JP2002022006A - 作業車の走行制御装置 - Google Patents

作業車の走行制御装置

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JP2002022006A
JP2002022006A JP2000209641A JP2000209641A JP2002022006A JP 2002022006 A JP2002022006 A JP 2002022006A JP 2000209641 A JP2000209641 A JP 2000209641A JP 2000209641 A JP2000209641 A JP 2000209641A JP 2002022006 A JP2002022006 A JP 2002022006A
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Kazuhiko Yano
和彦 矢野
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マニュアル操作具による速度制御と、エンジ
ン回転数の変化に対応させた自動変速制御とを、任意に
切り換えることができる走行制御装置を提供する。 【解決手段】 エンジンからの動力を受ける油圧ポンプ
11と、該油圧ポンプ11から吐出される圧油を受けて
駆動される油圧モータ21とからなり、少なくとも油圧
ポンプ11は容積制御手段13を有する可変容積型に構
成されている、走行用HST8と、マニュアル操作具2
7と、エンジンの回転数の変化に応じて作動するように
構成したアクチュエータ173・174と、前記マニュ
アル操作具27と前記アクチュエータ173・174の
いずれか一方を択一的に前記容積制御手段13に連動連
結させる、モード切換手段36と、を備えるように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車に備えられ
る走行制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両のエンジン出力軸から車
軸へ至る駆動伝達経路上に走行用の静油圧式無段変速装
置(以下「HST」と称する。)を設けて、該HSTは
エンジンの出力回転数を検出するセンシング手段を備え
たものとし、該エンジンの回転数の増大に伴って自動的
に小減速比側へシフトさせ、回転数の減少に応じて自動
的に大減速比側にシフトさせるように制御させるように
した走行制御装置は公知とされている。この構成は、エ
ンジン回転数が大のときは増速側にシフトしてエンジン
の能力を効率よく発揮させ、エンジン回転数が小のとき
は減速側にシフトしてエンジンを過負荷から自動的に保
護できる点で、有用なものとされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、作業車の用途
・目的等によっては、上述のようなエンジン回転数に応
じた変速制御を常時行わせることが、かえって不都合で
ある場合もある。
【0004】例えば、上記制御を行う走行制御装置をモ
アトラクタに適用した場合については、以下の不具合が
生じるのである。即ち、作業場への移動等のためにモア
トラクタに路面上を走行させる場合は、エンジンの能力
を効率よく発揮させるとともに過負荷から保護するため
に、エンジン回転数に応じて変速させる前述のような制
御が有効である。一方、該モアトラクタに芝刈り作業を
行わせる場合においては、エンジン回転数の変動の範囲
は小さく、エンジンの過負荷のおそれはきわめて低い。
むしろ芝刈り作業においては、マニュアル操作具(変速
ペダルや変速レバー)等で設定される車速がそのまま維
持されることが望ましく、芝刈り時にエンジン回転数の
変動に応じて車速が変更されると、刈取り高さが不均一
となり、仕上がりの見栄えが悪くなる原因となってしま
うのである。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてされたものであ
り、その目的は、マニュアル操作具による速度制御と、
エンジン回転数の変化に対応させた自動変速制御とを、
任意に切り換えることができる走行制御装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0007】即ち、請求項1においては、エンジンか
らの動力を受ける油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出
される圧油を受けて駆動される油圧モータとからなり、
少なくとも油圧ポンプは容積制御手段を有する可変容積
型に構成されている、走行用HSTと、マニュアル操
作具と、前記エンジンの回転数の変化に応じて作動す
るように構成したアクチュエータと、前記マニュアル
操作具と前記アクチュエータのうちいずれか一方を択一
的に前記容積制御手段に連動連結させる、モード切換手
段と、を備えるものである。
【0008】請求項2においては、請求項1記載の作業
車の走行制御装置において、前記エンジンにより駆動さ
れるポンプに接続される回路に絞りを設け、該絞りの前
後に生じる差圧により前記アクチュエータが駆動される
ように構成したものである。
【0009】請求項3においては、請求項1記載の作業
車の走行制御装置において、前記油圧モータを、その容
積が固定される容積固定状態と、その容積がエンジンに
作用する負荷に応じて変更される容積可変状態とに、切
換自在に構成するとともに、前記モード切換手段が、前
記マニュアル操作具を前記容積制御操作具に連動連結さ
せたときには前記固定容積状態に、前記アクチュエータ
を前記容積制御操作具に連動連結させたときには前記可
変容積状態に、それぞれ切り換えられるように連動連係
してあるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。本発明の走行制御装置を備える作業車は、エンジン
から車軸に至る駆動伝達構成を図1に示す如く、具体的
構成を図2から図4までに示す車軸駆動装置に、該走行
制御装置によって制御される、油圧ポンプや油圧モータ
等を配置するものである。
【0011】〔車軸駆動装置の構成〕最初に、車軸駆動
装置について説明する。図1は本発明の走行制御装置を
備える車両の動力伝達構成を示したスケルトン図、図2
は車両に備えられる車軸駆動装置の構成を示した平面図
一部断面図である。図3は図2におけるA−A断面矢視
図、図4は図2におけるB−B断面矢視図である。
【0012】図1に動力伝達構成を示す車軸駆動装置1
は、図3・図4に示すようにそのハウジング9を、上部
ハウジング9tと下部ハウジング9bとを互いにその周
囲の水平で平坦な接合面で接合させて構成してある。こ
の接合面には後述のモータ軸22の軸受部が設けられて
おり、車軸50L・50Rを回転自在に支持する軸受部
は上記接合面より上方へ偏位して上部ハウジング9t内
に配置させてある(図3)。図1・図2に示すように、
両車軸50L・50Rの内端側は差動機構40にて差動
的に結合される一方、外端側はハウジング9の左右外側
壁からそれぞれ外方へ延出させている。
【0013】ハウジング9の内部は図2に示すように、
該ハウジング9に一体的に形成された隔壁9iによって
第一の部屋R1と第二の部屋R2とに区画される。第一
の部屋R1には走行用の静油圧式無段変速装置(本明細
書において「HST」と称す。)8が収納され、第二の
部屋R2には、モータ軸22から差動機構40へ動力を
伝達する歯車列からなるドライブトレーン30や、差動
機構40及び車軸50L・50Rを収納させている。上
記隔壁9iは図2に示すように、平面視で車軸50L・
50Rに平行な長手部分と、該長手部に対して平面視略
垂直に延伸する垂直部分とからなり、この両部分は連続
的に設けられて、第一の部屋R1と平面視「L」字状の
第二の部屋R2とが互いに隣接して配置される構成とし
ている。
【0014】前記第一の部屋R1及び第二の部屋R2に
は油溜まりを形成して共通の潤滑油を充填し、該潤滑油
は上記HST8の作動油としての役割も兼ねるようにし
ている。二つの部屋R1・R2を仕切る隔壁9iには油
フィルタ81が配置され(図2・図3)、第一の部屋R
1と第二の部屋R2とが該油フィルタ81を介して流通
できるようにしている。また、ハウジング9の適宜位置
に油流通ポートを設け(図外)、ゴムホース等で構成さ
れる図略のパイピングを介して外部リザーバタンク(図
外)を接続しており、HST8の駆動により油温が上昇
して部屋R1及び部屋R2内の作動油の体積が増加して
も、該増加分をリザーバタンクに流すことにより油量を
調整できるようにしている。
【0015】上記第一の部屋R1は図2に示す如く、ハ
ウジング9内にて、一側の車軸50Rの前方で、かつ、
モータ軸22から差動機構40へ動力を伝達するドライ
ブトレーン30の側方に配置される。
【0016】〔・HST〕次に、上記第一の部屋に配置
されるHST8を説明する。該第一の部屋R1内には、
HST8のセンタセクション10が分離自在に取り付け
られる。該センタセクション10は図2に示すように、
その長手方向が車軸50L・50Rに対して平面視で垂
直な向きとなるよう配設され、その前部には鉛直面(車
軸50L・50Rに対して垂直な面)を形成し、該鉛直
面をモータ付設面10mとしてここに油圧モータ21を
配設している。一方、センタセクション10の後部には
水平面を形成し、該水平面をポンプ付設面10pとして
ここに油圧ポンプ11を配設している。上記ポンプ付設
面10pの中央にはポンプ軸12が鉛直に支持されてい
る。
【0017】上記油圧ポンプ11について、図2・図3
を参照して説明する。即ち、センタセクション10の前
記ポンプ付設面10p上にはシリンダブロック14が回
転摺動自在に配置され、該シリンダブロック14には複
数のシリンダ孔が形設され、それぞれの該シリンダ孔に
は付勢バネを介してピストン15・15・・・が往復動
自在に嵌合されている。該ピストン15・15・・・の
頭部には容積制御手段としての可動斜板13を当接させ
ている。尚、本明細書において「ポンプ斜板」とは、こ
の油圧ポンプ11に備えられる可動斜板13を意味す
る。上記ポンプ軸12は入力軸を兼ねたものであって上
記シリンダブロック14の回転軸心に沿って鉛直に配置
され、該シリンダブロック14にスプライン嵌合されて
相対回転不能とされている。図4に示すように、ポンプ
軸12の上端は上部ハウジング9tの上壁から上方へ突
出して、該突出部分には入力プーリ6を固定し、更に冷
却ファン7を取り付けている。該入力プーリ6には図1
に示すように、エンジン2の出力軸3の動力が、出力プ
ーリ4・ベルト5を介して入力される。この構成によ
り、前記ポンプ斜板13のピストン接当面を油圧ポンプ
11の回転軸心に対して垂直な面(水平面)から任意角
だけ傾動操作することで、油圧ポンプ11からの油の吐
出量及び吐出方向を変更することができ、この吐出され
た圧油は、センタセクション10に穿設された後述の作
動油循環回路(111・112)を介して、後述の油圧
モータ21に送油される。
【0018】上記ポンプ斜板13はトラニオン型の可動
斜板としており、その両端は下方に湾曲されてそれぞれ
の先端にトラニオン軸60・60を同心させて設けて、
一方は上記隔壁9iに支持し、他方は、ハウジング9側
壁に取り付けたサイドカバーに支持されながら貫通させ
て外部に延出させ(図2)、該延出部分にはコントロー
ルアーム61の基端が固定される。該コントロールアー
ム61は後述する選択機構100aに連係される(図
1)。
【0019】上記ポンプ斜板13には図2に示すように
中立復帰アーム13aを一体的に凸状に形設しており、
その先端には係合ピン67が突設される。一方、ハウジ
ング9内のトラニオン軸60上にはねじりコイルバネで
ある中立戻しバネ69を外嵌し、該中立戻しバネ69の
両端は交差させながら上述の中立復帰アーム13aの方
向に延出しており、上部ハウジング9tの内壁に設けた
偏心軸66と上記係合ピン67とを、該延出部分の端部
にて挟み込んである。上記の構成により、前記コントロ
ールアーム61が回動操作されたときは、上記中立戻し
バネ69はその一端側が係合ピン67によって拡開され
る一方、他端側は偏心軸66によって止められるので、
コントロールアーム61に中立復帰の付勢力が付与され
る。従って、コントロールアーム61への操作力が解除
されると、この中立戻しバネ69の復元力により、係合
ピン67はその位置を上記偏心軸66によって規定され
る中立位置に復帰され保持される。上記偏心軸66のハ
ウジング外に延出した部分は調整ネジに構成され、この
ネジ部分を介して該偏心軸66を任意に回動変位するこ
とによって、ポンプ斜板13の中立位置を調整すること
ができる。
【0020】次に、油圧モータ21の構成を説明する。
図2に示すようにセンタセクション10の上記モータ付
設面10mには、シリンダブロック24がその回転軸心
を車軸50L・50Rと平行な方向に向けて回転摺動自
在に設置される。該シリンダブロック24には複数のシ
リンダ孔が穿設され、それぞれの該シリンダ孔内には付
勢バネを介して複数のピストン25が往復動自在に嵌合
されている。上部ハウジング9tと下部ハウジング9b
との間には可動斜板23が配置されており、上記ピスト
ン25の頭部は該可動斜板23に接当している。尚、本
明細書において「モータ斜板」とは、この油圧モータ2
1に備えられる可動斜板23を意味する。そして、シリ
ンダブロック24の回転軸心上にモータ軸22を相対回
転不能にスプライン嵌合して、該モータ軸22は左右水
平方向(車軸50L・50Rに平行な方向)に支持させ
ている。このようにして、ピストン25・25・・・の
向きがモータ軸22と平行に構成される、アキシャルピ
ストン式の可変容積型油圧モータを構成している。
【0021】前記モータ斜板23の背面は、図4に示す
如く凸状の円弧面に形成しており、この凸状の円弧面を
密着させて摺動可能に支持するためのサポート部109
を、上下のハウジング半部9t・9bの間に挟着して設
けている。このサポート部109にはモータ斜板23の
上記凸状円弧面に合致する凹状円弧面109aを形成し
ており、モータ斜板23はその凸状円弧面を凹状円弧面
109aに対して密着摺動させることにより、案内され
ながら傾動するように構成している。
【0022】モータ斜板23はまた、その下縁の略中央
部分を図3・図4に示す如く下方に延出させて操作アー
ム23aを形成している。そして、センタセクション1
0の前記油圧モータ21を付設する側に位置する略半部
の下部には、後述するモータ斜板制御機構100bが配
設されている。該モータ斜板制御機構100bは前記モ
ータ斜板23を傾動するためのものであり、後述のチャ
ージポンプ16からの圧油を受けてモータ斜板23の前
記操作アーム23aを押動するピストン35と、該モー
タ斜板23を前記ピストン35に抗して押し戻すための
付勢力を加える戻しピストン88と、前記ピストン35
への圧油の供給・停止を切り換えるためのバルブ等によ
りなる。このモータ斜板制御機構100bの詳細な構成
については後述する。
【0023】次に、上述のセンタセクション10内部に
形設された作動油循環回路111・112の構成につい
て説明する。即ち、上記センタセクション10のポンプ
付設面10pに第一及び第二の弓形ポートが一対で設け
られ(図外)、モータ付設面10mにも第一の弓形ポー
ト95及び第二の弓形ポート96が一対で設けられる
(図3)。また図3に示すように、該センタセクション
10内にはその長手方向に沿うようにして、上下二本の
油路(第一油路91・第二油路92)が平行に穿設され
る。そして、ポンプ付設面10pの第一の弓形ポートと
モータ付設面10mの第一の弓形ポート95とが、上記
第一油路91、及び、センタセクション10に斜状に穿
設されて該第一油路91に接続された連絡油路90を介
して連通され、ポンプ付設面10pの第二の弓形ポート
とモータ付設面10mの第二の弓形ポート96とが、上
記第二油路92を介して連通される。
【0024】上述の構成により、上記第一油路91及び
連絡油路90をもって油圧ポンプ11及び油圧モータ2
1を流体的に接続するための第一の回路111とし、上
記第二油路92をもって油圧ポンプ11及び油圧モータ
21を流体的に接続するための第二の回路112として
いる。この二つの回路111・112をもってHST8
の作動油循環回路を構成しているのである。この構成に
より、前記コントロールレバー61が一側に回動操作さ
れると、ポンプ斜板13が傾動して油圧ポンプ11がポ
ンプ作用を行い、第一の回路111側の圧力が高くな
り、第二の回路112側は負圧となって、油圧モータ2
1が前進方向に駆動される。一方、前記コントロールレ
バー61が他側に回動操作されると、ポンプ斜板13の
傾動方向が上記の場合と逆となるので、油圧ポンプ11
のポンプ作用により第二の回路112側の圧力が高くな
り、第一の回路111側は負圧となるので、油圧モータ
21が後進方向に駆動される。そして、この油圧モータ
21の駆動力が後述のドライブトレーン30や差動機構
40を介して車軸50L・50Rに伝達され、車軸50
L・50Rが駆動されることとなる。
【0025】次に、上記作動油循環回路111・112
内において発生する作動油の減少を補償する構成を説明
する。第一油路91及び第二油路92に交差させて縦方
向に延びる共通のチャージ油路93が穿設され(図
3)、該交差する部分には作動油の該チャージ油路93
への逆流を防止するためのチェックバルブ26・26が
それぞれ配設される。このチャージ油路93の下端(開
口端)にはチャージポートが形成されてセンタセクショ
ン10の下面に開口し、該チャージポートに、後述する
チャージポンプ16が吐出する油のうち、前記モータ斜
板制御機構100bを駆動するために利用された残りの
油が供給されるようにしている。チャージポンプ16は
通例のトコロイドポンプとされ、図3に示すように、セ
ンタセクション10下面にチャージポンプケース16a
を取り付け、該チャージポンプケース16a内に図外の
インナーロータ及びアウターロータを収納し、その吸入
ポートには、ハウジング9の側部に外付けされた、油を
濾過するためのサクションフィルタ17を設けている。
そして、該チャージポンプ16の吐出ポートから吐出さ
れた油は、いったんハウジング9外に出て後述のポンプ
斜板制御機構100c・モータ斜板制御機構100bを
経た後、再びハウジング9内に戻って、チャージポンプ
ケース16aのチャージポートから作動油循環回路11
1・112へ供給される。また、前記チャージポートに
作用するチャージ圧を規定するリリーフバルブ76が、
チャージポンプケース16aに設けられる(図1・図
3)。また、上記油圧ポンプ11のポンプ軸12はセン
タセクション10を貫通しながら下方に延出されて、該
チャージポンプ16のインナーロータ及びアウターロー
タを駆動するように構成し、該ポンプ軸12にチャージ
ポンプ16の駆動軸としての役割をも兼ねさせるように
している。
【0026】チャージ油路93にはフリーホイル防止の
ためのチェック弁19が接続されて設けられ、傾斜地に
おいて車両を停止させた際に油圧モータ21が車軸50
L・50R側から駆動力を受けてポンプ作用を行うこと
による作動油循環回路111・112内の作動油の減少
を、該チェック弁19が負圧で開いてハウジング内の油
を自吸することによって防止している。
【0027】更に、本実施例のモアトラクタを車両の後
端に接続して牽引させる等の場合に、作動油循環回路1
11・112をバイパスさせる構成を説明する。即ち図
4に示すように、カム軸77を鉛直に配置して上部ハウ
ジング9tに回転自在に支持し、該カム軸77の一端は
ハウジング9上方に突出させて、該突出部分にはレバー
78の基端を固設している。また、上記センタセクショ
ン10には、該カム軸77の下部を配置させるための上
下方向の溝97を形設しており、該溝97はモータ付設
面10mに近接させて設けている。上記カム軸77の下
端は一部欠切されてカム部80を形成している。更にセ
ンタセクション10にはモータ軸22と平行に小径の貫
通孔を形設してあり、該貫通孔の一端はモータ付設面1
0mに開口され、他端は上記溝97に開口される。そし
て該貫通孔にはピン79を配置して往復動自在とし、該
ピン79の一端はシリンダブロック24に近接させ、他
端は上記溝97内に突出させて、カム軸77下端の上記
カム部80に近接させている。
【0028】この構成で上記レバー78を回動すること
により、カム軸77が回転されてカム部80がピン79
を押動し、ピン79の先端がモータ付設面10mから突
出してシリンダブロック24を押動し、該シリンダブロ
ック24とモータ付設面10mとを離間させる。これに
より作動油循環回路111・112がハウジングの油溜
まりにバイパスされて、油圧モータ21のモータ軸22
を自由に回転させることができるようにしており、本車
軸駆動装置を備える車両を他の車両の後端に接続して牽
引する等の際には、上記モータ軸22に連動連結される
車軸50L・50Rの回転をフリーとして、牽引抵抗の
発生を防止できるようにしている。
【0029】〔・ドライブトレーン〕次に、上記モータ
軸22から後述する差動機構40へ動力を伝達する、ド
ライブトレーン30について説明する。図4に示すよう
に、上記モータ軸22の一端はセンタセクション10の
モータ付設面10m中央に設けた軸受孔にて支持させて
あり、他側は前記隔壁9iの接合面にて軸受29を介し
て支持させながら、その先端を第二の部屋R2内に突入
させている。上記軸受29はシール付きとして、二つの
部屋R1・R2の油が該軸受29部分を介して相互流通
するのを防止している。そして図2・図4に示すよう
に、モータ軸22の上記第二の部屋R2に突入する部分
には出力ギア31が固定され、更にブレーキディスク3
2が設けられる。そして、該ブレーキディスク32に制
動力を付与することによりモータ軸22を制動するため
のブレーキ装置33が、上記ブレーキディスク32の近
傍位置に配設される。
【0030】上記モータ軸22の後方には、該モータ軸
22と平行に減速軸39が回転自在に支持され、該減速
軸39の外周には幅広状の小径ギア38が刻設される。
更に、該小径ギア38の歯形と合致する中心孔を有する
大径ギア37が、小径ギア38上に嵌着設置されて相対
回転不能とされている。該大径ギア37は上記モータ軸
22上に固定された上述の出力ギア31と噛合させ、小
径ギア38は後述の差動機構40の入力ギア41と噛合
させている。
【0031】〔・差動機構〕差動機構40について、図
1・図2を参照して説明する。同心させて配置させた左
右一対の車軸50L・50Rの内端側にベベルギアであ
るデフサイドギア44・44をそれぞれ相対回転不能に
設け、車軸50L・50Rは更に内方に突き合わせ状に
延出されて、その内端側の突き合わせ部分に上記入力ギ
ア41の中心孔を外嵌して配置し、左右車軸50L・5
0Rに対し回転摺動自在としている。更に入力ギア41
には透孔48が設けられ、該透孔48の内部にピニオン
軸49や、該ピニオン軸49に支持され左右のデフサイ
ドギア44・44に対して噛合されるベベルピニオン4
3・43を配置している。ベベルピニオン43は摩擦体
56を介してピニオン軸49に支持させ、これによりベ
ベルピニオン43に対し所定の制動力が常時発生するよ
うにしており、いわゆるリミテッドスリップデフ機構を
構成している。
【0032】また、この差動機構にはデフロック機構が
配設されており、具体的には、一側の車軸50R上にロ
ック体47を摺動自在に配置し、該ロック体47に設け
られた係止爪47aを上記入力ギア41に開口された係
合孔42に挿入係止し、この係止状態を維持しながらロ
ック体47が車軸50R上を摺動自在となるよう構成し
ている。更に一側のデフサイドギア44には凹部44a
が形成されており、ロック体の上記摺動により該凹部4
4aがロック体47に対し係脱自在となるように構成し
ている。この構成により、オペレータの操作により差動
機構40がロックされて左右の車軸50L・50Rを一
体的に回転させることができる。
【0033】〔エンジン回転数制御機構〕次に、オペレ
ータの操作に基づいてエンジン回転数を変更制御する、
エンジン回転数制御機構200について説明する。図5
は本発明の走行制御装置の構成を示した図である。
【0034】即ち、車両座席の適宜位置にアクセルレバ
ー20の基端が枢支されて傾動自在とされ、該アクセル
レバー20は平板状部分を有するように構成し、該平板
状部分に前記アクセルレバー20の傾動方向に略沿う長
孔20aが形設されて、該長孔20a内にはピン28が
配置され摺動自在とされている。前記ピン28はワイヤ
53を介して、エンジン2のキャブレター130の開度
を調整するためのスロットルアーム134に接続され
る。前記アクセルレバー20にはフリクションロック機
構45が設けられ、オペレータが任意の操作位置にアク
セルレバー20をおいた後操作力を解除しても、当該操
作位置にアクセルレバー20が摩擦的に保持されるよう
にしている。この構成により、アクセルレバー20をア
イドリング位置から傾動すると、長孔20a端部に当接
され押動される前記ピン28がワイヤ53を張引し、ス
ロットルアーム134が張引されてキャブレター130
の開度が増大し、エンジン2の回転数が増大する。
【0035】尚、車両座席の適宜位置には一時加速ペダ
ル46の基端部が枢支され、該基端部に設けられる出力
アーム46aがワイヤ54を介して前記ピン28に接続
されている。前記出力アーム46aには戻しバネ52が
接続され、前記一時加速ペダル46に対し戻し方向の付
勢力を与えている。従って、オペレータが前記付勢力に
抗して該一時加速ペダル46を踏動すると、出力アーム
46aによりワイヤ54を介して張引されるピン28が
長孔20a内を摺動してフリクションロック機構45の
抵抗を受けずにワイヤ53を張引するので、該摺動分だ
け余計にスロットルアーム134が張引されてキャブレ
ターの角度が増大される。この結果、アクセルレバー2
0傾動分に加え一時加速ペダル46踏込み分だけエンジ
ン回転数が増大し、車両が増速されることとなる。
【0036】〔走行制御装置〕次に、本発明の走行制御
装置の構成について説明する。図6は図4の状態からピ
ストンが伸張駆動され、モータ斜板が傾動される様子を
示した図、図7は選択機構の構成を示した斜視図であ
る。図8は走行制御装置の作業モードにおける制御の様
子を示した図、図9は走行制御装置の走行モードにおけ
る制御の様子を示した図、図10は同じく走行モードに
おいてエンジン回転数の増大を検出した場合の制御の様
子を示した図、図11は同じく走行モードにおいてエン
ジン負荷の増大を検出した場合の制御の様子を示した図
である。
【0037】この走行制御装置100は図1や図5に示
すように、前記モード切換レバー36の操作位置や前記
エンジン2の負荷に応じて前記モータ斜板23を傾動制
御する、モータ斜板制御機構100bと、前述のエンジ
ン回転数の上昇/下降の情報を機械的な信号として取り
出して前記ポンプ斜板13を制御する、ポンプ斜板制御
機構100cと、該ポンプ斜板制御機構100cの操作
量の信号及び変速ペダル27の操作量の信号を入力さ
せ、前記モード切換レバー36によって選択されるいず
れか一方の信号に基づき前記ポンプ斜板13を傾動制御
する、選択機構100aとによりなる。
【0038】〔・モータ斜板制御機構〕まず、モータ斜
板制御機構100bの構成を説明する。このモータ斜板
制御機構100bは、前記モータ斜板23を押動して傾
動させるためのピストン35及び戻しピストン88と、
該ピストン35に油圧を供給するための回路によりな
る。
【0039】まず、前記ピストン35、及び戻しピスト
ン88の構成を説明する。即ち図3・図4に示すよう
に、センタセクション10の油圧モータ21付設側略半
部の下面には、凸状に延出させた第一の延出部10aを
設け、該第一の延出部10aには油圧モータ21のモー
タ軸22の長手方向に沿わせて延出させる第二の延出部
10bを設け、該第二の延出部10bの先端は上記モー
タ斜板23近傍に位置させている。この第二の延出部1
0bの内部にはシリンダ室106が穿設され、該シリン
ダ室106は上記第二の延出部10b先端に開口され、
該開口部分にピストン35が嵌合されている。このピス
トン35は、筒状の摺動部121と、該摺動部121の
先端に球体を介して揺動可能に連結した押圧部122に
よりなる。該押圧部122には後述する操作アーム23
aを押動するための押圧面が形成されている。
【0040】シリンダ室106の開口端側は、その内径
を上記筒状の摺動部121の外径に一致させて、シリン
ダ室106内で該摺動部121が油密状態を保ちつつ往
復摺動できるようにしている。また、該シリンダ室10
6内には段部106aが設けられて、ピストン35が一
定の距離だけ縮退されると前記摺動部121の端面が図
4に示す如く該段部106aに当接して、それ以上はピ
ストン35が縮退されないようにして、モータ斜板23
の最小傾斜位置(傾斜角の最小値)を規定している。一
方、上記モータ斜板23には上述の如く操作アーム23
aを形成しており、該操作アーム23aは上記ピストン
35の押圧面に接触させている。
【0041】操作アーム23aの上記ピストン35を設
けた反対側には、戻しピストン88が配設される。具体
的には、モータ斜板23を支持する前記サポート部10
9にピストン支持孔125を形設し、該ピストン支持孔
125に戻しバネ84を介して、該戻しピストン88が
往復摺動自在に嵌合されている。この戻しピストン88
は上記ピストン35と似た形状としており、筒状の摺動
部85と、該摺動部85の先端に球体を介して揺動可能
に連結した押圧部86を有している。該押圧部86には
押圧面が形成されて、該押圧面を上記操作アーム23a
に接触させている。該ピストン支持孔125はハウジン
グ9を貫通させて、該ハウジング9の側壁に開口端を形
成してあり、該開口端には調節ネジ87を螺設し、該調
節ネジ87はピストン支持孔125の長手方向に進退自
在とし、戻しバネ84の一端をその先端に当接させてい
る。この結果、この調節ネジ87を回動することで、上
記戻しバネ84の弾発力を調整することができる。上記
ピストン支持孔125には段部125aが設けられて、
戻しピストン88が設定距離だけ縮退されると図6に示
す如く摺動部85の端部が該段部125aに当接して、
それ以上は戻しピストン88が縮退されないようにして
おり、モータ斜板23の最大傾斜位置(傾斜角度の最大
値)を規定している。
【0042】この構成において、シリンダ室106内の
圧力に応じてモータ斜板23を傾動させる作用を説明す
る。即ち、シリンダ室106内の圧力がゼロであるとき
は、上記戻しピストン88が操作アーム23aを押動す
るとともにピストン35を縮退させる。ピストン35は
その端部を段部106aに当接された、図4に示す如き
状態となり、このときにモータ斜板23の傾動角は最小
(即ち、小容積状態)となる。この状態からシリンダ室
106内の圧力が増加して、前記戻しバネ84によって
規定される値を上回ると、該ピストン35は前記戻しピ
ストン88に抗して突出方向に駆動され、操作アーム2
3aを押動することとなってモータ斜板23が傾動さ
れ、戻しピストン88が前記段部125aに当接し、そ
れ以上ピストン35を伸張できない図6に示す状態とな
り、このときにモータ斜板23の傾動角は最大(即ち、
大容積状態)となる。以上の構成とシリンダ室106内
へ圧油を供給/ドレンする後述の回路によって、モータ
斜板23は、傾動角が最小(A1)である図4に示す状
態と、傾動角が最大(A2)である図6に示す状態のい
ずれかとなるよう、その傾動姿勢が二段階に制御される
こととなる。
【0043】次に、上記のシリンダ室106に圧油を供
給するための回路を説明する。図5に示すように、セン
タセクション10内部の適宜位置にピストン駆動油路1
40が形設され、チャージポンプ16から吐出された油
が図外の経路を介して該ピストン駆動油路140まで導
かれる(図5)。該ピストン駆動油路140には二位置
切換型の二つのバルブ、即ちモータ斜板駆動弁131及
びモータ斜板可変/固定切換弁132が接続され、ま
た、該ピストン駆動油路140の油圧を規定するための
リリーフバルブ104が接続されて設けられる。
【0044】前記モータ斜板駆動弁131はA・B・C
の三つのポートを有し、ポートAは前記ピストン駆動油
路140に連通し、ポートBはドレンポートとし、ポー
トCはエンジン2の負荷に応じてモータ斜板23を傾動
させるための油路135に連通している。そして、この
モータ斜板駆動弁131を切り換えるために、上記HS
T8の作動油循環回路を構成する二つの回路111・1
12の間にシャトルバルブ141が介設され、該シャト
ルバルブ141の出力を前記モータ斜板駆動弁131の
パイロット回路145に接続させている。従って、車両
の前進時には第一の回路111が、後進時には第二の回
路112が、それぞれ高圧となるが、いずれの場合でも
その高圧側の回路の圧油が該パイロット回路145に導
かれるようになっている。
【0045】そして、該パイロット回路145の油圧力
がモータ斜板駆動弁131に取り付けられる付勢バネ1
33のバネ力を越えないときは、ポートAがブロックさ
れるとともに、ポートBとポートCとが連通されて前記
油路135内の圧油がドレンされる。一方、該パイロッ
ト回路145の油圧力が付勢バネ133のバネ力を上回
ると、モータ斜板駆動弁131が切り換わって前記ポー
トAがポートCと連通されて、前記油路135にチャー
ジポンプ16からの圧油が供給されることとなる。
【0046】また、前記モータ斜板可変/固定切換弁1
32もA・B・Cの三つのポートを有し、ポートAは前
記ピストン駆動油路140に、ポートBは前記油路13
5に連通させる。そして、ポートCを、適宜の経路を介
して、前記ピストン35を収容するシリンダ室106に
連通させている。該モータ斜板可変/固定切換弁132
はマニュアルバルブとされて、運転席の適宜位置に設け
られたモード切換レバー36の切換操作により該モータ
斜板可変/固定切換弁132が切り換わることとなるよ
う、該モード切換レバー36とリンクやワイヤ機構を介
して連係させている。該モード切換レバー36は二つの
操作位置、即ち「作業モード」位置m1及び「走行モー
ド」位置m2を有し、この二つの操作位置を任意に切換
自在としている。
【0047】このモータ斜板可変/固定切換弁132の
作用を説明する。即ち、前記モード切換レバー36が
「作業モード」位置m1にあるときは、図8に示す如く
前記モータ斜板可変/固定切換弁132はポートAとポ
ートCとを連通させて、前記シリンダ室106内の圧力
をピストン駆動油路140の圧力と等しくするととも
に、前記ポートCをブロックして前記油路135を閉鎖
する。従って、ピストン駆動油路140内の圧油がシリ
ンダ室106に供給され、ピストン35は限度まで伸張
駆動されて、図6に示す如くモータ斜板23を最大傾動
角A2まで傾動させて固定し、油圧モータ21は大容積
状態で固定される(容積固定状態)。一方、前記モード
切換レバー36が「走行モード」位置m2にあるとき
は、図9に示す如く前記モータ斜板可変/固定切換弁1
32は前記ポートAをブロックしてチャージポンプ16
からの圧油の供給を停止する一方、ポートBとポートC
とを連通させて、前記シリンダ室106内の圧力を前記
油路135の圧力と等しくする。従ってこの場合は、前
記モータ斜板駆動弁131の切り換わりによってシリン
ダ室106の圧油の供給/ドレンが行われ、ピストン3
5が縮退駆動される。従って、モータ斜板23は最小傾
動角A1又は最大傾動角A2のいずれか二段階に制御さ
れ、油圧モータ21の容積は二段階に変更可能な状態と
なる(容積可変状態)。
【0048】〔・ポンプ斜板制御機構〕次に、ポンプ斜
板制御機構100cの構成を説明する。図5に示すよう
にチャージポンプ16から前記ピストン駆動油路140
に至る経路の中途に絞り170が設けられ、該絞り17
0を挟んだ前後位置からそれぞれ油路171・172が
引き出される。また、アクチュエータである二つの復動
シリンダ、即ち前進側シリンダ173及び後進側シリン
ダ174が設置される。そして、前記二つの油路のうち
第一の油路171は分岐されて、前記二つのシリンダ1
73・174のそれぞれの一端側に接続され、第二の油
路172も分岐されて、前記二つのシリンダ173・1
74のそれぞれの他端側に接続される。前記油路171
・172と二つのシリンダ173・174とを繋ぐ経路
の間には前後進切換弁175が設けられる。この前後進
切換弁175はマニュアルバルブとされ、機体の前後進
を切り換える前後進切換レバー34に連係されている。
該前後進切換レバー34は符号F・Rで示すように「前
進」「後進」の二つの操作位置を有しており、ポンプ斜
板13と図外のリンク機構により連係されて、前後進切
換レバー34が切り換えられると該ポンプ斜板13が中
立位置を挟んで反対側に傾動されるようにしている。該
前後進切換弁175は、前記二つのシリンダ173・1
74に対応させて二つの弁体175a・175bを有し
ている。該二つの弁体175a・175bは連動して切
り換えられ、前記前後進切換レバー34を「前進」位置
Fにおくと、一側の弁体175aは前記油路171・1
72を前進側シリンダ173の両端に接続し、他側の弁
体175bは前記油路171・172から分岐された経
路をブロックするとともに、後進側シリンダ174の圧
油をドレンさせる。一方、前後進切換レバー34を「後
進」位置Rにおくと、一側の弁体175aは前記油路1
71・172から分岐された経路をブロックするととも
に後進側シリンダ174の圧油をドレンさせ、他側の弁
体175bは前記油路171・172を前進側シリンダ
173の両端に接続するようになっている。そして、該
ポンプ斜板制御機構100cの出力側を構成するリンク
部材180が車両の適宜位置に設けられ、傾動自在とさ
れている。該リンク部材180は、その傾動中心から互
いに離れる向きに植設された二本の入力アーム180a
・180bと、出力アーム180cとを有している。一
側の入力アーム180aは前進側シリンダ173のシリ
ンダロッドに、他側の入力アーム180bは後進側シリ
ンダ174のシリンダロッドに、それぞれ枢結されてい
る。また、前記出力アーム180cは、後述する選択機
構の入力アームに連結される。
【0049】以上の構成としたポンプ斜板制御機構10
0cの作用を説明する。即ち、前記ピストン駆動油路1
40に向け圧油を吐出するチャージポンプ16は、前述
のとおり前記エンジン2の出力軸3と連動連結されてい
るため、エンジン2の出力回転数が増加するとチャージ
ポンプ16の駆動軸(本実施例ではHST油圧ポンプ1
1のポンプ軸12)の回転数が増加して吐出量が増加
し、逆にエンジン2の出力回転数が減少すると吐出量が
減少する関係にある。従って、エンジン2の出力回転数
に変化が生じると、チャージポンプ16の吐出量が変化
して、ピストン駆動油路とチャージポンプ16とを繋ぐ
経路の中途に設けてある絞り170により、該絞り17
0の前後に差圧が発生する。二つの油路171・172
により取り出された該差圧は、前後進切換レバー34が
「前進」位置Fにあれば前進側シリンダ173に入力さ
れ、該前進側シリンダ173を駆動してリンク部材18
0を一側に傾動する一方、前後進切換レバー34が「後
進」位置Rにあれば前記差圧は後進側シリンダ174に
入力され、該後進側シリンダ174を駆動してリンク部
材180を他側に傾動する。ここで前記差圧は、エンジ
ン2の出力回転数の変化の度合いに応じた大きさを有
し、また、二つの油路171・172の圧力の大小は、
出力回転数が上昇する場合と下降する場合とで、逆とな
る関係にある。従って前記二つのシリンダ173・17
4は、前記出力回転数の変化の方向(上昇/下降)に応
じた方向に、かつ、その変化量に応じた量だけ駆動さ
れ、リンク部材180もそれに応じた方向及び角度だけ
傾動されるのである。
【0050】〔・選択機構〕前記選択機構100aを説
明する。即ち図5に示すように、該選択機構100aの
一方の入力部には、マニュアル操作具としての変速ペダ
ル27が連結され、他方の入力部には、前記ポンプ斜板
制御機構100cの出力側を構成する、リンク部材18
0の出力アーム180cが連結されている。前記変速ペ
ダル27は車両のマニュアル操作具を構成するものであ
って、前部と後部にそれぞれ踏面部を有するシーソー式
としており、その中途部を枢支して、前側を踏むと前進
し、後側を踏むと後進できるようにし、また、その踏込
み量に応じて増速できるようにしている。変速ペダル2
7の枢支部には出力アーム27aが植設されている。
【0051】選択機構100aの具体的な構成を、図7
を参照しながら説明する。即ち、車両の適宜位置に基軸
123を回転自在に支持し、該基軸123上に前述のモ
ード切換レバー36が立設され、その下端には「コ」字
状片36aが固設されて、該「コ」字状片36aを基軸
123上に跨らせて、ピン124により枢支して傾動自
在としている。前記ピン124は該基軸123の回転軸
線と直交させて配置し、該モード切換レバー36が前記
基軸123の長手方向に沿って揺動できるようにし、一
方に揺動すると前記「作業モード」位置m1、他方に揺
動すると前記「走行モード」位置m2となるようにして
いる。前記「コ」字状片36aの一側は延出されて、そ
の端部には、前述のモータ斜板制御機構100bのモー
タ斜板可変/固定切換弁132が、リンク機構を介して
連結されている。
【0052】そして前記モード切換レバー36を挟むよ
うに、前記基軸123の長手方向に第一入力アーム15
1及び第二入力アーム152が並置されて、それぞれの
基部151a・152aが基軸123に遊嵌される。第
一入力アーム151の先端には、前記変速ペダル27の
出力アーム部27aが適宜のリンク機構を介して連結さ
れる。該変速ペダル27は車両のマニュアル操作具を構
成するものであって、前後二つの踏面部を有し、前側を
踏み込むと前進し、後側を踏み込むと後進するようにし
ており、また、その踏込み量に応じて増速できるように
なっている。一方、第二入力アーム152の先端には、
前記ポンプ斜板制御機構100cの出力側を構成する、
リンク部材180の出力アーム180cが連結されてい
る。
【0053】二本の入力アーム151・152の基部上
には、それぞれ板状の係止部材151b・152bを、
前記モード切換レバー36に沿う向きに固設している。
それぞれの係止部材151b・152bは、その上部の
一定幅部分を該モード切換レバー36に向けて折曲し、
その端縁に、該モード切換レバー36の中途部を係入し
得る、「U」字状の係合孔151c・152cを形設し
ている。これにより、前記モード切換レバー36が「作
業モード」位置m1にあるときは第一入力アーム151
の係合孔151cに、「走行モード」位置m2にあると
きは第二入力アーム152の係合孔152cに、モード
切換レバー36がそれぞれ係入し、いずれかの入力アー
ム151・152はモード切換レバー36を介して基軸
123と一体的に連結される。該基軸123の一端には
出力アーム153の基部153aが固設され、該出力ア
ーム153はコントロールアーム61を介して前述のポ
ンプ斜板13に対し連動連係される。
【0054】前記選択機構100aの作用を説明する。
即ち、モード切換レバー36が「作業モード」位置m1
にある場合は、第一入力アーム151がモード切換レバ
ー36と連結され、該第一入力アーム151に入力され
る変速ペダル27の操作量の信号がモード切換レバー3
6を経由して基軸123の回転量として伝達され、出力
アーム153の傾動量として出力されポンプ斜板13を
傾動させる。一方、モード切換レバー36が「走行モー
ド」位置m2にある場合は、第二入力アーム152がモ
ード切換レバー36と連結され、ポンプ斜板制御機構1
00cのシリンダ173・174から該第二入力アーム
152に入力される信号が、モード切換レバー36を経
由して基軸123の回転量として伝達され、出力アーム
153の傾動量として出力されポンプ斜板13を傾動さ
せる。換言すればこの選択機構100aは、モード切換
レバー36の操作位置に応じて、前記変速ペダル27又
は前記シリンダ173・174のうちいずれか一方を、
択一的に前記ポンプ斜板13に連動連結させるように構
成しているのである。
【0055】また前述のとおり、前記モード切換レバー
36は更に、前記モータ斜板制御機構100bに設けら
れるモータ斜板可変/固定切換弁132に連係されてい
る。従って、モード切換レバー36を「作業モード」位
置m1において変速ペダル27をポンプ斜板13に連動
連結させたときは、モータ斜板可変/固定切換弁132
は油圧モータ21を容積固定状態とし、モード切換レバ
ー36を「走行モード」位置m2においてポンプ斜板制
御機構100cの二つのシリンダ173・174をポン
プ斜板13に連動連結させたときは、モータ斜板可変/
固定切換弁132は油圧モータ21を容積可変状態とす
ることとなる。
【0056】〔走行制御装置の作用〕次に、以上の構成
とした走行制御装置がモアトラクタをどのように制御す
るかについて、場合分けを行いながら説明する。
【0057】〔・作業モードにおける制御〕モード切換
レバー36を「作業モード」位置m1に操作した場合は
図8に示す如く、走行制御装置は第一のモードである作
業モードとなって、ポンプ斜板13、モータ斜板23を
それぞれ以下の状態となるよう制御する。即ち、エン
ジン2については、エンジン回転数制御機構200の作
用により、アクセルレバー20にワイヤ53を介して連
係されたスロットルアーム134は、該アクセルレバー
20の操作量に応じて傾斜され、それに応じてキャブレ
ター130の開度が変更される。また、アクセルレバー
20の操作力を解除しても前記フリクションロック機構
45の作用によりその操作位置が保持されるので、オペ
レータはアクセルレバー20を所望の量だけ操作した後
に手を離せば、キャブレター130の開度は一定に保持
される。また、前記ポンプ斜板13は選択機構100
aによって変速ペダル27に連結されているので、図7
に示すように、前記変速ペダル27の踏込み量に応じて
ポンプ斜板13が傾動され、油圧ポンプ11の吐出容積
の変更を通じてHST8の変速比が変更される。また、
前記モータ斜板23については図8に示すように、シ
リンダ室106とピストン駆動油路140との間がモー
タ斜板可変/固定切換弁132により連通されて、シリ
ンダ室106の圧力はピストン駆動油路140の圧力と
等しくなる。ここで、このピストン駆動油路140の圧
力は前記戻しピストン88の戻しバネ84のバネ力に対
して十分大きいものとなるよう、上記リリーフバルブ1
04等を設定してあるので、ピストン35は最大限まで
伸張されて、モータ斜板23はその傾動角が最大角度A
2である状態で固定される。従って、油圧モータ21の
容積は最大に固定され、HST8全体としては大減速比
となる。
【0058】即ち、作業場においてモアトラクタに芝刈
り作業を行わせる際は、刈りムラを防止する観点からモ
アトラクタを低い速度で定速走行させる必要がある。こ
の点、本構成例によれば、モード切換レバー36を「作
業モード」位置m1とすれば、上述のとおりキャブレタ
ー130の開度は一定とされ、油圧モータ21も減速比
大の状態で容積固定状態となるよう制御されているか
ら、変速ペダル27の踏込み量が一定であれば、車速は
低い速度に一定に保持されることとなり、上述の必要性
に即した適切な制御が行われるのである。また、後述す
るような、エンジン2の回転数や負荷の変動に応じて変
速比を変更する制御は行われないので、芝刈り跡のムラ
が防止され、作業の仕上がりが美麗なのである。
【0059】〔・走行モードにおける制御〕一方、モー
ド切換レバー36を「走行モード」位置m2に操作した
場合は、走行制御装置100は第二のモードである走行
モードとなって、エンジン2、ポンプ斜板13、モータ
斜板23をそれぞれ以下の状態となるよう制御する。即
ち、エンジン2については、エンジン回転数制御機構
200の作用により、アクセルレバー20にワイヤ64
を介して連係されたスロットルアーム134は、該アク
セルレバー20の操作量に応じて傾斜され、それに応じ
てキャブレター130の開度が変更される。また、前
記ポンプ斜板13は選択機構100aによってポンプ斜
板制御機構100cの二つのシリンダ173・174に
連結されるので、エンジン2の回転数が上昇すると図1
0に示す如くポンプ斜板13は油圧ポンプ11の容積を
増大させる側に傾動されHST8全体で小減速比とな
り、エンジン2の回転数が下降するとポンプ斜板13は
油圧ポンプ11の容積を減少させる側に傾動されHST
8全体で大減速比となる。
【0060】一方、前記モータ斜板23については、
前記シリンダ室106がモータ斜板可変/固定切換弁1
32によって前記油路135に連通され、該油路135
とピストン駆動油路140との間に配置されるモータ斜
板駆動弁131を切り換えるためのパイロット回路14
5は、シャトルバルブ141により、前記作動油循環回
路111・112のうち圧力の高い側に連通される。こ
れにより、作動油循環回路111・112のうち高圧側
の回路圧力が前記付勢バネ133によって規定される値
を下回っている場合は、図9の如くモータ斜板駆動弁1
31により油路135・シリンダ室106の圧力がゼロ
とされてピストン35が限度まで後退することとなり、
モータ斜板23は図4の如くその傾動角を最小の角度A
1とされ、HST8全体の減速比を小とする。一方、作
動油循環回路111・112のうち高圧側の回路圧力が
増大して、前記モータ斜板駆動弁131の付勢バネ13
3によって規定される値を上回ると、図11に示す如く
モータ斜板駆動弁131が切り換わってポートAとポー
トCとが連通され、シリンダ室106に圧油が供給され
てピストン35が最大限に伸張駆動されるので、モータ
斜板23は図6の如くその傾動角を最大の角度A2とさ
れ、HST8全体の減速比を大とする。
【0061】ここで、上記モータ斜板23の制御に関連
して、車両を駆動するエンジン2の負荷と、前記作動油
循環回路111・112の圧力の関係を説明する。即
ち、車両走行時には車軸50L・50Rに対し様々な形
での抵抗が発生し、主なものを挙げれば路面抵抗、空気
抵抗、加速抵抗、勾配抵抗等であるが、車軸50L・5
0Rに発生するこれらの抵抗は上記ドライブトレーン3
0を介して伝達されて、上記油圧モータ21のモータ軸
22に、該モータ軸22を駆動するのに抗する向きのト
ルクとして入力される。従って、前述の抵抗が大きい場
合は、上記トルクに抗してモータ軸22を回転させるた
めに必要な力も大きくなるから、結果として油圧モータ
21を駆動するために必要な油圧力が増大し、従って車
両走行時には、車軸50L・50Rに入力される抵抗が
大であればある程、前記第一の回路111(又は第二の
回路112)の圧力も増大することとなる。一方、上記
抵抗が大きいということは、エンジン2の負荷が大きく
なるということをも意味する。従って、前記作動油循環
回路111・112の圧力が大きければ大きいほど、エ
ンジン2に作用する負荷が大きいということができる。
換言すれば、作動油循環回路111・112の圧力を検
出して、それに基づいてモータ斜板23を傾動させる上
述のような制御は、エンジン2の負荷の大きさに応じて
モータ斜板23を傾動制御することと、実質的に同じな
のである。
【0062】従って、油圧モータ21の容積を二段階に
切換可能な容積可変状態とする以上の構成によれば、エ
ンジン2の負荷が大きい場合は、モータ斜板23の傾動
角を大として油圧モータ21の容積を大とすることによ
りHST8全体で大減速比として、エンジン2の過負荷
を回避する一方、エンジン2の負荷が小さい場合は、モ
ータ斜板23の傾動角を小として油圧モータ21の容積
を小とすることによりHST8全体で小減速比となるよ
う制御し、エンジン2の能力を効率よく発揮させること
となるのである。
【0063】以上に示した走行モードにおける作用を整
理して述べる。即ち、作業場間の移動等のため路面上で
モアトラクタを走行させる際は、移動時間の短縮の観点
から高速で走行できることが望まれるのに加え、周囲の
状況等に応じて頻繁に発進・停止を繰り返す必要があ
り、また、場合によっては登坂をさせる必要もある。こ
の点、本構成例によれば、モード切換レバー36を前述
の「走行モード」位置m2においた場合は、上述のとお
りエンジン2の回転数や負荷に応じてHST8の減速比
が変更されることとなり、上記の要請を満たしながら、
エンジン2を過負荷から保護し、かつその能力を効率よ
く発揮させる制御がなされることとなる。
【0064】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明の技術的範囲は上述の実施例に限定されるものではな
く、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる
本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及
ぶものである。例えば、本実施例においてはマニュアル
操作具に相当するものとして変速ペダル27を用いてい
るが、それに限るものでもなく、例えば変速レバーとし
ても差し支えない。更には、本実施例においてはアクチ
ュエータとして油圧シリンダ173・174を用いてい
るが、例えば電動式のものを用いても構わない。このと
きのエンジン回転数の変化の検出方法としては、スロッ
トルアーム134の操作量をポテンショメータで電気的
に検知する等すればよい。加えて、本実施例においては
モード切換手段としてモード切換レバー36を用いてい
るが、これに限るものでもなく、例えばこれに代えてペ
ダルやスイッチ等を用いることも可能である。また、前
記油圧モータ21は、容積可変状態にあるときはその容
積を二段階に切換可能としていたが、この構成に限るも
のでもなく、例えばエンジンの負荷に応じて三段階以上
の多段階に切り換える制御を行ったり、あるいは無段的
に容積を変更させるように構成しても構わない。
【0065】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0066】即ち、請求項1に示す如く、エンジンか
らの動力を受ける油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出
される圧油を受けて駆動される油圧モータとからなり、
少なくとも油圧ポンプは容積制御手段を有する可変容積
型に構成されている、走行用HSTと、マニュアル操
作具と、前記エンジンの回転数の変化に応じて作動す
るように構成したアクチュエータと、前記マニュアル
操作具と前記アクチュエータのうちいずれか一方を択一
的に前記容積制御手段に連動連結させる、モード切換手
段と、を備えるので、車両の用途や目的の変化に応じて
モード切換手段を適宜切り換えることで、a)マニュア
ル操作具により設定される変速比を維持させる制御と、
b)エンジン回転数の変化に応じて自動的に変速させる
制御と、を使い分けることができる。従って、前記a)
の制御では作業の仕上がりムラを防止し、b)の制御で
はエンジン能力を効率的に発揮させる、というように、
場面に応じて適切な走行制御を用いることができ、いず
れの場面においても使い勝手に優れる構成とすることが
できる。例えばモアトラクタに本発明の走行制御装置を
適用する場合において、前記a)の制御を一定速度での
低速走行が要求される芝刈り作業に用い、b)の制御を
高速走行が要求される圃場間の移動に使うこととすれ
ば、芝刈り作業時には刈取りムラを防止でき、圃場間の
移動時にはその移動時間を短縮できることになる。
【0067】請求項2に示す如く、請求項1記載の作業
車の走行制御装置において、前記エンジンにより駆動さ
れるポンプに接続される回路に絞りを設け、該絞りの前
後に生じる差圧により前記アクチュエータが駆動される
ように構成したので、請求項1に示す効果のほか、絞り
の前後に生じる差圧を取り出してアクチュエータを制御
するという簡素な構成で、エンジンの回転数の増減を機
械的な信号として検出することができる。従って、走行
制御装置全体の構成を簡素とでき、製造コストや工数の
削減に寄与できる。
【0068】請求項3に示す如く、請求項1記載の作業
車の走行制御装置において、前記油圧モータを、その容
積が固定される容積固定状態と、その容積がエンジンに
作用する負荷に応じて変更される容積可変状態とに、切
換自在に構成するとともに、前記モード切換手段が、前
記マニュアル操作具を前記容積制御操作具に連動連結さ
せたときには前記容積固定状態に、前記アクチュエータ
を前記容積制御操作具に連動連結させたときには前記容
積可変状態に、それぞれ切り換えられるように連動連係
してあるので、車両の用途や目的の変化に応じてモード
切換手段を適宜切り換えることで、a)マニュアル操作
具により設定される変速比を維持させる制御と、b)エ
ンジンの回転数の変化や負荷の大きさに応じて自動的に
変速させる制御と、を使い分けることができる。従っ
て、前記a)の制御では作業の仕上がりムラを防止し、
b)の制御ではエンジン能力を効率的に発揮させながら
過負荷によるトラブルから保護する、というように、場
面に応じて適切な走行制御を用いることができ、いずれ
の場面においても使い勝手に優れる構成とすることがで
きる。例えば、本発明の走行制御装置をモアトラクタに
適用した場合は、芝刈りを行わせる際には上記a)のモ
ード(作業モード)として、走行速度を一定として芝刈
りムラを防止し、作業仕上がりを美麗とできる一方、圃
場から圃場へ移動する際は上記b)のモード(走行モー
ド)として、エンジン回転数の上昇/下降に応じて自動
的に増速/減速を行うとともに、急加速や登坂時等のエ
ンジン負荷が大きい場合は自動的に減速してエンジンを
保護し、平坦路走行時等のエンジン負荷が小さい場合は
増速して移動時間の短縮を図り軽快な走行感覚を提供で
きる。このように、全体として使い勝手に優れ、作業能
率を向上させ得る車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行制御装置を備える車両の動力伝達
構成を示したスケルトン図。
【図2】車両に備えられる車軸駆動装置の構成を示した
平面図一部断面図。
【図3】図2におけるA−A断面矢視図。
【図4】図2におけるB−B断面矢視図。
【図5】エンジン回転数制御装置及び本発明の走行制御
装置の構成を示した図。
【図6】図4の状態からピストンが伸張駆動され、モー
タ斜板が傾動される様子を示した図。
【図7】選択機構の構成を示した斜視図。
【図8】走行制御装置の作業モードにおける制御の様子
を示した図。
【図9】走行制御装置の走行モードにおける制御の様子
を示した図。
【図10】同じく走行モードにおいてエンジン回転数の
増大を検出した場合の制御の様子を示した図。
【図11】同じく走行モードにおいてエンジン負荷の増
大を検出した場合の制御の様子を示した図。
【符号の説明】
2 エンジン 11 油圧ポンプ 13 ポンプ斜板(容積制御手段) 16 チャージポンプ(ポンプ) 21 油圧モータ 23 モータ斜板 27 変速ペダル(マニュアル操作具) 36 モード切換手段 50L・50R 車軸 100 走行制御装置 170 絞り 173・174 油圧シリンダ(アクチュエータ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を受ける油圧ポン
    プと、該油圧ポンプから吐出される圧油を受けて駆動さ
    れる油圧モータとからなり、少なくとも油圧ポンプは容
    積制御手段を有する可変容積型に構成されている、走行
    用HSTと、 マニュアル操作具と、 前記エンジンの回転数の変化に応じて作動するように
    構成したアクチュエータと、 前記マニュアル操作具と前記アクチュエータのうちい
    ずれか一方を択一的に前記容積制御手段に連動連結させ
    る、モード切換手段と、を備える作業車の走行制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の作業車の走行制御装置に
    おいて、 前記エンジンにより駆動されるポンプに接続される回路
    に絞りを設け、該絞りの前後に生じる差圧により前記ア
    クチュエータが駆動されるように構成した作業車の走行
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の作業車の走行制御装置に
    おいて、 前記油圧モータを、その容積が固定される容積固定状態
    と、その容積がエンジンに作用する負荷に応じて変更さ
    れる容積可変状態とに、切換自在に構成するとともに、 前記モード切換手段が、前記マニュアル操作具を前記容
    積制御操作具に連動連結させたときには前記容積固定状
    態に、前記アクチュエータを前記容積制御操作具に連動
    連結させたときには前記容積可変状態に、それぞれ切り
    換えられるように連動連係してある作業車の走行制御装
    置。
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