JP2002321054A - パルスアーク溶接の溶接安定性判定装置 - Google Patents

パルスアーク溶接の溶接安定性判定装置

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JP2002321054A JP2001129574A JP2001129574A JP2002321054A JP 2002321054 A JP2002321054 A JP 2002321054A JP 2001129574 A JP2001129574 A JP 2001129574A JP 2001129574 A JP2001129574 A JP 2001129574A JP 2002321054 A JP2002321054 A JP 2002321054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消耗電極式パルスアーク溶接における定常溶
接時の溶接不安定現象を定量的且つ正確に捉えることに
よりパルスアーク溶接の溶接安定性良否を的確且つ迅速
に判定すること。 【解決手段】 溶接電極2と被溶接材5間の溶接電圧、
溶接電極2と被溶接材5間の溶接電流及びパルス期又は
ベース期の通電時間の少なくとも1つを検出手段11〜
13で検出する。検出値の乱れ度を演算手段14で演算
する。この乱れ度を正常なパルスアーク溶接の定常溶接
時の乱れ度と比較して両者の乖離度からパルスアーク溶
接の定常溶接時の溶接安定性を判定する。例えば、パル
ス周期毎のパルス電流積分値とベース電流積分値の各標
準偏差の積などを乱れ度として演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接の内、パルスアーク溶接による溶接の
定常溶接時の溶接安定性を判定する装置に関する。
【従来の技術】消耗電極式ガスシールドパルスアーク溶
接法は、図8の模式図に示すように、溶接ワイヤに一定
周期のパルス電流を流し、溶接ワイヤと被溶接部との間
に形成されるアーク放電の入熱により溶接ワイヤ先端部
を溶融し、この溶融部をパルス電流による電磁ピンチ力
で絞り出すことにより、溶接ワイヤ先端部から溶滴を離
脱させ、被溶接部へ溶滴を滴下移行させるものであり、
最適な溶接条件の下での安定した溶接状態では、1パル
ス→1ドロップの溶滴移行形態を取る。
【0002】このパルスアーク溶接法では、近時、イン
バータ溶接電源の進歩により出力電流の高速制御を行な
いながら出力電圧を細かくフィードバック制御すること
で1パルス→1ドロップの溶滴移行が可能となり、これ
により溶接の低スパッタ化、溶接状態の規則的再現性向
上および高速溶接性向上等が図れるようになりつつあ
る。
【0003】ところで、パルスアーク溶接の定常溶接時
においては、溶接トーチと被溶接材との相対距離の変
化、開先形状の急速な変化及びワイヤ送給速度の変化等
が不測に発生することがよくある。このような場合、短
絡現象等が発生して溶滴移行状態が変化すると共にアー
ク長が大きく変化し、アーク現象が不安定になる。そし
て、溶接ビードの均一性と美観性を維持できなくなり、
安定した溶接品質を得ることが困難になる。
【0004】従来、定常溶接時に於ける溶接現象の安定
性良否判定は、主として作業者や技術者が溶接ビード外
観の均一性、形状及びスパッタ付着量を目視観察するこ
とにより判定していた。しかし、何れも目視による定性
的な判定であるため、軽微な異常の判定には個人差が不
可避であり、インラインでの判定に統一的な基準を求め
ることは困難であった。
【0005】また、定量的な判定方法として、例えば特
開平11−123547号公報(第1の従来技術)や特
開平10−314940号公報(第2の従来技術)が提
案されている。第1の従来技術は、定常溶接時に於ける
アーク不安定現象を溶接安定性判定指標で定量的に表示
する判定方法であり、第2の従来技術は、溶接電源から
出力される溶接電流及び溶接電圧の少なくとも一方を測
定し、パルス溶接電源のパルス立ち上がり時の不安定な
測定値を除いた安定域の測定値を表示するモニタ方法で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術は、短
絡とアークを交互に繰り返しながら溶接を行なう消耗電
極式ガスシールドアーク溶接を対象としている。この短
絡アーク溶接法は図7の模式図に示すように、消耗電極
(以下溶接ワイヤと言う)の先端部をアーク放電の入熱
により溶融し、この溶融部を高い電流密度による電磁ピ
ンチ力により溶接ワイヤの先端部から溶滴として離脱さ
せて被溶接部へと短絡移行させるものであり、短絡現象
による溶滴の「接触移行」形態を取るものである。従っ
てその溶接性判定指標は、本来的に周期性のないアーク
現象の中での周期性のある指標を溶接安定性の尺度とし
て判定対象にするため、指標の抽出と判定が容易で非常
に有効な方法といえる。
【0007】しかし、パルスアーク溶接のように短絡現
象が基本的に発生せず溶接波形に本来的に周期性が含ま
れる場合、第1の従来技術のように周期性のある指標を
溶接安定性の尺度として判定対象にする方法では、指標
の抽出自体が困難であり、アーク現象の安定性を定量的
に判定することが困難であるから、定常溶接部の溶接品
質判定に誤判定を招く恐れがある。
【0008】そのため、両溶接法で溶接欠陥発生時の現
象は同じであるものの、前述の如く溶滴移行形態がまっ
たく異なり、従って溶接欠陥に至るまでのプロセスも異
なり定常溶接時の溶接安定性評価のために共通の判定指
標を使用できないことが判明した。
【0009】因みに、特開平11―123547号公報
記載の短絡アーク溶接法に於ける定常溶接時の溶接安定
性判定方法を、パルスアーク溶接法での同様の判定に適
用しても、周期的なパルス波形の中から瞬間的なアーク
の不安定現象を定量的に検出することが難しく、正確な
判定をすることができない。
【0010】一方、第2の従来技術の場合、安定域の測
定値のみの判定を行うため所望の溶接品質に必要な溶接
条件(溶接電圧や溶接電流)を求めるためには有効な方
法といえるが、アーク現象の不安定性を定量的に判定す
ることは困難であり、定常溶接部の溶接品質を判定する
際に誤判定を招く恐れがある。
【0011】以上のように、短絡アーク溶接法における
定常溶接時の溶接安定性判定方法はパルスアーク溶接法
での同様の判定に使用することができず、アーク溶接ロ
ボット等による自動溶接ライン及び半自動溶接ラインに
おける定常溶接時の溶接現象の不安定状態に起因して発
生する溶接品質不良の流出防止を図る上で、依然として
大きな問題となっていた。
【0012】本発明は、前記の問題に鑑みてなされたも
ので、消耗電極式パルスアーク溶接における定常溶接時
の溶接不安定現象を定量的且つ正確に捉えることによ
り、パルスアーク溶接の溶接安定性良否を的確且つ迅速
に判定する判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項1に係るパルスアーク溶接の溶接安定性
判定装置は、溶接電極と被溶接材との間に溶接電圧を印
加してパルス・ベース電流を交互に繰り返し供給し、前
記溶接電極から溶滴を1パルス毎に被溶接材上に滴下さ
せながら溶接する消耗電極式ガスシールドパルスアーク
溶接に於いて、前記溶接電極と被溶接材間の溶接電圧、
前記溶接電極と被溶接材間の溶接電流及び通電時間の少
なくとも1つを検出する検出手段と、前記検出手段の検
出値の乱れ度を演算する演算手段と、前記乱れ度を正常
なパルスアーク溶接の定常溶接時の乱れ度と比較して両
者の乖離度からパルスアーク溶接の定常溶接時の溶接安
定性を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
上記の溶接安定性判定装置によれば、パルスアーク溶接
の定常溶接時に於ける溶接安定性の良否の判定に対して
は、検出手段からの検出値に基づいて乱れ度が演算手段
により演算され、判定手段により良否が判定されるの
で、パルスアーク溶接の定常溶接時に於ける溶接安定性
の的確な判定が行なわれる。
【0013】また、本発明の請求項2に係るパルスアー
ク溶接の溶接安定性判定装置は、前記演算手段が、パル
ス周期毎のパルス電流積分値とベース電流積分値の各標
準偏差の積を乱れ度として演算することを特徴とする。
この溶接安定性判定装置では、パルスアーク溶接の定常
溶接時に於ける溶接安定性の指標として、パルス周期毎
のパルス電流積分値とベース電流積分値の各標準偏差の
積が取上げられている。この指標は、パルス電流とベー
ス電流の均一性並びにパルス時間とベース時間の均一性
の両方が同時に評価されるものであり、この指標の値が
小さいほど、パルスアーク溶接の定常溶接時に於ける溶
滴の移行現象が安定していることを示すものである。
【0014】また、本発明の請求項3に係るパルスアー
ク溶接の溶接安定性判定装置は、前記演算手段が、パル
ス周期毎のパルス期通電時間とベース期通電時間の各標
準偏差の積を乱れ度として演算することを特徴とする。
上記の溶接安定性判定装置によれば、パルスアーク溶接
の定常溶接時に於ける溶接安定性の指標として、パルス
周期毎のパルス期通電時間とベース期通電時間の各標準
偏差の積が取上げられている。この指標は、パルス時間
とベース時間の均一性が評価されるものであり、この指
標の値が小さいほど、前述と同じくパルスアーク溶接の
定常溶接時に於ける溶滴の移行現象が安定していること
を示すものである。
【0015】また、本発明の請求項4に係るパルスアー
ク溶接の溶接安定性判定装置は、前記演算手段が、パル
ス周期毎のパルス電圧積分値とベース電圧積分値の各標
準偏差の積を乱れ度として演算することを特徴とする。
上記の溶接安定性判定装置によれば、パルス及びベース
電圧の均一性及びパルス及びベース時間の均一性を同時
に評価できる。特に、この電圧積分値標準偏差の積は、
瞬間的なアーク途切れに対し電圧波形が大きく変化する
ため、アーク途切れ不良の判定に有効であり、パルス電
圧積分値とベース電圧積分値の各標準偏差の積が低いほ
どアーク現象が安定しているといえる。
【0016】また、本発明の請求項5に係るパルスアー
ク溶接の溶接安定性判定装置は、前記演算手段が、パル
ス周期毎のパルス電流積分値と正常溶接時パルス電流積
分値の各標準偏差の比を乱れ度として演算することを特
徴とする。上記の溶接安定性判定装置によれば、パルス
アーク溶接の定常溶接時に於ける溶接安定性の指標とし
て、パルス周期毎のパルス電流積分値と正常溶接時パル
ス電流積分値の各標準偏差の比が取上げられている。こ
の指標は、現在の溶滴の滴下状態が最適の滴下状態と比
較して、どの程度外れているかが評価されるものであ
り、この指標の値が小さいほど、パルスアーク溶接の定
常溶接時に於ける溶滴の滴下状態が良好であることを示
すものである。
【0017】また、本発明の請求項6に係るパルスアー
ク溶接の溶接安定性判定装置は、前記演算手段が、パル
ス周期毎のパルス電流積分値をパルス期通電時間で除し
たパルス電流積分値平均値と、パルス周期毎の正常溶接
時パルス電流積分値をパルス期通電時間で除した正常パ
ルス電流積分値平均値の比を乱れ度として演算すること
を特徴とする。この指標は、溶接ワイヤへの現在の入熱
状態が最適状態の入熱状態と比較してどのくらい外れて
いるかを評価するもので、アーク現象の安定性を入熱量
の過不足から判定するものである。
【0018】以上の請求項2〜6に取上げた5種の指標
は、上述のようにパルスアーク溶接の定常溶接時の溶接
安定性を判定するためには重要な指標であるので、これ
等5種の指標の値を全て演算し、それぞれの基準値と比
較して溶接安定性の良否を判定するのが望ましいが、場
合によっては、これ等5種の指標のうち、1種又は2種
の指標について演算し、これを該当する基準値と比較し
て溶接安定性の良否を判定してもよい。
【0019】また、前記5指標の2以上を相互に掛け合
わせた積を乱れ度として演算し、これを正常なパルスア
ーク溶接の定常溶接時の同様指標の乱れ度と比較して、
両者の乖離度からパルスアーク溶接の定常溶接時の溶接
安定性を判定するようにしてもよい。
【発明実施の形態】以下、本発明の実施の形態として、
パルスMIG溶接をする場合を取上げ、図1乃至図7に
基づいて説明する。
【0020】図1は本発明の一実施形態に係る消耗電極
式ガスシールドパルスアーク溶接装置(以下、単にアー
ク溶接装置と言う)の概略構成を示す。図1で1は溶接
電源、2は溶接ワイヤ、3は送給ローラ、4はコンタク
トチップ、5は被溶接材、6は溶接電流を測定するため
の分流器、31は溶接電流検出回路、32は溶接電圧検
出回路である。溶接電源1から供給される電流・電圧が
溶接ワイヤ2と被溶接材5の間に印加されるようになっ
ている。溶接ワイヤ2は送給ローラ3によって所定速度
で送り出され、コンタクトチップ4を通して被溶接材5
に供給されるようになっている。溶接電源1のアース側
は、分流器6を介して溶接電流検出回路31へ接続され
る一方、溶接電圧検出回路32及び通電時間検出回路
(図示せず)に対して直接的に接続されている。
【0021】図2は本発明のパルスアーク溶接判定装置
10の基本構成を示すブロック図であって、この溶接安
定性判定装置10はパルス期又はベース期の溶接電流検
出手段11、パルス期又はベース期の溶接電圧検出手段
12、パルス期又はベース期の通電時間検出手段13、
溶接安定性演算手段14、溶接安定性判定手段15及び
警報手段16を有する。そして3つの検出手段11,1
2,13から検出される検出値に基づいて溶接安定性演
算手段14により各検出値の乱れ度が個別に演算され、
これら乱れ度と、正常なパルスアーク溶接の定常溶接時
の同種検出値の乱れ度とを溶接安定性判定手段15によ
りそれぞれ比較して、両者の乖離度からパルスアーク溶
接の定常溶接時の溶接安定性が総合的に判定され、総合
的な乖離度が基準値を越えて溶接安定性がないと判定さ
れる場合は、警報手段16により警報が発せられるよう
になっている。
【0022】次に、パルスアーク溶接安定性判定装置1
0の基本回路を、図3のブロック図に基づき説明する。
同図で20はプロセシングユニット(CPU)、21は
メモリ(ROM)、22はメモリ(RAM)、23は入
力インターフェース、24は出力インターフェース、2
5はキーボード・ディスプレイ・プリンター等の周辺機
器、26は以上の要素を収納したコントローラ、30は
A/Dコンバータ(信号変換手段)、31は溶接電流検
出回路、32は溶接電圧検出回路、33は通電時間検出
回路、34は警報手段16を駆動する駆動回路である。
【0023】メモリ(ROM)21には溶接性を判定す
るための後述フローチャートを含む種々の処理に供する
プログラム(判定プログラム)が記憶されており、プロ
セシングユニット(CPU)20が起動されている間は
当該判定プログラムを実行するようになっている。ま
た、メモリ(RAM)22は判定プログラムの実行に必
要な変数データを一時的に記憶するようになっている。
【0024】各検出回路31〜33の出力信号は、A/
Dコンバータ30を介して入力インターフェース23か
らプロセシングユニット(CPU)20に入力され、プ
ロセシングユニット(CPU)20で演算された溶接電
流、溶接電圧及び通電時間に関する各乱れ度をそれぞれ
の基準値と比較し、基準値を外れる場合は出力インター
フェース24を介して駆動回路34が駆動され、警報手
段16から警報が発せられる。
【0025】次に、溶接性を判定するためのフローチャ
ートを図4〜図6に基づき説明する。図4は概略フロー
チャートを示し、図5及び図6は詳細フローチャートを
示す。これらフローチャートを実行するための判定プロ
グラムは、図3のメモリ(ROM)21に格納されてい
ることは既述した。図4から分かるように、溶接開始に
よりサンプリングが開始され(ステップ101、10
2)、溶接終了によりサンプリングが終了し(ステップ
103、104)、その後、定常溶接時の溶接安定性乱
れ度の指標としてパルス・ベース電流積分値標準偏差
積、パルス・ベース時間標準偏差積、パルス・ベース電
圧積分値標準偏差積、パルス・ベース電流積分値標準偏
差比、パルス・ベース電流積分値平均値比が順次演算さ
れ(ステップ105〜109)、これら指標が正常溶接
時の同種指標と比較されて両者の乖離度により溶接性の
良否が判定され(ステップ110)、乖離度が基準値よ
りも大きい場合は異常信号が出力される(ステップ11
1)。
【0026】次に、サンプリング開始からパルス・ベー
ス電流積分値標準偏差積及びパルス・ベース時間標準偏
差積、パルス・ベース電圧積分値標準偏差積を演算する
までのフローチャートを図5に基づき説明する。既述の
図9を参照すると、パルス・ベース電流積分値標準偏差
積=σ(∫IP(n)dt)×σ(∫IB(n)dt)、パルス・ベー
ス時間標準偏差積=σT P(n) ×σTB(n) 、パルス・ベ
ース電圧積分値標準偏差積=σ(∫VP(n)dt)×σ(∫V
B(n)dt)と表される。図5から分るように、先ず溶接電
流、溶接電圧のサンプリングが開始され(ステップ20
1)、通電が開始されているかが判定され(ステップ2
02)、開始されていれば定常溶接期間の溶接電流、溶
接電圧の測定を開始する(ステップ203)。
【0027】ステップ203に次いで、溶接電流がパル
ス判定電流Iw1(図9参照)以上になっているかが判定
され(ステップ204)、その条件が満足されていれ
ば、パルス溶接電流、パルス溶接電圧、パルス時間の測
定が開始される(ステップ205)。またパルス判定電
流Iw1以下の場合は、ベース溶接電流、ベース溶接電
圧、ベース時間の測定が開始される(ステップ20
8)。次いで溶接電流がパルス判定電流Iw1以下になっ
ているかが判定され(ステップ206)、その条件が満
足されると、パルス溶接電流、パルス溶接電圧、パルス
時間の測定が終了し(ステップ207)、またパルス判
定電流Iw1以上になっているかが判定され(ステップ2
09)、当該条件が満足されると、ベース溶接電流、ベ
ース溶接電圧、ベース時間の測定が終了する(ステップ
210)。
【0028】次に、タイムアップしているか否かが判定
され(ステップ211)、タイムアップしていれば定常
溶接期間のパルス電流積分値、パルス電圧積分値、パル
ス時間、ベース電流積分値、ベース電圧積分値、ベース
時間が演算され(ステップ212、213、214)、
次にそれぞれパルス電流積分値、パルス電圧積分値及び
パルス時間の各標準偏差と、ベース電流積分値、ベース
電圧積分値及びベース時間の各標準偏差が演算され(ス
テップ215、216、217)、続いてそれぞれの標
準偏差積が演算される(ステップ218、219、22
0)。
【0029】図6はパルス電流積分値標準偏差比(σ(∫
IP(n)dt)/Sσ)とパルス電流積分値平均値比(Ave(∫I
p(n)dt)/Save)に関するフローチャートで、先ず溶接電
流、溶接電圧のサンプリングを開始し(ステップ30
1)、通電が開始されているかを判定し(ステップ30
2)、開始されていれば定常溶接期間の溶接電流、溶接
電圧の測定を開始する(ステップ303)。次いで溶接
電流がパルス判定電流Iw1以上になっているかを判定し
(ステップ304)、その条件を満足していれば、パル
ス溶接電流、パルス通電時間の測定を開始する(ステッ
プ305)。次いで溶接電流がパルス判定電流Iw1以下
になっているかを判定し(ステップ306)、その条件
を満足したらパルス溶接電流、パルス時間の測定を終了
する(ステップ307)。次いでタイムアップしている
かを判定し(ステップ308)、タイムアップしていれ
ば定常溶接期間のパルス電流積分値を演算し(ステップ
309)、次にそのパルス電流積分値の標準偏差と平均
値を演算し(ステップ310、311)、次いでそのパ
ルス電流積分値標準偏差を適正電圧で溶接した場合のパ
ルス溶接電流積分値標準偏差適正値「Sσ:σ(∫I
P(n)dt)」で除し、そのパルス電流積分値標準偏差比を
演算する(ステップ312)。また、そのパルス電流積
分値平均適正値「Save:Ave(∫Ip(n)dt)」で除し、その
パルス電流積分値平均値比を演算する(ステップ31
3)。
【0030】上述の要領により演算された各重要特性の
値は、それぞれの基準値と比較して溶接安定性の良否が
判定され、否と判定された場合には、前述のように警報
が発せられる、この場合には、後工程に溶接不良品が流
れないように溶接ラインの稼働が直ちに停止されると共
に、溶接装置の異常箇所の点検と調整が行われ、処置が
完了すれば溶接ラインは再稼働される。
【0031】以上、本発明の一実施形態につき説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の
変形が可能であり、例えば前記実施形態では溶接安定性
の乱れ度として、パルス電流積分値とベース電流積分
値の各標準偏差の積、パルス期通電時間とベース期通
電時間の各標準偏差の積、パルス電圧積分値とベース
電圧積分値の各標準偏差の積、パルス電流積分値標準
偏差と正常溶接時の同様標準偏差との比、パルス電流
積分値平均値と正常溶接時の同様平均値との比の5つの
指標を例示したが、本発明はこれら5つの指標以外の指
標を乱れ度として演算することも可能であって、例えば
(パルス電流積分値標準偏差)×(ベース電流積分値標
準偏差)×(パルス期通電時間標準偏差)×(ベース期
通電時間標準偏差)を乱れ度の指標としてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明は前述の如く、パルスアーク溶接
の定常溶接時におけるパルス期とベース期の溶接電流、
溶接電圧及び溶接時間をそれぞれ検出してこれら検出値
の乱れ度を演算し、この乱れ度を正常溶接時の同種指標
と比較して両者の乖離度から溶接安定性を判定するよう
にしたので、溶接安定性の良否をリアルタイムで的確に
判定することができ、溶接不良品の流出を未然に防止す
ることができる。また溶接不良発生時の対策結果も直ち
に判るから、溶接異常発生時の自動回復処理で電源制御
信号をフィードバック制御するなどの早期対策が容易と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接安定性判定装置を組込んだパルス
アーク溶接装置の概略構成図。
【図2】溶接安定性判定装置の基本構成を示すブロック
図。
【図3】溶接安定性判定装置の基本回路を示すブロック
図。
【図4】判定プログラムの概略フローチャートである。
【図5】判定プログラムの詳細フローチャート。
【図6】判定プログラムの詳細フローチャート。
【図7】短絡アーク溶接法における公知の溶滴移行形態
を示す模式図。
【図8】パルスアーク溶接法における公知の溶滴移行形
態を示す模式図。
【図9】パルスアーク溶滴移行と溶接電圧・電流の関係
を示す模式図。
【符号の説明】
1 溶接電源 2 溶接電極(溶接ワイヤ) 5 被溶接材 11 溶接電流検出手段 12 溶接電圧検出手段 13 通電時間検出手段 14 溶接安定性演算手段 15 溶接安定性判定手段 30 A/Dコンバータ(信号変換手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接電極と被溶接材との間に溶接電圧を
    印加してパルス・ベース電流を交互に繰り返し供給し、
    前記溶接電極から溶滴を1パルス毎に被溶接材上に滴下
    させながら溶接する消耗電極式ガスシールドパルスアー
    ク溶接に於いて、 前記溶接電極と被溶接材間の溶接電圧、前記溶接電極と
    被溶接材間の溶接電流及び通電時間の少なくとも1つを
    検出する検出手段と、 前記検出手段の検出値の乱れ度を演算する演算手段と、 前記乱れ度を正常なパルスアーク溶接の定常溶接時の乱
    れ度と比較して両者の乖離度からパルスアーク溶接の定
    常溶接時の溶接安定性を判定する判定手段とを有するこ
    とを特徴とするパルスアーク溶接の溶接安定性判定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段が、パルス周期毎のパルス
    電流積分値とベース電流積分値の各標準偏差の積を乱れ
    度として演算することを特徴とする請求項1記載のパル
    スアーク溶接の溶接安定性判定装置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段が、パルス周期毎のパルス
    期通電時間とベース期通電時間の各標準偏差の積を乱れ
    度として演算することを特徴とする請求項1記載のパル
    スアーク溶接の溶接安定性判定装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段が、パルス周期毎のパルス
    電圧積分値とベース電圧積分値の各標準偏差の積を乱れ
    度として演算することを特徴とする請求項1記載のパル
    スアーク溶接の溶接安定性判定装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段が、パルス周期毎のパルス
    電流積分値と正常溶接時パルス電流積分値の各標準偏差
    の比を乱れ度として演算することを特徴とする請求項1
    記載のパルスアーク溶接の溶接安定性判定装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段が、パルス周期毎のパルス
    電流積分値をパルス期通電時間で除したパルス電流積分
    値平均値と、パルス周期毎の正常溶接時パルス電流積分
    値をパルス期通電時間で除した正常パルス電流積分値平
    均値の比を乱れ度として演算することを特徴とする請求
    項1記載のパルスアーク溶接の溶接安定性判定装置。
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