JP2003209070A - Icチップの製造方法 - Google Patents

Icチップの製造方法

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JP2003209070A JP2002006556A JP2002006556A JP2003209070A JP 2003209070 A JP2003209070 A JP 2003209070A JP 2002006556 A JP2002006556 A JP 2002006556A JP 2002006556 A JP2002006556 A JP 2002006556A JP 2003209070 A JP2003209070 A JP 2003209070A
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Munehiro Hatakei
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ウエハを厚さ50μm程度まで薄くした場合
においても、ウエハの破損等を防止し、取扱い性を改善
し、良好にICチップへの加工が行えるICチップの製
造方法を提供する。 【解決手段】 刺激により気体を発生する粘着剤(A)
層からなる面と粘着剤(B)層からなる面とを有する支
持テープを介して、ウエハを支持板に固定する工程、支
持テープを介してウエハを研磨する工程、ウエハにテー
プを貼り付ける工程、支持テープを剥離する工程、及
び、ウエハのダイシングを行う工程を有する製造方法
で、支持テープを介してウエハを支持板に固定する工程
において、粘着剤(A)層からなる面とウエハとを貼り
合わせ、粘着剤(B)層からなる面と支持板とを貼り合
わせるものであり、粘着剤(A)層に刺激を与えてウエ
ハから支持テープを剥離する工程において、ウエハ全体
をダイシングテープ側から均一に減圧吸引しながら、ウ
エハから支持テープを剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハを厚さ50
μm程度まで極めて薄くした場合においても、ウエハの
破損等を防止し、取扱い性を改善し、良好にICチップ
への加工が行えるICチップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路(ICチップ)は、通常
高純度半導体単結晶等をスライスしてウエハとした後、
フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パタ
ーンを形成し、次いでウエハ裏面を研磨機により研磨し
て、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄く
し、最後にダイシングしてチップ化することにより、製
造されている。
【0003】ここで、上記研磨時には、ウエハ表面に粘
着シート類(研磨用テープ)を貼り付けて、ウエハの破
損を防止したり、研磨加工を容易にしており、上記ダイ
シング時には、ウエハ裏面側に粘着シート類(ダイシン
グテープ)を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態で
ダイシングし、形成されたチップをダイシングテープの
フィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップ
し、ダイパッド上に固定させている。
【0004】近年、ICチップの用途が広がるにつれ
て、ICカード類に用いたり、積層して使用したりする
ことができる厚さ50μm程度の極めて薄いウエハも要
求されるようになってきた。しかしながら、厚さが50
μm程度のウエハは、厚さが100〜600μm程度の
従来のウエハに比べて、反りが大きく衝撃により割れや
すいので、従来のウエハと同様に加工した場合、衝撃を
受けやすい研磨工程やダイシング工程及びICチップの
電極上にバンプを作製する際にウエハの破損が生じやす
く、歩留まりが悪かった。このため、厚さ50μm程度
のウエハからICチップを製造する過程におけるウエハ
の取扱性の向上が重要な課題となっていた。
【0005】これに対して、支持テープを介してウエハ
を支持板に貼り付け、支持板に固定した状態で研磨を行
う方法が提案されている。この方法によれば、ウエハの
強度及び平面性を支持板により確保でき、取扱性が向上
する。
【0006】しかしながら、この方法においても、厚さ
50μm程度のウエハでは強度が弱いために支持板や支
持テープから剥離する際の負荷により、破損や変形を生
じることがあるという問題点があった。また、厚さ50
μm程度の極めて薄いウエハは、厚さが100〜600
μm程度の従来のウエハに比べてより多くの層を積層す
ることができる一方、多くの層を積層するためにより厳
密な平面性がウエハに必要であるという問題点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、ウエハを厚さ50μm程度まで極めて薄くした場
合においても、ウエハの破損等を防止し、取扱い性を改
善し、良好にICチップへの加工が行えるICチップの
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤
(A)層からなる面と粘着剤(B)層からなる面とを有
する支持テープを介して、ウエハを支持板に固定する工
程、前記支持テープを介して前記ウエハを前記支持板に
固定した状態で研磨する工程、研磨した前記ウエハにダ
イシングテープを貼り付ける工程、前記粘着剤(A)層
に刺激を与えて前記ウエハから前記支持テープを剥離す
る工程、及び、前記ウエハのダイシングを行う工程を有
するICチップの製造方法であって、前記支持テープを
介して前記ウエハを前記支持板に固定する工程におい
て、前記粘着剤(A)層からなる面と前記ウエハとを貼
り合わせ、前記粘着剤(B)層からなる面と前記支持板
とを貼り合わせるものであり、前記粘着剤(A)層に刺
激を与えて前記ウエハから前記支持テープを剥離する工
程において、前記ウエハ全体を前記ダイシングテープ側
から均一に減圧吸引しながら、前記ウエハから前記支持
テープを剥離するICチップの製造方法である。以下に
本発明を詳述する。
【0009】本発明のICチップの製造方法は、少なく
とも、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する
粘着剤(A)層からなる面と粘着剤(B)層からなる面
とを有する支持テープを介して、ウエハを支持板に固定
する工程を有するものである。
【0010】上記支持テープは、刺激により気体を発生
する気体発生剤を含有する粘着剤(A)層からなる面と
粘着剤(B)層からなる面とを有するものであれば、両
面に粘着剤層を有する粘着性ノンサポートテープであっ
ても、基材の両面に粘着剤層が形成されてなる両面粘着
テープであってもよい。本明細書において、ノンサポー
トテープとは、基材を有さない粘着剤層のみからなるも
のをいい、1層のみの粘着剤層からなるものであって
も、複数の層からなるものであってもよい。上記ノンサ
ポートテープが1層のみの粘着剤層からなる場合とは、
例えば、粘着剤(A)層と粘着剤(B)層とが同一の場
合である。
【0011】上記基材を用いる場合であって、粘着剤
(A)層の粘着力を低下させる刺激が光による刺激であ
る場合には、上記基材としては光を透過又は通過するも
のであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィ
ン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、
ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構
造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられ
る。
【0012】上記支持テープは、刺激により気体を発生
する気体発生剤を含有する粘着剤(A)層からなる面を
有するものである。上記刺激としては、例えば、光、
熱、超音波による刺激が挙げられる。中でも光又は熱に
よる刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線
や可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺
激を用いる場合には、上記粘着剤(A)は、光が透過又
は通過できるものであることが好ましい。
【0013】上記刺激により気体を発生する気体発生剤
としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、ア
ジド化合物が好適に用いられる。上記アゾ化合物として
は、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−
メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−
メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2
−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−
アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブ
チル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンア
ミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)
−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス
(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,
2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロ
ピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチ
ル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイ
ドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミ
ダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライ
ド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−
2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレー
ト、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テト
ラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイド
ロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−
ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]
プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス
[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイ
ン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−ア
ミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾ
ビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プ
ロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N
−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキ
シム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロ
ピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレ
ート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックア
シッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイ
ックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−ト
リメチルペンタン)等が挙げられる。ICチップの製造
においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入るこ
とから、これらのなかでも熱分解温度の高い2,2’−
アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミ
ド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプ
ロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘ
キシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。
これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素
ガスを発生する。
【0014】上記アジド化合物としては、例えば、3−
アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジ
ド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメ
チル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより
得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有す
るポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、
光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生す
る。
【0015】これらの気体発生剤のうち、上記アジド化
合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素
ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという
問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解
が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出
しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素
ガスによってウエハが損傷することがあるという問題も
ある。かかる問題から上記アジド化合物の使用量は限定
されるが、限定された使用量では充分な効果が得られな
いことがある。一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物
とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取
り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして
爆発的に気体を発生することもないためウエハを損傷す
ることもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断
できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能で
あるという利点もある。したがって、上記気体発生剤と
しては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0016】上記気体発生剤を含有することにより、上
記粘着剤(A)層に刺激を与えると粘着剤(A)層の気
体発生剤から気体が発生して、粘着力が低下して被着体
を容易に剥離することができる。
【0017】上記気体発生剤は粘着剤(A)層に分散さ
れていてもよいが、気体発生剤を粘着剤(A)層に分散
させておくと粘着剤(A)層全体が発泡体となるため柔
らかくなりすぎ、粘着剤層をうまく剥がせなくなるおそ
れがある。したがって、支持板と接する粘着剤(A)の
表層部分にのみ含有させておくことが好ましい。表層部
分にのみ含有させておけば、支持板と接する粘着剤の表
層部分では気体発生剤から気体が発生して界面の接着面
積が減少し、なおかつ気体が、被着体から粘着剤の接着
面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0018】上記粘着剤層の表層部分にのみ気体発生剤
を含有させる方法としては、例えば、支持テープの粘着
剤(A)層の上に、1〜20μm程度の厚さで気体発生
剤を含有する粘着剤(A)を塗工する方法や、あらかじ
め作製した支持テープの粘着剤(A)層の表面に、気体
発生剤を含有する揮発性液体を塗布するかスプレー等に
よって吹き付けることにより、粘着剤表面に気体発生剤
を均一に付着させる方法等が挙げられる。粘着剤表面に
気体発生剤を付着させる場合は、粘着剤と相溶性に優れ
た気体発生剤を付着させることが好ましい。すなわち、
粘着剤表面に気体発生剤を多量に付着させると粘着力が
低下するが、気体発生剤が粘着剤と相溶する場合は、付
着した気体発生剤は粘着剤層に吸収され粘着力が低下す
ることがない。なお、上記表層部分は、粘着剤層の厚さ
によるが、粘着剤表面から20μmまでの部分であるこ
とが好ましい。また、ここでいう表層部分には粘着剤表
面に気体発生剤が均一に付着していている態様や粘着剤
表面に付着した気体発生剤が粘着剤と相溶し粘着剤層に
吸収された態様を含む。
【0019】上記粘着剤(A)は、刺激により弾性率が
上昇するものであることが好ましい。粘着剤(A)の弾
性率を上昇させる刺激は、上記気体発生剤から気体を発
生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていても
よい。かかる上記粘着剤(A)としては、例えば、分子
内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル
酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキル
エステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官
能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じ
て光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内
にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸
アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエ
ステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能
オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤
を含んでなる熱硬化型粘着剤等からなるものが挙げられ
る。
【0020】このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘
着剤等の後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘
着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化
するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、
粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発
生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外
部に放出され、放出された気体は、被着体と粘着剤との
接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0021】上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に
官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官
能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらか
じめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基と
ラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、
官能基含有不飽和化合物という)と反応させることによ
り得ることができる。なお、本明細書において、(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味するも
のとする。
【0022】上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマ
ーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の
(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル
基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アル
キルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステル
を主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に
必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマー
とを常法により共重合させることにより得られるもので
ある。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重
量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0023】上記官能基含有モノマーとしては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有
モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポ
キシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチ
ル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネ
ート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタク
リル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げ
られる。
【0024】上記共重合可能な他の改質用モノマーとし
ては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレ
ン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられて
いる各種のモノマーが挙げられる。
【0025】上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマ
ーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記
官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じ
て上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用でき
る。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマ
ーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モ
ノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同
官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有
モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカ
ルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド
基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合
はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0026】上記多官能オリゴマー又はモノマーとして
は、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ま
しくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化
が効率よくなされるように、その分子量が5,000以
下であり、かつ、その分子内のラジカル重合性の不飽和
結合の数の下限が2個、上限が20個である。このよう
なより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとして
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノ
ヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオ
リゴエステルアクリレート又は上記同様のメタクリレー
ト類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモ
ノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
【0027】上記光重合開始剤としては、例えば、25
0〜800nmの波長の光を照射することにより活性化
されるものが挙げられ、このような光重合開始剤として
は、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノ
ン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合
物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチ
ルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオ
キシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラ
ーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサン
トン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサント
ン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重
合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独
で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0028】上記熱重合開始剤としては、熱により分解
し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが
挙げられ、具体的には例えば、ジクミルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分
解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開
始剤のうち市販されているものとしては特に限定されな
いが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチ
ルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が好
適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほ
か、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望に
よりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ
化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化
合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面
活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を配
合してもよい。
【0030】上記支持テープは、粘着剤(A)層からな
る面以外に、粘着剤(B)層からなる面を有するもので
ある。上記粘着剤(B)としては特に限定されないが、
本発明のICチップの製造方法において、研磨工程とダ
イシング工程の間で、ウエハから支持テープを剥離する
工程を行う前に、予め支持板を支持テープから剥離する
場合には、上記粘着剤(B)は、刺激により粘着力が低
下する性質を有することが好ましい。かかる粘着剤
(B)としては、前述の粘着剤(A)に用いられる、分
子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリ
ル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキ
ルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多
官能オリゴマーとを主成分として含んでなる後硬化型粘
着剤等を用いることができる。ウエハから支持テープを
剥離する前に、予め支持板を支持テープから剥離してお
けば、可とう性を有する支持テープをめくるようにし
て、より容易にウエハから剥離することができる。
【0031】また、この場合、上記粘着剤(B)は刺激
により気体を発生する気体発生剤を含有していることが
より好ましい。上記気体発生剤を含有することにより、
上記粘着剤(B)層に刺激を与えると粘着剤(B)層の
気体発生剤から気体が発生して、粘着力が低下して被着
体を更に容易に剥離することができる。また、上記粘着
剤(B)が後硬化型粘着剤等からなる場合には、刺激を
与える前は優れた粘着性を有しており、刺激を与えるこ
とにより架橋反応が進行し硬化物となるので、支持テー
プを剥離するまでの間は優れた粘着性を有する粘着剤で
ありながら、支持テープを剥離する際には硬い硬化物と
することができる。硬い硬化物中で気体発生剤から気体
を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出さ
れ、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少
なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0032】上記気体発生剤は粘着剤(B)層に分散さ
れていてもよいが、気体発生剤を粘着剤(B)層に分散
させておくと粘着剤(B)層全体が発泡体となるため柔
らかくなりすぎ、粘着剤層をうまく剥がせなくなるおそ
れがある。したがって、支持板と接する粘着剤(B)の
表層部分にのみ含有させておくことが好ましい。表層部
分にのみ含有させておけば、刺激により粘着剤(B)層
を充分に柔らかくすることができるとともに、支持板と
接する粘着剤の表層部分では気体発生剤から気体が発生
して界面の接着面積が減少し、なおかつ気体が、被着体
と粘着剤との接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を
低下させる。
【0033】上記粘着剤層の表層部分にのみ気体発生剤
を含有させる方法としては、例えば、支持テープの粘着
剤(B)層の上に、1〜20μm程度の厚さで気体発生
剤を含有する粘着剤(B)を塗工する方法や、あらかじ
め作製した支持テープの粘着剤(B)層の表面に、気体
発生剤を含有する揮発性液体を塗布するかスプレー等に
よって吹き付けることにより、粘着剤表面に気体発生剤
を均一に付着させる方法等が挙げられる。粘着剤表面に
気体発生剤を付着させる場合は、粘着剤と相溶性に優れ
た気体発生剤を付着させることが好ましい。すなわち、
粘着剤表面に気体発生剤を多量に付着させると粘着力が
低くなるが、気体発生剤が粘着剤と相溶する場合は、付
着した気体発生剤は粘着剤層に吸収され粘着力が低下す
ることがない。なお、上記表層部分は、粘着剤層の厚さ
によるが、粘着剤表面から20μmまでの部分であるこ
とが好ましい。また、ここでいう表層部分には粘着剤表
面に気体発生剤が均一に付着している態様や粘着剤表面
に付着した気体発生剤が粘着剤と相溶し粘着剤層に吸収
された態様を含む。
【0034】上記粘着剤(A)層からなる面と粘着剤
(B)層からなる面とを有する支持テープを介して、ウ
エハは支持板に固定される。上記ウエハとしては、例え
ば、シリコン、ガリウム、砒素等からなる高純度半導体
単結晶をスライスしたもの等が挙げられる。上記ウエハ
の厚さとしては特に限定されないが、一般に500μm
〜1mm程度である。なお、上記ウエハは支持板に固定
される前にその表面に所定の回路パターンが形成され
る。
【0035】上記支持板としては特に限定されないが、
粘着剤(A)層の粘着力を低下させる刺激が光による刺
激である場合にあっては透明であることが好ましく、例
えば、ガラス板;アクリル、オレフィン、ポリカーボネ
ート、塩化ビニル、ABS、PET、ナイロン、ウレタ
ン、ポリイミド等の樹脂からなる板状体等が挙げられ
る。上記支持板の厚さの好ましい下限は500μm、上
限は3mmであり、より好ましい下限は1mm、上限は
2mmである。また、上記支持板の厚さのばらつきは1
%以下であることが好ましい。
【0036】本発明のICチップの製造方法は、上記支
持テープを介して上記支持板に上記ウエハを固定する工
程において、上記粘着剤(A)層と上記ウエハとを貼り
合わせ、上記粘着剤(B)層と上記支持板とを貼り合わ
せる。この際、ウエハの回路パターンが形成されている
面と粘着剤(A)層とを貼り合わせる。
【0037】上記支持テープを介して支持板にウエハを
固定することにより、ウエハを補強し、その取扱性を向
上させることができるので、厚さ50μm程度の非常に
薄いウエハであっても搬送や加工の際に欠けたり割れた
りすることがなく、カセット等への収納性もよい。な
お、上記支持テープは、ICチップを製造する一連の工
程の終了後に刺激を与えることにより、ICチップから
容易に剥離できる。
【0038】本発明のICチップの製造方法は、少なく
とも、上記支持テープを介して上記ウエハを上記支持板
に固定した状態で研磨する工程を有する。研磨後のウエ
ハの厚さとしては特に限定されないが、ウエハを薄く加
工する場合ほど破損防止の効果は発揮されやすく、研磨
後の厚さを50μm程度、例えば、20〜80μmとし
た場合には、優れた破損防止の効果が発揮される。
【0039】本発明のICチップの製造方法は、少なく
とも、研磨した上記ウエハにダイシングテープを貼り付
ける工程を有する。なお、ダイシングテープを貼り付け
る前に、予め絶縁性基板としてポリイミドフイルムをウ
エハに貼り付けてもよい。上記ポリイミドフイルムをウ
エハに貼り付ける際には、加熱する必要がある。したが
って、上記粘着剤(A)層が熱による刺激により粘着力
を低下させる場合、及び、上記粘着剤(A)が熱による
刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する場合に
あっては、粘着剤(A)の粘着力を低下させる温度又は
気体を発生させる温度について、上記ポリイミドフイル
ムをウエハに貼り付ける際の温度よりも高いものを選択
しておく必要がある。
【0040】上記ダイシングテープとしては特に限定さ
れないが、公知の光硬化性粘着テープを用いることがで
き、例えば、古河電工社製のAdwill(登録商標)
D−シリーズや、日東電工社製のエレップホルダー(登
録商標)UEシリーズ等のテープが挙げられる。
【0041】本発明のICチップの製造方法は、少なく
とも、上記粘着剤(A)層に刺激を与えて上記ウエハか
ら上記支持テープを剥離する工程を有し、この工程にお
いて、上記ウエハ全体を上記ダイシングテープ側から均
一に減圧吸引しながら、上記ウエハから上記支持テープ
を剥離する。具体的には、例えば、通気性のある平滑な
固定板と、真空ポンプ等の減圧装置とを備えた設備を用
い、ウエハが貼り付けられたダイシングテープを通気性
のある平滑な固定板上に置いて、平滑な固定板の反対側
から減圧吸引しながら、上記粘着剤(A)層に刺激を与
える。粘着剤(A)層に含有される気体発生剤から気体
が発生し、発生した気体の圧力でウエハと粘着剤(A)
層との粘着力が低下するので支持テープの剥離が容易と
なる。しかし、厚さ50μm程度の極めて薄いウエハで
は、厚さが100〜600μm程度の従来のウエハに比
べて強度が弱く、気体発生剤から気体が局所的に発生し
一部に強い圧力がかかることでウエハが変形して破損し
てしまうことがある。そこで、ウエハ全体をダイシング
テープ側から均一に減圧吸引してウエハ全体を固定する
ことにより、ウエハと固定板とが一体となり、ウエハが
補強されるので、不均一に局所的に発生した気体によっ
ても、ウエハが極度に変形することを防止でき、破損し
てしまうことを防止できる。更にウエハから支持テープ
を剥離する際にも、ウエハ全体をダイシングテープ側か
ら均一に減圧吸引してウエハ全体を固定することによ
り、ウエハが補強されるので、支持テープを剥離しよう
とする力でウエハが変形したり破損したりすることを防
止できる。
【0042】上記通気性のある平滑な固定板としては、
例えば、樹脂等からなる板に微細な貫通孔を形成したも
のやセラミック多孔質板のような多孔質の材料からなる
板等が挙げられる。上記通気性のある平滑な固定板は、
ウエハの平面性を担保するためにできるだけ平坦であ
り、かつ、吸引時に変形しない強度を有することが好ま
しい。上記貫通孔は、上記平滑な固定板の全面に均一に
形成されていることが好ましく、その孔径は、減圧吸引
によりウエハの平面性が逆に損なわれるほど大きくては
ならないが、ウエハの生産性又は平面性が低下しないよ
うに速やかに充分な減圧吸引が行える大きさである必要
がある。
【0043】また、ウエハから支持テープを剥離する工
程を行う前に、ウエハ全体を上記ダイシングテープ側か
ら均一に減圧吸引しながら、予め上記支持テープから支
持板を剥離してもよい。上記粘着剤(B)として刺激に
より気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤を用い
た場合には、粘着剤(B)層に刺激を与え粘着力を低下
させたうえで、上述したようにウエハ全体をダイシング
テープ側から均一に減圧吸引しながら、支持テープから
支持板を剥離すれば、可とう性を有する支持テープはめ
くりながら剥離でき、より一層効果的にウエハの破損や
変形を防止できる。なお、工程数が増えるので表面に壊
れやすい回路が形成されているウエハからICチップを
製造する場合に行うことが好ましい。
【0044】本発明のICチップの製造方法は、少なく
とも、ウエハのダイシングを行う工程を有する。この工
程により、表面に回路が形成されたウエハは、ダイヤモ
ンドカッターによりチップに切り分けられる。その大き
さは、通常1辺、数100μm〜数10mmである。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0046】(実施例1) <粘着剤の調製>下記の化合物を酢酸エチルに溶解さ
せ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70
万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合
体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対
して、メタクリル酸2−イソシアネートエチル3.5重
量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液
の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート20重量部、光重合開始剤(イル
ガキュア651、50%酢酸エチル溶液)0.5重量
部、ポリイソシアネート1.5重量部を混合し粘着剤
(1)の酢酸エチル溶液を調製した。 ブチルアクリレート 79重量部 エチルアクリレート 15重量部 アクリル酸 1重量部 2ーヒドロキシエチルアクリレート 5重量部 光重合開始剤 0.2重量部 (イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液) ラウリルメルカプタン 0.02重量部
【0047】更に、粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹
脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−
(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)100重
量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2)を
調製した。
【0048】<支持テープの作製>粘着剤(1)の酢酸
エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μ
mの透明なPETフィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約
15μmとなるようにドクターナイフで塗工し110
℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘
着剤(1)層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘
着剤(1)層の表面に離型処理が施されたPETフィル
ムを貼り付けた。
【0049】粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、表面に
離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚
さが約15μmとなるようにドクターナイフで塗工し1
10℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥
させた。乾燥後の粘着剤(1)層は乾燥状態で粘着性を
示した。次いで、粘着剤(1)層の表面に離型処理が施
されたPETフィルムを貼り付けた。
【0050】次いで、粘着剤(1)層を設けたコロナ処
理を施したPETフィルムの粘着剤(1)層のない面
と、粘着剤(1)層を設けた離型処理が施されたPET
フィルムの粘着剤(1)層の面とを貼り合わせた。これ
により両面に粘着剤層が設けられ、離型処理が施された
PETフィルムで表面を保護された支持テープ1を得
た。
【0051】別に、粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、
表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮
膜の厚さが約10μmとなるようにドクターナイフで塗
工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液
を乾燥させた。乾燥後の粘着剤(2)層は乾燥状態で粘
着性を示した。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処
理が施されたPETフィルムを貼り付けた。
【0052】支持テープ1の片側の粘着剤(1)層を保
護する表面に離型処理が施されたPETフィルムを剥が
し、粘着剤(2)層が形成された表面に離型処理が施さ
れたPETフィルムの粘着剤(2)層と貼り合わせた。
その後、40℃、3日間静置養生を行った。これにより
一方の面に粘着剤(1)層を、他方の面に粘着剤(1)
層の表層部分に粘着剤(2)からなるプライマー層を有
し、粘着剤層が表面に離型処理が施されたPETフィル
ムで保護された支持テープ2を得た。
【0053】(研磨工程)支持テープ2の粘着剤(2)
層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4c
m、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り合わせ
た。次に、粘着剤(1)層を保護するPETフィルムを
剥がし、直径20.4cmのガラス板に減圧環境の下で
貼り合わせた。支持テープ2を介してシリコンウエハと
接着させたガラス板を研磨装置に取り付け、シリコンウ
エハの厚さが約50μmになるまで研磨した。研磨終了
後、シリコンウエハが接着されているガラス板を研磨装
置から取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの
上に貼り付けた。
【0054】(ウエハの剥離工程)セラミック多孔質板
(平均孔径40μm)からなる固定板と真空ポンプとを
備え、真空ポンプを作動させることによりウエハ全体を
吸引固定できる紫外線照射装置を用い、セラミック多孔
質板上に、シリコンウエハを貼り付けたダイシングテー
プを置き、減圧吸引を行いながら、ガラス板側から超高
圧水銀灯を用いて、ガラス板表面への照射強度が40m
W/cmとなるよう照度を調節した365nmの紫外
線を2分間照射した後、減圧吸引を行いながらガラス板
を真上に引っ張って支持テープ2をシリコンウエハから
剥がした。
【0055】(ダイシング工程)続いて、ダイシングテ
ープで補強されたシリコンウエハをダイシング装置に取
りつけ、ウエハ側からカッター刃を切り入れシリコンウ
エハをICチップの大きさに切断した。次いで、ダイシ
ングテープを剥がしICチップを得た。
【0056】支持テープ2を用いることにより、ICチ
ップと支持板とを高い接着強度で接着することができ、
この状態で研磨することによりウエハを破損することな
く約50μmの厚さに研磨することができた。研磨後に
は紫外線を照射して気体発生剤から気体を発生させるこ
とにより、支持テープの粘着力が著しく低下し、容易に
ウエハを剥離することができた。また、この際ウエハ全
体をダイシングテープ側から均一に減圧吸引したことに
より、発生した気体の圧力によりウエハが破損したり、
変形したりすることもなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ウエハを厚さ50μm
程度まで極めて薄くした場合においても、ウエハの破損
等を防止し、取扱い性を改善し、良好にICチップへの
加工が行える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 康彦 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 畠井 宗宏 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 林 聡史 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 檀上 滋 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 北村 政彦 東京都大田区東糀谷2−14−3 株式会社 ディスコ内 (72)発明者 矢嶋 興一 東京都大田区東糀谷2−14−3 株式会社 ディスコ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、刺激により気体を発生する
    気体発生剤を含有する粘着剤(A)層からなる面と粘着
    剤(B)層からなる面とを有する支持テープを介して、
    ウエハを支持板に固定する工程、前記支持テープを介し
    て前記ウエハを前記支持板に固定した状態で研磨する工
    程、研磨した前記ウエハにダイシングテープを貼り付け
    る工程、前記粘着剤(A)層に前記刺激を与えて前記ウ
    エハから前記支持テープを剥離する工程、及び、前記ウ
    エハのダイシングを行う工程を有するICチップの製造
    方法であって、前記支持テープを介して前記ウエハを前
    記支持板に固定する工程において、前記粘着剤(A)層
    からなる面と前記ウエハとを貼り合わせ、前記粘着剤
    (B)層からなる面と前記支持板とを貼り合わせるもの
    であり、前記粘着剤(A)層に刺激を与えて前記ウエハ
    から前記支持テープを剥離する工程において、前記ウエ
    ハ全体を前記ダイシングテープ側から均一に減圧吸引し
    ながら、前記ウエハから前記支持テープを剥離すること
    を特徴とするICチップの製造方法。
  2. 【請求項2】 ウエハから支持テープを剥離する工程を
    行う前に、ウエハ全体をダイシングテープ側から均一に
    減圧吸引しながら、予め前記支持テープから支持板を剥
    離することを特徴とする請求項1記載のICチップの製
    造方法。
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EP1592058A3 (en) * 2004-04-21 2006-04-12 Nitto Denko Corporation Method of selective thermal release from a heat peelable sheet and corresponding apparatus
JP2008021871A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Nitto Denko Corp 被加工物の加工方法

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