JP2002212665A - 高強度高靭性鋼 - Google Patents

高強度高靭性鋼

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JP2002212665A
JP2002212665A JP2001003375A JP2001003375A JP2002212665A JP 2002212665 A JP2002212665 A JP 2002212665A JP 2001003375 A JP2001003375 A JP 2001003375A JP 2001003375 A JP2001003375 A JP 2001003375A JP 2002212665 A JP2002212665 A JP 2002212665A
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toughness
strength
present
carbide
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Mamoru Nagao
護 長尾
Takuya Kochi
琢哉 高知
Hiroshi Kako
浩 家口
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NiやCrの多量添加や特殊な加工熱処理を
必要とすることなく、ボルト用、ばね用等の条鋼材とし
て好適な高強度高靭性鋼を提供する。 【解決手段】 mass%で、Mn:0.2%≦Mn≦2.
0%、Cr:Cr≦3.0%かつCr/Mn≦2.5、
C:(0.77−0.12Cr−0.02Mn)%≦C
≦0.8%、Si:Si≦3.0%、Al:Al≦0.
1%、P:P≦0.01%、S:S≦0.03%および
残部Feを本質的成分として含有する。焼き戻しマルテ
ンサイトを主体とし、残部が残留オーステナイトによっ
て構成される組織を有する。旧オーステナイト粒の平均
粒径が15μm 以下であり、かつ組織中に短径/長径で
表されるアスペクト比が0.8以上で粒径0.3〜0.
6μm の未溶解炭化物を視野2300μm2中に50個以
上有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ばね用鋼材、ボル
ト用鋼材等の条鋼材として好適な高強度高強靱鋼に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費改善のために使用鋼
材の軽量化ニーズが高まり、ばね用鋼材、ボルト用鋼材
などの条鋼材に対してもますます高強度化が望まれてい
る。例えば、ボルト用鋼材では引張強さ1200〜20
00MPa(ロックウェルC硬さ換算でHRC39〜5
4)、ばね鋼材では1600〜2200MPa(HRC
換算でHRC47〜58)の強度が望まれている。
【0003】高強度鋼としてマルテンサイト鋼が利用さ
れるが、高強度化の弊害として遅れ破壊感受性や、腐食
疲労特性が劣化するため、これらの特性の向上が必要で
あり、鋼材自体の靭性を高めることが根本的な技術課題
である。前記ボルト用鋼材、ばね用鋼材の靭性について
は、規格化された評価基準がある訳ではないが、(社)
日本鉄鋼協会講演大会概要集CAMP−ISIJ Vo
l.11(1988)−p495に示される陰極チャー
ジ寿命試験によって破壊靭性値KICを代用評価する手法
では、1000秒以上の寿命を確保することが望まれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マルテンサイト鋼の靭
性を高める方策として、例えば、特公昭60−3073
6号公報には高周波加熱焼入れによって微細マルテンサ
イトを形成する冷間成形コイルばねの製造方法が開示さ
れている。この高周波加熱処理はオーステナイト粒を微
細化することで、間接的にマルテンサイトを微細化する
技術である。しかし、オーステナイト粒の微細化による
靭性向上にも限界があり、さらなる高靭性化技術の開発
が望まれている。
【0005】他のマルテンサイト鋼の靭性向上技術とし
て、転位密度の高い未変態オーステナイトから焼き入れ
る技術が提唱されている。例えば、特開平6−1166
37号公報には、Niを多量添加した成分系の鋼を用
い、昇温中にせん断型逆変態オーステナイト相を生成さ
せ、これを活用した技術が開示されている。しかし、N
iは積極的に利用するには高価な元素であるという問題
点がある。また、特開平11−229075号公報に
は、上記問題を解決する手段として鋼成分を限定し、昇
温速度、冷却速度をさらに制限する厚鋼板の製造方法が
開示されている。しかし、この技術は利用範囲が厚板に
限られ、到達強度がTS(引張強さ)で1551MP
a、靭性を示す破断応力で945MPa止まりであるた
め、自動車部品に使用される高強度高靭性鋼としては強
度、靭性が不足している。
【0006】また、特開平8−67950号公報には、
マルテンサイト系ステンレス鋼の靭性改善手段としてマ
トリックス中に粒径2μm 以下のCr炭化物(M
236 )を分布させ、旧オーステナイト粒径を15〜3
0μm にまで微細化することによって、靭性を改善する
技術が開示きれている。しかし、この技術は多量のCr
添加が必須であるため、ばね、ボルト用鋼材の高強度化
に寄与する鉄系の焼き戻し炭化物が析出成長せず、Cr
系炭化物が主体となるため、効果的に高強度化すること
が困難である。また、この技術によって向上する靭性
は、低温靭性であって、ばねやボルトに要求される遅れ
破壊感受性に寄与する靭性とは技術的特性が別異であ
る。
【0007】本発明は上記問題点を解決すべくなされた
ものであり、NiやCrなどの合金元素の多量添加や特
殊な加工熱処理を必要とすることなく、ばね、ボルトな
どの素材に供される条鋼材として好適な、環境脆化特性
に優れた高強度高靭性鋼を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者がマルテンサイ
ト鋼の靭性を改善する方策について、鋭意研究した結
果、高強度化と高靭性化を両立する根本原理はオーステ
ナイト結晶粒の微細化ではなく、その下部構造であるマ
ルテンサイト組織の下部組織を微細化することが有効で
あり、さらに特殊な熱処理を必要とせずにマルテンサイ
ト下部組織を微細化するには、マルテンサイト下部組織
の成長を抑制する障害物を鋼中に分散させることが重要
であるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。上
記知見を基に完成された本発明の特徴は、C量を亜共析
組成と呼ばれる0.8%以下に押さえて鋼の脆化を防止
しつつ、しかもC量を押さえたにもかかわらず、Mn、
Cr含有量を制御して、過共析組成のようにオーステナ
イト中に微細炭化物を分散析出させ、これによってマル
テンサイトの下部組織を微細化し、靭性を著しく向上さ
せたところにある。過共析とは、高温加熱時のオーステ
ナイト相から冷却したときに、熱力学的に平衡析出する
相がフェライトではなく炭化物である成分系を意味す
る。
【0009】すなわち、本発明の高強度高靭性鋼は、
0.8%C以下であるにもかかわらず、オーステナイト
相に炭化物が分散する状態を比較的容易に得ることがで
きる成分系を有するものであり、mass%で、 Mn:0.2%≦Mn≦2.0%、 Cr:Cr≦3.0%かつCr/Mn≦2.5、 C:(0.77−0.12Cr−0.02Mn)%≦C
≦0.8%、 Si:Si≦3.0%、 Al:Al≦0.1%、 P :P≦0.01%、 S :S≦0.03%、 および残部Feを本質的成分として含有し、焼き戻しマ
ルテンサイトを主体とし、残部が残留オーステナイトに
よって構成される組織を有し、旧オーステナイト粒の平
均粒径が15μm 以下であり、かつ組織中に短径/長径
で表されるアスペクト比が0.8以上で粒径0.3〜
0.6μm の未溶解炭化物を視野2300μm2中に50
個以上有する。
【0010】鋼成分として、さらにNi≦2.0%、M
o≦1.0%、Cu≦1.0%、W≦1.0を満足する
Ni、Mo、CuおよびWの内の1種以上、あるいはさ
らにV≦0.01%、Ti≦0.01%、Nb≦0.0
1%、Hf≦0.01%、Zr≦0.01%、Ta≦
0.01%を満足するV、Ti、Nb、Hf、Zrおよ
びTaの内の1種以上、あるいはさらに(Ca+Mg+
REM)≦0.01%を満足するCa、Mg、REMの
内の1種以上を含有することができる。本発明鋼は、高
強度のみならず高靭性を有するので、ボルト用鋼材、ば
ね用鋼材として好適に利用される。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明鋼の成分限定理由に
ついて説明する。単位は全てmass%である。 Mn:0.2%≦Mn≦2.0% Mnは焼入性を高める元素であるとともに、添加するこ
とで共析組成を低炭素側に移動させる元素である。0.
2%未満では高強度化に必要な焼入性を確保することが
できない。一方、2.0%超の添加は靭性の高いマルテ
ンサイト組織であるラスマルテンサイトを減じ、靭性向
上に好ましくない双晶マルテンサイトの分率を高め、靭
性を低下させる。このため、Mn量の下限を0.2%、
好ましくは0.3%とし、その上限を2.0%、好まし
くは1.5%とする。
【0012】 Cr:Cr≦3.0%、かつCr/Mn≦2.5 Crは共析組成を低炭素側に大きく移動させる元素であ
り、好ましくは0.1%以上添加するのがよい。しか
し、Cr量が3.0%を超えると冷間加工性に著しい悪
影響が生じるので、Crの上限を3.0%、好ましくは
2.0%とする。一方、Cr/Mn比が2.5を超える
と、未溶解炭化物の分布状況を本発明のごとく制御して
も靭性を向上する効果を失うので、Cr/Mnの比を
2.5以下に規定し、母相マルテンサイトの靭性を確保
する。
【0013】C:(0.77−0.12Cr−0.02
Mn)%≦C≦0.8% C量は靭性を確保するためには0.8%以下にすること
が必要であり、好ましくは0.77%以下とするのがよ
い。一方、オーステナイト中に微細炭化物を析出させて
マルテンサイトを高靭性化するには、共析C量を示すC
パラメータf(Mn,Cr)=(0.77−0.12C
r−0.02Mn)の値以上にすることが重要である。
このため、C量を上記範囲に規定する。
【0014】Si:Si≦3.0% Siは脱酸のために有効な元素であるが、過剰の添加は
表層脱炭などの悪影響が現れるため、3.0%以下に止
める。
【0015】Al:Al≦0.1% AlもSiと同様、脱酸のために有効な元素であるが、
過剰の添加は表層脱炭などの悪影響が現れるため、0.
1%以下に止める。
【0016】P:P≦0.01%、S:S≦0.03% これらの元素は不純物であり、少ない程よい。過多に含
有されると、粒界脆化などを引き起こすため、P:0.
01%以下、S:0.03%以下に止める。なお、Sは
被削性向上作用があるので、被削性が必要な場合には上
記範囲内で添加することができる。
【0017】本発明の鋼は上記成分および残部Feを本
質的成分として含有するが、その他、不可避的不純物の
ほか、本発明鋼の特性を妨げない範囲で他の元素を添加
することができる。例えば、Nは脆化の原因になり易い
が、0.015%程度以下なら差し支えない。さらに、
本発明鋼の機械的性質をより向上させるため、例えば、
下記範囲でNi、Mo、Cu、Wの内から1種以上、あ
るいはさらにV、Ti、Nb、Hf、Zr、Taの1種
以上、あるいはさらにCa、Mg、REM(希土類元
素)の内から1種以上を添加することができる。REM
としては、La,Ce,Pr,Nd,Yを例として挙げ
ることができる。
【0018】Ni≦2.0%、Mo≦1.0%、Cu≦
1.0%、W≦1.0% これらの元素は、鋼の焼入性を左右する元素である。強
度調整を目的として添加することができる。しかし、過
剰の添加は熱間加工性等に悪影響を及ぼすので、各元素
の上限を上記のように定める。
【0019】V≦0.01%、Ti≦0.01%、Nb
≦0.01%、Hf≦0.01%、Zr≦0.01%、
Ta≦0.01% これらの元素は微細炭窒化物を生成し、水素トラップサ
イトとして作用するため、耐水素脆性を改善する目的で
添加することができる。しかし、各々の元素に付き、
0.01%超の添加は析出強化が過剰となって靭性を低
下させるので、各々0.01%以下に止める。
【0020】 Ca、Mg、REMの1種以上の合計で0.01%以下 Ca、Mg、REMは介在物の形態制御が可能な脱酸元
素であり、被削性を改善する効果を有するため、0.0
1%を上限として添加することができる。
【0021】次に、本発明鋼の組織について説明する。
本発明鋼は、組織が焼き戻しマルテンサイトを主体とす
る組織によって構成される。焼き戻しマルテンサイト
は、組織全体を占めることが望ましいが、10体積%以
下、好ましくは5体積%以下の残留オーステナイトを含
んでいても実用上問題はない。一方、フェライト、パー
ライトは強度を劣化させるため、組織中に含まないよう
にする。
【0022】本発明鋼は、上記のとおり、焼き戻しマル
テンサイトを主体とし、少なくとも組織中で90体積
%、好ましくは95体積%を占めるようにして高強度を
確保するものであるが、靭性向上の観点から、旧オース
テナイトの平均粒径を15μm以下、好ましくは10μm
以下とする。旧オーステナイト平均粒径が15μm 超
になると、いわゆる粒界割れが破壊の機構として働くよ
うになり、靭性を著しく低下させるようになる。
【0023】さらに、本発明鋼は、靭性をより向上させ
るため、マルテンサイト主体の組織中に未溶解炭化物を
分散させた組織とする。未溶解炭化物の平均粒径は、
0.3μm 以上、0.6μm 以下とする。マルテンサイ
トの下部組織の成長を抑制する障害物となるには、マル
テンサイトの下部組織の最小単位である「ラス」の幅よ
りも広い炭化物でなければならない。0.3μm より小
さい炭化物は、「ラス」の成長を抑制することができな
いため、平均粒径の下限を0.3μm とする。一方、
0.6μm 以上の粗大炭化物は、クラックの起点となっ
て靭性を低下させる。このため、未溶解炭化物の平均粒
径の下限を0.3μm 、好ましくは0.35μm とし、
その上限を0.6μm 、好ましくは0.55μm とす
る。
【0024】さらに、前記未溶解炭化物である基準とし
て、炭化物のアスぺクト比を0.8以上とする。マルテ
ンサイトの下部組織の微細化に有効に作用する炭化物
は、焼き入れ前に存在するいわゆる未溶解炭化物であ
り、強度調整、靭性確保のために行われる焼き戻し中に
析出する炭化物ではない。両者は原則的に同一組成の炭
化物であるため、判別が困難とされてきたが、本発明者
の研究により、析出形態の特徴から粒状の炭化物は未溶
解炭化物であると判断できることを突き止めた。未溶解
炭化物と判断できる炭化物形態の基準として、本発明で
は炭化物のアスヘクト比を0.8以上とするものであ
る。なお、アスペクト比は、炭化物の短径/長径で求め
られる値であり、アスペクト比が1に近い程、炭化物は
真円に近い形態を取る。
【0025】さらに、前記未溶解炭化物の個数として、
本発明では視野2300μm2中の炭化物の個数が50個
以上であることを必要とする。前記未溶解炭化物はオー
ステナイト粒内に存在して初めて効果を発揮する。23
00μm2に50個以上、好ましくは100個以上の炭化
物を存在させることにより、オーステナイト粒内で下部
組織を分断する、すなわち一つのオーステナイト粒内で
種々の方位を持ったマルテンサイトを生成させるのに有
効に働く。50個未満では下部組織微細化の効果が小さ
く、更なる靭性向上効果を期待することができない。
【0026】次に本発明鋼の推奨される製造条件につい
て説明する。本発明鋼は、前記組成の鋼材を後述する条
件で焼き入れ、焼き戻すことによって製造される。焼き
入れ処理を行う前の鋼材(素材)の組織については特に
制限されない。例えば、所定組成のビレットを常法に従
って熱間圧延した条鋼材を素材として適宜使用すること
ができる。
【0027】もっとも、未溶解炭化物の分布状況をより
容易に制御するためには、素材の組織を焼き戻しマルテ
ンサイト、あるいは球状化炭化物組織とすることが望ま
しい。焼き戻しマルテンサイトは、焼き入れ後の素材を
(Acm点+100)℃以上の温度で30分から1時間
程度加熱した後、臨界冷却速度以上で冷却し、さらに焼
き戻し温度を300℃以上、望ましくは450℃以上、
600℃以下とすることによって得ることができる。こ
のような条件にて素材を焼き戻し組織とすることで、後
段の焼き入れ処理の際の加熱時間を30分程度以内に短
縮することが可能となる。一方、球状化組織を得る方法
としては、常法として知られているように、A1点温度
直下まで徐熱、保持し、その後に徐冷する方法を挙げる
ことができる。
【0028】前記規定した所定粒径、アスペクト比、個
数の未溶解炭化物を含むマルテンサイト主体組織を得る
ためには、少なくとも一部に前記未溶解炭化物が残存す
るオーステナイト相から、臨界冷却速度以上でMs点以
下まで冷却することが必要である。加熱温度の上限は特
に定めないが、炭化物が固溶する温度Acm点以上に長
時間加熱すると本発明の重要因子である未溶解炭化物が
保持時間を経て完全に消失することになる。このため、
Acm点以上に加熱する場合は未溶解炭化物が完全に固
溶しない温度および時間以内で加熱することが必要であ
る。具体的には、Acm点以上に加熱する場合、(Ac
m点+80)℃以下、望ましくは(Acm点+40)℃
以下の範囲で加熱することにより保持時間の長短による
未溶解炭化物数のばらつきを少なくすることが出来る。
Acm点以下に加熱する場合には、長時間の加熱を行っ
ても、炭化物が完全に固溶することがないので、安定し
て本発明の意図する組織を得ることが出来る。加熱時間
は旧オーステナイト粒径の制御とも関連するので、Ac
m点以上、あるいはそれ以下のいずれの場合でも、1h
r以内、好ましくは30分以内とすることが望ましい。
【0029】加熱後の焼き入れの際の冷却速度は、フェ
ライト変態やパーライト変態をさせないために臨界冷却
速度以上とすることが必要である。臨界冷却速度未満で
は、フェライトやパーライトが主体となる組織となって
必要な強度を確保することができない。冷却速度の上限
は特に定めないが、工業的に得られる水冷などの冷却速
度範囲であれば特に問題はない。また、マルテンサイト
組織を得るためには、Ms点として定められるマルテン
サイト変態が開始する温度より低温まで臨界冷却速度以
上で冷却することが重要である。もっとも、鋼成分、冷
却条件によっては、鋼中に残留オーステナイトが残留す
る場合があるが、既述のように、本発明では10体積%
以下の残留オーステナイトは許容される。Ms点は実験
室的な測定によっても求めることができるが、通常、下
記式によって近似計算しても実用上問題はない。 Ms(℃)=550−361×C−39Mn−35V−20Cr−17Ni-10Cu
−5(Mo+W)
【0030】焼き入れ処理後、1200〜2300MP
a程度の強度を得るように、強度調整を目的として焼き
戻し処理を実施する。焼き戻し処理での最高到達温度T
(絶対温度K)、加熱開始から冷却開始までの時間を示
す加熱時間t(hr)については、常法のように、T=
573〜873の範囲で、λ=T×(20+log t)が
概ね下記式を満足するように設定すればよい。1000
0≦λ≦18000
【0031】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に
解釈されるものではない。
【0032】
【実施例】実施例1 表1および表2に示す成分の鋼を実験的に溶製し、その
鋳造片に熱間加工を施して直径16mm、長さ150m
mの丸棒材を得た。これらの試験材に表3に示す条件に
て熱処理を施した。加熱は大気炉で行い、焼入れは油冷
(70℃)とした。焼き戻しにはソルトバスを用いた。
焼き戻しの処理時間(試験材をソルトバスに投入してか
らから取り出すまでの時間)は全て1hrとした。な
お、表1および2には各鋼のMs点、A1点、Acm点
を、表2にはフェライト、パーライトが生成しない臨界
冷却速度も併せて示した。
【0033】得られた試料の一部を組織観察用試験片
に、一部を靭性評価用の試験片に加工した。組織観察用
試験片を用いて旧オーステナイト粒径および未溶解炭化
物個数の測定を行うと共に組織の全体観察を行い、残留
オーステナイト量を測定した。一方、靭性評価用試験片
を用いて、強度の指標となるロックウェルCスケール硬
さ(HRC)および靭性評価特性値として陰極チャージ
寿命(陰極CH寿命)を測定した。陰極CH寿命は4点
曲げ−陰極チャージ試験における破断寿命を意味する。
【0034】前記旧オーステナイト粒径の測定は、JI
S G0551に規定される「鋼のオーステナイト結晶
粒度試験方法」を参考として、焼き戻し処理後の試料の
表面を鏡面研磨した後、ピクリン酸アルコール溶液を塗
布して組織を現出させた後、光学顕微鏡にて倍率400
倍で任意の位置から4枚の組織写真を撮影し、各写真と
もJIS G0551附属書4に示された直線交差線分
法によって平均切片長さを求め、これを旧オーステナイ
ト粒径とした。
【0035】前記未溶解炭化物個数の測定は、焼き戻し
処理後の試料の表面を湿式研磨にて鏡面研磨した後、酸
化皮膜が形成されないように乾燥させることなくそのま
ま5%ナイタールに2秒間浸漬し、得られた被顕組織面
をSEM(使用機種:日立製FE−SEM、機種名S−
4500)にて加速電圧20kV、倍率5000倍で自
動露光にてポラロイド(登録商標)写真を撮影し、得ら
れた写真(視野2300μm2 )をスキャナーにて取り
込み(使用機種:EPSON社製EP2000、メージ
取り込み用ソフト:EP Scan! II32、取り
込み条件:256色グレー,中間調なし,ドロップアウ
トなし,高品位品質,解像度120dpi)、取り込ん
だ画像を画像解析ソフト(The Proven Solution社製、I
mage Pro Plus ver. 4.0.0.11)にてSEM写真上にて
白い粒子として認識される炭化物をカウントさせ、アス
ペクト比として楕円長短軸比の逆数が0.8以上かつ粒径
として直径(平均)が0.3〜0.6μm のものをカウ
ントした。 なお、個数測定に供した組織写真(試料No.
5)の一例を図3に示す。
【0036】残留オーステナイト量の測定は、X線回折
によって求めた。X線回折装置としてRAD−RU30
0(理学電機製)を用い、X線源としてCoKαを用
い、強度を40kV−200mAとして測定した。定量
にはお互い重なりのないピークとして、α−Feに(2
00)、γ−Feに(200)の各ピークを選択した。
また、配向を除くため、試料に回転と揺動をかけて測定
した。定量用に測定したそれぞれのデータを用いて積分
強度計算を行い、ピークの積分強度を求めた。求めたピ
ーク強度を用いて下記式により残留γ量を計算した。 Vγ=1/((Iα/Iγ)×K+1)×100(vol
%) ここに、Vγ はγ−Feの体積濃度( vol%)、Iα
はα−Fe(200)のピーク強度、Iγ はγ−Fe
(200)のピーク強度である。また、Kは組み合わせ
たピークに対する定数で、K=2.3616である。
【0037】硬度HRCの測定は、試料表面を湿式機械
研磨した後、4点を測定し、その平均を求めた。
【0038】前記4点曲げ−陰極チャージ試験は以下の
要領によって実施された。先ず、焼き戻し後の試料か
ら、放電加工により長さ60mm、幅15mm、厚さ
1.5mmの板状試験片を切出し、図1に示すように、
治具1にて試験片2を曲げ応力1400MPaで4点に
て拘束する。この試験片2を装着した治具1を0.5m
ol/リットルの硫酸と0.01mol/リットルのK
SCNとの混合液に浸し、陽極に白金電極を用い、陰極
電位−700mVを付加することで、試験片に電気化学
的に水素を供給する。電位付与後、曲げ応力を与えた試
験片が破断するまでの時間を測定する。寿命1000s
ecを超えるものが、高強度高靭性鋼として実用に適す
ることから、寿命1000secを合否判定基準とし
た。なお、靭性の評価は、ばね用鋼材、ボルト用鋼材の
場合、シャルピ衝撃試験のような動的な靭性や、薄板に
みられるTS(引張強さ)×EL(伸び)で示される靭
性ではなく、破壊靭性値KIC、JICが評価に適してい
る。しかし、寸法効果があるため正確なKIC、JICを測
定することは困難であるので、本実施例においても、靭
性の評価として、(社)日本鉄鋼協会講演大会概要集C
AMP−ISIJ Vol.11(1988)−p.4
95に記載されているように、4点曲げ−陰極CH寿命
によって靭性を評価することとした。
【0039】これらの測定結果を表3に併せて示す。ま
た、硬度HRC(強度の代用)と陰極CH寿命との関係
を整理したグラフを図2に示す。組織の全体観察による
組織構成については、本発明の試料No. 1〜14につい
て、No. 1〜12は組織全体がほぼ焼き戻しマルテンサ
イトで占められたが、No. 13は焼き戻しマルテンサイ
トの他、体積率で残留オーステナイトが8%程度、No.
14は残留オーステナイトが3%程度観察された。ま
た、No. 15は残留オーステナイトが14%程度観察さ
れた比較例である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】表3および図2より、本発明の成分系の鋼
を用い、かつ旧オーステナイト粒径、未溶解炭化物個数
が本発明条件に合致するNo. 1〜No. 14の試料は、靭
性の指標となる陰極CH寿命が1000秒を超える良好
な靭性を有することがわかる。しかし、本発明の組織、
成分から外れる鋼材(鋼No. 15〜41)を用いた鋼で
は最長でも540秒未満であり、高靭性が得られていな
い。
【0044】実施例2 下記の本発明成分を満足する鋼を実施例1と同様の手法
で溶製し、その鋳造片を丸棒材に熱間加工し、得られた
丸棒材に対して表4に示す種々の条件にて焼き入れ、焼
き戻し処理(処理時間1hr)を行い、実施例1と同様
にして、旧オーステナイト粒径、未溶解炭化物個数、H
RC、陰極CH寿命を調べた。得られた結果を表4に併
せて示す。また、HRCと陰極CH寿命との関係を図4
に示す。なお、各試料の組織は焼き戻しマルテンサイト
がほぼ100%であった。 ・鋼成分(mass%、残部Fe) C:0.55%、Si:0.19%、Mn:1.61
%、P:0.008%、S:0.007%、Cr:3.
0%、Al:0.031%、N:0.006%。Ms=2
28.7℃、A1=762℃、Acm=850℃、臨界冷却
速度=3℃/s。
【0045】
【表4】
【0046】表4のNo. 1〜5に示すように、焼き入れ
の際の熱処理条件を適切に制御することで、本発明に規
定する所定の組織が得られ、高強度とともに陰極CH寿
命が1000秒以上の良好な靭性が得られた。一方、本
発明の鋼成分を満足していても、No. 56では焼き入れ
の際の加熱温度が低すぎてオーステナイト化することが
できなかった。また、No. 57のように加熱温度が高す
ぎると、未溶解炭化物が溶解して、炭化物個数が不足
し、260秒程度まで靭性が劣化することがわかる。ま
た、No. 58のように、オーステナイト化の保持時間が
長すぎると、旧オーステナイト粒が粗大化し、やはり靭
性が劣化することがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の高強度高靭性鋼によれば、0.
8%C以下の所定成分の下、旧オーステナイト粒径のみ
ならず、組織中に所定粒径、個数の未溶解炭化物を分散
析出する組織としたので、焼き戻しマルテンサイトを微
細化することができ、高強度のみならず優れた靭性を備
える。このため、高強度および高靭性が要求される種々
用途の条鋼材、特にボルト用鋼材、ばね用鋼材として好
適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】4点曲げ−陰極チャージ試験に供する曲げ応力
付加用治具の断面説明図である。
【図2】実施例1における強度指標である硬度HRC
と、陰極CH寿命(4点曲げ−陰極チャージ試験により
得られた破断寿命)との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1における未溶解炭化物の個数測定に供
した金属組織写真の一例を示す図面代用写真である。
【図4】実施例2における硬度HRCと陰極CH寿命と
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 家口 浩 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3J059 AB20 AD06 BC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、 Mn:0.2%≦Mn≦2.0%、 Cr:Cr≦3.0%かつCr/Mn≦2.5、 C:(0.77−0.12Cr−0.02Mn)%≦C
    ≦0.8%、 Si:Si≦3.0%、 Al:Al≦0.1%、 P :P≦0.01%、 S :S≦0.03%、 および残部Feを本質的成分として含有し、 焼き戻しマルテンサイトを主体とし、残部が残留オース
    テナイトによって構成される組織を有し、旧オーステナ
    イト粒の平均粒径が15μm 以下であり、かつ組織中に
    短径/長径で表されるアスペクト比が0.8以上で粒径
    0.3〜0.6μm の未溶解炭化物を視野2300μm2
    中に50個以上有する、高強度高靭性鋼。
  2. 【請求項2】 さらに、Ni≦2.0%、Mo≦1.0
    %、Cu≦1.0%、W≦1.0を満足するNi、M
    o、CuおよびWの内の1種以上を含有する請求項1に
    記載した高強度高靭性鋼。
  3. 【請求項3】 さらに、V≦0.01%、Ti≦0.0
    1%、Nb≦0.01%、Hf≦0.01%、Zr≦
    0.01%、Ta≦0.01%を満足するV、Ti、N
    b、Hf、ZrおよびTaの内の1種以上を含有する請
    求項1または2に載した高強度高靭性鋼。
  4. 【請求項4】 さらに、(Ca+Mg+REM)≦0.
    01%を満足するCa、Mg、REMの内の1種以上を
    含有する請求項1から3のいずれか1項に載した高強度
    高靭性鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載さ
    れた高強度高靭性鋼によって形成されたボルト用鋼材。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載さ
    れた高強度高靭性鋼によって形成されたばね用鋼材。
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