JP2001283456A - 発光部材の取り付け構造 - Google Patents

発光部材の取り付け構造

Info

Publication number
JP2001283456A
JP2001283456A JP2000097889A JP2000097889A JP2001283456A JP 2001283456 A JP2001283456 A JP 2001283456A JP 2000097889 A JP2000097889 A JP 2000097889A JP 2000097889 A JP2000097889 A JP 2000097889A JP 2001283456 A JP2001283456 A JP 2001283456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
stem
light emitting
housing
emitting member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000097889A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsumaro Yamashita
龍麿 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2000097889A priority Critical patent/JP2001283456A/ja
Publication of JP2001283456A publication Critical patent/JP2001283456A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光部材のハウジングに対する位置調整を簡
単に行うことが可能な発光部材の取り付け構造を提供す
る。 【解決手段】 2波長レーザダイオード102は円筒状
のステム102aを備えたパッケージと、外部接続端子
102gとから一体に構成され、ハウジング106には
2波長レーザダイオード102のキャップ部102eを
収容する収容室106aと、ステム102aが圧入され
る取付穴106bとからなる取付部が形成され、2波長
レーザダイオード102が前記軸心と直交する方向に位
置決めされた状態でハウジング106に取り付けられる
とともに、取付穴106bには調整用治具の一端部11
1a′が回動支点として支持されるV字状溝106m
が、ステム102aには他端部111a″が係止する凹
溝102hが設けられ、調整用治具の回動操作により他
端部111a″は凹溝102hの内壁を押圧し、ステム
102aを軸心周りに回動させて2波長レーザダイオー
ド102の回転位置調整を行えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光部材のハウジ
ングに対する位置調整を簡単に行うことが可能な発光部
材の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、光ピックアップ装置
に備えたハウジングに発光部材を位置調整した後に取付
固定する場合について説明する。
【0003】光ピックアップ装置は、光ディスク装置に
取り付けられて、レーザ光を光ディスクに入射させて、
このディスク面に情報を記録したり、記録された情報を
再生したりするものである。
【0004】図17は従来の光ピックアップ装置50の
部分斜視図である。
【0005】従来の光ピックアップ装置50は、光ディ
スク装置に取り付けられて往復動するハウジングすなわ
ちキャリッジ51と、このキャリッジ51に取り付く発
光部材18と、受光部材19と、ビームスプリッター2
0と、レンズすなわちコリメータレンズ21と、反射ミ
ラー22と、集光レンズ23とから構成されている。
【0006】発光部材18は、金属製の円筒状の本体1
8aと、この本体18aと一体である鍔状のステム18
bからなるパッケージを有しており、このパッケージ内
にレーザダイオードなどの発光素子が収納されている。
また、本体18aのステム18bとは反対側の前面には
発光素子から出射されたレーザ光が出射する出射口(図
示せず)が形成されており、さらに、この出射口を塞ぐ
ように透明なガラス板が固着され本体18a内を封止し
ている。一方、ステム18bの本体18aとは反対側の
面からは外部端子18cが複数本突設されている。
【0007】受光部材19は、方形板状の本体19aと
この本体19aから両側にそれぞれ複数本突設した外部
端子19bから構成され、本体19a内にフォトダイオ
ードなどの受光素子が収納されている。また、本体19
aの前面(図17中奥側)にはレーザ光が入射する入射
口(図示せず)が形成されており、さらに、この入射口
を塞ぐように透明なガラス板が固着され本体19a内を
封止している。
【0008】ビームスプリッター20は、発光部材18
から出射されたレーザ光を透過し、戻り光を受光部材1
9に反射させる機能を有する光学素子である。
【0009】コリメータレンズ21は、ビームスプリッ
ター20を透過したレーザ光を平行光に変換するための
レンズである。
【0010】反射ミラー22はプリズム状で、その斜面
部には反射膜が形成されて反射面が構成されており、こ
の反射面においてコリメータレンズ21を透過したレー
ザ光を、この反射ミラー22の真上に配置されるように
キャリッジ51に取り付けた対物レンズ(図示せず)に
向かって略90度向きを偏向する光学素子である。
【0011】集光レンズ23は、ビームスプリッター2
0で反射した戻り光を受光部材19の受光素子に最適な
スポットとなるように変換するためのレンズである。
【0012】キャリッジ51は、アルミニウムなどの金
属材料からなる比較的厚みのある略箱状にダイキャスト
成形されたものである。そして、キャリッジ51の中央
部には、方形状の凹部52と、この凹部52と連結する
ように幅狭の細長く溝状となった凹部53が形成されて
いる。また、この凹部53の長さ方向に沿ったキャリッ
ジ51の一方の側壁面には突出部54が形成されてい
る。
【0013】さらに、この突出部54の先端面である取
付面54aの中央部には凹部53に向かって貫通した穴
部(符号では図示していない)が形成されている。ま
た、キャリッジ51の図17中手前の側壁面である取付
面51aの中央部には同様に凹部53に向かって貫通し
た穴部(符号では図示していない)が形成されている。
なお、取付面51aに形成した穴部の直径は発光部材1
8の本体18bの直径よりも拡径に形成されている。
【0014】このようなキャリッジ51に受光部材19
を組み込む場合は、突出部54の取付面54aに形成し
た穴部に発光部材18の入射口を合わせるように本体1
9aを位置合わせし、本体19aの前面を取付面54a
に押し当てた状態で、接着剤等で固着されるようになっ
ている。
【0015】また、集光レンズ23は、突出部54の取
付面54aの中央部から凹部53に向かって貫通した穴
部の間の光路中に所定の位置で配設され接着剤等で固着
されるようになっている。また、反射ミラー22は凹部
52の内底面に位置決めして載置され接着剤等で固着さ
れるようになっている。
【0016】また、コリメータレンズ21は、凹部53
に設けた壁部56、56の対向面間にコリメータレンズ
21の外径が嵌合するように配置され、キャリッジ51
に対する位置決めがなされた後に、接着剤を壁部56、
56近傍に適量塗布して固着する。
【0017】また、ビームスプリッター20は凹部53
の内底面に形成した基準面(図示せず)にビームスプリ
ッター20の下面が所定の位置で当接するように保持さ
れた状態で、接着剤を所定位置に適量塗布して、固着さ
れる。
【0018】発光部材18を組み込む場合においては、
まず、図示しない調整治具により例えばステム18bの
外周部分を挟持し、キャリッジ51の取付面51aに形
成した穴部に発光部材18の円筒状の本体18aを嵌合
させる。そして、ステム18bの前面を取付面51aに
押し当てた状態で、発光部材18が出射するレーザ光が
光ピックアップ装置50の光学系の所定光路を進むよう
に、発光部材18を調整治具に備えた微調機構により図
中x、y座標方向およびステム18bの軸心周りの回転
方向であるθ方向に位置調整した後、接着剤等でキャリ
ッジ51の取付面51aに固着されるようになってい
る。
【0019】このように構成された光ピックアップ装置
50において、発光部材18の出射口から出射したレー
ザ光は、ビームスプリッター20とコリメータレンズ2
1を透過し、さらに反射ミラー22を通って、図17中
矢印のように、水平方向から鉛直方向に直角に折り曲げ
て、対物レンズ(図示せず)に入射し図示しない光ディ
スク面に集光されたレーザ光が照射される。また、光デ
ィスク面で反射した戻り光は、上記と逆の経路を辿って
ビームスプリッター20に戻り、このビームスプリッタ
ー20で反射され、この反射したレーザ光が受光部材1
9で受光されることによって光ディスクの再生等が行わ
れるようになっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は発
光部材をキャリッジ51(ハウジング)に取付固定する
ときに、発光部材18の位置合わせは、その調整範囲が
微小なものであるばかりでなく、x、y座標方向の位置
決めを行いながらθ方向の調整も同時に行わなければな
らなかったために調整作業が非常に難しく面倒なものに
なっていた。
【0021】本発明の目的は、上記従来の課題を解決す
るものであり、発光部材のハウジングに対する位置調整
を簡単に行うことが可能な発光部材の取り付け構造を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の解決手段として、発光部材をハウジングに取り
付けるための取り付け構造であって、前記発光部材は光
源と該光源を包含するパッケージと該パッケージに設け
られた外部接続端子とから一体に構成され、前記パッケ
ージは円筒状のステムを備え、前記ハウジングには前記
発光部材を前記ステムの軸心方向に嵌入して収容する収
容部が形成され、前記ステムが前記収容部に圧入され
て、前記発光部材が前記軸心と直交する方向に位置決め
された状態で前記ハウジングに取り付けられるととも
に、前記ハウジングには調整用治具の一端部を支点とし
て支持し他端部を変位自在とすることが可能な支持部
が、前記ステムには前記調整用治具の前記他端部が係止
可能な係止部が設けられ、前記調整用治具の操作により
前記他端部は前記係止部を押圧し、前記ステムに作用す
る圧入力に抗して前記ステムを前記軸心周りに回動させ
て前記発光部材の該軸心周りの回転位置調整を行えるよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0023】さらに、第2の解決手段として、前記係止
部は前記ステムの外周面に該ステムの軸心方向に形成し
た凹溝であり、前記支持部は該凹溝に対向させて前記収
容部の内壁面に切り欠き形成したV字状溝であり、該V
字状溝の開口は前記凹溝の開口よりも幅広になっている
とともに、前記調整用治具は前記一端部と前記他端部を
両端部に有した操作片を備えたときに、前記V字状溝と
該凹溝に前記一端部と前記他端部がそれぞれ配置するよ
うに前記操作片を挿入可能とし、前記調整用治具のこじ
り操作によって前記一端部は前記V字状溝のV字底に支
持され、前記他端部が前記凹溝の内壁を押圧可能とした
ことを特徴とするものである。
【0024】さらに、第3の解決手段として、複合光学
部材が収容された前記ハウジングに前記発光部材と受光
部材を一体に取付固定して複合光学ユニットを構成し、
前記発光部材は前記光源を2つ並設して有し、該両光源
から出射したそれぞれ波長の異なる光が該発光部材から
前記ステムの軸心方向に所定の間隔で出射され、前記複
合光学部材は前記ステムの軸心方向に光軸を有し該光軸
方向の両端面には前記2つの光の入射面と出射面とをそ
れぞれ有し、前記ハウジングには前記出射面が臨出する
入出射口が形成され、前記発光部材から出射した前記2
つの光を前記入射面に入射し前記出射面から出射させ、
出射した2つの光を前記入出射口を通して前記ハウジン
グの外部に照射し、外部からの両戻り光を前記出射面に
入射させ前記複合光学部材を透過する過程で前記受光部
材の方向に偏向させて前記複合光学部材から出射し、該
両戻り光を前記受光部材で受光するとともに、前記両戻
り光が前記受光部材の所定位置で受光するように前記調
整用治具の操作で前記発光部材の前記軸心周りの回転位
置調整を行えるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態である複合光
学部材の取り付け構造について、図1〜図16の図面を
用いて以下に説明する。
【0026】図1は本発明の実施の形態に係る光ピック
アップ装置100を示す説明図、図2は2波長レーザダ
イオード102の一部断面斜視図、図3は複合光学部材
105の正面図、図4は図3の左側面図、図5は図3の
右側面図、図6は図3の方向6から見た図、図7はハウ
ジング106の平面図、図8は図7の8−8断面図、図
9は図8の左側面図、図10は図8の右側面図、図11
は図8の方向11から見た図、図12は図1における1
2−12一部断面図、図13は複合光学部材105の機
能を説明するための説明図、図14は取付穴106bへ
のステム102aの取り付け状態を示す説明図、図15
は発光部材102の回転位置調整の様子を説明するため
の説明図、図16は調整用治具110の斜視図である。
【0027】図1に示すように、光ピックアップ装置1
00はピックアップボディすなわちキャリッジ500
と、このキャリッジ500内に配設された、複合光学ユ
ニット101と、平板状の反射ミラー300と、コリメ
ートレンズ400と、対物レンズ200とから主として
構成されている。そして、複合光学ユニット101は本
発明の実施の形態である複合光学部材105を備えてい
る。
【0028】そして、光ピックアップ装置100は光デ
ィスクすなわちCD61あるいはDVD(デジタル・バ
ーサタイル・ディスク、またはデジタル・ビデオ・ディ
スク)62に対面して配置されており、CD61(DV
D62)面と直交する方向であるフォーカシング(F)
方向及びCD61(DVD62)の半径方向であるトラ
ッキング(T)方向に対物レンズ200が可動支持され
ている。なお、対物レンズ200はCD61及びDVD
62の双方に対応できるように構成されたものである。
【0029】上記の複合光学ユニット101は、受発光
一体型光学素子であり、レーザ光を光ディスクに照射
し、光ディスクからの反射光(戻り光)を受光すること
により光ディスクに記録された情報を再生したり、ある
いは光ディスクに対して情報を記録するために用いられ
る。
【0030】複合光学ユニット101は、図1に示すよ
うに、主として、発光部材すなわち2波長レーザダイオ
ード102と、受光素子104aを内蔵した受光部材1
04と、複合光学部材105と、プリント基板107
と、これらの部材が取付固定されるハウジング106と
からなっている。
【0031】2波長レーザダイオード102は、図2に
示すように、円筒状のステム102aと、ステム102
aの一方の平面部102a′から突設した直方体状の基
台102bと、基台102bの側壁面に位置決めされ固
着されたレーザチップ103と、基台102bを包含す
るように平面部102a′に取付固定され筒状の胴部1
02cと開口部102d′を形成した天板102dとか
らなるキャップ部102eと、開口部102d′をキャ
ップ部102eの内側から塞ぐように固着された透明な
円板状のガラス板102fとから構成されている。こう
して、ステム102aとキャップ部102eとガラス板
102fとから構成される1つのパッケージの中に密閉
された空間にレーザチップ103が配置されるようにな
っている。
【0032】そして、レーザチップ103にはDVD用
の短波長(波長650nm帯)のレーザ光103a′を
出射する光源103aと、CD用の長波長(波長780
nm帯)のレーザ光103b′を出射する光源103b
の2つの光源が間隔Dとなるように近接させて形成され
ている。なお、本実施の形態では、Dは120μmに設
定している。また、DVD用の650nm帯は、具体的
には、635nmあるいは650nmがDVD規格とし
て採用されている。
【0033】また、光源103a、103bからそれぞ
れ出射されるレーザ光103a′、103b′はステム
102aの一方の平面部102a′と直交する方向に相
互に平行となるように開口部102d′を通して出射さ
れるようになっている。なお、レーザ光103a′、1
03b′の出射位置はレーザチップ103の先端面10
3′(平面部102a′と平行となるように配置されて
いる)の同一平面上となるように構成されている。ま
た、レーザ光103a′の光軸はステム102aの軸心
に一致するように配設されている。
【0034】一方、ステム102aの外周面にはステム
102aの軸心方向に切り欠いた係止部すなわち凹溝1
02hが溝形成されている。また、ステム102aの一
方の平面部102a′とは反対側の他方の平面部からは
複数の外部接続端子102g(図1参照)が突設してあ
り、この外部接続端子102gを介してレーザチップ1
03への駆動電流の供給等を行っている。
【0035】また、2波長レーザダイオード102を製
作する工程では、2つの光源103a、103bを備え
たレーザチップ103は所定の基板面上に半導体プロセ
ス類似のプロセスにより加工されるので、各光源103
a、103b間の間隔Dは容易に所定の値に高精度で均
一に形成することができる。また、そのためディスクリ
ート部品として大量生産も可能となるので2波長レーザ
ダイオード102のコストも安価なものにすることがで
きる。
【0036】受光部材104は、図1に示すように、受
光窓104b′を有しまた受光素子104aを内蔵した
パッケージ104bと、パッケージ104bから両側に
突設した外部接続端子104cとから構成されている。
外部接続端子104cを介して、受光素子104a用の
電源電圧を供給したり、受光素子104aで光電変換さ
れた信号を外部に出力したりできるようになっている。
【0037】図3〜図6に示す複合光学部材105は、
高透過性を有する樹脂の一体成形により形成され、平行
に配置された入射面105aと出射面(戻り光入射面)
105bを光軸N方向の両端面に有した円錐台状の基体
部105cと、入射面105aから突出するように形成
した傾斜面部105d′を有する台形状の突出部105
dとから主に構成されている。
【0038】基体部105cは出射面105bの方向
(前方)になるにしたがって縮径となるように形成され
ている。また、基体部105cの前端部には、第1規制
部すなわち円柱面105j′(規制面)、を有する円柱
状部105jが形成されている。前記出射面105bは
この円柱状部105jの前端面となっている。
【0039】また、基体部105cの円柱状部105j
とは反対側の後端部105kの外周面には、周方向にほ
ぼ均等に配置された4つの突部105k′が形成されて
いる。なお、第2規制部すなわち各突部105k′の先
端面(規制面)、は柱面になっている。また、図3にお
いて、基体部105cの中央部の下面には円柱状の位置
規制突部105mが下方に突出するように一体形成され
ている。
【0040】また、図3、図4、図12に示すように、
基体部105cの入射面と突出部105dの後端面にお
いて、各突部105k′と、第2の回折格子105g及
び3ビーム用回折格子105hとの間には、それぞれ緩
衝領域すなわち空間部105sが光軸N方向に所定の深
さで座ぐり形成されている。
【0041】また、出射面105bの中央部には第1の
回折手段すなわち方形状の第1の回折格子105fが形
成されている。また、傾斜面部105d′の表面には図
示しない光学膜がコーティングされることによって、傾
斜面部105d′の内壁面には戻り光反射面105d″
が形成されている。また、戻り光反射面105d″には
第2の回折手段すなわち反射型の第2の回折格子105
gが、入射面105aにはCD用トラッキング制御のた
めの3ビームを生成する3ビーム用回折格子105hが
形成されている。
【0042】さらに、突出部105dの戻り光反射面1
05d″とは反対側の側壁面には平坦面105nが基体
部105cに架けて形成されている。さらに、平坦面1
05nの縁部からはフォーカス制御方式である非点収差
法のためのシリンダー面105iが光軸N所定の角度α
をなして斜め方向に溝形成されており(図6参照)、シ
リンダー面105iの内壁が戻り光出射面105pとな
っている。本実施の形態では、複合光学部材105は第
1及び第2の回折格子105f、105g並びに3ビー
ム用回折格子105h、シリンダー面105iとともに
成形型を用いた一体成形により形成されている。
【0043】本実施の形態では、出射面105bと戻り
光入射面を同一面としたが、出射面と戻り光入射面を別
々に設け、この戻り光入射面に第1の回折格子を形成す
るようにしてもよい。なお、複合光学部材105におけ
る第1及び第2の回折格子105f、105g、並びに
3ビーム用回折格子105hについての詳細は後述す
る。
【0044】図7〜図11に示すハウジング106は、
アルミダイキャスト製のブロックからなり、主として筒
状胴部106gと、この筒状胴部106gの両端部から
それぞれ外方へ突設した取付部106h、106iとか
らなっている。これら取付部106h、106iには方
形状の取付面106h′、106i′がそれぞれ形成さ
れている。
【0045】また、筒状胴部106gの図8中左端部側
(後端側)には収容室106aと取付穴106bからな
る収容部が形成されている。収容室106aは図2に示
す2波長レーザダイオード102のキャップ部102e
が挿入されるための空間である。また、取付穴106b
は筒状胴部106gの左端面に座ぐり形成され、2波長
レーザダイオード102を位置決めして取付固定するた
めのものである。なお、この取付穴106bの直径は2
波長レーザダイオード102のステム102a(図2参
照)の直径よりも小径である所定の寸法に設定されてい
る。
【0046】また、図9に示すように取付穴106bの
内壁面には位置規制溝106d(後述)と中心軸N′周
りに90度の角度をなす位置に支持部すなわちV字状溝
106mが中心軸N′方向に形成されている。なお、こ
のV字状溝106mの開口は、図14に示すように、2
波長レーザダイオード102のステム102aに形成し
た凹溝102hの開口よりも幅広となるように設定され
ている。
【0047】また、ハウジング106の右端部側(前端
側)には収容室106aと中心軸N′に沿って連結する
ように収容室106cが形成されている。収容室106
cは、図3に示す複合光学部材105を挿入するための
円錐台状の錐面で囲まれた空間であり、中心軸N′に沿
って前端側になるにしたがって縮径となるように構成さ
れている。また、収容室106cの先端部および後端部
には円柱面からなる第1および第2規制受部106j、
106k(規制受面)をそれぞれ有している。
【0048】第1規制受部106jの直径は、複合光学
部材105(図3参照)の円柱状部105j(直径D
1)が高精度に嵌合できる寸法に設定されている。ま
た、第2規制受部106kの直径は、複合光学部材10
5の後端部105kに設けた各突部105k′の先端を
外接する外接円の直径D2(図4参照)よりも短径であ
る所定の寸法に設定されている。
【0049】また、収容室106cの前端部には複合光
学部材105を光軸N方向に位置決めするための位置決
め部すなわち突き当て面106c′が形成されている。
また、収容室106cの突き当て面106c′には前方
に開口した入出射口すなわち円形の開口部106fが形
成されており、複合光学部材105に設けた第1の回折
格子105fが露出するようになっている。
【0050】さらに、収容室106a、106cの図8
中下部の側壁部には、収容室106aの後端部から前方
に切り欠いたU字孔状の位置規制溝106dが筒状胴部
106gの外壁を貫通するように形成されている。ま
た、位置規制溝106dの後方端からは収容室106a
の開口縁部にかけて幅広の案内溝106d′が連接して
筒状胴部106gの外壁を貫通するように溝形成されて
いる。
【0051】なお、位置規制溝106dの溝幅は、複合
光学部材105に設けた位置規制突部105mの外径が
高精度に嵌合できる所定の寸法に設定されている。
【0052】また、貫通孔106dを覆う筒状胴部10
6gの外壁面には受光部材104を配置するための配置
面106eが形成されている。そして、取り付け部10
6h、106iは、それぞれに設けた取付面106
h′、106i′が前記配置面106eよりも高く段差
を設けるように筒状胴部106gに一体に形成されてい
る。
【0053】なお、ハウジング106に用いるブロック
はアルミダイキャストだけでなく、亜鉛ダイキャスト、
マグネシウム合金、あるいは他の金属等で構成するよう
にしてもよい。
【0054】次に、図1を主に参照して、ハウジング1
06への2波長レーザダイオード102、受光部材10
4、及び複合光学部材105の組み立て状態について説
明する。
【0055】まず、複合光学部材105は、ハウジング
106の取付穴106bから挿入され、さらに所定の治
具(図示せず)で入射面105aの回折格子105hを
除く面が均一に押圧されることによって、その基体部1
05cが収容室106c内に嵌め込まれる。さらに、複
合光学部材105が押圧されると、出射面105bの外
縁部がハウジング106の収容室106cに形成した突
き当て面106c′に当接して、ハウジング106に対
する中心軸N′方向の位置決めがなされる。
【0056】このとき、基体部105cに設けた円柱状
部105jが収容室106cの第1規制受部106jに
嵌合するようになっており、この状態で基体部105c
の円柱状部105jの円柱面105j′(規制面、図3
参照)が第1規制受部106jに当接して、基体部10
5cの前端部における光軸Nと直交する方向の位置規制
が高精度でなされるようになっている。
【0057】また、後端部105kは収容室106cに
設けた第2規制受部106kに圧入される。このとき、
図12に示すように、後端部105kの外周面に形成し
た各突部105k′はそれぞれ均一に押しつぶされた状
態となって、各突部105k′の先端面(規制面)が第
2制受部106kに当接し、基体部105cの後端部1
05kにおける光軸Nと直交する方向の位置規制が高精
度でなされるとともに、複合光学部材105の収容室1
06cからの抜けが防止されている。こうして、複合光
学部材105の前端部と後端部とで光軸Nと直交する方
向の位置規制がなされることにより、複合光学部材10
5をハウジング106に嵌入したときにその光軸Nが傾
くことなく精度よく取り付けることが可能となる。
【0058】上述した圧入状態では突部105k′が押
しつぶされるようにしたので、第2規制受部から受ける
圧入力の一部を突部の変形により緩衝させて必要以上の
圧入力が複合光学部材にかからないようにして光学機能
部すなわち第2の回折格子105gおよび3ビーム用回
折格子105hの歪を防止できる。さらに、各突部10
5k′と、第2の回折格子105gおよび3ビーム用回
折格子105hとの間には緩衝領域である空間部105
s(図3、図4、図12参照)をそれぞれ形成したの
で、圧入力が光学機能部の方向に作用する力をさらに空
間部105sによって緩衝させることができ、光学機能
部の歪をより確実に防止できる。
【0059】一方、複合光学部材105に形成した位置
規制突部105mは、ハウジング106の筒状胴部10
6gに形成した案内溝106d′の開口部から挿入され
る。そして、複合光学部材105が光軸N方向の前方に
押し込まれ収容室106cに収容されたときには、位置
規制突部105mは案内溝106d′に案内されて位置
規制溝106dに嵌合するようになっており(図12参
照)、この状態で基体部105cの光軸N回りの回転方
向の位置規制が高精度でなされるようになっている。
【0060】このようにして、ハウジング106に対す
る複合光学部材105の光軸Nと直交する方向への位置
規制、および光軸N回りの回転方向の位置規制、そして
光軸N方向の位置規制がなされるようになっている。な
お、前記光軸Nはハウジング106の基体部106gの
中心軸N′と一致させてある。
【0061】次に、2波長レーザダイオード102は、
そのキャップ部102e(図2参照)側がハウジング1
06の収容室106a内に挿入されるとともに、ステム
102aのハウジング106に対する光軸N周りの回転
位置が所定の初期位置に配置されるように、ステム10
2aにおける一方の平面部102a′側の外周部がハウ
ジング106に形成した取付穴106bに圧入されるこ
とによって、ハウジング106に取付固定される。この
とき、図14に示すように、ステム102aに形成した
凹溝102hは、ハウジング106の取付穴106bに
形成したV字状溝106mの中央部と対向するように配
設されるようになっている。
【0062】このように複合光学部材105と2波長レ
ーザダイオード102が組み込まれたハウジング106
においては、図13に示すように、2波長レーザダイオ
ード102に内蔵されたレーザチップ103の先端面1
03′と、複合光学部材105の入射面105aとが平
行で所定の間隔となるように配設され、また、光源10
3a(図2参照)から出射されるレーザ光103a′の
光軸が複合光学部材105の光軸Nと一致する(ステム
102aの軸心と光軸Nとも一致する)ように2波長レ
ーザダイオード102が位置決めされた状態で固定され
るものである。
【0063】また、2波長レーザダイオード102がハ
ウジング106に取り付けられた後は、後述するが、光
源103a、103bからそれぞれ出射したレーザ光1
03a′、103b′の戻り光103a′−2、103
b′−2が受光部材104の受光素子104aの所定位
置Pで最適な状態で受光できるように2波長レーザダイ
オード102の光軸N周りの回転位置調整を行うように
なっている。
【0064】また、受光部材104は、パッケージ10
4bの受光窓104b′側がプリント基板107に設け
た貫通孔107aに挿通された状態で配設され、また外
部接続端子104cがプリント基板107面に形成した
ランド部(図示せず)にハンダ付けされてプリント基板
107に固定される。なお、必要に応じて、パッケージ
104bをプリント基板107またはハウジング106
に接着剤等により固着して補強するようにしてもよい。
【0065】そして、受光部材104が固定されたプリ
ント基板107は、受光窓104b′がハウジング10
6に形成した位置規制溝106dに対面するように配置
された状態で、取付部106h、106iのそれぞれ取
付面106h′、106i′に載置され、ネジ108で
締め付け固定されてハウジング106に固定される。
【0066】なお、受光部材104を搭載したプリント
基板107は2波長レーザダイオード102の光軸N周
りの回転位置調整を行う前に、予め、所定位置に位置決
めされた後、取付面106h′、106i′に固定され
るものである。
【0067】次に、光ピックアップ装置100によるD
VD62とCD61の再生動作について説明する。
【0068】上述した構成において、DVD62を再生
するときには、図1に示すように、2波長レーザダイオ
ード102の光源103aから出射したレーザ光103
a′は、複合光学部材105の入射面105aに形成し
た3ビーム用回折格子105hを透過し3ビームに変換
された後、第1の回折格子105fを透過し、出射面1
05bから出射される。
【0069】そして、そのレーザ光103a′はレーザ
光103a′の進行方向と45度となるように傾けて配
置された反射ミラー300により90度その角度を偏向
して反射ミラー300の上方に配置したコリメートレン
ズ400に入射されるようになっている。そしてこのコ
リメートレンズ400で略平行光とされたレーザ光10
3a′は対物レンズ200に入射し、対物レンズ200
の集光作用により、DVD62の情報記録面に結像され
る。
【0070】その後DVD62で反射されたレーザ光
(戻り光)103a′は、再び対物レンズ200、コリ
メートレンズ400を透過し、反射ミラー300で反射
した後、図1に示す戻り光入射面すなわち出射面105
bに形成した第1の回折格子105fに入射し、所定の
回折角度に回折された1次回折光である戻り光103
a′−2となる。戻り光103a′−2はさらに複合光
学部材105に形成した戻り光反射面105d″で反射
してシリンダー面105iに入射し戻り光出射面105
pから出射される。そして、出射した戻り光103a′
−2は位置規制溝106d(図8、図11参照)を通過
して、受光部材104の受光素子104aにおける受光
位置Pに入射する。
【0071】このとき、受光素子104aで受光された
戻り光103a′−2は光電変換されることによりDV
D62の情報記録面の信号に応じた電流出力が電圧信号
に変換されることによって再生信号が生成されて受光部
材104の外部接続端子104bから出力され、プリン
ト基板107を通して外部に伝達される。また、受光素
子104aで受光された戻り光103a′−2の一部は
フォーカス及びトラッキング制御のために用いられる。
【0072】一方、CD61を再生するときには、2波
長レーザダイオード102の光源103bから出射した
レーザ光103b′は、図1に示すように、複合光学部
材105の入射面105aに形成した3ビーム用回折格
子105hを透過して3ビームに変換された後、第1の
回折格子105fを透過し、出射面105bから出射さ
れる。そして、そのレーザ光103b′はDVD62の
場合と同様に対物レンズ200へ導かれ、対物レンズ2
00の集光作用により、CD61の情報記録面に結像さ
れる。
【0073】その後CD61で反射された戻り光103
b′は、再び対物レンズ200、コリメートレンズ40
0を透過して反射ミラー300で反射した後、第1の回
折格子105fに入射し、所定の回折角度に回折された
1次回折光である戻り光103b′−2となる。戻り光
103b′−2はさらに複合光学部材105に形成した
戻り光反射面105d″により反射されてシリンダー面
105iに入射する。
【0074】シリンダー面105iにおいて戻り光10
3b′−2はフォーカス制御のための非点収差が与えら
れて戻り光出射面105pを出射し位置規制溝106d
(図8、図11参照)を通過して、受光素子104aの
受光位置Pで受光される。このとき、受光素子104a
で受光された戻り光103b′−2は光電変換されるこ
とによりCD61の情報記録面の信号に応じた電流出力
が電圧信号に変換されることによって再生信号が生成さ
れて受光部材104の外部接続端子104bから出力さ
れ、プリント基板107を通して外部へ伝達される。ま
た、受光素子104aで受光された戻り光103b′−
2の一部は非点収差法によるフォーカス制御、及び3ビ
ーム法によるトラッキング制御のために用いられる。
【0075】なお、光ピックアップ装置100におい
て、出射面105bから出射したレーザ光103a′、
103b′の光束の径を規制する波長フィルタ等を出射
面105bと対物レンズ200との間の光路に設けるよ
うにしてもよい。
【0076】次に、複合光学部材105の機能について
説明する。
【0077】図13に示したように、複合光学部材10
5の出射面105bから出射したレーザ光103a′、
103b′に対するそれぞれのDVD62及びCD61
からの戻り光は出射面105bに形成した第1の回折格
子105fで回折されてそれぞれ戻り光103a′−2
及び103b′−2となる。そのとき、CD61に対応
する戻り光103b′−2はDVD62に対応する戻り
光103a′−2よりも波長が長いため、戻り光103
b′−2の回折角度は、戻り光103a′−2の回折角
度よりも大きくなっている(回折格子では波長が長いほ
ど回折角度が大きくなるという原理を利用している)。
【0078】そして、この回折角度の差を利用して、回
折される前にレーザ光103a′、103b′のそれぞ
れの光軸間距離がDであったものを戻り光反射面105
d″に戻り光103a′−2、103b′−2が到達す
るときには両者の到達位置が一致するようになってい
る。
【0079】しかし、複合光学部材105の戻り光反射
面105d″において、戻り光103a′−2及び10
3b′−2を単に反射させただけでは、双方のレーザ光
の入射角が異なるため受光素子104aの受光位置Pに
2つの戻り光103a′−2及び103b′−2を一致
させて向わせることはできない。これを補正するために
戻り光反射面105d″には第2の回折格子105gを
設けている。すなわち、第2の回折格子105gに入射
した戻り光103a′−2及び103b′−2を再度波
長の違いによる回折角度の差を利用して戻り光反射面1
05d″で反射した戻り光103a′−2及び103
b′−2の双方の光軸を一致させるようにしている。
【0080】このようにして、第1の回折格子105f
でそれぞれ回折された戻り光103a′−2及び103
b′−2を、共に受光素子104aの受光位置Pに受光
されるように補正することができ、2波長の光源103
a、103bを用いても1つの受光素子104aを有す
る受光部材104で双方のレーザ光が受光可能になって
いる。
【0081】次に、2波長レーザダイオード102の光
軸N周りの回転位置調整について説明する。
【0082】上述したように、図13に示す戻り光10
3a′−2、103b′−2が受光素子104aの受光
位置Pに最適な状態で受光できるように、発光部材であ
る2波長レーザダイオード102を光軸Nの周りに回転
位置調整するようになっている。この調整は例えば受光
素子104aで受光した戻り光103a′−2、103
b′−2を電圧に光電変換した後の信号を観察し、この
信号が所定のレベルとなるようにして2波長レーザダイ
オード102の回転方向の最適位置を判断して行うこと
ができる。
【0083】この調整のために、図16に示す調整用治
具110を用いて調整を行うようになっている。調整用
治具110は操作片111aを先端に有する軸部111
と、軸部111を同軸上に固定した把持部112とから
なっている。そして、操作片111aの断面は図14に
示すように、先細の一端部111a′と角型の他端部1
11a″からなる長手形状をなしている。
【0084】調整時には、図14に示すように、V字状
溝106mと凹溝102hに、前記操作片111aの一
端部111a′と他端部111a″がそれぞれ配置する
ように、操作片111aを挿入し、その後、例えば、ス
テム102aを図15中矢印B方向(時計回り)に回動
調整するときには、操作片111aがV字状溝106m
および凹溝102h内で、図15中A方向(反時計回
り)にこじるように調整用治具110の把持部112を
手動操作する。
【0085】すると、操作片111aの一端部111
a′がV字状溝106mのV字底にほぼ回動支点となる
ように確実に支持され、他端部111a″が凹溝102
hの図中上側の内壁面を押圧することによって、ステム
102aを圧入力に抗してB方向に微小に回動させるこ
とができ、2波長レーザダイオード102の光軸N周り
の位置調整を簡単に、かつ高精度に行うことができる。
【0086】なお、本実施の形態では、前述したよう
に、DVD用のレーザ光103a′の光軸をステム10
2aの軸心と一致させてあるので、ステム102aの回
動調整のときに、レーザ光103a′の出射光軸が光軸
Nと直交する方向に変位せず、CD用のレーザ光103
b′の出射光軸がステム102aの軸心周りに回転変位
するだけなので、調整パラメータを減らすことができ回
転位置調をより簡単に行えるようになっている。
【0087】このように、CD61用のレーザ光103
b′と、DVD62用のレーザ光103a′を出射する
2波長レーザダイオード102を備え、両レーザ光の戻
り光を共に1つの受光素子104aに受光しなければな
らないような調整作業が高精度化した複合光学ユニット
101においても本発明が好適に適用できるものであ
る。
【0088】なお、調整用治具110は手動操作用のも
のとして説明したが、これに限らず、例えば前記操作片
111aを自動で操作する治具を用いるようにしてもよ
い。
【0089】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、図1に示したように、光ピックアップ100に取り
付けられるハウジング106を有し、ハウジング106
には2波長レーザダイオード102と受光部材104と
複合光学部材105とが取付固定され、2波長レーザダ
イオード102はDVD用の短波長レーザを出射するレ
ーザダイオード103aとCD用の長波長レーザを出射
するレーザダイオード103bを有し、複合光学部材1
05は2波長レーザダイオード102から出射した光が
入射する入射面105a及び出射する出射面105b
と、出射面105bに設けられた光ディスクD1(D
2)で反射した戻り光を回折する第1の回折格子105
fと、第1の回折格子105fで回折された戻り光を受
光部材104に反射させる戻り光反射面105d″とを
設けるとともに、戻り光反射面105d″には波長の異
なる光を共に受光部材104の受光位置Pに光軸を一致
させて結像させる第2の回折格子105gを設けたの
で、1つの複合光学ユニット101で異なる2つの波長
を使用する光ピックアップ装置100に対応できる。ま
た、受光部材104は1つでよく、この受光部材104
のみを調整して位置合わせしておけばよいので、調整工
程でのコストを増加させることはない。
【0090】また、2波長レーザダイオード102はス
テム102aとキャップ部102eとガラス板102f
からなるパッケージとステム102aから突設した外部
接続端子102gとから構成され、受光部材104は受
光素子104aを内蔵したパッケージ104bとこのパ
ッケージ104bに設けられた外部接続端子104cと
から構成されたいわゆるディスクリート部品であり、そ
れぞれ単体で安価に製造される部材を用いて複合光学ユ
ニット101を構成しているので、各部材の取り扱いも
容易であり、また、ハウジング106への組み込み作業
がし易くなり、部材コスト及び工程費を低減できる。
【0091】さらに、複合光学部材105は安価な素材
である樹脂を用い、また、複合光学部材105の成形時
に第1及び第2の回折格子105f、105gと、3ビ
ーム用回折格子105hと、シリンダー面105iとを
同時に一体形成したので、成形時間も短縮でき、複合光
学部材105の製造コストをより低減できる。
【0092】さらに、本実施の形態で説明したように、
本発明の複合光学部材105を搭載した複合光学ユニッ
ト101は、対物レンズ200が搭載され光ディスク6
1(62)の記録又は再生を行う光ピックアップ装置1
00にも適用できるものである。
【0093】また、本実施の形態では、図2に示すよう
に、発光部材として波長の異なる2つの光源103a、
103bを有する2波長レーザダイオード102を用い
たが、3個以上の波長の異なる光源を有する発光部材を
用いた場合にも、本発明が適用できるものである。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発光部材をハウジングに取り付けるための取り付け構造
であって、前記発光部材は光源と該光源を包含するパッ
ケージと該パッケージに設けられた外部接続端子とから
一体に構成され、前記パッケージは円筒状のステムを備
え、前記ハウジングには前記発光部材を前記ステムの軸
心方向に嵌入して収容する収容部が形成され、前記ステ
ムが前記収容部に圧入されて、前記発光部材が前記軸心
と直交する方向に位置決めされた状態で前記ハウジング
に取り付けられるとともに、前記ハウジングには調整用
治具の一端部を支点として支持し他端部を変位自在とす
ることが可能な支持部が、前記ステムには前記調整用治
具の前記他端部が係止可能な係止部が設けられ、前記調
整用治具の操作により前記他端部は前記係止部を押圧
し、前記ステムに作用する圧入力に抗して前記ステムを
前記軸心周りに回動させて前記発光部材の該軸心周りの
回転位置調整を行えるようにしたことにより、ステムの
軸心と直交する方向に対して発光部材がハウジングに位
置決めされ取付固定された状態で、調整用治具を回動操
作してステムを1方向のみに単独調整するだけで発光部
材の位置調整ができるため、発光部材の調整作業を簡単
に行うことができる効果を奏する。
【0095】さらに、前記係止部は前記ステムの外周面
に該ステムの軸心方向に形成した凹溝であり、前記支持
部は該凹溝に対向させて前記収容部の内壁面に切り欠き
形成したV字状溝であり、該V字状溝の開口は前記凹溝
の開口よりも幅広になっているとともに、前記調整用治
具は前記一端部と前記他端部を両端部に有した操作片を
備えたときに、前記V字状溝と該凹溝に前記一端部と前
記他端部がそれぞれ配置するように前記操作片を挿入可
能とし、前記調整用治具のこじり操作によって前記一端
部は前記V字状溝のV字底に支持され、前記他端部が前
記凹溝の内壁を押圧可能としたことにより、回転位置調
整のための機構としてステムに凹溝を、ハウジングにV
字状溝を設けるだけでよいので調整機構が簡素化でき
る。また、収容部に形成した支持部をV字状溝としたの
で、操作片の一端部を回動支点が動かないように確実に
支持することができ、調整作業をさらに容易にできる。
また、これらの溝に調整用治具の操作片を挿入してこの
調整用治具のこじり操作によって発光部材の位置調整を
行うようにしたので、微小な回動調整が容易に行え調整
作業をさらに簡単に行うことができる効果を奏する。
【0096】さらに、複合光学部材が収容された前記ハ
ウジングに前記発光部材と受光部材を一体に取付固定し
て複合光学ユニットを構成し、前記発光部材は前記光源
を2つ並設して有し、該両光源から出射したそれぞれ波
長の異なる光が該発光部材から前記ステムの軸心方向に
出射され、前記複合光学部材は前記ステムの軸心方向に
光軸を有し該光軸方向の両端面には前記2つの光の入射
面と出射面とをそれぞれ有し、前記ハウジングには前記
出射面が臨出する入出射口が形成され、前記発光部材か
ら出射した前記2つの光を前記入射面に入射し前記出射
面から出射させ、出射した2つの光を前記入出射口を通
して前記ハウジングの外部に照射し、外部からの両戻り
光を前記出射面に入射させ前記複合光学部材を透過する
過程で前記受光部材の方向に偏向させて前記複合光学部
材から出射し、該両戻り光を前記受光部材で受光すると
ともに、前記両戻り光が前記受光部材の所定位置で受光
するように前記調整用治具の操作で前記発光部材の前記
軸心周りの回転位置調整を行えるようにしたことによ
り、発光部材の位置調整をより高精度化する必要のある
2波長対応の複合光学ユニットにあっても、簡単に発光
部材の位置調整ができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置
100を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る2波長レーザダイオ
ード102の一部断面斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態である複合光学部材105
の正面図である。
【図4】図3の左側面図である。
【図5】図3の右側面図である。
【図6】図3の方向6から見た図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るハウジング106の
平面図である。
【図8】図7の8−8断面図である。
【図9】図8の左側面図である。
【図10】図8の右側面図である。
【図11】図8の方向11から見た図である。
【図12】図1における12−12一部断面図である。
【図13】本発明の実施の形態である複合光学部材10
5の機能を説明するための説明図である。
【図14】取付穴106bへのステム102aの取り付
け状態を示す説明図である。
【図15】発光部材102の回転位置調整の様子を説明
するための説明図である。
【図16】調整用治具110の斜視図である。
【図17】従来の光ピックアップ装置50の部分斜視図
である。
【符号の説明】
61 CD(光ディスク) 62 DVD(光ディスク) 100 光ピックアップ装置 101 複合光学ユニット 102 2波長レーザダイオード(発光部材) 102a ステム 102h 凹溝 103a、103b 光源 104 受光部材 104a 受光素子 105 複合光学部材 105a 入射面 105b 出射面 105d″ 戻り光反射面 105f 第1の回折格子 105g 第2の回折格子 105h 3ビーム用回折格子 105j′ 円柱面(規制面) 105k′ 突部 105m 位置規制突部 105p 戻り光出射面 105s 空間部 106 ハウジング 106c 収容室 106c′ 突き当て面(位置決め部) 106d 位置規制溝 106d′ 案内溝 106f 入出射口 106j 第1規制受部(規制受面) 106k 第2規制受部(規制受面) 106m V字状溝 110 調整用治具 111a 操作片 200 対物レンズ 300 反射ミラー 400 コリメートレンズ 500 キャリッジ(ピックアップボディ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部材をハウジングに取り付けるため
    の取り付け構造であって、前記発光部材は光源と該光源
    を包含するパッケージと該パッケージに設けられた外部
    接続端子とから一体に構成され、前記パッケージは円筒
    状のステムを備え、前記ハウジングには前記発光部材を
    前記ステムの軸心方向に嵌入して収容する収容部が形成
    され、前記ステムが前記収容部に圧入されて、前記発光
    部材が前記軸心と直交する方向に位置決めされた状態で
    前記ハウジングに取り付けられるとともに、前記ハウジ
    ングには調整用治具の一端部を支点として支持し他端部
    を変位自在とすることが可能な支持部が、前記ステムに
    は前記調整用治具の前記他端部が係止可能な係止部が設
    けられ、前記調整用治具の操作により前記他端部は前記
    係止部を押圧し、前記ステムに作用する圧入力に抗して
    前記ステムを前記軸心周りに回動させて前記発光部材の
    該軸心周りの回転位置調整を行えるようにしたことを特
    徴とする発光部材の取り付け構造。
  2. 【請求項2】 前記係止部は前記ステムの外周面に該ス
    テムの軸心方向に形成した凹溝であり、前記支持部は該
    凹溝に対向させて前記収容部の内壁面に切り欠き形成し
    たV字状溝であり、該V字状溝の開口は前記凹溝の開口
    よりも幅広になっているとともに、前記調整用治具は前
    記一端部と前記他端部を両端部に有した操作片を備えた
    ときに、前記V字状溝と該凹溝に前記一端部と前記他端
    部がそれぞれ配置するように前記操作片を挿入可能と
    し、前記調整用治具のこじり操作によって前記一端部は
    前記V字状溝のV字底に支持され、前記他端部が前記凹
    溝の内壁を押圧可能としたことを特徴とする請求項1記
    載の発光部材の取り付け構造。
  3. 【請求項3】 複合光学部材が収容された前記ハウジン
    グに前記発光部材と受光部材を一体に取付固定して複合
    光学ユニットを構成し、前記発光部材は前記光源を2つ
    並設して有し、該両光源から出射したそれぞれ波長の異
    なる光が該発光部材から前記ステムの軸心方向に所定の
    間隔で出射され、前記複合光学部材は前記ステムの軸心
    方向に光軸を有し該光軸方向の両端面には前記2つの光
    の入射面と出射面とをそれぞれ有し、前記ハウジングに
    は前記出射面が臨出する入出射口が形成され、前記発光
    部材から出射した前記2つの光を前記入射面に入射し前
    記出射面から出射させ、出射した2つの光を前記入出射
    口を通して前記ハウジングの外部に照射し、外部からの
    両戻り光を前記出射面に入射させ前記複合光学部材を透
    過する過程で前記受光部材の方向に偏向させて前記複合
    光学部材から出射し、該両戻り光を前記受光部材で受光
    するとともに、前記両戻り光が前記受光部材の所定位置
    で受光するように前記調整用治具の操作で前記発光部材
    の前記軸心周りの回転位置調整を行えるようにしたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の発光部材の取り付
    け構造。
JP2000097889A 2000-03-30 2000-03-30 発光部材の取り付け構造 Withdrawn JP2001283456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097889A JP2001283456A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 発光部材の取り付け構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000097889A JP2001283456A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 発光部材の取り付け構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001283456A true JP2001283456A (ja) 2001-10-12

Family

ID=18612452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000097889A Withdrawn JP2001283456A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 発光部材の取り付け構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001283456A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005069287A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Sharp Kabushiki Kaisha ホログラム素子を備える光集積ユニットおよび光ピックアップ装置
WO2006022068A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Sharp Kabushiki Kaisha 光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005069287A1 (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Sharp Kabushiki Kaisha ホログラム素子を備える光集積ユニットおよび光ピックアップ装置
WO2006022068A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Sharp Kabushiki Kaisha 光集積ユニットおよびそれを備えた光ピックアップ装置
US7697396B2 (en) 2004-08-25 2010-04-13 Sharp Kabushiki Kaisha Optical integrated unit and optical pickup device including same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100373801B1 (ko) 반도체레이저장치및이를이용한광픽업장치
US6664998B1 (en) Compound optical device, compound optical unit including the compound optical device, and optical pickup apparatus including the compound optical unit
KR100390195B1 (ko) 복합광학유닛
WO1997047003A1 (fr) Capteur optique
JP2001283456A (ja) 発光部材の取り付け構造
JPH0896393A (ja) 半導体レーザ装置とこれを用いた光ピックアップ装置
KR100429916B1 (ko) 복합광학부재 및 이것을 구비한 복합광학유닛
KR100408902B1 (ko) 복합광학부재 및 그 장착구조
JP3814127B2 (ja) 複合光学ユニット
JP3655526B2 (ja) 複合光学部材の取り付け構造
JP3333819B2 (ja) 複合光学ユニット
JP3655527B2 (ja) 複合光学部材およびその検査方法
KR100427828B1 (ko) 광학부재 및 이를 사용한 광픽업
JP2001339182A (ja) 半導体の取り付け構造
JP2002032930A (ja) 複合光学ユニット
JP2001266396A (ja) 複合光学部材及びその取り付け構造
JP3833934B2 (ja) 光ヘッド装置
JPH1049904A (ja) 光ピックアップ
JP2001338428A (ja) 受光部材及びその取り付け構造
JP2001338435A (ja) 複合光学ユニットの取り付け構造
JP2002025100A (ja) 複合光学部材及びこれを備えた複合光学ユニット
JP3779608B2 (ja) 光ヘッド装置
JP2001195767A (ja) 複合光学部材及びこの複合光学部材を備えた複合光学ユニット及びこの複合光学部材又はこの複合光学ユニットを備えた光ピックアップ装置
JP2002298421A (ja) 光学式ピックアップ、光学式ディスク装置
JPH06318339A (ja) 光ピックアップ及び光ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051108

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20051205