JP2003081140A5 - - Google Patents

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JP2003081140A5
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Description

【発明の名称】乗用型作業車
【特許請求の範囲】
【請求項1】前後方向に配置されたミッションケースの前側に右及び左の前輪を備え、
前記ミッションケースの後部に後輪伝動軸を左右方向に配置して、前記後輪伝動軸の右及び左側部に右及び左の伝動ケースを支持し後方に延出して、前記右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の後輪を備えると共に、
エンジンの動力が、前記ミッションケースの内部に配置された伝動チェーンを介して前記後輪伝動軸に伝達され、前記右及び左の伝動ケースを介して、右及び左の後輪に伝達されるように構成してある乗用型作業車。
【請求項2】右及び左の後輪への動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを、前記後輪伝動軸に備えてある請求項1に記載の乗用型作業車。
【請求項3】前記右及び左の伝動ケースを前記後輪伝動軸に独立に上下揺動自在に支持してある請求項1又は2に記載の乗用型作業車。
【請求項4】右及び左の後輪を支持する支持軸に対する減速ギヤを前記右及び左の伝動ケースの内部に配置して、前記後輪伝動軸の動力が前記減速ギヤに伝達され、前記減速ギヤにより減速された動力が前記支持軸に伝達されるように構成してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
【請求項5】前記右及び左の伝動ケースの内部に後輪伝動チェーンを備えて、エンジンの動力が前記後輪伝動チェーンを介して右及び左の後輪に伝達されるように構成すると共に、
前記後輪伝動軸の右及び左側部を前記ミッションケースから横外方に突出させ、前記後輪伝動チェーンが巻回されるスプロケットギヤを前記右及び左の伝動ケースの内部に配置し、
前記後輪伝動軸の右及び左側部を、前記右及び左の伝動ケースに挿入し前記スプロケットギヤに取付可能に構成して、
前記右及び左の伝動ケースを外れを止める外れ止め部材を、前記後輪伝動軸の右及び左側部の端部に備えてある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
【請求項6】前記右及び左の伝動ケースの内部における前記スプロケットギヤの右及び左側部にベアリングを備え、前記後輪伝動軸の右及び左側部に前記右及び左の伝動ケースが、前記ベアリングを介して支持されるように構成してある請求項5に記載の乗用型作業車。
【請求項7】前記後輪伝動軸の右及び左側部を前記右及び左の伝動ケースに挿入する際に、前記後輪伝動軸の右及び左側部が取付可能な位置に前記スプロケットギヤが位置しているように、前記スプロケットギヤを仮保持する仮保持部を、前記右及び左の伝動ケースの内部に備えてある請求項5又は6に記載の乗用型作業車。
【請求項8】右及び左の後輪を各々独立に制動可能な右及び左のサイドブレーキを、前記後輪伝動軸に備えてある請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
【請求項9】前記右及び左の伝動ケースをアルミダイキャストによって構成してある請求項1〜8のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機、農用トラクタ等の乗用型作業車の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば農用トラクタ等の乗用型作業車では、ミッションケースを前後方向に配置して、ミッションケースの前側に右及び左の前輪を備え、ミッションケースの後側に右及び左の後輪を備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
乗用型作業車では作業地の端部で小回り旋回できるようにする為に、右及び左の前輪の最大操向角度を大きなものに設定する必要がある。又、特に小型の乗用型作業車では軽量化の要望も高いものになっている。
本発明は乗用型作業車において、ミッションケースを前後方向に配置して、ミッションケースの前側に右及び左の前輪を備えた場合、右及び左の前輪の最大操向角度を大きなものに設定することができるように構成することを目的としており、軽量化を図ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[I]
ミッションケースを前後方向に配置して、ミッションケースの前側に右及び左の前輪を備えた場合、例えば右及び左の前輪を右に操向操作していくと、最後に右の前輪の後側がミッションケースの中間部に当たることになるので、ミッションケースの中間部の横幅によって、右及び左の前輪の最大操向角度が決まることになる(ミッションケースの中間部の横幅が広いものになれば、右及び左の前輪の最大操向角度は小さなものになり、ミッションケースの中間部の横幅が狭いものになれば、右及び左の前輪の最大操向角度は大きなものになる)。
【0005】
請求項1の特徴によると、前後方向に配置されたミッションケースの前側に右及び左の前輪を備え、ミッションケースの後部に後輪伝動軸を左右方向に配置して、後輪伝動軸の右及び左側部に右及び左の伝動ケースを支持し後方に延出しており、右及び左の伝動ケースの後部に右及び左の後輪を備えている。エンジンの動力が、ミッションケースの内部に配置された伝動チェーンを介して後輪伝動軸に伝達され、右及び左の伝動ケースを介して右及び左の後輪に伝達されるように構成している。
【0006】
この場合、請求項1の特徴によると、エンジンの動力を後輪伝動軸に伝達する伝動チェーンは、左右方向の軸芯周りに回転するように配置されることになるのであり、左右方向の軸芯周りに回転する伝動チェーンでは、伝動チェーンを囲む空間として上下方向に比較的大きな幅が必要であるのに対して、左右方向にはあまり大きな幅を必要としない。これにより、ミッションケースの中間部(伝動チェーンが内装される部分)の横幅を狭いものにすることができる。
従って、請求項1の特徴のように、ミッションケースの前側に右及び左の前輪を備えた場合、ミッションケースの中間部(伝動チェーンが内装される部分)の横幅を狭いものにすることができれば、右及び左の前輪の最大操向角度を大きなものに設定することができる。
【0007】
[II]
請求項1の特徴によると、エンジンの動力が伝動チェーンを介して後輪伝動軸に伝達され、右及び左の後輪に伝達されるように構成している。
伝動チェーンにおいて比較的長い距離に亘って動力を伝達するように構成すると、伝動チェーンの中間部分を、物があまり配置されていない空間に構成することができるので、請求項1の特徴のようにミッションケースの内部に伝動チェーンを配置することにより、ミッションケースの軽量化を図ることができる。
【0008】
この場合、エンジンの動力が伝動チェーンを介して右及び左の後輪に一気に伝達されるように構成すると、伝動チェーンが非常に長いものになる。請求項1の特徴によると、後輪伝動軸がエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能しており、伝動チェーンが不必要に長いものになっていない。
【0009】
[III]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型作業車では、右及び左の後輪への動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを備えることが多くあり、例えば右及び左の前輪を右(左)に大きく操向操作して右(左)に小回り旋回する際、右(左)のサイドクラッチを遮断側に操作することによって、地面を荒らすことなく右(左)への小回り旋回が円滑に行える。
【0010】
請求項2の特徴によると、右及び左の後輪への動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを、後輪伝動軸に備えている。これにより、請求項2の特徴によると、後輪伝動軸をエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能させることができ(前項[II]参照)、右及び左のサイドクラッチの支持軸として機能させることができる。
【0011】
[IV]
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
右及び左の後輪の支持構造として、右及び左の後輪を備えた後輪支持ケースをローリング自在(前後方向の軸芯周り)に支持する構造が考えられる。このように構成すれば、例えば右側が上昇し左側が下降するように後輪支持ケースがローリングすると、右の後輪の接地点が右外側に移動しながら右の後輪が左内側に傾斜し、左の後輪の接地点が右内側に移動しながら左の後輪が左外側に傾斜するような状態になる。例えば右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げると、後輪支持ケースの全体が上昇することになり、乗用型作業車が持ち上げられることになる。
【0012】
請求項3の特徴によると、右及び左の伝動ケースを、左右方向に配置された後輪伝動軸に独立に上下揺動自在に支持している。これにより、請求項3の特徴によると、例えば右の伝動ケース(右の後輪)が上方に揺動し、左の伝動ケース(左の後輪)が下方に揺動したりすることによって、作業地の凹凸が右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)によって吸収され、乗用型作業車の左右傾斜が抑えられる。
【0013】
請求項3の特徴によると、右及び左の伝動ケースは前後方向の軸芯ではなく左右方向の後輪伝動軸の周りに上下揺動するので、右及び左の伝動ケースの上下揺動に伴って、右及び左の後輪の接地点が右及び左内側や右及び左外側に移動することはなく、右及び左の後輪が右及び左内側や右及び左外側に傾斜するような状態は生じない。これにより、作業地の凹凸の影響を受けることなく、右及び左の後輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになる。
【0014】
請求項3の特徴によると、右及び左の伝動ケースが左右方向の後輪伝動軸の周りに独立に上下揺動するので、例えば右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げても、右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が上方に揺動することにより、右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げる状態が吸収されるのであり、乗用型作業車が持ち上げられると言う状態が抑えられる。
【0015】
[V]
請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項4の特徴によると、右及び左の後輪を支持する支持軸に対する減速ギヤを右及び左の伝動ケースの内部に配置して、後輪伝動軸の動力が減速ギヤに伝達され、減速ギヤにより減速された動力が支持軸に伝達されるように構成している。この場合、減速ギヤは比較的簡素で軽量なものでも比較的大きな減速比を得ることができる。
【0016】
[VI]
請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項5の特徴によると、右及び左の伝動ケースの内部に後輪伝動チェーンを備えて、エンジンの動力が後輪伝動チェーンを介して右及び左の後輪に伝達されるように構成しており、後輪伝動軸に右及び左の伝動ケースを取り付ける場合、右及び左の伝動ケースの内部に、後輪伝動チェーン及び後輪伝動チェーンが巻回されるスプロケットギヤを事前に配置して、右及び左の伝動ケースを事前に組み立てたユニット状にしており、後輪伝動軸の右及び左側部をミッションケースから横外方に突出させている。
【0017】
これにより、請求項5の特徴によると、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入することによって、後輪伝動軸の右及び左側部がスプロケットギヤに取り付けられ、後輪伝動軸に右及び左の伝動ケースが取り付けられる。この後、右及び左の伝動ケースの外れを止める外れ止め部材を、後輪伝動軸の右及び左側部の端部に取り付ける。
【0018】
[VII]
請求項6の特徴によると、請求項5の場合と同様に前項[I]〜[VI]に記載の「作用」を備えておりこれに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[VI]のように構成した場合、請求項6の特徴によると、右及び左の伝動ケースの内部におけるスプロケットギヤの右及び左側部にベアリングを備えており、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入することによって、後輪伝動軸の右及び左側部に右及び左の伝動ケースがベアリングを介して支持される。これにより、請求項6の特徴によると、右(左)の伝動ケースが後輪伝動軸の右側部(左側部)に一対のベアリングによって、充分な強度で支持される。
【0019】
[VIII]
請求項7の特徴によると、請求項5又は6の場合と同様に前項[I]〜[VII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[VI][VII]に記載のように、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入するように構成する場合、請求項7の特徴によると、スプロケットギヤを仮保持する仮保持部を、右及び左の伝動ケースの内部に備えており、後輪伝動軸の右及び左側部が取付可能な位置にスプロケットギヤが、仮保持部によって仮保持されている。これにより、請求項7の特徴によると、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入する際に、後輪伝動軸の右及び左側部をスプロケットギヤに支障なく取り付けることができる。
【0020】
[IX]
請求項8の特徴によると、請求項1〜7のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[VIII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項8の特徴によると、右及び左の後輪を各々独立に制動可能な右及び左のサイドブレーキを備えている。これにより、請求項8の特徴によると、例えば右及び左の前輪を右(左)に大きく操向操作して右(左)に小回り旋回する際、右(左)のサイドブレーキを制動側に操作して右(左)の後輪に制動を掛けることにより、右(左)への小回り旋回が容易に行えるようになる。
【0021】
請求項8の特徴によると、右及び左の後輪を各々独立に制動可能な右及び左のサイドブレーキを、後輪伝動軸に備えている。これによって、請求項8の特徴によると、後輪伝動軸をエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能させることができ(前項[II]参照)に、右及び左のサイドブレーキの支持軸として機能させることができる。
【0022】
[X]
請求項9の特徴によると、請求項1〜8のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IX]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項9の特徴によると、右及び左の伝動ケースをアルミダイキャストによって構成しており、右及び左の伝動ケースの軽量化を図っている。
【0023】
【発明の実施の形態】
[1]
図1及び図2に、乗用型作業車の一例としての乗用型田植機の全体が示されている。
図3及び図4に示すように、アルミダイキャスト製のミッションケース1が、前方下方の左右中央CLに前後方向に延出されるように配置され、ミッションケース1の前部下部の右及び左横側部に、アルミダイキャスト製の前輪支持ケース2が連結されて右及び左方に延出されている(ミッションケース1に対して前輪支持ケース2は昇降及びローリングしない)。前輪支持ケース2の端部の縦軸芯P1周りに、アルミダイキャスト製の支持ケース3が回転自在に支持されて、支持ケース3に右及び左の前輪4が支持されており、右及び左の前輪4が支持ケース3と一緒に縦軸芯P1周り(後述する図6の伝動軸74周り)に右及び左に操向操作されるように構成されている。
【0024】
図3及び図4に示すように、ミッションケース1の後端の右及び左横側部に、ボス部1aが右及び左横側に突出するように形成されて、アルミダイキャスト製の右及び左の伝動ケース5が、ボス部1aの左右方向の軸芯P2周りに独立に上下揺動自在に支持されている。右及び左の伝動ケース5がボス部1aから後方に延出されて、右及び左の伝動ケース5の後部に右及び左の後輪6が支持されており右及び左の後輪6は操向操作されない。
【0025】
図1及び図2に示すように、平板を箱状に折り曲げて構成された支持フレーム7が右及び左のボス部1aに連結されており、支持フレーム7の後部上端の左右にブラケット7aが固定され、右及び左のブラケット7aに亘って1本の支持軸8が架設されている。右及び左の伝動ケース5と支持軸8の右及び左の端部とに亘って、サスペンションバネ9が取り付けられている。平面視(図4参照)でクランク状に折り曲げられた右及び左のトーションバー10が備えられており、トーションバー10の一端がミッションケース1の後部に回転しないように連結されて、トーションバー10の他端が右及び左の伝動ケース5に取り付けられている。
【0026】
これにより、右及び左の後輪6に掛かる荷重が主にサスペンションバネ9によって支持されるのであり、右及び左の伝動ケース5が上方に揺動すると、サスペンションバネ9の弾性的な抵抗が右及び左の伝動ケース5に掛かるのに加えて、トーションバー10におけるミッションケース1に固定された部分が捩じられ、トーションバー10の弾性的な抵抗が右及び左の伝動ケース5に掛かる。右及び左の伝動ケース5を左右方向に変位させようとする力が掛かる場合、トーションバー10により右及び左の伝動ケース5の左右方向への変位が抑えられる。
【0027】
[2]
次に、苗植付装置41及び苗植付装置41の支持構造について説明する。
図1,2,3に示すように、支持フレーム7において支持軸8に1本のトップリンク42が上下揺動自在に支持され、支持フレーム7の後部下端に固定された右及び左のブラケット7bに、右及び左のロアリンク43が上下揺動自在に支持されており、トップリンク42及びロアリンク43の後端に支持部材44が連結されている。単動型の昇降シリンダ45が支持軸8に上下揺動自在に支持され、昇降シリンダ45のシリンダロッド45aがサスペンションゴム46及びハ字状の連結部材47を介して、支持部材44に連結されている。
【0028】
図1及び図2に示すように、4条植型式の苗植付装置41が、支持部材44の下部の前後軸芯周りにローリング自在に連結されている。苗植付装置41は支持部材44に連結されるフィードケース48、後方に延出された右及び左の植付伝動ケース49、植付伝動ケース49の右及び左側部で回転駆動される植付ケース60、植付ケース60に支持された一対の植付アーム50、4つの苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台51、上下動自在に支持された接地フロート52等を備えて構成されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、ミッションケース1の上部において左右中央CLから右側に偏位した位置から、PTO軸53が後方に延出され支持フレーム7の内部の下部を通っており、右及び左のブラケット7bの間の下方近傍において、PTO軸53の端部にユニバーサルジョイント54が備えられている。PTO軸53のユニバーサルジョイント54と、フィードケース48の入力軸48aのユニバーサルジョイント54とに亘って、PTO軸55が接続されている。以上の構造により、後述の[4][5]に記載の植付クラッチ32の動力が、PTO軸53,55を介して苗植付装置41に伝達されるのであり、苗のせ台51が往復横送り駆動されるのに伴って、植付アーム50が苗のせ台51の下部から交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
【0030】
[3]
次に、エンジン16及び静油圧式無段変速装置11の付近の構造について説明する。
図1,5,6に示すように、ミッションケース1の前部上部の左横側面に、静油圧式無段変速装置11が左右中央CL(図2及び図4参照)よりも左側に位置するように連結されている。静油圧式無段変速装置11の入力軸11a及び出力軸11bが、左右方向に向いて略同じ高さに位置しており、静油圧式無段変速装置11の入力軸11aが左向きに突出して、静油圧式無段変速装置11の出力軸11bがミッションケース1の内部に位置している。静油圧式無段変速装置11の外側のケースがアルミダイキャスト製で構成されており、静油圧式無段変速装置11の入力軸11aに、入力プーリー12及び冷却ファン13が固定されている。
【0031】
図1及び図5に示すように、斜め上方前方に向くエンジン支持フレーム14がミッションケース1の前部に連結されており、略水平なエンジン支持台15が左右中央CLよりも少し左側に位置するようにエンジン支持フレーム14に連結されている(図4参照)。エンジン16のアルミダイキャスト製のクランクケース16aが防振ゴム17を介してエンジン支持台15に支持されて、エンジン16の出力軸16cが左右方向に向いて左向きに突出しており、エンジン16のアルミダイキャスト製のシリンダ16bが斜め後方上方に向くように傾斜して配置されている。
【0032】
図5に示すように、エンジン16の出力軸16cに出力プーリー18が固定され、出力プーリー18と入力プーリー12とに亘って伝動ベルト19が巻回されている。エンジン支持フレーム14の横軸芯P3周りにテンションアーム20が揺動自在に支持され、テンションアーム20の先端にテンションプーリー20aが備えられており、テンションプーリー20aが伝動ベルト19に押し付けられるように、バネ20bによりテンションアーム20が図5の紙面時計方向に付勢されている。
【0033】
[4]
次に、苗植付装置41への伝動系及び株間変更機構30について説明する。
図6及び図7に示すように、ミッションケース1の内部において、静油圧式無段変速装置11の出力軸11bの動力が、左右方向に向けて配置されて出力軸11bに連結された伝動軸24、ワンウェイクラッチ33を介して伝動軸24に外嵌された伝動ギヤ25、左右方向に向けて配置された伝動軸26に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ対27、伝動ギヤ28、伝動ギヤ28が固定された伝動軸29(左右方向に向けて配置され、伝動軸24に対して相対回転自在)、株間変更機構30、トルクリミッター31、植付クラッチ32、前項[2]に記載のPTO軸53,55(図3参照)を介して苗植付装置41に伝達される。
【0034】
図7に示すように、ミッションケース1の前部上部において、ミッションケース1の右の外壁部1bから、伝動軸23,29が外方に突出するように支持されて、伝動軸29の突出部分に3個の伝動ギヤ21がキー構造にて一体回転自在に外嵌され、伝動軸23の突出部分に3個の伝動ギヤ22が相対回転自在に外嵌されており、伝動ギヤ21,22が互いに咬合して伝動ギヤ21,22の組が3組構成されている。伝動軸23の半径方向に移動自在な3個のカムボール34が伝動ギヤ22の各々に配置されて、伝動軸23の軸芯方向にスライド操作自在なシフトロッド35が備えられている。以上のようにして、株間変更機構30が構成されている。
【0035】
図7に示すように、ミッションケース1の右の外壁部1bに縦壁部1cが形成されて、ミッションケース1の縦壁部1cにより株間変更機構30が囲まれており、ミッションケース1の縦壁部1cにボルト56によって着脱自在な蓋部57が備えられている。シフトロッド35は蓋部57にスライド自在に支持されており、シフトロッド35を3位置に保持するデテントボール58が、蓋部57に備えられている。
【0036】
これにより、図7に示すように、シフトロッド35をスライド操作して、シフトロッド35の先端の大径部を所望の伝動ギヤ22に対応するカムボール34に位置させると、シフトロッド35の大径部によりカムボール34が伝動軸23の半径方向に押し出され、伝動軸23の開孔と所望の伝動ギヤ22とに亘って入り込むことになり、所望の伝動ギヤ22が伝動軸23に固定された状態となって、伝動軸29の動力が所望の伝動ギヤ22を介して伝動軸23に伝達される。このように、シフトロッド35の大径部を所望のカムボール34(伝動ギヤ22)に位置させることにより、伝動軸29から伝動軸23に伝達される動力を3段に変速して、植付アーム50(図1及び図2参照)が田面に植え付ける苗の間隔を3段階に変更する。
【0037】
この場合、ボルト56を外し蓋部57と一緒にシフトロッド35を外すことによって、株間変更機構30を開放することができる。これにより、伝動軸23,29から伝動ギヤ21,22を取り外し、別の異なる歯数の伝動ギヤ21,22を伝動軸23,29に取り付けることによって、伝動比の異なる別の仕様の株間変更機構30に変更することができる。
【0038】
[5]
次に、トルクリミッター31及び植付クラッチ32について説明する。
図7に示すように、ミッションケース1の上部において左右中央CLから右側に偏位した位置に、出力軸36が前後方向に向けて配置され、ミッションケース1の外部において出力軸36にPTO軸53(図3及び図4参照)が接続されている。ミッションケース1の内部において出力軸36に円筒軸37が相対回転自在に外嵌されて、円筒軸37に相対回転自在に外嵌されたベベルギヤ38が、伝動軸23に固定されたベベルギヤ39に咬合している。係合部40がスプライン構造にて円筒軸37に一体回転及びスライド自在に外嵌され、バネ受け回転部59が円筒軸37に固定されており、係合部40をベベルギヤ38に付勢するバネ61が係合部40とバネ受け回転部59との間に備えられている。以上のようにしてトルクリミッター31が構成されている。
【0039】
図7に示すように、係合部62がスプライン構造にて出力軸36に一体回転及びスライド自在に外嵌され、係合部62をバネ受け回転部59に付勢するバネ63が備えられて、植付クラッチ32が構成されている。図7に示す状態は、係合部40の外周部に形成された切欠部がベベルギヤ38の凸部に入り込んで係合している状態であり、係合部62の凸部がバネ受け回転部59の開口部に入り込んで係合する係合位置に位置している状態である。この状態で株間変更機構30の動力が、ベベルギヤ38、係合部40、円筒軸37、バネ受け回転部59、係合部62及び出力軸36を介してPTO軸53に伝達される。
【0040】
前述の状態において、苗植付装置41に大きな負荷が掛かると、バネ61の付勢力に抗して係合部40がスライドしてベベルギヤ38から離間し、ベベルギヤ38と係合部40との間で動力が遮断されて、苗植付装置41が停止する。苗植付装置41に掛かる大きな負荷が消えると、バネ61の付勢力により係合部40がベベルギヤ38にスライドし、係合部40の切欠部がベベルギヤ38の凸部38aに入り込んで係合して、動力が伝達される状態に自動的に復帰し、苗植付装置41が作動する。
【0041】
図7に示すように、操作ロッド64を紙面左方にスライド操作すると、係合部62の横側に形成されたカム面に操作ロッド64が入り込み、係合部62が所定位相(植付アーム50(図1参照)が田面から上方に位置する位相)でスライド操作されて、バネ受け回転部59から離間する。これにより、バネ受け回転部59と係合部62との間で動力が遮断されて、苗植付装置41が停止する。
【0042】
[6]
次に、右及び左の前輪4への伝動系について説明する。
図6,7,8に示すように、伝動軸24に伝動ギヤ65,66が固定され、スプライン構造により伝動軸26と一体回転及びスライド自在にシフトギヤ67が伝動軸26に外嵌されている。ミッションケース1、右及び左の前輪支持ケース2に亘り、右及び左の前輪伝動軸68が左右方向に向けて配置されており、ミッションケース1の内部において右及び左の前輪伝動軸68の突き合わせ部分に、前輪デフ機構69が備えられている。
【0043】
図8に示すように、外ケース69a、外ケース69aに回転自在に支持された一対のピニオンギヤ69b、ピニオンギヤ69bに咬合する一対のサイドギヤ69cを備えて前輪デフ機構69が構成されており、右及び左のサイドギヤ69cに右及び左の前輪伝動軸68が連結されている。前輪デフ機構69の外ケース69aに連結された円筒軸70が、右の前輪伝動軸68に相対回転自在に外嵌されており、円筒軸70に固定された伝動ギヤ71が、伝動軸26に固定された伝動ギヤ72に咬合している。
【0044】
以上の構造により図6,7,8に示すように、シフトギヤ67をスライド操作して伝動ギヤ65,66に咬合させることにより、伝動軸24の動力が2段に変速されて伝動軸26に伝達される。伝動軸26の動力が伝動ギヤ72,71、円筒軸70、前輪デフ機構69、右及び左の前輪伝動軸68、前輪支持ケース2に内装されたベベルギヤ機構73、前輪支持ケース2及び支持ケース3に亘って架設された伝動軸74、支持ケース3に内装されたベベルギヤ機構75及び支持軸4aを介して、右及び左の前輪4に伝達される。
【0045】
図8に示すように、キー構造によって右の前輪伝動軸68と一体回転及びスライド自在に、シフト部材76が右の前輪伝動軸68に外嵌されており、シフト部材76を円筒軸70から離間側に付勢するバネ77、及びシフト部材76を円筒軸70にスライド操作する操作軸78が備えられている。これにより図8に示すように、操作軸78を回転操作しシフト部材76を紙面左方にスライド操作して円筒軸70の端部に咬合させると、前輪デフ機構69がデフロック状態となるのであり、シフト部材76を円筒軸70の端部から離間させていると、前輪デフ機構69がデフロック解除状態となる。
【0046】
[7]
次に、右及び左の後輪6への伝動系について説明する。
図9及び図10に示すように、ミッションケース1のボス部1aの各々に、右及び左の後輪伝動軸79が一対のベアリング103により支持されて、右及び左の後輪伝動軸79が突き合わせられている。ミッションケース1のボス部1aから横外方に右及び左の後輪伝動軸79が突出しており、右及び左の後輪伝動軸79(左右方向の軸芯P2)に、右及び左の伝動ケース5が上下揺動自在に支持されている。図6及び図8に示すように、円筒軸70にスプロケットギヤ80が固定され、図9及び図10に示すようにミッションケース1の内部において右及び左の後輪伝動軸79の突き合わせ部分に、スプロケットギヤ81が相対回転自在に外嵌されており、スプロケットギヤ80,81に亘り伝動チェーン82が巻回されている。
【0047】
図9及び図10に示すように、右及び左のシフト部材83がスプライン構造にて右及び左の後輪伝動軸79に一体回転及びスライド自在に外嵌され、右及び左の後輪伝動軸79とミッションケース1のボス部1aとの間に複数の摩擦板84が配置されており、右及び左のシフト部材83をスプロケットギヤ81に付勢するバネ85が備えられている。右及び左のシフト部材83を摩擦板84にスライド操作するシフトアーム88が備えられており、右及び左の前輪4を操向操作する操縦ハンドル89(図1及び図5参照)と、右及び左のシフトアーム88とが機械的に連係されている。これにより、スプロケットギヤ81と右及び左のシフト部材83との間で、右及び左のサイドクラッチ86が構成され、右及び左のシフト部材83と摩擦板84との間で、右及び左のサイドブレーキ87が構成されている。
【0048】
図9及び図10に示す状態は、直進位置及び直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に、右及び左の前輪4を操向操作している状態であり、右及び左のシフト部材83がスプロケットギヤ81に咬合した状態である(右及び左のサイドクラッチ86が伝動側に操作され、右及び左のサイドブレーキ87が解除側に操作された状態)。これにより、円筒軸70(図6及び図8参照)の動力が、伝動チェーン82、スプロケットギヤ81、右及び左のシフト部材83、右及び左の後輪伝動軸79、右及び左の伝動ケース5に内装された後輪伝動チェーン90及び伝動軸91、支持軸6aを介して右及び左の後輪6に伝達される。
【0049】
例えば操縦ハンドル89が右に操作されて、右及び左の前輪4が右の設定角度を越えて右に操向操作されると、右のシフトアーム88によりバネ85に抗して右のシフト部材83が図10の紙面右方にスライド操作されて、スプロケットギヤ81から離間し、右の摩擦板84を押圧する。これにより、右の後輪6への動力が遮断された状態(右のサイドクラッチ86が遮断側に操作された状態)で、右の後輪6に制動が掛かる(右のサイドブレーキ87が制動側に操作された状態)。
【0050】
図6及び図10に示すように、ミッションケース1における中間部の右の外面に横外側に開放された凹部1dが形成されて、凹部1dの周囲を形成する壁部1e及びボス部1fがミッションケース1に一体的に形成されており、ミッションケース1における中間部の左の外面にボス部1fが一体的に形成されている。図6,10,11に示すように、右及び左のボス部1fに亘り中間軸92が回転自在に支持され、中間軸92に形成されたスプロケットギヤ92aが伝動チェーン82に巻回経路の内側から咬合しており、中間軸92を制動可能なブレーキ94が凹部1dに入り込むように配置されている。
【0051】
図6,10,11に示すように、伝動チェーン82がスプロケットギヤ92aから離間を阻止する案内部材93が、スプロケットギヤ92aと案内部材93とにより伝動チェーン82を挟み込むように、伝動チェーン82の巻回経路の外側に配置されている。以上の構造により、ブレーキ94を制動側に操作することにより、中間軸92及びスプロケットギヤ92a、伝動チェーン82を介して右及び左の前輪4、右及び左の後輪6に制動が掛かる。
【0052】
[8]
次に、右及び左の伝動ケース5の構造について説明する。
図10及び図13(イ)(ロ)に示すように、右及び左の伝動ケース5はアルミダイキャスト製の外ケース5a及び内ケース5bによる2分割構造に構成されており、図9に示すように右及び左の伝動ケース5の後部に、支持軸6aが一対のベアリング104で支持され、伝動軸91が一対のベアリング105によって支持されている。伝動軸91に小径の伝動ギヤ91aが備えられて、支持軸6aに固定された大径の伝動ギヤ6bが伝動ギヤ91aに咬合している。
【0053】
図12及び図13(イ)(ロ)に示すように、右及び左の伝動ケース5の前部の横側面に開口部5cが形成されており、外及び内ケース5a,5bにベアリング106が開口部5cと同芯状に取り付けられ、ベアリング106の間に円筒軸107が配置されている。円筒軸107の外面に小径のスプロケットギヤ107aが備えられ、円筒軸107の内面にスプライン部107bが形成されている。図9に示すように、伝動軸91に大径のスプロケットギヤ91bが固定されており、スプロケットギヤ107a,91bに亘って後輪伝動チェーン90が巻回されている。図12に示すように右及び左の後輪伝動軸79にスプライン部79aが形成され、スプライン部79aにネジ部79bが備えられている。
【0054】
図12及び図13(イ)(ロ)に示すように、右及び左の伝動ケース5の前部の内面に凸状の仮保持部5d,5eが一体的に形成されている。仮保持部5dは後輪伝動チェーン90の巻回経路の内側に入り込むように配置されており、スプロケットギヤ107aに対向するように少し隙間を置いて配置されている。仮保持部5eは後輪伝動チェーン90の巻回経路の外側に位置するように少し隙間を置いて配置されており、後輪伝動チェーン90に対向するように配置されている。
【0055】
以上の構造により、図12に示すように右及び左の伝動ケース5を右及び左の後輪伝動軸79に取り付けていない状態において、スプロケットギヤ107a又は後輪伝動チェーン90が仮保持部5d,5eに接当して、円筒軸107が開口部5cと略同芯状となる位置に仮保持されている。次に図12から図10に示すように、スプライン部79aを内側の開口部5cから、円筒軸107(スプライン部107b)及びベアリング106に挿入すると、右及び左の後輪伝動軸79(スプライン部79a)が円筒軸107(スプライン部107b)に取り付けられ、一対のベアリング106により右及び左の伝動ケース5が右及び左の後輪伝動軸79に支持される。前述のように右及び左の後輪伝動軸79(スプライン部79a)が円筒軸107(スプライン部107b)に取り付けられた状態で、スプロケットギヤ107a及び後輪伝動チェーン90が仮保持部5d,5eから離れる。
【0056】
次に図10及び図12に示すように、外側の開口部5cから受け板108をネジ部79bに取り付け、ナット109をネジ部79bに締め付けて、右及び左の後輪伝動軸79から右及び左の伝動ケース5が外れないようにする。最後に外側の開口部5cにキャップ110を取り付ける。
【0057】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]の右及び左のサイドクラッチ86、右及び左のサイドブレーキ87を、図14及び図15に示すように左の前輪伝動軸68に配置してもよい。
図14及び図15に示すように、ミッションケース1の内部において右及び左の前輪伝動軸68の突き合わせ部分に前輪デフ機構69が備えられ、キー構造により右の前輪伝動軸68と一体回転及びスライド自在に、シフト部材76が右の前輪伝動軸68に外嵌されて、シフト部材76を前輪デフ機構69の外ケース69aから離間側に付勢するバネ77及びシフト部材76を前輪デフ機構69の外ケース69aにスライド操作する操作軸78が備えられている。これにより、シフト部材76を前輪デフ機構69の外ケース69aから離間させていると、前輪デフ機構69がデフロック解除状態となるのであり、操作軸78を回転操作しシフト部材76を紙面左方にスライド操作して、前輪デフ機構69の外ケース69aに咬合させると、前輪デフ機構69がデフロック状態となる。
【0058】
図14及び図15に示すように、前輪デフ機構69の外ケース69aに連結された円筒軸70が、左の前輪伝動軸68に相対回転自在に外嵌されて、円筒軸70に固定された伝動ギヤ96が伝動ギヤ72に咬合している。円筒軸70に右及び左の円筒軸95が相対回転自在に外嵌され、右及び左のシフト部材97がキー構造により右及び左の円筒軸95に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、右及び左の円筒軸95とミッションケース1との間に複数の摩擦板98が配置されている。これによって、伝動ギヤ96と右及び左のシフト部材97との間で、右及び左のサイドクラッチ86が構成され、右及び左のシフト部材97と摩擦板98との間で、右及び左のサイドブレーキ87が構成されている。
【0059】
図14及び図15に示すように、ミッションケース1のボス部1a、右及び左の伝動ケース5に亘り、右及び左の後輪伝動軸79が左右方向に向けて配置されており、右及び左の後輪伝動軸79(左右方向の軸芯P2)に、右及び左の伝動ケース5が上下揺動自在に支持されている。ミッションケース1に中間軸99が支持され、中間軸99に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ100が、右及び左の後輪伝動軸79に固定された伝動ギヤ101に咬合している。右及び左の円筒軸95に備えられたスプロケットギヤ95aと、伝動ギヤ100に固定されたスプロケットギヤ100aとに亘って、伝動チェーン102が巻回されている。
【0060】
以上の構造により、図14及び図15に示すように、伝動軸26の動力が伝動ギヤ72,96、円筒軸70、前輪デフ機構69を介して右及び左の前輪4に伝達される。図14及び図15に示す状態は、直進位置及び直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に、右及び左の前輪4を操向操作している状態であり、右及び左のシフト部材97が伝動ギヤ96に咬合した状態である(右及び左のサイドクラッチ86が伝動側に操作され、右及び左のサイドブレーキ87が解除側に操作された状態)。これにより、伝動ギヤ96の動力が右及び左のシフト部材97、伝動チェーン102、右及び左の後輪伝動軸79、右及び左の伝動ケース5に内装された後輪伝動チェーン90を介して右及び左の後輪6に伝達される。
【0061】
例えば、操縦ハンドル89が右に操作されて、右及び左の前輪4が右の設定角度を越えて右に操向操作されると、右のシフト部材97が図14の紙面右方にスライド操作されて伝動ギヤ96から離間し、右の摩擦板98を押圧する。これにより、右の後輪6への動力が遮断された状態(右のサイドクラッチ86が遮断側に操作された状態)で、右の後輪6に制動が掛かる(右のサイドブレーキ87が制動側に操作された状態)。
【0062】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]では、外及び内ケース5a,5bを連結して右及び左の伝動ケース5を得る場合、外及び内ケース5a,5bの外周部をボルトで連結するように構成している。
この場合、外及び内ケース5a,5bの中央部は、後輪伝動チェーン90の巻回経路の内側で特に何も配置されていないので、図16(イ)に示すように外及び内ケース5a,5bの中央部をボルト111で連結し、外及び内ケース5a,5bの外周部を連結するボルト111の数を少なくするようにしてもよい。又、図16(ロ)(ハ)に示すように、外及び内ケース5a,5bの中央部に貫通する開口部5fを形成し、外及び内ケース5a,5bの外周部、外及び内ケース5a,5bの開口部5fの外周部を、ボルト111で連結するように構成してもよい。
【0063】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]において、右及び左のサイドブレーキ87を廃止し、右及び左のサイドクラッチ86のみを備えるように構成してもよい。逆に右及び左のサイドクラッチ86を廃止して、右及び左のサイドブレーキ87を備え、後輪デフ機構(図示せず)を備えるように構成してもよい。
【0064】
前述の[発明の実施の形態]において、図6及び図9に示す伝動チェーン82を、伝動軸26とスプロケットギヤ81とに亘って巻回してもよい。[発明の実施の第1別形態]において、図14及び図15に示す伝動チェーン102を、伝動軸26とスプロケットギヤ100aとに亘って巻回してもよい。
本発明は乗用型田植機ばかりではなく、後部に直播装置を昇降自在に備えた四輪駆動型の乗用型直播機、四輪駆動型の農用トラクタや乗用型芝刈機等にも適用できる。
【0065】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、乗用型作業車において、ミッションケースを前後方向に配置して、ミッションケースの前側に右及び左の前輪を備えた場合、ミッションケースの中間部(伝動チェーンが内装される部分)の横幅を狭いものにすることができ、右及び左の前輪をミッションケースの中間部に接するまで操向する最大操向角度を大きなものに設定することができるようになって、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
【0066】
請求項1の特徴によると、ミッションケースの内部に伝動チェーンを配置することにより、ミッションケースの軽量化を図ることができて、特に水田等のような軟弱な作業地での乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
この場合、請求項1の特徴によると、後輪伝動軸がエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能しており、伝動チェーンが不必要に長いものになっていないので、伝動チェーンの伝動効率の低下を伴うものではない。
【0067】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、右及び左の後輪への動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチを備えた場合、右及び左のサイドクラッチを後輪伝動軸に備えることによって、後輪伝動軸をエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能させることができ、右及び左のサイドクラッチの支持軸として機能させることができて、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0068】
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項3の特徴によると、乗用型作業車の左右傾斜を抑えながら、作業地の凹凸の影響を受けることなく、右及び左の後輪の動力が無駄なく作業地(右及び左の後輪の接地点)に伝えられるようになって、乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
請求項3の特徴によると、例えば右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げても右及び左の伝動ケース(右及び左の後輪)が上方に揺動することにより、右及び左の後輪の両方が作業地の凸部に乗り上げる状態が吸収されて、乗用型作業車が持ち上げられると言う状態が抑えられるので、この点においても乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
【0069】
請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜3の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項4の特徴によると、減速ギヤが比較的簡素で軽量なものでも比較的大きな減速比を得ることができる点を利用することにより、充分な減速比を得ることができるようになって、右及び左の伝動ケースの軽量化を図ることができ、特に水田等のような軟弱な作業地での乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
【0070】
請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜4の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項5の特徴によると、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入することによって、後輪伝動軸の右及び左側部がスプロケットギヤに取り付けられ、後輪伝動軸に右及び左の伝動ケースが取り付けられるように構成することにより、右及び左の伝動ケースをユニットとして取り付けることができるようになって、組立性を良いものにすることができた。
【0071】
請求項6の特徴によると、請求項5の場合と同様に前述の請求項5の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項6の特徴によると、右(左)の伝動ケースが後輪伝動軸の右側部(左側部)に一対のベアリングにより充分な強度で支持されるようになって、乗用型作業車の強度確保の面で有利なものとなった。
【0072】
請求項7の特徴によると、請求項5又は6の場合と同様に前述の請求項5又は6の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項7の特徴によると、スプロケットギヤを仮保持する仮保持部を右及び左の伝動ケースの内部に備えることにより、後輪伝動軸の右及び左側部を右及び左の伝動ケースに挿入する際に、後輪伝動軸の右及び左側部をスプロケットギヤに支障なく取り付けることができるようになって、組立性を良いものにすることができた。
【0073】
請求項8の特徴によると、請求項1〜7のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜7の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項8の特徴によると、右及び左の後輪を各々独立に制動可能な右及び左のサイドブレーキを備える場合、右及び左のサイドブレーキを後輪伝動軸に備えることによって、後輪伝動軸をエンジン側と右及び左の後輪との間に位置する中継軸として機能させることができ、右及び左のサイドブレーキの支持軸として機能させることができて、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0074】
請求項9の特徴によると、請求項1〜8のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜8の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項9の特徴によると、右及び左の伝動ケースをアルミダイキャストによって構成することにより、右及び左の伝動ケースの軽量化を図ることができ、特に水田等のような軟弱な作業地での乗用型作業車の走行性能を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】ミッションケース、前輪支持ケース、伝動ケース、支持フレーム、トップリンク及びロアリンクの付近の側面図
【図4】ミッションケース、前輪及び前輪支持ケース、後輪及び伝動ケースの付近の平面図
【図5】エンジン及び静油圧式無段変速装置の付近の側面図
【図6】ミッションケースの前部及び前輪支持ケースの付近の横断平面図
【図7】ミッションケースの前部の横断平面図
【図8】ミッションケースの前輪デフ機構の付近の横断平面図
【図9】ミッションケースの後部及び伝動ケースの付近の横断平面図
【図10】ミッションケースの後部の付近の横断平面図
【図11】ミッションケースの伝動チェーンの付近の縦断側面図
【図12】右及び左の後輪伝動軸に右及び左の伝動ケースを取り付ける状態を示す横断平面図
【図13】右及び左の伝動ケースにおける外及び内ケースの内側を示す図
【図14】発明の実施の第1別形態において、ミッションケースの付近の横断平面図
【図15】発明の実施の第1別形態において、ミッションケースの前部の付近の横断平面図
【図16】発明の実施の第2別形態において、右及び左の伝動ケースの側面図
【符号の説明】
1 ミッションケース
4 前輪
5 伝動ケース
5d,5e 仮保持部
6 後輪
6a 支持軸
16 エンジン
79 後輪伝動軸
82 伝動チェーン
86 サイドクラッチ
87 サイドブレーキ
90 後輪伝動チェーン
91 減速ギヤ
106 ベアリング
107a スプロケットギヤ
109 外れ止め部材
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