JP2002068933A - 線維芽細胞増殖促進剤 - Google Patents

線維芽細胞増殖促進剤

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JP2002068933A
JP2002068933A JP2000297558A JP2000297558A JP2002068933A JP 2002068933 A JP2002068933 A JP 2002068933A JP 2000297558 A JP2000297558 A JP 2000297558A JP 2000297558 A JP2000297558 A JP 2000297558A JP 2002068933 A JP2002068933 A JP 2002068933A
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fibroblast proliferation
skin
extract
test
plant
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JP2000297558A
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Hidehiko Yamaki
英彦 八巻
Kazue Sakai
一恵 坂井
Hideko Honda
秀子 本多
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KOEI PERFUMERY
Koei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
KOEI PERFUMERY
Koei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規で有効な且つ安全性の高い線維芽細胞増殖
促進剤、並びにこれらを配合した皮膚外用剤・浴用剤を
提供することを課題とする。 【解決手段】ウチワサボテン属植物抽出物又は/及びウ
チワサボテン属植物圧搾汁が高いヒト由来正常線維芽細
胞増殖促進作用を有することを見出し、よって線維芽細
胞増殖促進剤として応用すること、更に皮膚外用剤、浴
用剤にも使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規で且つ安全な
ウチワサボテン属植物抽出物を含有する線維芽細胞増殖
促進剤、並びに医薬品・医薬部外品或いは化粧品分野の
各種皮膚外用剤・浴用剤への応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】老化皮膚では、線維芽細胞の活性低下に
伴い、真皮マトリックス成分であるコラーゲン線維、エ
ラスチン繊維、酸性ムコ多糖の質的、量的な変化が起こ
る。コラーゲン線維は異常な老化架橋が形成されるため
硬直化し、本来の弾力性に富む張りが失われる。エラス
チン繊維は変性崩壊し、変わってアミノ酸組成の異なる
エラスチンが代償性に産生されて機能障害が進行する。
その結果皮膚は柔軟性を失って、シワやたるみが発生す
る。これら生理的老化皮膚では、増殖能の低下、生理的
機能低下が観察されるのに対して、光老化皮膚では、線
維芽細胞が増大増殖し、コラーゲン産生能も亢進してい
るという。この著しい対照を最もよく表す特徴の一つは
皮膚の厚さで、光老化した顔面皮膚は強く肥厚するが、
前腕内側の生理的老化皮膚は、徐々に薄くなるのが常で
ある。ヒト皮膚の老化を考えるときこれら相反した現象
に対応した防御法を用いなければならない。しかしなが
ら、生体内では酵素群が複雑に機能しており、メカニズ
ムの解明はこれからの課題である。現在まで、これら皮
膚老化を予防する目的でα−ヒドロキシ酸、レチノール
酸、線維芽細胞増殖剤、女性ホルモン様物質などが開発
使用されてきた。線維芽細胞促進剤としては、クロレラ
水抽出物(特開平9−40523)、ゴマ、サンヤク、
トウガラシ、トウキ、ドクダミ、バクモンドウ抽出物
(特開平10−45615)、アーモンド、セイヨウタ
ンポポ、セイヨウニワトコ、センキュウ、センブリ、ソ
ウハクヒ、トウニン、ニンジン、ホップ、ムクゲ、ヨク
イニン(特開平10−36279)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
での線維芽細胞増殖促進剤は、使用濃度と増殖率から実
際の製品への配合では、有効な結果を得るに至っていな
い。本発明者らは、これらの事情に鑑み、線維芽細胞増
殖促進剤として有用性のある植物抽出物や成分のスクリ
ーニングを行い、ウチワサボテン属植物抽出物及び圧搾
汁に高い線維芽細胞増殖促進作用を見いだし、更にこれ
らを配合した皮膚外用剤・浴剤に老化防止効果が期待で
き、皮膚科学上安全なものであることを確認し、本発明
を完成するに至った。
【0004】従って、本発明の目的は、線維芽細胞増殖
促進剤として優れた効果を有し、これらを配合すること
により皮膚の老化防止に有効で、安全性の高い皮膚外用
剤・浴剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明で使用するウチワ
サボテン属植物とは、サボテン科(Cactacea
e)ウチワサボテン属(Opuntia)に分類され、
オウガタホウケン(Opuntia ficus−in
dica)(=Cactus ficus−indic
a)(=Cactus opuntia)、キンブセン
(Opuntiatuna)(=Cactus pol
yanthos)、タンシウチワ(Opuntia v
ulgaris)(=Opuntia monacan
tha)(=Cactus urumbeba)、(O
puntia streptacantha)などが代
表的なものとして上げられる。尚、テウチサボテン属植
物に線維芽細胞増殖促進作用があることはこれまで全く
知られていない。
【0006】また、その他のサボテン属、例えばハウチ
ワ属(Brasiliopuntia)、オキナチュウ
属(Cephalovereus)、ハシラサボテン属
(Cereus)、クジャクサボテン属(Epiphy
llum)、ビキョクチュウサボテン属(Harris
ia)、ヒロケレウス属(Hylocereus)、ツ
メサボテン属(Melocactus)、モクキリン属
(Pereskia)、アシサボテン属(Rhipsa
lis)においても同様の線維芽細胞増殖促進作用が期
待できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するウチワサボテン
属植物抽出物とは、ウチワサボテン属植物の茎、茎節、
葉、花、果実、根を必要に応じ、生又は乾燥したものを
そのまま又は粉砕したものを使用し、調製方法は特に限
定されないが、例えば、種々の適当な溶媒を用い、室温
又は加温下において抽出する方法があげられる。
【0008】具体的に抽出溶媒としては、水、メタノー
ル、エタノール等の低級一価アルコール、グリセリン、
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等
の液状多価アルコール、酢酸エチル等の低級アルキルエ
ステル、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素、ジエチルエ
ーテル等のエーテル類、オリーブ油、ホホバ油等の植物
油等が例示され、これらの一種又は二種以上の混合溶媒
を用いることができる。これらの中で水又は水溶性溶
媒、特に水、エタノール、グリセリン、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコールの一種又は二種以
上の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0009】また、本発明で使用するウチワサボテン属
植物圧搾汁とは、ウチワサボテン属植物の茎、茎節、
葉、花、果実、根を圧搾して得られる液汁をいう。
【0010】抽出物/圧搾汁は、上記のようにして得ら
れた抽出液をそのまま用いても良いが、さらに必要に応
じて濃縮、濾過等をしたものでも良い。また、抽出物、
圧搾汁を常法、例えば、カラムクロマト法、向流分配法
等により、分画、精製して用いることもできる。
【0011】更に、抽出物/圧搾汁は、上記のものを減
圧濃縮又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製
し、適宜製剤化して用いることもできる。
【0012】本発明のウチワサボテン属植物抽出物/圧
搾汁は、線維芽細胞増殖促進剤としてそのまま利用でき
る他、皮膚外用剤、浴用剤へ配合できるが、その配合量
としては特に規定するものではない。配合する製品の種
類、品質、期待する効果の程度により異なるが、乾燥固
形分に換算して好ましくは0.0001〜10.0重量
%(以下、単に「%」で示す)、特に0.001〜3.
0%がより好ましい。
【0013】本発明の線維芽細胞増殖促進剤、皮膚外用
剤、浴用剤は、必須成分のウチワサボテン属植物抽出物
/圧搾汁に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品類などの製剤
に使用される成分や添加剤を併用して製造することがで
きる。これらの添加成分の具体例を示すと次のとおりで
ある。
【0014】界面活性剤としては、高級脂肪酸石けん、
アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキ
ルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩等
のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベ
ンザルコニウム、アミノアルコール脂肪酸有機シリコー
ン樹脂等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミ
ノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベ
タイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキ
シイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
分枝アルキルエーテル、ソルビタンエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンエステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンコレステロールエステル、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、グリセリンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリンアルキ
ルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオ
ン性界面活性剤、レシチン、ラノリン、コレステロー
ル、サポニン等の天然界面活性剤等。油脂類としては、
オリーブ油、ツバキ油、マカデミアンナッツ油、ヒマシ
油、ゴマ油、サフラワー油、ピーナツ油、ピスタチオ油
等の植物油、ミンク油、卵黄油等の動物油、ホホバ油、
カルナウバロエ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリ
ン等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリ
ン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワ
ラン等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアル
コール、2−オクチルドデカノール、ホホバアルコール
等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン
酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、
メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン
等のシリコーン油等。多価アルコールとしては、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、
ポリグリセリン、グルコース、マルチトース、フルクト
ース、キシリトース、ソルビトール、マルトトリオー
ス、エリスリトール等。増粘剤としては、アルギン酸ナ
トリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、グア
ーガム、ローカストビーンガム、ヒアルロン酸ナトリウ
ム、コラーゲン、カゼイン、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、カルボキシビニルポリマー等。
【0015】紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェ
ノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ
安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラ
メトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−
2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘
導体、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸誘導体
等。防腐剤としては、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソル
ビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステ
ル、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシ
ン、エタノール等。酸化防止剤としては、トコフェノー
ル、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、ジ
ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸エステル類等。キ
レート剤としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム、ポリリン酸ナトリム、クエン酸等。
【0016】さらに、抗菌、細胞賦活、保湿、皮脂分泌
抑制、消炎、血行促進、収斂、抗酸化、美白等の生理活
性作用を有する薬剤、植物抽出物及びこれらの抽出分
画、精製物とを併用することもできる。
【0017】又、本発明の線維芽細胞増殖促進剤、皮膚
外用剤、浴用剤の剤系は、可溶系、乳化系、粉末分散
系、液体分散系等何れでもよく、形状も、アンプル状、
カプセル状、粉末状、顆粒状、固形状、液体状、ゲル
状、気泡状、シート状などの何れでもよい。
【0018】具体的には、内用・外用薬用製剤、化粧
水、乳液、クリーム、パックなどの基礎化粧料、シャン
プー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ポ
マード、ヘアスプレー、整髪料、染毛剤などの頭髪化粧
料、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー、ア
イライナーなどのメークアップ化粧料、浴用剤、歯磨き
類、防臭剤、衛生用品、ウエットティッシュなどが上げ
られる。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0020】(製造例1)ウチワサボテン属植物Opu
ntia streptacanthaの茎節を乾燥し
た粉末100gに精製水を加え、80℃にて5時間抽出
し、ろ過助剤を加えてろ過し、抽出物A約1kg(固形
分2.4%)を製する。
【0021】(製造例2)ウチワサボテン属植物Opu
ntia streptacanthaの果実を凍結乾
燥した粉末100gに10v/v%エタノールを加え、
70℃にて5時間抽出し、ろ過した後、濃縮乾燥し、粉
末抽出物B約25gを製する。
【0022】(製造例3)ウチワサボテン属植物Opu
ntia ficus−indicaの果実を乾燥粉砕
した粉末100gに精製水を加え、70℃にて8時間抽
出した後、ろ過し、抽出物C約1kg(固形分3.1
%)を製する。
【0023】(製造例4)ウチワサボテン属植物Opu
ntia tunaの茎節の生を約2cm角に刻んだも
の1kgに精製水を加え、70℃にて8時間抽出した
後、ろ過助剤を加えてろ過し、抽出物C約1kg(固形
分2.3%)を製する。
【0024】(製造例5)ウチワサボテン属植物Opu
ntia streptacanthaの生の茎節1k
gを圧搾して得た圧搾汁を凍結乾燥し、粉末圧搾汁A2
0gを製する。
【0025】(試験例1)線維芽細胞増殖促進作用の評
価 本発明者らは、ヒト由来皮膚正常線維芽細胞をもとに、
MTT還元法を用いて線維芽細胞増殖促進作用評価試験
を行った。(TIM Mosmann;Journal
of Immunological Methods
p55−63,1983参照)
【0026】(試験方法)10%FBS(牛胎児血清;
日冷より購入)含有MEM(Gibco社)を用い、ヒ
ト由来皮膚正常線維芽細胞(Clonetics社)を
96穴プレートに3×10cells/wellの密
度で播種し、37℃、5%COにて72時間培養す
る。Medium除去後PBS(−)(日水製薬)で洗
浄し、試験試料の各濃度を添加した0.5%FBS含有
MEMに交換し、37℃、5%COにて48時間培養
する。このとき、ブランクは試験試料を含まない0.5
%FBS含有MEMとする。48時間毎に培地交換を行
い、2日間、4日間、6日間培養した後、MTT還元法
により、570nmnおよび620nmの吸光度差を測
定し、このときブランクの吸光度差を100として、そ
れに対する試験溶液添加群の細胞増殖率を測定した。
【0027】
【表1】
【0028】(試験結果)表1に示したように本発明の
ウチワサボテン属植物抽出物及びウチワサボテン属植物
圧搾汁に線維芽細胞増殖促進作用が認められた。
【0029】(試験例2)パネルテスト 30〜55歳(平均年齢40.5歳)の女性50名を対
象として、下記の本発名線維芽細胞増殖促進剤配合外用
組成物、対照皮膚外用組成物を、1日2回(朝、夕)連
続3ケ月間顔面に塗布、使用せしめた結果の官能評価を
表2に示す。官能評価は、潤い、きめ、皺、しみ・そば
かすの4項目とした。対照には、本発明線維芽細胞増殖
促進剤と同量の精製水を用いた。
【0030】 パネルテストに使用した皮膚外用組成物 製造例1の本発明線維芽細胞増殖促進剤 1.0% (又は製造例5の本発明線維芽細胞増殖促進剤 0.1%) グリセリン 5.0% エタノール 5.0% パラオキシ安息香酸エステル 0.2% 精製水 84.8%
【0031】表2より明らかなように、本発明の皮膚外
用組成物は高い有効性を示し、その効果は本発明の線維
芽細胞増殖促進剤に由来するものであることが明らかと
なった。
【0032】
【表2】
【0033】(試験例3)急性毒性試験 絶食させた雌雄各5匹のSprague−Drawle
y CD系ラット、体重は雄205〜222g、雌21
5〜221gで、8〜12週齢を用いた。試験試料は、
製造例1に示した抽出物を使用した。各ラットに投与時
の絶食後の体重に基づいて2000mg/kg一回強制
経口投与した。投与後30分、1時間及び4時間、以後
は1日1回、14日間ラットの死亡あるいは明らかな毒
性徴候を観察した。体重は0日目の投与前、7日及び1
4日目に固体別に記録した。また、試験終了時にラット
は頸部脱臼により屠殺し、肉眼的病理検査を行った。試
験結果として、死亡あるいは毒性の一般症状は認められ
なかった。また、固体別体重は、試験期間を通じて、全
てのラットに予想された体重増加を示した。剖検時に異
常は認められなかった。これらにより、Sprague
−DrawleyCD系ラットにおける急性経口50%
致死率(LD50)は、2000mg/kg体重より大
きいことが確認された。これにより、製造例1の線維芽
細胞増殖促進剤は、安全性に優れていることが明白であ
る。
【0034】(試験例4)皮膚安全性試験 製造例1に示した抽出物を試験溶液として用いた。皮膚
一次刺激性試験は、ニュージーランドホワイト種ウサギ
3匹を用いて行った結果、皮膚一次刺激指数は0.0で
あった。連続皮膚刺激性試験は、雌雄各3匹の白色Du
nkin Hartley系モルモットを用いて、14
日間連続反復投与した結果、最大週別平均刺激指数は
0.0となり無刺激と判定された。眼刺激性試験は、ニ
ュージーランドホワイト種ウサギ3匹の眼について行
い、最大群平均評点は0.0で非刺激性と判定された。
皮膚感作性試験は、白色モルモットを使用したAdju
vant/Patch法にて、試験動物、対照動物各1
0匹によって行い、発現率0/10で感作性の無いもの
であることが確認された。光毒性及び光感作性試験は、
Dunkin Hartley系モルモット雌各5匹を
使用して行なったところ、光毒性及び光感作性の徴候を
引き起こさなかった。これらの皮膚安全性の結果から、
製造例1の線維芽細胞増殖促進剤は、皮膚安全性のうえ
で、非常に安全性の高いものであることが明白である。
【0035】(試験例5)パッチテスト 20歳〜51歳(平均年齢25.2歳)までの男性30
名、女性30名からなる健常人60名のボランティアを
用いた。被験物質は、先の製造例1の抽出物及びパネル
テストで使用した皮膚外用組成物を用い、対照として生
理食塩水を使用した。試験は、24時間閉塞塗布試験を
行った。人体貼付試験用フィンチャンバー(直径11m
m、大正製薬)を使用し、被験物質をそれぞれ0.1m
L塗布した後、直ちに被験者の背部に貼付し、24時間
放置した。そして24時間後にフィンチャンバーを除去
して、30分後及び翌日(48時間後)に判定基準に従
って皮膚反応を観察した。
【0036】判定基準は、本邦パッチテスト研究会の判
定基準に従った。 無反応 ・・・・・ (−) 僅かな紅斑 ・・・・・ (±) 明らかな紅斑 ・・・・・ (+) 紅斑+腫脹 ・・・・・ (++) 紅斑+腫脹+丘疹または小水泡 ・・・・・ (+++) 大水泡 ・・・・・ (++++)
【0037】試験結果を表3に示す。陽性反応(+以
上)を示した例は認められなかった。なお、僅かな紅斑
(±)を生じた例は各検体群において、生理食塩水使用
例とほぼ同程度の頻度であった。従って、皮膚刺激性は
低いものと考えられ、皮膚外用剤に配合するにあたって
その安全性の面で問題のないものであることが明らかと
なった。
【0038】
【表3】
【0039】(実施例1)クリーム 下記の成分(1)〜(10)、これとは別に下記成分
(11)〜(15)を75℃に加温溶解しそれぞれA液
及びB液とする。A液にB液を加えて乳化し、攪拌しな
がら50℃まで冷却し、成分(16)を加え、クリーム
を調製した。 (成分) (重量%) (1)ホホバ油 3.0% (2)スクワラン 2.0% (3)メチルポリシロキサン 0.5% (4)ステアリルアルコール 0.5% (5)セチルアルコール 0.5% (6)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 12.5% (7)モノステアリン酸グリセリル 5.0% (8)モノステアリン酸ジグリセリル 1.5% (9)モノステアリン酸デカグリセリル 3.0% (10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1% (11)キサンタンガム 0.1% (12)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例1) 1.0% (13)1,3−ブチレングリコール 2.5% (14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (15)精製水 67.5% (16)香料 0.1%
【0040】(実施例2)化粧水 下記成分(5)〜(8)を混合溶解させてA液とし、こ
れとは別に下記成分(1)〜(4)及び(9)を混合溶
解させて(B)液とし、A液とB液を均一に混合し、化
粧水を得た。 (成分) (重量%) (1)マルメロ種子エキス 8.0% (2)グリセリン 3.0% (3)1,3−ブチレングリコール 5.0% (4)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例4) 2.0% (5)ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル 1.2% (6)エチルアルコール 5.0% (7)防腐剤 0.2% (8)香料 0.1% (9)精製水 75.5%
【0041】(実施例3)乳液 下記成分(1)〜(10)、これとは別に下記成分(1
1)〜(14)及び(16)を75℃で加熱溶解させて
それぞれA液及びB液とし、A液にB液を加えて乳化
し、攪拌しながら50℃まで冷却し、成分(15)を加
え、乳液を調製した。 (成分) (重量%) (1)ホホバ油 1.0% (2)スクワラン 2.0% (3)ベヘニルアルコール 1.0% (4)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 2.0% (5)テトラグリセリン縮合リシノレイン酸 0.1% (6)モノオレイン酸プロピレングリコール 0.5% (7)モノステアリン酸グリセリル 1.0% (8)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 1.0% (9)モノミリスチン酸デカグリセリル 0.5% (10)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1% (11)マルメロ種子エキス 5.0% (12)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例2) 0.1% (13)1,3−ブチレングリコール 3.0% (14)パラオキシ安息香酸メチル 0.1% (15)香料 0.1% (16)精製水 82.5%
【0042】(実施例4)クレンジングジェル 下記成分(1)〜(3)、これとは別に下記成分(4)
〜(6)及び(8)を70℃に加熱溶解させてそれぞれ
A液及びB液とし、A液にB液を加えて均一になるまで
攪拌する。攪拌しながら、50℃まで冷却し、成分
(7)を加えてクレンジングジェルを調製した。 (成分) (重量%) (1)モノミリスチン酸ヘキサグリセリル 20.0% (2)流動パラフィン 59.7% (3)パラオキシ安息香酸エステル 0.3% (4)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例3) 1.0% (5)濃グリセリン 5.0% (6)ソルビトール 5.0% (7)香料 0.1% (8)精製水 8.9%
【0043】(実施例5)パック剤 下記成分(1)〜(4)及び(9)を70℃に加熱溶解
しA液とし、(6)〜(8)を混合してB液とする。B
液をA液に混合した後、冷却し(5)を均一に分散して
パックを調製した。 (成分) (重量%) (1)ポリビニルアルコール 20.0% (2)グリセリン 5.0% (3)カオリン 6.0% (4)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例1) 1.0% (5)塩化ベンザルコニウム 20.0% (6)エタノール 20.0% (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (8)香料 0.1% (9)精製水 27.7%
【0044】(実施例6)シャンプー 下記成分(1)〜(5)及び(13)を70℃に加熱混
合し均一にした後、(6)〜(12)を添加して均一に
混合し、シャンプーを調製した。 (成分) (重量%) (1)N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノール 25.0% (2)ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0% (3)ミリスチン酸カリウム 5.0% (4)ジステアリン酸エチレングリコール 2.0% (5)ポリエチレングリコール400 15.0% (6)シリコン油 1.0% (7)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例1) 1.0% (8)クロルキシレノール 0.1% (9)ビタミンE 0.1% (10)オリーブ葉エキス 2.0% (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.2% (12)香料 0.3% (13)精製水 43.3%
【0045】(実施例6)浴用剤 下記成分を均一に混合し浴用剤を調製した。 (成分) (重量%) (1)乾燥硫酸ナトリウム 40.0% (2)炭酸水素ナトリウム 57.3% (3)香料 2.0% (4)軽質無水ケイ酸 0.3% (5)本発明線維芽細胞増殖促進剤(製造例2) 0.2% (6)黄色202号の(1) 0.2%
【0046】
【発明の効果】本発明のウチワサボテン属植物抽出物又
は/及びウチワサボテン属植物圧搾汁が、高いヒト由来
正常線維芽細胞増殖促進作用を有することは明らかであ
り、各種安全性試験の結果より高い安全性が認められ
た。また、パネルテストから配合した皮膚外用剤は、皮
膚の潤いを保ち肌荒を防ぎ、肌のきめを保ち、皺を防
ぎ、皮膚の老化防止に対して有効であり、あらゆる形態
の皮膚外用剤への応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA111 AA121 AA122 AB172 AB312 AB352 AB442 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC172 AC242 AC392 AC422 AC442 AC482 AC642 AC662 AC692 AC842 AD042 AD112 AD152 AD352 AD662 CC02 CC04 CC05 CC07 CC23 CC25 CC38 DD23 DD31 DD41 FF01 FF05 4C088 AB12 AC04 AC05 AC11 BA08 CA02 CA03 MA63 NA14 ZA89 ZB22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウチワサボテン属植物抽出物又は/及びウ
    チワサボテン属植物圧搾汁を含有することを特徴とする
    線維芽細胞増殖促進剤。
  2. 【請求項2】ウチワサボテン属植物がOpuntia
    streptacantha Lemaireである請
    求項1の線維芽細胞増殖促進剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の線維芽細胞増殖促進剤を配
    合することを特徴とする皮膚外用剤及び浴用剤。
  4. 【請求項4】請求項2記載の線維芽細胞増殖促進剤を配
    合することを特徴とする皮膚外用剤及び浴用剤。
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