JP2001293973A - 感熱孔版原紙ロール - Google Patents

感熱孔版原紙ロール

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JP2001293973A
JP2001293973A JP2000113104A JP2000113104A JP2001293973A JP 2001293973 A JP2001293973 A JP 2001293973A JP 2000113104 A JP2000113104 A JP 2000113104A JP 2000113104 A JP2000113104 A JP 2000113104A JP 2001293973 A JP2001293973 A JP 2001293973A
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stretching
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Kenji Kida
健次 喜田
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Yasuhiko Matsukuma
靖彦 松隈
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ロールの芯部分でも、穿孔不良を生
じることがなく、美しい画像の印刷ができる感熱孔版原
紙ロールを提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の感熱孔版原紙ロールは、熱可塑性
樹脂フィルムとインキ通過性の多孔性支持体とからなる
感熱孔版原紙が巻かれたロールであって、該ロールの表
面部分の光沢度をG、巻き硬さをHとしたとき、G/H
が0.5〜3であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドや
レーザー光線等によって穿孔製版、印刷される感熱孔版
印刷に用いられる感熱孔版原紙ロールに関するものであ
り、さらに詳しくは穿孔不良のない感熱孔版原紙ロール
に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱孔版原紙は、薄い熱可塑性樹脂フィ
ルムに天然繊維や合成繊維からなる多孔性支持体を接着
剤で貼り合わせ、さらにフィルム表面にスティック防止
のための離型剤を塗布した構造となっている(例えば、
特開昭57−182495号公報、特開昭58−147
396号公報、特開昭59−2896号公報など)。
【0003】感熱孔版印刷は、このような構造の原紙の
熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘッドやレーザー光
線等の加熱により穿孔して製版し、次いでこの版を用い
て印刷を行うものである。
【0004】近年、感熱孔版印刷は、他の印刷や複写方
法に対抗していくため、一層の画質の向上が求められて
おり、細かな文字や写真の印刷を鮮明にするため、サー
マルヘッドのドット密度は300dpiから400dp
i、さらには600dpiと高くなってきている。この
ようなドット密度の高いサーマルヘッドを使用する製版
では、画像に対応して確実に穿孔するためには、感熱孔
版原紙の表面にも高い精度、特性が求められる。
【0005】感熱孔版原紙の表面に凹凸が存在すると、
該原紙のフィルム面とサーマルヘッドとの密着が不良な
部分を生じ、穿孔が不十分となり、原稿に忠実な穿孔が
行われず、印刷物の画質が悪くなるという問題が発生す
る。
【0006】このような問題を解決するために、特開平
8−67081号公報では、多孔性支持体と熱可塑性樹
脂フィルムとを積層した状態における熱可塑性樹脂フィ
ルムの表面粗さと平滑度を特定した原紙が提案されてい
る。しかしながら、感熱孔版原紙は、実際の製品状態で
保管しておく段階や、例えば、最終製品に裁断する前の
中間製品として保管しておく段階で、ロール状態で存在
するため、このとき経時で原紙の表面平滑性が低下し
て、結果として、製版時に穿孔不良が発生してしまうと
いう問題のあることがわかった。
【0007】上記問題を解決する方法として、特開平6
−239048号公報では、原紙の表面平滑性の低下を
防止するためにロールの巻き密度を調節した原紙が提案
されている。また、特開平8−337069号公報で
は、特定の圧縮弾性率を有するロール状孔版原紙を用い
ることが提案されている。さらに、特開平8−3370
70号公報では、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体
とを貼りあわせた後、カレンダー処理してからロール状
に巻き取る方法が提案されている。
【0008】しかしながら、上記のいずれの方法におい
てもロールの芯部分での表面の平滑性の大きな低下が避
けられず、穿孔不良を引き起こすという問題は依然とし
て未解決であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消し、ロールの芯部分でも、穿孔不良を
生じることがなく、美しい画像の印刷ができる感熱孔版
原紙ロールを提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の感熱孔版原紙ロールは、熱可塑
性樹脂フィルムとインキ通過性を有する多孔性支持体と
からなる感熱孔版原紙が巻かれたロールであって、該ロ
ールの表面部分の光沢度をG、巻き硬さをHとしたと
き、G/Hが0.5〜2.5であることを特徴とするも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題である、ロー
ルの芯部分でも、穿孔不良を生じることがなく、美しい
画像の印刷ができる感熱孔版原紙ロールについて、鋭意
検討し、原紙ロールの表面部分の光沢度と巻き硬さの関
係を特定な範囲に制御してみたところ、意外にも、かか
る課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0012】本発明の感熱孔版原紙ロールは、該ロール
の表面部分の光沢度をG、巻き硬さをHとしたとき、G
/Hが0.5〜2.5の範囲に制御することが重要であ
り、さらに好ましくは0.7〜2.0、特に好ましくは
0.9〜2.0の範囲に制御するのがよい。すなわち、
G/Hが0.5未満であると、ロールの芯部分の原紙を
用いた場合、原紙のフィルム面の表面平滑性の低下が著
しく、その結果として、穿孔不良が発生し、印刷画像に
白抜け等の欠点が発生するので好ましくない。一方、G
/Hが2.5を超えると、ハンドリングするときにロー
ルの層間にズレを生じてタケノコ状となるため好ましく
ない。
【0013】本発明の感熱孔版原紙ロールにおいて、表
面部分の光沢度Gは、好ましくは15%〜100%、よ
り好ましくは25%〜95%、特に好ましくは30%〜
90%であるのがよい。
【0014】また、本発明の感熱孔版原紙ロールにおい
て、巻き硬さHは、好ましくは30〜90度、より好ま
しくは40〜80度、特に好ましくは45〜70度であ
るのがよい。
【0015】本発明における熱可塑性樹脂フィルムとし
ては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、お
よびそれらの共重合体、およびそれらのブレンド物等か
ら選ばれた少なくとも1種からなるフィルムを使用する
ことができるが、これらの中でも、ポリエステルおよび
その共重合体、またはおよびそのブレンド物から選ばれ
た少なくとも1種からなるポリエステル系フィルムが好
ましく用いられる。
【0016】かかるポリエステルとしては、芳香族ジカ
ルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン
酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルが好
ましいものである。かかる芳香族ジカルボン酸成分とし
ては、例えぱ、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスル
ホンジカルボン酸などを使用することができ、中でも好
ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等を使用することができる。また、脂
肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、
スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を使用す
ることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分として
は、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を
使用することができる。これらの酸成分は、1種のみ用
いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒド
ロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよ
い。また、ジオール成分としては、例えば、エチレング
リコール、1,2−ブロパンジオール、1.3−ブロパ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロ
ヘキサンジメタノール、1.3−シクロヘキサンジメタ
ノール、1.4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シフェニル)ブロパン等を使用することができる。これ
らのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併
用してもよい。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂フィルムに用いるポ
リエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタ
レート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレ
ートとエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレン
テレフタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共
重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エ
チレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレー
トとの共重合体およびこれらのブレンド物等を用いるこ
とができる。特に好ましくは、エチレンテレフタレート
とエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリヘキサメ
チレンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタレート
と1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
エチレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレ
ートとの共重合体等を用いることができる。
【0018】本発明における熱可塑性樹脂フィルムに
は、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステ
ル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の
消泡剤等を配合することができる。
【0019】さらには必要に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性を付与する方法としては、特に制限
はされないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、
炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式
シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機粒子、アクリ
ル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合
する方法、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等を
析出させる、いわゆる内部粒子による方法等を採用する
ことができる。
【0020】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
少なくとも一軸方向、より好ましくは二軸に延伸されて
いるものが好ましく使用される。延伸倍率は特に限定さ
れないが、縦横それぞれ少なくとも2倍以上であるのが
好ましい。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂フィルムとしては、
その融点が230℃以下であるものが好ましく、より好
ましくは220℃以下、特に好ましくは210℃以下で
あるものがよい。また、示差走査型熱量計で測定した時
の融点のピークが二つ以上存在する場合には、少なくと
も一つのピーク温度が230℃以下であるものが好まし
い。
【0022】かかる熱可塑性樹脂フィルムの結晶融解エ
ネルギーは、5〜50J/gが好ましく、より好ましく
は10〜40J/gであるものがよい。
【0023】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚
さは、0.1〜5μmであるのが好ましく、より好まし
くは0.3〜3μm、特に好ましくは0.5〜2.5μ
mであるものが使用される。
【0024】本発明における多孔性支持体は、インキ通
過性を有するもので、フィルムが穿孔される条件下で
は、実質的に変形を起こさないものであればよく、イン
キ保持性や均一分散性の点で、天然繊維、合成繊維、無
機繊維、金属繊維などからなる不織布、抄造紙、スクリ
ーン紗などの多孔質体が好ましく用いることができる。
中でも繊維径や目付を任意に設定できるという点で、合
成繊維からなるものがより好ましく、ポリエステル繊維
からなるものが特に好ましい。なお、本発明の効果を損
なわない範囲で、他の繊維等を併用することもできる。
【0025】ポリエステル繊維に用いられるポリエステ
ルは、前記フィルムを構成するポリエステルと同じく、
芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族
ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とするもので
ある。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、エチレンテレフ
タレートとエチレンイソフタレートとの共重合体等を用
いることができる。
【0026】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の繊
維径は、1〜20μmの範囲内であるのが好ましく、よ
り好ましくは1〜15μm、特に好ましくは1〜10μ
mである。
【0027】本発明の多孔性支持体の目付は、インキ保
持性の点から、1〜20g/m2が好ましく、より好ま
しくは3〜15g/m2、特に好ましくは、4〜12g
/m2である。
【0028】本発明の多孔性支持体を構成する繊維に
は、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステ
ル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の
消泡剤等を配合してもよく、また、インキとの親和性を
付与するために、必要に応じて繊維の表面に酸、アルカ
リ等の化学処理あるいはコロナ処理、低温プラズマ処理
等を施したものでもよい。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支
持体とは、接着剤を用いて接着したものでもよいが、接
着剤を用いることなく接着したものでもよい。また、熱
可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体を接着する方法はい
かなる方法であってもよく、接着剤を用いて貼り合わせ
る方法、熱融着する方法など採用することができるが、
熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルム、多
孔性支持体としてポリエステル繊維からなる不織布とす
る組み合わせが特に好ましい。この組み合わせを実現す
る最も好ましい方法としては、フィルム表面の光沢度を
コントロールしやすいという点から、未延伸のポリエス
テルフィルムと未延伸のポリエステル繊維からなる不織
布とを熱接着して共延伸する方法である。かかる未延伸
のポリエステルフィルムと未延伸のポリエステル繊維か
らなる不織布を熱接着した状態で共延伸する手段によれ
ば、フィルム部分と不織布部分とは剥離することなく好
適に延伸され、接着強度の十分な原紙とすることができ
る。
【0030】本発明における未延伸のポリエステル繊維
からなる不織布は、メルトブロー法やスパンボンド法な
どの直接溶融紡糸法によって製造することができる。
【0031】一方、未延伸のポリエステルフィルムは、
例えば、ポリエステルをTダイ押し出し法によってキャ
ストドラム上に押し出すことによって製造できる。口金
のスリット幅、ポリマの吐出量、キャストドラムの回転
数を調整することによって、所望の厚さの未延伸のポリ
エステルフィルムとすることができる。
【0032】未延伸のポリエステルフィルムと未延伸の
ポリエステル繊維からなる不織布とを熱接着するには、
該フィルムと支持体を重ねた状態で加熱しつつ加圧した
り、伸長し張力をかけ加圧されるようにするのが好まし
く、その方法は特に限定されないが、加熱ロールによる
熱接着が特に好ましい。用いる加熱ロールの材質として
は、金属や“テフロン(登録商標)”、シリコンゴム、
セラミックなどが好ましい。熱接着温度はフィルムのガ
ラス転移点(Tg)付近が好ましく、Tg−20℃〜T
g+60℃の範囲が特に好ましい。また、熱接着時の圧
力はロール線圧で1〜500N/cmの範囲で行うのが
好ましい。
【0033】熱接着された未延伸のポリエステルフィル
ムと未延伸状態のポリエステル繊維からなる不織布の共
延伸の方法は、特に限定されるものではなく、一軸延
伸、二軸延伸いずれの方法でもよいが、二軸延伸がより
好ましい。二軸延伸は、逐次二軸延伸法または同時二軸
延伸法のいずれの方法であってもよいが、逐次二軸延伸
が特に好ましい。逐次二軸延伸の場合は、通常加熱ロー
ル群による縦延伸の後、テンターにより横延伸を行うの
が好ましいが、逆に行ってもよい。逐次二軸延伸の場合
には、上記の熱接着をこの加熱ロール群による加熱の際
に同時に行うこともできる。加熱ロールの材質として
は、金属、“テフロン”、セラミック、シリコンゴムな
どが好ましく用いられる。ニップ・ロールの材質は、シ
リコンゴムが特に好ましい。延伸時のニップ圧力は、ロ
ール線圧で1〜500N/cmの範囲で行うのが好まし
い。延伸温度は、50℃〜150℃の間が好ましく、よ
り好ましくは60℃〜l30℃の範囲で行うのがよい。
また、延伸時の加熱を均一に行うため、未延伸状態のポ
リエステル繊維からなる不織布のみを単独で予熱してか
ら延伸ロールに供給してもよい。さらに、未延伸のポリ
エステルフィルムと未延伸状態のポリエステル繊維から
なる不織布とを均一に延伸するために、熱接着されたフ
ィルムと不織布とを延伸直前に赤外線ヒーターなどで加
熱してもよい。
【0034】延伸倍率は、特に限定されないが、好まし
くは縦、横それぞれ2〜8倍、より好ましくは2.5〜
8倍の条件が採用される。また、この場合、縦延伸にお
いては、その延伸を2段階以上の多段延伸であってもよ
い。また、二軸延伸後、縦または横、あるいは縦横に再
延伸してもかまわない。
【0035】さらにその後、二軸延伸後の原紙を熱処理
することが好ましい。かかる熱処理温度は、特に限定さ
れないが、ガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)との
間が好ましく、(Tg+10)℃〜(Tm−10)℃が
特に好ましい。処理時間は、好ましくは0.5〜60秒
程度の条件が採用される。
【0036】また、熱処理して得られた原紙を一旦室温
程度まで冷却した後、さらに40〜90℃の比較的低温
で、5分から1週間程度工一ジングすることもできる。
このような工一ジングを採用すると、カール、しわの発
生が少なく特に好ましい。
【0037】本発明の感熱孔版原紙ロールにおいて、該
ロールの表面部分のフィルムの光沢度と巻き硬さの関係
を本発明の範囲に制御するためには、まず、フィルムの
光沢度をコントロールするには、使用するフィルムおよ
ぴ繊維のポリマー種およぴその重合度、フィルムと不織
布との熱接着条件、両者を共延伸する時のそれぞれの温
度、延伸倍率ならぴに二ップ圧力、さらには熱処理温度
等を適宜調整することにより達成することができる。こ
の場合、未延伸のフィルムおよぴ未延伸のポリエステル
繊維からなる不織布は延伸挙動の近いものの組み合わせ
が好ましい。また、未延伸フィルムおよぴ未延伸のポリ
エステル繊維からなる不織布の好適な延伸温度に差があ
る場合でも、例えば、縦延伸前の予熱の段階で、未延伸
のフィルム、未延伸のポリエステル繊維からなる不織布
の加熱に別々の赤外線ヒーターを用いたり、あるいは単
一または複数の予熱ロールに接触させて加熱する場合に
は、それぞれ未延伸のフィルムと未延伸のポリエステル
繊維からなる不織布が直接接触する予熱ロールの温度に
差を設けて加熱したり、あるいはこれらを組み合わせて
加熱した後に延伸することにより、製造時に破れを生じ
ることなく原紙のフィルムの光沢度を特定の範囲に調整
することができる。また、テンターによる横延伸であれ
ぱ、延伸前の予熱ゾーンにおいて、フィルム面側と繊維
面側の熱風の温度に差を設けて予熱を行った後、延伸ゾ
ーンで横延伸することにより、フィルムの光沢度をコン
トロールすることができる。
【0038】次に、本発明の感熱孔版原紙ロールの巻き
硬さをコントロールする方法は、いかなる方法も採用で
きるが、例えば、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体
とを接着した後、ロール状に巻き取るまでの全ての段階
で、巻き取り速度と巻き取り張力を調節することにより
最も好ましく達成できる。
【0039】本発明における原紙には、サーマルヘッド
等との融着防止のため、フィルム表面に離型剤を塗布す
るのが好ましい。かかる離型剤としては、シリコーンオ
イル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いること
ができる。これら離型剤中には、本発明の効果を阻害し
ない範囲内で各種添加剤、例えば、帯電防止剤、耐熱
剤、耐酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料等を併用
したものを使用することができる。
【0040】また、離型剤を塗布する前に、必要に応じ
て、フィルムの塗布面に空気中、その他種々の雰囲気中
で、コロナ放電処理等を施してもよい。 [特性の測定方法] (1)フィルムの厚さ(μm) 光干渉式厚さ計(東レテクノ(株)製 HIT−25)
を用いて、原紙の幅方向に5ヶ所のフィルム厚さを測定
し、その平均値を求めて表した。 (2)繊維径(μm) 多孔性支持体部分を支持体平面に対して垂直に切断し、
切断面を走査電子顕微鏡で倍率2000倍で観察し、繊
維の平均径を測定した。 (3)目付(g/m2) 多孔性支持体から20cm×20cmの大きさに切り出
し、その重さを測定して1m2当たりの重量に換算して
算出した。 (4)フィルムの光沢度(%) JIS−K7105に従って、スガ試験機(株)製デジ
タル変角光沢計UGV−5Gを用いて、フィルム部分の
不織布部分との接着面と異なるもう一方の面の60度鏡
面光沢度として測定した。 (5)巻き硬さ 感熱孔版原紙ロールの巻き硬さは、JIS−K6301
のスプリング式硬さ試験に準拠して、高分子計器株式会
社製アスカーゴム硬度計C型を用いて測定した。 (6)穿孔性 作製した原紙ロールの芯部分を理想科学工業(株)製印
刷機“リソグラフ”GR377(600dpi)に供給
し、 RISO TEST CHART No.11を原稿に用いて製版し
た。該製版マスターの帯状の黒ベタ部分の任意の5箇所
について、キーエンス社製マイクロスコープにて、倍率
250倍で観察し、サーマルヘッドのドット数に対応す
る部分(1観察点について513個)の中の未穿孔数を
カウントし、次式により穿孔率(%)を計算した。
【0041】穿孔率={(全観察個数−全未穿孔数)/
全観察個数}×100 % 穿孔性の判定は、下記の基準で判定した。△、○が実用
に供することができるものである。
【0042】 ◎:穿孔率が98%以上 ○:穿孔率が98%未満で95%以上 △:穿孔率が95%未満で90%以上 ×:穿孔率が90%未満
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0044】実施例1 (未延伸不織布の製布)ポリエチレンテレフタレート原
料をメルトブロー法にて紡出し、繊維径9μm、目付9
3g/m2の未延伸不織布を作製した。 (製膜)平均粒径1.5μmのシリカを0.4重量%含
有するエチレンテレフタレート−エチレンイソフタレー
ト共重合体(イソフタル酸14モル%共重合)をオーブ
ンで120℃で予備結晶化した後、回転型乾燥機で15
0℃で3時間減圧乾燥し、スクリュー径40mmの押出
機を用いて、Tダイ口金温度270℃で押出し、冷却ド
ラム上にキャストして厚さ25μmの未延伸フィルムを
作製した。
【0045】該未延伸フィルム上に、前記の未延伸不織
布を重ね、予熱、延伸、冷却ロール群からなる縦延伸機
に供給して、ロール間に周速差を設けることにより、長
手方向に3.5倍の延伸を行った。このとき予熱ロール
の温度を90℃、延伸ロールの温度を95℃、周速差を
設けた延伸ロールのニップロール線圧は1N/cmとし
た。
【0046】次いで、フィルム面にシリコーン系離型剤
を塗布した後、テンター式横延伸機に送り込み、95℃
に加熱して幅方向に3.8倍延伸し、140℃で10秒
間熱処理を行い、ワインダーで巻き取って感熱孔版原紙
中間ロールを作製した。
【0047】得られた原紙の厚さは48μm、フィルム
厚さは1.7μm、不織布の目付は7g/m2、繊維径
は5μmであった。
【0048】該原紙中間ロールをスリッターにて、巻き
取り張力を10N、巻き取り速度を30m/分として、
幅500mmにスリットし、外径44mmの紙管に長さ
2000mを巻き取り、感熱孔版原紙ロールとした。
【0049】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は45、巻き硬さは50であった。
【0050】この感熱孔版原紙ロールを用いて穿孔性の
評価を行った結果を表1に示した。この原紙ロールは芯
部分でも良好な穿孔性を示すことがわかる。
【0051】実施例2、3および比較例1 スリッターの巻き取り張力を30N、50Nおよび75
Nとしたこと以外は、実施例1と同様にして、感熱孔版
原紙ロールを作製した。
【0052】この感熱孔版原紙ロールの光沢度、巻き硬
さ、穿孔性の評価結果を併せて表1に示した。本発明の
原紙ロールは、芯部分では穿孔性が良好であるのに対し
て、本発明の範囲外のロールは不良となることがわか
る。
【0053】実施例4 縦延伸の予熱ロールの温度を88℃、延伸ロールの温度
93℃およびワインダーのとしたこと以外は、実施例1
と同様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0054】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は80、巻き硬さは55であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は○であった。
【0055】実施例5 スリッターの巻き取り張力を7Nとしたこと以外は、実
施例4と同様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0056】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は80、巻き硬さは40であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は良好であった。
【0057】比較例2 スリッターの巻き取り張力を5Nとしたこと以外は、実
施例4と同様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0058】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は80、巻き硬さは30であった。この原紙ロー
ルを垂直に立てようとしたところ、タケノコ状となりハ
ンドリングできないものであった。
【0059】実施例6 熱処理温度を120℃としたこと以外は、実施例1と同
様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0060】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は20、巻き硬さは40であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は△であった。
【0061】比較例3 スリッターの巻き取り張力を20Nとしたこと以外は、
実施例6と同様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0062】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は20、巻き硬さは50であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は不良であった。
【0063】実施例7 スリッターの巻き取り速度を100m/分としたこと以
外は、実施例1と同様にして、ロール状感熱孔版印刷用
原紙を作製した。
【0064】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は45、巻き硬さは45であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は良好であった。
【0065】実施例8 最終的に得られる不織布の目付を10g/m2としたこ
と以外は実施例1と同様にして、感熱孔版原紙ロールを
作製した。
【0066】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は50、巻き硬さは55であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は良好であった。
【0067】実施例9 平均粒径1.5μmのシリカを0.4重量%含有するエ
チレンテレフタレート−エチレンイソフタレート共重合
体(イソフタル酸14モル%共重合)からなる2軸延伸
フィルムと、平均繊維径10μm天然繊維を主体とする
薄葉紙とを酢酸ビニル系の接着剤を用いて貼り合わせ
後、フィルムの表面にシリコーン系の離型剤を塗布し巻
き取って感熱孔版原紙中間ロールを作製した。
【0068】得られた原紙の厚さは50μmであった。
【0069】該原紙中間ロールをスリッターにて、巻き
取り張力を10N、巻き取り速度を30m/分として、
幅500mmにスリットし、外径44mmの紙管に長さ
2000mを巻き取り、感熱孔版原紙ロールとした。
【0070】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は25、巻き硬さは50であった。
【0071】この感熱孔版原紙ロールを用いて穿孔性の
評価を行った結果を表1に示した。この原紙ロールは芯
部分の穿孔性は△であった。
【0072】比較例4 スリッターの巻き取り張力を15Nとしたこと以外は、
実施例9と同様にして感熱孔版原紙ロールを作製した。
【0073】得られた感熱孔版原紙ロールの表面部分の
光沢度は25、巻き硬さは55であった。また、この感
熱孔版原紙ロールの穿孔性は不良であった。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明よれば、芯部分でも、また経時に
よっても、穿孔不良が発生することなく、高画質の印刷
物が得られる感熱孔版原紙ロールを、安定して提供する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AB23 AB24 BA06 BA10 DA49 DA56 DA61 DA73 DA76 EA02 EA07 EA10 FA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムとインキ通過性を
    有する多孔性支持体とからなる感熱孔版原紙が巻かれた
    ロールであって、該ロールの表面部分の光沢度をG、巻
    き硬さをHとしたとき、G/Hが0.5〜2.5である
    ことを特徴とする感熱孔版原紙ロール。
  2. 【請求項2】 該多孔性支持体が、ポリエステル繊維か
    らなる不織布であることを特徴とする請求項1に記載の
    感熱孔版原紙ロール。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱孔
    版原紙ロール。
  4. 【請求項4】 該感熱孔版原紙が、該熱可塑性樹脂フィ
    ルムと該多孔性支持体とが接着剤を介することなく接着
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の感熱孔版原紙ロール。
JP2000113104A 2000-04-14 2000-04-14 感熱孔版原紙ロール Pending JP2001293973A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114875706A (zh) * 2022-04-02 2022-08-09 浙江凯恩新材料有限公司 一种高性能一体机热敏版纸原纸、生产工艺和制备得到的热敏版纸

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