JP2002216521A - 面光源ユニットおよびそれを用いた表示装置 - Google Patents

面光源ユニットおよびそれを用いた表示装置

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JP2002216521A
JP2002216521A JP2001318256A JP2001318256A JP2002216521A JP 2002216521 A JP2002216521 A JP 2002216521A JP 2001318256 A JP2001318256 A JP 2001318256A JP 2001318256 A JP2001318256 A JP 2001318256A JP 2002216521 A JP2002216521 A JP 2002216521A
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Masanori Hiraishi
政憲 平石
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雅也 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度分布に異方性がある管状光源を備えてい
ても、構造が簡単な面光源ユニットにより液晶表示装置
の表示パネルを均一に照明する。 【解決手段】 管状光源4からの光を側面から入射して
平坦出射面から出射させる導光部材5と、この導光部材
の出射面からの光により照明される表示パネル2との間
に、互いに屈折率が異なる連続相(結晶性樹脂)及び分
散相(非晶性樹脂)で構成された異方性光散乱フィルム
7を配設し、表示パネル2を均一に照明する。異方性光
散乱フィルムは、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示
す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性
をFx(θ)、Y軸方向の光散乱特性をFy(θ)とす
るとき、下記式を充足する。Fy(θ)/Fx(θ)>
5 (θ=4〜30゜) Fy(θ)/Fx(θ)>10 (θ=2〜30
゜)なお、θ=0〜30゜において、θが大きくなるに
つれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少し、通
常、Fy(0°)/Fy(30°)<200である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置(特に透
過型液晶表示装置など)の表示ユニットを均一に照明さ
せるのに有用な面光源ユニット(又はバックライトユニ
ット)およびそれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表示パネル(液晶表示モジュールなど)
を裏面から照明するバックライト型表示装置(液晶表示
装置)においては、表示パネルの裏面に面光源ユニット
(又はバックライトユニット)が配設されている。この
面光源ユニットは、例えば、蛍光管(冷陰極管)などの
管状光源と、この管状光源に側面を隣接させて配設さ
れ、かつ管状光源からの光を表示パネルに導くための導
光板と、この導光板のうち表示パネルと反対側に配設さ
れた反射板とで構成されている。このような面光源ユニ
ットでは、蛍光管からの光を反射板で反射しつつ導光板
で案内し、表示パネルを裏面から均一に照明するため、
管状光源と表示パネルとの間に拡散フィルムを配設する
場合が多い。拡散フィルムとしては、樹脂微粒子や透光
性無機微粒子が分散して透明で耐熱性の高いポリカーボ
ネートフィルムやポリエステルフィルムが利用されてい
る。しかし、このような拡散フィルムを用いると、等方
的に光拡散するため、特定の方向(蛍光管の軸方向)の
輝度を必要以上に低下させ、高い輝度で表示パネルを均
一に照明できない。
【0003】特開平11−231315号公報には、蛍
光管などの線状光源と、側面からの線状光源の光が入射
される導光板と、この導光板の下面に近接して配設され
た拡散反射板と、前記導光板の下面に形成された凹部/
凸部からなる反射手段(プリズム部など)とを備えた面
光源ユニットが開示されている。
【0004】特開平11−84357号公報には、バッ
クライトユニットと、このユニット上に配設される液晶
表示パネルと、前記バックライトユニットと液晶表示パ
ネルとの間に設けられた第1のレンズシートと、この第
1のレンズシートを第2のレンズシートに切り替えるた
めの切換手段とを備えた液晶表示装置が開示されてい
る。この文献には、蛍光管からの光を導光板の側面から
出射面に案内し、出射面からの光を、断面三角形状の複
数のプリズムを互いに平行に形成したレンズシートによ
り集光して表示パネルを照明することも記載されてい
る。
【0005】このような装置又はユニットでは、プリズ
ムにより拡散光を集光でき、表示パネルを高い輝度で照
明できる。しかし、蛍光管の長手方向の発光分布(輝度
分布)は均一であるものの、前記長手方向と直交する方
向には発光分布のむらが生じ、縞模様が観測される場合
がある。そのため、表示パネルを均一に照明することが
困難である。
【0006】特開平11−84376号公報には、透過
型液晶表示パネルを均一な輝度で照明するためのユニッ
トとして、前記表示パネルに照明光を導くための導光板
と、この導光板の一辺に近接して設けられた蛍光ランプ
と、この蛍光ランプからの光をフロント方向(表示パネ
ル方向)へ反射させるための反射板と、前記導光板のフ
ロント側に配設され、かつ導光板の出射面から分散して
出射する光を拡散して均一化するための拡散板と、この
拡散板からの光を集光するためのプリズムシートとを備
えたバックライトユニットが開示されている。この文献
には、プリズムの延出方向を互いに交差する方向に向け
て2つのプリズムシートを対向して配設し、この一対の
プリズムシートの両側に拡散板を配設した例が記載され
ている。
【0007】このようなバックライトユニットでは、複
数のプリズムシートと複数の拡散板とを必要とするた
め、構造が複雑化するとともに輝度が低下する。また、
上記バックライトユニットを用いても、輝度分布が未だ
不均一である。すなわち、蛍光管(冷陰極管)の長手方
向(X軸方向)の発光分布(輝度分布)は、比較的均一
であるものの、前記X軸方向と直交するY軸方向の発光
分布(輝度分布)は、未だ縞状のむら(線状暗部)があ
り、輝度分布を均一化することができない。
【0008】特開平4−314522号公報には、透明
マトリックス中に、異方的形状を有し、かつこの透明マ
トリックスと異なる屈折率の透明物質が、秩序よく互い
に平行移動した位置関係で、均質に分散している異方的
光散乱材料が記載されている。また、異方的形状のアス
ペクト比の好ましい範囲は、15〜30であり、短軸の
長さは1〜2μmであることが開示されている。具体的
には、透明マトリックス樹脂としての低融点の低密度ポ
リエチレンと、透明物質としての高融点のポリスチレン
やスチレン−アクリロニトリル共重合体とを混練し、生
成した組成物を押出加工し、押出されたシート状の溶融
樹脂を押出し方向に強く引き取り延伸をかけながら冷却
する方法により製造している。この異方的光散乱材料
は、プロジェクションテレビのスクリーン用レンチキュ
ラーレンズとして用いられている。
【0009】特開平7−114013号公報には、視野
角特性を改良するため、入射光を散乱透過させる機能を
有するフィルム又はシートを表示画面上に設けた液晶表
示装置が開示されている。この文献には、透明樹脂マト
リックス中に、透明樹脂で形成され、かつ長軸と短軸の
比が10以上であり、平均粒子径が0.5〜70μmの
分散相粒子が分散したフィルム又はシートが開示されて
いる。
【0010】しかし、発光分布(輝度分布)に異方性が
ある管状光源を用いた表示装置では、これらのフィルム
又はシートを用いても、表示パネルを均一に照明するこ
とが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、発光分布(輝度分布)に異方性がある管状光源を備
えていても、輝度の低下を抑制し、表示パネルを均一に
照明するのに有用な面光源ユニットおよびこのユニット
を備えた表示装置(特に、液晶表示装置)を提供するこ
とにある。
【0012】本発明の他の目的は、構造を簡素化でき、
しかも表示パネルを均一に照明して表示データを鮮明に
視認できる面光源ユニットおよびそれを用いた表示装置
(特に液晶表示装置)を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、管状光源からの光を
側面から入射して平坦な出射面から出射させるための導
光部材と、この導光部材の出射面からの光により照明さ
れる表示パネルとの間に、異方性光散乱シートを配設す
ると、光散乱シートの透過光を異方的に散乱し、表示パ
ネルを均一に照明できることを見いだし、本発明を完成
した。
【0014】すなわち、本発明の面光源ユニットは、管
状光源と、この管状光源からの光を側面から入射して平
坦な出射面から出射させて表示ユニットを照明するため
の導光部材と、前記導光部材と前記表示ユニットとの間
に配設され、かつ前記管状光源からの光により前記表示
ユニットを均一に照明するための少なくとも1つの異方
性光散乱シートとを備えている。前記異方性光散乱シー
トは、入射光を光の進行方向に散乱可能なシートであ
り、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性
F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx
(θ)、X軸方向と直交するY方向の光散乱特性をFy
(θ)とするとき、次のような関係式を充足する。
【0015】θ=4〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/
Fx(θ)>5 θ=2〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>
10 θ=0〜30゜(例えば、2〜30°)の範囲におい
て、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性Fy
(θ)がなだらかに減少し、かつ光散乱特性が式Fy
(0°)/Fy(30°)<200(例えば、Fy(0
°)/Fy(30°)<50)を充足する。
【0016】このような異方性光散乱フィルムは、互い
に屈折率が異なる連続相と、この連続相に平均アスペク
ト比が1より大きな値で分散した分散相とで構成されて
いる。前記面光源ユニットは、複数の異方性光散乱フィ
ルムを備えていてもよく、複数の異方性光散乱フィルム
は、導光部材と表示パネルとの間に、光散乱の方向性を
互いに異にして(例えば、分散相の長軸方向を異にし
て)配設することができる。導光部材と表示パネルとの
間には、分散相の長軸方向を互いに直交する方向に向け
て2つの異方性光散乱フィルムを配設してもよい。ま
た、異方性光散乱フィルムは、屈折率が0.001以上
異なる連続相と分散相とで構成でき、分散相の平均アス
ペクト比が1より大きく、分散相の長軸を管状光源の軸
方向に配向させて配設してもよい。さらに、連続相を結
晶性樹脂で構成し、分散相を非晶性樹脂で構成してもよ
い。なお、異方性光散乱フィルムの表面には、分散相の
長軸方向に延びる凹凸部を形成してもよい。
【0017】本発明には、表示ユニット(例えば、液晶
表示ユニット)と、この表示ユニットを照明するための
前記面光源ユニットとで構成された表示装置(例えば、
液晶表示装置)も含まれる。
【0018】なお、本明細書において、「フィルム」と
は厚さの如何を問わずシートを含む意味に用いる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しつつ、
本発明の面光源ユニットおよび表示装置について、詳細
に説明する。
【0020】図1は本発明の面光源ユニットおよび表示
装置の一例を示す概略分解斜視図であり、図2は図1の
異方性光散乱フィルムの異方的散乱を説明するための概
念図である。
【0021】前記表示装置1は、液晶が封入された液晶
セルを備えた液晶表示ユニット(又は液晶表示パネル)
2と、この表示ユニット(又はパネル)の背面側に配設
され、前記表示ユニット2を照明するための面光源ユニ
ット3とで構成されている。
【0022】前記面光源ユニット3は、蛍光管(冷陰極
管)などの管状光源4と、この管状光源からの光を側面
から入射して平坦な出射面から出射させるための導光部
材(導光板)5とを備えており、この導光部材の出射面
からの光により表示ユニット2を照明している。なお、
導光部材5は透光性プレート状部材で構成されており、
導光部材の側部(又は一辺)に管状光源4が略平行に隣
接して配設されている。さらに、管状光源4の外側方に
は光源からの光を導光部材5の側面に反射させるための
反射ミラー6bが配設されており、前記導光部材5の裏
面側には、管状光源4からの光を前方方向(表示ユニッ
ト側)に反射して表示ユニット2に導くため、反射部材
又は反射層6aが配設されている。このような面光源ユ
ニット3では、管状光源4からの出射光の輝度分布は均
一でなく、管状光源4の軸方向に対して直交する方向の
輝度分布が不均一である。そのため、導光部材5を通じ
て出射面から光を出射させても、表示ユニット2を均一
に照明できない。
【0023】そこで、本発明では、前記導光部材5と前
記表示ユニット(パネル)2との間に異方性光散乱フィ
ルム7を配設し、前記管状光源4からの光により表示ユ
ニット2を均一に照明している。より具体的には、分散
相粒子の配向と異方的散乱性との関係を説明するための
図2に示されるように、前記異方性光散乱フィルム7
は、互いに屈折率が異なる連続相10と分散相11とで
構成されており、連続相10および分散相11はそれぞ
れ透明性の高い樹脂で構成されている。また、前記連続
相10に分散する分散相11は平均アスペクト比が1よ
り大きく、入射光を光の進行方向に異方的に散乱可能で
ある。すなわち、フィルムの透過光を、分散相粒子の長
軸方向と直交する方向に強く散乱できる。
【0024】より詳細には、前記表示装置において、異
方性光散乱フィルム7は、分散相11の長軸(X軸)を
管状光源4の長手方向(軸方向,X軸方向)に向けて配
設しており、フィルムのY軸方向は、管状光源4の長手
方向に直交するY軸方向に向けられている。一方、管状
光源からの光はX軸方向には均一な発光分布を有してい
るが、Y軸方向には発光分布が不均一である。そして、
前記異方性光散乱フィルム7を利用すると、分散相11
の長軸方向(X軸方向)では入射光に対する光散乱性が
小さいのに対して、前記長軸方向と直交する方向(Y軸
方向)では光散乱性が大きい。そのため、後述するよう
に、光散乱特性Fx(θ)とFy(θ)とは、Fy
(θ)>Fx(θ)の関係を示す。このように、入射光
をX軸方向よりもY軸方向に強く光拡散でき、輝度分布
が不均一で異方性のある管状光源4を用いても、輝度の
低下を抑制し、表示ユニット2を均一に照明できる。さ
らに、異方性光散乱フィルム7を介在させるだけで、表
示ユニット2を均一に照明できるので、面光源ユニット
3および表示装置(特に、液晶表示装置)1の構造を簡
素化でき、表示ユニット2による表示データを鮮明に視
認できる。
【0025】なお、光散乱フィルムは、後述するよう
に、特定の散乱角θにおいて散乱強度が極大を示す特
性、すなわち拡散光の指向性を有していてもよい。
【0026】なお、本発明の面光源ユニットおよび表示
装置は、少なくとも1つの異方性光散乱フィルムを備え
ていればよく、複数の異方性光散乱フィルムを備えてい
てもよい。なお、光散乱フィルムを配設する場合、管状
光源の長手方向(X軸方向)に対して、分散相粒子の長
軸方向(フィルムのX軸方向)を完全に一致させる必要
はなく、発光分布を均一化できる限り、ずれていてもよ
い。管状光源の長手方向とフィルムのX軸方向との角度
は、例えば、0〜20゜程度、通常、0〜10゜程度で
ある。
【0027】複数の異方性光散乱フィルムを用いる場
合、各フィルムの分散相の長軸方向は同一方向であって
もよく異なっていてもよい。例えば、光散乱の方向性
(例えば、分散相の長軸方向)を互いに異にして複数の
異方性光散乱フィルムを配設してもよく、分散相の長軸
方向を互いに直交する方向に向けて複数(特に2つの)
の異方性光散乱フィルムを配設してもよい。
【0028】前記異方性光散乱フィルムは、導光部材と
前記表示ユニット(パネル)との間に位置すればよく、
例えば、導光部材の出射面(又はフロント面)及び/又
は表示ユニットの入射面(又は裏面)に積層してもよ
く、導光部材と表示ユニットとの間に遊離して介在させ
てもよい。なお、表示装置においては、表示ユニットと
観察者との間(例えば、表示ユニットの表示面又はフロ
ント面)に異方性光散乱フィルムを配設してもよい。
【0029】さらに、表示ユニットは、液晶表示ユニッ
トに限定されることなく、種々の表示パネルが利用でき
る。面光源装置や表示装置は、さらに、カラーフィルタ
ー、偏光板(又は偏光フィルム)、位相差板などの種々
の光学部材又は素子を有していてもよい。なお、前記導
光部材(導光板)は、通常、表示ユニットに対して略平
行な平坦面(出射面)を有しており、反射層側の面は管
状光源に隣接する側の厚みが大きくなるように下方に傾
斜していてもよい。管状光源としては、通常、冷陰極管
(蛍光管)を利用する場合が多く、単一又は複数の管状
光源を用いてもよい。
【0030】[異方性光散乱フィルム]入射光を光の進
行方向に散乱可能な前記異方性光散乱フィルムは、散乱
角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)
において、フィルムのX軸方向(例えば、分散相の長軸
方向)の光散乱特性をFx(θ)、フィルムのX軸方向
(例えば、分散相の長軸方向)と直交するY軸方向の光
散乱特性をFy(θ)とするとき、光散乱特性Fx
(θ)と光散乱特性Fy(θ)とが、下記式(1)、好
ましくは下記式(2)を充足している。なお、異方性光
散乱フィルムのX軸方向は、通常、分散相の長軸方向で
ある。
【0031】 F1=Fy(θ)/Fx(θ)>5 (但し、θ=4〜30゜) (1) F2=Fy(θ)/Fx(θ)>10 (但し、θ=2〜30゜) (2) なお、F1=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、1
0〜500、好ましくは15〜500、さらに好ましく
は50〜500(例えば、100〜400)程度であ
り、このような値は、散乱角θ=4〜30°に限らず散
乱角θ=4〜15°における値であってもよい。また、
F2=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、15〜5
00、好ましくは20〜500(例えば、20〜40
0)程度であり、このような値は、散乱角θ=4〜30
°に限らず散乱角θ=4〜15°における値であっても
よい。
【0032】さらに、好ましい異方性光散乱フィルム
は、散乱角θ=0〜30°(例えば、2〜30゜)の範
囲において、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性
Fy(θ)がなだらかに減少する。しかも、光散乱特性
が下記式(3)を充足する。
【0033】 F3=Fy(0°)/Fy(30°)<200 (3) F3=Fy(0°)/Fy(30°)の値は、通常、1
50以下(例えば、10〜150程度)、好ましくは1
00以下(例えば、10〜100程度)、好ましくは5
0以下(例えば、15〜50程度)である。
【0034】なお、前記のように、特開平4−3145
22号公報には、プロジェクションテレビのスクリーン
用レンチキュラーレンズとして、透明樹脂マトリックス
中に、異方的形状を有する分散相粒子が、秩序よく互い
に平行移動した位置関係で、均質に分散した異方的光散
乱材料とが記載されている。しかし、この文献の図3〜
図6に記載されているように、分散粒子の長軸に垂直な
平面における散乱角度θに対する光散乱特性(強度)を
Fy(θ)とし、分散粒子の長軸に平行な平面における
散乱光の散乱角度θと光散乱特性(強度)をFx(θ)
としたとき、散乱角度θ=4゜において、Fy(θ)と
Fx(θ)との比はFy(4゜)/Fx(4゜)=2程
度であり、異方的光散乱材料の異方的散乱特性が不十分
である。
【0035】Fy(θ)/Fx(θ)で表される異方性
に関する係数F1が5以下では、フィルムを、管状の管
状光源(発光源)を備えた液晶表示装置に適用したとき
に、均一な面発光を得ることができない。
【0036】なお、X軸方向とY軸方向との中間のψ方
向の散乱特性をFψ(θ)(但し、ψはX軸方向からの
角度を示す。即ち、X軸方向はψ=0°、Y軸方向はψ
=90°に対応する)とすると、本発明の異方性光散乱
フィルムは、必ずしも、Fψ(θ)(ψ≠90゜)がF
x(θ)と同程度となる程の異方性を有している必要は
ないが、好ましくはFψ(θ)(ψ≠90゜)がFx
(θ)と同程度の値を示す。このようなフィルムは、特
に高い異方性で光散乱できる。
【0037】なお、散乱特性F(θ)は、例えば、図3
に示すような測定装置を用いて測定できる。この装置
は、異方性光散乱フィルム7に対してレーザ光を照射す
るためのレーザー光照射装置(NIHON KAGAKU ENG NEO-2
0MS)21と、異方性光散乱フィルム7を透過したレー
ザ光の強度を測定するための検出器22とを備えてい
る。そして、異方性光散乱フィルム7に対して90°の
角度でレーザー光を照射し、フィルムにより拡散された
光の強度(拡散強度)Fを拡散角度θに対して測定(プ
ロット)することにより光散乱特性を求めることができ
る。
【0038】異方性光散乱フィルムは、連続相(樹脂連
続相など)と、この連続相中に分散した分散相(粒子
状、繊維状分散相など)とで構成されており、前記連続
相と分散相とは、互いに屈折率が異なるとともに、通
常、互いに非相溶又は難相溶である。連続相および分散
相は、通常、透明性物質で形成できる。
【0039】連続相及び分散相を構成する樹脂には、熱
可塑性樹脂(オレフィン系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビ
ニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、(メ
タ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セ
ルロース誘導体など)および熱硬化性樹脂(エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、シリコーン樹脂など)などが挙げられる。好ましい
樹脂は熱可塑性樹脂である。
【0040】オレフィン系樹脂には、例えば、C2-6
レフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、エチレン
−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(メ
チルペンテン−1)、プロピレン−メチルペンテン共重
合体など)、C2-6オレフィンと共重合性単量体との共
重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)など
が挙げられる。
【0041】ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビ
ニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフ
ルオライドなどの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の単
独重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体などの塩化ビニル
又はフッ素含有単量体の共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体と共重合性単
量体との共重合体など)、ハロゲン化ビニリデン系樹脂
(ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデンフルオライド、
又は塩化ビニル又はフッ素含有ビニリデン単量体と他の
単量体との共重合体)などが挙げられる。
【0042】ビニルアルコール系樹脂の誘導体には、ポ
リビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重
合体などが含まれる。ビニルエステル系樹脂としては、
ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸
ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量
体との共重合体(酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸
ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。
【0043】(メタ)アクリル系樹脂としては、例え
ば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)
アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)ア
クリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アク
リル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタク
リル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS
樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリ
ル系樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキ
ル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体
などが含まれる。
【0044】スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の
単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合
性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共
重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体な
ど)などが挙げられる。
【0045】ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用
いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなど
のポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステ
ル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50
モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好
ましくは80〜100モル%)として含むコポリエステ
ルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用い
た脂肪族ポリエステル、液晶性ポリエステルなどが含ま
れる。
【0046】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン4
6、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族
ポリアミド、キシリレンジアミンアジペート(MXD−
6)などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。ポリア
ミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドで
あってもよい。
【0047】ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノ
ール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族
ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれ
る。
【0048】セルロース誘導体としては、セルロースエ
ステル(セルロースアセテート、セルロースプロピオネ
ート、セルロースブチレート、セルロースフタレートな
ど)、セルロースカーバメート類(セルロースフェニル
カーバメートなど)、セルロースエーテル類(アルキル
セルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシアルキル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノエチ
ルセルロースなど)が挙げられる。
【0049】なお、前記樹脂成分は、必要に応じて、変
性(例えば、ゴム変性)されていてもよい。
【0050】また、前記樹脂成分で連続相マトリックス
を構成し、このマトリックス樹脂に分散相成分をグラフ
ト又はブロック共重合してもよい。このような重合体と
しては、例えば、ゴムブロック共重合体(スチレン−ブ
タジエン共重合体(SB樹脂)など)、ゴムグラフトス
チレン系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)など)などが例示できる。
【0051】繊維状分散相には、有機繊維、無機繊維な
どが含まれる。有機繊維は、耐熱性有機繊維、例えば、
アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド
繊維などであってもよい。無機繊維としては、例えば、
繊維状フィラー(ガラス繊維,シリカ繊維,アルミナ繊
維,ジルコニア繊維などの無機繊維)、薄片状フィラー
(マイカなど)などが挙げられる。
【0052】連続相又は分散相を構成する好ましい成分
には、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート樹脂などが含まれる。また、前記
連続相及び/又は分散相を構成する樹脂は結晶性又は非
晶性であってもよく、連続相及び分散相を非結晶性樹脂
で構成してもよい。好ましい態様において、結晶性樹脂
と非晶性樹脂とを組み合わせることができる。すなわ
ち、連続相及び分散相のうち一方の相(例えば、連続
相)を結晶性樹脂で構成し、他方の相(例えば、分散
相)を非結晶性樹脂で構成できる。
【0053】結晶性樹脂としては、オレフィン系樹脂
(ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体など
のプロピレン含量が90モル%以上のポリプロピレン系
樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)など)、ビニリデン
系樹脂(塩化ビニリデン系樹脂など)、芳香族ポリエス
テル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート、ポリアル
キレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレートホ
モポリエステル、アルキレンアリレート単位の含有量が
80モル%以上のコポリエステル、液晶性芳香族ポリエ
ステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン46,ナイ
ロン6,ナイロン66などの短鎖セグメントを有する脂
肪族ポリエステルなど)などが例示できる。これらの結
晶性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0054】結晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂
など)の結晶化度は、例えば、10〜80%程度、好ま
しくは20〜70%程度、さらに好ましくは30〜60
%程度である。
【0055】連続相を構成する樹脂としては、通常、透
明性の高い樹脂が使用される。特に好ましい連続相を構
成する樹脂は、流動性の高い結晶性樹脂である。このよ
うな樹脂と分散相を構成する樹脂とを組み合わせると、
コンパウンドの均一性(分散相の均一分散性)を高める
ことができる。
【0056】なお、連続相を構成する樹脂は、融点又は
ガラス転移温度が130〜280℃程度、好ましくは1
40〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260
℃程度の樹脂であってもよい。
【0057】非結晶性樹脂としては、例えば、ビニル系
重合体(アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、ビニルアルコール系樹脂などのビニル系
単量体の単独又は共重合体など)、(メタ)アクリル系
樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−
スチレン共重合体(MS樹脂)など)、スチレン系樹脂
(ポリスチレン、AS樹脂など)、ポリカーボネート系
重合体、非晶性ポリエステル系樹脂(脂肪族ポリエステ
ル、ジオール成分及び/又は芳香族ジカルボン酸成分の
一部が置換されたポリアルキレンアリレートコポリエス
テル、ポリアリレート樹脂など)、ポリアミド系樹脂
(長鎖セグメントを有する脂肪族ポリアミド、非結晶性
芳香族ポリアミド)、熱可塑性エラストマー(ポリエス
テルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリ
アミドエラストマー、スチレン系エラストマーなど)な
どが例示できる。前記非晶性ポリエステル系樹脂におい
て、ポリアルキレンアリレートコポリエステルとして
は、ジオール成分(C2-4アルキレングリコール)及び
/又は芳香族ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸)の一部(例えば、10〜80モル
%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは3
0〜75モル%程度)として、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール、フタル
酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸な
ど)から選択された少なくとも一種を用いたコポリエス
テルなどが含まれる。これらの非結晶性樹脂は単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。
【0058】分散相を構成する樹脂としては、通常、透
明性の高い樹脂が使用される。
【0059】なお、分散相を構成する樹脂の融点又はガ
ラス転移温度は、前記連続相を構成する樹脂よりも低い
場合が多く、例えば、50〜180℃程度、好ましくは
60〜170℃程度、さらに好ましくは70〜150℃
程度の樹脂であってもよい。
【0060】連続相を構成する結晶性樹脂と分散相を構
成する非結晶性樹脂との組合せとしては、例えば、結晶
性ポリオレフィン系樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂な
ど)と非結晶性ポリエステル(ポリアルキレンテレフタ
レートコポリエステルなどのポリアルキレンアリレート
コポリエステルなど)との組合せなどが例示できる。
【0061】連続相を構成する樹脂として融点又はガラ
ス転移温度の高い樹脂(特に、融点の高い結晶性樹脂)
を用いると、熱安定性及びフィルム加工性に優れてお
り、比較的高温(例えば、130〜150℃程度)での
配向処理(又は一軸延伸処理)が容易であり、分散相を
容易に配向できる。さらには、表示装置(液晶表示装置
など)の部品として使用しても、広い温度範囲(例え
ば、室温〜80℃程度の範囲)で安定である。また、結
晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂など)は、一般
に、廉価である。一方、分散相を構成する樹脂として連
続相よりも低い融点又はガラス転移温度を有する樹脂
(特に、結晶性樹脂よりも融点又はガラス転移温度の低
い非結晶性樹脂)を用いると、一軸延伸などの配向処理
により分散相粒子のアスペクト比を容易に高めることが
できる。例えば、分散相を非晶性コポリエステルなどで
構成すると、透明性が高いだけでなく、ガラス転移温度
を低く(例えば、約80℃程度)できるため、一軸延伸
などの配向処理温度で分散相を容易に変形させることが
でき、成形後も所定の温度範囲(例えば、室温〜約80
℃程度)で安定化できる。また、非結晶性コポリエステ
ル(例えば、エチレングリコール/シクロヘキサンジメ
タノール=10/90〜60/40(モル%)、好まし
くは25/75〜50/50(モル%)程度のジオール
成分を用いたポリエチレンテレフタレートコポリエステ
ルなど)は、屈折率が高く(例えば、1.57程度)、
連続相との屈折率差を大きくできる。
【0062】連続相と分散相とは、互いに屈折率の異な
る成分で構成されている。互いに屈折率が異なる成分を
用いると、フィルムに光拡散性を付与できる。連続相と
分散相との屈折率の差は、例えば、0.001以上(例
えば、0.001〜0.3程度)、好ましくは0.01
〜0.3程度、さらに好ましくは0.01〜0.1程度
である。
【0063】このような特定の屈折率差を与える樹脂の
組合わせとしては、例えば、次のような組合わせが挙げ
られる。
【0064】(1)オレフィン系樹脂(特に、プロピレ
ン系樹脂)と、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネ
ート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ (2)スチレン系樹脂と、ポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂から選択された
少なくとも一種との組合わせ (3)ポリエステル系樹脂と、ポリアミド系樹脂及びポ
リカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との
組合わせ 光散乱フィルムは、必要に応じて、相溶化剤を含有して
もよい。相溶化剤を用いると、連続相と分散相との混和
性および親和性を高めることができ、フィルムを配向処
理しても欠陥(ボイドなどの欠陥)が生成するのを防止
でき、フィルムの透明性の低下を防止できる。さらに、
連続相と分散相との接着性を高めることができ、フィル
ムを一軸延伸しても、延伸装置への分散相の付着を低減
できる。
【0065】相溶化剤としては、連続相および分散相の
種類に応じて慣用の相溶化剤から選択でき、例えば、オ
キサゾリン化合物、変性基(カルボキシル基、酸無水物
基、エポキシ基、オキサゾリニル基など)で変性された
変性樹脂、ジエン又はゴム含有重合体[例えば、ジエン
系単量体単独又は共重合性単量体(芳香族ビニル単量体
など)との共重合により得られるジエン系共重合体(ラ
ンダム共重合体など);アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのジエン系グラ
フト共重合体;スチレン−ブタジエン(SB)ブロック
共重合体、水素化スチレン−ブタジエン(SB)ブロッ
ク共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SEBS)、水素化(スチレン−エチ
レン/ブチレン−スチレン)ブロック共重合体などのジ
エン系ブロック共重合体又はそれらの水素添加物な
ど]、前記変性基(エポキシ基など)で変性したジエン
又はゴム含有重合体などが例示できる。これらの相溶化
剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0066】相溶化剤としては、通常、ポリマーブレン
ド系の構成樹脂と同じ又は共通する成分を有する重合体
(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)、ポリマ
ーブレンド系の構成樹脂に対して親和性を有する重合体
(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)などが使
用される。
【0067】ジエン系単量体としては、共役ジエン、例
えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレ
ン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−
1,3−ブタジエンなどの置換基を有していてもよいC
4-20共役ジエンが挙げられる。共役ジエンは、単独で又
は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの共役ジ
エンのうち、ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0068】芳香族ビニル単量体としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(p−メ
チルスチレンなど)、p−t−ブチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン類、1,1−ジフェニルスチレンなどが挙げ
られる。これらの芳香族ビニル単量体のうち、スチレン
が好ましい。(メタ)アクリル系単量体としては、(メ
タ)アクリル酸アルキル((メタ)アクリル酸メチルな
ど)、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。マレ
イミド系単量体としては、マレイミド、N−アルキルマ
レイミド、N−フェニルマレイミドなどが例示できる。
これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使
用できる。
【0069】なお、変性は、変性基に対応する単量体
(例えば、カルボキシル基変性では(メタ)アクリル酸
などのカルボキシル基含有単量体、酸無水物基変性では
無水マレイン酸、エステル基変性では(メタ)アクリル
系単量体、マレイミド基変性ではマレイミド系単量体、
エポキシ変性では、グリシジル(メタ)アクリレートな
どのエポキシ基含有単量体)を共重合することにより行
うことができる。また、エポキシ変性は、不飽和二重結
合のエポキシ化により行うことができる。
【0070】好ましい相溶化剤は、未変性又は変性ジエ
ン系共重合体、特に変性ブロック共重合体(例えば、エ
ポキシ化されたスチレン−ブタジエン−スチレン(SB
S)ブロック共重合体などのエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体又はエポキシ変性ジエン系ブロック共重合
体)である。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、
透明性が高いだけでなく、軟化温度も高く、連続相と分
散相との多くの組み合わせにおいて樹脂を相溶化させ、
分散相を均一に分散できる。
【0071】前記ブロック共重合体は、例えば、共役ジ
エンブロック又はその部分水素添加ブロックと、芳香族
ビニルブロックとで構成できる。エポキシ化ジエン系ブ
ロック共重合体において、前記共役ジエンブロックの二
重結合の一部又は全部がエポキシ化されている。
【0072】芳香族ビニルブロックと共役ジエンブロッ
ク(又はその水素添加ブロック)との割合(重量比)
は、例えば、前者/後者=5/95〜80/20程度
(例えば、25/75〜80/20程度)、さらに好ま
しくは10/90〜70/30程度(例えば、30/7
0〜70/30程度)であり、通常、50/50〜80
/20程度である。
【0073】ブロック共重合体の数平均分子量は、例え
ば、5,000〜1,000,000程度、好ましくは
7,000〜900,000程度、さらに好ましくは1
0,000〜800,000程度の範囲から選択でき
る。分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、例えば、10以
下(1〜10程度)、好ましくは1〜5程度である。
【0074】ブロック共重合体の分子構造は、直線状、
分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせであっても
よい。ブロック共重合体のブロック構造としては、例え
ば、モノブロック構造、テレブロック構造などのマルチ
ブロック構造、トリチェインラジアルテレブロック構
造、テトラチェインラジアルテレブロック構造などが例
示できる。このようなブロック構造としては、芳香族ジ
エンブロックをX、共役ジエンブロックをYとすると
き、例えば、X−Y型、X−Y−X型、Y−X−Y型、
Y−X−Y−X型、X−Y−X−Y型、X−Y−X−Y
−X型、Y−X−Y−X−Y型、(X−Y−)4Si
型、(Y−X−)4Si型などが例示できる。
【0075】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体中の
エポキシ基の割合は、特に制限されないが、オキシラン
の酸素濃度として、例えば、0.1〜8重量%、好まし
くは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜5重量%
程度である。エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ当
量(JIS K 7236)は、例えば、300〜10
00程度、好ましくは500〜900程度、さらに好ま
しくは600〜800程度であってもよい。
【0076】相溶化剤を構成するエポキシ化ブロック共
重合体(エポキシ化SBSブロック共重合体など)は、
前記のように、透明性が高いだけでなく、軟化温度が比
較的高温(約70℃程度)であり、連続相と分散相との
多くの組み合わせにおいて有効に相溶化でき、分散相を
均一に分散できる。また、芳香族ビニルブロック(スチ
レンブロックなど)の含有量が60〜80重量%程度の
エポキシ化ブロック共重合体は、屈折率が比較的高く
(例えば、約1.57)、しかも前記分散相の樹脂(非
晶性コポリエステルなど)と近似する屈折率を有してい
るため、分散相樹脂による光散乱性を維持しながら分散
相を均一に分散できる。
【0077】なお、相溶化剤(エポキシ化ブロック共重
合体など)の屈折率は、分散相樹脂と略同程度(例え
ば、分散相樹脂との屈折率の差が、0〜0.01程度、
好ましくは0〜0.005程度)であってもよい。
【0078】前記エポキシ化ブロック共重合体は、慣用
の方法により製造されたジエン系ブロック共重合体(又
は部分的に水素添加されたブロック共重合体)をエポキ
シ化することにより製造できる。ブロック共重合体は、
例えば、リチウム触媒の存在下、不活性溶媒中、芳香族
ビニル単量体とジエン系単量体とを重合することにより
調製できる(特公昭40−23798号公報、特公昭4
7−3252号公報、特公昭48−2423号公報、特
開昭51−33184号公報、特公昭46−32415
号公報、特開昭59−166518号公報、特公昭49
−36957号公報、特公昭43−17979号公報、
特公昭46−32415号公報、特公昭56−2892
5号公報など)。水添ブロック共重合体は、不活性溶媒
中、水素化触媒を用い、ブロック共重合体を水素添加す
ることにより調製できる(特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133
203号公報など)。
【0079】エポキシ化は、慣用のエポキシ化方法、例
えば、不活性溶媒中、エポキシ化剤(過酸類、ハイドロ
パーオキサイド類など)により前記ブロック共重合体を
エポキシ化する方法により得ることができる。過酸類と
しては、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息
香酸などが挙げられる。ハイドロパーオキサイド類とし
ては、無機ハイドロパーオキサイド(過酸化水素な
ど)、有機ハイドロパーオキサイド(t−ブチルハイド
ロパーオキサイドなど)などが挙げられる。なお、ハイ
ドロパーオキサイド類は、酸や金属触媒と組み合わせて
用いる場合が多く、例えば、タングステン酸と苛性ソー
ダの混合物と過酸化水素との組み合わせ、有機酸と過酸
化水素との組み合わせ、モリブデンヘキサカルボニルと
t−ブチルハイドロパーオキサイドとの組み合わせなど
が例示できる。エポキシ化剤の使用量は特に制限され
ず、ブロック共重合体の種類、エポキシ化剤の種類、エ
ポキシ化度(エポキシ当量など)などに応じて適当に選
択できる。
【0080】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単
離又は精製は、適当な方法、例えば、貧溶媒を用いて共
重合体を沈殿させる方法、撹拌下、熱水に共重合体を添
加し溶媒を留去する方法、直接脱溶媒法などにより行う
ことができる。
【0081】相溶化剤の使用量は、例えば、樹脂組成物
全体の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重
量%、さらに好ましくは1〜10重量%程度の範囲から
選択できる。
【0082】光散乱フィルムにおいて、連続相と分散相
と相溶化剤との好ましい組合せには、透明性及び熱安定
性が高い樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂などの結晶
性樹脂など)で構成された連続相と、透明性及び熱変形
性が高く、ある程度の熱安定性を有する樹脂(非結晶性
コポリエステルなどの非晶性樹脂など)で構成された分
散相と、エポキシ化ブロック共重合体で構成された相溶
化剤との組合せが含まれる。
【0083】光散乱フィルムにおいて、連続相と分散相
との割合は、樹脂の種類や溶融粘度、光拡散性などに応
じて、例えば、前者/後者(重量比)=99/1〜30
/70(例えば、95/5〜40/60(重量比))程
度、好ましくは99/1〜50/50(例えば、95/
5〜50/50(重量比))程度、さらに好ましくは9
9/1〜75/25程度の範囲から適宜選択できる。
【0084】好ましい前記光散乱フィルムにおいて、連
続相、分散相、及び相溶化剤の割合は、例えば、以下の
通りである。
【0085】(1)連続相/分散相(重量比)=99/
1〜50/50程度、好ましくは98/2〜60/40
程度、さらに好ましくは90/10〜60/40程度、
特に80/20〜60/40程度 (2)分散相/相溶化剤(重量比)=99/1〜50/
50程度、好ましくは99/1〜70/30程度、さら
に好ましくは98/2〜80/20程度 このような割合で各成分を用いると、予め各成分をコン
パウンド化することなく、各成分のペレットを直接的に
溶融混練しても、均一に分散相を分散でき、一軸延伸な
どの配向処理によりボイドが発生するのを防止でき、透
過率の高い光散乱フィルムを得ることができる。
【0086】光散乱フィルムにおいて、分散相粒子は、
長軸の平均長さLと短軸の平均長さWとの比(平均アス
ペクト比、L/W)が1より大きく、かつ粒子の長軸方
向はフィルムのX軸方向に配向している。好ましい平均
アスペクト比(L/W)は、例えば、2〜1000程
度、好ましくは5〜1000程度、さらに好ましくは5
〜500(例えば、20〜500)程度であり、通常、
50〜500(特に70〜300)程度である。このよ
うな分散相粒子は、フットボール型形状(回転楕円状な
ど)、繊維形状、直方形状などであってもよい。アスペ
クト比が大きい程、異方的な光散乱性を高めることがで
きる。
【0087】なお、分散相の長軸の平均長さLは、例え
ば、0.1〜200μm程度(例えば、1〜100μm
程度)、好ましくは1〜150μm程度(例えば、1〜
80μm程度)、特に2〜100μm程度(例えば、2
〜50μm程度)であり、通常、10〜100μm(例
えば、10〜50μm)程度である。また、分散相の短
軸の平均長さWは、例えば、0.1〜10μm程度、好
ましくは0.15〜5μm(例えば、0.5〜5μm)
程度、さらに好ましくは0.2〜2μm(例えば、0.
5〜2μm)程度である。
【0088】分散相粒子の配向係数は、例えば、0.7
以上(0.7〜1程度)、好ましくは0.8〜1程度、
さらに好ましくは0.9〜1程度であってもよい。分散
相粒子の配向係数が高い程、散乱光に高い異方性を付与
できる。
【0089】なお、配向係数は、下記式に基づいて算出
できる。
【0090】配向係数=(3<cos2θ>−1)/2 式中、θは粒子状分散相の長軸とフィルムのX軸との間
の角度を示し(長軸とX軸とが平行の場合、θ=0
゜)、<cos2θ>は各分散相粒子について算出した
cos2θの平均を示し、下記式で表される。
【0091】 <cos2θ>=∫n(θ)・cos2θ・dθ (式中、n(θ)は、全分散相粒子中の角度θを有する
分散相粒子の割合(重率)を示す) なお、光散乱フィルムは、拡散光の指向性を有していて
もよい。すなわち、指向性を有するとは、異方的拡散光
において散乱の強い方向のうち、散乱強度が極大を示す
角度があることを意味する。拡散光が指向性を有してい
る場合、前記図3の測定装置において、拡散光強度Fを
拡散角度θに対してプロットしたとき、プロット曲線
が、特定の拡散角度θの範囲(θ=0°を除く角度域)
で極大又はショルダー(特に、極大などの変曲点)を有
している。
【0092】異方性光散乱フィルムに指向性を付与する
場合、連続相樹脂と、分散相粒子との屈折率差は、例え
ば、0.005〜0.2程度、好ましくは0.01〜
0.1程度であり、分散相粒子の長軸の平均長さは、例
えば、1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程
度である。アスペクト比は、例えば、10〜300(例
えば、20〜300)程度、好ましくは50〜200程
度であり、40〜300程度であってもよい。
【0093】光散乱フィルムは、慣用の添加剤、例え
ば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定化
剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤などを含有し
ていてもよい。
【0094】光散乱フィルムの厚みは、3〜300μm
程度、好ましくは5〜200μm(例えば、30〜20
0μm)程度、さらに好ましくは5〜100μm(例え
ば、50〜100μm)程度である。また、光散乱フィ
ルムの全光線透過率は、例えば、85%以上(85〜1
00%)、好ましくは90〜100%程度、さらに好ま
しくは90〜95%程度である。
【0095】なお、異方性光散乱フィルムは、異方性光
散乱層単独で構成された単層フィルムであってもよく、
異方性光散乱層の少なくとも一方の面(特に両面)に透
明樹脂層が積層された積層フィルムであってもよい。透
明樹脂層で異方性光散乱層を保護すると分散相粒子の脱
落や付着を防止でき、フィルムの耐傷性や製造安定性を
向上できるとともに、フィルムの強度や取扱い性を高め
ることができる。
【0096】透明樹脂層の樹脂は、前記連続相又は分散
相の構成成分として例示した樹脂から選択できる。好ま
しい透明樹脂層は、連続相と同系統(特に、同一)の樹
脂により形成されている。
【0097】耐熱性や耐ブロッキング性を高めるための
好ましい透明樹脂には、耐熱性樹脂(ガラス転移温度又
は融点が高い樹脂など)、結晶性樹脂などが含まれる。
透明樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度又は融点
は、前記連続相を構成する樹脂のガラス転移温度又は融
点と同程度であってもよく、例えば、130〜280℃
程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好まし
くは150〜260℃程度であってもよい。
【0098】透明樹脂層の厚みは、例えば、前記異方性
光散乱フィルムと同程度であってもよい。特に、異方性
光散乱層の厚みが3〜300μm程度の場合、透明樹脂
層の厚みは3〜150μm程度から選択できる。
【0099】異方性光散乱層と透明樹脂層との厚みの割
合は、例えば、異方性光散乱層/透明樹脂層=5/95
〜99/1程度、好ましくは50/50〜99/1程
度、さらに好ましくは70/30〜95/5程度であ
る。積層フィルムの厚みは、例えば、6〜600μm程
度、好ましくは10〜400μm程度、さらに好ましく
は20〜250μm程度である。
【0100】異方性光散乱フィルムの表面には、光学特
性を妨げない範囲で、シリコーンオイルなどの離型剤を
塗布してもよく、コロナ放電処理してもよい。
【0101】なお、異方性光散乱フィルムの表面には、
フィルムのX軸方向(分散相の長軸方向)に延びる凹凸
部を形成してもよい。このような凹凸部を形成すると、
フィルムにより高い異方的光散乱性を付与できる。
【0102】[異方性光散乱フィルムの製造方法]光散
乱フィルムは、連続相を構成する樹脂中に分散相を構成
する成分(樹脂成分、繊維状成分など)を分散して配向
させることにより得ることができる。例えば、連続相を
構成する樹脂と分散相を構成する成分(樹脂成分、繊維
状成分など)とを、必要に応じて慣用の方法(例えば、
溶融ブレンド法、タンブラー法など)でブレンドし、溶
融混合し、Tダイやリングダイなどから押出してフィル
ム成形することにより分散相を分散できる。また、分散
相の配向処理は、例えば、(1)押出成形シートをドロ
ーしながら製膜する方法、(2)押出成形シートを一軸
延伸する方法、(3)前記(1)の方法と(2)の方法
を組み合わせる方法などにより行うことができる。な
お、(4)前記(1)の溶融混練成分を溶液ブレンド
し、流延法などにより成膜することによっても光散乱フ
ィルムを形成できる。
【0103】溶融温度は、樹脂成分(連続相樹脂、分散
相樹脂)の融点以上の温度、例えば、150〜290
℃、好ましくは200〜260℃程度である。ドロー比
(ドロー倍率)は、例えば、5〜80倍程度、好ましく
は10〜60倍程度、さらに好ましくは20〜40倍程
度である。延伸倍率は、例えば、1.1〜50倍程度
(例えば、3〜50倍程度)、好ましくは1.5〜30
倍程度(例えば、5〜30倍程度)である。
【0104】なお、ドローと延伸とを組み合わせる場合
には、ドロー比は、例えば、2〜10倍程度、好ましく
は2〜5倍程度であってもよく、延伸倍率は、例えば、
1.1〜20倍程度(例えば、2〜20倍程度)、好ま
しくは1.5〜10倍程度(例えば、3〜10倍程度)
であってもよい。
【0105】分散相のアスペクト比を容易に高める方法
には、フィルム(例えば、製膜し、冷却したフィルム)
を一軸延伸する方法が含まれる。一軸延伸法は特に限定
されず、例えば、固化したフィルムの両端を引っ張る方
法(引っ張り延伸)、互いに対向する一対のロール(2
本ロール)を複数系列(例えば、2系列)並列し、それ
ぞれの2本ロールにフィルムを挿入すると共に、繰り入
れ側の2本ロールと繰出し側の2本ロールとの間にフィ
ルムを張り渡し、繰出し側の2本ロールのフィルムの送
り速度を繰り入れ側の2本ロールより速くすることによ
り延伸する方法(ロール間延伸)、互いに対向する一対
のロールの間にフィルムを挿入し、ロール圧でフィルム
を圧延する方法(ロール圧延)などが挙げられる。
【0106】好ましい一軸延伸方法には、フィルムの量
産化が容易な方法、例えば、ロール間延伸、ロール圧延
などが含まれる。特にロール圧延によれば、非結晶性樹
脂のみならず、結晶性樹脂であっても容易に延伸でき
る。すなわち、通常、樹脂シートを一軸延伸すると、局
部的にフィルムの厚みと幅が減少するネックインが発生
し易いのに対し、ロール圧延によればネックインを防止
でき、フィルムの延伸工程を安定化できる。そして、延
伸の前後でフィルム幅の減少が少なく、かつ幅方向の厚
みを均一にできるため、フィルムの幅方向において光散
乱特性を均一化でき、製品の品質を維持しやすく、フィ
ルムの使用率(歩留まり)も向上できる。さらに、延伸
倍率を幅広く設定できる。なお、ロール圧延の場合、延
伸の前後でフィルム幅を維持できるため、フィルム厚み
の減少率の逆数と延伸倍率とが略等しくなる。
【0107】ロール圧延の圧力は、例えば、9.8×1
3〜9.8×106N/m程度、好ましくは9.8×1
4〜9.8×106N/m程度である。
【0108】延伸倍率は、幅広い範囲から選択でき、例
えば、延伸倍率1.1〜10倍程度、好ましくは延伸倍
率1.3〜5倍程度、さらに好ましくは延伸倍率1.5
〜3倍程度であってもよい。ロール圧延は、例えば、厚
み減少率0.9〜0.1程度、好ましくは0.77〜
0.2程度、さらに好ましくは0.67〜0.33程度
で行うことができる。
【0109】延伸温度は、延伸成形が可能な限り特には
限定されないが、分散相樹脂の融点又はガラス転移温度
以上であってもよい。また、連続相を構成する樹脂とし
て、分散相樹脂よりもガラス転移温度又は融点が高い樹
脂(例えば、5〜200℃程度、好ましくは5〜100
℃程度高い樹脂)を用い、分散相樹脂を融解又は軟化し
ながら一軸延伸すると、連続相樹脂に比べて分散相樹脂
が非常に変形し易いため、分散相粒子のアスペクト比を
大きくでき、光散乱の異方性が特に大きいフィルムが得
られる。好ましい延伸温度は、例えば、100〜200
℃(110〜200℃)程度、好ましくは110〜18
0℃(130〜180℃)程度である。また、ロール圧
延の温度は、連続相樹脂が結晶性樹脂の場合、樹脂の融
点以下であって融点近傍の温度であってもよく、連続相
樹脂が非晶性樹脂の場合、ガラス転移温度以下であって
ガラス転移温度近傍の温度であってもよい。
【0110】なお、前記積層フィルムは、慣用の方法、
例えば、共押出成形法、ラミネート法(押出ラミネート
法、ドライラミネート法など)などにより、異方性光散
乱層の少なくとも一方の面に透明樹脂層を積層し、前記
と同様に配向処理して分散相粒子を配向させることによ
り得ることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明では、異方的散乱性を有する光散
乱シートを用いるので、面光源ユニットや表示装置(液
晶表示装置など)が発光分布(輝度分布)に異方性があ
る管状光源を備えていても、輝度の低下を抑制し、表示
パネルを均一に照明できる。また、面光源ユニットおよ
び表示装置(液晶表示装置など)の構造を簡素化でき、
しかも表示パネルを均一に照明して表示データを鮮明に
視認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の面光源装置および表示装置の一
例を示す概略分解斜視図である。
【図2】図2は図1の異方性光散乱フィルムの異方的光
散乱を説明するための概念図である。
【図3】図3は散乱光強度の測定方法を説明するための
概略斜視図である。
【符号の説明】
1…表示装置 2…表示ユニット 3…面光源ユニット 4…管状光源 5…導光部材 6a,6b…反射層,反射ミラー 7…異方性光散乱フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 336 G09F 9/00 336J 9/35 9/35 // F21Y 103:00 F21Y 103:00 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA11 BA14 BA15 BA20 2H091 FA11Z FA16Z FA21X FA23Z FA26X FA28X FA42Z LA16 5C094 AA03 AA15 BA43 DA11 EA05 EB02 ED20 FB01 FB20 JA01 JA08 JA09 JA11 JA13 5G435 AA01 BB12 BB15 EE27 FF06 FF08 FF12 GG24 HH04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状光源と、この管状光源からの光を側
    面から入射して平坦な出射面から出射させて表示ユニッ
    トを照明するための導光部材と、前記導光部材と前記表
    示ユニットとの間に配設され、かつ前記管状光源からの
    光により前記表示ユニットを均一に照明するための少な
    くとも1つの異方性光散乱フィルムとを備えている面光
    源ユニット。
  2. 【請求項2】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の
    進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散
    乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)におい
    て、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直
    交するY軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、
    θ=4〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>
    5を充足する請求項1記載の面光源ユニット。
  3. 【請求項3】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の
    進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散
    乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)におい
    て、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直
    交するY軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、
    光散乱特性Fx(θ)と光散乱特性Fy(θ)とが、θ
    =2〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>1
    0を充足する請求項1記載の面光源ユニット。
  4. 【請求項4】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の
    進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散
    乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)におい
    て、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直
    交するY方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、散
    乱角θ=0〜30゜の範囲において、散乱角θが大きく
    なるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少
    し、かつ光散乱特性が式 Fy(0°)/Fy(30
    °)<200を充足する請求項1記載の面光源ユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の
    進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散
    乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)におい
    て、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直
    交するY方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、散
    乱角θ=0〜30゜の範囲において、散乱角θが大きく
    なるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少
    し、かつ光散乱特性が式 Fy(0°)/Fy(30
    °)<50を充足する請求項1記載の面光源ユニット。
  6. 【請求項6】 互いに屈折率が異なる連続相と、この連
    続相に平均アスペクト比が1より大きな値で分散した分
    散相とで構成された複数の異方性光散乱フィルムを備え
    ており、導光部材と表示ユニットとの間に、光散乱の方
    向性を互いに異にして複数の異方性光散乱フィルムが配
    設されている請求項1記載の面光源ユニット。
  7. 【請求項7】 導光部材と表示パネルとの間に、分散相
    の長軸方向を互いに直交する方向に向けて2つの異方性
    光散乱フィルムが配設されている請求項6記載の面光源
    ユニット。
  8. 【請求項8】 異方性光散乱フィルムが、屈折率が0.
    001以上異なる連続相と分散相とで構成されており、
    分散相の平均アスペクト比が1より大きく、分散相の長
    軸が管状光源の軸方向に配向している請求項1記載の面
    光源ユニット。
  9. 【請求項9】 分散相の平均アスペクト比が5〜100
    0である請求項8記載の面光源ユニット。
  10. 【請求項10】 分散相の短軸の平均長さが0.1〜1
    0μmである請求項8記載の面光源ユニット。
  11. 【請求項11】 異方性光散乱フィルムの厚みが3〜3
    00μmおよび全光線透過率が85%以上である請求項
    8記載の面光源ユニット。
  12. 【請求項12】 連続相と分散相との割合が、連続相/
    分散相=99/1〜50/50(重量比)である請求項
    8記載の面光源ユニット。
  13. 【請求項13】 連続相が結晶性樹脂で構成され、分散
    相が非結晶性樹脂で構成されている請求項8記載の面光
    源ユニット。
  14. 【請求項14】 異方性光散乱フィルムが相溶化剤とし
    てのエポキシ化ジエン系ブロック共重合体を含有する請
    求項8記載の面光源ユニット。
  15. 【請求項15】 連続相を構成する結晶性ポリプロピレ
    ン系樹脂と、分散相を構成する非晶性コポリエステル系
    樹脂と、相溶化剤を構成するエポキシ化されたスチレン
    −ブタジエン−スチレンブロック共重合体とを含み、連
    続相と分散相との割合が、前者/後者=99/1〜50
    /50(重量比)であり、分散相と相溶化剤との割合
    が、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)であ
    る請求項8記載の面光源ユニット。
  16. 【請求項16】 異方性光散乱フィルムの表面に、分散
    相の長軸方向に延びる凹凸部が形成されている請求項8
    記載の面光源ユニット。
  17. 【請求項17】 表示ユニットと、この表示ユニットを
    照明するための請求項1記載の面光源ユニットとで構成
    されている表示装置。
  18. 【請求項18】 表示ユニットが液晶表示ユニットであ
    る請求項17記載の表示装置。
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