JP2002249470A - アルカノールアミンの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

アルカノールアミンの製造方法及びその製造装置

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JP2002249470A
JP2002249470A JP2001297495A JP2001297495A JP2002249470A JP 2002249470 A JP2002249470 A JP 2002249470A JP 2001297495 A JP2001297495 A JP 2001297495A JP 2001297495 A JP2001297495 A JP 2001297495A JP 2002249470 A JP2002249470 A JP 2002249470A
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JP
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reactor
reaction
ammonia
alkylene oxide
alkanolamine
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JP2001297495A
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Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキレンオキシドとアンモニアとの反応に
よって断熱1段反応でも反応器内の温度上昇を抑え、か
つ、トリエタノールアミンの副生を抑えながらジアルカ
ノールアミンを選択的に、効率よく、安価に製造する。 【解決手段】 断熱多段式反応器の1段目出口における
反応液の一部を反応器に循環して反応させることによっ
て、選択的、効率的にアルカノールアミン、特にジアル
カノールアミンを製造できる。反応器が1つで済むので
設備コストが大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体触媒を用いて
アンモニアとアルキレンオキシドとを反応させてアルカ
ノールアミンを製造する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドをアンモニアでアミ
ノ化してアルカノールアミンを製造する方法としては、
工業的にはエチレンオキシドとアンモニア水(20〜4
0質量%のアンモニア濃度)とを反応させてエタノール
アミンを製造する方法が行われている。この方法では、
アルカノールアミンがモノ−、ジ−、トリエタノールア
ミンの3種の混合物として得られるが、これらの中でト
リエタノールアミンの需要が減退しているので、トリエ
タノールアミンの生成を抑えることが必要である。その
ため、通常、アンモニアとエチレンオキシドとのモル比
を3〜5程度とアンモニアを大過剰にして反応を行う
が、それでもトリエタノールアミンの選択率は10〜2
0質量%ないしそれ以上であり、ジエタノールアミンの
選択率も40質量%以下である。
【0003】一方、水が存在しない反応系では、アルキ
レンオキシドとアンモニアとはほとんど反応しない。し
たがって、このような反応には、触媒の存在が不可欠で
あり、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、シリカア
ルミナ、酸活性化粘土、希土類元素を耐熱性担体に担持
した触媒などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルカノールアミン製
造の生産性を上げ、かつ、特にジアルカノールアミンを
選択的に製造したい場合、触媒としてジアルカノールア
ミン選択率の高い触媒を用いても、アルキレンオキシド
の濃度を高くしないと、モノアルカノールアミンが主と
して生成し、ジアルカノールアミンの選択性は十分とは
いえない。ところが、アルキレンオキシドの濃度を高く
しすぎると、単位反応液質量当りの反応熱が大きく、断
熱反応では温度が上がりすぎて反応を実施することがで
きなくなってしまう。この問題を解決するため、反応器
を複数用い、アルキレンオキシドを分割して供給する断
熱多段反応を行うことができる。しかし、原料である液
体アンモニアを高温で用いることから、非常に高圧に耐
える複数の反応器が必要となって、設備コストが高くつ
くという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め鋭意検討した結果、反応器で生成した反応液の一部を
反応器の入口へ循環させることによって、1段の断熱反
応器で所望組成のアルカノールアミン、特にジアルカノ
ールアミンを選択的に得ることができることを見出し、
本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、固体触媒の存在下固
定床反応器を用いて、液体アンモニアとアルキレンオキ
シドとを反応させてアルカノールアミンを製造するに際
し、得られた反応液の一部を反応器へ循環させることを
特徴とするアルカノールアミンの製造方法に関する。
【0007】前記反応器へ循環する反応液量が、全反応
液量の5〜90容量%の範囲であることが好ましい。
【0008】反応器入口のアルキレンオキシド濃度が3
〜35質量%の範囲であることが好ましい。
【0009】本発明は、また、固体触媒の存在下、液体
アンモニアとアルキレンオキシドとを反応させてアルカ
ノールアミンを製造する際に用いる装置であって、固定
床反応器、該反応器の下流側に設けられた圧力制御弁、
得られた反応液を該反応器へ循環させるポンプ、原料ア
ンモニアを該反応器へ供給する昇圧ポンプ、原料アルキ
レンオキシドを該反応器へ供給する昇圧ポンプを備え、
反応器で生成した反応液の循環量を該ポンプで制御する
ことを特徴とするアルカノールアミン製造用装置に関す
る。
【0010】前記反応器が、断熱型反応器であることが
好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】得られた反応液の一部を反応器へ
循環する方法には2通りある。
【0012】第1の方法は、図1に示すように、アンモ
ニアフラッシュ塔の前で分岐し、反応液の一部を反応器
出口組成のままで反応器へ循環する。
【0013】第2の方法は、図2に示すように、アンモ
ニアフラッシュ塔で大部分のアンモニアを分離、回収
し、反応液の一部を残存するアンモニアを含むアルカノ
ールアミンとして反応器へ循環する。
【0014】ここで、反応液とはアンモニアとアルキレ
ンオキシドとの反応で得られる生成物であり、通常、液
体アンモニア;モノアルカノールアミン、ジアルカノー
ルアミンおよびトリアルカノールアミンの混合物である
アルカノールアミンを含んでおり、代表例として反応器
出口組成のままのもの、少量のアンモニアを含むアルカ
ノールアミンを挙げることができる。アルキレンオキシ
ドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドな
どの2から4個の炭素原子を有するアルキレンオキシド
が例示される。
【0015】第2の方法では、アンモニアフラッシュ塔
などのアンモニア回収系が大きくなり、さらに、循環用
のポンプも昇圧タイプが必要となるという問題点はある
が、循環量を減少させることができるというメリットが
ある。
【0016】モノアルカノールアミンの生成量をさらに
減少させたい場合には、用役費が増大するという問題点
はあるが、アンモニアフラッシュ塔でアンモニアを分離
した後のアルカノールアミンからモノアルカノールアミ
ンを分離し、該モノアルカノールアミンを反応器へ循環
させることもできる。
【0017】以下、本発明の態様を、アルキレンオキシ
ドとしてエチレンオキシドを用いた場合について、模式
図を用いて説明する。
【0018】図1は本発明の反応液を循環させるアルカ
ノールアミンの製造方法の一例を示す模式図である。図
1において、ポンプ108を経たライン1からの液体ア
ンモニアと、アンモニアフラッシュ塔102で回収され
たアンモニアでポンプ107経たライン3の回収アンモ
ニアとを混合し、予熱器105で予熱する。予熱された
液体アンモニアはライン5を経て、ポンプ109を経た
ライン2からのエチレンオキシドと混合して、ライン6
を介して反応器101に供給する。一方、反応器101
を出た反応液の一部は熱交換器104で冷却し、ライン
4、ポンプ106を経て、前記予熱された液体アンモニ
アと混合する。
【0019】エチレンオキシドに対するアンモニアの添
加量は、特に制限されるものではないが、エチレンオキ
シド1モルに対し、通常、アンモニア2〜30モルの範
囲である。
【0020】予熱器105の温度は、原料を反応に先立
って熱して反応温度への到達を早めることを目的とする
ものであり、通常、20℃〜100℃の範囲が好まし
い。
【0021】反応器101は固定床反応器であり、通
常、反応液体をアップフローで流す。さらに、反応器1
01は反応効率の点から断熱型反応器であることが好ま
しい。反応温度は常温〜200℃、反応圧は8〜15M
Pa程度が好ましい。このとき、LHSV(液空間速
度)は、反応温度、触媒の種類や使用量によるが、通
常、0.5〜100hr-1の範囲である。
【0022】循環する反応液以外の反応液は圧力制御弁
103で減圧され、ライン8を経てアンモニア回収系1
02へ供給し、アンモニアとエタノールアミンとを分離
する。アンモニア回収系102は、通常、アンモニアを
十分に分離するために3塔以上必要である。例えば、1
塔目は1〜3MPa程度の加圧条件で運転し、2塔目は
常圧、3塔目は減圧で運転する。この図では、加圧条件
のフラッシュ塔のみを図示してある。
【0023】アンモニアフラッシュ塔の塔頂から回収さ
れたアンモニアは、前述のように、冷却液とした後、ラ
イン3を経て原料アンモニアとして反応器101へ送ら
れる。他方、アンモニアフラッシュ塔のボトムからはア
ルカノールアミンがライン9を経て得られる。
【0024】図2は本発明の反応液を循環させるエタノ
ールアミンの製造方法のその他の例を示す模式図であ
る。図2において、アンモニアフラッシュ塔102で大
部分のアンモニアを塔頂から回収し、他方、ボトムから
アンモニアが一部残存するエタノールアミンを反応液と
してライン9を経て得る。ライン9の途中から反応液の
一部を抜き取り、反応器101へ循環する。図2におい
て、図1の符号と同じ符号は特にことわらない限り、同
じ部材を示す。循環液を採取する場所が異なるだけで、
その他の処理は図1の場合と同じである。
【0025】得られた反応液の一部を反応器101に循
環させる位置は、反応効率の面で、反応器101の入口
が好ましい。
【0026】また、本発明において、反応器で生成した
反応液の一部を、エタノールアミンとアンモニアを完全
に分離することなく、反応器へ循環させることが好まし
い。アンモニアを完全に分離するには、圧力を常圧〜減
圧にする必要があり、コストがかかりすぎるからであ
る。
【0027】循環反応液量は、全反応液量の、通常、5
〜90容量%、好ましくは10〜80容量%、さらに好
ましくは20〜70容量%の範囲が望ましい。循環液量
が少なすぎると、エチレンオキシド濃度を上げることが
できず、ジエタノールアミンを多く取得することができ
ないからである。一方、循環量が多すぎると、生産量に
対する反応器入口流量が多過ぎて効率が悪くなるからで
ある。
【0028】第2の方法では、全反応液量はアンモニア
フラッシュ塔のボトム液抜き出し量となる。循環量はボ
トム液抜き出し量のどの程度の割合を反応系へ循環させ
るかを示す。
【0029】反応器入口のエチレンオキシド濃度は、通
常、3〜35質量%、好ましくは5〜30質量%、最も
好ましくは8〜25質量%の範囲である。エチレンオキ
シド濃度が低くすぎると、生産性が悪すぎ、ジエタノー
ルアミンの取得量も少なくなるからである。逆に多すぎ
ると、断熱1段で反応するには、反応器内部での温度上
昇が大きすぎて、反応を円滑に進められなくなるからで
ある。
【0030】本発明はジアルカノールアミンを選択的に
製造する場合に適用することが有効であるので、高活性
で且つジアルカノールアミンを選択性よく製造できる触
媒が好ましい。固体触媒を用いたモノアルカノールアミ
ンとアルキレンオキシドとの反応の反応速度定数をk2
とし、ジアルカノールアミンとアルキレンオキシドとの
反応の反応速度定数をk3としたときの比β(k3
2)が0.7以下、好ましくは0.5以下、より好ま
しくは0.4以下、さらに好ましくは0.25以下であ
ることが望ましい。このような条件で反応させることに
より、ジアルカノールアミンを効率よく、選択的に製造
できるからである。また、βが上限値を越えると、ジア
ルカノールアミンからトリアルカノールアミンへの逐次
反応が大きくなりすぎ、ジアルカノールアミンを選択的
に得ることができなくなる。トリアルカノールアミンを
全く生成させない場合は、βが零の触媒を用いればよい
ことになるが、アンモニアとアルキレンオキシドとの反
応とは異なり、アルカノールアミンとアルキレンオキシ
ドとは無触媒でも反応がある程度進行するのでβが零の
触媒はありえない。
【0031】なお、βは次の方法で得られる。
【0032】アンモニアとアルキレンオキシドとの反応
は逐次反応であり、中間生成物であるジアルカノールア
ミンを選択的に製造するには、触媒に優れた選択性が必
要である。すなわち、前記反応は、例えば、
【0033】
【数1】
【0034】(但し、AO:アルキレンオキシド、 MAA:モノアルカノールアミン、 DAA:ジアルカノールアミン、 TAA:トリアルカノールアミンを示す。) という3つの反応が逐次的に起こる。
【0035】(1)、(2)及び(3)の反応がアルキ
レンオキシド、アンモニア及びアミンの原料濃度に関し
て1次であるとして、それぞれの反応速度定数をk1
2、k3とすれば、反応速度はそれぞれ r1=k1NH3AO (4) r2=k2MAAAO (5) r3=k3DAAAO (6) と表すことができる。
【0036】ここで、α=k1/k2と定義する。AO転
化率100%時の反応液中のアンモニア、MAA、DA
A、TAAのモル分率をそれぞれx、y、z、uと置く
と、反応式(4)〜(6)の積分と物質収支式(x+y
+z+u=1)からα、βは次の非線型方程式(i)、
(ii)の解である。これらの非線型方程式は通常の数
値解法で解くことができ、β値を求めることができる。
【0037】
【数2】
【0038】βが0.7以下である固体触媒としては、例
えば、有効細孔径が0.45nmないし0.8nmであ
るマイクロポーラスマテリアルであり、好ましくはマイ
クロポーラスマテリアルを希土類でイオン交換および/
または表面処理した触媒を用いるのがよい。上記有効な
ミクロ細孔径の範囲は、反応原料が細孔内に拡散するこ
とが困難となって活性が低下することなく、逆にトリア
ルカノールアミンが細孔内で生成することがなく、ジア
ルカノールアミンの選択率が低下することがない点で好
ましい。マイクロポーラスマテリアルとしては、MFI
型アルミノシリケート(いわゆるZSM−5)、MFI
型フェリシリケート、MEL型アルミノシリケート(い
わゆるZSM−11)、BEAなどが適当である。イオ
ン交換する希土類元素としては、イットリウム、ランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、
テルビウム、イッテルビウムなどが用いられる。中で
も、入手容易なイットリウム、ランタン、セリウムなど
が好適である。内部に大きなキャビティを有するX型や
Y型ゼオライトは、このキャビティで大きな分子が生成
できるので、細孔出入口の細孔径から期待される形状選
択性を示すことは少ない。また、細孔外での反応は形状
選択性が期待できないため、結晶1次粒子の外表面を外
表面処理することが好ましい。外表面処理としては、高
温でのスチーミング処理、四塩化珪素処理、アルコキシ
シラン処理等が挙げられる。
【0039】具体的な調製方法としては、メタロシリケ
ートは、通常、シリカ源・金属源と構造指示剤を水中に
分散させ、オートクレーブ中で加熱するいわゆる水熱合
成法やシリカ源・金属源と構造指示剤を濃縮乾固したゲ
ルをオートクレーブ中で水蒸気と接触させるいわゆるド
ライゲル法などで調製できる。また、アルミノフォスフ
ェート(ALPO)、メタロフォスフェート(MAP
O)、シリコンアルミノフォスフェート(SAPO)も
リン酸を用いる以外は、同じように水熱合成によって調
製できる。また、ZSM−5、BEAなどは市販されて
いるので、これらを用いることもできる。通常、水熱合
成では生成したマイクロポーラスマテリアル中のイオン
交換サイトにはアルカリ金属イオンが対カチオンとして
含まれる。その状態では活性が低いことが多いので、ア
ルカリ金属イオンを一旦NH4 +イオンでイオン交換し、
その後、高温で焼成することによってプロトン型に交換
することができる。また、一旦NH4 +イオンでイオン交
換を行った後、多価カチオンでもう一度イオン交換する
こともでき、特に希土類元素で交換すると、活性、選択
性とも向上することが多いので好ましい。
【0040】工業的な利用においては、触媒を成形する
ことが好ましい。触媒の形状としては特に制限はされな
いが、球形、円柱、中空円柱状のものを例示できる。メ
タロシリケートなどのマイクロポーラスマテリアル類は
非常に微細な結晶からなっており、単独では成形性が非
常に悪い。このため、成形するためには成形助剤あるい
はバインダーを用いることが好ましい。その場合の成形
助剤・バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾルなどの各種酸化物ゾルや粘土鉱物類
などが用いられる。成形性の改善の面からはスメクタイ
ト系やカオリンのような粘土鉱物が好ましい。成形助剤
を使用する場合には、成形助剤の使用量は触媒が成形さ
れれば特に制限はされないが、マイクロポーラスマテリ
アル100質量部に対し、通常、50質量部以下、さら
に好ましくは40質量部以下の範囲である。また、成形
してある程度の大きさになった触媒において、触媒内部
の拡散の影響による活性・選択性の低下を防止するた
め、細孔容積を大きくすることが好ましい。このため、
成形時に細孔形成剤を加えて成形し、焼成操作によって
除去して、細孔容積を増加させることが好ましい。この
細孔形成剤としては、例えば硝酸アンモニウム・酢酸ア
ンモニウムなどの各種アンモニウム塩、蓚酸・尿素など
の有機化合物、各種ポリマー・繊維などの非水溶性有機
化合物などが挙げられる。細孔の生成効率、成形のし易
さなどの面から非水溶性化合物が好適に使用でき、その
非水溶性有機化合物としてはある程度吸湿性が有り、微
細な粉体になっており数百度の高温処理で燃焼除去可能
で有ればよく、特に結晶性セルロースが取り扱い性の面
で好ましい。結晶性セルロースとしては、ろ紙や粉砕し
た粉末や、パルプを粉砕した粉体などが用いられる。結
晶性セルロースなどの有機物の細孔形成剤を用いるとき
は、単なる加熱処理では分解できないので、酸素を含む
窒素、ヘリウム、二酸化炭素などの気体中(空気を用い
るのが便利である)で燃焼除去する。
【0041】本発明は、また、固体触媒の存在下、液体
アンモニアとアルキレンオキシドとを反応させてアルカ
ノールアミンを製造する際に用いる装置に関する。かか
る装置は、固定床反応器、該反応器の下流側に設けられ
た圧力制御弁、得られた反応液を該反応器へ循環させる
ポンプ、原料アンモニアを該反応器へ供給する昇圧ポン
プ、原料アルキレンオキシドを該反応器へ供給する昇圧
ポンプを備えており、反応器で生成した反応液の循環量
は該ポンプで制御される。
【0042】前記固定床反応器が、断熱型反応器である
ことが好ましい。
【0043】図3は典型的なジエタノールアミン選択性
の高い触媒を用い、原料アンモニアとエチレンオキシド
のモル比を変化させた場合の生成分布の一例を示すグラ
フである。ジエタノールアミンを50質量%以上得たい
場合には、アンモニア/エチレンオキシドのモル比を4
以下とする必要がある。断熱反応の場合、1段で反応可
能なのは、およそ前記モル比が8以上程度であるので、モ
ル比を4以下にしたい場合には、2以上の反応器に分割
する必要がある。本発明によれば、反応器が1個で済む
ので、工業的に実施する際に非常に有利である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0045】(実施例1)図4は本発明のアルカノール
アミン製造方法の1態様を示す模式図である。図4に記
載の装置を用いて反応を行った。具体的には、反応器4
01の外部に保温用のヒータを巻き(図示せず)、保温
材で保温した内径20mm、長さ200mmのステンレ
ス製管を用いた。予熱器402には外部に加熱用ヒータ
を巻いた(図示せず)内径10mm、長さ100mmの
ステンレス製管を用いた。触媒層には、ランタンでイオ
ン交換されたZSM−5ゼオライトを圧縮成型し、50
〜100メッシュに破砕したものを40cm3充填し
た。このときのβ値は0.13である。
【0046】アンモニア64質量%、モノアルカノール
アミン17質量%、ジエタノールアミン19質量%から
なる反応初期循環模擬液を、循環液としてタンク412
に張り込んだ。ポンプ406を用いて循環液を86g/
hr、ポンプ404を用いてエチレンオキシドタンク1
0からエチレンオキシドを13.2g/hrの速度で反
応器401へ送り込んだ。反応器401は、入口温度を
60℃、圧力を反応器出口の制御弁411で12MPa
に一定に制御した。反応器出口で触媒層の温度は150
℃となっていた。反応器出口にはアンモニアフラッシュ
塔408を設け、大部分のアンモニアを分離し、熱交換
器409を経て、容器410へ蓄えた。
【0047】反応が安定してから、模擬液の代わりに反
応液を用いて反応を継続した。具体的には、反応液50
g/hrで、循環アンモニアとフレッシュなアンモニア
を合計34.2g/hrで、エチレンオキシドを15.
3g/hrで反応器401に送り込んだ。この際、フレ
ッシュなアンモニアはアンモニアタンク11からポンプ
405を経て反応器401へ供給した。反応を1日行
い、反応が安定することを確認した。この反応液の組成
は、モノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリ
エタノールアミンの質量比で41.6/51.7/6.
7であった。
【0048】このとき、反応器401の出口における反
応液量は100g/hrであり、循環量は反応液の50
容量%、原料中のエチレンオキシド濃度は15.3質量
%であった。
【0049】得られた生成物の分布結果を表1に示す。
【0050】(実施例2〜4)循環液の反応液に対する
比率と反応原料中のエチレンオキシド濃度を変更した以
外は、実施例1の方法を繰り返した。
【0051】得られた生成物の分布結果を表1に示す。
【0052】(実施例5)触媒として、イットリウムで
イオン交換されたZSM−11ゼオライト(このときの
β値は0.13である。)を圧縮成型し、50〜100
メッシュに粉砕したものを40cm3充填し、模擬液タ
ンクの組成をモノエタノールアミン47質量%、ジエタ
ノールアミン53質量%とし、流量を31g/hrとし
た以外は、実施例1を繰り返した。
【0053】反応が安定してから、模擬液タンク412
からの供給を停止し、アンモニアフラッシュ塔408の
ボトム液の50質量%を反応器入口へ循環させた。原料
中のエチレンオキシド濃度は15.3質量%に制御する
ようにアンモニア流量を調整して反応を1日行い、反応
が安定することを確認した。この反応液のエタノールア
ミン組成は、モノエタノールアミン/ジエタノールアミ
ン/トリエタノールアミンの質量比で41.6/51.
7/6.7であった。
【0054】(比較例1)反応液を循環することなく、
アンモニア84.4g/hr、エチレンオキシド15.
6g/hrとすること以外は、実施例1の方法を繰り返
した。得られた生成物の分布結果を表1に示す。
【0055】(比較例2:モノエタノールアミンを循環
液とする)触媒としてランタンでイオン交換したモンモ
リロナイト成型体(直径:0.5mm、長さ:2〜5m
m、このときのβ値は1.06である。)60cm3
用い、得られたエタノールアミンから精製したモノエタ
ノールアミンを循環液として用いる以外は、実施例1と
同様に反応を行った。
【0056】原料として、アンモニア/モノエタノール
アミン/エチレンオキシドの質量比で66/18/16
の組成を用いて、同じ触媒、反応器で反応を行う。反応
液の総流量は100g/hrであった。
【0057】このとき循環使用されたモノエタノールア
ミンを差し引いた正味の生成物組成は、モノエタノール
アミン/ジエタノールアミン/トリエタノールアミンの
質量比で53.1/41.0/5.9で、ジエタノール
アミンをある程度多く取得して、トリエタノールアミン
の生成割合を抑えることができた。しかし、出口反応液
中に含まれるエタノールアミン中のモノエタノールアミ
ン62%を精製して原料としなければならず、これに要
する用役費は非常に大きく、モノエタノールアミンの精
製設備費も2.6倍の大きさとなってしまう。
【0058】(比較例3:反応液を循環液とする)触媒
としてランタンでイオン交換したモンモリロナイト成型
体(直径:0.5mm、長さ:2〜5mm、このときの
β値は1.06である。)60cm3を用いる以外は、実
施例1と同様に反応を行った。
【0059】安定時のリサイクルアンモニアとフレッシ
ュなアンモニアを合計34.1g/hr、エチレンオキ
シドを15.9g/hr、循環反応液量を50g/hr
の条件で運転した。
【0060】この時の反応液中のエタノールアミン組成
は、モノエタノールアミン/ジエタノールアミン/トリ
エタノールアミンの質量比で60.2/26.6/1
3.2で、ジエタノールアミンの割合が少なく、逆にト
リエタノールアミンがジエタノールアミンの50%も生
成する。
【0061】この触媒はβの1.06と大きく、ジエタ
ノールアミンからトリエタノールアミンへの反応が起こ
りやすいので、循環液にジエタノールアミンが含まれる
と逐次的にトリエタノールアミンに転化されてしまう。
【0062】反応液を循環液として用いる場合には、比
較例2で示されるモノエタノールアミンを循環液として
用いた場合に比較して、ジエタノールアミンへの選択性
が14%ほど低く、トリエタノールアミンの選択性は7
%も大きく、ジエタノールアミンの生成は少なかった。
【0063】
【表1】
【0064】MEA:モノエタノールアミン DEA:ジエタノールアミン TEA:トリエタノールアミン EO:エチレンオキシド 表1から、実施例1〜4と比較例1とを比較すると、反
応液を循環することにより、1段でジアルカノールアミ
ンを多く取得できることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、アルキレンオキシドと
液体アンモニアとの反応を、一つの反応器を用いて行う
ことが可能であり、かつ、ジアルカノールアミンを選択
的に、効率よく製造できる。また、かかる反応を行う装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の反応液の一部を循環させるアルカ
ノールアミンの製造方法の一例を示す模式図である。
【図2】は、本発明の反応液の一部を循環させるアルカ
ノールアミンの製造のその他の例を示す模式図である。
【図3】は、アンモニアとエチレンオキシドのモル比を
変更したときの生成物分布変化の一例を示すグラフであ
る。
【図4】は、実施例で用いた反応装置の模式図である。
【符号の説明】
101、401…反応器 102、408…アンモニア回収系 106、406…反応液循環ポンプ 107〜109、404、405,407…昇圧ポンプ 2…アルキレンオキシド供給ライン 1,3…アンモニア供給ライン 4…反応器循環ライン 103,411…圧力制御弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体触媒の存在下固定床反応器を用い
    て、液体アンモニアとアルキレンオキシドとを反応させ
    てアルカノールアミンを製造するに際し、得られた反応
    液の一部を反応器へ循環させることを特徴とするアルカ
    ノールアミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記固体触媒を用いたモノアルカノール
    アミンとアルキレンオキシドとの反応の反応速度定数を
    2とし、ジアルカノールアミンとアルキレンオキシド
    との反応の反応速度定数をk3としたときの比β(k3
    2)が0.7以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 固体触媒の存在下、液体アンモニアとア
    ルキレンオキシドとを反応させてアルカノールアミンを
    製造する際に用いる装置であって、固定床反応器、該反
    応器の下流側に設けられた圧力制御弁、得られた反応液
    を該反応器へ循環させるポンプ、原料アンモニアを該反
    応器へ供給する昇圧ポンプ、原料アルキレンオキシドを
    該反応器へ供給する昇圧ポンプを備え、反応器で生成し
    た反応液の循環量を該ポンプで制御することを特徴とす
    るアルカノールアミン製造用装置。
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