JP2001253075A - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

インクジェットプリントヘッド

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JP2001253075A
JP2001253075A JP2000066301A JP2000066301A JP2001253075A JP 2001253075 A JP2001253075 A JP 2001253075A JP 2000066301 A JP2000066301 A JP 2000066301A JP 2000066301 A JP2000066301 A JP 2000066301A JP 2001253075 A JP2001253075 A JP 2001253075A
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ink
flow path
print head
common
ink flow
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JP2000066301A
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Koichi Nakagome
浩一 中込
Yasunari Kabasawa
康成 椛澤
Naohiro Osugi
直寛 大杉
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エネルギー発生素子駆動用の駆動素子の発熱を
効率良く外部に放出させるインクジェットプリントヘッ
ドを提供する。 【解決手段】印字ヘッド15は、チップ基板16上の長
手方向の一方の脇側に発熱素子18を配置され、他方の
脇側にインク供給溝25が形成され、このインク供給溝
25と発熱素子18との間、すなわちチップ基板16上
の略中央部の長手方向に沿って共通インク流路29が形
成される。この共通インク流路29の直下にドライバ保
護層22を介して多数のドライバ17が並設される。ド
ライバ17の発熱は共通インク流路29を通過するイン
クに吸収され、オリフィス28から吐出されるインク滴
と共に外部に放出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー発生素
子駆動用の駆動素子の発熱を効率良く外部に放出させる
インクジェットプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット方式のプリン
タが広く用いられている。インクジェット方式の印字ヘ
ッドには、エネルギー発生素子としてピエゾ抵抗素子
(圧電素子)を備えたピエゾ式印字ヘッド又は抵抗発熱
素子を備えたサーマル式印字ヘッドがある。
【0003】ピエゾ式印字ヘッドはピエゾ抵抗素子の変
形によってインク滴を飛ばすものであり、サーマル式印
字ヘッドは抵抗発熱素子の発熱により発生する膜気泡の
圧力でインク滴を飛ばすものである。
【0004】サーマル式には更にインク滴の吐出方向に
より二通りの構成があり、一つは抵抗発熱素子の発熱面
に平行する方向にインク滴を吐出する構成のサイドシュ
ータ型と呼称されるものであり、他は抵抗発熱素子の発
熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のルーフシ
ュータ型又はトップシュータ型と呼称されるものであ
る。
【0005】図6(a) は、ルーフシュータ型のインクジ
ェットプリントヘッド(以下、単に印字ヘッドという)
の分解斜視図であり、下から上へ、それぞれチップ基板
とそのチップ基板上に直接形成される各部の形状、それ
らの上に積層される隔壁、及び最上部に積層されるオリ
フィスプレートを示している。また、同図(b) は、同図
(a) のA−A′断面矢視図である。
【0006】同図(a),(b) に示すように、印字ヘッド1
は、チップ基板2の表面の一方の長辺に沿って駆動回路
の多数のドライバ3が配置されている。各ドライバ3に
は個別配線電極4と抵抗発熱素子5と共通電極6が順次
接続されている。この共通電極6とチップ基板2の他方
の長辺との間にインク供給溝7とこのインク供給溝7に
連通しチップ基板2の裏面に貫通するインク供給孔8が
形成されている。
【0007】そして、上記のドライバ3、個別配線電極
4、抵抗発熱素子5と抵抗発熱素子5との間、及びチッ
プ基板2の周囲に沿って、感光性ポリイミドからなる隔
壁9が積層され、この隔壁9の上に更にポリイミドフィ
ルムからなるオリフィスプレート11が積層されてい
る。オリフィスプレート11には、抵抗発熱素子5と対
向する位置に開口するオリフィス12が配設されてい
る。
【0008】この印字ヘッド1が印字の際は、外部の不
図示のインクタンク等から供給されるインクが、インク
供給孔8、インク供給溝7を介して抵抗発熱素子5に供
給され、ドライバ3によって抵抗発熱素子5が印字情報
に応じて選択的に駆動されることにより発熱し、インク
との界面に膜気泡を発生させ、この膜気泡の成長圧力に
より、インクをオリフィス12からインク滴として吐出
させる。
【0009】上記のドライバ3は、その対応するオリフ
ィス12のインク吐出状況によって発熱量は変化する。
つまり、描画する画像に応じて、ドライバ3の発熱、延
いてはチップ基板2の発熱量は変化する。通常は、全ベ
タ画像を印字すする場合が全体としての発熱量が一番大
きくなる。そして、そのときのドライバ3の温度がその
ドライバ3の最大許容接合部温度を超えないように、オ
リフィス12からのインク吐出周期や抵抗発熱素子5に
印加すべき駆動パルスのデューティー比などのドライバ
3の駆動条件の設定とドライバ3の発熱を放散すべき環
境条件の設定を行っている。
【0010】その場合、ドライバ3の発熱は、主に次の
二つの放熱経路を通じて外部へ放熱される。一つは隔壁
9及びオリフィスプレート11を通しての放熱であり、
他の一つはチップ基板2を通しての放熱である。
【0011】隔壁9及びオリフィスプレート11を形成
する素材であるポリイミドの熱伝導率は0.21(W/
m/℃)であり、他方のチップ基板2の素材であるシリ
コンの熱伝導率は150(W/m/℃)である。このよ
うな熱伝導特性の結果として、ドライバ3の発熱は、隔
壁9やオリフィスプレート11が配設されているチップ
基板2の表面方向にではなく、シリコンからなるチップ
基板2の裏面方向へ放熱されることとなる。
【0012】したがって、通常、チップ基板2は、ドラ
イバ3の放熱の環境として上記のことを考慮して、特に
は図示しないが、Al等からなる放熱板に接着され、そ
の放熱板を介してプリンタ装置本体あるいは交換可能な
インクカートリッジ等と接合される。そして、放熱板と
の接触状況によっては、更に実質的な接触面積が大きく
なるように、シリコーングリース等が接合面に介装され
る。これによって、ドライバ3の発熱を外部に放出して
いた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
放熱板は、ドライバの発熱を完全に放熱させるためには
かなりの面積を必要とするものであり、このことが、印
字ヘッドの大型化、延いてはプリンタ本体の大型化を招
き、このため、近年のOA機器の小型化に対する市場の
要求に対処できないという問題を有していた。
【0014】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
エネルギー発生素子駆動用の駆動素子の発熱を効率良く
外部に放出させるインクジェットプリントヘッドを提供
することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
インクジェットプリントヘッドの構成を述べる。本発明
のインクジェットプリントヘッドは、基板上の所定方向
に並んで配設され液体を吐出させる為の圧力エネルギー
を発生させる複数のエネルギー発生素子と、該エネルギ
ー発生素子を駆動する駆動素子と、上記基板上に立設さ
れ各エネルギー発生素子により上記液体に圧力を加える
加圧室を夫々区画形成する隔壁と、該隔壁に重畳して設
けられインク吐出用のオリフィスが空けられたオリフィ
スプレートと、上記加圧室にインクを供給するための共
通インク流路とを少なくとも有するインクジェットプリ
ントヘッドであって、上記共通インク流路は、該共通イ
ンク流路内のインクが上記駆動素子の発生する熱を熱交
換可能な位置に配置されて構成される。
【0016】そして、例えば請求項2記載のように、上
記共通インク流路を該共通インク流路に連通し上記基板
の裏面側よりインクを供給するインク供給溝と上記エネ
ルギー発生素子との間に位置するように形成し、上記共
通インク流路を流れるインクにより上記駆動素子を冷却
すべく上記共通インク流路直下に上記駆動素子を配置し
て構成される。
【0017】また、例えば請求項3記載のように、対向
する一対の平面と、少なくとも4つの端面からなる少な
くとも6面体の基体に中空部を設け該中空部を上記共通
インク流路と成し、該基体の中空部が開口する上記平面
より面積の小さい1つの端面に、その長手方向に上記複
数のエネルギー発生素子が並設されるよう且つ上記加圧
室と上記基体の中空部開口が連通するよう上記基板を搭
載し、上記共通インク流路を流れるインクにより上記駆
動素子を冷却すべく上記基体の上記一対の平面の少なく
ともいずれか一つの平面に上記駆動素子を密着配置して
構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に
おけるルーフシュータ型のインクジェットプリントヘッ
ド(以下、単に印字ヘッドという)の内部構成を示す分
解斜視図であり、下から上へ、それぞれチップ基板とそ
のチップ基板上に直接形成される各部の構成、その上に
被着されるドライバ保護膜、その上に積層される隔壁、
及び最上部に積層されるオリフィスプレートを示してい
る。
【0019】図2(a) は、上記印字ヘッドの完成品を一
部切り欠いて示す斜視図であり、同図(b) は、同図(a)
のB−B′断面矢視拡大図である。これら図1及び図2
(a),(b) に示すように、印字ヘッド15は、完成後に不
図示のシリコンウエハから切り出されるチップ基板16
において、先ずその表面の中央長手方向に沿ってLSI
形成処理技術により形成された駆動素子としてのドライ
バ17が多数並設される。
【0020】そして、チップ基板16の左方の長辺に沿
って、上記ドライバ17に対応する数だけの例えばTa
−Si−O等から成る発熱素子18が薄膜形成処理技術
により形成され、この発熱素子18の一端と上記のドラ
イバ17とを接続する個別配線電極19と、全ての発熱
素子18の他端に共通に接続する共通電極21とが、例
えばAl、Cu又はAu等により同じく薄膜形成処理技
術により形成されている。
【0021】これらの上に、例えば透明のドライバ保護
層22が(図1参照)、上記発熱素子18に当る発熱部
分22−1と、後から穿設すべきインク供給溝に当る溝
部分22−2を除いて、例えば蒸着又はスパッタ等によ
り被着される。
【0022】この上に、フォトリソグラフィー処理技術
と焼結処理により一体形成された感光性ポリイミド等か
ら成る隔壁23が積層される。隔壁23は、チップ基板
16の周辺部を取り巻くシール隔壁部23−1と、上記
の各発熱素子18間に伸び出して形成される区画隔壁部
23−2とで形成されている。これらの区画隔壁部23
−2によって個々の発熱素子18に対応するインク加圧
室24が区画形成されている。
【0023】そして、上記ドライバ保護層22の溝部分
22−2に合わせて、先ずインク供給溝25がサンドブ
ラスト等のドライエッチング技術によって穿設され、更
にこのインク供給溝25に連通しチップ基板16の裏面
に貫通するインク供給孔26が穿設されている。
【0024】これらの最上部全面に、すなわち隔壁23
の上に、フィルム状のポリイミドから成るオリフィスプ
レート27が積層され接着部材によって固定されてい
る。そして、このオリフィスプレート27の上記発熱素
子18と対向する位置に、例えばヘリコン波エッチング
装置等により穿設されたオリフィス28が配置されてい
る。
【0025】上記のドライバ保護層22の溝部分22−
2から発熱部分22−1に至る部分つまりインク供給溝
25から発熱素子18に至る部分に隔壁23の高さに対
応する高さの共通インク流路29(図1及び図2(b) 参
照)が形成されている。そして、この下に、ドライバ1
7が配設されている。
【0026】このように、チップ基板16上に広い面積
で形成されたドライバ17の配設領域全域の上部を、共
通インク流路29として形成するので、ドライバ17の
発熱は、ドライバ保護層22を介してはいるが、ほぼ直
接共通インク流路29のインクに放熱される。熱を吸熱
した共通インク流路29上のインクは順次インク加圧室
24に供給され、インク滴となってオリフィス28から
吐出されていく。このように、ドライバ17の発熱はヘ
ッド内部に残留することなくインク滴に伴われて効率よ
く外部に放出される。
【0027】また、このオリフィス28からのインクの
吐出によって共通インク流路29にはインクの流れが発
生してインク供給溝25側から低温のインクが常に流れ
込んで補給される。すなわち、インク吐出量の多いオリ
フィス28つまり発熱量の大きいドライバ17ほど、そ
の上部の共通インク流路29のインクの流れが大きくな
るので、ドライバ17の発熱量に応じた適切なドライバ
17の冷却ができるようになる。
【0028】また、駆動素子の発熱を吐出前の流通イン
クで吸収するので、チップヒータ等の助けを借りること
無く、吐出部に供給されるインクの粘度を低下させるに
足るだけのインクの温度上昇が得られ、これにより、簡
単な構成で吐出速度すなわち印字速度を向上させること
ができるようになる。
【0029】尚、上記の図1及び図2(a),(b) に示す印
字ヘッド15は、1列のノズル列を備えたのみのモノカ
ラーインク用の印字ヘッドを示しているが、このような
構成の印字ヘッド15を、ブラック(Bk)インク用、
イエロー(Y)インク用、マゼンタ(M)インク用及び
シアン(C)インク用の4色一体でフルカラー用の印字
ヘッドを構成し、更にその印字ヘッドをアレー状に配列
することにより長尺印字ヘッドとすることができる。
【0030】図3は、そのような長尺印字ヘッドとその
周辺部材の分解斜視図である。同図に示す長尺印字ヘッ
ド30は、図2(a) に示した印字ヘッド15を4列に構
成した吐出ヘッド31を、インク吐出面を図の下方に向
けて、放熱板32の下面長手方向に千鳥足状に交互にア
レイ配置してダイボンディングされている。
【0031】吐出ヘッド31の図の上方に位置する4列
の各色インクに対応するインク供給孔26には、放熱板
32を上下に貫通して穿設された4本の溝孔33がそれ
ぞれ密着して連通する。そして、これらの各4本の溝孔
33には上記放熱板32の上面に密着して合体するイン
ク供給板34の下面に千鳥足状に蛇行して形成されてい
る各色インク対応の4本のインク供給路35がそれぞれ
密着して連通する。
【0032】インク供給板34の端部には、インク加圧
機構36が配設され、このインク加圧機構36の上部
に、各色インクに対応する4個のインク室37を備えた
インクタンク38が、係合部39(39−1、39−
2)を介して係合する。各インク室37の内部には、ス
ポンジにインクを浸透させることにより負圧を発生させ
た状態でインクが保持されている。
【0033】また、インクタンク38の係合部39−1
には、図では陰になって見えないが各色毎のインク供給
口が形成されており、インク加圧機構36の係合部39
−2には上記インク供給口に対応する各色毎の接続口が
形成されている。
【0034】インクタンク38の4個のインク室37内
の上記スポンジに含浸されているインクは、係合部39
−1、39−2、インク加圧機構36を介してインク供
給路35に送出され、更に溝孔33、インク供給孔26
を介して各吐出ヘッド31の対応する色インクのノズル
列(オリフィス28の1列の並び)に供給される。
【0035】長尺印字ヘッド30の下方には、必要に応
じて下方の退避位置から上昇して長尺印字ヘッド30の
下面周囲に密着して長尺印字ヘッド30を外部から密封
するキャップ機構41が配置される。キャップ機構41
には、図外の真空ポンプに連通する吸引パイプ42が連
結されている。
【0036】このキャップ機構41は、印字作業の休止
時つまり非印字のときには上方に移動して長尺印字ヘッ
ド30のオリフィス面をキャッピングし、印字開始初期
時のインク導通時には、目詰まりが発生している虞のあ
るオリフィスを吸引パイプ42により吸引してインク吐
出を良好に行うことが出来るようにする。
【0037】このキャップ機構41が下方の退避位置に
在るとき、不図示の用紙が長尺印字ヘッド30とキャッ
プ機構41の間を搬送される。長尺印字ヘッド30は、
その搬送される用紙の幅方向の有効印字領域に対応する
長さに形成されている。
【0038】印字の際は、各吐出ヘッド31のチップ基
板表面に配設された不図示の個別配線電極及び共通電極
と、不図示の制御回路からの電流印加によって、選択的
に発熱素子が加熱され、インクとの界面に発生した膜気
泡による体積膨張でインクがオリフィスから吐出され
る。
【0039】上記の印字動作を継続すると、吐出ヘッド
31が徐々に発熱しその熱は放熱板32に蓄熱されてく
る。しかしながら、放熱板32には、インク供給板34
により形成されているインク供給路35が密着してい
る。これにより、放熱板32の熱はインク供給35を流
れるインクに吸収され、この後吐出されるインク滴に伴
われて外部に放出されるから、吐出ヘッド31が許容温
度以上に過熱することはない。
【0040】図4は、第2の実施の形態におけるルーフ
シュータ型のインクジェットプリントヘッドを備えた長
尺縦長のヘッドユニットを一部切り欠いて示す外観斜視
図である。
【0041】図5(a) は、その構成を示す分解斜視図で
あり、同図(b) は、同図(a) の丸Cで示す部分、すなわ
ち基体端面の発熱素子配設領域面の拡大平面図である。
これらの図4及び図5(a),(b) に示すように、このイン
クジェットプリントヘッド45は、平板状の基体46を
備えている。基体46は、例えばアルミニウム(Al)
や窒化アルミニウム(AlN)、あるいはCu:90
%、Al:5%、Ni:4.5%のアルミニウムブロン
ズのような、熱伝導率がシリコンに比べ大きく放熱性に
優れ、且つ価格がシリコンより安い材料を用いて形成さ
れる。
【0042】この平板状の六面体の基体46は、対向す
る一対の大きい平面47−1及び47−2(平面47−
2は図4及び図5(a) では斜め左向こう側になっていて
見えない)と、これら平面47−1、47−2よりも面
積の小さい4つの端面48−1、48−2(端面48−
2は図4及び図5(a) では斜め右向こう側になっていて
見えない)、49−1及び49−2(端面49−1は図
4及び図5(a) では下側になっていて見えない)を有し
ている。
【0043】少なくとも上記の上を向く端面49−1に
は、その全面に、例えばSiO2 をスパッタリング等の
薄膜形成処理技術を用いて厚さ1μm程度に形成した絶
縁層が覆設されている。この端面49−1からこれと反
対側の端面49−2(図5(a) では下側になっていて見
えない)へ、基体46の厚み方向中央部を貫通させて、
断面が基体46の長手方向に沿って長く延びた長方形状
をなす中空部が共通インク流路51として形成されてい
る。
【0044】この共通インク流路51が開口する端面4
9−1の両側に、つまり端面49−1の長手方向の両側
にそれぞれ沿って、端部から端部まで、直線状に多数の
発熱素子52が並設されて2列の発熱素子列を形成して
いる。そして、共通インク流路51の開口部と2列の発
熱素子列の間には、全発熱素子52に接続された共通電
極53が配設され、各発熱素子52と端面49−1の端
部との間には、個別配線電極54が配設されている。
【0045】この上に、両側が櫛の歯状に形成された隔
壁部材55が、櫛の歯と歯の間に形成される加圧室56
内に発熱素子52及び個別配線電極54が位置するよう
に積層される。上記櫛の歯間に形成される加圧室56は
下方が共通インク流路51に連通し、上方は後にオリフ
ィスプレートによって覆われる。
【0046】次に、基体46の端面49−1、平面47
−1及び47−2を覆う大きさのオリフィスプレート5
7が用意される。このオリフィスプレート57の中央部
の上記発熱素子52に対応する位置に、予め、又は後か
ら、オリフィス58が穿設される。
【0047】このオリフィスプレート57はフレキシブ
ルプリント基板を兼ねており、その裏面57−1には、
特には図示しないが、所定のプリント配線がパターン化
されている。その配線パターンの端部には所定個数のI
Cベアチップ59が実装されている。ICベアチップ5
9は、シリコンチップから成り、片面にLSI形成処理
技術による発熱素子駆動回路が形成されている。ICベ
アチップ59は、この駆動回路が形成されている面をオ
リフィスプレート裏面57−1に向けて実装される。
【0048】基体46の平面47−1及び47−2に
は、上記のICベアチップ59が丁度嵌入するだけの穴
61が予め穿設されている。上記のオリフィスプレート
57を、オリフィス58が配置されている部分を基体4
6の端面49−1上に形成されている隔壁部材55の上
に貼り付けた後、下方直角方向に折り曲げて、ICべア
チップ59の駆動回路が形成されていない背面を基体4
6の平面47−1及び47−2の穴61に嵌入させて穴
61の底面に密着させた状態で、ICべアチップ59を
基体46に接着固定する。
【0049】基体46の下部には、共通インク流路51
の下部開口に連通するインク保持室62が一体に取り付
けられ、このインク保持室62の長手方向の両端部には
外部からインクを供給するためのチューブ63が連結さ
れている。これらのチューブ63と63は、不図示のイ
ンクタンクを介してインクの供給循環経路を構成してい
る。
【0050】本例の場合も印字の際は、個別配線電極5
4及び共通電極53とICベアチップ59の駆動回路か
らの電流印加によって、選択的に発熱素子52が加熱さ
れ、インクとの界面に発生した膜気泡による体積膨張で
インクがオリフィス58から吐出される。
【0051】そして上記の印字動作を継続すると、駆動
回路すなわち駆動回路が搭載されているICベアチップ
59が徐々に発熱し、その熱はICベアチップ59の平
面が密着している基体46の平面47−1及び47−2
に蓄熱されてくる。
【0052】しかしながら、基体46の平面47−1及
び47−2は、その裏面が共通インク流路51を形成し
ている。これにより、平面47−1及び47−2の熱は
共通インク流路51を流れるインクに吸収され、この熱
を吸収したインクがオリフィス58から外部に吐出され
ることにより、駆動回路の発熱が常に共通インク流路5
1を流れるインクを介してインクジェットプリントヘッ
ド45の外部に放出されることになり、したがって、駆
動回路が許容温度以上に過熱することはない。
【0053】尚、上記実施例では基体46の形状が6面
体で説明したが基体46の形状はこの形状に限定される
ものではなく、例えば印字装置本体への取り付けを考慮
し、コーナーを切り欠いたような変速的な形状であって
も良い。例えば1つのコーナーを切り欠いた形状では7
面体になり、2つのコーナーを切り欠いた形状では8面
体になるがこのような形状にも上記実施例は適用でき
る。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、シリコンチップ基板上又は中空の基体表面上に配
設される駆動素子の配設領域全面に近接して、流れるイ
ンクが駆動素子と熱交換可能に共通インク流路を形成す
るので、共通インク流路を流通して外部に吐出されるイ
ンクに駆動素子の発熱を吸収させることができ、これに
より、印字ヘッドの放熱をより効率良く行うことが可能
となる。
【0055】また、駆動素子の発熱を吐出前の流通イン
クで吸収するので、チップヒータ等の助けを借りること
無く、吐出部に供給されるインクの粘度を低下させるに
足るだけのインクの温度上昇が得られ、これにより、簡
単な構成で吐出速度すなわち印字速度を向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるインクジェットプリ
ントヘッドの内部構成を示すための分解斜視図である。
【図2】(a) は第1の実施の形態におけるインクジェッ
トプリントヘッドの完成品を一部切り欠いて示す斜視
図、(b) は(a) のB−B′断面矢視拡大図である。
【図3】第1の実施の形態におけるインクジェットプリ
ントヘッドをフルカラー構成とし更にそれを千鳥足状に
アレー配置して構成した長尺印字ヘッドとその周辺部材
の分解斜視図である。
【図4】第2の実施の形態におけるインクジェットプリ
ントヘッドの一部切り欠いて示す外観斜視図である。
【図5】(a) は第2の実施の形態におけるインクジェッ
トプリントヘッドの分解斜視図、(b) は(a) の丸Cで示
す部分の拡大平面図である。
【図6】(a) は従来のインクジェットプリントヘッドの
分解斜視図、(b) は(a) のA−A′断面矢視図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド 2 チップ基板 3 ドライバ 4 個別配線電極 5 抵抗発熱素子 6 共通電極 7 インク供給溝 8 インク供給孔 9 隔壁 11 オリフィスプレート 12 オリフィス 15 印字ヘッド 16 チップ基板 17 ドライバ 18 発熱素子 19 個別配線電極 21 共通電極 22 ドライバ保護層 22−1 発熱部分 22−2 溝部分 23 隔壁 23−1 シール隔壁部 23−2 区画隔壁部 24 インク加圧室 25 インク供給溝 26 インク供給孔 27 オリフィスプレート 28 オリフィス 29 共通インク流路 30 長尺印字ヘッド 31 吐出ヘッド 32 放熱板 33 溝孔 34 インク供給板 35 インク供給路 36 インク加圧機構 37 インク室 38 インクタンク 39 係合部 41 キャップ機構 42 吸引パイプ 45 インクジェットプリントヘッド 46 基体 47−1、47−2 平面 48−1、48−2、49−1、49−2 端面 51 共通インク流路 52 発熱素子 53 共通電極 54 個別配線電極 55 隔壁部材 56 加圧室 57 オリフィスプレート 57−1 オリフィスプレート裏面 58 オリフィス 59 ICベアチップ 61 穴 62 インク保持室 63 チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大杉 直寛 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 Fターム(参考) 2C057 AF25 AF34 AF99 AG12 AG46 AG83 BA04 BA05 BA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の所定方向に並んで配設され液体
    を吐出させる為の圧力エネルギーを発生させる複数のエ
    ネルギー発生素子と、該エネルギー発生素子を駆動する
    駆動素子と、前記基板上に立設され各エネルギー発生素
    子により前記液体に圧力を加える加圧室を夫々区画形成
    する隔壁と、該隔壁に重畳して設けられインク吐出用の
    オリフィスが空けられたオリフィスプレートと、前記加
    圧室にインクを供給するための共通インク流路とを少な
    くとも有するインクジェットプリントヘッドであって、 前記共通インク流路は、該共通インク流路内のインクが
    前記駆動素子の発生する熱を熱交換可能な位置に配置さ
    れる、ことを特徴とするインクジェットプリントヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記共通インク流路を該共通インク流路
    に連通し前記基板の裏面側よりインクを供給するインク
    供給溝と前記エネルギー発生素子との間に位置するよう
    に形成し、前記共通インク流路を流れるインクにより前
    記駆動素子を冷却すべく前記共通インク流路直下に近接
    して前記駆動素子を配置した、ことを特徴とする請求項
    1記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 対向する一対の平面と、少なくとも4つ
    の端面からなる少なくとも6面体の基体に中空部を設け
    該中空部を前記共通インク流路と成し、 該基体の中空部が開口する前記平面より面積の小さい1
    つの端面に、その長手方向に前記複数のエネルギー発生
    素子が並設されるよう且つ前記加圧室と前記基体の中空
    部開口が連通するよう前記基板を搭載し、 前記共通インク流路を流れるインクにより前記駆動素子
    を冷却すべく前記基体の前記一対の平面の少なくともい
    ずれか一つの平面に前記駆動素子を密着配置した、こと
    を特徴とする請求項1記載のインクジェットプリントヘ
    ッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7286354B2 (en) 2004-10-27 2007-10-23 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Electronic part-mounted substrate, thermal conductive member for electronic part-mounted substrate and liquid-jetting head
US7352591B2 (en) 2004-07-28 2008-04-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Substrate mounted with electronic element thereon and liquid ejection head including the substrate
JP2009137196A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Canon Inc インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP2010017901A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよびプリンタ

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