JP2002311152A - 地盤の任意断面可視化方法 - Google Patents

地盤の任意断面可視化方法

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JP2002311152A
JP2002311152A JP2001116445A JP2001116445A JP2002311152A JP 2002311152 A JP2002311152 A JP 2002311152A JP 2001116445 A JP2001116445 A JP 2001116445A JP 2001116445 A JP2001116445 A JP 2001116445A JP 2002311152 A JP2002311152 A JP 2002311152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設構造物などの測定上の障害物の有無
に拘わらず、該障害物直下の地盤を任意断面で且つ高精
度に可視化できるようにするための物理探査の実施方法
の提供。 【解決手段】 掘削液を斜め前方へ噴出するノズル孔と
自身の位置情報を送出する発信手段とを有する掘削ヘッ
ドを、長さ方向に沿って連結した複数本のロッドのうち
の掘進方向最前端のロッドに連結してあり、前記発信手
段からの位置情報をモニタリングしつつ、掘削ヘッドを
回転させるとともにノズル孔から掘削液を噴出させて任
意の掘進方向へ地盤を掘進することで、既設構造物1の
直下に任意深度で任意方向へ向かう測線孔2,3を形成
する。そして、測線孔2,3内に、地盤を電気比抵抗な
どの物性値で可視化する所定の物理探査を実施するため
に必要なセンサー4,5,6を敷設して、前記物理探査
を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気比抵抗や弾
性波速度などの物性値によって地盤を画像により可視化
する各種の物理探査を実施する方法に関し、特に地盤に
測線を成すボーリング孔を形成して行う物理探査、即ち
速度検層、電気検層、密度検層、音波検層、比抵抗トモ
グラフィー、弾性波トモグラフィー、電磁波トモグラフ
ィーなどの物理探査に好適な実施方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から地下の地盤状況、即ち地層構
造、既設構造物直下の人工改変、残存異物、空洞、汚染
等を探査するために各種の物理探査が実施されている。
こうした物理探査については、センサー技術やコンピュ
ータ技術の急激な進歩と相俟って探査精度も格段に向上
しており、且つ地盤状況が一目で分かるようにコンピュ
ータ画像によって可視化できるようにもなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした探
査精度の向上やコンピュータ画像による可視化は、各種
物理探査を実施するために利用するセンサー技術やコン
ピュータ技術が向上したことに伴う進歩であって、その
実施方法自体が進歩している訳ではなく、依然従前から
の実施方法を踏襲しているままである。このことは例え
ば、既設構造物、河川・湖沼などの水系、道路、鉄道路
線といった測定上の障害物直下の地盤状況を、従来の物
理探査によって可視化する場合を考えれば容易に理解で
きる。
【0004】即ち、既設構造物などの測定上の障害物が
ある場合、地表に測線を設けてアプローチする電気探査
等の物理探査だと障害物が邪魔になって測線を設けるこ
とができないため、地盤状況を探査することは事実上不
可能である。これに対し、比抵抗トモグラフィーや弾性
波トモグラフィー等の物理探査の場合には、障害物を避
けて測線となる複数のボーリング孔を上下方向に形成し
て行うため、地表からアプローチする物理探査のような
障害物による制約がなく、地盤状況を縦断面(垂直方向
断面)で可視化することは比較的容易である。ところ
が、これらの物理探査についても、測定上の障害物直下
に測線となるボーリング孔を形成することは不可能であ
るし、地盤状況を横断面(水平方向断面)で可視化する
場合には、人の作業スペースと掘削機械等の設置スペー
スとを確保できるような大きな立坑を一対形成し、さら
に各種センサーや起振源等を配置するための横孔を立坑
間に掘削しなければならないため、コスト面でも人的労
力の面でも相当の負担が必要となってしまう。
【0005】また、こうしたコスト面等の負担だけでな
く、現状の物理探査は、旧来の実施方法を踏襲している
がために、探査精度にも限界をもたらしている。その理
由は次のとおりである。一般に自然地盤は、様々な層が
自然界のルールに従って所定の規則性をもって堆積して
いる。そして、堆積した各層は、例えば電気伝導に対し
て高い比抵抗を示す高比抵抗体という特質をもっていた
り、低い比抵抗を示す低比抵抗体という特質をもってい
て、その性状が様々である、という異方性を備えてい
る。ここで、例えば図8で示すように水平堆積した3つ
の層G1,G2,G3からなる地盤があり、層G1,G
3が高比抵抗体であり、層G2が低比抵抗体であると仮
定する。そして、この地盤について測線A−A′で測定
すると、高比抵抗体である層G1,G3に電気が流れ難
く、偽像の発生等により層G1,G3の内部構造や層G
2の存在を正確に測定できないという問題がある。ま
た、測線B−B′で測定すると、電気は高比抵抗体であ
る層G1,G3を迂回してより流れやすい低比抵抗体の
層G2へ集中して流れてしまうため、やはり偽像の発生
等により層G1,G3の内部構造を正確に測定すること
ができないという問題が生じてしまう。従って、正確な
解析を困難なものとしている自然地盤の異方性をできる
だけ解消して高精度な測定を行うためには、測線A−
A′,測線B−B′の両方を敷設して測定を行うことが
好ましい。しかしながら、従前の実施方法では測線A−
A′,測線B−B′を敷設すると、コスト面、人的労力
の面で相当の負担が必要となってしまうし、特に測線A
の真上の地表に既設構造物などの測定上の障害物が存在
すると、従前の実施方法では測線A自体を設けることが
事実上不可能であって、探査精度の向上にも自ずと限界
がある。
【0006】また、自然地盤の異方性は、上述のように
地盤をなす層が自然界のルールに従って所定の規則性を
もって堆積しているため、該地盤に生じた自然現象の履
歴を辿れば、層構造のおよその概要を推測することが可
能で、その意味では、物理探査により得られた測定結果
に補正をかけることで、ある程度の事後的な修正を加え
ることもできる。しかしながら、自然地盤の異方性の問
題を推測に基づいてある程度解消できたとしても、層G
1,G3に空洞Sが存在する場合や(図8参照)、自然
地盤に人工的な改変が加えられているような場合のよう
に、自然界のルールだけでは推測不能な不規則要素が地
盤に存在する場合には、図8で示すように測線A−
A′,測線B−B′の両方を敷設して測定しないと、正
確な探査を行うことは極めて困難であるが、上述のよう
に従前の実施方法では更なる探査精度の向上を図ること
は難しい。
【0007】以上のような従来技術を背景になされたの
が本発明で、その目的は、既設構造物などの測定上の障
害物の有無に拘わらず、地盤を任意断面で且つ高精度に
可視化できるようにするための物理探査の実施方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、掘削液を斜め前方へ噴出するノズル孔と
自身の位置情報を送出する発信手段とを有する掘削ヘッ
ドを、長さ方向に沿って連結した複数本のロッドのうち
の掘進方向最前端のロッドに対して連結してあり、前記
発信手段からの位置情報をモニタリングしつつ、掘削ヘ
ッドを回転させるとともにノズル孔から掘削液を噴出さ
せて任意の掘進方向へ地盤を掘進することで任意深度で
任意方向へ向かう測線孔を形成し、該測線孔内に、地盤
を電気比抵抗、弾性波速度などの物性値で可視化する所
定の物理探査を実施するために必要なセンサーや起振源
などを敷設して、前記物理探査を実施するようにしてな
る地盤の任意断面可視化方法を提供する。
【0009】この発明に係る地盤の任意断面可視化方法
では、掘削ヘッドに備える発信手段からの位置情報をモ
ニタリングしつつ、掘削ヘッドを回転させるとともにノ
ズル孔から掘削液を噴出させて任意の掘進方向へ地盤を
掘進し、任意の深度・方向・長さの測線孔を形成する。
そして、形成した測線孔内に、地盤を電気比抵抗、弾性
波速度などの物性値で可視化する所定の物理探査を実施
するために必要なセンサーや起振源などを敷設して、前
記物理探査を実施する。従って、本発明の方法によれ
ば、既設構造物などの測定上の障害物の有無に拘わら
ず、測線孔を地下に任意の態様で形成することが可能で
あるため、物理探査の実施により地盤を任意断面で且つ
高精度に可視化することができる。
【0010】こうした本発明による任意断面可視化方法
は、探査対象とする断面を取り囲むように各種センサー
や起振源などを配置しなければならない比抵抗トモグラ
フィー、弾性波トモグラフィー、電磁波トモグラフィー
といったジオトモグラフィーによる地盤探査を行うにつ
いて特に好適である。これらの物理探査は、既設構造物
などの障害物の直下における地盤状況の可視化や、地盤
状況の横断面(水平方向断面)による可視化について
は、上述したように測定上の障害物の存在による物理的
な制約や、コスト・人的労力の制約があって測線を設け
ることが不可能であったが、上記本発明によれば、任意
の測線を地下に形成することができるので、従来不可能
であった任意断面で地盤状況を可視化するための探査を
実施することが可能となり、ジオトモグラフィーによる
物理探査の適用範囲を大幅に拡大でき、尚且つ、探査精
度を著しく向上できるという非常に大きなメリットが得
られる。即ち、上記本発明の任意断面可視化方法につい
ては、地表に既設構造物、河川等の測定上の障害物のあ
る直下に、少なくとも対を成す2本の前記測線孔を形成
し、各種のジオトモグラフィーによる物理探査を実施す
るものとして構成することができる。
【0011】なお、本発明の任意断面可視化方法によっ
て可視化する『断面』とは、単なる二次元断面だけを意
味するものではない。つまり、上述のように、本発明の
任意断面可視化方法では測線を任意の態様で形成するこ
とが可能であるため、例えば相互に平行な2本の上側測
線と、これよりも深度の深い相互に平行な2本の上側測
線と、を敷設して、各種のジオトモグラフィーを実施す
れば、単なる二次元断面ではなく、三次元で立体的に地
盤を可視化する探査を実施することができる。本発明で
いう『断面』は、こうした三次元により立体的に可視化
するような場合も含む用語として用いるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る地盤の任意断
面可視化方法の一実施形態について図面を参照しつつ説
明する。
【0013】地下の地盤状況を断面可視化する物理探査
は、従来から色々な方法が存在するが、本実施形態で
は、その一例として比抵抗トモグラフィーによる断面可
視化について適用した例を説明する。勿論、比抵抗トモ
グラフィーだけでなく、弾性波トモグラフィーを含め測
線孔を形成して行う他の物理探査にも適用できるし、測
線孔を形成せずに地表からのアプローチで地盤状況を探
査する電気探査などの物理探査については浅層に水平方
向で測線孔を形成し、これを地表に見立てて適用するこ
とができる。
【0014】図1にこの実施形態による任意断面可視化
方法の実施概要図を示す。この実施形態は、既設建築物
1直下の地下における地盤状況を傾斜断面で可視化する
ものである。既設建築物1の両脇の地表には、発進口h
iと到達口hoとが地表に開口する測線孔2,3が掘削
形成されており、各測線孔2,3には複数の電極4を所
定間隔で数珠繋ぎにした電極ケーブル5,6がそれぞれ
敷設されている。図1(a)で示すように、電極ケーブ
ル5は既設建築物1の直下に敷設してあり、電極ケーブ
ル6はその下方に所定の深さ間隔d1をおいて敷設して
ある。また、図1(b)で示すように、電極ケーブル5
は、傾斜部5aと電極4を連結してある水平部5bとが
一直線をなすように敷設してある。これに対し、電極ケ
ーブル6は、傾斜部6aが電極ケーブル5に対して所定
間隔d2だけ距離をあけて敷設してあり、この傾斜部6
aに続く水平部6bは電極ケーブル5と平行となるよう
に敷設してある。このように電極ケーブル5,6を敷設
してから、これらの電極ケーブル5,6が接続されてい
る探査機器7を地上で操作して比抵抗トモグラフィーに
必要なデータの取得、解析、画像処理といった一連の作
業からなる探査を実施すれば、既設建築物1の直下にお
いて地盤状況を傾斜断面8で可視化することができる
(図2参照)。
【0015】次に、上述のような傾斜断面8の可視化を
実施すべく、図1のように電極ケーブル5,6を敷設す
る方法について説明する。この実施形態で行う掘進は、
図3で示すような掘削装置9を利用する。この掘削装置
9は、各種の機器を内蔵している円筒形状の本体部10
と、地盤を掘進していく掘進ヘッド11とを備えてい
る。
【0016】本体部10には、掘進ヘッド11を回転駆
動させるための駆動モータ12が備わっていて、この駆
動モータ12は回転軸12aと連結アーム13を介して
掘進ヘッド11の後端11aに接続されている。14は
掘進制御ユニットで、これには、掘進方向を検出する方
位検出センサー15と、掘削装置9の掘進時に水平に対
する傾斜角を検出する傾斜角検出センサー16と、送信
機17、掘進動作を制御するコントローラ18とが備わ
っている。
【0017】掘進ヘッド11は、一方側が傾斜面を成し
ていて、この傾斜面が掘削泥水Wにより軟弱化されてい
ない測線孔2,3の孔壁と摺動することで、掘進ヘッド
11全体を掘削泥水Wにより軟弱化された地盤部分へガ
イドされるようになっている。また、掘進ヘッド11の
先端部には掘削泥水Wを斜め前方へ噴出するノズル孔1
1bが形成されていて、柔軟性のある給水管19の一端
が連結されている。掘進ヘッド11の後端11aには、
係合フランジ11cが形成されており、本体部10の内
向きフランジ10aと係合させてある。
【0018】上記構成の掘削装置9は、本体部10の後
端10bが金属等の剛体で形成した円筒形状のロッド2
0に連結されている。このロッド20の後端部には他の
ロッドが複数本直列に連結されており、最後端のロッド
は地上に設置してある油圧ユニット(図示略)に接続さ
れている。そして、掘進ヘッド11の推進力は、油圧ユ
ニットが一連のロッドを押圧することで、最前端のロッ
ド20を介して与えられるようになっている。また、掘
削装置9から伸長する給水管19、掘進制御ユニット1
4から伸長する信号線14a、及び駆動モータ12の電
源線12bは、それぞれ一連のロッドの内部を通じて地
上に備える探査機器7に接続されている。なお、この探
査機器7には、給水管19に掘削泥水Wを供給するタン
クやポンプ、ロッドを横圧するための油圧ユニット、比
抵抗トモグラフィーを行うために必要な測定機器類、ま
た掘進ヘッド11の位置をモニタリングし、必要に応じ
てコントローラ18に対して地上から制御信号を送るた
めの操縦装置等が含まれている。
【0019】そして、掘削装置9で電極ケーブル5用の
測線孔2を形成するには、先ず発進口hiから斜め下方
に掘削装置9を掘進させていく。発進口hiは、掘削装
置9の掘進ヘッド11の先端を突入させるのに必要なき
っかけとなるスペースで十分であって、大規模な掘削工
事は一切不要である。斜め下方への掘進時には、掘削装
置9の駆動モータ12がコントローラ18の駆動信号を
受けて、掘進ヘッド11を矢示方向Rへ停止させること
なく常時回転させて、掘削泥水Wをノズル孔11bから
全方向へ噴出させる。これによって、掘進方向に立ちは
だかる地盤部分が軟弱化するため、掘進ヘッド11はロ
ッド20に後押しされることで、斜め下方へ真っ直ぐに
掘進していく。
【0020】このようにして、目的の深さ距離である電
極ケーブル5の傾斜部5aの長さ分の距離まで掘進させ
ると、今度は水平方向へ掘進させる必要があるため、ノ
ズル孔11bが図4で示す上側位置puに来るように掘
進ヘッド11を矢示方向Rへ回転させる。これによっ
て、掘削泥水Wが水平に近い特定の向きへ噴出すること
になるため、掘進ヘッド11は徐々に水平に向けて(掘
進方向に対して斜め上方向へ)掘進方向を変化させてい
く。
【0021】なお、これと同様の原理で、掘進ヘッド1
1を掘進方向に対し斜め右方向へ進ませたい場合には右
側位置prに(図4参照)、また斜め左方向へ進ませた
い場合には左側位置plに、斜め下方向へ進ませたい場
合には下側位置pdに、それぞれ掘進ヘッド11を回転
させてノズル孔11bを位置させればよい。右斜め上・
下方向や左斜め上・下方向の場合も、同様にして進ませ
たい方向へノズル孔11bを位置させればよい。また、
掘進時に地上の探査機器7では、掘進制御ユニット14
に内蔵する方位検出センサー15と傾斜角検出センサー
16によって検出された掘進方向と掘進角度がコントロ
ーラ18によって信号線14aを通じて送られてくるの
で、これをモニタリングし、予定している掘進方向と異
なる方向に進んでいる場合には、適宜進行方向を補正す
るようにコントローラ18に制御信号を送出し、コント
ローラ18は掘進ヘッド11を回転させてノズル孔11
bの位置を微調整するようにする。
【0022】水平方向へ掘進し始めると、今度は掘進ヘ
ッド11を常時回転させて、全方向へ掘削泥水Wを噴出
させるようにして、特定の方向へ掘進しないようにす
る。そして、目的の距離である電極ケーブル5の水平部
5bの長さ分の距離だけ掘進すると、今度はノズル孔1
1bを上側位置puに回転させて、上記と同様の要領で
到達口3に至るまで掘削装置9を掘進させていく。
【0023】こうして電極ケーブル5を敷設するための
測線孔2が形成される。そして、掘削装置9を今度は逆
に発進口hiへ引き戻す作業を行うが、この時に掘削装
置9に電極ケーブル5を取り付けておくようにし、敷設
作業も同時に行うようにする。以上のようにして、測線
となる電極ケーブル5の敷設作業が終了する。これに続
けて、上記と同様の要領で、今度は測線孔3を形成して
電極ケーブル6の敷設作業を行う。そして、最後に探査
機器7を操作して比抵抗トモグラフィーによる地下探査
を実行する。
【0024】以上の実施形態では、上下に電極ケーブル
5,6を敷設して地盤状況を縦断面(垂直方向断面)で
可視化する例を示したが(図2参照)、例えば電極ケー
ブル5を電極ケーブル6と同じ深度に敷設するように掘
削装置9で測線孔を形成し(但し水平方向の間隔d2は
そのままとする)、地盤状況を横断面(水平方向断面)
で可視化することも勿論可能である。その一例を図5に
示す。この図5の例では、河川21の下の地盤状況を探
査するために、河川敷22,23から出発して河川21
の直下で水平且つ平行に伸長するように一対の測線孔2
4,25を上記実施形態と同様の要領にて形成し、そこ
に電極ケーブル26,27を敷設するようにした。そし
て、電極ケーブル26,27が接続されている探査機器
7を地上で操作して比抵抗トモグラフィーによる探査を
実施すれば、河川21の直下においても地盤状況を水平
断面28で可視化することができる。
【0025】また、以上の説明では、地盤を二次元断面
で可視化する例を説明したが、例えば図6で示すごと
く、三次元で立体的に地盤を可視化することもできる。
図6は、道路29の直下に4本の測線孔30,31,3
2,33を形成して、それぞれ電極ケーブル34,3
5,36,37を敷設した例である。そして、これによ
ってジオトモグラフィーのような探査を行えば、三次元
で立体的に可視化することができるし、多数の二次元断
面をもって可視化することもでき、こうした道路29の
下のように、特に人工的な改変がなされている可能性の
高い地盤状況であっても高精度で探査することができる
ようになる。そして、こうした高精度な探査を実施する
ためには、通行を止めたり舗装を掘り返したりする必要
はなく、道路29脇から測線孔30,31,32,33
を容易に形成できるので、コスト面や労力面だけでな
く、その作業が周辺環境に及ぼす障害も低減することが
できる。
【0026】上記実施形態では、測線孔2,3,24,
25を形成してから、その孔内にそのまま電極ケーブル
5,6,26,27を配設するようにしたが、掘削装置
9の引き戻し作業時に、掘削装置9に電極ケーブル5,
6だけでなく、これを外套する保護用などの管材を同時
に敷設してもよい。
【0027】さらに、以上の実施形態では、掘削装置9
の方位検出センサ15と傾斜角検出センサ16により検
出した方位データと傾斜角データとをコントローラ18
によって信号線14aを通じて地上の探査機器7へ送出
するようにしているが、信号線14aではなく送信機1
7を利用して探査機器7へ無線送信するようにしてもよ
い。
【0028】また、上記実施形態で示すような掘削装置
9に変えて図7で示すような掘削装置38を利用するこ
ともできる。この掘削装置38は、掘進ヘッド39と本
体部40を備えており、本体部40には上述した実施形
態と同様のロッド20が形成されている。本体部40
は、内部にコイルを備える発信手段としての電磁波発信
機41が備わっているだけであり、上述の実施形態のよ
うなコントローラ18等は備えていない簡易な内部構成
となっている。そして、それから発信される電磁波を地
上で受信することで、掘進ヘッド39の位置情報を取得
するようにしている。この掘削装置38では掘進ヘッド
39が本体部40に対して回転しないようになってい
る。従って、この掘削装置38の掘進方向を変えるため
には、地上に備える油圧ユニットによって連結された複
数のロッド20と掘進ヘッド39を回転させるようにす
る。掘削装置38を簡易な構成としても上記各実施形態
による任意断面可視化方法を実施することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の地盤の任意断面可視化方法によ
れば、従来の物理探査では成し得なかった革新的な物理
探査の実施方法を提供できる。特に、既設構造物等の直
下であっても、任意断面で地盤状況を電気比抵抗や弾性
波速度などの様々な物性値によって高い探査精度で可視
化することができるようになって、様々な分野での活用
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態による既設建築物の直下における地
盤の任意断面可視化方法の実施概要を模式的に示す説明
図で、分図(a)は正断面図、分図(b)は分図(a)
のSA−SA線方向から見た平断面図。
【図2】図1(b)の矢示SB線方向からの側断面図。
【図3】図1の任意断面可視化方法で使用する掘削装置
の概略構成を示す内部模式図。
【図4】図3(a)の矢示SC線方向からの側面図。
【図5】他の実施形態による河川の直下における地盤の
任意断面可視化方法の実施要領を模式的に示す図で、分
図(a)は平断面図、分図(b)はSD−SD線側断面
図。
【図6】さらに他の実施形態による地盤の任意断面可視
化方法の実施要領を模式的に示す図。
【図7】他の実施形態による掘削装置の概略構成を示す
説明図。
【図8】地盤状況を示す説明図。
【符号の説明】
1 既設建築物 2,3 測線孔 7 探査機器 8 傾斜断面 9 掘削装置(掘削ヘッド) 11 掘進ヘッド 11b ノズル孔 17 送信機(発信手段) 18 コントローラ(発信手段) 20 ロッド 21 河川 22,23 河川敷 24,25 測線孔 28 水平断面 29 道路 30,31,32,33 測線孔 38 掘削装置(掘削ヘッド) 39 掘進ヘッド 40 本体部 41 電磁波発信機(発信手段) W 掘削液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 裕昭 埼玉県川越市脇田本町11番地27株式会社地 研コンサルタンツ内 (72)発明者 今里 武彦 千葉県船橋市本郷町658番地2株式会社日 本地下探査内 (72)発明者 勝田 力 神奈川県平塚市松風町27−22ライオンズヴ ィアーレ湘南松風208

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削液を斜め前方へ噴出するノズル孔と
    自身の位置情報を送出する発信手段とを有する掘削ヘッ
    ドを、長さ方向に沿って連結した複数本のロッドのうち
    の掘進方向最前端のロッドに対して連結してあり、前記
    発信手段からの位置情報をモニタリングしつつ、掘削ヘ
    ッドを回転させるとともにノズル孔から掘削液を噴出さ
    せて任意の掘進方向へ地盤を掘進することで任意深度で
    任意方向へ向かう測線孔を形成し、該測線孔内に、地盤
    を電気比抵抗、弾性波速度などの物性値で可視化する所
    定の物理探査を実施するために必要なセンサーや起振源
    などを敷設して、前記物理探査を実施するようにしてな
    る地盤の任意断面可視化方法。
  2. 【請求項2】 地表に既設構造物、河川等の測定上の障
    害物のある直下に、少なくとも対を成す2本の前記測線
    孔を形成し、各種のジオトモグラフィーによる物理探査
    を実施するようにしてなる請求項1記載の地盤の任意断
    面可視化方法。
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