JP2001189207A - 希土類ボンド磁石およびその表面処理方法 - Google Patents

希土類ボンド磁石およびその表面処理方法

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JP2001189207A JP37198499A JP37198499A JP2001189207A JP 2001189207 A JP2001189207 A JP 2001189207A JP 37198499 A JP37198499 A JP 37198499A JP 37198499 A JP37198499 A JP 37198499A JP 2001189207 A JP2001189207 A JP 2001189207A
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Katsunori Iwasaki
克典 岩崎
Masahiro Tobise
飛世  正博
Hiroshi Okajima
弘 岡島
Machiko Mikami
真智子 三上
Masahiko Sakakibara
正彦 榊原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易的な表面処理方法により磁石粉末の酸化
および脱落を抑えられる希土類ボンド磁石の表面処理方
法ならびに安価でかつ耐食性の良好な希土類ボンド磁石
を提供する。 【解決手段】 希土類磁石粉末と結着樹脂とからなるボ
ンド磁石体の表面にメタクリル酸イソブチルとメタクリ
ル酸n−ブチルとの共重合体からなる表面処理膜を被覆
したことを特徴とする希土類ボンド磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐食性を向上した希
土類ボンド磁石およびその表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、Nd2Fe14B型金属間化合物を主
相とするNd-Fe-B系磁石粉末を樹脂で結着した等方性ボ
ンド磁石が多用されている。前記磁石粉末は所定組成の
溶湯を急冷することにより薄片(薄片は、厚さが約20〜
30μm、大きさが最大で数mmオーダー)を得、その後
熱処理を施した微結晶合金からなる。等方性のため、製
造が容易でかつユーザー側の使い勝手がよく、小型モ−
タ−の用途を中心に生産量が増加している。希土類ボン
ド磁石の一般的な製造工程は、所定量の磁石粉末と樹脂
とを配合し混合してコンパウンドを作製後、成形および
加熱硬化または熱処理を行う。加熱硬化は結着樹脂とし
て熱硬化性樹脂を用いた場合、熱処理は熱可塑性樹脂を
用いた場合に行う。次いでバレル研磨等によるバリ取り
工程を経て表面処理に供される。表面処理には大まかに
2つの機能がある。1つは、例えば高温環境下での使用
中に希土類ボンド磁石を構成する磁石粉末が酸化して実
用に耐えないレベルに磁気特性が劣化するのを抑える酸
化防止膜としての機能である。もう1つは磁石粉末の粒
径および機械的強度により変化するが、希土類ボンド磁
石の表面から磁粉が脱落するのを防止する機能である。
例えば、Nd-Fe-B系磁石粉末は上記の通り、溶湯急冷し
て得た薄片を必要に応じて粉砕後、熱処理を施して製造
されるが、脆性的で衝撃的な応力に弱いという欠点を有
する。このため、Nd-Fe-B系ボンド磁石のバレル研磨工
程において、樹脂で結着されたNd-Fe-B系磁石粉末に局
所的にマイクロクラックが発生する傾向があり、表面処
理無しの仕様ではNd-Fe-B系磁石粉末がボンド磁石表面
から飛散する事故を招来するという問題がある。よっ
て、ユ−ザ−側からの要求でNd-Fe-B系ボンド磁石の表
面処理が義務付けられる傾向にある。希土類ボンド磁石
の表面処理手段として、一般的に、エポキシ樹脂の電着
塗装または吹き付け塗装が主流である。昨今Niメッキ
等の表面処理方法も適用されつつあるが、いずれにし
ろ、表面処理費用が希土類ボンド磁石の製造原価の約10
〜20%を占めており、耐食性を向上しつつ製造原価を低
減可能な表面処理方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡易
的な表面処理方法により磁石粉末の酸化および脱落を抑
えられる希土類ボンド磁石の表面処理方法ならびにその
表面処理方法により製造された安価でかつ耐食性の良好
な希土類ボンド磁石を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、希土類磁石粉末と結着樹脂とからなるボンド磁石
体の表面にメタクリル酸イソブチルとメタクリル酸n−
ブチルとの共重合体からなる表面処理膜を被覆した希土
類ボンド磁石である。本発明の希土類ボンド磁石の特徴
は前記表面処理膜によりもたらされる。前記表面処理膜
の分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によ
り測定される分子量分布の平均値で定義され、前記表面
処理膜の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量
(Mw)はそれぞれMn=5,000〜100,000、Mw=10,0
00〜200,000が好ましく、 Mn=10,000〜50,000、Mw
=30,000〜100,000がより好ましい。Mnが5,000未満
(Mwが10,000未満)では希土類磁石粉末の酸化および
脱落を抑える効果が得られない。また、工業生産上、M
nが100,000超(Mwが200,000超)のものを安定に得る
ことは困難であり、かつ分子量の増大により下記の希釈
性が劣化する問題を招く。前記共重合体は従来のアクリ
ル系、エポキシ系、スチレン系、塩ビ系、ウレタン系の
いずれにも属さないものである。前記共重合体からなる
塗布剤または含浸剤は希釈性に優れるため濃度制御が容
易であり、そのため塗布厚みまたは含浸厚みをほぼ均一
にかつ薄く被覆可能であり、従来に比べて表面処理費用
を低減することができる。さらに表面被膜と希土類ボン
ド磁石体との密着性も良好なため、膜厚を1μm以上で
かつ100μm未満とすれば良好な耐食性が実現される。
膜厚が1μm未満では耐食性の向上が困難であり、100μ
m超ではボンド磁石体表面からの磁束量が低下する。表
面処理膜の被覆手段としては吹き付け法あるいは含浸法
が実用性に富んでおり、表面処理費用の低減のためにも
好ましい。
【0005】また本発明は、原子%で、主要成分組成
が、Rα100−(α+β+γ)β γ(RはYを含む
希土類元素の1種または2種以上でありSmを必ず含
み、TはFeまたはFeとCoであり、MはB、Al、
Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr,Nb、M
o,Hf、Ta、Wの1種あるいは2種以上である)、
5≦α≦18、0≦β≦50、4≦γ≦30 で表される希土類
磁石粉末と結着樹脂とからなるボンド磁石体の表面にメ
タクリル酸イソブチルとメタクリル酸n−ブチルとの共
重合体からなる表面処理膜を被覆した希土類ボンド磁石
である。
【0006】本発明の希土類ボンド磁石は等方性または
異方性のものを対象とする。
【0007】本発明に用いる磁石粉末は、後述の溶湯急
冷法により得られる母合金、高周波溶解・鋳造法または
アーク溶解・鋳造法により得られる母合金インゴット、
アトマイズ法により得られる母合金粉末あるいはCa還
元拡散法により得られる母合金粉末を用いて作製でき
る。
【0008】本発明に用いるR-T(-M)-N系磁石粉末の組
成限定理由は以下の通りである。R含有量は5〜18原子
%が好ましい。Rが5原子%未満では保磁力iHcが低下
し、18原子%超では飽和磁化が低下する。さらに好まし
いR含有量は6〜12原子%である。RにはSmを必ず含
み、Sm以外にY,La,Ce,Pr,Nd,Eu,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luの1種
または2種以上を含むことが許容される。Smミッシュ
メタル等のSmを必須に含む混合希土類金属を用いても
よい。Rとして、好ましくはSmとY、La,Ce,P
r,Nd,Gd、Dy,Erの1種または2種以上との
組み合わせ、さらに好ましくはSmとY、La,Ce,
Pr、Ndの1種または2種以上の組み合わせ、特に好
ましいのは実質的にSmのみまたはSmとLaからなる
場合である。なお、RがSm、Laおよび不可避不純物
からなりLa含有量が0.05〜1原子%、残部Smからな
るR-T(-M)-N系磁石粉末とすれば、等方性ボンド磁石と
した場合に着磁性が顕著に向上する効果が得られる。39
8kA/m(5kOe)以上のiHcを得るために、Rに占めるSm比
率を50原子%以上、さらには70原子%以上、特に好まし
くは99原子%以上とするのがよい。Rには、製造上混入
が避けられないO、H、C、Al、Si、Na、Mg、
Ca等の不可避不純物を、それらの含有量の合計で1原
子%以下含有することが許容される。窒素の含有量
(γ)は4〜30原子%が好ましい。4原子%未満および30
原子%超ではiHc、飽和磁化が低下する。より好ましい
窒素含有量は10〜20原子%である。B、Al、Ti、
V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、H
f、Ta、Wの1種または2種以上からなるM元素を50
原子%以下含有することがTh2Zn17型、Th2Ni17型または
TbCu7型の硬質磁性相を主相とし、398kA/m(5kOe)以上の
iHcを得るために好ましい。M元素の含有量が50原子%
超ではThMn12型のSm(Fe,M)12N相が生成しiHcが大きく
低下し、1原子%未満では添加効果が認められない。
【0009】次に、本発明に用いる磁石粉末の製造条件
について説明する。本発明に用いる等方性の磁石粉末
は、原子%で、Rα100-(α+β+γ)βγ(Rは
Yを含む希土類元素の1種または2種以上でありSmを
必ず含む、TはFeまたはFeとCo、MはB、Al、
V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、H
f、Ta、Wのいずれか1種または2種以上、5≦α≦1
8、、0≦β≦50、4≦γ≦30)で表される希土類磁石粉
末の主要成分組成に対応する組成の母合金溶湯を急冷
後、後述の水素化・分解反応処理およびこれに続く脱水
素・再結合反応処理を施し、その後必要に応じて所定粒
径まで粉砕後、窒化を行うことにより得られる。母合金
に占めるαFeの面積比率(平均値)を5%以下、より
好ましくは2%以下、特に好ましくは0%にするために、
溶湯急冷の冷却用ロールの周速を、好ましくは0.05〜10
m/秒、より好ましくは0.08〜9m/秒、特に好ましく
は0.1〜8m/秒とすることがよい。あるいは上記希土類
磁石粉末の主要成分組成に対応する組成の母合金インゴ
ットを例えば高周波溶解・鋳造して得た後、窒素を含ま
ない不活性ガス雰囲気中で1010〜1280℃×1〜40時間の
均質化熱処理を行い、室温まで冷却する。その後必要に
応じて粗粉末化し、次に後述の水素化・分解反応処理お
よびこれに続く脱水素・再結合反応処理を施す。次に必
要に応じて所定粒径まで粉砕後、窒化を行うことにより
得られる。上記均質化熱処理の条件を外れると、母合金
に占めるαFeの面積比率(平均値)を5%以下、より
好ましくは2%以下、特に好ましくは0%にすることが困
難である。水素化・分解反応処理は0.1〜10atmの水素ガ
ス中または水素ガス分圧を有する不活性ガス(窒素ガス
を除く)中で675〜900℃×0.5〜8時間加熱する条件で行
う。脱水素・再結合反応処理は水素化・分解反応処理に
続けて1.33×10−0〜1.20×10−3Pa (1×10−2〜9
×10−6Torr)の真空中で700〜900℃×0.5〜10時間加
熱処理する条件で行う。水素化・分解反応処理により母
合金を希土類元素Rの水素化物RHx、T-M相などに分解す
る。続いて脱水素・再結合反応処理により母合金相に再
結合させて平均結晶粒径が0.01〜1μmの微細な母合金
組織にする。個々の再結晶粒子はランダムに配向するた
め、窒化処理後のものは等方性を示す。水素化・分解反
応の水素分圧が0.1atm未満では分解反応が十分起こら
ず、10atm超では処理設備が大型化して製造原価が増大
する。水素分圧は0.1〜10atmが好ましく、0.5〜2.0atm
がより好ましい。また、水素化・分解反応の加熱条件
が、675℃×0.5時間未満では母合金が水素を吸収するの
みでRHx、T-M相などへの分解がほとんど起こらず、900
℃×8時間超では脱水素後の母合金が粗大粒化し、ボン
ド磁石のiHcが大きく低下する。よって、水素化・分解
反応処理は675〜900℃×0.5〜8時間が好ましく、725〜8
75℃×0.5〜8時間がより好ましい。脱水素・再結合反応
処理時の水素分圧が1.33Pa (1×10−2Torr)よりも低
真空では処理に長時間を要して工業生産には不適であ
る。1.20×10−3Pa (9×10 −6Torr)超の高真空とす
ることは真空排気装置のコスト増を招く。脱水素・再結
合反応処理の加熱条件が700℃×0.5時間未満ではRHx等
の分解がほとんど進行せず、900℃×10時間を超えると
再結晶組織が粗大粒化してiHcが大きく低下する。有用
な磁気特性を実現するには窒化後の磁石粉末の平均再結
晶粒径を0.01〜1μmとする必要がある。このために、
脱水素・再結合反応条件は700〜900℃×0.5〜10時間が
好ましく、725〜875℃×0.5〜10時間がより好ましい。
窒化は、0.2〜10atmの窒素ガス、水素が1〜95モル%で
残部が窒素からなる(水素+窒素)の混合ガス、アンモ
ニアが1〜50モル%で残部が水素からなる(アンモニア
+水素)の混合ガスのいずれかの雰囲気中で300〜650℃
×0.1〜30時間加熱するガス窒化が実用性に富んでい
る。ガス窒化が300℃×0.1時間未満では窒化がほとんど
進行せず、650℃×30時間超ではRNとFe-M相を生成し、
いずれもiHcが顕著に低下する。ガス窒化の加熱条件は3
00〜650℃×0.1〜30時間が好ましく、400〜550℃×0.5
〜30時間がより好ましく、400〜550℃×1〜10時間が特
に好ましい。なお、窒化処理時の窒素単独ガスまたは窒
素を含有した窒化ガスの圧力は0.2〜10atmが好ましく、
1〜10atmがより好ましい。0.2atm未満では窒化反応が遅
く、10atm超では高圧ガスの設備コストが増大する。窒
化処理後に、窒素を含まない不活性ガス雰囲気中で100
℃以上窒化温度未満の温度に加熱する熱処理を施すと窒
化組織が均質化されて磁気特性が向上する場合がある。
こうして得られた等方性の磁石粉末は平均粒径が5〜300
μm、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20
〜120μmのものがよい。平均粒径が5μm未満では酸化
劣化、成形性劣化が顕著となり有用な磁気特性が得られ
ず、300μm超では窒化組織が不均一になり磁気特性が
大きく低下する。
【0010】次に、本発明に用いる異方性の磁石粉末に
ついて説明する。上記主要成分組成を有するR-T(-M)-N
系合金粉末を用いることができる。例えば高周波溶解・
鋳造して得られたR-T(-M)系母合金インゴットに対し、
上記均質化熱処理を施し、αFeを消滅させた母合金と
する。その後、必要に応じて所定粒径まで粉砕後、上記
条件で窒化する。窒化処理に供する母合金の粉砕は、不
活性ガス雰囲気に保持したハンマ−ミル、ディスクミ
ル、アトライタあるいは振動ミルで行うことが好まし
い。窒化後、微粉砕して平均粒径が1〜10μmの粉末に
する。この微粉砕は不活性ガス雰囲気に保持した乾式の
ジェットミル粉砕および/または湿式のボールミル粉砕
によるのがよい。平均粒径が1μm未満では酸化劣化が
顕著になり、かつ充填密度が減少して異方性ボンド磁石
の(BH)maxが大きく低下する。10μm超では多結晶粒子
の含有比率が増加して磁気異方性が大きく低下するので
異方性ボンド磁石の(BH)maxが低下する。
【0011】本発明に用いる結着樹脂として、エポキシ
樹脂またはフェノ−ル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いるこ
とができる。また、ポリアミド樹脂またはEEA樹脂等
の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、ゴム材料
を用いることができる。それらのうち、圧縮成形用には
熱硬化性樹脂が好適である。混練に供する希土類磁石粉
末および/または結着樹脂を、公知のシラン系またはチ
タン系のカップリング剤で表面処理することがよい。ま
た、混練時にジアミノジフェニルスルフォン(DDS)
等の硬化剤および/またはステアリン酸カルシウムなど
の金属石鹸(滑剤)の合計量を、コンパウンドの単位重
量あたり0.1〜1重量%添加することが圧縮成形時の成形
性を向上するために好ましい。
【0012】本発明は、上記のR-T(-M)-N系磁石粉末以
外に、R14B型金属間化合物(RはYを含む希土
類元素の1種または2種以上でありNd、Dy、Prの
1種または2種以上を必ず含み、TはFeまたはFeと
Coである)を主相とするとともに前記主相の平均結晶
粒径が0.01〜0.5μmである等方性または異方性のR-T-B
系磁石粉末を用いたボンド磁石を包含する。また本発明
は、SmTm17型金属間化合物(TmはCo、Fe、
Cuを必ず含み、さらにZr、Hf,Ti、Zrの1種
または2種以上を含む)またはSmCo型金属間化合
物を主相とする磁石粉末を用いたボンド磁石を包含す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明
するが、それら実施例により本発明が限定されるもので
はない。 (実施例1)純度99.9%以上のSm、Fe、Tiおよび
Bを用いて、原子比率で主要成分組成がSm9.4Fe
86.9Ti2.71.0になるよう配合し、アルゴンガス雰囲
気の高周波溶解炉で溶解した。この母合金溶湯をストリ
ップキャスタ−の冷却用ロール面(銅製、直径300m
m、周速1m/秒)に注湯して急冷凝固し、板厚約200μ
mの母合金薄帯を得た。次にこの薄帯を1atmの水素ガス
中で800℃×1時間加熱する水素化・分解反応処理を行
い、引き続いて約6.6Pa(約5×10-2Torr)の真空中で80
0℃×1時間加熱する脱水素・再結合反応処理を行い、そ
の後室温まで冷却した。次に、アルゴンガス雰囲気中
で、ジョ−クラッシャ−およびハンマ−ミルを用いて平
均粒径30.3μmの粉末に粉砕した。平均粒径の測定はSy
mpatec社製レ−ザ−回折型粒径分布測定装置;HEROS&R
ODOSシステムを用いた。次に、前記粉末を1atmの窒素ガ
ス中で450℃×5時間加熱する窒化処理を行い室温まで冷
却した。その後、アルゴンガス気流中で400℃×30分間
熱処理して、ThZn17型の硬質磁性相を主相(主相の
平均結晶粒径は0.30μm)とし、平均粒径が31.5μmで
ある等方性磁石粉末を得た。次に、前記磁石粉末98重量
部とエポキシ樹脂2重量部とを配合し、混合した。その
後、約90℃に加熱した二軸混練機に投入して混練し、コ
ンパウンドを作製した。次に、作製したコンパウンドを
用いて所定の成形機により8トン/cm2の成形圧力で外
径10mm、高さ7mmの円柱状の成形体を圧縮成形し
た。次に、大気中で170℃×2時間加熱後冷却する加熱硬
化処理を施して等方性のボンド磁石体を得た。次に、下
記の各耐食性試験に供するため、バレル研磨により試料
外周のバリを除去するとともに等方性ボンド磁石体の表
面に磁石粉末が露呈した状態にした。次に、この等方性
ボンド磁石体の表面に、メタクリル酸イソブチルとメタ
クリル酸n−ブチルとの共重合体からなるヘルツ化学
(株)製の商品名:ハ゜ーマシールト゛ウルトラタイフ゜ PSC-200(Mn
=21,000、Mw=61,000)を平均膜厚で5μmに塗布し
た試料を所定個数分準備した。ハ゜ーマシールト゛ ウルトラタイフ゜ P
SC-200の構造式を図1に示す。図1から、このものはポ
リメタクリル酸イソブチルとポリメタクリル酸n−ブチ
ルとのブロック共重合体でありかつ(n/m)が約(3/1)であ
ることがわかる。次に、前記試料により、恒温恒湿試
験、PCT試験および塩水噴霧試験をそれぞれ行い耐食性
を評価した。恒温恒湿試験は加熱温度60℃、相対湿度95
%の恒温恒湿槽で1000時間放置後室温まで冷却した試料
で評価した。PCT試験は加熱温度100℃、相対湿度100
%、2気圧の条件下で100時間放置後室温まで冷却した試
料で評価した。塩水噴霧試験は濃度5%の塩水を2時間噴
霧後、加熱温度40℃、相対湿度95%の雰囲気中に200時
間放置し、その後室温まで冷却した試料で評価した。い
ずれの試験においても、各試験後の試料の表面の任意部
分を実体顕微鏡で写真撮影後、この視野における錆びが
発生した部分と錆びの無い部分の面積比率を画像処理に
より求めて耐食性の尺度とした。結果を表1に示す。 (従来例1)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例1の等方性ボンド磁石体のまま、実施例1と同
様の各種耐食性試験を行った。結果を表1に示す。 (従来例2)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例1の等方性ボンド磁石体の表面に平均膜厚5μ
mのエポキシ樹脂を塗布した以外は実施例1と同様にし
て各種耐食性試験を行った。結果を表1に示す。 (実施例2)実施例1の磁石粉末に替えて、磁石粉末と
してNdFe14B型金属間化合物を主相(主相の平均結
晶粒径は0.11μm)とするマグネクエンチインタ−ナシ
ョナル社製のNd-Fe-B系等方性磁石粉末(MQP-B材)
を用いた以外は実施例1と同様にしてコンパウンドを作
製後、圧縮成形による等方性ボンド磁石を作製し、各種
耐食性試験を行った。結果を表1に示す。 (従来例3)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例2の等方性ボンド磁石体のまま、実施例1と同
様の各種耐食性試験を行った。結果を表1に示す。 (従来例4)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例2の等方性ボンド磁石体の表面に平均膜厚5μ
mのエポキシ樹脂を塗布した以外は実施例1と同様にし
て各種耐食性試験を行った。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】(実施例3)磁石粉末として平均粒径が15
μmであり、原子%でSm9.1Fe76.8Mn0.5 13.6
主要成分組成を有する磁石粉末を準備した。続いて、ジ
ェットミルにより平均粒径4.0μmまで微粉砕し、さら
に有機溶媒としてヘキサンを用いた湿式ボ−ルミルによ
り微粉砕後、脱溶媒して平均粒径が2.3μmの微紛を得
た。次に、前記微粉:94.1重量部、液状エポキシ樹脂:
2.6重量部、硬化剤(DDS;ジアミノジフェニルスル
フォン):0.7重量部および有機溶媒として液状エポキ
シ樹脂と同重量のアセトン:2.6重量部を攪拌機中に投
入後、20r.p.m.で約20分間攪拌してスラリ−化した。次
に、作製したスラリ−からアセトンをほぼ全量揮発させ
た後、室温において、配向磁場強度477.6kA/m(6kOe)、
成形圧力8トン/cm2で磁場中圧縮成形した。その後、
アルゴン雰囲気中で170℃×2時間の加熱硬化処理を行い
異方性ボンド磁石体を得た。次にバレル研磨を施した。
続いて、バレル研磨を施した異方性ボンド磁石体を実施
例1と同様のヘルツ化学(株)製の商品名:ハ゜ーマシールト゛
ウルトラタイフ゜ PSC-200からなる含浸液に浸漬して含浸さ
せて、前記異方性ボンド磁石体の表面に平均膜厚5μm
の被膜を形成した試料を所定個数分準備した。以降は実
施例1と同様にして耐食性を評価した。結果を表2に示
す。 (従来例5)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例3の異方性ボンド磁石体のまま、実施例3と同
様の各種耐食性試験を行った。結果を表2に示す。 (従来例6)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例3の異方性ボンド磁石体の表面に含浸法により
平均膜厚5μmのエポキシ樹脂を被覆した以外は実施例
3と同様にして各種耐食性試験を行った。結果を表2に
示す。 (実施例4)実施例3の磁石粉末に替えて、磁石粉末と
してNdFe14B型金属間化合物を主相(主相の平均結
晶粒径は0.20μm)とするマグネクエンチインタ−ナシ
ョナル社製のNd-Fe-B系異方性磁石粉末(MQA-T材)
を用いた以外は実施例3と同様にして異方性ボンド磁石
を作製し、耐食性を評価した。結果を表2に示す。 (従来例7)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例4の異方性ボンド磁石体のまま、実施例4と同
様の各種耐食性試験を行った。結果を表2に示す。 (従来例8)バレル研磨により磁石粉末が表面に露呈し
た実施例4の異方性ボンド磁石体の表面に含浸法により
平均膜厚5μmのエポキシ樹脂を被覆した以外は実施例
4と同様にして各種耐食性試験を行った。結果を表2に
示す。
【0016】
【表2】
【0017】上記実施例ではボンド磁石の場合を記載し
たが、本発明は公知の希土類永久磁石体に適用した場合
を包含する。例えば、RT14B型金属間化合物(Rは
Yを含む希土類元素の1種または2種以上でありNd、
Dy、Prの1種または2種以上を必ず含み、TはFe
またはFeとCoからなる)を主相とするR-T-B系焼結
磁石体の被覆に有効である。あるいは、RT14B型金
属間化合物(RはYを含む希土類元素の1種または2種
以上でありNd、Dy、Prの1種または2種以上を必
ず含み、TはFeまたはFeとCoからなる)を主相と
し、かつ主相の平均結晶粒径が0.01〜0.5μmである温
間加工磁石体の被覆に有効である。
【0018】
【発明の効果】以上記述の通り、本発明によれば、簡易
的な表面処理方法により磁石粉末の酸化および脱落を抑
えられる希土類ボンド磁石の表面処理方法ならびに安価
でかつ耐食性の良好な希土類ボンド磁石を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における表面被覆膜を構成するブロック
共重合体の構造式の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三上 真智子 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内 (72)発明者 榊原 正彦 東京都港区芝浦一丁目2番1号日立金属株 式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA11 AA27 FA25 GA04 KA46 5E040 AA03 AA19 BB03 BC05 CA01 NN01 NN05 5E062 CD05 CF01 CF09 CG07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類磁石粉末と結着樹脂とからなるボ
    ンド磁石体の表面にメタクリル酸イソブチルとメタクリ
    ル酸n−ブチルとの共重合体からなる表面処理膜を被覆
    したことを特徴とする希土類ボンド磁石。
  2. 【請求項2】 原子%で、主要成分組成が、Rα
    100−(α+β+γ)βγ(RはYを含む希土類元素
    の1種または2種以上でありSmを必ず含み、TはFe
    またはFeとCoであり、MはB、Al、Ti、V、C
    r、Mn、Cu、Ga、Zr,Nb、Mo,Hf、T
    a、Wの1種あるいは2種以上である)、5≦α≦18、0
    ≦β≦50、4≦γ≦30 で表される希土類磁石粉末と結
    着樹脂とからなるボンド磁石体の表面にメタクリル酸イ
    ソブチルとメタクリル酸n−ブチルとの共重合体からな
    る表面処理膜を被覆したことを特徴とする希土類ボンド
    磁石。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の希土類ボンド
    磁石が等方性または異方性であり、かつ前記表面処理膜
    の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)
    がそれぞれMn=5,000〜100,000、Mw=10,000〜200,
    000である希土類ボンド磁石。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の表面
    処理膜厚が1μm以上100μm未満である希土類ボンド磁
    石。
  5. 【請求項5】 希土類磁石粉末と結着樹脂とからなるボ
    ンド磁石体の表面にメタクリル酸イソブチルとメタクリ
    ル酸n−ブチルとの共重合体からなる表面処理膜を被覆
    する希土類ボンド磁石の表面処理方法であって、表面処
    理膜の被覆手段が吹き付け法あるいは含浸法であること
    を特徴とする希土類ボンド磁石の表面処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100475144B1 (ko) * 2001-06-15 2005-03-08 김용욱 희토류 결합자석
CN102610353A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 北京中科三环高技术股份有限公司 一种高取向度高性能各向异性柔性磁体的制备方法

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CN102610353A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 北京中科三环高技术股份有限公司 一种高取向度高性能各向异性柔性磁体的制备方法

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