JP2001506877A - 患者支持体と利用する温度制御 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は所定の治療用支持台装置と伝熱用流体生成装置と併用する熱制御式装置である。当該装置は、支持台の患者表面近傍に配置した第１側(３０)と、患者近傍に配置され、第１部分(３３b)とシール状態で連結した第１部分(３３a)を有し、第１側(３０)、第１側(３０)の第２部分(３３c)から隔離されて両者間にポケット(３４)を形成している第２側(３１)と、ポケットと伝熱流体生成装置と接続されて、両者間での流体の流れを許容する弁手段(２８、２９)とからなり、そしてその使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】 患者支持体と利用する温度制御 発明の背景 技術分野 本発明は、特に治療分野に適した患者の生体温度に影響を及ぼす装置と方法と に関する。加温パッドや類似のものに用いるとか広範囲の用途が考えられるもの の、本発明は主として、患者の生体温度を下げるための冷却パッドとそのシステ ムとに関する。その他の考えられる分野としては、健康が衰えている患者や、中 でも加振型治療台、減圧マットレス、低空気損失型ベッドの如くの治療用支持体 を利用している患者に利用することが挙げられる。 背景技術 患者を冷ましたり、暖めたりする装置は、健康管理上の必要性を考慮しないも のなら、これまで幾多も使われている。そのような装置では、患者の皮膚に近づ けて利用する可撓性パッドの形の熱交換器を利用しているのが通常である。パッ ドの作用態様を鑑みるに、そのような装置は伝統的には不浸透性で、患者の皮膚 近傍の湿気(即ち、結露、汗、失禁など)で濡れてしまうことがある。 ところが湿気が高レベルだと、皮膚の浸軟や離解を惹起する傾向がある。しか もよくないことに、パッドの冷却に伴って温度が下がると、当然のことながら患 者の毛細血管が収縮してしまい、そのために皮膚への酸素と栄養素の供給が滞っ てしまう。皮膚の状態が芳しくない、成いは、初めから循環系に障害のある患者 の場合では、そのような現象は特に問題である。従って、従来の冷却パッドは、 皮膚疾病管理(skin care)にとっては理想とは言い難い環境を醸し出している。 沢山の同一患者群用として、皮膚疾病管理を助長するようにした沢山の特殊患 者支持体が長年にわたって使われている。その内で、(i)マットレスから患者の 皮膚に作用する圧力(「界面圧」と称する)を減少させる減圧マットレスと、(ii) 患者を横向きに回転させる加振型治療台の二種の特殊患者支持体が注目されてい る。(本願においては、低空気損失型マットレスやその他の圧力緩和型マットレ スにつ いては、減圧マットレスの類に入れている。)市販されている減圧マットレスの 一例としては、商品名「THERAREST」(複合発泡マットレス)と、「FIRSTSTEP」( 低空気損失型マットレス)で、テキサス州サンアントニオ所在のKCI Therapeutic Services社から販売されているものがある。特定の減圧マットレスの詳細につ いては、1991年６月１１日に特許となった米国特許第5,022,110号(Stroh)と1972 年２月２９日に特許となった米国特許第3,644,950号(Lindsay)に開示されている 。 加振型治療台は、広範囲の症状と状態を治療するか、防ぐかのいずれか一方、 又は、両方に有用である。そのような台は、床擦れやその他の皮膚疾病などを患 って動かせない患者の場合に遭遇する問題を解消する上で特に有用である。患者 を周期的に横方へ自動的に反転させることで、あらゆる局所での界面圧に変化を もたらすことができる。しかし、それでも患者の皮膚近傍での湿気が過剰になる と、皮膚疾病を更に悪化させる虞を助長してしまう傾向がある。市販されている この加振型治療台は、商品名「ROTO REST」としてテキサス州サンアントニオ所 在のKCI Therapeutic Services社から入手できる。1969年３月２５日に特許とな った米国特許第3,343,165号(Keane)や、1979年１１月２７日に特許となった米国 特許第4,175,550号(Leininger et al)などにもその一例が開示されている。 前掲の特許や、本願明細書で言及しているその他の特許文献の説明(図面をも 含む)を、本願明細書の一部を構成するものとしてここに挙げておく。 皮膚疾病管理は重要であると共に、それに伴う費用も高くついているのにも拘 わらず、過低体温用パッドを使用する必要性が、当該パッドの利用に伴う湿性皮 膚気候についての問題を時として凌駕している。その結果、特殊支持体を利用す ることによる患者の恩恵が減少している。今、ここで一例として低空気損失型( ＬＡＬ)マットレスを検討してみる。ＬＡＬマットレスで得られる最も重要な恩 恵は、皮膚近傍からの湿気が緩慢ではあるが、連続して蒸散するところにある。 典型的なＬＡＬマットレスは、蒸気透過性布で構成したエアークッションで患者 を支えるようになっている。この蒸気透過性布は皮膚近傍の湿気を透過するので 、連続した空気の流れでクッションを膨潤状態に保持する一方で、当該布を透過 した湿気を蒸散させている。ところが、患者とＬＡＬクッションとの間に不浸透 性冷却パッドを介在させると、前述の恩恵は著しく減少する。 よく知られているように、皮膚疾病を最小限にしたり、そうではなくともその 他の種々に疾病を治療したり防ぐのに特殊患者支持体が一般に有用ではあるもの の、そのような製品と当該製品の使用条件には改善の余地が残されている。また 、加温パッドとそれの使用環境を、治療のみならず、安らぎの見地から改善する ことが望まれている。 発明の要旨 本発明の基本的な目的は、入手可能な療法を改善することで患者の健康を増進 することにある。この目的は部分的には、患者の温度制御装置の機能、効果、使 い易さ、安楽、安全性、有効性を改善する如く、当該温度制御装置を改良するこ とにより達成できる。 もう一つの基本的な目的は、特に患者の温度制御を患者の支持によるその他の 恩恵に付随するものとすることにより、患者の支持体を改良することにある。患 者の皮膚の状態と妥協することなく、また、低空気損失療法や連続側方反転療法 を含むその他の療法を妨げることなく、冷却パッドや類似品を用いて患者の温度 制御を達成することも、また一つの目的である。 従って、本発明は部分的には、患者支持体上での患者の温度制御を対象として いる。斯かる温度制御では、液体伝熱媒体が循環する熱シート(パッド又はブラ ンケットの如く)を利用してもよい。通常、このシートには二種の通路、即ち、 伝熱媒体が流れる液路の閉塞アレーと、シートの一方の表面から反対側の表面へ その他の流体を流す交差路(cross passage)ないしその等価物が形成されている 。ガス路として、交差路がシートの一方の表面から他方の表面へと空気と湿気の いずれか一方、又は、両方を流すようにしているので、低空気損失療法に付随す る熱制御を達成する目的を含む幾つかの目的を達成するようになっている。開放 孔又はそれに類するものとして、交差路は、また、結露、汗、体液などの液体が 患者の皮膚から逃げるようにしているので、浸軟や皮膚疾病を最小限にすること ができる。 患者の下に敷くパッドとして実施しると、シートの片面は患者に、また反対側 の面は患者支持体にそれぞれ対面することになる。通常、このシートは、二つの 面を、両者間に複数のポケット形通路が形成されるように互いに溶着させること で形成できる。液体用交差路と蒸気用交差路の何れか一方、又は、両方、或いは その他の 開口をポケット形通路の間に形成している。ポケット形通路を従来公知の過低体 温装置と連通させるラインを設けて、両者間で流体が流れるようにしている。フ ックやループタブもパッドの両端に係留用として、或いは、もっと広い表面積を 得るために他の類似のパッドを連結できるようにするために設けている。 熱制御シートは、ある用途では患者の少なくとも一部分を包込むことができる ようにその形状を定めてもよい。交互流れをも利用してもよい。また、本発明は 、患者の管理のための種々の療法を含んでいる。 幾多の目的や利点などは、特に添付の請求の範囲と関連技術と照らし合わせて 検討すれば、図面を参照したり、以後での詳細な説明を読むことで当業者には容 易に明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の一つの好ましい実施の形態を実現している冷却パッドの平面 図。 図１Ａ図は、流れ指向用溶着部を設けたことで図１の冷却パッドとは異ならせ た冷却パッドの平面図。 図２は、図１の平面図に示した冷却パッドの部分横断面図。 図３は、マットレス(点線で示す)に横臥する患者(仮想線で示す)を冷却するた めに、同一構成のパッドと一緒に利用した冷却パッドの平面図。 図４は、本発明の別の実施の形態を表す、四個の冷却パッドが載置されている 加振型患者支持台の頭部へ向かって眺めた部分斜視図。 図５は、本発明のまた別に実施の形態である熱制御脚被包体である冷却パッド の平面図。 図５Ａは、図５に平面図で示した冷却パッドの横断面図。 図６は、減圧挿入体を利用した熱制御脚被包体の典型的な用法を示す図。 図７は、典型的な熱制御中間部被包体を示す図。 図８は、直腸用減圧挿入体を備えた典型的な熱制御中間部被包体を示す図。 図９は、胸部用クッション挿入体を備えた熱制御上体被包体を示す図。 図１０は、頭部用減圧クッションを備えた典型的な熱制御頭部被包体を示す図 。 図１１は、複数層の液路を利用し、かつ、空気交換ができるようにした冷却パ ッ ドの更に別の実施の形態を示す図。 図１１Ａは、図１１に示した冷却パッドの横断面図。 図１２は、加振型治療用支持台の頭部へ眺めた斜視図。 図１３は、過低体温用流体生成配分装置を利用した典型的な熱制御生体被包体 の概略図。 好ましい実施の形態の詳細な説明 種々の実施の形態を以後に説明する。これらの実施の形態は全て、マットレス 、ベッド、シートクッションなどの如くの種々の患者支持体に用いて患者を冷ま すものとして著しく斬新なものである。大部分において、ここでの説明では、先 ず実施の形態の構造と製造を説明し、その後に、その用法と、その構造と斯かる 用法による利点の幾つかを説明する。添付図面を参照して、図１と図２とは本発 明の一つの好ましい実施の形態を実現している冷却パッド２０の詳細を示してい る。この冷却パッド２０は、概して、熱交換部２３と一体張出し部２４、２５と 液路２８、２９とからなる。 図１において、熱交換部２３はほぼ矩形である。この熱交換部２３の長辺は約 ３０インチであり、大概の病院備品としての標準的寝台マットレスの幅一杯(wid th immersion)よりも僅かだけ小さい。また、熱交換部２３の短辺は約２０イン チである。 熱交換部２３とその一体張出し部２４、２５とは主として、患者を冷ますのに 利用される如くの液体が充満されると共に、それを流動させるのに適した可撓性 のあるＲＦ溶着可能材料で形成されている。この熱交換部２３において循環させ るのに適した冷却液としては、従来公知の過低体温装置が醸し出す温度と圧力に ある水が好ましい。図１の実施の形態は、主として１０ミルのＰＶＣシート３０ 、３１(図２)で製作している。本願明細書において変形例が記載されていない限 り、これらのシート３０、３１はほぼ同一であり、ＲＦ溶着法で互いに接着され ていると共に、溶着部３３により画定される比較的平坦な液路３４のアレー３７ が形成されるように切断されている。 液路アレー３７としては、各液路３４での冷却液の循環を促進するのに適した 、ほぼ図１に示した形状と構成をとっているのが望ましい。これらの液路３４の ア レー３７には、液路３４間において複数の矩形穴３５と円形穴３６が形成されて いる。液路３４に冷却液を充満させると、溶着部３３と穴３５、３６とが、パッ ド２０をしてほぼ均一な厚みを持たせる、液路３４間に複数列の窪みをもたらす ようになっている。図１から分かるように、パッド２０には１２３個の矩形窪み ３５と７個の円形窪み３６が形成されるものとなっているが、これらの窪み(穴) ３５、３６の形状と配列については適宜選択できる。図示した窪みの特定のパタ ーンでは、矩形窪み３５の長軸方向が液路アレー３７の最も近い外縁と平行に整 列させる傾向がある。そのような整列では、供給口２８bから排水口２９bにかけ て液路アレー３７全体にわたって伝熱液を良好に循環させる働きがあるものと考 えられる。この液路アレー３７全体にわたる伝熱液の循環をもっと促進したい場 合では図１Ａに示した如くの種々の溶着部５４、５５を別途設けてもよい。図１ Ａは冷却パッド２０の平面図であって、図１に示した冷却パッド２０とは、主と して流れ指向用溶着部を設けた点で異なっている。補助区画溶着部を含むこのよ うな流れ指向用溶着部を形成するにあたっては、当業者にはよく知られているよ うにパッド全体としての強度と耐久性とを最適化する一方で、適切な半径と位置 とを定めるためにいくらか実験を行ってみる必要があると思われる。図１Ａは冷 却パッド２０の平面図であって、図１に示した冷却パッド２０とは、主として流 れ指向用溶着部を設けた点で異なっている。これは主として、本発明の第２実施 の形態を表している。参考のためいに、冷却パッド２０には、液路アレー３７を 取り囲む一方で、シート３０、３１の外周を互いに封止する外周溶着部３８も形 成されている。 図１の実施の形態のもう一つの変形例を図１Ａに示す。変形されているところ は、液路用迅速脱着式連結具２８a、２８c、２９a、２９cを設けたところにある 。図１に示したように、連結具２８a、２９aは、従来公知の過低体温装置に接続 する雄型連結片である。しかし、図１Ａでは、一方の連結片２８aを雄型とし、 他方の連結片２９aを雌型とした別の実施の形態を示している。この実施の形態 では、連結片の型合せ用アダプターを用いなくても複数の熱交換パッドを互いに 接続できる。当業者でなら、図１に示した実施の形態でも、雄-雄型接続アダプ ターを用いれば別の熱交換部を接続できることは容易に理解されよう。 交換部２３のＲＦ溶着装置としては剥離封止型(tear-and-seal type)であるの が望ましい。そのため、この装置により、溶着部３３の形成と穴３５、３６の形 成とが一操作で達成でき、従って、圧着加工と切断加工との間での位置合わせ、 調芯操作を行う必要性を最小限にすることができる。液路アレー３７は対称形に 仕上げられていることから、液路アレー３７の片側を圧着し、液路アレー３７を 裏返しして液路アレーの反対側を圧着すると言った二段階プロセスを利用するこ とで交換部２３を形成できる。この二段階プロセスでなら製作費の低減に役立つ 。 全長タブ２４、２５はパッド２０の各側縁にも形成されていて、図３に示した ように別のパッドとの接続のための面接着ファスナー(hook-and-pile strip)４ １〜４６が設けられている。これらの雌型と雄型の面接着ファスナーは、各側縁 につき３個ずつ、互いに対向するタブ２４、２５にそれぞれ取り付けられている 一方、タブは感圧接着剤で取り付けられている。従って、三個か又は四個のパッ ドを直列接続すれば、治療台に横臥する患者の全身の下方で伝熱加温層を形成す る全身用例客パッドを構成することができる。そのように直列接続した各パッド に対して過低体温装置を個別的に接続してもよいが、図３に示したように液路を も直列接続すれば一基の過低体温装置で間に合わせることも可能である。 液路２８、２９は従来公知の過低体温装置(図示せず)により供給される冷却液 を搬送するのに適した従来公知の液路である。これらの液路２８、２９としては 、商品名「Kuri Tec KO10」としてカナダ国アキューフレックス社から販売され ている如くの内径１/４インチ、外径３/８インチ、７０F無毒透明ＰＶＣチュー ブが適している。これらの液路２８、２９の遠位端２８a、２９aには迅速接続式 連結片２８a、２９aがそれぞれ取り付けられていて、過低体温装置(図示せず)の 吐出し口と戻り口とにそれぞれ接続できるようになっている。これらの連結片２ ８a、２９aとしては、雄型ＣＰＣ連結片が適している。また、これらの連結片２ ８a、２９aとしては、内部に逆止弁があって、対応する雌型連結片に係入されて いないときには内部液路を閉塞するようなものが望ましい。これにより液路２８ 、２９を過低体温装置との接続から外したときに液漏れを起こすのを最小限にす ることができる。液路２８は、過低体温装置から供給される冷却液をパッドに供 給するために過低体温装置の吐出し口と接続するようになっている。他方、液路 ２９は、過低体温装 置へ冷却液を戻すために過低体温装置の戻し口と接続するようになっている。し かし、好ましい実施の形態としては、連結片２８a、２９aを同一構成とし、過低 体温装置への接続を前述とは反対にしてもよい。また別の実施の形態としては、 何れか一方の連結片２８a、２９aを取り替えるか、又は、別のものとして、液路 ２８、２９が過低体温装置の吐出し口と戻し口とにそれぞれ確実に接続されるよ うにしてもよい。過低体温装置から延在する液路が特定の連結片２８a、２９aと 液密接続ができるようにするためには、適当なアダプターが必要となる場合もあ り得る。 他方、液路２８、２９の近位端２８b、２９bは、液路２８、２９から供給され る冷却液が液路アレーへ供給されるように、熱交換部２３の外周に一体的に接着 されている。この一体化接着は、液路２８、２９のそれぞれの近位端を交換部２ ３を構成する二枚のシートの間に挟持させて行うのが望ましい。このように挟持 させると、別のＲＦ溶着操作でその近位端を二枚のシートに挟持したまま溶着定 置させることができる。この溶着法により液路を交換部２３における閉塞アレー と液密接続できる。 図１Ａにおいて、液路２８、２９は、過低体温装置(図示せず)の吐出し口と戻 し口とのそれぞれ接続されている。連結片２８a、２９aとしては雌型ＣＰＣ連結 片が適している。これらの連結片２８a、２９aとしては、内部に逆止弁があって 、対応する雌型連結片に係入されていないときには内部液路を閉塞するようなも のが望ましく、これにより液路２８、２９を過低体温装置との接続から外したと きに液漏れを起こすのを最小限にすることができる。液路２８は、過低体温装置 から供給される冷却液をパッドに供給するために過低体温装置の吐出し口と接続 するようになっている。他方、液路２９は、過低体温装置へ冷却液を戻すために 過低体温装置の戻し口と接続するようになっている。しかし、好ましい実施の形 態としては、連結片４０、４１を同一構成とし、過低体温装置への接続を前述と は反対にしてもよい。また別の実施の形態としては、何れか一方の連結片４０、 ４１を取り替えるか、又は、別のものとして、液路２８、２９が過低体温装置の 吐出し口と戻し口とにそれぞれ確実に接続されるようにしてもよい。過低体温装 置から延在する液路が特定の連結片２８a、２９aと液密接続ができるようにする ためには、適当なアダプターが必要となる場合もあり得る。 完全な患者冷却システムの好ましい実施の形態では少なくとも一つの冷却パッ ド２０からなり、従来公知の過低体温装置に接続している。この好ましい冷却シ ステムで利用し得るパッド２０と接続するに適した過低体温装置の一例としては 、「Blanketrol II」222R型装置(オハイオ州シンシナチ所在のCincinatti Sub-Z ero Products社から入手可能)が挙げられる。ここで「標準的」とか「従来公知 」の過低体温装置ないし冷却装置について特定しないで言及している場合は、前 述の形式の装置をも含んでいるものと理解すべきである。液ライン１２８、１３ ０は、従来公知の過低体温装置から供給される冷却液を搬送するに適した従来公 知の液路である。(図１３)。 図３において、他の加温層と同様に、冷却パッド２０の主たる機能は、患者の 近傍における部分にわたって熱交換液の循環を行って、患者と液との間での熱交 換が行えるようにすることにある。冷却パッド２０は、空気と水蒸気とが一方相 冷却パッド２０(one phase separate cooling pad)からその他方相へと透過でき るようにしていることから「透過型」と見なすことができる。冷却パッド２０が 透過型であることから、患者１５の下面と治療台１０の上面との間に当該パッド ２０を利用できるようになっている、換言すれば、患者のすぐ側に低い空気面が 流入する一方で、患者の皮膚の回りから湿気を排出することにより、患者の皮膚 状態に最適な微気候を醸し出すことができる。 従って、図３は、マットレス１０(点線で示す)に横臥している患者１５(仮想 線で示す)を冷ますために同一構成のパッド２１、２２と接続した冷却パッド２ ０の平面図を示している。図３に示したように、パッド２０a、２０b、２０cは 同一構成であり、面接着ファスナーを用いて取外し自在に連結して定置させてい る。 図２に示すように、シート３０、３１の組成を変えるか、取り替えることによ り、又は、パッド２０に別の素材を組み合わせることにより、本発明の別の局面 が展開する。特にもう一つの実施の形態としては、吸収性パッド(図示せず)を熱 交換部２３の下シート３０の外表面３０aに貼付している。テキサス州サンアン トニオ所在のKCI Therapeutic Services社から商品名「DRIFLO」として販売され ている市販品の如くの蒸気透過吸収パッドが好ましい。斯かる吸収性パッドを表 面３０aに貼り付けるには接着剤、或いはそのようなものを利用してもよいが、 本願出願 人は、タブ２５の面接着ファスナー片４４〜４６は、前記好ましい吸収性パッド の布と取外し自在に係合する知見を得ている。従って、斯かる好ましい吸収性パ ッドをパッド２０に貼り付けるためには、吸収性パッドをマットレス１０の中心 に敷いて、ほぼ吸収性パッドの部分ではあるが、タブ25が吸収性パッドの縁部と 重なるようにパッド２０をその上に載置する。患者１５がパッド２０に横臥する (又は、面接着ファスナー片４４〜４６を吸収性バッドの方へ押圧する)と、吸収 性パッドが取外し自在にパッド３０の外表面３０aに引っ付いてしまう。このよ うに取外し自在に貼付すれば、パッド２０の直下に最適に位置決めすることがで きる。よって、吸収性パッドは、失禁やその他の体液を吸収するのに利用できる ばかりではなくて、パッド２０に付着する結露を吸収するのに最適に位置決めす ることができるのである。また、取外し自在に貼付していることから、吸収性パ ッドを取り外して廃棄すると共に、再使用できそうなパッド２０とは別の使い捨 てパッドとして置換することもできるのである。 パッド２０に「DRIFLO」パッドと前述したように組み合わせるよるは(或いは 、それに加わって)、吸収層(図示せず)を図２の熱交換部２３の下シート３０の 外表面３０aに接着することによっても、同様な目的を達成することができる。 この吸収層としてＰＶＣ発泡材の薄シートを用いれば、ＲＦ溶着プロセス(本願 明細書の何処かで説明している)を行う前に吸収層を表面３０aに貼付するのに接 着剤を用いるだけで前述の構成が得られるから、シート３０、３１と同時に当該 吸収層を溶着、切断することができる。使用するに当たっては、パッド２０をマ ットレス１０に載置するが、吸収層はその際に、患者１５から湿気が逃げるよう に当該患者とは反対方向に向ける。このような構成では(また、前述のように「D RFLO」パッドとの組合せにあっても)、吸収層は、マットレス１０から伝わる、 或いは、放射される熱からパッド２０を断熱する別の役割をもなすことができる 。その意味で、斯かる吸収層は、パッド２０が患者１５の上に載置されているか 、或いは、患者１０の体の一部を包んでいる場合に患者の上方にある電灯の如く の、外表面３０a以外のどこからか伝わる、成いは、放射される熱からパッド２ ０を断熱させる上でも役立っているものである。 熱交換部２３の下シート３０の外表面３０aに断熱層(図示せず)を貼付するこ とによっても、本発明のまた別の局面が展開する。この断熱層としてＰＶＣ発泡 材の薄シートを利用することで、ＲＦ溶着プロセスを行う前に断熱層を表面３０ aに貼付するのに接着剤を用いるだけで前述の構成が得られるから、シート３０ 、３１と同時に当該吸収層を溶着、切断することができる。使用するに当たって は、パッド２０をマットレス１０に載置する。その意味で、斯かる断熱層は、パ ッド２０が患者１５の上に載置されているか、或いは、患者１０の体の一部を包 んでいる場合に患者の上方にある電灯の如くの、外表面３０a以外のどこからか 伝わる、或いは、放射される熱からパッド２０を断熱させる上でも役立っている ものである。 図４は、頭部の方へと眺めた加振型患者支持体１０の斜視図であり、その加振 型患者支持体１０は冷却パッド６０、７０、８０、９０を備えていて、本発明の 別の実施の形態を構成している。図４には、1969年３月２５日にF.X．Keeneに付 与された米国特許第3,343,165号、1979年１１月２７日にJames R．Leiningerら に付与された同特許第4,175,550号、図１１に示した如く1988年３月１５日にPet er A．Leiningerに付与された同特許第4,730,606号などに開示されている治療用 支持台装置１０が図示されている。斯かる特許文献をここに組み入れておく。好 ましくは、支持台１０は、テキサス州サンアントニオ所在のKCI Therapeutic Se rvice社から市販されているRoto Rest Delta装置の如くの装置が望ましい。 図１２に示したように、治療用支持台装置１０は支持面１２を備えており、こ の支持面１２は支持フレーム１４に対して、当該支持面１２が支持フレーム１４ に対して振動するように連結されている。この治療用支持台１０には頭部保持部 材１６、側部保持部材１８a、１８b、１８c、１８d、脚部保持部材１７を備えて おり、全て支持面１２に取り付けられている。 側部保持部材１８a、１８bの間には、例えば発泡材製の減圧用挿入体１３aが 介在していて、治療用支持台装置１０上で患者が仰向けになると当該患者の腕を 支えるようになっている。同様に、側部保持部材１８c、１８dの間に減圧用挿入 体１３bを設けて患者の脚部を支えるようにしている。また、治療用支持台の側 部保持部材２０の間には直腸部減圧用挿入体１１と上部減圧用挿入体１３bを設 けている。更に、頭部保持部材１６の間に頭部減圧用挿入体０１を設けている。 異なった使い道に合わせて幾つかの挿入体を治療用支持台１０に設けているが、 斯かる 挿入体の数やその素材については所望に応じて変えることができるのは容易に理 解されるところである。例えば、減圧用挿入体としては、保持部材１６、１８a 、１８b、１８c、１８d、１７の間に嵌合するような単一構成品であってもよい 。また、減圧用表面挿入体の形状としても、所望に応じて変えることも考えられ る。 図５と図６とに、先ほどの実施の形態におけるのと同様にほぼ可撓性のある流 体透過材からなる熱制御式脚部被包体６０を示す。この被包体は、脚部減圧用挿 入体１３bと併用できるようにその形状を定めている。脚部被包体６０は、患者 支持面１２近傍に定置し得る部分０９を有する第１側部０３と、該第１側部０３ の第１部分０６に封止連結した第１部分０４並びに第１側部０３の第２部分０５ から隔離した第２部分０８を有し、両者間にポケット５０が形成されている第２ 側部０５とからなる。供給路６７と戻し路６８とにそれぞれ設けた弁６７a、６ ８bは、６３、６４の近位端を介して連結されるようになっていると共に、両者 間での液体の流れを許容するために図１３に示し、後述する過低体温液生成装置 と接続できるようになっている。 脚部被包体６０は、複数対の互いに対向配置したアーム６０、６２、６４、６ ６を有しており、各アームには面接着ファスナー６８が取り付けられているので 、対向配置のアーム同士が連結されるか、又は、その他の布地に貼付できるよう になっている。アーム６０は、脚部減圧用挿入体３０を囲繞するのに使われる。 アーム６２、６４、６６は、患者の脚部に載置すると当該脚部を囲繞するように なっている。 図７と図８とに、患者を冷ますのに使われる如くの液体を充満し、かつ、その 流れを指向するに適した可撓性のある流体不透過材からなる熱制御式中間部被包 体７０を示す。この素材については、先ほどの実施の形態において説明したとこ ろである。図７と図８は、直腸部減圧用挿入体１１を保持する保持スリーブ７２ が形成されている直腸部被包体７０を示している。供給路７７と戻し路７８とに 弁７７a、７８bを設けている。前述したように、パッドの仕様は異なっていても よく、このように変形したとしても本発明の範囲から逸脱するものではない。 図９に、上部減圧用挿入体８４を保持する保持スリーブ８２が形成された上体 被包体８０を示す。液路８７と戻し路８８とに対応して弁８６を設けている。こ の上体被包体は、先ほどの実施の形態において説明した如くの流体の流れを許容 するほぼ可撓性材料で構成されている。ここでも、パッドの仕様は異なっていて もよく、そのように変形したとしても本発明の範囲から逸脱するものではない。 他の実施の形態と同様に、図１０に、頭部減圧用挿入体９５を保持する保持ス リーブ９２が形成された頭部部材９０を示す。このパッドの構成においても供給 路９７と戻し路９８にそれぞれ弁９６を設けている。また、先ほどの実施の形態 と同様に、このパッドも前述したほぼ可撓性材料で構成されており、このパッド に対する変形も本発明の範囲から逸脱するものではない。 図１１はまた別の実施の形態を示しており、冷却パッド２０の如くのパッドは 、層状の液路を備えおり、最初には一方の流れパターンで、そして後には別の流 れパターンで伝熱液を循環するように交互で利用してもよい。部材１００も、患 者支持面１２近傍に位置決めできる第１側部１０２と、該第１側部１０２の第１ 部分１０８に封止連結した第１部分１０６並びに第１側部１０２の第２部分１１ ２から隔離した第２部分１１０を有し、両者間にポケット１１４が形成されてい る第２側部１０４とからなる。また、接合面１０６、１０８の内部は開放面１１ ６となっている。液路１２０に対応する弁１１８はポケット１１４と連通してお り、流体の流れを許容するために図１３の過低体温流体生成装置と接続できるよ うになっている。別の実施の形態(図示せず)として、開口１１６は、患者の皮膚 近傍から蒸気の発散を許容するか、又は、同一近傍での限られた空気の流れを許 容する別の手段に置換してもよい。 被包体６０、７０、８０及び部材９０、１００については種々の構成と形状と が利用できる。例えば、その素材のみならず、その内部に形成される流体及び液 体の流れパターンは、所望に応じて変えられる。また、一つの被包体ないし部材 において別の流れパターンを形成してもよく、その場合、その流れパターンは異 なった流体で形成するか、又は、所定時間が経過すると流体流れを切り替える限 時弁開閉機構を用いて変えることもできるし、所望に応じて表面温度と圧力に変 化を持たせるようにすることもできる。 更に、一方の流れパターンが充満した空気で行われるようにしてもよく、被包 体ないし部材としては、患者を更に気楽にするために空気が連続流通する限られ た開放面を流れパターンに沿って設けてもよい。所望によっては、複数の類似被 包 体を重ね合わせて、流体の流れパターンを互いに僅かだけ異ならせて別の効果を 奏するようにしてもよい。 図１３に概略的に示したように、フレーム１４にはマニホルド１２２、１２４ 、１２６が連結されており、これらのマニホルドは供給路１２８と戻し路１３０ により相互連結されている。供給路５５、７７と戻し路５６、７８は主マニホル ド１２２に、供給路８７と戻し路８８は上部マニホルド１２４に、供給路９７と 戻し路９８は頭部マニホルド１２６にそれぞれ接続している。 供給路１３２と戻し路１３４とは、過低体温流体生成装置５８を主マニホルド １２２に接続している。液路の数とマニホルドの数とはほんの一例であって、所 望に応じて増減してもよい。 図４は治療用支持台装置１０に被包体を設けた状態を示している。患者を被包 体６０、７０、８０、９０に寝かせると、所望によっては患者を囲繞することが でき、その後前述したように過低体温流体生成装置を介して被包体６０、７０、 ８０、９０に流体を流す。本発明と同時に、又は、所望によっては、治療用支持 台装置１０を、振動治療又は牽引治療の如くの治療に使用することもできる。 前述のように構成することで、本発明で、所定の治療用支持台装置と加温用液 体生成装置と併用する改良された熱制御式装置が得られるようになった。熱制御 式装置は、患者が治療用支持台装置において治療を受けている間に、当該患者を 冷ましたり、加温したりできるものである。 前述した実施の形態は、一例として挙げたものであり、本発明を限定するため になされたものではない。当業者には、本発明による新規な点を温存しながら、 また、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の改変や変形が容易に想到でき ることである。従って、ここに添付した請求の範囲は、斯かる改変や変形が請求 されていり構成要件の等価物であるものとしてしっかり読まれるべきものである 。これえらの請求の範囲を読むに当たっては、使われている単語や句に囚われる べきではなく、むしろ、同じ特定の技術分野に属する従来技術文献を鑑みて法律 により許される限り深みのあるものと見なすべきである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 患者をその上に支える治療用支持台と共に使用する熱制御式装置であって 、 伝熱流体供給装置と、 治療用支持台側に配置する第１シートと患者側に配置する第２シートにして、 前記第１シートは、前記第２シートの第１部分にシール自在に連結された第１部 分と前記第１シーpとの第２部分から隔離されてその間にポケットを形成する第 ２部分とを有しており、前記第１及び第２シートが蒸気貫通路を有する伝熱部材 を形成する第１及び第２シートと、 前記ポケットと伝熱流体生成装置との間に接続されて両者間での流体の流れを 許容する流体ポートとからなる熱制御式装置。 ２． 請求項１に記載の装置であって、 前記シートにより形成される蒸気貫通路がガスの貫流を許容するようになって いる熱制御式装置。 ３． 請求項１に記載の装置であって、 前記シートにより形成される開口が水蒸気の貫流を許容するようになっている 熱制御式装置。 ４． 患者を冷ますために冷却用伝熱液の流れを生成する装置と共に利用する冷 却パッドであって、 低空気損失型マットレス上に横臥する患者の直下に敷くものにして、平坦構造 であることから低空気損失型マットレス上に横臥する患者の直下に、第１表面が 低空気損失型マットレスに敷けるようになっており、第１表面とは反対側が第２ 表面であり、患者を冷ますために患者の直下の部分を介して冷却用伝熱液の流れ を指向する液路が形成されている冷却パッドとからなり、 前記冷却パッドに、当該冷却パッドの第１及び第２表面の間で空気、水蒸気、 結露、それにその他の流体が流れるように、前記液路の部分を貫通する複数の穴 が形成されてなる冷却パッド。