JP2003214999A - 水質検査用検水収容ディスポーザブルバッグおよびこのディスポーザブルバッグを用いて行う水質検査方法 - Google Patents

水質検査用検水収容ディスポーザブルバッグおよびこのディスポーザブルバッグを用いて行う水質検査方法

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JP2003214999A
JP2003214999A JP2002010835A JP2002010835A JP2003214999A JP 2003214999 A JP2003214999 A JP 2003214999A JP 2002010835 A JP2002010835 A JP 2002010835A JP 2002010835 A JP2002010835 A JP 2002010835A JP 2003214999 A JP2003214999 A JP 2003214999A
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bag
water
compartment
test
heat seal
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JP2002010835A
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Nobuyuki Sugiyama
信之 杉山
Shinichi Waku
信一 和久
Keiko Takada
恵子 高田
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Elmex Ltd
Original Assignee
Elmex Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水道水等の検水中の大腸菌群やE.coliを
検査するために好適に用いることのできる検水収容ディ
スポーザブルバッグを提供する。 【構成】透明樹脂製のバッグ1の上部にはバッグ開閉手
段としてのチャッキング部2が設けられ、所定量の検水
を収容可能なバッグ内部は、バッグの高さ方向に延長す
る隔室形成ヒートシール部4a〜4dにより各々一定量
の検水を収容可能な複数の隔室5a〜5eに等分区画さ
れており、各隔室形成ヒートシール部は、バッグ開閉手
段よりも低いレベルにその上端が位置しているととも
に、各隔室に一定量の検水が収容されたときの水位より
も低い任意の中間地点において開放(7)している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水質検査用検水収容
バッグ、より詳しくは、原水や水道水等の水中の大腸菌
群とE.coliとを同時に且つ短時間で定量および定
性検査するために好適な検水収容ディスポーザブルバッ
グに関し、さらに、このバッグを用いて行う水質検査方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本水道協会による上水試験方法200
1年度版に規定されるXGal法およびXGal−MU
G法では、XGal−MUGまたはこれにピルビン酸を
添加したものを培地として検水中の微生物を培養した
後、培養液の変色および紫外線照射による蛍光発色を観
察して水質検査を行う。この方法によると、大腸菌群だ
けでなくE.coli(Escherichia coli)をも同時に
定性および定量検査することができる。
【0003】大腸菌群の定性検査については、大腸菌群
の持つ乳糖分解酵素β−ガラクトシダーゼにより、XG
al(5-Bromo-4-chloro-3-Indolyl-β-D-galactopyran
oside)が加水分解と酸化反応を経てブロモクロロイン
ディゴとなり、淡黄色のXgal培地が青色ないし青緑
色に変化するという特性を利用して、検水50mlと培
地を試験管に入れてXGal−MUG培地の場合は36
±1℃で48±3時間、ピルビン酸添加XGal−MU
G培地の場合は36±1℃で24時間培養した後、培地
の青色ないし青緑色の着色の有無とその程度を観察し、
コンパレータと呼ばれる陽性確認液よりも強い変色が認
められる場合を大腸菌群陰性と判定し、より変色の薄い
場合を大腸菌群陰性と判定する。
【0004】また、E.coli(Escherichia coli)
は大腸菌群のうち特異酵素β−グルクロニダ−ゼを有す
ると判定された細菌であり、糞便汚染の指標として信頼
できるものであるが、MUG(4-Methylumbelliferyl-
β-D-glucuronide)がβ−グルクロニダ−ゼによって加
水分解されて蛍光物質(4-Methylumbelliferon)を生成
し、366nmの紫外線照射時に460nmの蛍光を発
するので、上記と同様にして培養した後、これに波長3
66nmの紫外線を照射して蛍光発色の有無とその程度
を観察し、コンパレーターと対比してより強い蛍光発色
が認められるものを陽性と判定し、蛍光発色がコンパレ
ーターより弱いものを陰性と判定する。
【0005】大腸菌群およびE.coliの定量検査に
ついては、検水の原液およびこれを順次10倍に希釈し
た希釈液10mlを各々培地とともに試験管5本に分注
して培養し、上記と同様にして青色ないし青緑色への変
色の程度(大腸菌群の場合)または蛍光発色の程度
(E.coliの場合)から陽性または陰性を判定し、
各段階の希釈液における陽性管数からMPN法(Most P
robable Number)に基づいて最確数(MPN値)を求め
る。たとえば、原液を培養した5本の試験管がすべて陽
性であり、10倍希釈液を培養した5本の試験管中3本
が陽性であり、100倍希釈液を培養した5本の試験管
中1本が陽性である場合は、前掲の上水試験方法200
1年度版の最確数表からMPN値=110と判定され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記定
量検査においては試験管や検査キットを多数準備しなけ
ればならず、しかも検査前後には試験管の洗滌や滅菌が
必要であり、また、各試験管に検水を分注するという手
間を要していたため、検査効率が悪く、コストが嵩むと
いう問題があった。さらには、試験管の肉厚によって着
色や蛍光発色を明瞭に判別しがたい場合があった。
【0007】試験管に代えて樹脂製のボトルが用いられ
ることもあるが、この場合も同様の問題があることに加
えて、E.coli検査のために紫外線を照射したとき
に樹脂が発光してしまってE.coliと発光との判別
が困難となることが多いという問題も指摘されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、原水や水道水等の検水中
の大腸菌群やE.coliを検査するために好適に用い
ることのできる検水収容ディスポーザブルバッグを提供
することを目的とする。
【0009】また、本発明の別の目的は、定性検査と定
量検査とに共用できる検水収容ディスポーザブルバッグ
を提供することである。
【0010】これらの目的を達成するため、請求項1に
かかる本発明は、透明樹脂製のバッグの上部にはバッグ
開閉手段が設けられ、所定量の検水を収容可能なバッグ
内部は、バッグの高さ方向に延長する隔室形成ヒートシ
ール部により各々一定量の検水を収容可能な複数の隔室
に等分区画されており、各隔室形成ヒートシール部は、
バッグ開閉手段よりも低いレベルにその上端が位置して
いるとともに、各隔室に一定量の検水が収容されたとき
の水位よりも低い任意の中間地点において開放している
ことを特徴とする、水質検査用検水収容ディスポーザブ
ルバッグである。
【0011】請求項2は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグにおいて、バッグ内にあ
らかじめ所定量の水質検査用試薬を収容した状態でバッ
グ上端が密閉シールされていることを特徴とする。
【0012】請求項3は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグにおいて、密閉シールさ
れたバッグ上端とバッグ開閉手段との間でバッグを幅方
向に亘って切り裂き可能とするための第1のノッチがバ
ッグの幅方向両端に設けられていることを特徴とする。
【0013】請求項4は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグにおいて、バッグ開閉手
段と各隔室形成ヒートシール部上端との間でバッグを幅
方向に亘って切り裂き可能とするための第2のノッチが
バッグの幅方向両端に設けられていることを特徴とす
る。
【0014】請求項5は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグにおいて、バッグ内に所
定量の検水を収容したときに各隔室が実質的に同一の容
積となるようにバッグを幅方向に伸張させるためのフッ
ク引掛穴がバッグの幅方向両端のシール部内に設けられ
ていることを特徴とする。
【0015】請求項6は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグにおいて、バッグ内に所
定量の検水が収容されたことを示すインデックスがバッ
グの幅方向に亘って表示され、このインデックスは同時
に各隔室内に一定量の検水が収容されたことを示すもの
としても用いられることを特徴とする。
【0016】また、本発明は、上述のような構成の水質
検査用検水収容ディスポーザブルバッグを用いて定性検
査および定量検査を簡便に且つ低コストで行うことを目
的としている。
【0017】この目的を達成するため、請求項7は、請
求項1記載の水質検査用検水収容ディスポーザブルバッ
グのバッグ開閉手段によりバッグ上端を開放し、ここか
らバッグ内に所定量の検水を注入した後、バッグ開閉手
段によりバッグを閉じた状態にしてバッグを揺すってバ
ッグ内にあらかじめまたは後に収容された水質検査用試
薬を検水に溶解させ、この間にバッグ内の液は閉じられ
たバッグ開閉手段と各隔室形成ヒートシール部上端の間
の上方液通部および各隔室形成ヒートシール部の中間位
置で開放された中間液通部を通じて実質的に均等に撹拌
分散され、その後バッグ内の液レベルよりも上方でバッ
グ全体を密閉シールした後、孵卵器内で所定時間培養
し、バッグ内の液の変色および/または紫外線照射によ
る蛍光発色を観測して液中の微生物を定性検査すること
を特徴とする水質検査方法である。
【0018】請求項8は、請求項1記載の水質検査用検
水収容ディスポーザブルバッグのバッグ開閉手段により
バッグ上端を開放し、ここからバッグ内に所定量の検水
を注入した後、バッグ開閉手段によりバッグを閉じた状
態にしてバッグを揺すってバッグ内にあらかじめまたは
後に収容された水質検査用試薬を検水に溶解させ、この
間にバッグ内の液は閉じられたバッグ開閉手段と各隔室
形成ヒートシール部上端との間の上方液通部および各隔
室形成ヒートシール部の中間位置で開放された中間液通
部を通じて実質的に均等に撹拌分散されるとともに各隔
室内には一定量の液が等分に収容されることになり、そ
の後、各隔室形成ヒートシール部の中間の開放部を密閉
シールしてバッグ底部から各隔室形成ヒートシール部の
上端まで各隔室形成ヒートシール部を連続させるととも
に各隔室形成ヒートシール部の上端部をバッグの幅方向
に亘って密閉シールして各隔室間を完全に隔離して隔室
間の液通を阻止した後、孵卵器内で所定時間培養し、各
隔室内の液の変色および/または紫外線照射による蛍光
発色が観測された隔室数をカウントして液中の微生物を
定量検査することを特徴とする水質検査方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態による
水質検査用検水収容ディスポーザブルバッグの構成を示
している。このバッグ1は、2枚の長方形状のプラスチ
ックフィルム(たとえばPETやLDPEのフィルムで
あって厚さ60〜80μ程度のもの)を両側縁部1a,
1bおよび底縁部1cを各々所定幅に亘ってヒートシー
ルして袋状に形成されたものであり、その上部に設けた
チャッキング部2で開閉可能とされている。なお、後述
のように、2枚のプラスチックフィルムの間にプラスチ
ックメッシュシートを介在させて両側縁部1a,1bお
よび底縁部1cをヒートシールして袋状に形成してもよ
い。
【0020】このバッグ1は水質検査に供する検水50
mlを収容するために用いられ、50mlの検水が収容
されたときの水位を示すインデックス3がバッグ1の両
面に表示されている。
【0021】このバッグ1の有効内寸Lを五等分する位
置において、底縁ヒートシール部1cからインデックス
3を越えてチャッキング部2の下方位置までバッグ高さ
方向に小幅でヒートシールすることによって隔室形成ヒ
ートシール部4a〜4dが形成され、これら隔室形成ヒ
ートシール部によりバッグ内部が各々一定量(10m
l)の検水を収容可能な5つの隔室5a〜5eに等分区
画されている。
【0022】隔室形成ヒートシール部4a〜4dの上端
はチャッキング部2よりも下方にあるため、これらの間
にはバッグ1に収容された液が流通可能な上方液通部6
が設けられている。
【0023】また、インデックス3よりも下位レベルに
おいて各隔室形成ヒートシール部4a〜4dはヒートシ
ールされていない開放オリフィス(符号なし)を有して
おり、該開放オリフィスの存在によってバッグ1内の液
が隔室5a〜5e間を自由に流通可能な下方液通部7を
形成している。
【0024】なお、各隔室形成ヒートシール部4a〜4
dにおける開放オリフィスはバッグ底縁部1cとインデ
ックス3との間の中間位置であれば任意の高さ位置に設
けることができ、図示実施形態における開放オリフィス
の高さ位置はその一例にすぎない。
【0025】バッグ1の両側縁ヒートシール部1a,1
bのインデックス3よりも下位レベルにおいて任意個数
のバッグ伸張用フック引掛穴8a,8bが形成されてい
る。フック引掛穴8a,8bの作用についてはバッグの
使用方法において後述する。
【0026】バッグ1の両側縁ヒートシール部1a,1
bにはさらに任意個数のバッグ懸架用フック引掛穴9
a,9bが形成されている。このフック引掛穴9a,9
bの形成位置はそれ程厳密に規定する必要はないが、図
示実施例では下記のバッグ切裂用ノッチ11a,11b
よりも下位レベルに該ノッチに比較的近接して形成され
ている。このフック引掛穴9a,9bの作用についても
バッグの使用方法において後述する。
【0027】バッグ1の両側縁ヒートシール部1a,1
bの上部には作用の異なる2種類のノッチ10a,10
b:11a,11bが形成されている。ノッチ10a,
10bは頂縁部1dにおいて完全密閉シールされた状態
で製品化されるバッグ1を幅方向に切り裂いて水質検査
に供するために用いられる。
【0028】ノッチ11a,11bは、各隔室形成ヒー
トシール部4a〜4dの中間の開放オリフィスを密閉シ
ールしてバッグ底縁部1cから各隔室形成ヒートシール
部4a〜4dの上端まで連続させるとともに各隔室形成
ヒートシール部4a〜4dの上端部をバッグの幅方向に
亘って密閉シールして各隔室5a〜5eを完全に隔離し
て隔室間の液通を阻止した後に、バッグを幅方向に切り
裂いてバッグ上方の不要な部分を分離廃棄するために用
いられる。
【0029】バッグ1の内部にはあらかじめ所定量の試
薬(図示せず)を入れておくことが好ましい。後述のよ
うにバッグ内に検水を注入した後にバッグを揺すって試
薬を検水に溶解させるので、試薬を入れておく場所はバ
ッグ内のどこでもよく、必ずしも各隔室5a〜5eの底
部に均等量を配置させておく必要はない。この実施形態
のバッグは、従来技術に関して説明したような日本水道
協会による上水試験方法2001年度版に規定されるX
Gal−MUG法に準拠して定性および定量の水質検査
を行うために用いることを前提としているので、試薬に
はXGal−MUGまたはこれにピルビン酸を添加した
培地が用いられる。
【0030】バッグ1内に所定量の試薬を入れた状態
で、バッグ1の頂縁部1dをヒートシールする。これに
よりバッグ1は四方縁1a〜1dがヒートシールされた
完全密封状態となり、放射線により滅菌処理を施して製
品とされる。
【0031】以下にこのバッグ1の使用方法について図
2のフローチャートを参照して説明する。
【0032】まず、使用に先立って、ノッチ10a,1
0bを用いてバッグ1を幅方向に引き裂いてバッグ上端
を開封する(S1)。
【0033】次いで、チャッキング部2を開いて所定量
(50ml)の検水をバッグ内に注入する(S2)。バ
ッグ1内にあらかじめ試薬が入っていない場合は、必要
量の試薬とともに検水をバッグ内に注入する。
【0034】なお、S1でバッグ上端を開放しても、バ
ッグ1を構成する2枚のプラスチックフィルム同士が密
着してしまってバッグ内に検水を注入することが困難で
あったり、あるいはインデックス3が表示されていても
注入した検水の水位が表面張力で判定しづらくなるよう
なことが起こり得るが、2枚のプラスチックフィルムの
間にプラスチックメッシュシートを介在させて両側縁部
1a,1bおよび底縁部1cをヒートシールしてバッグ
1とした場合にはプラスチックフィルム同士の密着が防
止され、表面張力による水位変動も抑制されるので、好
ましい実施形態である。プラスチックメッシュシートと
しては、たとえば0.5〜1mmのメッシュで厚さ18
0μmのポリエチレンメッシュシートを用いることがで
きる。プラスチックメッシュシートは2枚のプラスチッ
クフィルムと略同寸法であってもよいが、バッグ底縁部
1cから少なくともインデックス3を越えた高さ位置ま
で延長するものとして用いられる。
【0035】次いで、チャッキング部2を閉めて検水が
外に漏れないようにしてから、バッグ1を十分に揺すっ
て試薬を検水に溶解させるとともにこの溶解液を十分に
撹拌して均質化させる(S3)。各隔室形成ヒートシー
ル部4a〜4dの中間位置には開放オリフィスが設けら
れているため、この撹拌作業中に液が下方液通部7を自
由に流動して、各隔室5a〜5eには10mlずつの液
が収容されることとなる。
【0036】この後の工程は定量検査の場合と定性検査
の場合とで異なる。
【0037】定量検査を行う場合は、各隔室5a〜5e
に厳密に10mlずつの液が収容されていることが要求
される。前述のように各隔室形成ヒートシール部4a〜
4dの中間位置には開放オリフィスが設けられているた
め、撹拌(S3)中に液が下方液通部7を自由に流動し
て、各隔室5a〜5eには10mlずつの液が収容され
ることとなるが、バッグ1に検水を入れるとバッグ1が
幅方向に収縮変形して各隔室5a〜5eの容積が異なっ
てしまうことがある。そこで、これを防止するため、十
分な撹拌後に、検水を入れる前の平板状のバッグ1(図
1)における左右のフック引掛穴8a,8b間の間隔を
おいて水平に突出するフック(図示せず)をこれらフッ
ク引掛穴8a,8bに通してバッグ1を幅方向に強制的
に伸張させた状態にしておくことが好ましい。
【0038】そして、この状態を維持したままで、図3
にヒートシール部12として示されるように各隔室形成
ヒートシール部4a〜4dの中間の開放オリフィスを密
閉シールしてバッグ底縁部1cから各隔室形成ヒートシ
ール部の上端まで各隔室形成ヒートシール部を連続させ
るとともに、同図にヒートシール部13として示される
ように各隔室形成ヒートシール部4a〜4dの上端部を
バッグの幅方向に亘って密閉シールして各隔室5a〜5
e間を完全に隔離して隔室間の液通を阻止する(S4
1)。これにより各隔室5a〜5eは10mlの液15
を収容した密閉試験管ないしボトルと同等の機能を有す
るものとなるので、所定温度の孵卵器内で所定時間培養
した(S42)後、各隔室5a〜5e内の液の変色を観
察して大腸菌群陽性と判定された隔室数をカウントし、
さらに、紫外線照射による蛍光発色を観測してE.co
li陽性と判定された隔室数をカウントし、MPN法に
基づく最確数(MPN値)を求める(S43)。
【0039】なお、前述のように、S41のステップ後
にノッチ11a,11bを用いてバッグ1を幅方向に切
り裂いてバッグ上方の不要な部分(ヒートシール部13
よりも上方の部分)を分離廃棄することができるので、
このようにしてバッグ1の高さ寸法を小さくした状態で
S42およびS43のステップを行ってもよい。
【0040】また、定量検査を行うに際しては、図3に
示すようにヒートシール部12を形成して各隔室5a〜
5eを隔離するとともにヒートシール部13を形成して
各隔室を密閉した状態のバッグ1を、前述のバッグ懸架
用フック引掛穴9a,9bを用いてスタンド(図示せ
ず)に吊して検査を行うことができる。
【0041】定性検査を行う場合は、定量検査の場合と
同様に図3のヒートシール部13と同位置で密封シール
するか、あるいはシールせずに単にチャッキング部2で
密封し(S51)、所定温度の孵卵器内で所定時間培養
した(S52)後、バッグ内の液の変色を観察すること
によって液中大腸菌群についての陽性・陰性を判定し、
さらに、紫外線照射による蛍光発色を観測して液中E.
coliについての陽性・陰性を判定する(S53)。
定性検査の場合も、バッグ1をスタンドに吊した状態で
行うことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、原水や水道水等の検水
中の大腸菌群やE.coliを検査するために好適に用
いることのできる検水収容ディスポーザブルバッグを提
供することができ、信頼性の高い測定を簡便に実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による検水収容ディスポー
ザブルバッグを示す正面図である。
【図2】図1の検水収容ディスポーザブルバッグを用い
て行う水質検査を工程順に説明するフローチャートであ
る。
【図3】図1の検水収容ディスポーザブルバッグに所定
量の検水を収容した後に定量検査のために各隔室を隔離
且つ密閉するべく所定箇所をヒートシールした状態を示
す正面図である。
【図4】図1の検水収容ディスポーザブルバッグに所定
量の検水を収容した後に定性検査のために所定箇所をヒ
ートシールした状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 検水収容ディスポーザブルバッグ 1a,1b バッグの両側縁ヒートシール部 1c バッグの底縁ヒートシール部 1d バッグの頂縁ヒートシール部 2 チャッキング部 3 インデックス 4a〜4d 隔室形成ヒートシール部 5a〜5e 隔室 6 上方液通部 7 下方液通部 8a,8b バッグ伸張用フック引掛穴 9a,9b バッグ懸架用フック引掛穴 10a,10b バッグ切裂用ノッチ 11a,11b バッグ切裂用ノッチ 12 隔室形成ヒートシール部の開放オリフィスを閉塞
するためのヒートシール部 13 定量検査において隔室を密封するためのヒートシ
ール部 15 液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 恵子 東京都新宿区市谷砂土原町2−2 株式会 社エルメックス内 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA17 CA04 DA01 EA01 GA07 GB01 GB21 KA03 LA01 2G052 AA06 AA28 AB16 AC03 AC17 AD06 AD26 AD49 BA17 CA03 CA04 DA13 DA14 DA15 DA27 FB02 GA11 HA02 JA02 2G054 AA02 AA10 GA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明樹脂製のバッグの上部にはバッグ開閉
    手段が設けられ、所定量の検水を収容可能なバッグ内部
    は、バッグの高さ方向に延長する隔室形成ヒートシール
    部により各々一定量の検水を収容可能な複数の隔室に等
    分区画されており、各隔室形成ヒートシール部は、バッ
    グ開閉手段よりも低いレベルにその上端が位置している
    とともに、各隔室に一定量の検水が収容されたときの水
    位よりも低い任意の中間地点において開放していること
    を特徴とする、水質検査用検水収容ディスポーザブルバ
    ッグ。
  2. 【請求項2】バッグ内にあらかじめ所定量の水質検査用
    試薬を収容した状態でバッグ上端が密閉シールされてい
    ることを特徴とする、請求項1記載の水質検査用検水収
    容ディスポーザブルバッグ。
  3. 【請求項3】密閉シールされたバッグ上端とバッグ開閉
    手段との間でバッグを幅方向に亘って切り裂き可能とす
    るための第1のノッチがバッグの幅方向両側に設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1記載の水質検査用検
    水収容ディスポーザブルバッグ。
  4. 【請求項4】バッグ開閉手段と各隔室形成ヒートシール
    部上端との間でバッグを幅方向に亘って切り裂き可能と
    するための第2のノッチがバッグの幅方向両側に設けら
    れていることを特徴とする、請求項1記載の水質検査用
    検水収容ディスポーザブルバッグ。
  5. 【請求項5】バッグ内に所定量の検水を収容したときに
    各隔室が実質的に同一の容積となるようにバッグを幅方
    向に伸張させるためのフック引掛穴がバッグの幅方向両
    側のシール部内に設けられていることを特徴とする、請
    求項1記載の水質検査用検水収容ディスポーザブルバッ
    グ。
  6. 【請求項6】バッグ内に所定量の検水が収容されたこと
    を示すインデックスがバッグの幅方向に亘って表示さ
    れ、このインデックスは同時に各隔室内に一定量の検水
    が収容されたことを示すものとしても用いられることを
    特徴とする、請求項1記載の水質検査用検水収容ディス
    ポーザブルバッグ。
  7. 【請求項7】請求項1記載の水質検査用検水収容ディス
    ポーザブルバッグのバッグ開閉手段によりバッグ上端を
    開放し、ここからバッグ内に所定量の検水を注入した
    後、バッグ開閉手段によりバッグを閉じた状態にしてバ
    ッグを揺すってバッグ内にあらかじめまたは後に収容さ
    れた水質検査用試薬を検水に溶解させ、この間にバッグ
    内の液は閉じられたバッグ開閉手段と各隔室形成ヒート
    シール部上端の間の上方液通部および各隔室形成ヒート
    シール部の中間位置で開放された下方液通部を通じて実
    質的に均等に撹拌分散され、その後バッグ内の液レベル
    よりも上方でバッグ全体を密閉シールすることにより各
    隔室を隔離させた後、孵卵器内で所定時間培養し、バッ
    グ内の液の変色および/または紫外線照射による蛍光発
    色を観測して液中の微生物を定性検査することを特徴と
    する水質検査方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の水質検査用検水収容ディス
    ポーザブルバッグのバッグ開閉手段によりバッグ上端を
    開放し、ここからバッグ内に所定量の検水を注入した
    後、バッグ開閉手段によりバッグを閉じた状態にしてバ
    ッグを揺すってバッグ内にあらかじめまたは後に収容さ
    れた水質検査用試薬を検水に溶解させ、この間にバッグ
    内の液は閉じられたバッグ開閉手段と各隔室形成ヒート
    シール部上端との間の上方液通部および各隔室形成ヒー
    トシール部の中間位置で開放された下方液通部を通じて
    実質的に均等に撹拌分散されるとともに各隔室内には一
    定量の液が等分に収容されることになり、その後、各隔
    室形成ヒートシール部の中間の開放部を密閉シールして
    バッグ底部から各隔室形成ヒートシール部の上端まで各
    隔室形成ヒートシール部を連続させるとともに各隔室形
    成ヒートシール部の上端部をバッグの幅方向に亘って密
    閉シールして各隔室間を完全に隔離して隔室間の液通を
    阻止した後、孵卵器内で所定時間培養し、各隔室内の液
    の変色および/または紫外線照射による蛍光発色が観測
    された隔室数をカウントして液中の微生物を定量検査す
    ることを特徴とする水質検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103217388A (zh) * 2013-04-01 2013-07-24 浙江大学 利用废弃离子交换树脂球进行待测水域水质检测的方法

Cited By (2)

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CN103217388A (zh) * 2013-04-01 2013-07-24 浙江大学 利用废弃离子交换树脂球进行待测水域水质检测的方法
CN103217388B (zh) * 2013-04-01 2015-04-29 浙江大学 利用废弃离子交换树脂球进行待测水域水质检测的方法

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