JP2003200574A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

Info

Publication number
JP2003200574A
JP2003200574A JP2002003233A JP2002003233A JP2003200574A JP 2003200574 A JP2003200574 A JP 2003200574A JP 2002003233 A JP2002003233 A JP 2002003233A JP 2002003233 A JP2002003233 A JP 2002003233A JP 2003200574 A JP2003200574 A JP 2003200574A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
ink jet
recording head
substrate
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002003233A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuto Shimada
勝人 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002003233A priority Critical patent/JP2003200574A/ja
Publication of JP2003200574A publication Critical patent/JP2003200574A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造効率を向上してコストの低減を図ると共
に小型化を図ることができるインクジェット式記録ヘッ
ド及びインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12が
画成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一
方面側に振動板を介して設けられる下電極60、圧電体
層70及び上電極80からなる圧電素子300とを有す
るインクジェット式記録ヘッドにおいて、流路形成基板
10の圧電素子300側に接合され圧電素子300を駆
動させる駆動IC110が実装された接合基板30を有
し、駆動IC110を接合基板30上に配設された駆動
配線121,122にフリップチップ実装によって電気
的に接続すると共に駆動配線122と圧電素子300か
ら引き出された引き出し配線90,61とをワイヤボン
ディングによって電気的に接続することにより、製造効
率を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】また、このような圧電素子は、一般的に、
駆動IC(半導体集積回路)等によって駆動され、この
駆動ICは、例えば、圧力発生室が形成された流路形成
基板の一方面側に接合される接合基板上に実装される。
そして、この駆動ICと各圧電素子から引き出される引
き出し配線等と、ボンディングワイヤからなる接続配線
によって、すなわち、ワイヤボンディングによって電気
的に接続される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット式記録ヘッドでは、流路形成基板
上、接合基板上及び駆動IC上の3面で接続配線がボン
ディングされている。このため、モニタ用のカメラの位
置合わせ及びボンディング位置の調整を複数回行う必要
があり、製造効率が悪く、コストが高くなってしまうと
いう問題がある。
【0008】また、接合基板上に接続配線をボンディン
グするためのパッドを設けるスペースを確保するため
に、ヘッドが大型化してしまうという問題がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、製造効率
を向上してコストの低減を図ると共に小型化を図ること
ができるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェッ
ト式記録装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電
極からなる圧電素子とを有するインクジェット式記録ヘ
ッドにおいて、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接
合され前記圧電素子を駆動させる駆動ICが実装された
接合基板を有し、前記駆動ICが前記接合基板上に配設
された駆動配線にフリップチップ実装によって電気的に
接続されると共に前記駆動配線と前記圧電素子から引き
出された引き出し配線とがワイヤボンディングによって
電気的に接続されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0011】かかる第1の態様では、駆動ICと駆動配
線とをフリップチップ実装により電気的に接続するよう
にしたので、高さの異なる2面でワイヤボンディングを
行うことにより、駆動ICと圧電素子とを電気的に接続
することができ、製造効率が向上すると共に製造コスト
が低減される。また、ワイヤボンディングのためのパッ
ドを形成する領域を縮小できるため、ヘッドの小型化を
図ることができる。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記駆動配線と外部配線とを電気的に接続する実装
部が前記接合基板上に設けられていることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】かかる第2の態様では、接合基板上で外部
配線との接続を行うことにより、製造効率がさらに向上
すると共に、ヘッドの小型化を図ることができる。
【0014】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記接合基板が、前記圧電素子の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で当該空間を封止する
圧電素子保持部を有することを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0015】かかる第3の態様では、圧電素子保持部内
に圧電素子が密封されることによって、外部環境に起因
する圧電素子の破壊が防止される。
【0016】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記接合基板が各圧力発生室の共通イ
ンク室の少なくとも一部を構成するリザーバ部を有する
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0017】かかる第4の態様では、接合基板がリザー
バを有するリザーバ形成基板を兼ねるため、接合基板と
は別途リザーバ形成基板を設ける必要がなく、ヘッドを
小型化することができる。
【0018】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板
に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各
層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであ
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0019】かかる第5の態様では、高密度のノズル開
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
【0020】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置。
【0021】かかる第6の態様では、印刷品質が良好で
あり且つ比較的安価なインクジェット式記録装置を実現
することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0023】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
【0024】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなり、その一方の面には、異方性エッチングにより形
成された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設され
ている。また、圧力発生室12の長手方向外側には、後
述するリザーバ形成基板30のリザーバ部31と連通し
て各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの
一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室1
2の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介し
て連通されている。
【0025】また、この流路形成基板10の一方の面は
開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した
二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50
が形成されている。
【0026】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
【0027】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0028】なお、このような圧力発生室12等が形成
される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配
設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ま
しい。例えば、1インチ当たり180個(180dp
i)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形
成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望
ましくは、220μm程度とするのが好適である。ま
た、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発
生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さ
は、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接
する圧力発生室12間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密
度を高くできるからである。
【0029】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0030】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0031】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動ICや配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0032】また、圧電素子300の個別電極である上
電極膜80の長手方向一端部近傍には、例えば、金(A
u)等からなるリード電極90が接続され、このリード
電極90は、流路形成基板10の端部近傍まで引き出さ
れている。一方、圧電素子300の共通電極である下電
極膜60は、これらのリード電極90に沿って流路形成
基板10の端部近傍まで引き出された引き出し部61を
具備している。
【0033】このような圧電素子300が形成された流
路形成基板10上には、さらに、リザーバ100の少な
くとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ
形成基板30が接合されている。このリザーバ部31
は、本実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向
に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されて
おり、上述のように流路形成基板10の連通部13と連
通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザ
ーバ100を構成している。
【0034】また、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300は
この圧電素子保持部32内に密封されている。
【0035】このようなリザーバ形成基板30として
は、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例え
ば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好まし
く、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシ
リコン単結晶基板を用いて形成した。これにより、上述
のノズルプレート20の場合と同様に、熱硬化性の接着
剤を用いた高温での接着であっても両者を確実に接着す
ることができる。したがって、製造工程を簡略化するこ
とができる。
【0036】また、このリザーバ形成基板30上には、
圧電素子300を駆動するための駆動IC(半導体集積
回路)110が実装されている。具体的には、リザーバ
形成基板30上には、第1の駆動配線121と第2の駆
動配線122とが所定パターンで形成されており、駆動
IC110は、これら第1及び第2の駆動配線121,
122とフリップチップ実装により電気的に接続されて
いる。
【0037】ここで、第1の駆動配線121は、駆動I
C110と外部配線130とを電気的に接続するための
ものであり、一端部側が駆動IC110と接続され、他
端部近傍が外部配線130と接続される接続部121a
となっている。
【0038】また、第2の駆動配線122は、駆動IC
110とリード電極90又は下電極膜60の引き出し部
61とを電気的に接続するためのものであり、一端部側
が駆動IC110と接続され、他端部側がボンディング
ワイヤからなる接続配線140を介してリード電極90
又は下電極膜60の引き出し部61と電気的に接続され
ている。すなわち、第2の駆動配線122と、リード電
極90及び下電極膜60の引き出し部61とは、ワイヤ
ボンディングによって電気的に接続されている。
【0039】このような構成では、駆動IC110と第
1の駆動配線121及び第2の駆動配線122とをフリ
ップチップ実装によって電気的に接続しているため、第
2の駆動配線122とリード電極90及び下電極膜60
の引き出し部61との接続のみをワイヤボンディングに
よって行えばよいため、製造効率を著しく向上すること
ができ、コストを削減することができる。
【0040】また、第2の駆動配線122とリード電極
90及び下電極膜60の引き出し部61との接続のみを
ワイヤボンディングにより行っているため、ボンディン
グに必要なスペースを縮小でき、ヘッドの小型化を図る
ことができる。
【0041】なお、リザーバ形成基板30のリザーバ部
31に対応する領域には、封止膜41及び固定板42か
らなるコンプライアンス基板40が接合されている。こ
こで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料
(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド
(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によっ
てリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固
定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30
μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この
固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方
向に完全に除去された開口部43となっているため、リ
ザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみ
で封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部
33となっている。
【0042】このように構成したインクジェット式記録
ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを
取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るま
で内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記
録信号に従い、上電極膜80と下電極膜60との間に電
圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層7
0をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の
圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0043】以下、このようなインクジェット式記録ヘ
ッドの製造方法について、図3〜図5を参照して説明す
る。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の
断面図である。
【0044】まず、図3(a)に示すように、流路形成
基板10の一方面側に弾性膜50を形成する。具体的に
は、流路形成基板10となる単結晶シリコン基板のウェ
ハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコン
からなる弾性膜50を形成する。
【0045】次に、図3(b)に示すように、例えば、
白金等からなる下電極膜60を弾性膜50の全面に形成
後、所定形状にパターニングする。
【0046】次に、図3(c)に示すように、例えば、
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層7
0と、例えば、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の
多くの金属、あるいは導電性酸化物等からなる上電極膜
80とを順次積層し、これらを同時にパターニングして
圧電素子300を形成する。
【0047】次いで、図3(d)に示すように、例え
ば、金(Au)等からなるリード電極90を流路形成基
板10の全面に亘って形成すると共に、圧電素子300
毎に独立するように所定形状にパターニングする。
【0048】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシ
リコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図4
(a)に示すように、圧力発生室12、連通部13及び
インク供給路14を形成する。また、同時に、連通部1
3に対向する領域の弾性膜50及び下電極膜60を除去
して貫通部51を形成する。
【0049】次に、図4(b)に示すように、流路形成
基板10の圧電素子300側の面に、第1及び第2の駆
動配線121,122が形成されたリザーバ形成基板3
0を接着剤等によって接合する。
【0050】次いで、図4(c)に示すように、流路形
成基板10の圧電素子300とは反対側の面にノズル開
口21が穿設されたノズルプレート20を接着剤等によ
って接合する。また、リザーバ形成基板30上に封止膜
41と固定板42とからなるコンプライアンス基板40
を接合してリザーバ部31を封止する。
【0051】次いで、図4(d)に示すように、このリ
ザーバ形成基板30上に駆動IC110を実装する。す
なわち、第1及び第2の駆動配線121,122上に駆
動IC110をフリップチップ実装して両者を電気的に
接続する。
【0052】その後、図5(a)及び(b)に示すよう
に、ワイヤボンディングすることによって接続配線14
0を形成する。すなわち、接続配線140によって、第
2の駆動配線122と各圧電素子300から引き出され
たリード電極90と下電極膜60の引き出し部61とを
電気的に接続する。
【0053】ここで、本実施形態では、駆動IC110
と第1の駆動配線121及び第2の駆動配線122と
は、フリップチップ実装によって電気的に接続されてい
る。このため、第2の駆動配線122とリード電極90
及び下電極膜60の引き出し部61との接続のみをワイ
ヤボンディングによって行えばよい。
【0054】すなわち、接続配線140をボンディング
する面が、流路形成基板10上及びリザーバ形成基板3
0上の2面のみであるため、接続配線140をボンディ
ングする際、ボンディング装置のモニタ用カメラ200
の位置合わせ及びキャピラリ201の位置調整(ボンデ
ィング位置の調整)を一度だけ行えば、全ての接続配線
140のボンディングを連続的に行うことができる。
【0055】したがって、接続配線140の製造時間を
短縮できると共に歩留まりを向上することができるた
め、コストを著しく低減することができる。
【0056】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0057】例えば、上述の実施形態では、リザーバ形
成基板上に設けられた第1の駆動配線に外部配線が接続
される接続部を設けるようにしたが、これに限定され
ず、例えば、接続部を他の基板上に設け、この接続部と
リザーバ形成基板上に設けられた第1の駆動配線とをワ
イヤボンディングによって接続するようにしてもよい。
なお、このような構成とする場合、接続部が設けられた
基板の高さが流路形成基板又はリザーバ形成基板の高さ
と同一であることが望ましい。
【0058】また、例えば、上述の実施形態では、成膜
及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型
のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これ
に限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを
貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェ
ット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0059】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0060】図6に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0061】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、接合基
板上に設けられた駆動配線と駆動ICとをフリップチッ
プ実装によって電気的に接続すると共に、駆動配線と圧
電素子から引き出された引き出し配線とをワイヤボンデ
ィングによって電気的に接続するようにしたので、圧電
素子と駆動IC及び外部配線とを比較的容易に電気的に
接続することができるため、製造効率及び歩留まりが向
上する。したがって、製造コストを著しく低減を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 40 コンプライアンス基板 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 90 リード電極 100 リザーバ 110 駆動IC 121 第1の駆動配線 121a 接続部 122 第2の駆動配線 130 外部配線 140 接続配線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
    される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
    動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極か
    らなる圧電素子とを有するインクジェット式記録ヘッド
    において、 前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合され前記圧電
    素子を駆動させる駆動ICが実装された接合基板を有
    し、前記駆動ICが前記接合基板上に配設された駆動配
    線にフリップチップ実装によって電気的に接続されると
    共に前記駆動配線と前記圧電素子から引き出された引き
    出し配線とがワイヤボンディングによって電気的に接続
    されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動配線と外部
    配線とを電気的に接続する実装部が前記接合基板上に設
    けられていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接合基板
    が、前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保
    した状態で当該空間を封止する圧電素子保持部を有する
    ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記接
    合基板が各圧力発生室の共通インク室の少なくとも一部
    を構成するリザーバ部を有することを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記圧
    力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングによ
    り形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフ
    ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかのインクジェット
    式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
JP2002003233A 2002-01-10 2002-01-10 インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 Withdrawn JP2003200574A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002003233A JP2003200574A (ja) 2002-01-10 2002-01-10 インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002003233A JP2003200574A (ja) 2002-01-10 2002-01-10 インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003200574A true JP2003200574A (ja) 2003-07-15

Family

ID=27642870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002003233A Withdrawn JP2003200574A (ja) 2002-01-10 2002-01-10 インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003200574A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006231909A (ja) * 2005-01-26 2006-09-07 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2007062312A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Seiko Epson Corp 可撓性基板の接続構造、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置
JP2007062036A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びに液滴吐出ヘッドの製造方法
KR100846373B1 (ko) * 2005-08-19 2008-07-15 세이코 엡슨 가부시키가이샤 디바이스 실장 구조, 디바이스 실장 방법, 전자 장치, 액적토출 헤드, 및 액적 토출 장치
WO2013002775A1 (en) * 2011-06-29 2013-01-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead trace layout
WO2015080732A1 (en) * 2013-11-27 2015-06-04 Hewlett-Packard Development Company, Lp Fluid ejection apparatus with single power supply connector
WO2015167484A1 (en) * 2014-04-30 2015-11-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead assembly
JP2015220433A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 株式会社リコー 電気機械変換部材、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び、電気機械変換素子の分極処理方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006231909A (ja) * 2005-01-26 2006-09-07 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
KR100846373B1 (ko) * 2005-08-19 2008-07-15 세이코 엡슨 가부시키가이샤 디바이스 실장 구조, 디바이스 실장 방법, 전자 장치, 액적토출 헤드, 및 액적 토출 장치
JP2007062036A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びに液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2007062312A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Seiko Epson Corp 可撓性基板の接続構造、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置
WO2013002775A1 (en) * 2011-06-29 2013-01-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead trace layout
CN103619600A (zh) * 2011-06-29 2014-03-05 惠普发展公司,有限责任合伙企业 压电打印头轨迹布局
WO2015080732A1 (en) * 2013-11-27 2015-06-04 Hewlett-Packard Development Company, Lp Fluid ejection apparatus with single power supply connector
US9796181B2 (en) 2013-11-27 2017-10-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection apparatus with single power supply connector
US10029464B2 (en) 2013-11-27 2018-07-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection apparatus with single power supply connector
WO2015167484A1 (en) * 2014-04-30 2015-11-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead assembly
US9776404B2 (en) 2014-04-30 2017-10-03 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead assembly
US10076905B2 (en) 2014-04-30 2018-09-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Piezoelectric printhead assembly
JP2015220433A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 株式会社リコー 電気機械変換部材、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び、電気機械変換素子の分極処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3491688B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP2003159800A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2003127366A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置
JP2003246065A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP3931976B2 (ja) アクチュエータ装置及びインクジェット式記録ヘッド並びにインクジェット式記録装置
JP3522163B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2003145762A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2003200574A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2002046281A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置
JP2008044296A (ja) 液体噴射ヘッド
JP4129614B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2001287363A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2002086724A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2003182076A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2003118110A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2004154986A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2003127365A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2003080705A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置
JP2003251805A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2003341056A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP3953703B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP4853175B2 (ja) 液体噴射ヘッド
JP2002210988A (ja) インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置
JP3882898B2 (ja) インクジェット式記録ヘッドの製造方法
JP2003205618A (ja) インクジェット式記録ヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040730

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060802

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060830