的マーカ同定システムの1つの例である。
【0014】 ここで用いられる用語「データ・カテゴリ」は、個人の差分を識別することが
できる測定のタイプを意味する。本発明において有用であるデータ・カテゴリの
例は、制限されるものではないが、個人の生物学的流体内での多くのそして何タ
イプものセル母集団及びそれらの関連する分子と、個人の生物学的流体内での多
くのそして何タイプもの可溶性要素と、個人の臨床パラメータに関連する情報と
、個人の生物学的流体内での1ml当たりのセルの容積測定カウントと、個人の
生物学的流体内での多くのそして何タイプもの小さな分子と、個人のDNAに関
連するゲノム情報とを含む。例えば、単一のデータ・カテゴリは、個人の血液内
のIL−1の濃度に相当する。さらに、あるデータ・カテゴリは、血液又は尿内
の薬品又はその代謝のレベルであってもよい。データ・カテゴリのさらなる例は
、CD4Tセルの確実な総数である。
【0015】 ここで用いられる用語「生物学的流体」は、限定されるものではないが、血液
(全血、赤血球の溶解によって作られる白血球、周辺の血液単核セル、血しょう
、及び血清を含む)、痰、唾液、尿、***、脳脊髄液、気管支の吸引液、汗、便
、関節液、リンパ液、涙、また任意の器官から得られる柔らかくされた組織を含
む任意の生物学的物質を意味する。生物学的流体は、通常は、セルとそれらの会
合分子、可溶性要素、小分子、及び他の物質を含む。血液は、多くの理由のため
に、本発明における望ましい生物学的流体である。まず第1に、血液は容易に利
用可能で、複数回、抜き取ることができる。血液は、時間が経てば、骨髄内の前
駆(セル)から部分的に補充される。血液は抗原投与に反応し、抗原投与につい
ての記憶を保つ。血液は中心に配置され、再循環し、潜在的に身体全体にわたる
変化について伝える。血液は、表面の分子、内部の分子、及び個々のセルに関連
して分泌された分子を含む、多数のセル母集団を含む。また血液は、サイトカイ
ン、抗体、及び急性期タンパク質などのような自分自身のものと、伝染病に関す
る化学薬品及び製品のような外部からのものとの両方である、可溶性要素を含む
【0016】 ここで用いられる用語「セル母集団」は、共通の特性を備えたセル一式を意味
する。その特性は、1、2、3、又はそれ以上のセル会合分子の存在及びレベル
、サイズなどを含む。1、2、又はそれ以上のセル会合分子は、セル母集団を定
義することができる。一般的には、いくつかの追加のセル会合分子が、1つのセ
ル母集団をさらにサブ組化するために使用されることができる。セル母集団は、
母集団レベルで識別されるのであって、タンパク質レベルで識別されのではない
。セル母集団は、1、2、又はそれ以上のセルによって定義されることができる
。いかなるセル母集団も潜在的なマーカである。
【0017】 ここで用いられる用語「セル会合分子」は、セルに関連するいかなる分子もを
意味する。これは、次のものに制限されるものではないが、1)タンパク質、糖
タンパク質、脂質、及び糖脂質のような本来備わっているセル表面分子、2)そ
の受容体に結び付くサイトカイン、Fc受容体に結び付く免疫グロブリン、Bセ
ル又はTセル受容器に結び付く外部からの抗体、及び自己抗原に結び付く自己抗
体、のような外来的なセル表面分子、3)セル質のタンパク質、糖質、脂質、及
びmRNAのような本来備わっている内部分子、並びに核のタンパク質及びDN
A(ゲノム及び身体の核酸を含む)、4)ウイルス・タンパク質及び核酸のよう
な外来的な内部分子、を含む。望ましいセル会合分子は、通常はセル表面のタン
パク質である。一例として、白血球分化抗原(現時点でCD−166を通してC
D抗原を含む)、(Bセル受容体及びTセル受容体のような)抗原受容器、及び
主要組織適合複合体を含む、何百もの白血球のセル表面タンパク質又は抗原があ
る。これらの部類の各々は、莫大な数のタンパク質を包含する。
【0018】 ここで用いられる用語「可溶性要素」は、生物学的流体、通常は血液内で発見
されるすべての可溶性の分子を意味する。可溶性要素は、制限されるものではな
いが、溶性タンパク質、糖質、脂質、リポタンパク質、ステロイド類、他の小分
子、並びに前述の成分の任意の複合体、例えばサイトカインと溶性受容体、抗体
と抗原、及び任意のものに複合する薬品、を含む。可溶性要素には、サイトカイ
ン、抗体、急性期タンパク質などのような自分自身のものと、伝染病の化学薬品
及び製品のような外部からのものとの両方がある。可溶性要素は、本来備わって
いるもの、つまり、個人によって作成されたものであるか、あるいはビールス、
薬品又は環境上の毒素のような外来性のものである。可溶性要素はプロスタグラ
ンディン、ビタミン、代謝物質(鉄、糖類、アミノ酸などのような)、薬品及び
薬品代謝のような小さな分子化合物でありうる。
【0019】 ここで用いられる用語「小分子」又は「器官分子」あるいは「小器官分子」は
、2〜2000の範囲内の分子量を持つ、可溶性要素あるいはセルに関連する要
素を意味する。小分子は、制限されるものではないが、プロスタグランディン、
ビタミン、代謝物質(鉄、糖類、アミノ酸などのような)、薬品、及び薬品代謝
を含む。1つの重要な実施形態では、MLSCシステムが、治療法制度中に他の
生物学的マーカと力を合わせて、生物学的流体内での薬品濃度及び薬品代謝の変
化を測定するために用いられる。
【0020】 ここで用いられる用語「病気」又は「医療条件」は、任意の生体内での身体機
能、システム、あるいは器官の、障害、休止、不調又は変化を意味する。病気又
は医療条件の例は、制限されるものではないが、免疫欠乏及び炎症性の状態、癌
、心臓血管の病気、伝染病、精神医学的状態、肥満症、また他のそのような病気
を含む。図解の方法で、免疫及び炎症性の状態は、慢性関節リウマチ(RA)、
多発性硬化症(MS)、糖尿病などをさらに含む自己免疫疾患を含む。
【0021】 ここで用いられる用語「臨床パラメータ」は、病気又は医療条件に関連する臨
床的なセッティングにおいて得られる情報を意味する。臨床パラメータの例は、
制限されるものではないが、年齢、性、体重、身長、身体タイプ、病歴、民族性
、家族の履歴、遺伝要素、環境要因、病気又は医療条件の発現と分類、並びに、
血圧、MRI、レントゲン写真などのような任意の臨床的な実験テストの結果を
含む。
【0022】 ここで用いられる用語「臨床エンドポイント」は、患者がどのように感じ、機
能し、生存しているかを測定する特性又は変数を意味する。 ここで用いられる用語「微小体積・レーザ・スキャニング・サイトメトリ」又
は「MLSC」あるいは「MLSCシステム」は、蛍光で標識付けされた検出分
子を用いて、サンプルを蛍光放射が記録される光学スキャニングにさらして、小
容積のサンプル内の組成の存在を検知する方法を意味する。MLSCシステムは
、他の技術とそれの相違を示すいくつかのキーとなる特徴を持っていて、1)多
くの分析に対して、少量の血液(5−50μl)だけが必要とされ、2)確実な
セル数(1μl当たりのセル数)が得られ、3)分析を、全血上か、又は浄化さ
れた白血球上のどちらかでダイレクトに実行することができる。この技術が実現
すれば、一回の血液採取から、数百の異なるセル母集団の測定が容易になされる
。MLSC技術は、米国特許第5,547,849号及び第5,556,764
号、及びディーツ等による((1996年の)サイトメトリ23:177−18
6)、並びに1998年8月21日に提出された「Laser−Scanner
Confocal Time−Resolved Fluorescence
Spectroscopy System(レーザ・スキャナの焦点を共有す
る時間分解蛍光分光システム)」と題された米国暫定特許出願第60/097,
506号、及び1999年8月20日に提出された「Novel Optica
l Architectures for Microvolume Lase
r−Scanning Cytometers(微小体積・レーザスキャニング
・サイトメータのための斬新な光学アーキテクチャ)」と題された米国特許出願
第09/378,259号に記述されており、それらの各々が、その全体がここ
に組み入れられる。微小体積毛細管を備えたレーザ・スキャニング・サイトメト
リは、全血、処理された血液、及び生物学的流体を含む他の流体内の、蛍光で標
識付けされたセル及び分子をモニタするための強力な方法を提供する。さらに本
発明は、小量の血液から複数の生物学的マーカの同時測定を行うためのMLSC
器具の容量を向上させることにより、MLSC技術を向上させる。本発明の改良
されたMLSCシステムは、「SurroScanシステム」と名付けられる。
【0023】 ここで用いられる用語「検出分子」は、重要な分子、特にタンパク質に結び付
くことができる任意の分子を意味する。望ましい検出分子は抗体である。抗体は
単クローン性又は多クローン性でありうる。
【0024】 ここで用いられる用語「色素」、「蛍光体」、「蛍光色素」、「蛍光標識」、
又は「蛍光性のグループ」は、レーザによる励起で蛍光を発することができる分
子を意味するために、交互に用いられる。間接的なリンクもまたここで包含され
るが、色素は通常、本発明内の検出分子と直接的にリンクされる。多くの色素が
この技術分野ではよく知られている。特定の望ましい実施形態では、スペクトル
の(600nmを越える)赤い領域で起動することができる蛍光体が用いられる
。2つの赤い色素、Cy5及びCy5.5が通常は用いられる。それらは、66
5及び695ナノメートルの放射ピークをそれぞれ持っており、抗体に容易に連
結することができる。両方とも、ヘリウムネオンレーザでもって633nmで起
動することができる。使用されることができる3つの赤い色素の組は、Cy5、
Cy5.5及びCy7、あるいはCy5、Cy5.5及びCy7−APCを含む
。また、1999年7月6日に提出された「Bridged Fluoresc
ent Dyes、Their Preparation and Their
Use in Assays(ブリッジ蛍光色素、分析に際してのその準備及
びその使用)」と題された米国仮特許出願第60/142,477号を参照のこ
と。
【0025】 ここで用いられる用語「微粒子」は、いくつかの実施形態中で、生物学的マー
カに関する情報を得るためにMLSCによって検知される、すべての巨大分子の
構造を意味する。いくつかの実施形態では、その検知される微粒子は、セルであ
り、他の実施形態では、検知される微粒子は、抗体に標識付けされたビードであ
る。
【0026】 本発明は、SurroScanシステム又は単にSurroScanと名付け
られた、改良された微小体積・レーザ・スキャニング・サイトメトリ(「MLS
C」)システムを提供する。先のシステムは、米国特許第5,547,849号
及び第5,556,764号、並びに1999年4月21日に提出された「Bi
ological Marker Identification Syste
m(生物学的マーカ同定システム)」と題された米国特許出願第60/131,
105号、1998年8月21日に提出された「Laser−Scanner
Confocal Time−Resolved Fluorescence
Spectroscopy System(レーザ・スキャナの焦点を共有する
時間分解栄光分光システム)」と題された米国暫定特許出願第60/097,5
06号、ディーツ等による((1996年の)サイトメトリ23:177−18
6)、及び1999年8月20日に提出された「Novel Optical
Architectures for Microvolume Laser−
Scanning Cytometers(微小体積・レーザスキャニング・サ
イトメータのための斬新な光学アーキテクチャ)」と題された米国特許出願第0
9/378,259号に記述されており、それらの各々が、その全体がここに組
み入れられる。バイオメトリック・イメージング(Biometric Ima
ging)社から市販されているImagn2000システムは、従来技術のM
LSCシステムの例である。
【0027】 本発明の改良されたMLSCシステムは、次のコンポーネントを含む、 (a)被検体サンプルから生データを得るための電子制御システムを含むMLS
C器具、 (b)MLSC器具から生データを収集し向上させるための画像分析システム、
(c)多重パラメータ分析設計、測定器制御、最終データ分析、及びデータ・ア
ーカイビング用の統合された情報処理システム・アーキテクチャ。
【0028】 現在の発明は、MLSCシステムの操作のいくつかのキーとなる側面における
重要な改良、つまりa)MLSC光学、b)MLSCシステム制御電子工学、c
)画像表示及び分析のアルゴリズム、並びにd)情報処理システム・アーキテク
チャを提供する。また本発明は、業界標準であるフロー・サイトメトリ・スタン
ダード(.FCSファイル形式)に画像表示及びデータ変換するための改良され
た方法を提供する。MLSC計器 SurroScanシステムは、MLSC器具の光学アーキテクチャにおいて
重要な改良を提供する。前のMLSC器具は、通常は2本のチャンネルの蛍光信
号を検知することができたが、そのために、単一の実験で同時に検知することが
できる被検体の数が制限された。いくつかのアプリケーションでは、特定のセル
を識別するために、2つ以上の異なる蛍光信号を検知する必要がある。例えば、
CD4、CD45RA及びCD62Lを示す単純なTセルのようないくつかのセ
ル母集団を識別するには、3つ以上の抗原の同時測定が必要である。本発明の改
良されたSurroScan器具は、少なくとも4つの別個の蛍光信号を検知す
ることができ、そのために、単一の実験内で少なくとも4つの別個の蛍光試薬を
使用することができる。改良された光学的構成の1つの実施形態が図1に示され
る。毛細管アレイ10は、分析のためのサンプルを含む。望ましい実施形態では
、平行にされた励起光が、1つ以上のレーザによって提供される。特に望ましい
実施形態では、633nmの励起光がヘリウム‐ネオン・レーザ11によって提
供される。この波長は、生体試料の自己蛍光に関連する問題を回避する。レーザ
の出力が3〜17mWまで増大させられる。レーザ・パワーを高めると、2つの
潜在的利点、つまり感度の増大及び走査速度の増大がもたらされる。平行にされ
たレーザ光は、励起ダイクロイック・フィルタ12によって偏光させられる。反
射して、光は検流計駆動の走査反射鏡13上に入射する。走査反射鏡は、固定さ
れた範囲の角度上を、例えば+/−2.5度、検流計によって急速に揺れ動かさ
れることができる。走査反射鏡は、顕微鏡の対物レンズ16の入射瞳孔上に、そ
の走査反射鏡を映し出す2つのリレーレンズ14及び15の中にその入射光を反
射する。この光学的構成は、反射鏡で走査された特定の角度を、顕微鏡の対物レ
ンズの焦点での特定のフィールド・ポジションに変換する。+/−角度の走査は
、対物レンズの焦点での1ミリメートルのスキャン幅になる。走査角度とフィー
ルド・ポジションの関係は、この構成において、及びこの範囲の角度上では、本
質的に線形である。さらに、顕微鏡の対物レンズは、入ってくる平行ビームを対
物レンズの焦点平面で1つのスポットに集束させる。光学的解像度を設定するそ
のスポットの直径は、平行ビームの直径及び対物レンズの焦点距離によって決定
される。
【0029】 走査される励起ビームの経路に置かれる蛍光サンプルは、ストークスシフトさ
れた光を発する。この光は対物レンズによって収集されコリメートされる。この
コリメートにされた光は、2つのリレーレンズ14及び15から、コリメートさ
れたままで現れ、走査反射鏡に突き当たり、反射鏡はそれを反射しスキャン解除
する。その後、ストークスシフトされた光は、ダイクロイック励起フィルタ(よ
り短い波長光を反映し、より長い波長光を通す)を通り抜け、そしてその後、さ
らに任意の反射された励起光を濾過する働きをする第1の長いパス・フィルタを
通過する。
【0030】 その後、本発明の改良された器具は、4つの異なる発光バンドにストークスシ
フトされた光を分けるために、さらに一連のダイクロイック・フィルタを用いる
。第1の蛍光ダイクロイック・フィルタ18は、2つの最も赤い蛍光色から、2
つの最も青い蛍光色を分割する。その後、いかなる焦点の外れた蛍光信号をも著
しく減少させるために、第1の集束レンズ20を通して、2つの最も青い色が、
第1のアパーチャ19上に集束させられる。アパーチャを通過した後、第2の蛍
光ダイクロイック・フィルタ21がさらに、個々の青い色を互いに分離する。そ
うして、その個々の青い色が、2つの別個の光電子増倍管22及び23で分析さ
れる。最も赤い2つの色は、第1の蛍光ダイクロイック・フィルタ28によって
最も青い2色から分割された後、第2の長いパス・フィルタ25、ミラー26、
及び第2の集束レンズ27を通して、第2のアパーチャ24上に集束させられる
。アパーチャ24を通り抜けた後に、最も赤い色は、第3の蛍光ダイクロイック
・フィルタ28によって互いに分離される。その後、個々の赤い色が、光電子増
倍管29及び30で分析される。このようにして、4つの別個の蛍光信号が、毛
細管の中に保持されたサンプルから、同時に個々の光電子増倍管に伝送されるこ
とができる。この改良によって、初めて、別個の4つの被検体が同時にモニタさ
れることが可能になる。各光電子増倍管は、入ってくる蛍光光子束に応じて、電
子の流れを生成する。これらの個々の電流は、検出電子工学で、1つ以上のプリ
アンプによって個々の電圧に変換される。その電圧は、走査されたイメージに対
して、ピクセルの輝度を決定するために、アナログ・デジタル変換器によって規
則的な間隔でサンプルされる。本発明の4チャンネルは、0、1、2及び3と名
付けられる。
【0031】 意味のあるデータが、単一の励起波長、例えばヘリウム‐ネオン・レーザから
の633nmを用いて、得られるようにするためには、単一の励起波長から励起
されることができ、オーバーラップが最小で識別可能な波長を発する、色素が必
要である。ヘリウム‐ネオン・レーザを用いる3チャンネル検出システムに対し
て、3種の色素の適切な1つの組合せは、Cy5(670nmで放射ピーク)、
Cy5.5(694nmで放射ピーク)、及びCy7(767nmで放射ピーク
)である。代案となる実施形態では、アロヒコシアニン(allophycoc
yanin(APC))がCy5と置換される。Cy7(743nm)に対する
吸収ピークが、ヘリウム‐ネオン励起レーザの波長(633nm)からずっと離
れているので、通常、この分野の技術を持つ者であれば、ヘリウム‐ネオン励起
システムにおいてCy7が有用であるとは見なさない。しかしながら、本発明者
は、全血内の特定のセルを数え上げるために、Cy7が633nmで十分に励起
させられることが可能であることを発見した。この励起は、おそらく長い励起テ
ールの存在に起因し、それはMujumdar,R.B.、L.A.Ernst
、S.R.Mujumdar、C.J.Lewis、及びA.S.Waggon
erによって1993年に「Cyanine dye labeling re
agents:sulfoindocyanine succinimidyl
esters(試薬にラベルを付けるシアニン色素であるスルホインドシアニ
ン・スクシンイミディル・エステル)」と題されたBioconjugChem
.4:105−11に記述されていて、その全体がここに参考文献として組み入
れられる。Cy7の励起及び検出は、レーザーパワーを増大させること、及びス
ペクトルの赤色領域に対してより敏感な検出器を用いることにより改良されるこ
とができる。
【0032】 他の実施形態では、APC励起波長で励起可能であるが、Cy7放射波長で放
射する、縦並びの色素を作るために、Cy7がAPCに連結される。この縦並び
の色素は、アクセプタ(Cy7)を励起させるために、ドナー(APC)からの
エネルギー移動を用いるが、そのことは、Beavis,A.J.、K.J.P
ennlineによって1996年に「Allo−7:a new fluor
escent tandem dye for use in flow cy
tometry(Allo−7:流動セル分析において使用するための新しい蛍
光の縦並び色素)」と題されたCytometry,24:390−5、並びに
Roederer,M.、A.B.Kantor、D.R.Parks、及びL
.A.Herzenbergによって1996年に「Cy7PE and Cy
7APC:bright new probes for immunoflu
orescence(Cy7PE及びCy7APC:螢光抗体法のための鮮やか
な新しいプローブ)」と題されたCytometry,24:191−7におい
て記述されており、その両方ともその全体がここに参考文献として組み入れられ
る。
【0033】 本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の励起波長が使用される。1つ以
上の励起波長を用いることによって、各色素が同じ励起要件を持つ必要がないよ
うに、種々様々の蛍光色素を用いることが可能である。複数の励起波長が、少な
くとも3つの方法、(1)488nm、568nm、及び647nmの励起波長
を備えた励起光源としてAr−Krレーザを用い、そのために、3つの異なる蛍
光性のグループ(例えばフルオレセイン、ローダミン、及びTexas Red
(登録商標))からの3種類の励起に対する使用が可能となる方法、(2)コリ
メートされた励起光の異なる波長を各々が供給する1つ以上のレーザ・ソースを
用いる方法、(3)多光子の蛍光励起用のTi−Sレーザ(〜700nmの励起
光)又はNd:YLFレーザ(1047nmの励起光)といったようなフェムト
秒のパルスを生成することができるレーザを用いる方法、で得られる。
【0034】 上に記述された本発明の実施形態は、別個の4本のチャンネルを用いるが、こ
こで開示される光学アーキテクチャは、より多くの偶数個のチャンネルを備えた
器具の設計を考慮に入れる。
【0035】 望ましい実施形態では、走査されるサンプルが、X、Y及びZ平面に自動翻訳
可能なステージに取り付けられる。検流計で操作される反射鏡が、Y軸における
励起ビームを走査するが、その時、ステージはX軸においてサンプルを等速度で
移動させる。走査されたビーム速さで乗算された各アナログ・デジタル変換器の
サンプル採取間隔が、イメージのY軸にけるピクセル間隔を決定する。線レート
で割り算されたXステージ走査速度は、イメージのX軸におけるピクセル間隔を
決定する。
【0036】 ステージはX軸において個々のサンプルを走査するだけでなく、顕微鏡の対物
レンズに対して多くのサンプルを左右に動かすことができる。このようにして、
いかなるオペレータも介入せずに、コンピュータ制御によって、多くの個々のサ
ンプルを順次走査することができる。このことが、器具のスループットを大幅に
増大させ、器具による臨床セッティング内の血液サンプルの高速での自動分析を
より行いやすくする。
【0037】 本発明の望ましい実施形態では、SurroScanのMLSCのステージが
、1つ以上の毛細管アレイを保持し、その各々が96−ウェル・プレートのフッ
トプリントを持つ。各毛細管は、分析されるべきサンプルを保持する。多重チャ
ンネル・ピペットと互換性をもつ各々32本の固定された毛細管及び間隔を持つ
使い捨ての毛細管アレイは、1999年4月23日に提出された「Dispos
able Optical Cuvette Cartridge(使い捨ての
光学キュベット・カートリッジ)」、「Spectrophotometric
Analysis System Employing a Disposa
ble Optical Cuvette Cartridge(使い捨ての光
学キュベット・カートリッジを使用する分光光度分析システム)」、及び「Va
cuum Chuck for Thin Film Optical Cuv
ette Cartridge(薄膜の光学キュベット・カートリッジ用の真空
チャック)」と題された米国仮特許出願の代理人登録第032517−004号
、005号及び006号、並びに2000年4月21日に提出された「Disp
osable Optical Cuvette Cartridge(使い捨
ての光学キュベット・カートリッジ)」と題された共有される米国特許出願、に
おいて記述されていて、その全体がここに参考文献として組み込まれる。各アレ
イは、毛細管の内側の大きさを規定するように型抜きされている、2倍の粘質を
持つ粘着層で共に間にはさまれた2層のマイラーから造られる。その結果生じる
カートリッジは、フレックス−32と呼ばれ、大量に低価格で製造されることが
できる。カートリッジは柔軟であり、そのために、真空圧力によって光学的に平
らな底板上に保持されることが可能であり、製造工程において平らであることに
対する要件が除去される。毛細管の間隔は、多重チャンネル・マイクロプレート
・ピペッタ及びロボット工学との互換性を保持するように設計された。
【0038】 望ましい実施形態では、オペレータが、32本の毛細管を持つ2つのプレート
を一度に取り付けることができる。プレートが走査され、イメージが処理されて
いる間は、オペレータの介入は必要ない。代案として、Imagn2000(V
C120)用に設計された16本の個別の毛細管が、別のホルダに取り付けられ
る。
【0039】 ステージのZ運動は、対物レンズの焦点平面に各サンプルを置くための手段を
提供する。またZ運動は、各々の個別のサンプルに対する焦点平面イメージのス
タックを捕捉することができるよう走査されることが可能である。オペレータ介
入の必要性を回避するために、コンピュータ制御システムによって、各サンプル
に対する最適の焦点位置を、この走査されたZイメージから決定できることが望
ましい。さらに、サンプルの2つの両端に対して、最適の焦点を決定することが
できる。サンプルがX軸において走査されている間、ステージは、2つの両端の
間の焦点差を通じて等速度で動かされ、そうしてサンプルあるいは取付具に存在
するかもしれないすべての傾斜を修正する。
【0040】 レーザ光線の走査速度は、各ピクセルで光信号を統合するのに費やされる時間
量を決定するが、統合時間が長いほど、信号対雑音比が良くなる。また走査速度
は、システムのスループット速度に比例する。以前のMLSC器具は、単一の速
度でサンプルを走査した。これは多くのアプリケーションにとって適切であるが
、本発明は走査速度が変更可能なシステムの使用を意図する。そのように走査速
度が変更可能なシステムであれば、各々の個別のサンプルに対してシステム感度
を最適化することが可能である。例えば、ある種の分析は、サンプル内に非常に
低濃度で存在する検体の検出を必要とするかもしれない。そのような低濃度の検
体からの蛍光信号は、バックグラウンド・ノイズに比べて、相当低い可能性があ
る。このような場合、走査をゆっくり行うことによりシステム感度を増大させる
ことができ、各ピクセルで光信号を統合するための時間をより多くすることが可
能である。このことにより、信号対雑音比内が大きく改善されることになる。対
照的に、ある種の分析では、サンプル内に検出される特定の検体の濃度が比較的
高いために、はるかに明るい蛍光信号の検出を伴うかもしれない。この場合、よ
り速い走査速度が望ましく、満足な信号対雑音比を達成する各ピクセルの信号を
統合するために必要な時間は少しでよい。また走査速度が速ければ、それだけ大
きなサンプル・スループットが得られる。したがって、ここで考えられている走
査速度が変更可能なシステムは、従来技術である走査速度が固定されたシステム
にとって大きな改善である、なぜならば、それは、a)各検体の信号対雑音比を
最適化することができ、そのために、各検体にとって可能な最も高い品質のデー
タを収集でき、そして、b)可能な最も効率的なスループット速度でシステムを
機能させることができるからである。すべての場合に、検流計に取り付けられた
反射鏡の走査速度を調整することによって、及びサンプル・イメージング中にス
テージがX軸において移動する速さを調整することによって、その走査速度は変
更されることができる。
【0041】 またSurroScanシステムは、各走査速度でシステム感度を最適化する
ために、アナログ処理回路に組み込まれる斬新な切り替え可能フィルタ・スキー
ムを提供する。低域通過フィルタは、一般に重要な信号を通過させるため、及び
測定工程で作られる不必要な高周波ノイズを拒絶するために用いられる。Sur
roScanシステムでは、各走査速度に対する最適フィルタ帯域幅が、異なっ
ていて、通常は走査速度に比例する。望ましい実施形態では、少なくとも2つの
帯域幅が、切り替え可能なフィルタによって各チャンネルに提供される。特に望
ましい実施形態では、4つの帯域幅が提供される。図2A及び2Bは、4、8、
12、及び16kHZ(64、128、192、及び256ヘルツの走査速度用
の最適帯域幅にそれぞれ対応する)の帯域幅を提供する切り替え可能なフィルタ
・スキームのための回路図を示す。望ましい実施形態では、そのようなフィルタ
帯域幅スイッチング・スキームが、各光電子増倍管チャンネルと関係する。
【0042】 したがって、本システムは、1)システムの走査速度が信号対雑音比を最適化
するように変更可能であり、2)各信号チャネルでの各アナログ・フィルタの帯
域幅もまた信号対雑音比をさらに最適化するために変更されるという、2つの別
個の方法で最適化されるので、本発明は従来技術のMLSCシステムを越える大
きな改良である。この斬新な組合せは、相乗してMLSC器具及びシステムの感
度及び効率を向上させる。
【0043】 本発明の望ましい実施形態では、SurroScanシステムの最適の走査速
度及びフィルタ帯域幅が、各々の実行される特定の分析に対して決定される。こ
れらの変数は、後にオペレータが同じ分析の再実行を選択する場合に、これらの
設定値を自動的に選択することができる臨床プロトコル・データベース(以下を
参照)に格納される。このようにして、同じステージ上で、多くの様々な分析を
行うことが可能であり、コンピュータは、各サンプルに対して、前もって定義し
た最適の走査速度及びフィルタ設定を自動的に選択することができる。この利点
が、SurroScanシステムの柔軟性に大きく寄与している。
【0044】 上に記述されたすべての実施形態は、微粒子を検知するために、可視か、ある
いは電磁スペクトルの赤外線部分の近くで発する蛍光体のレーザ励起を使用する
ことに注目すること。しかしながら、本発明はまた、赤外線のような他のタイプ
の電磁放射及び放射プローブの使用を意図する。さらに、本発明は、ただの単一
のプローブだけではなく、プローブのアセンブリの使用を意図する。また本発明
は、制限されるものではないが、ラマン散乱、ミー散乱、ルミネセンス、及び燐
光を含む、蛍光以外の光散乱モードの使用を意図する。SurroImage画像分析ソフトウェア イメージ処理は、レーザ・スキャニング・サイトメトリにとって、重大な要件
である。イメージ処理プログラムは、セルの蛍光又は他の微粒子の蛍光(チャン
ネル)の異なるスペクトル領域を描写する複数のバイナリ・イメージを処理する
必要がある、また、各チャンネルのバックグラウンド蛍光レベルを決定する必要
がある、また、ノイズからセル又は他の微粒子を数えあげることができるような
、各チャンネルの全体のノイズ、また、バブル、ゴミ微粒、及び他の「汚れ」や
「ほこり」の源といったような外来の信号を無視する必要がある、また、制限さ
れるものではないが、加重フラックス、サイズ、楕円率、並びに同じ位置にある
他チャンネル内の信号間の比率及び相関を含むパラメータをレポートするために
、各々の識別されたセル又は微粒子の特性を決定する必要がある。SurroS
canシステムは、上記の基準を満たし、テキスト・リストモード・フォーマッ
トでの分析結果を出力するSurroImageシステムと呼ばれるイメージ処
理及び微粒子検出システムを含む。
【0045】 SurroImageシステムについての次の説明は、バイナリ・イメージ入
力ファイル(.sml)で始まり、関連する様々なアルゴリズムの記述及び説明
を備えたテキスト・リストモード出力ファイル(.lsm)までの、関数の形式
で与えられる。図3は、SurroImageシステムによって実行される操作
のフローチャートを描く。後に続く有効にする記述において、SurroIma
geシステムは、セル検出のコンテキストで記述されることにも注意すること。
しかしながら、上に記述されるように、SurroImageシステムは、抗体
標識付けされたビードのような、定義済みの物理パラメータを備えるいかなる構
造をも検知することができる。SurroImageシステムは、制限されるも
のではないが、「Biological Marker Identifica
tion System(生物学的マーカ同定システム)」と題された米国暫定
特許出願第60/131,105号、及びこの出願と同時に提出された「Phe
notype and Biological Marker Identif
ication System(フェノタイプの生物学的マーカ同定システム)
」と題された共有される米国実用出願において記述されている実施形態を含めて
、従来技術において記述されるMLSCのいかなる実施形態での使用に対しても
意図される。入力 本発明の望ましい実施形態では、バイナリの組み合わせられたフォーマットが
、イメージデータを格納するために用いられる。図4に図解されたフォーマット
で、いかなる数の16ビット・データ・チャネル(イメージ)でも組み合わされ
ることができる。チャンネル・イメージ・アレイは、各行に沿って格納される:
(行0:列0、列1、列2,...、列n列;行1:...行n行へ)、ただし
、n列は通常250ピクセルで、n行は通常10000ピクセルである。図4に
示されるようなSM1ヘッダは、記述子当たり4バイトを備えたヘッダ内に28
バイトを持つ。各ファイル記述子は、下位−上位ワードの形式で配列される。「
4文字記述子」は「SM01」のようなユニークなイメージ・タイプを記述する
任意の4文字でありうる。
【0046】 本発明の1つの実施形態で、システムはピクセル当たり2バイトあるいは16
ビットを使用しているので、各ピクセルは、65536の値のうちのいずれかを
持つことができる。しかしながら、フィールド記述子「ピクセル当たりのバイト
」が、ワードからフロートまで、又は他のデータフォーマットまで、イメージタ
イプを拡張する柔軟性を可能にする。さらに、変数フィールド「ヘッダ内のバイ
ト」が、さらなるフィールド記述子を追加する能力を見込む。例えば、このフォ
ーマットを利用する4バイトのフロート・イメージは、1ピクセル当たりのバイ
ト=4を設定することになり、次いで恐らく、さらなる記述子フィールドが、フ
ロートとしてフォーマット・タイプを記述するために追加される。その「インタ
ーリーブ」フィールドは、シーケンシャルモードでチャンネルを書くオプション
を与える。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、走査システムが、チャン
ネル情報を同時にではなく、順次に集める、例えば、最初にチャンネル0のすべ
てのデータを格納し、次にチャンネル1が続くといった具合である。図4は、望
ましいファイル・フォーマットの図式を示す。
【0047】 望ましい実施形態では、*.SM1ファイルが、SurroImageから読
み取られ、各チャンネルがハンドル記述子を備えたメモリに格納される。データ
の各チャンネルに関する情報は、イメージ・ハンドル特性と共に、SmImag
eInfoと称されるクラスに格納されるが、hImはその構造の1メンバであ
る。実行 :任意パラメータ 望ましい実施形態では、SurroImageは実行可能なコマンド行である
。プログラムを実行するために、次のフォーマットが使用されることができる。 C:>SurroImage{SM1入力ファイル}{任意のLSM出力ファイ
ル}{任意パラメータ・リスト} ただし、 SM1入力ファイル: *.sm1ファイルへのフルパス、 任意のLSM出力ファイル: *.lsmの出力位置を指定する任意のフルパス
。このパラメータが省略される場合、ベース名*を含む*.sm1と同じパスが
使用される。 任意パラメータ・リスト: スペースで区切られた複数のパラメータが割り当て
られる。フォーマットの例は、 SurroImage C:/SM1_Files\Image1.sm1 C
:\LSM_Files\Image1.lsm ThreshRatio=1
.2 Write RAWFiles である。
【0048】 任意パラメータは、制限されるものではないが、以下のものを含む。 ThreshRatio: セル検知閾値レベルを決定するために使用される倍 数因子。 iNumCorrelations: チャンネルのiNumCorrelat ions数への相関を提供する。 UseBandPassForBlob: 1の場合、セルを検知するために濾 過されたイメージを使用する(UsePeaksForBlobsと相 互排除でなければならない)。 UsePeaksForBlobs: 1の場合、セルを検知するために、5x 5核の中心と、外部ピクセルとの間の差分を使用する。 UseFullPerimDetect: 1の場合、セルを見つけるために中 心と関連する外部のすべての周囲ピクセルを使用する。 Blobarealo: 検知すべき最小のセル直径。 MaxCellSize: MaxCellSizeへのセルの直径を直径> MaxCellSizeに設定する。 RowsPerNoiseBlock: ピーク−ピーク・ノイズ計算において
、 ブロック当たりに使用する行の数 SampleRowsPerNoiseBlock: ノイズ計算用に各ブロッ ク内でサンプリングすべき行の数 MaxBlobPix: 閾値化されたメジアン減算ソースイメージが、特定の セグメントをイメージ・マスクに追加されるべき「ブロブ」として指定 する、隣接ピクセルの数 MaxBubblePix: 負に閾値化されたメジアン減算ソースイメージが
、 特定のセグメントをイメージ・マスクに追加されるべき「バブル」とし て指定する、隣接ピクセルの数 BubbleThreshFactor: バブル検出のためにメジアン減算ソ ースイメージに適用される−threshold*Noisefact or。代わりに、Noisefactorは、ベースライン値(本文参 照)に置き換えることができる。 BlobThreshFactor: 汚れ検出のためにメジアン減算ソースイ メージに適用されるthreshold*Noisefactor。代 わりに、Noisefactorは、ベースライン値(本文参照)に置 き換えることができる。 MaskDilationPix: 最終マスク・イメージは、拡大したMas kDilationPixピクセルである。 WriteRAWFiles: すべての中間の画像ファイルがC:\Aのディ レクトリに書き込まれるべきかどうかを示す診断に用いるブール変数 SameCellRadius: それらの重心間の距離(フロート・フォーマ ットにおける)が、SameCellRadius以下である場合、代 替チャネル内のセルは、同じセルと見なされる。 NomCellMicrons: 次の3つのパラメータは、すべてのセル計算 のために用いられる核・サイズを決定する。 BeamMicrons: NomCellPix=hypot(NomCel lMicrons、BeamMicrons)/MicronsPer Pix MicronsPerPix: iNomCellPix=(int)(Nom CellPix+1.)で、iNomCellPixは(Kernel Size−1)/2である。 PrintMode: LSMファイルのテキスト出力フォーマットを決定する ための数えられる変数で、0の場合は人間に読み取り易く、1の場合は タブで区切られ、2の場合はカンマで区切られる。各チャンネルからのソースイメージの処理 SurroImage内の主要ルーチンは、SMProcessImages
()と称される。望ましい実施形態では、制限されるものではないが、Surr
oImageシステムが、各ソースイメージ、すなわち各チャンネルからのイメ
ージ上に、濾過を行い、マスクをし、汚れ及びバブルを見つけ、最初のセルリス
トを確立することを含めて、多くの機能を実行する。SurroImageシス
テムの主要な機能は、発生している個々のチャンネルを合計することなく、各チ
ャンネルが別々に分析されるということである。手短かに言えば、SurroI
mageシステムは、ノイズ及びバックグラウンド機構(バブルや汚れのような
)を除去し、かつ識別される微粒子の空間特性を備えた特徴を増強させるために
、各ソースイメージ上で多くの操作を別々に実行する。またシステムは、各チャ
ンネルの微粒子決定用の閾値を決定し、この閾値及び微粒子パラメータに基づい
て、各チャンネルの微粒子を別々に識別し分析する。その後、システムは、微粒
子がそのチャンネルに対する閾値未満であったために微粒子が検知されなかった
残りのチャンネルにおいて、同じピクセルを発見し、それらのチャンネル内の微
粒子のパラメータも測定する。この方法で、SurroImageシステムは、
微粒子が最初は識別されなかったチャンネルでさえ、各識別された微粒子のデー
タを収集する。
【0049】 望ましい実施形態では、1)濾過されたソースイメージ(たたみこみ核のアプ
リケーション)、2)メジアン減算ソースイメージ、及び3)一時記憶用に使用
される作業イメージ、を格納するために用いられる、多くの浮動小数点イメージ
にハンドルを開くことによって、SurroImageシステムが始動する。さ
らに、多くのBYTEイメージが、後で説明されるマスク・イメージを含む、上
記の浮動小数点イメージの閾値バージョンを格納するために作成される。
【0050】 各チャンネルに対して、ベースラインとなる分析を実行することにより、ルー
チンが始動することが望ましい。このサブルーチン・コールは、y(注釈:後の
参考のために、xは、通常は40ミリメートルあるいはn行=10000ピクセ
ルである長い毛細管の方向であり、yは、通常は1ミリメートルあるいはnCo
ls=250ピクセルである検流計走査の方向である)に関するベースラインの
全体的な変動に対する統計値を返す。統計値は、ベースラインが、定義済みの制
限(一般に、最大値−最小値>0.3メジアン値)を越えて変化したことを示す
ブーリアン値のBaselineErrorFlagを含めて、全体的に格納さ
れることができる。図5は、フローチャート形式でこのプロセスを描く。
【0051】 それから望ましい実施形態では、15x15のメジアン核が、TurboMe
dian()と称される高速のメジアン・アルゴリズムを用いて、各ソースイメ
ージに適応される。核は、15xl5核内の中心ピクセルを、核内の全ピクセル
のメジアン値に置き換えることにより作動する。各ピクセルにこのメジアン核を
適応することは、Y軸におけるイメージに沿って生じる、ピクセル輝度内の緩や
かな変動を「スムーズにする」ように作用する。スムーズにする作業の第一の役
割は、セルによる輝度への寄与分を取り除くことであり、その結果、イメージの
バックグラウンド表示を得る。メジアンイメージは、ソースイメージから差し引
かれ、hImbgndと称されるグローバル・ハンドルに格納される。制限され
るものではないが、全フラックス、楕円率、及びセル直径(フィット・エリアと
も呼ばれる)を含むセルパラメータを決定するために、セルリストが生成された
後に、このイメージは使用されることができる。
【0052】 その後、望ましい実施形態では、複数のイメージが、定義済み核でたたみみこ
まれ、imBlobSrcと称されるグローバル・ハンドルに格納される。その
ようなたたみこみ核は、この技術分野ではよく知られている。選択される核構造
(核の大きさ及び核内の加重値)は、検知されることになっている微粒子に依存
する。例えば、血液セルの決定であれば、7x7核が、ほぼ血液セルの大きさで
あるので、通常はこの核が用いられる。本説明のためのたたみこみ核は7x7核
であると仮定されるが、他の核が他の実施形態において有用であることが理解さ
れるべきである。このたたみこみの結果は、検知されようとしているセルタイプ
に対応する定義済みの空間成分でもってそれらの特徴を増強するフィルタ補正さ
れたイメージである。このイメージの閾値バージョンは、セル検出に対して、及
びさらに加重フラックス計算に対して、使用されることができる。
【0053】 いくつかの実施形態では、検知されようとするセルタイプに対応する定義済み
の空間成分でもって、最初にそれらの特徴を増強するために、上に記述されたた
たみこみ法ではなく「ペリメータ」法が用いられる。ペリメータ法は、差分ソー
スイメージである「差分」イメージを作成し、異なる2つの方法で実行されるこ
とができる。ペリメータ法のいくつかの実施形態では、すべてのピクセルが、7
x7核のそれと、外部の4つのピクセルとの間の最小差分に設定される。他の実
施形態では、各ピクセルが、7x7核のその値と、外部のすべてのピクセルとの
間の最小差分に設定される。畳み込まれたイメージではなく、これらの「差分」
イメージを使用することは、UsePeaksForBlobsと称されるブー
リアン・コマンド行の引数を介して指定することができる。この場合もやはり、
増強されたイメージは、グローバル・ハンドルimBlobSrcに格納される
。図6は、フローチャートの形式で、ペリメータ法及びたたみこみフィルタ法の
使用を示す。
【0054】 どちらの方法が最初の増強に対して用いられても、生じるイメージは閾値化さ
れ、細分化分析がセル位置を決定するために実施される。セル検出用の閾値を確
立するには、各ソースイメージ内のノイズを突き止めなければならない。望まし
い実施形態では、イメージのセグメントあるいはブロック上のピークピーク・ノ
イズを計算するアルゴリズムが使用される。図7は、フローチャートの形式でこ
のプロセスを示す。各ブロックは、n列幅(イメージの全幅)で、RowsPe
rNoiseBlock(コマンド行の引数)の長さである。各ブロックに対す
る各ノイズ値は、(int)(nRows/RowsPerNoiseBloc
k)エレメントを持つアレイに格納される。その後、このアレイは、thres
hratio(コマンド行の引数)で乗算され、閾値判定に使用されるn行長さ
のアレイに挿入される。閾値のサブルーチンは、閾値判定されたBYTEイメー
ジであるimBlobSegを生成するために、畳み込まれたイメージ、あるい
は「差分」イメージのどちらかを使用する。
【0055】 望ましい実施形態では、ソースイメージがチャンネル0と関連したものである
場合、MaskGrungeAndBubbles()と呼ばれるサブルーチン
が、imBlobSeg上で細分化又はセル検出を実行する前に呼び出される。
図8は、フローチャートの形式で、このサブルーチンを示す。チャンネル0は、
バブル及び汚れを発見するために用いられ、それらの領域がマスク・イメージに
追加される。これは、サンプルからの最短の放射波長に対応するこのチャンネル
内で、サンプル内のゴミが一貫して発生する傾向があるからである。しかしなが
ら、他の実施形態では、他のチャンネル(1つ以上)がマスク・イメージのため
に使用されることができる。
【0056】 マスク・バイト・イメージは、3つの異なる状態を介して付加される。Mas
kGrungeAndBubbles()が、これらの状態をテストする。それ
は、バブルとボルブ閾値であるBubbleThreshFactor及びBl
obThreshFactor(ピークピーク・ノイズ値を乗算された)をそれ
ぞれ適用するために、メジアン減算ソースイメージであるイメージhImbgn
dを用いる。例えば、バブルに関しては、ソースイメージの特定のブロックに対
してhImbgndのいかなる部分も、−1*BubbleThreshFac
tor*p−pNoise以下であり(バブルはバックグラウンド蛍光が無い事
によって示される)、かつ隣接のピクセル総数がMaxBubblePixを超
過する場合、それらの対応するピクセルがマスク・イメージ内で「バブル」を示
す特定の値に設定される。同様に、ボルブ検出は、BlobThreshFac
tor*p−pNoise及びMaxBlobPixを用いてなされる。別の望
ましい実施形態では、バブル及びボルブの閾値判定が、ピークピーク・ノイズレ
ベルの因数ではなく、平均ベースライン値の百分率に基づく。したがって、バブ
ル及びボルブの閾値レベルは、それぞれBubbleThreshFactor
*BaseLine(y)、及びBlobThreshFactor*Base
Line(y)によって与えられ、その場合のBaseLine(y)とは、与
えられたy値に対してピクセルのx範囲を越えた(つまり毛細管の幅を越える)
ベースラインのメジアン値である。マスクへの最終追加は、セグメント化されフ
ィルタ補正されたimBlobSegイメージに基づいてなされる。またそれは
、コマンドラインにおいて与えられたのと同じThreshRatioを用いる
が、MaxBubblePixを超過する場合にだけ、マスクに追加する。最終
的に、n=MaskDilationPixのピクセルの拡張(バイナリ拡張と
は、そのピクセルが、領域の一部である別のピクセルに既に触れている場合、そ
の任意のバックグラウンド・ピクセルを「オン」に設定する)がマスク上でなさ
れ、セルがバブルの縁で識別されたりすることがないよう予防する。たたみこみ
フィルタのアーティファクトは、バブルの周縁が、誤ってセルとして識別される
ことがある輪に畳み込まれる傾向があるということである。拡張は、この誤差を
抑制するのに役立つ。
【0057】 その後、望ましい実施形態では、imBlobSegイメージ内のセルが、8
ポイント接続性ルールを用いて、検数される。図9は、フローチャート形式でこ
のプロセスを示す。いかなる数の隣接ピクセルもセルリストに追加され、基本パ
ラメータが各々に対して決定される。これらのパラメータは、制限されるもので
はないが、インデックス、最大のxとyのピクセル値、ピクセルの総数、均一に
閾値化されるセル領域に基づくx−y重心値、並びに閾値を超過する同じピクセ
ルを用いるけれども、ソースイメージ内のピクセル値でそれらの位置に重みを加
える加重重心、を含む。この重心値は、すべての後の計算に対して用いられる浮
動小数点値である。重心値がマスク内の0でない領域にある場合(マスクに追加
された各々は、バブルのために追加されたものが、ブロブのために追加されたも
のと区別されるように、異なる「識別子」でそれらのピクセルに標識付けがなさ
れていることを思い出すこと)、そのセルはセルリストから削除される。SMP
rocessImagesの中でなされる計算の最後の部分は、前述の要素(汚
れ、バブル、及びフィルタ・アーティファクト)の各々のために見えなくさせら
れるイメージの百分率を決定するマスク・イメージのヒストグラムである。また
イメージがマスクされたパラメータの全合計が計算される。これは、重要な部分
がマスクされる場合に、毛細管の容積を再計算できるようにする。
【0058】 上で説明されたように、MLSCシステムはまた、MLSC器具の操作のため
のパラメータ、例えば走査速度、フィルタ帯域幅値などを臨床プロトコル・デー
タベースに格納する。SurroImageシステムを備えたMLSC器具の操
作パラメータを、見事に調整する能力によって、各分析ができる限り最も効率的
で最も敏感な方法で、実行されるセル分析及びlsm出力 望ましい実施形態で、SurroImageシステム内の大多数のセル分析及
びファイル出力は、WriteLsmFile()ルーチン内で生じる。このル
ーチンの目的は、任意のチャンネルで検知されたすべてのセルイベントについて
のテキストベースのリストファイルを出力することである。さらに、*.LSM
ファイルのヘッダ部分は、全体的なセル統計値(各チャンネルに検知されたセル
の数、及び最小サイズと最大サイズ)だけでなく、イメージ統計値(ベースライ
ン・レベルで測定された雑音レベル、平均、メジアン値、及び標準偏差統計値、
バブル及びブロブのためにマスクされたイメージの百分率、並びにイメージ作成
日)を保持する。その所定のチャンネル用の検知閾値を超過する「ブロブ」を1
本のチャンネルが持っていても、セル特性情報がすべてのチャンネルに対して出
力される。例えば、1つの「ブロブ」がチャンネル1に検知され、そのブロブが
(x=22.4、y=2342.3)という加重重心値を持っていたならば、7
x7核の中心は(22、2342)となり、どのチャンネルが閾値を超過したセ
ルを実際に持っていたかにかかわらず、その7x7アレイ上で計算されるセル統
計値が、すべてのチャンネル・イメージにおいて決定される。各チャンネルのこ
のように統合された分析が、各セルに対するすべての蛍光データの収集を保証す
るので、MLSCシステムの精度を非常に向上させる。このようにして、例えば
検知された分子が非常に低濃度であった場合でも、意味ある情報を供給する非常
に弱い蛍光性の信号は無視されない。2本のチャンネル走査用の*.LSMファ
イルの一部の例が、テーブル1で示される。テーブル1内の例は、2つの独立し
たセルイベント用のセルデータを一覧にする。この特定の例において、パラメー
タ・イベントソースで分かるように、第1のセルが両方のチャンネルで検知され
た(1=CH0、2=CH1、4=CH2等々で、多重チャネル検出がその値の
合計によって示されることに注目すること)。しかしながら、第2のセルは、チ
ャンネル0でのみ検知されたが、それでもパラメータは、チャンネル1の同じ位
置に対して計算された。そのことはこの例からは明白ではないけれども、*.L
SM内のデータ出力がy−重心値によって完全に分類される。個々のチャンネル
セルリストからの望ましい実施形態の中で、このデータがどのようにして生成さ
れているかについての説明が続く。
【0059】 そのルーチンは、各チャンネル内のセルリストの分類により始まる。「Fin
dCell」ルーチンが、y方角へ「少しずつ移動する」ことによって、それが
最初に見つけるすべてのセルペリメータをセルリストに添付するので、それはy
−重心値によって必ずしも並び替える必要はない。したがって、バブルの並び替
えが、このリストを生成するために用いられる(少ない数の再配列を行う必要が
ある場合に、バブルの並び替えが最良のソート・アルゴリズムである)。
【0060】 次のステップは、チャンネル内のセルを一緒にし、y−重心によって並べ替え
た汎用セルリストを作成することである。このルーチンの詳細は、以下のとおり
である。処理されるべき次の利用可能なセル向けのインデックスは、CellF
irstAvailIndex[チャンネル]と呼ばれ、各チャンネルに対して
作成される。そのルーチンは、まだ印字されていない最低のy−重心値を備えた
セルを見つけるために、チャンネル上をループする。その後、このセルインデッ
クス、及びそれの対応するチャンネル番号が、一時的な設定の変数に保管される
。リストであるCellPrintListIndex[ChannelsMa
x]は、これまで見つけられたセルのSameCellRadius内にその重
心がある、別のチャネル内のセルのインデックスを含めて、作成される。このリ
ストのnChanエレメントを満たすために、そのルーチンはすべてのチャンネ
ル内のセルをループする。しかしながら、別のチャネル内のセルが、分析済みで
あるという「マーク」を既に付けられていた場合、それは読み飛ばして、その指
定されたチャンネル内の残りのセルへ移動する。(このループに入ると、ソース
セルインデックスは、CellPrintListIndex[source_
channel]エレメントに最初に追加される(つまり分析される「予定であ
る」というマークが付けられる)ことに注意すること)。それの重心が、元のセ
ルからのSameCellRadius距離未満であるいかなるセルも、Cel
lPrintListIndexアレイにそのインデックスが追加される。
【0061】 いったん単一のセルイベントが、関連するチャンネルに適合すると、テキスト
ベースの.LSMファイルに出力される準備が整う。このサブルーチンPrin
tCell()は、WriteLsmFile()ルーチンからコールされ、2
つの引数、セルチャンネル・リストへのインデックス、及び現在のセルイベント
・カウントを保持するCellPrintListIndexアレイを得る。そ
のルーチンはすべてのチャンネルを通してループし、CellPrintLis
tIndexアレイ中でインデックスを付けられたセルの重心値にアクセスする
。その後、ルーチンは、数値が求められようとしている特定のセルに対して、チ
ャンネル間のx及びyにおける平均重心値を計算する。その結果はX、Yにおい
て最も近い全ピクセルに丸められ、X、Yに関して中心にある7x7ピクセル領
域内のセルパラメータを計算するAnalyzeCell()と呼ばれる別のル
ーチンをコールするために用いられる。このルーチンはチャンネル番号を通じて
ループ内でコールされる。セル構造AnalyzeCell()が満たすC++
は、以下のとおりである。
【0062】
【表1】
【0063】 AnalyzeCell()は、imBlobSrcイメージへのポインタを
得て、セルのX、Y位置へそのポインタを再配置することにより始まる。X、Y
位置及び呼出しチャンネル番号以外に、AnalyzeCell()に渡される
パラメータのうちの1つは、この特定チャンネルが「ソース」チャンネルだった
かどうか(つまり、セルがこのチャンネルで実際に検知されたかどうか)を示す
ブーリアン・フラグである。それがソース・チャンネルである場合、imBlo
bSrcイメージ内の7x7関心領域(ROI)で見つけられた最大値の位置が
、返される。これが核の中央X、Y位置と一致しない場合、この特定チャンネル
に対してグローバル・パラメータnBlobsOffsetFromPeakが
増加させられる。このようにして、中央セル位置を判定するために使用される方
法が評価される。さらに、重複を明瞭にする手段として、セル構造それ自身にこ
のパラメータを追加することができる。
【0064】 AnalyzeCell()をコールしたチャンネル内で、セルが検知されよ
うが検知されまいが、加重フラックスは、imBlobSrcイメージ内のX,
Y位置で単にピクセル値を評価することにより計算される。このピクセル値は、
下のテーブル2で与えられる定義済みの7x7核によって加重される、7x7領
域内のすべてのソースイメージ・ピクセル値の加重合計を表す。
【0065】 別の実施形態では、AnalyzeCell()内で数値が求められる他のパ
ラメータは、制限されるものではないが、全フラックス、楕円率、及び平均直径
を含む。全フラックスと平均直径は、別の機能コールComputeMeanR
adius()によって、数値が求められる。図10はこの機能コールを、フロ
ーチャート形式で示す。ComputeMeanRadius()は平均直径を
計算するだけでなく、全フラックスがメジアンを差し引いた同じイメージhIm
bgndから計算されるので、このルーチンにも含まれる。hImbgndを引
き出すために、15xl5ピクセル・メジアン・フィルタがソースイメージに適
用され、その結果がソースイメージから減算されたことを思い起こすこと。平均
直径を決定するために、重心値が最初に計算される(注釈:この重心は、そのチ
ャンネル用の閾値を超過するピクセルから計算された以前の重心と対比して、7
x7正方形内のピクセルから計算されるので、セルの中心を決定するために計算
された重心値とは異なる)。そうして数学的には次の式によって、示されるよう
に、各ピクセルの重心からの距離は、ピクセル値に対して加重される。
【0066】
【数1】
【0067】 ただし、重心値Cx及びCyは、次式により与えられる。
【0068】
【数2】
【0069】 Pxn,ynは位置x,yでのピクセルの値であり、Nは7x7核に対して49
である。 小さな微粒子の直径を計算するためのこのモーメント法のアルゴリズムは、2
次元のガウス・フィット・ルーチン上でより良い性能を提供することが発見され
た。ガウス・フィット・ルーチンは、図11に示されるように、低輝度のセルに
対する実際の直径を小さく見積もる傾向がある。この偏向は、モーメント法のア
ルゴリズムで発見されたが、非常に少ししか公言されていない。
【0070】 全フラックスは、方程式(1)及び(2)の分母によって簡単に与えられる。
全フラックスがゼロ以下である場合(それはバックグラウンドから差し引かれた
イメージ中で起こることがある)、合計はオーバーフローを防ぐために値1.0
に指定され、平均直径は0に設定される。
【0071】 PrintCell()ルーチンで数値が与えられる他の2つのセルパラメー
タは、チャンネル間の比率及び相関の値を含む。比率(テーブル1の例を参照)
は、次式により与えられる。
【0072】
【数3】
【0073】 ピアソンの相関、ρm,n係数は次式により計算される。
【0074】
【数4】
【0075】 ここでSm及びSnは、それぞれチャンネルm及びnにおけるソースイメージ(
imSrc)ピクセル値の標準偏差であり、バーは平均ピクセル値を表す。各セ
ルがチャンネルを横切ってグループ化するように、これらのセルパラメータの各
々は、シーケンシャルな方式で、*.LSMファイルに書き込まれる。
【0076】 WriteLSMFile()ルーチンは、printCell()及びサブ
ルーチンAnalyzeCell()をコールするたびに、すべてのセルを一定
の順序に配列する。セル数の合計は検数され、*.LSMファイルのヘッダ部分
に書き込まれる。その後、ファイルが閉じられ、プログラムは終了する。
【0077】 ここで記述されるSurroImageシステムは、レーザ・スキャニング・
サイトメトリのコンテキストにおいて微粒子検出を行う従来技術システム上の実
質的な進歩である。1つのそのような従来技術システムは、その全体がここに参
考文献として組み入れられる、米国特許第5,556,764号(’764特許
)に記述されている。’764特許に記述されたシステムは、まず第1に個々の
チャンネルからのイメージを合計し、そして次に、その結果生じる合成イメージ
上の粒子を実行するが、’764システムは、いかなるブロブとバブルのマスキ
ングも実行しない。さらに、’764システムは、例えば、特定の粒径範囲内の
セルを検知するといったように、分析の対象である特定のタイプのセルに対し、
非常に選択的となるように設計されている。これとは対照的に、本システムはそ
れほど限定的でなく、このようにもっと様々なタイプのセルを検知する。ここで
記述されたブロブ及びバブルマスキング技術によって結び付けられた別々のチャ
ンネル分析によって、SurroImageは、’764システムより多くの本
当のセルを、正確に識別することができ、かつそこからデータを収集することが
できる。従って、本システムは従来の技術システムより正確で、かつより感度が
よい。
【0078】 SurroImageシステムの別の利点は、セル会合分子の蛍光について種
々の形態構造、及び/又は異なるパターンあるいは輝度を備えた様々な異なるセ
ルの検出に対して、容易に最適化されることができるということである。さらに
、SurroImageシステムは、セル以外の微粒子の検出に対して速やかに
最適化されることができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、Sur
roImageシステムは毛細管内のマイクロビーズを検知するために用いられ
、そのマイクロビーズは血液内に存在する特定の試薬に結び付く。SurroI
mageシステムとは対照的に、従来の技術システムは特定のセルだけを検知す
ることができ、重要なオペレータの介入なしでは、他の構造を検知するための型
の変更ができない。たたみこみ核の構造のようなSurroImageシステム
の個々のサブルーチンのパラメータは、これらの微粒子の検出を最適化するため
に速やかに変更されることができる。これらのパラメータは臨床プロトコル・デ
ータベースに格納されることができる(以下を参照)。したがって、Surro
Imageシステムは、MLSCシステムの柔軟性を増大させ、感度において妥
協することなく種々の分析を実行することができる。情報処理システムのアーキテクチャ 本発明は、多くの重要な機能を実行する斬新な情報処理システム・アーキテク
チャを含む。システムの心臓部は、マルチパラメータ分析を設計し、測定計測器
を制御し、イメージ及びデータ分析を実行し、並びに結果をアーカイブするため
に必要とされる情報のすべてを統合するために用いられる関連データベースであ
る。システムは、別々の機能を実行する多くの連結されたモジュールを含む。図
11は、このシステムが望ましい実施形態の中で作用する方法についてフローチ
ャートで表現したものを示す。手短かに言えば、計器制御ソフトウェアは、Su
rroScanハードウェア(MLSC器具)を制御し、そうすることで、サン
プルを走査し、生の画像ファイル(.SM1ファイル)を作成する。その後、.
SM1ファイルは、(上の)SurroImage画像分析ソフトウェアによっ
て処理され、増強される。このモジュールは各イメージを増強し、各イメージ内
の各セル(あるいはいくつかのアプリケーション内の蛍光ビード)の位置及びサ
イズを決定し、次に、各チャンネル内での各セル(あるいはビード)の蛍光輝度
を計算する。その結果生じるSurroImageデータは、テキストファイル
(.LSMファイル)として格納され、次に、FCS変換ソフトウェア(FCS
Conversion Software)によって、業界標準の.FCSフ
ォーマットに変換されるか、又はその後の分析のための適切な他のファイル形式
に変換されることができる。測定器制御ソフトウェア、画像分析ソフトウェア及
びFCS変換ソフトウェアはすべて、臨床プロトコルの実行の中で用いられる各
タイプの分析のためのパラメータを格納する臨床プロトコル・データベースによ
って制御される。そのようなパラメータは、制限されるものではないが、MLS
C器具の走査速度、MLSC器具の中で用いられるフィルタ帯域幅の値、及びS
urroImageシステムの中で用いられる核構造を含む。その後、その形式
、例えば.FCS及び.LSMのファイル内のデータは、例えば市販のFlow
Joソフトウェアを用いて、データをさらに処理するために、サーバに送出され
ることができる。またそのデータは、アーカイブするため、及び第3次メディア
に周期的に送出するための、実験データファイル・サーバに送信され、またオラ
クルデータベースのような中央のデータベースにも送信される。中央のデータベ
ースは、制限されるものではないが、臨床プロトコル・データベースの整合性を
維持するため、器具結果、ファイル名、較正情報のための中央の貯蔵所として、
(MLSCシステムを通して得られようが、又は従来のELISA分析を通して
得られようが)セルの分析測定値及び可溶性要素の測定値を格納するため、並び
に臨床アンケート情報を維持するために、使用される。
【0079】 望ましい実施形態では、SurroScan情報処理システムが、(適切な関
連データベース・スキーマのこれまでの設計、及び較正された器具が使用可能で
あること、を仮定して)臨床研究のための次の方法で用いられる。まず第1に、
ユーザは、患者の数及び識別情報、患者当たりのサンプル数などのような情報を
含む、臨床研究プロトコルを定義する。臨床研究は、何十から何百人もの患者を
関与させ、何週間から何ヶ月も続く。またユーザは、分析プロトコルを定義し、
それが各特定患者のサンプルで実行される分析の各々を詳細に定義する。各分析
は、制限されるものではないが、使用される蛍光体、ターゲット分子、希釈、及
び蛍光補正パラメータを含めて、試薬の各々に対する詳細な識別子及び説明を含
む。サンプル調製方法及びサンプル希釈もまた含まれる。またプロトコルは、S
urroScan器具及びデータ分析ソフトウェアを自動的に制御するのに必要
な情報を含む。患者サンプルが(データベース制御の下で自動化されることがで
きる)各分析に対して処理され、SurroScan上の測定カートリッジに取
り付けられた後、ユーザが、スキャナ・ソフトウェア(その後、それは詳細な走
査パラメータ例えばを決定するためにデータベースに質問する)にプロトコルI
D及びサンプルIDパラメータを入れ、そうして、そのソフトウェアが、詳細な
走査パラメータ、例えば、走査速度、フィルタ帯域幅設定値、ステージ移動速度
などを決定するために、データベースに質問する。走査が完了した後、器具は適
切な分析パラメータを学習するために再びデータベースに質問し、そうしてFC
S出力ファイルを生成して、SurroImage及びSurroFCSのソフ
トウェア・モジュールでもって正しいタイプの分析を自動的に実行する。FCS
出力ファイルは、市販のFCS分析ソフトウェアを用いて、さらに分析される。
その後、各患者サンプルに対するFCS出力データの要約が、FCSソフトウェ
アによって生成され、リレーショナル・データベース内のストレージを有効にす
るためにさらに処理される。その後、測定結果及び患者の臨床情報は、対象とな
る生物学的マーカを示すパターン及び相関を識別するための様々な統計的手法及
びビジュアル化の手法でさらに処理される。サンプル及び分析情報が、生のイメ
ージから、関連データベースへのリスト・モード・フォーマットまで、分析の全
体に渡って、そのデータと関連する。
【0080】 また本発明は、増強されたデータを如実に表示するためにイメージ・システム
の使用を意図する。このシステムは、SurroViewと名付けられるが、S
urroImageソフトウェアによって識別された個々のセルを表示し、その
イメージ内の真実のセルを他のセルの形をした擬似信号と区別するために、各識
別されるセルの周りに、1つのボックスを置くことができる。SurroVie
wソフトウェアは特に、すばやく様々なタイプのシステム障害モードを診断する
のに役立つ。SurroScan器具の通常操作中に、セルのそのようなイメー
ジをオペレータが常に見ている必要はないことが指摘されるべきである。 テーブル1:リスト・モード出力の例。データは2チャンネル走査に対応する。
【0081】
【表2】
【0082】 テーブル2:フィルタ補正されたイメージimBlobSrcを作成するために
使用されるたたみこみ核。imBlobSrcは、セル検出及びセルの加重フラ
ックス評価の両方に用いられる。
【0083】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの望ましい実施形態におけるMLSC器具の光アーキテ
クチャを示す。
【図2】 図2Aは切り替え可能なフィルタ・スキームの部分的な回路図である
。 図2Bは切り替え可能なフィルタ・スキームの部分的な回路図である。
【図3】 SurroImageプロセスのフローチャートである。
【図4】 本発明によって意図される1つのファイル・ストレージの実施形態を
図式的に示す。Nチャンネルのデータが、拡張子*.sm1で指定されるバイナ
リ・ファイルにインタリーブ・フォーマットで格納される。様々なデータフォー
マットが可能になるように、ヘッダが選定される。
【図5】 ベースライン分析プロセスのフローチャートである。
【図6】 セル検出プロセスのフローチャートである。
【図7】 ノイズ分析プロセスを示す。
【図8】 マスク生成プロセスのフローチャートである。
【図9】 セルを見つけるための8ポイント接続性ルールを図示するフローチャ
ートである。
【図10】 本発明によって意図される、可能ないくつかのタイプのセル分析を
示す。
【図11】 ガウス・フィット・アルゴリズムを、直径モーメント計算と比較し
たプロットである。イメージについて、各ポイントが、250カウントに等しい
RMSノイズで1000個の粒子(セル)の擬似イメージの中から検出された微
粒子の平均直径値である。
【図12】 SurroScanシステムの情報処理システム構成のフローチャ
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 チャン,チン−フア アメリカ合衆国カリフォルニア州94539, フレモント,プレイリー・ドッグ・レーン 93 (72)発明者 ノートン,スコット アメリカ合衆国カリフォルニア州94085, サニーヴェイル,エスカロン・アベニュー 100,アパートメント ビー2014 (72)発明者 ウィンクラー,ジェイムズ・エル アメリカ合衆国カリフォルニア州94086, サニーヴェイル,サウス・フェアオーク ス・アベニュー 655,ナンバーディー 313 (72)発明者 カンター,アーロン・ビー アメリカ合衆国カリフォルニア州94070, サン・カルロス,ラバース・レーン 30 (72)発明者 リー,バイロン アメリカ合衆国カリフォルニア州95111, サン・ホセ,アンブラー・コート 3971 (72)発明者 ツル,シャロム アメリカ合衆国カリフォルニア州94040, マウンテン・ビュー,エル・モンテ・アベ ニュー 1076 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 DA02 DA06 EA01 FA01 FA02 GA25 GB21 HA01 HA02 JA02 KA02 KA05 KA09 LA02 NA01 NA02 NA05 2G045 AA25 CA25 CB01 CB03 CB04 CB07 CB08 CB11 CB12 CB14 DA30 DA36 DA60 FA12 FB07 FB12 JA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光性のバックグラウンドを保持し、バックグラウンド特性を示
    す固定容積の毛細管において複数の検知可能な特性を持つターゲット粒子を検知
    し特性を決定するために粒子を含有しているサンプルを分析するための方法であ
    って、 (a) データの各チャンネルは明瞭な検知可能な特性及び明瞭なバックグラ
    ウンド特性を含み、サンプルを含んでいる固定容積の毛細管を走査してデータの
    複数のチャンネルを生成するステップと、、 (b) データのチャンネルの各々をサンプリングして対応する組のピクセル
    値を作成するステップと、 (c) 各組のピクセル値を個別に修正することによって増強されたピクセル
    値の組を生成し、ターゲット粒子を示す空間の特徴を選択的に増強するステップ
    と、 (d) 1つ以上の組の増強されたピクセル値から、対応するチャンネルの明
    瞭なバックグラウンド特性を取り除くステップと、 (e) 増強された各組のピクセル値に対して、前記粒子を検出するためのノ
    イズ閾値を別々に確立するステップと、 (g) 増強された各組のピクセル値において、前記粒子の診断パターンに配
    置された上記閾値ピクセルのグループを別々に識別するステップと、 (h) 特定の組の増強されたピクセル値において診断パターンに配置された
    上記閾値ピクセルの各グループに対して、残りの組の増強されたピクセル値にお
    ける対応する閾値より下あるいは閾値のピクセルを別々に識別するステップと、 (i) ステップ(g)及び(h)において別々に識別されたピクセルの分析
    によって、サンプル内のターゲット粒子の特性を決定するステップと を含み、 粒子は、前記粒子の診断に用いるパターンに配置された上記閾値ピクセルによ
    り、チャンネルにおいて最初に識別され分析され、その後、最初に識別された上
    記閾値ピクセルと同じ位置にピクセルを配置することにより、残りのすべてのチ
    ャンネルにおいて前記粒子は別々に分析されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 励起光による照明において複数の波長成分を備えた光を発する粒
    子を含有しているサンプル上で微小体積レーザ・スキャニング・サイトメトリ(
    MLSC)を実行するための器具において、 (a) 前記励起光のための1つ以上の光源と、 (b) 複数の所定の走査速度で前記励起光を前記サンプル上に走査するため
    の手段と、 (c) 前記励起光に応答して前記サンプルによって放射された光を収集し走
    査解除するための手段と、 (d) 前記放射光線を複数の明瞭な成分波長に分け、各々の前記明瞭な成分
    波長を別々の光学通路に沿って方向付けるための複数のダイクロイック・フィル
    タ手段と、 (e) 放射光線に反応し、明瞭な成分波長を収集するために配置され、可変
    帯域幅を備えたアナログ・フィルタ手段に動作的に連結される、複数の光検出器
    と、 (f) 各アナログ・フィルタ手段に効果的に連結され、かつ各々の光検出器
    からのデジタル信号出力を与えるために複数の所定のデジタル・サンプリング・
    レートで操作することができる、デジタル・サンプリング手段と を含み、 前記走査速度、各前記アナログ・フィルタ手段の帯域幅、及びデジタル・サン
    プリング・レートは、前記粒子の検出を最適化するために統合的に調整されるこ
    とができることを特徴とする器具。
  3. 【請求項3】 励起光を備えた照明上に少なくとも4つの明瞭な波長成分を備え
    た光を発する微粒子を含有しているサンプル上で微小体積レーザ・スキャニング
    ・サイトメトリ(MLSC)を実行するための器具であって、 (a) 前記励起光のための1つ以上の光源と、 (b) 前記励起光を前記サンプル上に走査するための手段と、 (c) 前記励起光に応答して前記サンプルによって放射された光を収集しス
    キャニング解除するための手段と、 (d) 前記放射光線を少なくとも4つの明瞭な成分波長に分け、各々の前記
    明瞭な成分波長を別々の光学通路に沿って方向付けるための複数のダイクロイッ
    ク・フィルタ手段と、 (e) 各光検出器が明瞭な成分波長を収集するために配置され、デジタル・
    サンプリング手段に効果的に連結される、放射光線に反応する少なくとも4つの
    光検出器と を含むことを特徴とする器具。
  4. 【請求項4】 器官から得られるサンプル上で微小体積レーザ・スキャニング・
    サイトメトリ(MLSC)を実行するための統合システムであって、前記サンプ
    ルが、励起光を備えた照明上に複数の波長成分を備えた光を発する微粒子を含有
    する、統合システムにおいて、 (a) 前記励起光のための1つ以上の光源と、 (b) 複数の所定の走査速度で前記励起光を、前記サンプル上に走査するた
    めの手段と、 (c) 前記励起光に応じて前記サンプルによって照射された光を収集しスキ
    ャニング解除するための手段と、 (d) 前記放射光線を複数の明瞭な成分波長に分け、各々の前記明瞭な成分
    波長を別々の光学通路に沿って方向付けるための複数のダイクロイック・フィル
    タ手段と、 (e) 各光検出器が明瞭な成分波長を収集するために配置され、変更可能な
    帯域幅を備えたアナログ・フィルタ手段に効果的に連結される、放射光線に反応
    する複数の光検出器と、 (f) 各アナログ・フィルタ手段に効果的に連結され、かつ各々の光検出器
    からのデジタル信号出力を提供するために多くの所定のデジタル・サンプリング
    ・レートで操作することができる、デジタル・サンプリング手段と、 (g) 1つ以上のコンピュータからなる制御及びデータ分析システムであっ
    て、 (i) 各々の臨床プロトコルが、 前記粒子を最適に検出するために必要とされる走査速度と、 前記粒子を最適に検出するために必要とされる各々の前記アナログ・フィルタ
    手段の帯域幅と、 前記粒子を最適に検出するために必要とされるデジタル・サンプリング速度と
    、 前記サンプルの分析条件と、 前記器官の医療歴と、 前記デジタル信号出力の分析用アルゴリズムと に関する情報を含む臨床プロトコルを格納するステップと、 (ii) 前記臨床プロトコルからの情報を用いて、前記走査する手段、前
    記アナログ・フィルタ手段、及びデジタル・サンプリング手段を制御するステッ
    プと、 (iii) 前記デジタル信号出力を受け取り、格納するステップと、 (iv) 前記粒子データに関するデータを提供するために、前記臨床プロ
    トコルからの情報を用いて、前記デジタル信号出力を分析するステップと、 (v) 医療条件に関する情報を、前記微粒子に関するデータに格納する
    ステップと、 (vi) (v)からの情報を用いて、前記器官の医療条件を決定するステ
    ップと、 (7) 前記粒子に関するデータに、医療条件に関係する新情報を生成す
    るステップと を行う能力がある、制御及びデータ分析システムと からなることを特徴とする統合システム。
  5. 【請求項5】 蛍光性のバックグラウンドを保持し、バックグラウンド特性を示
    す、固定容積の毛細管内で、複数の検知可能な特性を持つターゲット粒子を検知
    し特徴を決定するために、粒子を含有しているサンプルを分析するための方法に
    おいて、前記方法は (a) データの複数のチャンネルを生成するように、サンプルを含んでいる
    固定容積の毛細管を走査するステップであって、データの各チャンネルが明瞭な
    検知可能な特性、及び明瞭なバックグラウンド特性を含む、ステップと、 (b) 対応する組のソース・ピクセル値を作成するように、データのチャン
    ネルの各々をサンプリングするステップと、 (c) 合成イメージを生成するためにソース・ピクセル値の組を合計するス
    テップと、 (d) 前記合成イメージ内の粒子検出用の閾値を計算するステップと、 (e) 前記閾値を用いて、前記合成イメージ内の粒子検出を実行するステッ
    プと、 (f) 前記合成イメージ内で識別された各粒子に対して、ソース・ピクセル
    値の組内の対応するピクセルを識別するステップと、 (g) ステップ(f)で識別されたピクセルを分析するステップと を含み、改良点が、 (1) ソース・ピクセル値の各組内で、粒子検出用の閾値を別々に計算する
    ステップと、 (2) ソース・ピクセル値の各組内で、対応する閾値を用いて、粒子検出を
    別々に実行するステップと、 (3) ステップ(2)におけるソース・ピクセル値の特定の組内で識別され
    た各ピクセルに対して、ソース・ピクセル値の残りの組内の対応するピクセルを
    識別するステップと、 (4) ステップ(2)及び(3)で識別されたピクセルを分析するステップ
    と を含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 蛍光性のバックグラウンドを保持し、バックグラウンド特性を示
    す、固定容積の毛細管内で、複数の検知可能な特性を持つターゲット微粒子を検
    知するために、微粒子を含有しているサンプルを分析するための方法において、
    前記方法が (a) データの複数のチャンネルを生成するように、サンプルを含んでいる
    固定容積の毛細管を走査するステップであって、データの各チャンネルが明瞭な
    検知可能な特性、及び明瞭なバックグラウンド特性を含む、ステップと、 (b) ソース・ピクセル値の対応する組を作成するように、データのチャン
    ネルの各々をサンプリングするステップと、 (c) 合成イメージを生成するためにソース・ピクセル値の組を合計するス
    テップと、 (d) 前記合成イメージ内の微粒子検出用の閾値を計算するステップと、 (e) 前記閾値を用いて、前記合成イメージ内の微粒子検出を実行するステ
    ップと を含み、改良点が、 (1) ソース・ピクセル値の各組内で、最初にソースイメージを合計せずに
    、微粒子検出用の閾値を別々に計算するステップと、 (2) ソース・ピクセル値の各組内で、対応する閾値を用いて、微粒子検出
    を別々に実行するステップと を含むことを特徴とする方法。
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