JP2003183438A - 熱成形用発泡シート及び果菜容器 - Google Patents

熱成形用発泡シート及び果菜容器

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JP2003183438A
JP2003183438A JP2001391604A JP2001391604A JP2003183438A JP 2003183438 A JP2003183438 A JP 2003183438A JP 2001391604 A JP2001391604 A JP 2001391604A JP 2001391604 A JP2001391604 A JP 2001391604A JP 2003183438 A JP2003183438 A JP 2003183438A
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weight
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Atsushi Kitagawa
敦之 北川
Masahiro Takeuchi
昌宏 武内
Junichi Arita
順一 有田
Kenta Mamiya
健太 真宮
Yoshinari Saito
良成 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、柔軟性、適度な剛性、軽量性、熱
成形性、二次発泡性、耐水性等を備え、且つ、製造コス
トが低く低価格で供給可能な熱成形用発泡シート、及び
該発泡シートを熱成形してなる果菜容器を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明の熱成形用発泡シートは、(1)
ポリスチレン系樹脂60〜95重量%、(2)低密度ポ
リエチレン系樹脂2〜15重量%、(3)スチレン−ブ
タジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体及び/
又はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体3〜25重量%(但し、(1)、(2)及び
(3)の合計は100重量%)とからなる混合樹脂を主
成分とし、密度が0.1g/cm3以下、厚みが10m
m以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスチレン系樹
脂を主体とした発泡シート及び該発泡シートを熱成形し
てなる果菜容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、林檎、梨、桃、メロン、トマ
ト等を出荷する際等に使用される果菜容器として各種合
成樹脂発泡シートからなる容器、パルプからなる容器が
開発され使用されてきた。
【0003】上記パルプ製の容器(一般にパルプモール
ド品と言われている)は、低価格ではあるものの耐水性
が悪く、吸水すると緩衝性、強度等が低下するので、発
泡シート製の容器に比較すると物性的に好ましくない。
【0004】前記合成樹脂発泡シートからなる果菜容器
としては、例えば架橋ポリエチレン樹脂発泡シートから
なる容器、無架橋ポリプロピレン樹脂発泡シートからな
る容器が知られている。
【0005】しかしながら、架橋ポリエチレン樹脂発泡
シートからなる容器は、緩衝性、成形性には優れている
が高価である。無架橋ポリプロピレン樹脂発泡シートか
らなる容器は、適度の緩衝性と剛性を合せ持ち、成形性
に優れるものの、特殊且つ高価なポリプロピレン系樹脂
を用いなければ良好な容器が得られないので、やはり高
価である。
【0006】また、果菜容器用の発泡シートであって、
ポリスチレン系樹脂を主成分とする混合樹脂からなる発
泡シートが多数開示されており、例えば特許29695
86号公報がある。該特許2969586号公報には、
ポリスチレン系樹脂とスチレン・ブタジエンブロック共
重合体及びその水素添加物から選ばれる少なくとも1種
の樹脂との混合樹脂からなる発泡シートが開示されてい
る。該発泡シートから得られる容器は低価格で、従来の
ものと比較すると柔軟性は向上しているものの、その柔
軟性は未だ不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためになされたもので、柔軟性、適度な剛性、軽
量性、熱成形性、二次発泡性、耐水性等を備え、且つ、
製造コストが低く低価格で供給可能な熱成形用発泡シー
ト、及び該発泡シートを熱成形してなる果菜容器を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の熱成形用発
泡シートは、[1](1)ポリスチレン系樹脂60〜9
5重量%、(2)低密度ポリエチレン系樹脂2〜15重
量%、(3)スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレンブロック共重合体3〜25重量%(但
し、(1)、(2)及び(3)の合計は100重量%)
とからなる混合樹脂を主成分とし、密度が0.1g/c
3以下、厚みが10mm以下であることを特徴とする
熱成形用発泡シート、[2]熱成形用発泡シートの密度
が0.02〜0.1g/cm3である前記(1)記載の
熱成形用発泡シート、[3]前記(1)又は(2)記載
の熱成形用発泡シートを熱成形することによって得られ
た、果菜収納凹部を有する果菜容器、を要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の熱成形用発泡シート(以
下、単に発泡シートという。)は、(1)ポリスチレン
系樹脂(以下、PS系樹脂という。)60〜95重量
%、(2)低密度ポリエチレン系樹脂(以下、LDPE
という。)2〜15重量%、(3)スチレン−ブタジエ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、SB
BSという。)及び/又はスチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体(以下、SEBSとい
う。)3〜25重量%(但し、(1)、(2)及び
(3)の合計は100重量%)とからなる混合樹脂を主
成分とする。かかる構成の発泡シートは熱成形と柔軟性
を兼ね備えているので、該発泡シートから熱成形によっ
て得られる成形品は、熱成形に用いる金型の形状通りの
形状になっている(以下、成形品が金型の形状通りの形
状になっていることを金型再現性という。)と共に柔軟
性に富むものである。
【0010】前記ポリスチレン系樹脂とは、スチレンを
主体とする重合体をいい、スチレン単独重合体のみなら
ず、スチレンと共重合し得るビニル系単量体とスチレン
との共重合体、例えば、ポリスチレンとスチレンーブタ
ジエン共重合体との共重合物(一般に耐衝撃性ポリスチ
レン樹脂と呼ばれている。)、又は前記2種以上の混合
物も本発明のポリスチレン系樹脂の範囲に含まれるもの
である。尚、本発明におけるポリスチレン系樹脂は、ス
チレン成分が80モル%以上のものであり、90モル%
以上のものが好ましい。
【0011】前記低密度ポリエチレン系樹脂とは、エチ
レンを主体とする重合体をいい、エチレンホモポリマー
のみならず、酢酸ビニル、メタクリレート、アクリレー
ト、プロピレン、α−オレフィン等、或いはその他エチ
レンと共重合可能なビニル系モノマーと、エチレンとの
共重合体も含まれる。尚、本発明における低密度ポリエ
チレン系樹脂は、密度が0.91〜0.93g/cm
であり、エチレン成分が50モル%以上のものが好まし
く、60モル%以上のものがより好ましい。
【0012】前記SBBSは、スチレン、ブタジエン、
ブチレンを構成単位とし、スチレン−ブタジエン−ブチ
レン−スチレン構造を有するエラストマーであり、スチ
レン成分単位が10〜65モル%であり、好ましくは2
0〜55モル%のものである。SBBSはLDPE及び
PS系樹脂との相溶性に優れ、加工性能にも優れている
ので、PS系樹脂とLDPEとSBBSとからなる混合
樹脂を主成分とする発泡シートは、従来のPS系樹脂を
主成分とする発泡シートでは得られなかったソフト感を
有しており、柔軟性に富むものとなる。SBBSの具体
的な一例としては、旭化成株式会社製の商品名「タフテ
ックP」が挙げられる。
【0013】前記SEBSは、スチレン、エチレン、ブ
チレンを構成単位とし、スチレン−エチレン−ブチレン
−スチレン構造を有するエラストマーであり、スチレン
成分単位が10〜65モル%であり、好ましくは20〜
55モル%のものである。SEBSは、SBBSと同様
に、LDPE及びPS系樹脂との相溶性に優れ、加工性
能にも優れているので、PS系樹脂とLDPEとSEB
Sとからなる混合樹脂を主成分とする発泡シートは、従
来のPS系樹脂を主成分とする発泡シートでは得られな
かったソフト感を有しており、柔軟性に富み、特に低温
脆性に優れている。SEBSの具体的な一例としては、
旭化成株式会社製の商品名「タフテックH」が挙げられ
る。
【0014】本発明における前記混合樹脂は、(1)P
S系樹脂60〜95重量%、(2)LDPE2〜15重
量%、(3)SBBS及び/又はSEBS3〜25重量
%(但し、(1)、(2)及び(3)の合計は100重
量%)からなり、(1)PS系樹脂60〜80重量%、
(2)LDPE5〜15重量%、(3)SBBS及び/
又はSEBS15〜25重量%(但し、(1)、(2)
及び(3)の合計は100重量%)からなることが好ま
しい。
【0015】前記混合樹脂におけるPS系樹脂の配合量
が60重量%未満の場合は、熱成形性が悪くなる上に加
熱時の発泡シートの収縮も大きくなりすぎる虞がある。
一方、95重量%を超える場合は、得られる発泡シート
が脆くなり、果菜容器用発泡シートに要求される柔軟性
を発揮できない虞がある。
【0016】混合樹脂におけるLDPEの配合量が2重
量%未満の場合は、得られる発泡シートが脆くなり、果
菜容器用発泡シートに要求される柔軟性を発揮できなく
なる虞があり、15重量%を超える場合は、熱成形する
際に発泡シートの表面が溶けるような状態になると共
に、熱成形性が悪くなり、金型と同じ形状の容器を得る
ことができなくなる虞がある。
【0017】混合樹脂におけるSBBS及び/又はSE
BSの配合量が、3重量%未満の場合は、得られる発泡
シートが脆くなり、果菜容器用発泡シートに要求される
柔軟性を発揮できなくなる虞がある。一方、25重量%
を超える場合は、熱成形する際に発泡シートの表面が溶
けたような状態になると共に、発泡シートのコストが高
くなる。
【0018】本発明の発泡シートは、以上説明したよう
に、PS系樹脂と、LDPEと、SBBS及び/又はS
EBSとが特定の割合で配合された混合樹脂を主成分と
するので、果菜容器に要求される柔軟性及び適度な剛性
を有し、更に軽量で熱成形性に優れている。
【0019】本発明の発泡シートは、前記混合樹脂のみ
からなるものに限定されず、本発明の所期の目的を損な
わない範囲において、更に他の合成樹脂が混合されてい
ても良い。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリアミド、SEBS、SBBS以外
の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの他の
樹脂の配合量は35重量%以下であることが好ましい。
【0020】さらに、本発明においては、発泡時の発泡
剤の透過を防ぎ、発泡シートの収縮を抑制するために、
前記混合樹脂中に収縮防止剤を添加することが好まし
い。収縮防止剤の具体例としては、例えば、ポリオキシ
エチレンモノミリステート、ポリオキシプロピレンモノ
ミリステート、ポリオキシエチレンモノパルミテート、
ポリオキシプロピレンモノパルミテート、ポリオキシエ
チレンモノステアレート、ポリオキシプロピレンモノス
テアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、モノ
ラウリン酸グリセライド、モノミノスチン酸グリセライ
ド、モノパルミチン酸グリセライド、モノステアリン酸
グリセライド、モノアラキン酸グリセライド、ジラウリ
ン酸グリセライド、ジパルミチン酸グリセライド、ジス
テアリン酸グリセライド、1−パルミト−2−ステアリン
酸グリセライド、1−ステアロ−2−ミリスチン酸グリセ
ライド、トリステアリン酸グリセライド、モノべヘン酸
グリセライド等の各種脂肪族エステルが挙げられる。こ
れらの収縮防止剤の添加量は、0.5〜10重量部であ
る。
【0021】その他、無機充填剤も収縮防止剤として用
いることができる。
【0022】本発明の発泡シートの密度は、0.1g/
cm3以下である。発泡シートの密度が0.1g/cm3
を超えると、緩衝性が失われ、熱成形性が悪くなる虞が
ある。発泡シートの密度が低くなると、熱成形時の伸び
が不十分なものとなる傾向があり、また、発泡シートを
製造すること自体も困難になる傾向があるので、発泡シ
ートの密度は、0.02〜0.1g/cm3であること
が好ましく、0.04〜0.1g/cm3であることが
より好ましい。
【0023】本発明の発泡シートの厚みは10mm以下
であり、緩衝性と熱成形時における発泡シートの破れ防
止という観点からは、好ましくは2〜8mmであり、よ
り好ましくは2〜6mmである。発泡シートの厚みが1
0mmを超える場合は、発泡シートの平滑性、外観にお
いて良好なものを得ることが困難となり、熱成形におい
ても優れたものが得られない虞がある。
【0024】本発明の発泡シートにおいては、独立気泡
率が40%以上であることが好ましく、50%以上であ
ることがより好ましく、70%以上であることが更に好
ましい。独立気泡率が40%未満の場合は、熱成形時の
二次発泡性、緩衝性、反発弾性が失われる虞がある。
【0025】前記独立気泡率の測定は、ASTM D2
856手順Cにより、連続気泡率(%)を求め、下記式
(2)より求められる値である。但し、後述する積層発
泡シートの場合は、熱可塑性樹脂層の厚み分の体積を積
層発泡シートサンプル体積から差し引いて発泡シートの
みの独立気泡率を算出することとする。
【0026】
【数1】 独立気泡率(%)=100−連続気泡率(%) ・・・(2)
【0027】本発明の発泡シートは、その片面又は両面
にシートやフィルムを積層することにより、熱成形性、
剛性、引裂き強度等が改良された積層発泡シートとして
構成することができる。上記シート、フィルムを構成す
る熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、ポリスチ
レン、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げら
れる。これらの熱可塑性樹脂のうち、接着層を設けなく
ても積層可能なポリエチレン系樹脂やポリスチレン系樹
脂が好ましい。
【0028】本発明の発泡シートは、例えば押出機内で
上記混合樹脂を溶融し、これに発泡剤を添加混練した
後、押出機先端の環状ダイから押出して円筒状に発泡さ
せた後、この円筒状発泡体を押出方向に切り開いてシー
ト状とすることによって製造することができる。発泡シ
ートを得るために用いる発泡剤としては、例えば、ノル
マルブタン、イソブタン、ノルマルブタンとイソブタン
との混合物、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン
等の環式脂肪族炭化水素、その他ハロゲン化炭化水素、
二酸化炭素、水、加熱分解型発泡剤等が挙げられる。こ
れらの発泡剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用さ
れる。
【0029】発泡剤の配合量は、発泡剤の種類、目的と
する発泡シートの密度により適宜定められる。例えば発
泡剤としてノルマルブタンを主成分とするものを用いる
場合、密度0.02〜0.1g/cm3の発泡シートを
得るために必要な発泡剤の配合量は、樹脂物100重量
部に対して1〜30重量部程度である。
【0030】発泡シートを製造する際には、一般に気泡
核生成剤が添加される。この気泡核生成剤としては、た
とえば、タルクの如き無機物質の他、押出機内の温度で
分解してガスを発生する如き化学発泡剤も気泡核生成剤
として用いることができる。また押出機内の温度で反応
して炭酸ガスを発生する酸−アルカリの組み合わせ、た
とえば、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアル
カリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたものも気泡
核生成剤として用いることができる。これらの気泡核生
成剤を添加することにより、得られる発泡シートの気泡
の大きさを任意に調整することができると共に、発泡シ
ートの柔軟性、ソフト感等も向上させることができる。
【0031】前記積層発泡シートは、発泡シートのみを
製造した後、別工程で製造されたフィルムやシートを積
層する方法、押出発泡した発泡シートに他の押出機から
フィルムやシートを押出して積層するエクストルージョ
ンラミネート法、発泡性混合溶融樹脂と非発泡性熱可塑
性溶融樹脂とを共押出する共押出法により得ることがで
きる。
【0032】本発明の果菜容器は、前記した本発明の発
泡シートを熱成形することによって得られたものであ
る。該果菜容器は、その一例を図1に示すように、果菜
収納凹部1を有する。果菜収納凹部1の数に制限はない
が、通常2〜30形成される。果菜収納凹部1の形状
は、果菜を収納することさえできればいかなる形状でも
よいが、成形が容易であると共に果菜を効率良く収納で
きることから、図1に示すような、略半球形状が選択さ
れる。果菜容器2の外周の形状に制限はないが、通常は
取扱が容易であることから矩形が選択される。
【0033】果菜容器2は、果菜を保護するための緩衝
性に優れるとともに保形性に優れることが要求される。
このような点を考慮すると本発明の果菜容器2の平均密
度は、好ましくは0.1g/cm3以下であり、より好
ましくは0.02〜0.1g/cm3であり、特に好ま
しくは0.04〜0.1g/cm3である。
【0034】平均密度が0.1g/cm3未満の容器
は、発泡シートの密度、該発泡シートの二次発泡性を前
提として、成形金型の型合わせ時の隙間等を適宜調整す
ることにより得ることができる。
【0035】本明細書における果菜容器の平均密度は、
該容器を碁盤の目状に3cm間隔で分割し、各分割体か
ら任意に一辺2cm程度の略正方形の測定サンプルを切
り出し、各サンプルについて外形寸法から求められる体
積と、重量から各サンプルの密度(g/cm3)を求
め、それらの値の算術平均値として算出される。
【0036】本発明の果菜容器2における果菜収納凹部
1の肉厚は、収納される果菜の重さ及び果菜の表面の傷
つき易さに応じて選択される。具体的には、林檎、梨、
トマトを収納する場合には、果菜収納凹部1の厚みが1
〜3mm、桃、メロンを収納する場合には、果菜収納凹
部1の厚みが1〜4mmとなるようにすることが好まし
い。本発明の発泡シートを使用すると、緩衝性に優れる
ため従来のものよりも厚みを薄くすることができる。
【0037】尚、前記果菜収納凹部1の厚みは、一方の
収納凹部側面上端から反対側の収納凹部側面上端にかけ
て凹部1の中心を通る線を引き、該線上において等間隔
で7箇所以上の厚みを測定し、それらの算術平均値とし
て求められる値である。
【0038】本発明の果菜容器2は、前記した発泡シー
トを熱成形することによって製造される。従って、熱成
形の際に発泡シートが引き延ばされて果菜収納凹部1の
シート厚みが薄くなる。このため、必要とする果菜収納
凹部1の平均シート厚みの0.8〜3倍の厚みの発泡シ
ートを用いることが好ましい。
【0039】本発明の発泡シートを用いて果菜容器を熱
成形する方法について詳述する。まず発泡シートをヒー
ター等によって加熱して軟化させ、次に果菜容器に対応
した形状の金型で加熱軟化させた発泡シートを挟み、発
泡シートを容器形状の金型面に密着させることにより、
金型形状に沿った果菜容器が得られる。
【0040】本発明の発泡シートを、真空成形法により
熱成形する場合は、通常、シートの幅方向両端縁部を一
定幅でクランプするので、果菜収納凹部1として形成さ
れる発泡シートの部分、すなわち略金型凹部上に位置す
る部分のみが伸ばされて成形される。従って、発泡シー
ト両端縁部のクランプ間の幅を狭くしつつ真空成形を行
うことによって、シートの金型凹部上に位置する部分の
周囲部を、金型凹部へ引き込んで熱成形することが好ま
しい。このように熱成形することにより、容器厚みの比
較的均一な果菜容器が得られる。
【0041】また、成形に用いる雄型と雌型の形状、型
合わせ時の隙間、成形スピード等を調整したり、果菜収
納凹部1形状と、これらの配置等の調製を組み合わせて
おこなうことにより、果菜収納凹部1の平均シート厚
み、密度等を更に良好な範囲に調整することができる。
【0042】また、前記積層発泡シートを用いて果菜容
器を熱成形すると、複雑なリブ形状を有するものや、果
菜収納凹部1の深さが深い果菜容器2であっても容易に
得ることができ、得られた果菜容器2は剛性に優れ、熱
成形時に表面が溶けた状態にならないので外観にも優れ
たものとなる。
【0043】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0044】尚、実施例、比較例において用いては、P
S樹脂として、エイ・アンド・エムスチレン株式会社製
スタイロン685(密度1.05g/cm)を用い、
LDPEとして住友化学株式会社製のF102(密度
0.92g/cm3)を用い、SBBSの一として、旭
化成株式会社製の商品名「タフテックPシリーズ JT
83P」(SBBS1、密度0.89g/cm)を用
い、他のSBBSとして、旭化成株式会社の商品名「タ
フテックPシリーズ JT84P」(SBBS2、密度
0.97cm)を用い、SEBSとして、旭化成株式
会社製商品名「タフテックHシリーズ H1041」
(密度0.91g/cm)を用いた。
【0045】実施例1 表1に示す割合で各種樹脂を配合した混合樹脂を準備し
た。
【0046】上記混合樹脂100重量部に収縮防止剤と
してモノステアリン酸グリセライドが1重量部、気泡核
生成剤としてタルク1重量部の割合で添加した。
【0047】これらの混合樹脂を押出機に供給し、加熱
し溶融し混練してから、混合樹脂100重量部に対し
て、発泡剤として混合ブタン(ノルマルブタン35重量
%とイソブタン65重量%との混合物)5.3重量部を
注入し、更に溶融混練した後、樹脂温度150℃に調整
してサーキュラーダイより円筒状に押出発泡させた。押
出された円筒状発泡体の内面及び外面をエアーにて冷却
しながらバルーンを形成させ、これを円柱状冷却装置の
表面上を通過させながら引き取り、その後、押出し方向
に沿って切り開いて発泡シートを得た。得られた発泡シ
ートの密度、厚さ、柔軟性を表1に示す。
【0048】実施例2〜6 表1に示す割合で各種樹脂配合した混合樹脂を用いたこ
と以外は、実施例1と同様に発泡シートを得た。得られ
た発泡シートの密度、厚さ、柔軟性を表1に示す。尚、
実施例1〜6で得られた発泡シートの独立気泡率は、全
て80%以上であった。
【0049】比較例1〜5 表2に示す割合で各種樹脂配合した混合樹脂を用いたこ
と以外は、実施例1と同様に発泡シートを得た。得られ
た発泡シートの密度、厚さ、柔軟性を表2に示す。
【0050】実施例1〜6、比較例1〜5において得ら
れた発泡シートを用いて、真空加熱成形により、図1に
示すような果菜容器を成形した。発泡シートの二次発泡
性、金型再現性、熱成形後の表面状態を実施例1〜6に
ついては表1に、比較例1〜5については表2に示し
た。尚、上記果菜容器は外形が300×450mm、凹
部の直径が100mm、凹部の個数が8個である。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】尚、表2における発泡シートの密度、厚さ
等は、以下の通り測定して求めた値である。
【0054】発泡シートの厚さ 発泡シートの厚み方向垂直断面において、幅方向におい
て等間隔に20箇所以上の測定点を選定し、発泡シート
厚みを測定し、各々の厚みの算術平均値として求めた。
【0055】発泡シートの密度 発泡シートのみの場合 厚み×縦10cm×横10cmの測定用サンプルを切り出
してサンプル重量(g)を測定し、該重量(g)を計算
により求められるサンプル体積(cm3)[10(c
m)×10(cm)×サンプルの厚み(cm)により求
める。]で割ることにより求めた。
【0056】発泡シートの密度 積層発泡シートの場合 厚み×縦10cm×横10cmの測定用サンプルを切り出
して重量(g)を測定し、計算により求められる熱可塑
性樹脂層の重量(g)[10(cm)×10(cm)×
熱可塑性樹脂層の厚み(cm)×熱可塑性樹脂層の密度
(g/cm3)により求める。]を、積層発泡シートの
サンプル重量(g)から差し引き、該差し引いて得られ
た値を、サンプル中の発泡シートのみの体積(cm3
[10(cm)×10(cm)×サンプル中の発泡シー
トの厚み(cm)により求める。]で割ることにより求
めた。
【0057】上記実施例及び比較例にて得られた発泡シ
ートの柔軟性、熱成形後の表面状態、二次発泡性、熱成
形性の評価は以下のように評価した。
【0058】発泡シートの柔軟性の評価 発泡シートを幅20(mm)×長さ120(mm)の短
冊に切り出したものの長さ方向の端を手で持ってひねっ
た結果に基づいて、以下のようにて評価した。 ◎:二回転ひねっても、短冊に裂けの発生がない。 ○:二回転ひねると短冊に裂けが発生するが、一回転ひ
ねっただけでは短冊に裂けの発生がない。 ×:一回転ひねっただけで、短冊に裂けが発生する。
【0059】熱成形後の表面状態の評価 上ヒーター250℃と下ヒーター230℃の間に発泡シ
ートを挿入して12秒間加熱してから、発泡シートの表
面を目視にて観察し、以下の基準で評価した。 ○:発泡シートの表面に変化がない場合 ×:発泡シートの表面が溶けた場合
【0060】二次発泡性 押出発泡された発泡シートを3日間放置してから、上ヒ
ーター250℃と下ヒーター230℃の間に挿入し、1
2秒間加熱し、冷却した後の「厚さ1」を測定した。同
じ条件で押出発泡された発泡シートを15日間放置して
から、同じ条件で加熱し、冷却した後の「厚さ2」を測
定した。 ○:「厚さ1」と「厚さ2」が共に加熱する前の厚さの
1.3倍以上の場合 ×:「厚さ1」が加熱する前の厚さの1.3倍以上、
「厚さ2」が加熱する前の厚さの1.3倍未満の場合
【0061】熱成形性 得られた果菜容器を目視により観察し、以下の基準で評
価した。 ○:金型再現性が良好である。 ×:果菜容器の一部に亀裂が発生している。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の熱成形用発
泡シートは、ポリスチレン系樹脂と、低密度ポリエチレ
ン系樹脂と、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレンブロック共重合体が特定の範囲内で配
合された混合樹脂を主成分とするので、柔軟性、適度な
剛性、軽量性、熱成形性、二次発泡性、耐水性等を有す
る。また、熱成形用発泡シートは汎用樹脂を主として用
いるので、製造コストが低く低価格で市場に供給可能で
ある。
【0063】また、本発明の果菜容器は、上記熱成形用
発泡シートを熱成形して得られるので、発泡シートの特
性を引き継ぎ、柔軟性、適度な剛性、軽量性、耐水性等
に優れ、表面が美麗で、汎用性の高い安価な容器であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の果菜容器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 果菜収納凹部 2 果菜容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 25/04 B65D 1/00 A 23:04 81/16 D 53:00) (72)発明者 有田 順一 神奈川県平塚市東八幡5−6−1 株式会 社ジェイエスピー平塚工場内 (72)発明者 真宮 健太 神奈川県平塚市東八幡5−6−1 株式会 社ジェイエスピー平塚工場内 (72)発明者 斉藤 良成 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 3E033 AA10 BA13 BA15 BA22 BB01 CA02 CA03 FA01 3E066 AA44 BA01 CA01 DA01 HA04 JA01 KA04 LA07 NA53 NA54 3E096 AA09 BA27 BB09 CA06 CB02 CC01 DA04 DB06 DC01 EA03X FA40 GA01 4F074 AA09B AA17 AA17B AA26B AA32 AA32B BA32 BA34 BA35 BA37 BA38 BA39 BA40 CA22 CC04Y CC22X DA02 DA23 DA34 4J002 BB032 BB052 BC031 BC041 BP013 EA016 EA026 FD326 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ポリスチレン系樹脂60〜95重
    量%、(2)低密度ポリエチレン系樹脂2〜15重量
    %、(3)スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン
    ブロック共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブチ
    レン−スチレンブロック共重合体3〜25重量%(但
    し、(1)、(2)及び(3)の合計は100重量%)
    とからなる混合樹脂を主成分とし、密度が0.1g/c
    3以下、厚みが10mm以下であることを特徴とする
    熱成形用発泡シート。
  2. 【請求項2】 熱成形用発泡シートの密度が0.02〜
    0.1g/cm3である請求項1記載の熱成形用発泡シ
    ート。
  3. 【請求項3】 請求項項1又は2記載の熱成形用発泡シ
    ートを熱成形することによって得られた、果菜収納凹部
    を有する果菜容器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006052288A (ja) * 2004-08-11 2006-02-23 Jsp Corp 熱成形用発泡シート及び果菜容器、並びに熱成形用発泡シートの製造方法
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WO2012089574A1 (de) 2010-12-28 2012-07-05 Basf Se Schaumstoffplatte auf basis von styrolpolymer-polyolefin-mischungen
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